JP2011028915A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールトゥロール式搬送ラインで、はしご状保護フィルム付き膜-電極接合体の製造時に、保護フィルムに応力をかけない工法で、矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、該触媒層を取り囲むようにしてはしご状又は窓枠状の保護フィルムを形成すること。
【解決手段】ロールトゥロール式搬送ラインによる膜-電極接合体(19、25U、29A、29B、30U)の製造時に、矩形状の触媒層14が一定の間隔をおいて形成されている電解質膜15に、触媒層14を取り囲むように、グラビア法、フレキソ法、スクリーン法、若しくはインクジェット法等の印刷法によって溶融樹脂を塗布・硬化する製造方法、又は、保護フィルム用テープ22A、22B、30A若しくは30Bを、熱圧接合ロール24A、24Bにより、触媒層14を縁取りながら電解質膜周縁部に接合する製造方法を採用した。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池、特に固体高分子形燃料電池(POLYMER ELECTROLYTE FUEL CELL:以下「PEFC」と略す)に係る製造方法に関し、さらに詳細には、PEFCに備わる、膜-電極接合体(MEMBRANE ELECTRODE ASSEMBLY:以下「MEA」と略す)、及び膜-電極-ガス拡散層接合体(MEMBRANE ELECTRODE GAS-DIFFUSION-LAYER ASSEMBLY:以下「MEGA」と略す)に係る製造方法に関する。
近年、自動車、携帯機器等の電力源として搭載される燃料電池の技術革新が進んでおり、代表的な燃料電池の1つ、PEFCの需要が増大しつつある。そのため、MEAの量産技術の確立、加えて、MEAをサンドイッチするように、ガス拡散層(GAS DIFFUSION LAYER:以下「GDL」と略す)が形成されたMEGAの量産技術の確立が待ち望まれている。
ところで、GDLは、通常、炭素繊維からなることから、炭素繊維から立った毛羽が電解質膜を突き刺し、いわゆるクロスリークを生じさせる欠点がある。
この欠点を解決するために、特許文献1に示されるように、MEAやMEGAの製造に際して、一定幅の窓枠状(はしご状)の保護フィルムを、電解質膜の周縁部に、矩形状の触媒層を縁取るように形成している[以下、本明細書で、セル単位のものを「窓枠状保護フィルム」と称し、セル単位に均等カット前の長尺テープ状のものを「はしご状保護フィルム」と称する]。
より具体的には、例えば、厚み数十μm以下の、はしご状又は窓枠状保護フィルムを含む、矩形状の触媒層付き電解質膜(MEA)を作製する際、両者を位置決めし、重ね合わせ熱圧接合している。
しかし、予め形成されたはしご状又は窓枠状保護フィルムの窓枠内に、矩形状の触媒層を正確に位置決め制御・自動化することは難しい。そのため、しばしば、製品歩留り低下を防ぐため、やむなく、位置決め治具を使った手作業で製造することがある。
特開2005−183182号公報
ところが、例えば、自動車が月産1000台体制で、3秒/1セル程の燃料電池の単位セルの生産能力が必要とされるとすると、MEAを手作業で作製していては供給に間に合わず、やはり従来技術の不具合を克服して、自動化・量産化が不可避となることは明らかである。
以下、一例としてロールトゥロール式の製造ラインを用いている従来のMEA製造装置1を、図22を参照しながら説明しつつ、従来技術の不具合について説明する。
MEA製造装置1は、ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送される電解質膜2(長尺の矩形状)に、塗工ダイ3によって、インクタンク(不図示)から供給される触媒インクを塗工し、電解質膜2に、矩形状の触媒層4を、一定の間隔をおきながら矩形状に形成してゆく。
次に、触媒層4が形成された電解質膜5を、乾燥炉6の中に搬入する。乾燥炉6は、触媒層4に含有する溶媒分又は水分を蒸発・乾燥し、アイオノマーを含む触媒担持カーボン粒子による三次元ネットワーク構造の触媒層4を、電解質膜2に形成する。さらに、触媒層付き電解質膜5(MEA5)が、乾燥炉6の中から搬出された後、MEA5と、同一幅のはしご状保護フィルム7と、が重ね合わせられ、はしご状保護フィルム7の窓枠内に触媒層4が位置決めされ、かつ、触媒層付き電解質膜5とはしご状保護フィルム7の幅方向が一致するように(平行になるように)、支持ロール8により押圧される。
ところで、はしご状保護フィルム7は、MEA製造装置1によって以下のように作製される。まず、はしご状保護フィルム7が支持ロール8に搬送される前に、非はしご状の(窓枠を具備しない)保護フィルム[例えばテープ状のPEN(ポリエチレンナフタレート)製フィルム]が、図示しない巻き出しロールに巻かれて準備されている。次に、非はしご状保護フィルムは、図示しない巻取りロールによって巻き取られることにより搬送され、図22に示すように、切り込みカッター付きロール10A、10Bによって挟持・押圧され、間欠的に窓部13が連続して切り抜かれて、はしご状保護フィルム7が形成される。切り抜かれたフィルムは、バキューム12によって吸引され廃棄される。
このようにして形成された、はしご状保護フィルム7と、触媒層付き電解質膜5とが重ね合わされた薄膜体11は、さらに、熱圧接合ロール12A、12Bによって挟持・熱圧処理され、触媒層付き電解質膜5とはしご状保護フィルム7とが接する面の樹脂成分が溶融・硬化することで両膜が接合され、触媒層4と電解質膜5とを含むはしご状保護フィルム付きMEA13´が製造され、図示しない巻取りロールに巻き取られてゆく。
しかし、MEA製造装置1を用いて、はしご状に切り抜き加工されたはしご状保護フィルム7を搬送する際、搬送中に一定の張力がはしご状保護フィルム7にかかる結果、特に、はしご状フィルム7に一定間隔を置いて存在する窓枠部13の四隅に応力が集中して、応力負荷分布が偏り、はしご状保護フィルム7に、変形、シワ、損傷等が発生する。そのため、はしご状保護フィルム7の安定搬送、並びに同フィルム7の触媒層付き電解質膜5への位置決め及び接合が困難となるウェブハンドリングの問題がある。加えて、はしご状保護フィルム7は、上述したように、切り込みカッター9によって加工する必要があるため加工コストが発生する。一方で、はしご状保護フィルム7の切り抜き分は廃棄されるため、余分な材料コストがかかり材料歩留りが悪くなるといった問題がある。
本願発明者らは、製造ライン中(搬送中)に、はしご状保護フィルム用材料(例えばPENフィルム)を、はしご状(窓枠状)に切り抜き加工してその窓枠内に対して触媒層を位置決めする従来の工法に問題の所在があることに着目し、当該製造方法を見直し、鋭意検討の結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、本発明は、保護フィルムに応力がかからない方法によって、電解質膜に、はしご状(窓枠状)保護フィルムを形成して、該保護フィルム付きMEA又はMEGAを製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るはしご状保護フィルム付きMEAの製造方法、併せてMEGAの製造方法を、以下の(発明の態様)に例示する。
(発明の態様)
以下、発明の態様を示し、それらについて説明する。(1)項から(6)項の各々が、請求項1から請求項6の各々に相当する。
(1) ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、一定間隔で矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状又は窓枠状の保護フィルムを、前記電解質膜の少なくとも片面に触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、前記触媒層の周縁の前記電解質膜に、前記保護フィルム形成用の樹脂流体を、グラビア印刷法により前記触媒層の縁に沿って取り囲むように塗工し、硬化し、前記保護フィルムを形成することを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
本項によれば、触媒層が形成された電解質膜(MEA)に、触媒層を縁取るはしご状又は窓枠状保護フィルムの形成を、グラビア印刷法(後述する他の印刷法でも代替可能)により行うため、保護フィルムの窓枠の四隅周辺に応力が集中しないため、従来のウェブハンドリングの問題は生じない。
また、本項によれば、はしご状又は窓枠状保護フィルムの位置決めは、グラビア印刷法で用いられるコータロールの回転制御、触媒インクが塗布される際に搬送中の位置決め制御を実行する等の既存の技術で対応できる。
また、本項によれば、はしご状又は窓枠状保護フィルムの電解質膜への接合性は、はしご状又は窓枠状保護フィルム用樹脂の硬化によって好適なものとなる。
さらにまた、本項によれば、はしご状又は窓枠状保護フィルム用樹脂を必要量だけ供給するので、従来の材料歩留りの問題は生じない。
(2) ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、一定間隔で矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状又は窓枠状保護フィルムを、前記電解質膜の少なくとも片面に触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、前記触媒層の搬送方向の周縁部に沿った前記電解質膜と同一幅の保護フィルム用樹脂テープを、前記触媒層の対辺を縁取るようにして前記電解質膜に熱圧接合する第1保護フィルム接合工程と、該第1保護フィルム接合工程によって得られた保護フィルム用樹脂テープ付き膜-電極接合体を、前記搬送方向に対して直角な方向に沿って、セル単位に均等にカットするカット工程と、該カット工程によって得られたセル単位の保護フィルム用樹脂テープ付き膜-電極接合体の前記保護フィルムが接合されていない他方の周縁部の対辺に係る前記電解質膜に、前記触媒層の面と同一幅の保護フィルム用樹脂テープを熱圧接合する第2保護フィルム接合工程と、を含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
本項によれば、触媒層が形成された電解質膜(MEA)に、触媒層を縁取るようにしてはしご状又は窓枠状の保護フィルムの形成を当該保護フィルム用テープを所望の箇所に接合して行うため、保護フィルムの窓枠の四隅周辺に応力が集中しないため、従来のウェブハンドリングの問題は生じない。
また、本項によれば、はしご状(窓枠状)の保護フィルムの位置決めは、搬送用のロール及び/又はグラビアロールの回転制御や、画像処理等の既存技術で対応できる。
さらにまた、本項によれば、はしご状(窓枠状)の保護フィルム用樹脂を必要量だけ供給するので、従来の材料歩留りの問題は生じない。
(3) 前記保護フィルムが、前記電解質膜の片面のみに形成されるときには、前記電解質膜の他の片面全体に、前記触媒層を形成することを特徴とする(1)項又は(2)項に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
本項によれば、(1)項又は(2)項に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法において、片側の保護フィルムの形成に係る工程を省力化でき、かつ、保護フィルムの材料コストを半分に抑えることができる。
さらにまた、本項によれば、はしご状(窓枠状)の保護フィルム用樹脂を必要量だけ供給すればよいので、従来の材料歩留りの問題は生じない。
(4) (3)に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法によって、前記保護フィルムを、前記電解質膜の片面のみに形成されるときには、前記電解質膜の他方の片面全体に触媒層を形成し、該触媒層の周縁部に該触媒層からのガスリーク防止用のガスシール層を形成することを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
本項は、前記電解質膜の他の片面全体に前記触媒層を形成し、かつ、保護フィルムを全く形成しないときには、該触媒層の周縁部から、燃料電池の発電に必要なガスがリークしてしまうため、このガスリークを防ぐべく、(3)に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法において、少なくとも該触媒層の周縁部に該触媒層からガスリーク防止用のガスシール層を形成する工程を含ませるようにしたものである(後述の実施例3参照)。
(5) ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、一定間隔で矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状(又は窓枠状)の保護フィルムを、前記電解質膜の両面に触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、前記電解質膜の両面の前記周縁部の対辺に沿って、表面、へり及び裏面を覆うように、前記保護フィルム用樹脂テープを熱圧接合する第1保護フィルム接合工程と、該第1保護フィルム接合工程によって得られた保護フィルム付き膜-電極接合体を、セル単位に均等カットするカット工程と、該カット工程によって得られたセル単位の保護フィルム付き膜-電極接合体の前記保護フィルムが接合されていない他方の周縁部の対辺に沿って、表面、へり及び裏面を覆うように、前記保護フィルムを熱圧接合する第2保護フィルム接合工程と、を含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
本項によれば、触媒層が形成された電解質膜(MEA)に、触媒層を縁取るようにしてはしご状(又は窓枠状)の保護フィルムを、触媒層を縁取るようにして形成するために、保護フィルムの窓枠の四隅周辺に応力が集中しないため、従来のウェブハンドリングの問題は生じない。
また、本項によれば、はしご状(又は窓枠状)保護フィルムの位置決めは、当該保護フィルム用テープの巻き出し用のロールの回転制御や、画像処理等の既存技術で対応できる。
さらにまた、本項によれば、はしご状(又は窓枠状)保護フィルム用樹脂を必要量だけ供給するので、従来の材料歩留りの問題は生じない。
特に、本項によれば、搬送方向に沿って、電解質膜の両面一度にアノード側とカソード側の保護フィルムを形成することができる点で、省力化を図ることができる。
(6) (1)項から(5)項のいずれか1項に記載の製造方法で製造された前記保護フィルム付き膜-電極接合体をサンドイッチするガス拡散層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極-ガス拡散層接合体の製造方法。
本項によれば、(1)項から(5)項のいずれか1項に記載の製造方法で製造された前記保護フィルム付きMEAを中央に配置したMEGAを製造することができる。
本発明によれば、搬送中に、従来のようにはしご状又は窓枠状保護フィルムを切り抜き加工によって予めはしご状に形成しないため、はしご状又は窓枠状保護フィルム付きMEAに含まれる同保護フィルムの窓枠の四隅周辺に応力が集中しない状態で、窓枠内に触媒層が位置決めされ、はしご状又は窓枠状保護フィルム付きMEA、併せて、はしご状又は窓枠状保護フィルム付きMEGAを好適に製造することができる。
第1の実施形態に係る製造装置を説明するための概略斜視図である。 第1の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの頂面図である。 第1の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの一部断面図である。 第2の実施形態に係る製造装置を説明するための概略斜視図である。 第2の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの頂面図である。 第2の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの一部断面図である。 第3の実施形態に係る製造装置を説明するための概略斜視図である。 第3の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの頂面図である。 第3の実施形態に係る製造装置によって製造されるMEAの一部断面図である。 実施例1に係る、(a)電解質膜の片面に触媒インクをダイ塗工、乾燥をするための装置の概略斜視図、(b)電解質膜に触媒インクをダイ塗工、乾燥をするフロー、(c)該装置、該フローによって得られるハーフMEAの断面図である。なお、本図は、実施例2及び3に援用する。 実施例1に係る、(a)電解質膜のもう片面に触媒インクをダイ塗工、乾燥をするための装置の概略斜視図、(b)電解質膜に触媒インクをダイ塗工、乾燥をするフロー、(c)該装置、該フローによって得られるMEAの断面図である。なお、本図は、実施例2に援用する。 実施例1に係る、(a)MEAの片面に保護フィルム用樹脂をグラビア印刷し、硬化するための装置の概略斜視図、(b)MEAの片面に保護フィルム用樹脂をグラビア印刷し、硬化(UV照射)するためのフロー、(c)該装置、該フローによって得られる片面に窓枠状保護フィルムが形成されたMEAの断面図である。 実施例1に係る、(a)電解質膜の他方の片面に保護フィルム用樹脂をダイ塗工、乾燥をするための装置の概略斜視図、(b)電解質膜に触媒インクをダイ塗工、乾燥をするフロー、(c)該装置、該フローによって得られるMEAの断面図である。 実施例1で得られたMEAの両面に、GDLを形成したMEGAの断面図である。 実施例2に係る、(a)MEAの両周縁部にテープ状の保護フィルムを接合するための装置の概略斜視図、(b)MEAの両周縁部にテープ状の保護フィルムを接合するためのフロー、(c)該装置、該フローによって得られる両周縁部にテープ状の保護フィルムが形成されたMEAの断面図である。 実施例2で得られた窓枠状保護フィルムを含むMEAの両面に、GDLを形成したMEGAの断面図である。 実施例3に係る、(a)MEAの周縁部片面にテープ状の保護フィルムを接合するための装置の概略斜視図、(b)MEAの周縁部片面にテープ状の保護フィルムを接合するためのフロー、(c)該装置、該フローによって得られる両周縁部にテープ状の保護フィルムが形成されたハーフMEAの断面図である。 実施例3に係る図であって、(a)GDLの片面全体に触媒インクをダイ塗工、乾燥するための装置の概略斜視図、(b)GDLの片面全体に触媒インクをダイ塗工、硬化し、巻き取るまでのフロー、(c)GDLの片面全体に触媒層を形成した断面図である。 該装置、該フローによって得られる触媒層付きGDLと、GDLとによって、ハーフMEAをサンドイッチしたMEGAの断面図である。 図19のMEGAの断面図の一部拡大図である。 (a)は、図19のMEGAの周縁部にガスシール材を設けた層を、二枚のセパレータでサンドイッチした状態の単セルの一部断面図であり、(b)は、(a)の膜の側面の断面図である。 従来のMEA製造装置を説明するための概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「第1実施形態」、「第2実施形態」及び「第3実施形態」という)を、添付図面を参照しながら説明するが、図示した各装置は、本発明の実施形態の一例であって、図中、同一の符号を付した部分は同一物、同一部材を表す。また、装置や部材の各寸法、各比率は実際のものを反映したものではなく、概略的に示す。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の装置であって、グラビア印刷法(グラビアロール16A、16Bを含むグラビアコータ)により、ロールトゥロール式のラインで搬送される触媒層付き電解質膜15からなるMEA17に、はしご状保護フィルム19Fを形成する製造装置100(以下、「第1保護フィルム形成装置100」という。)を説明する概略斜視図である(本明細書に記載する各ロールは回転軸を備えているが図示せず省略している)。
図1に示すように、第1保護フィルム形成装置100は、図示しない巻き出しロール及び巻取りロール、グラビアロール16A、16B、及び保護フィルム用樹脂を硬化するための硬化装置20を備えている。
まず、図示しない巻き出しロールに、矩形状の触媒層14が電解質膜15上に予め一定間隔を置いて形成されたテープ状のMEA17を予め巻いて準備しておく。あるいは、触媒層14が未形成の電解質膜15を巻いて準備しておく。後者の場合には、図示しないが、同巻き出しロールから電解質膜15が巻き出された後、塗工ダイ、スプレー、インクジェット等の触媒インク塗工手段(不図示)で、触媒インクを電解質膜15に一定間隔で矩形状に塗工し硬化して、テープ状のMEA17を作製する。
図示しないインクパンから、はしご状保護フィルム用樹脂(流体)を図示しない転写ロール又はスクリーンを用いて、グラビアロール16Aにはしご状に転写する。グラビアロール16A、16Bは、搬送されたテープ状のMEA17を挟持し、触媒層14を縁取るようにして取り囲み、電解質膜15に、はしご状保護フィルム用樹脂(流体)18Rを、MEA17に塗工し、はしご状保護フィルム用樹脂付きMEA18を形成する。
上述したように、グラビアロール16Aには、矩形状の触媒層の縦横のサイズと同じサイズの窓枠状樹脂が転写されており、かつ、電解質膜15と同じ幅の保護フィルム用樹脂が常に塗布されるようになっており、保護フィルム用樹脂を、触媒層14を縁取って取り囲むように吐出・塗工する。
より好ましくは、搬送方向に沿った矩形状の触媒層14の長さをMとすると、
M=r×θ
(r:グラビアロール16Aの半径、θ(ラジアン):グラビアロール16Aの中心軸の中点と、触媒層14の回転軸方向の対辺の2つの中点とを結ぶ仰角の角度)とし、グラビアロール16Aの曲面に、整数個、均等に、はしご状保護フィルム形成用の塗工部が形成されるように、はしご状保護フィルム用樹脂をグラビアロール16Aに転写する。
さらに、好ましくは、はしご状保護フィルム用樹脂のグラビア印刷が好適に実行されるように、公知の制御技術を用いて、例えば、図示しないアライメントマーク、センサ等によって位置検出をしながら、グラビア印刷の動作を、CPU(中央処理装置)によって、常に監視し、グラビア印刷の位置にずれが生じたら、適宜グラビアロール16A、16Bを、塗工面から離間し、グラビアロール16A、16Bの回転速度の微調整を行うように、フィードバック制御を行い、位置の修正を行うようにする。
ただし、当該制御方法は、上記の態様に限られず、適宜、当業者によって、修正、改変が可能であることは言うまでもない。
グラビアロール16A、16Bによって、テープ状のMEA17の触媒層14を取り囲むように(窓枠状に)電解質15に、保護フィルム用樹脂18Rの塗工が終了すると、次に、保護フィルム用樹脂付きMEA18は、硬化装置20に搬入される。硬化装置20は、保護フィルム用樹脂18Rが、熱硬化性樹脂の場合にはヒータ付き炉、熱可塑性樹脂の場合には自然冷却炉(例えば、冷却ファン付きの炉)、UV硬化性樹脂の場合にはUV照射可能な炉を用いる。
保護フィルム用樹脂付きMEA18は、硬化装置20から搬出されると、樹脂18Rは既に固体化されるようにし、これをもって、はしご状保護フィルム付きMEA19が形成され、図示しない巻取りロールによって、好ましくは、はしご状保護フィルム19F間にスペーサシートを挟みながらロール状に合わせ巻きされてゆく。
さらに、この巻き取られたロールを巻き出しながら、同様に、電解質膜15の裏面についても、触媒インク塗工、保護フィルム用樹脂塗工及び硬化処理を行えば、両面に保護フィルムと触媒層が形成されたはしご状保護フィルム付きMEA19を製造することができる。電解質膜15の両面に背中合わせに形成される触媒層14が必ずしも同一の対称位置に存在するとは限られないので、このように片面ずつ、はしご状保護フィルム19Fを形成することが望ましい。なお、触媒層14や保護フィルム15を片面のみに形成したMEA19を二枚作製し、それらを背中合わせに接合することによって、はしご状保護フィルム付きMEA19を製造するようにしてもよい。
なお、電解質膜15の片面には、上述のようにして触媒層14と、はしご状保護フィルム19Fとを形成し、電解質膜15の他方の片面の全体にわたり、触媒インクの塗工及び硬化を行うようにしてもよい。この場合には、触媒層の周縁端部からのガスのリークを防止するため、該周縁端部全体を囲むようにガスシール層を設けるようにする(この点については下記実施例2の欄において後述する)。
図2は、第1保護フィルム形成装置100によって製造されたはしご状保護フィルム付きMEA19Fをセル単位に均等カットしたMEA19Uの平面図である。また、図3は、図2のA−A線に沿って図の紙面に垂直に切り取った、窓枠状保護フィルム付きMEA19U(両面に窓枠状保護フィルムが形成されたMEA19U)の一部断面図(矢視図)を示す。
図2に示すように、窓枠状保護フィルム付きMEA19Uは、一定幅(たて幅と横幅の寸法は必ずしも一致させる必要はない)を縁取った窓枠状の周縁部15Eを形成しつつ、MEA19Uの中央層の電解質膜(図2では図示されない)に、矩形状の触媒層14が形成され、かつ、該触媒層14が当該窓枠内に収まるように窓枠状保護層フィルム15Fが形成されている。
また、図3に示すように、窓枠状保護フィルム付きMEA19Uは、触媒部領域14aにおいて、中央層に電解質膜15を配置し、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、矩形状の触媒層14A、14Bと、GDL20A、20Bとが形成されている。そして、触媒層領域14aを縁取りつつ窓枠状に取り囲む周縁領域15gには、同様に中央層に電解質膜15、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、窓枠状保護フィルム15E、15Eと、炭素繊維からなる拡散層20A、20Bとが形成され、MEGA19Uを成している。
このようにして、周縁領域15gに形成された窓枠状保護フィルム15E(15E、15E)がGDL20A、20Bから発生する炭素繊維の毛羽が電解質膜15につきささりを防止できる窓枠状保護フィルム15E、15Eを形成することができる。一方、触媒層領域14aについては、触媒層14A、14Bの主構成材料のカーボンがGDL20A、20Bからの毛羽に対する防壁層となるため突き刺さりの不具合は生じえない。これは、触媒層14A、14Bの主構成材料のカーボンが、通常、カーボンパーパ又はカーボンクロスによって構成されるため、毛羽に対しクッションのように働くため、毛羽のつきささりの力を緩和し、つきささりを防止することができるためである。
第1実施形態では、グラビア印刷法によって、アノード側及びカソード側に窓枠状保護フィルム15E、15Eを形成した。しかし、当業者であれば、グラビア印刷法の代わりに、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、及びインクジェット印刷法等の他の印刷法を採用する等、適宜、修正、改変が可能である。
第1実施形態によれば、はしご状又は窓枠状の保護フィルムが、樹脂流体によって電解質膜に、矩形状の触媒層を縁取るようにして、はしご状又は窓枠状にグラビア印刷法に代表される印刷法によって形成されるため、保護フィルムの窓枠の四隅に偏って応力が集中することなく、もって、ロールトゥロール式の製造ラインの搬送が安定し、GDLから発生する毛羽の電解質膜へのつきささりを防止できる保護フィルムが好適に形成できる。また、保護フィルム用の樹脂は、必要量のみの供給となり、保護フィルム用材料の歩留りが向上する。
<第2実施形態>
図4は、本発明に係る第2実施形態の製造装置200を説明する概略図である。製造装置200は、ロールR1及びR2、ロールR3及びR24に巻かれたテープ状の保護フィルム22A、22B、テープ状の保護フィルム22C、22Dによって、電解質膜15に、搬送方向に沿って直線的に熱圧接合され、はしご状保護フィルム付きMEA25Uが形成されることを説明する概略斜視図である(以下「第2保護フィルム形成装置200」という。)。
第2保護フィルム形成装置200は、第1保護フィルム形成ラインと、第2保護フィルム形成ラインとを含む。
第1保護フィルム形成ラインは、巻き出しロールR1、R2、押圧ロール23A、23B、第1熱圧ロール24A、24B、第1アキュームコンベア26、切断機(不図示)、及び補助コンベア26´を備えている。
まず、巻き出しロールR1、R2から、ロールトゥロール式のラインで搬送される触媒層付き電解質膜(MEA)17の搬送中において、保護フィルム用テープ22A、22Bを巻き出される。
巻き出された保護フィルム用テープ22A、22Bは、テープ状のMEA17の周縁部に対して、押圧ロール23A、23Bによって、挟持され重ね合わせられる。
さらに、第1熱圧ロール24A、24Bが、保護フィルム用テープ22A、22Bとテープ状のMEA17とを挟持し、両者を熱圧接合して、レール状保護フィルム付きMEA25を作製する。
第1アキュームコンベア26は、レール状保護フィルム付きMEA25をコンベア面でバキューム吸着しながら搬送方向に搬送する。
切断機(不図示)は、第1アキュームコンベア26から搬送されるレール状保護フィルム付きMEA25を、セル単位に均等カットし、セル単位のレール状保護フィルム付きMEA25uを作製し、レール状保護フィルム付きMEA25uは、補助コンベア26´のバキューム面で吸着しながら、さらに搬送方向に搬送する。
第2保護フィルム形成ラインは、方向転換手段28、第2コンベア27、巻き出しロールR3、R4、押圧ロール28A、28B、及び第2熱圧ロール29A、29Bを備えている。方向転換手段28は、方向転換すべき位置に、L字状治具(参照符号L)をレール状保護フィルム付きMEA25uの面に対して、垂直にコーナ部に設置したものである。この方向転換手段28の設置によって、セル単位のレール状保護フィルム付きMEA25uを上記搬送方向に対して直角方向に方向転換する。なお、方向転換手段28を、L字状治具Lとする際、レール状保護フィルム付きMEA25uに一定の剛性がなければ、L字状治具LにMEA25uの端面を当てて位置合わせすることが難しくなる。かかる場合には、図示しないセンサーで検知しながら画像処理によるMEA25uの適切な位置決めを行いながら、ロボットハンドによってMEA25uをL字状治具Lに四隅の1つが位置決めを行って、L字状治具Lに移動するようにすればよい。
すなわち、レール状保護フィルム付きMEA25uを、補助コンベア26´によって、L字状治具(参照符号L)の鉛直方向に沿ってL字状に立直する内壁にレール状保護フィルム付きMEA25uのコーナ部を当接するまで搬送又は移動させ、もって、方向転換手段28によって、方向変換をし、第2コンベア27に載置可能とする。
第2コンベア27は、方向転換されたレール状保護フィルム付きMEA25u(対向する周縁部)を、バキューム吸着しながらさらに直線状に搬送する。
次に、巻き出しロールR3、R4から、レール状保護フィルム付きMEA25uのアレイ(対向する周縁部)に、保護フィルム用テープ22C、22Dを供給する。そして、押圧ロール28A、28Bによって、保護フィルム用テープ22C、22Dをレール状保護フィルム付きMEA25uの電解質膜15の周縁部に重ね合わせる。さらに、第2熱圧ロール29A、29Bによって、保護フィルム用テープ22C、22Dを、レール状保護フィルム付きMEA25uの電解質膜15に熱圧接合する。
なお、第1及び第2保護フィルム形成ラインによって、はしご状保護フィルム付きMEA25Uの未だ何ら形成されていない裏面にも、同様にして、テープ状保護フィルム22A、22B並びにテープ状保護フィルム22C、22Dを同様に接合して、はしご状保護フィルム付きMEA25Uを形成することができる。
また、第2実施形態においても、片面に、はしご状保護フィルムを形成したMEA25Uを一対作製し、両者を背中合わせに接合し、MEA25Uを形成することもできる。
また、同様に、電解質膜15の裏面全体に触媒層を形成するようにしてもよい(これについては実施例3の欄で詳述する)。
図5は、第2保護フィルム形成装置200によって製造されたはしご状保護フィルム付きMEA25Uを単位セル分に均等カットしたMEA25Vの平面図である。また、図6は、図5のB−B線(MEA25Vのコーナの対角線部)に沿って図の紙面に垂直に切り取られた、窓枠状保護フィルム付きMEA25Vの一部断面図(矢視図)を示す。
図5に示すように、窓枠状保護フィルム付きMEA25Vは、一定幅の窓枠状の周縁部15E´を残しつつ、電解質膜15(不図示)に、矩形状の触媒層14´が形成され、かつ、該触媒層14´を縁取り一定幅の窓枠状部分に窓枠状保護層フィルム15F´が形成されている。
また、図6(図5のB−Bの部分を切り取った断面図)に示すように、窓枠状保護フィルム15F´付きMEA25Vの触媒部領域14a´は、中央層に電解質膜15、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、矩形状の触媒層14A、14Bと、炭素繊維からなるGDL20A、20Bが形成されている。そして、触媒層領域14´を取り囲んでいる周縁領域15g´には、真中に電解質膜15を配置し、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、2枚の窓枠状保護フィルム15EA1、15EB1及び2枚の窓枠状保護フィルム15EA2、15B2、2枚の炭素繊維からなるGDL20A、20Bが形成され、MEGA25Vを成している。なお、図5のA−Aの部分を切り取った断面図は、第1実施形態で説明した図3と同様になるためここではその図示及び説明は省略する。
第2実施形態によれば、はしご状保護フィルムを、電解質膜15に矩形状の触媒層14を縁取るように、はしご状に四本の保護フィルム用テープ22A、22B及び28A、28Bの電解質膜15への熱圧接合によって形成するため、保護フィルムの窓枠の四隅に偏って応力が集中することなく、もって、ロールトゥロール式の製造ラインの搬送が安定し、GDLから発生する毛羽の電解質膜へのつきささりを防止できる保護フィルムが好適に形成できる。また、保護フィルム用の樹脂は、必要量だけ供給するため、材料歩留りが向上する。
<第3実施形態>
図7に示す、製造装置300(以下「第3保護フィルム形成装置300」という)は、製造装置200と同様に、第1保護フィルム形成ラインと、第2保護フィルム形成ラインとを含む。
第1保護フィルム形成ラインは、巻き出し用ロール27A、27B、これら巻き出し用ロール27A、27Bの回転軸に平行な回転軸を持ち、かつ、巻き出し用ロール27A、27Bに近接して配置されたロール28A、28B、第1押圧ロール29A、29B、熱圧ロール24A、24B、第1アキュームコンベア26と、切断機(不図示)、及び補助コンベア27を備えている。
まず、巻き出し用ロール27A、27Bに巻かれている保護フィルム用テープ30A、30Bが巻き出され、搬送中のロールトゥロール式のラインで搬送される触媒層14付き電解質膜15(MEA17)向けて供給する。
ロール28A、28Bは、巻き出し用ロール27A、27Bの回転軸に平行な回転軸を持ち、かつ、巻き出し用ロール27A、27Bに近接して配置されて、巻き出し用ロール27A、27Bからの保護フィルム用テープ30A、30BをMEA17向けてガイドするようになっている。
第1押圧ロール29A、29Bは、ロール28A、28BからのMEA17の電解質膜15の中央部を折り曲げ線にして、電解質膜15のへりに対して、保護フィルム用テープ30A、30Bを断面V字状に折り曲げるように変形していく。さらに、この折り曲げられたテープ状保護フィルム用テープ30A、30Bを、製本テープを本の背表紙に貼るかのように、電解質膜15の表面、へり、裏面を覆い、かつ、上下から電解質膜15の周縁部をサンドイッチし、長尺状の電解質膜15に熱圧ロール24A、24Bによって熱圧接合する。
さらに、第1アキュームコンベア26は、保護フィルム付きMEA25´を切断機(不図示)に向けて、バキューム吸着しながら搬送する。
そして、切断機(不図示)は、保護フィルム付きMEA25´を、セル単位ごとに均等カットし、レール状保護フィルム付きMEA30uを作製していく。
このレール状保護フィルム付きMEA30uは、補助コンベア27によって、さらに搬送方向に搬送され、第2保護フィルム形成ラインに到達する。
上記第2保護フィルム形成ラインは、方向転換手段28(L字状治具L)、コンベア30、巻き出し用ロール27A´、27B´、ロール28A´、28B´、第2押圧ロール29A´、29B´、及び第2熱圧ロール24A´、24B´を備えている。なお、上記と同様にして、方向転換手段28を、L字状治具Lとする際、レール状保護フィルム付きMEA25uに一定の剛性がなければ、L字状治具LにMEA25uの端面を当てて位置合わせすることが難しくなる。かかる場合には、図示しないセンサーで検知しながら画像処理によるMEA25uの適切な位置決めを行いながら、ロボットハンドによってMEA25uをL字状治具Lに四隅の1つが位置決めするようにすればよい。
第2保護フィルム形成ラインに到達したレール状保護フィルム付きMEA30uは、そのコーナを方向転換手段28のL字状治具Lの内面に当接し、保護フィルム付きMEA30uを、上記搬送方向と直角方向に方向転換する。
そして、コンベア30によって、セル単位の保護フィルム付きMEA30uをバキューム吸着しながら直線状にさらに搬送する。
巻き出し用ロール27A´、27B´、ロール28A´、28B´、第2押圧ロール29A´、29B´、第2熱圧ロール24A´、24B´の動作は、第1保護フィルム形成ラインの、巻き出し用ロール27A、27Bと、第1ロール28A、28Bと、第1押圧ロール29A、29Bと、熱圧ロール24A、24Bの動作と同様であるため、その説明を省略する。
第3保護フィルム形成装置300では、まず、第1保護フィルム接合ラインによって、触媒層14を縁取りながら、電解質膜15の搬送方向に沿った周縁部に直線状に保護フィルム用テープ30A、30Bを、電解質膜15の表面、へり、裏面を覆うように熱圧接合されてテープ状保護フィルム付きMEA25´が形成されるが、この後、テープ状保護フィルム付きMEA25´を一旦ロール状に巻き取るようにしてもよい。
そして、巻き取られたテープ状保護フィルム付きMEA25´を巻き出しながら、切断機(不図示)によって、セル単位に均等カットし、カットされたテープ状保護フィルム付きMEA30uを、L字状位置決め治具Lを用いて、方向転換するように位置決めして、テープ状保護フィルム付きMEA30uを、第2保護フィルム接合ラインに投入し、バキューム吸着が可能なコンベア30で直線状に搬送しながら、保護フィルム用テープ30A´、30B´を、第1保護フィルム接合ラインを用いて接合した場合と同様に、まだ保護フィルム用テープが熱圧接合されていない対辺の電解質膜15の周縁部に、触媒層14を縁取るように、保護フィルム用テープをレール状に、電解質膜15周縁部の表面、へり及び裏面に、第2熱圧ロール24A´、24B´によって、テープ状保護フィルム31A´、31B´を接合してゆき、窓枠状保護フィルム付きMEA30Uを作製することもできる。
第3実施形態で用いる保護フィルム(又は保護フィルム用テープ)30A、30B、30A´、30B´は、ある程度の靭性はあり、かつ、可撓性も兼ね備えた樹脂製のもの、望ましくは、第2実施形態で用いた保護フィルム22A、22B、22C、22Dよりもさらに可撓性のある樹脂製のテープ部材を使用することが好ましい。第3実施形態で用いる保護フィルム(又は保護フィルム用テープ)30A、30B、31A´、31B´は、大きく湾曲させる(折り曲げる)必要があるため、湾曲部分にかかる応力で、保護フィルムが傷むことを未然防止するためである。
また、巻き出し用ロール27A´、27B´と、ロール28A´、28B´にヒータを設けて、保護フィルム用テープ30A、30B、31A´、31B´に予備加熱を行うことができるようにし、保護フィルムを湾曲し(折り曲げ)易いようにしてもよい。
図8は、第3保護フィルム形成装置300によって製造されたはしご状保護フィルム付きMEA30Uを単位セルごとに均等カットした窓枠状保護フィルム付きMEA30uの頂面図を示す。また、図9は、図8のA−A線に沿って図の紙面に垂直に切り取られた、窓枠状保護フィルム付きMEA30u(両面に窓枠状保護フィルムを含む形態のMEA)の一部断面図を示す。
図8に示されるように、窓枠状保護フィルム付きMEA30uは、一定幅の窓枠状の周縁部15E´´を残しつつ、図示しない電解質膜15に、矩形状の触媒層15E´´が形成され、かつ、一定幅の窓枠状部分に窓枠状保護層フィルム15F´´が形成されている。
さらに、図9に示されるように、第3の窓枠状保護フィルム付きMEA30uは、触媒部領域14a´´は、中央層に電解質膜15を配置し、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、矩形状の触媒層14A、14Bが形成され、周縁領域15g´´には、同様にして中央層に電解質膜15、この電解質膜15の表面、へり及び裏面を覆うようにして、窓枠状保護フィルム15Eが形成され、さらにその上に炭素繊維からなるGDL20A、20Bが形成されMEGA30ugを成している。
第3実施形態によれば、はしご状(窓枠状)保護フィルムが、電解質膜に、矩形状の触媒層を縁取るようにして、はしご状(窓枠状)に、保護フィルム用テープが電解質膜の表面、へり及び裏面への熱圧接合によって形成されるため、保護フィルムの窓枠の四隅に偏って応力が集中することなく、もって、ロールトゥロール式の製造ラインの搬送が安定し、併せて、GDLから発生する毛羽の電解質膜へのつきささりを防止できる。保護フィルム用の樹脂は、必要量だけ供給するため、材料歩留りが向上する。特に、第3実施形態に係るはしご状保護フィルムは、上述のように、電解質膜15の表面と裏面とに対して同時に形成できる点で生産効率がよい。
[実施例1]
以下、図10から図13を参照しながら、実施例1について以下説明する。
<カソード側の触媒インク塗工工程> [図10(a)及び(b)を参照]:
(S1;巻出ステップ):
巻き出し用ロール部31(図10(a)の参照符号31に示すように少なくとも二本の回転軸に設置された二本のロールを備えたターレット(以降、残り一本が予備的にターレットに備えられているものもあるが、主に、後述のスプライサでカットされた一ロット分のものを一時ストックするためのものである。以下、本明細書の巻き出し用ロール部、巻取り用ロール部について同様。)から巻き出された電解質膜15を、スプライサ33と、テンション制御ロール38を経由させて、触媒インクタンク34と、塗工ダイ35の吐出口の下まで搬送するようにする。
このとき、電解質膜15は、準備段階(初期段階)では、樹脂製のフィルム(以下「バックシートBS」と称する)の上に、例えば、ナフィオン(登録商標)を含む電解質膜溶液をキャスティングして形成されたものを用いるようにする(図10(c)参照)。ただし、電解質膜15が、バックシートBSの上に、互いが容易に分離できる位の接合強度で形成するようにする。また、この準備段階では、電解質膜15はスペーサシートSSと合わせ巻きされている。
したがって、スペーサーシートSSが巻取りロール部31に巻き取られながら、バックシートに担持された電解質膜15は、搬送方向に沿って下流に向け搬送されゆく。
(S2;ダイ塗工ステップ)
次に、インクタンク34から供給される触媒インクを、塗工ダイ35に供給し、搬送中の電解質膜15の上に一定間隔を置いてダイ塗工して、カソード側の触媒層となる矩形状の触媒インク層を形成してゆく。
(S3;乾燥ステップ)
その後、触媒層となる層が形成された電解質膜15Eを、乾燥炉36に搬入して、触媒インク中の溶剤及び/又は水を蒸発し乾燥する。
(S4;巻取ステップ)
次に、この触媒層14が形成された電解質膜15Eを乾燥炉36から排出し、さらに、スプライサー37及びテンション制御ロール39を経由し、巻き取り用ロール部32で巻き取る。このとき、巻き取り用ロール部32で、電解質膜15E及び触媒層14付き電解質膜15Eをロールに巻くときに、同時にスペーサシートSSを、触媒層14付き電解質膜15Eの間に挟みながら合わせ巻きする。
このカソード触媒塗工工程[図10(a)及び(b)]によって、最終的に、図10(c)の断面図で示されるような、カソード側に、触媒層14が一定の間隔を置いて矩形状に形成された、ハーフMEA(このときMEAは、まだ半製品であるため、以下「ハーフMEA」と称する)の連続体の電解質膜15Eを得る(但し、この段階では、図10(c)に示すバックシートBSが電解質膜15Eのアノード側に接合されている)。さらに、巻取り部32において、電解質膜15EをスペーサシートSSと合わせ巻きしてロール42を得る(図10(c)の断面図は、便宜的に、セル単位のMEAを示す)。
<アノード側の触媒インク塗工工程> [図11(a)及び(b)を参照]:
(S5;巻出ステップ)
次に、図示しないが、カソード触媒塗工工程(図10)によって得られたロール42に巻かれた電解質膜Eについて、電解質膜15EのバックシートBSのある面が図11において上面に巻き出されるように、適宜巻き直す。
さらに、その巻き直されたバックシートBS付き電解質膜15EとスペーサシートSSとからなるロール42を、図11に示すように、ロール42Rにセットし、スペーサシートSSを略鉛直下方に向けて巻取りロール31Bによって巻取りながら、一方、バックシートBS付きの電解質膜15Eを搬送方向に向けて巻き出していく。ロール42からバックシートBS付きの電解質膜15Eを巻き出してから、電解質膜15Eはスプライサ33及びテンション制御ローラ38を経由し、吸着ドラム41の底面付近まで搬送する。その後、吸着ロール41の周面41fに相当する領域までは、電解質膜EにはバックシートBSが接合されているが、該領域41fを過ぎると、ロール41Rにおいて、ロール42から、バックシートBSが分岐し、図11(a)の水平左方向に搬送され、ロール42Lに巻かれてゆく。一方、バックアップシートBSから分岐した電解質膜15Eは、触媒層が既に形成されているカソード側の面が吸着ドラム41の面に対し吸着しながら、吸着ドラム41の回転と共に下流方向に搬送されてゆく。
(S6;ダイ塗工ステップ)
次に、図11(a)に示すように、インクタンク34´からの触媒インクが供給された塗工ダイ35´から、触媒インクを吐出・塗工して、電解質膜15E(バックアップシートBSが接合されていた面)に、矩形状の触媒層14´を一定間隔を置いて形成するようにする。このとき、新たに形成される触媒層14´が、既に形成済みの裏面にある触媒層14と背中合わせに一致するように、センサー、CPU等によって、吸着ロール41の回転と、塗工ダイ35´からの触媒インクの塗工とが同期するように制御する。
(S7;乾燥ステップ)
また、吸着ドラム41の略上半分を覆うフード状乾燥部41Fを設け、フード状乾燥部41Fの内側面から触媒層14´に向けて温風が吹き込まれ、触媒層14´から、溶媒又は水を蒸発・乾燥するようにして、アノード側の触媒層14´を電解質膜15Eに形成する。このようにして、両面に触媒層14、14´が形成された電解質膜15E´を得る。
(S8;巻取ステップ)
電解質膜15E´を、さらに搬送し、送りロール40A、40B、スプライサ37及びテンション制御ロール39を経由させて、スペーサシートSSを電解質膜15E´の間に挟みながら、ロール巻取り部32Bにおいて合わせ巻きし、ロール43を得る。
<カソード側の保護フィルム用の樹脂コート工程> [図12(a)及び(b)を参照]:
(S9;巻出ステップ)
次に、ロール43を、ロール巻き出し部31Cに設定し、スペーサシートSSを略鉛直下方に搬送するようにして巻き取りロール31C´に巻き取ってゆく。一方、アノード及びカソード側の両面に触媒層14及び14´が一定の間隔を置いて矩形状に形成された電解質膜15E´を、略水平方向に巻き出すようにする。
(S10;グラビア印刷ステップ)
次に、電解質膜15E´を、グラビア印刷用のグラビアロール(グラビアコータ)16A、16Bに挟持・搬送されるようにする。そして、グラビアロール16Aから、はしご状保護フィルム形成用のUV硬化性樹脂を、電解質膜15の片面に、触媒層14´を縁取るようにして、はしご状にグラビア印刷を行う。このようにして、片面のみにはしご状保護フィルム(樹脂状態)が付いたMEA18を形成する。
このとき、グラビアロールによるUV硬化性樹脂を、MEA15Eの触媒層14を取り囲むようにして、連続かつ一定間隔を置いて塗工するときの位置決めは、以下のように行う。まず、電解質膜15と、グラビアロールに、アライメントマークを適宜付す。そして、両アライメントマークが一致するように、CPUによって、グラビアロールの回転と、搬送速度とを同期制御するようにする。アライメントマークが互いに一致しなくなったときは、グラビアロールの回転と、搬送動作を一時的に停止し、位置決めの調整を行ってから当該塗工を再開するようにする。
(S11;UV照射ステップ)
次に、上記はしご状保護フィルム付きMEA18を、UV照射炉17の中に搬入し、UV硬化性樹脂にUV照射を行う。
(S12;巻取ステップ)
さらに、UV照射炉17の中から、UV硬化処理が完了した、はしご状保護フィルム付きハーフMEA19を得る。そして、ロール巻取り部32Cで同様に、はしご状保護フィルム付きMEA19と、スペーサシートSSと共に合わせ巻きをしてロール44を得る。
この時点で、図12(c)に示されるように、窓枠状保護フィルム付きMEA15Eは、電解質膜15のカソード側に一定幅の窓枠状の周縁部を残し、電解質膜15の両面に触媒層14´、14´を形成し、かつ、カソード側の触媒層14´を縁取るように形成されている。このように、窓枠状保護層フィルム15Fを片面(カソード側)に形成したMEA15Eを得る。
<アノード側の保護フィルム用樹脂コート工程> [図13(a)及び(b)を参照]:
(S13;巻出ステップ)
次に、ロール44を、ロール巻き出し部31Dに設定する。そして、スペーサシートSSを略鉛直下方に搬送する。さらに、ロール巻き出し部31Dによって、上記MEA15Eを、略水平に搬送する。
この後の、S14のグラビア印刷ステップ、S15のUV照射ステップ、及び、S16の巻取ステップは、上述のアノード側の保護フィルム用の樹脂コート工程と同様に行った(そのため、S14〜S16に係るステップの説明は省略する)。
得られたMEA16Eは、図13(c)に示すように、中央層に電解質膜15Eを配置し、それをサンドイッチするように電解質膜15Eのカソード及びアノード側に、触媒層14、14´が形成され、これらの触媒層14、14´を縁取るように、窓枠状の保護フィルム15F、15F´が形成され、MEA16Eを得る。さらに、図14に示すように、このMEA16Eをサンドイッチするように、GDL14G、14G´を熱圧接合して、MEGA16Egを得る。
[実施例2]
図10、図11、図15を参照しながら、実施例2について以下説明する。
<カソード側の触媒インク塗工工程>
[実施例1]の同工程と同様である。よって、その説明を省略する。
<アノード側の触媒インク塗工工程>
この工程も[実施例1]の同工程と同様である。よって、その説明を省略する。
このアノード側の触媒インク塗工工程の終了時点で、図11(a)に示すロール43を得る。
<保護フィルム接合工程> [図15(a)及び(b)を参照]:
(S9´;巻出ステップ)
次に、ロール43を、図15(a)に示す搬送方向に搬送されるように、巻き出し用ロール部31Cにセットする。一方、ロール43のスペーサシートSSを鉛直下方の方向に巻き出しながら、搬送方向に沿ってMEA17Eを搬送するようにする。
(S10´;第1フィルム接合ステップ)
そして、MEA17Eの触媒層14を縁取るために以下のようにした。まず、電解質膜15の搬送方向に沿った周縁部に、巻き出しロール27A、27Bから保護フィルム用テープ30A、30Bが巻き出す。そして、保護フィルム用テープ30A、30Bを、さらにガイドロール28A、28Bによってガイドする。さらに、電解質膜15の表面、へり、裏面を覆うように、熱圧ロール24A、24Bによって熱圧接合し、レール状保護フィルム付きMEA25´を形成するようにする。
(S11´;切断ステップ)
さらに、このMEA25´を、バキューム吸着が可能なアキュームコンベア26によってさらに搬送方向に沿って搬送する。そして、切断機(不図示)によって、セル単位ごとに均等カットし、レール状保護フィルム付きMEA30uを作製する。さらに、カットされたテープ状保護フィルム付きMEA30uを、補助コンベア26´によって、L字状位置決め治具(参照符号L)のL字状の内壁の隅に、MEA30uを角部を水平に当接させる。
(S12´;第2接合ステップ)
搬送向きが変わったMEA30uを、バキューム吸着が可能なコンベア27で搬送した。同時に、保護フィルム用テープ31A´、31B´を、まだ保護フィルム用テープが熱圧接合されていない電解質膜15の対辺に向けて、巻き出しロール27A´、27B´から巻き出す。そして、保護フィルム用テープ31A´、31B´を、第2押圧ロール28A´、28B´によって、電解質膜15周縁部の表面、へり及び裏面に沿うように配置する。そして、第2熱圧ロール24A´、24B´によって、MEA30uの両面から全体を熱圧接合する。このようにして、はしご状保護フィルム付きMEA30Uを作製する。
(S13´;つづら折りステップ)
なお、図15に示されるように、MEA30Uは、単位セル毎に軽く折り畳むことができるため、つづら折状に一時ストックする。
図15(c)に示すように、はしご状保護フィルム付きMEA30Uの単位セル分のMEA17Eは、中央層に電解質膜15を配置し、この電解質膜15をサンドイッチするように順に、触媒層14、14´と、これら触媒層14、14´を縁取るようにして囲む。そして、この周縁領域には、電解質膜15の表面、へり及び裏面を覆うように窓枠状保護フィルム15F´´を形成する。
さらにまた、図16に示すように、MEA17Eをサンドイッチするように炭素繊維からなるGDL14G、14G´を熱圧接合し、MEGA17Egを作製する。
[実施例3]
図10、図17、図18を参照しながら、実施例3について以下説明する。
<カソード触媒塗工工程> [図10(a)及び(b)を参照]:
本工程の内容は、[実施例1]のカソード触媒塗工工程と同様である。よって、上述のように図及びその内容の説明を省略する。
<カソード側の保護フィルム接合工程> [図17(a)及び(b)を参照]:
(S15;巻出ステップ)
まず、バックシートBS付きの触媒層14が形成された電解質膜15(MEA17)を、巻き出して、搬送方向に沿って搬送する。
(S16:第1フィルム接合工程)
S15と同時に、保護フィルム用テープ22A、22Bが、MEA17の周縁部に向けて巻き出しロールR1、R2から巻き出す。
保護フィルム用テープ22A、22BがMEA17に到達すると、押圧ロール23A、23Bによって、保護フィルム用テープ22A、22BとMEA17とが挟持され重ね合わされる。
そして、この状態で、保護フィルム用テープ22A、22BとMEA17とを第1熱圧ロール24A、24Bによって熱圧接合する。
(S17:切断工程)
熱圧接合後のレール状保護フィルム付きMEA25は、コンベア26によってさらに搬送し、切断機(不図示)によってセル単位ごとに均等カットしていき、セル単位の窓枠状保護フィルム付きMEA25uを得る。
(S18;第2フィルム接合ステップ)
さらに、MEA25uを上記搬送方向に対して直角方向に方向転換させるための方向転換手段28(L字状治具L)の内面の隅に、MEA25uのコーナーが当接するまで、補助コンベア26´で搬送する。
方向転換手段28(L字状治具L)で方向転換したMEA25uを、第2コンベア27によって、さらに直線状にバキューム吸着しながら直線状に搬送する。
この搬送されてくるMEA25uのアレイの上から、保護フィルム用テープ22C、22Dを供給し、押圧ロール28によって、MEA25uのアレイと保護フィルム用テープ22C、22Dとを重ね合わせ挟持する。
その後、第2熱圧ロール29A、29Bによって、MEA25uのアレイと保護フィルム用テープ22C、22Dとを熱圧接合させ、はしご状保護フィルム付きMEA25Uを作製する。
(S19;つづら折りステップ)このはしご状保護フィルム付きMEA25Uは、実施例2と同様に、図17(a)に示すように、つづら折れ状態で一時ストックする。
この時点で、図17(c)の断面図(説明の便宜のためセル単位のもの)で示すように、電解質膜15の片面に触媒層14が形成されているハーフ状のMEAにおいて、触媒層14を縁取るように、はしご状(窓枠状)保護フィルム(22A、22B、22C及び22D)付きMEA25Uを得る。
(S20;巻出ステップ)
一方、実施例3では、図18(a)に示すように、GDL用炭素繊維シート15Gが巻かれたロールの片面全体に触媒層を形成するために、当該ロールを、ロール巻き出し部31Fにセットし、スプライサ33と、テンション制御ロール38に経由させて巻き出すようにする。この後、MEA25UからバックシートBSを剥離する。
(S21;ダイ塗工ステップ)
巻き出されたGDL用炭素繊維シート15Gの片面に、インクタンク34から塗工ダイ35に供給された触媒インクを、塗工ダイ35から上記、GDL用炭素繊維シート15Gの片面全体が触媒インクで覆われるように塗工する。
(S22;乾燥ステップ)
さらに、このように触媒インク14´´が塗工されたGDL用炭素繊維シート15Gを、乾燥炉36の中に搬入し、触媒インク中の溶媒分、水分を蒸発させ乾燥した。
(S23;巻取ステップ)
そして、乾燥後、触媒層(14´´)が形成されたGDL用炭素繊維シート15Gを、乾燥炉36の中から搬出する。そして、GDL用炭素繊維シート15Gを、さらにスプライサ37及びテンション制御コントローラ39を経由し、巻取り部32Fにて、スペーサーシートSSと合わせ巻きして、ロール45を得る。
図18の(c)は、図18の(a)に示した装置を用いて、電解質膜15Eの片面全体に触媒層14´´が形成されたGDL用炭素繊維シート15Gの断面図である。
この時点で、図示しない装置によって、実施例1で説明した電解質15Eに接合されているバックシートBS(同上のキャスティング用電解質膜担持膜)を電解質15Eから除去しておく。
そして、図示しない装置によって、図17(c)に示された、はしご状保護フィルム付きハーフMEA18Eがつづら折れ状に一時ストックされていたものを搬送して平面テープ状にする。そして、それを中央層に配置し、この中央層に対して、サンドイッチするようにGDL用炭素繊維シート15G´、15Gを熱圧接合し、図19に示すMEGA18Egを得る。
図19に示すMEGAは、図20の断面一部拡大図から明らかなように、電解質膜15Eの下面(アノード側)に形成された触媒層14´´に、保護フィルムが具備されていない。そのため、触媒層14´´に供給されるガスが、触媒層14´´の周縁部からリークするのを防ぐために、図21に示す太い黒色の斜線部領域GSにガスシール部GSを形成することが必要である。
すなわち、図21の(a)は、上記のようにして作製された、額縁状保護フィルム付きMEA25Uの周縁部にこの額縁状のガスシール部GSを形成し、さらに額縁状保護フィルム付きMEA25Uと額縁状のガスシール部GSとからなるアセンブリ膜(仮称)をサンドイッチするように、ガス流路Fが形成されたセパレータSP(参照符号GTは、ガスケット部)を接合した単セルの一部断面図である。
このように、実施例3では、一部断面図の電解質膜15Eの下側をアノード極側とし、アノード側の触媒層14´´及びGDL14H´を、カソード側の触媒層14よりも外側に向けて突き出すような構造とし、アノード側の周縁部に、ガスシール部GSを形成する。これによって、ガスが回らない若しくはガスがリークしないシール層(非発電部)が触媒層14´´の周縁に形成されため、保護フィルムが、アノード側の電解質膜15Eに形成する必要がなくなる。
尚、本発明は、上記した実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
14:触媒層、14G、14G´、15G、15G´:ガス拡散層、15:電解質膜、16Eg、17Eg、18Eg:膜-電極-ガス拡散層接合体(MEGA)、19、25U、29A、29B、30U:膜-電極接合体(MEA)、19F:保護フィルム、20、36、41F:硬化装置、22A、22B、30A、30B:保護フィルム用樹脂テープ、24A、24B:熱圧接合ロール、GS:ガスシール層

Claims (6)

  1. ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状又は窓枠状の保護フィルムを、前記電解質膜の少なくとも片面に触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、
    前記触媒層の周縁の前記電解質膜に、前記保護フィルム形成用の樹脂流体を、グラビア印刷法により前記触媒層の縁に沿って取り囲むように塗工し、硬化し、前記保護フィルムを形成することを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
  2. ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状又は窓枠状の保護フィルムを、前記電解質膜の少なくとも片面に前記触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、
    前記触媒層の搬送方向の周縁部に沿った前記電解質膜と同一幅の保護フィルム用樹脂テープを、前記触媒層の対辺を縁取るようにして前記電解質膜に熱圧接合する第1保護フィルム接合工程と、
    該第1保護フィルム接合工程によって得られた保護フィルム用樹脂テープ付き膜-電極接合体を、前記触媒層の搬送方向に対して直角な方向に沿って、セル単位に均等にカットするカット工程と、
    該カット工程によって得られたセル単位の保護フィルム用樹脂テープ付き膜-電極接合体の前記保護フィルムが接合されていない他方の周縁部の対辺に係る前記電解質膜に、前記触媒層と同一幅の保護フィルム用樹脂テープを熱圧接合する第2保護フィルム接合工程と、
    を含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
  3. 前記保護フィルムが、前記電解質膜の片面のみに形成されるときには、前記電解質膜の他の片面全体に、前記触媒層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法によって、前記保護フィルムを、前記電解質膜の片面のみに形成されるときには、前記電解質膜の他方の片面全体に触媒層を形成し、該触媒層の周縁部に該触媒層からのガスリーク防止用のガスシール層を形成することを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
  5. ロールトゥロール式の製造ラインによって搬送中の、矩形状の触媒層が形成されている電解質膜に、はしご状又は窓枠状の保護フィルムを、前記電解質膜の両面に前記触媒層を取り囲むように形成する膜-電極接合体を製造する方法であって、
    前記電解質膜の両面の前記周縁部の対辺に沿って、表面、裏面及びへりを覆うように、前記保護フィルム用樹脂テープを熱圧接合する第1保護フィルム接合工程と、
    該第1保護フィルム接合工程によって得られた保護フィルム付き膜-電極接合体を、セル単位に均等カットするカット工程と、
    該カット工程によって得られたセル単位の保護フィルム付き膜-電極接合体の前記保護フィルムが接合されていない他方の周縁部の対辺に沿って、表面、へり及び裏面を覆うように、前記保護フィルムを熱圧接合する第2保護フィルム接合工程と、
    を含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極接合体の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の製造方法で製造された前記保護フィルム付き膜-電極接合体をサンドイッチするガス拡散層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする保護フィルム付き膜-電極-ガス拡散層-接合体の製造方法。
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