JP7411466B2 - ゴムシールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムシールの製造方法に関する。
燃料電池は、アノード電極、固体高分子電解質膜及びカソード電極を積層した電解質膜・電極構造体(MEA)と、MEAを挟持するバイポーラ板である一対の金属セパレータとを備える。金属セパレータは、MEAとの接触箇所の間に、発電に使用する反応ガスを流通するための流路を有し、またMEAとの間でシールを形成して反応ガスの漏れを防止する。
この種の金属セパレータの中には、上記のシールを形成するために、セパレータ面から一体でメタルビード(ビードベース)を突出させたものがある(特許文献1参照)。また、特許文献1に開示されている金属セパレータのビードベースには、スクリーン印刷によりマイクロシール(ゴムシール)が設けられる。
米国特許出願公開第2018/0212259号明細書
スクリーン印刷では、ビードベース形成後のワークをスクリーンの下方にセットしてスクリーンの開口をビードベースに対向させた後、ゴム形成用の液状材料をスクリーン上に充填し、スクリーンの面方向にスキージを移動させる。スクリーンの開口は、複数の金属細線が交差したメッシュを露出している。スキージは、開口の通過時にメッシュの開孔を通して液状材料を下方に押し出すことで、ビードベースに液状材料を塗布する。
金属セパレータのシール用ビードは、ビードベース上に充分な膜厚を有するゴムシールを形成する必要がある。しかしながら、従来のスキージは、スクリーンの面方向の移動中にゴムシール形成用の液状材料を多量に押し出すことが難しく、また厚く塗布した液状材料の厚さにバラつきが生じ易いという不都合があった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、スキージによるゴムシール形成用の液状材料の押出量をより安定化させ、厚み及び形状の安定性が改善されたゴムシールを製造することができるゴムシールの製造方法、及びゴムシールを形成するスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、凸部を有するワークの上方に、開口を有するスクリーンを配置する配置工程と、前記スクリーンの面方向に移動するスキージを用いて、前記開口を通してゴムシール形成用の液状材料を前記凸部の頂部に塗布する塗布工程とを有するゴムシールの製造方法であって、前記スキージは、ゴム部と、前記ゴム部を一端に固定した板部とを備え、前記塗布工程では、前記スクリーンに前記ゴム部を押し当て且つ前記スクリーンに向かって湾曲した凸形状となるように前記板部を弾性変形させた状態で、前記スキージを前記面方向に移動させる。
また前記の目的を達成するために、本発明の第2の態様は、凸部を有するワークの上方に配置され、開口を有するスクリーンと、前記開口においてゴムシール形成用の液状材料を押し出すスキージと、前記スキージを前記スクリーンの面方向に移動させる移動機構とを備え、前記スクリーンの前記開口を通して前記液状材料を前記凸部の頂部に塗布するスクリーン印刷装置であって、前記スキージは、ゴム部と、前記ゴム部を一端に固定した板部とを備え、前記移動機構は、前記ゴム部を前記スクリーンに押し当て且つ前記スクリーンに向かって湾曲した凸形状となるように前記板部を弾性変形させた状態で、前記スキージを前記面方向に移動させる。
上記のゴムシールの製造方法、及びゴムシールを形成するスクリーン印刷装置は、スキージによるゴムシール形成用の液状材料の押出量をより安定化させ、厚み及び形状の安定性が改善されたゴムシールを製造することができる。
本発明の一実施形態に係るゴムシールの製造方法が適用される金属セパレータ及び、金属セパレータが適用される燃料電池の分解斜視図である。 ゴムシールを有するシール用ビードの断面図である。 ゴムシールを形成するスクリーン印刷装置の部分断面図である。 金属セパレータの製造方法を示すフローチャートである。 図5Aは、第1凸部形成工程の動作を示す説明図である。図5Bは、ビードベース上に第1凸部が形成された状態を示す説明図である。 図6Aは、第2凸部形成工程の動作を示す説明図である。図6Bは、ビードベース上に第2凸部が形成された状態を示す説明図である。
以下、本発明について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るゴムシール70の製造方法として、図1及び図2に示すように、燃料電池12(発電セル)の金属セパレータ10のシール用ビード50に対してゴムシール70を形成する場合について説明する。なお、本発明は、金属セパレータ10のゴムシール70の製造方法に限定されず、凸部を有し、当該凸部の頂部にゴムシール70が形成される種々のワークに対して適用することができる。
燃料電池12は、樹脂枠付き電解質膜・電極構造体14(以下、樹脂枠付きMEA14という)を一対の金属セパレータ10(11A、11B)で挟み込むことにより構成される。燃料電池12は、一方の金属セパレータ11Aと樹脂枠付きMEA14の間に水素等の燃料ガスを流通する一方で、他方の金属セパレータ11Bと樹脂枠付きMEA14の間に酸素等の酸化剤ガスを流通し、これら燃料ガス及び酸化剤ガスの電気化学反応により発電を行う。
例えば、燃料電池12は、矢印B方向に沿って横長(又は縦長)の長方形状を呈している。また燃料電池12は、矢印B方向に横長(又は縦長)の長方形状に形成されている。この燃料電池12は、複数用意されて、矢印A方向に積層されることにより、図示しない燃料電池スタックに構成される。燃料電池スタックは、例えば、車載用として燃料電池車両に搭載される。
金属セパレータ10と共に燃料電池12を構成する樹脂枠付きMEA14は、電解質膜・電極構造体20(以下、「MEA20」という)と、MEA20の矢印B方向及び矢印C方向の外周部に接合されて当該外周部を周回する樹脂枠部材28とを備える。なお、燃料電池12は、樹脂枠部材28を用いることなく、後記の電解質膜22を電極24、26の外方(矢印B方向且つ矢印C方向)に突出させた構成でもよい。
MEA20は、電解質膜22と、電解質膜22の一方面に設けられるアノード電極24と、電解質膜22の他方面に設けられるカソード電極26とを有する。電解質膜22は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)が適用される。なお、電解質膜22は、フッ素系電解質の他、HC(炭化水素)系電解質を使用することができる。
アノード電極24及びカソード電極26の各々は、電解質膜22の一方面に接合される電極触媒層と、電極触媒層に積層されるガス拡散層とを有する(共に不図示)。電極触媒層は、例えば、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が、イオン導電性高分子バインダと共にガス拡散層の表面に一様に塗布されることで形成される。ガス拡散層は、カーボンペーパ又はカーボンクロス等から形成される。
樹脂枠部材28は、一定の厚さを有するフィルムから形成される。樹脂枠部材28の内周は、アノード電極24の外周部とカソード電極26の外周部との間に挟持される。樹脂枠部材28は、電解質膜22の形成範囲を小さくすることで製造コストを低廉化すると共に、金属セパレータ10と樹脂枠部材28との間の接触圧を適切に調整する。樹脂枠部材28を構成する材料としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーン、フッ素、又はm-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)又は変性ポリオレフィン等が適用される。
金属セパレータ10は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、又はその金属表面に防食用の表面処理を施した金属プレートをプレスして断面を凹凸に形成して構成される。金属セパレータ10(金属プレート)の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば略50μm~500μmの範囲に設定されるとよく、本実施形態では略100μmとしている。
一対の金属セパレータ10は、上記したように、樹脂枠付きMEA14の面方向に沿って反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を流通させる反応ガス流路16を形成する。以下、樹脂枠付きMEA14の一方面に積層される金属セパレータ10を第1セパレータ11Aともいい、樹脂枠付きMEA14の他方面に積層される金属セパレータ10を第2セパレータ11Bともいう。一の燃料電池12の第1セパレータ11Aと、他の燃料電池12の第2セパレータ11Bとは、燃料電池12の積層に伴って相互に接触し合う。そのため、複数の燃料電池12の積層時に、第1及び第2セパレータ11A、11Bは、その外周同士が溶接、ろう付け、かしめ等により接合されて一体的な接合セパレータに構成され、樹脂枠付きMEA14に積層される。
第1セパレータ11Aは、燃料ガスを流動させる燃料ガス流路30(反応ガス流路16)を、樹脂枠付きMEA14のアノード電極24に対向する面11Aaに備える。燃料ガス流路30は、第1セパレータ11Aの矢印B方向(水平方向)に延在する複数本の突条部31間に形成された直線状流路溝(又は波状流路溝)によって構成される。
第2セパレータ11Bは、酸化剤ガスを流動させる酸化剤ガス流路32(反応ガス流路16)を、樹脂枠付きMEA14のカソード電極26に対向する面11Baに備える(図1中では、便宜的にカソード電極26上に酸化剤ガスの流通方向を図示している)。酸化剤ガス流路32は、第2セパレータ11Bの矢印B方向(水平方向)に延在する複数本の突条部33間に形成された直線状流路溝(又は波状流路溝)によって構成される。
また、第1セパレータ11Aと第2セパレータ11Bとが接触し合う面11Ab、11Bbの間には、冷媒(例えば、水)を流通させる冷媒流路34が形成される。冷媒流路34は、第1セパレータ11Aの燃料ガス流路30の裏面形状と、第2セパレータ11Bの酸化剤ガス流路32の裏面形状とが重なり合うことで形成される。
さらに、燃料電池12(第1セパレータ11A、第2セパレータ11B及び樹脂枠部材28)には、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷媒を矢印A方向に流通させる流体連通孔36が複数設けられる。燃料電池12の長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、流体連通孔36として1つの燃料ガス入口連通孔38a、2つの酸化剤ガス出口連通孔40b及び2つの冷媒入口連通孔42aが設けられる。燃料ガス入口連通孔38a、2つの酸化剤ガス出口連通孔40b及び2つの冷媒入口連通孔42aは、第1セパレータ11A、第2セパレータ11B及び樹脂枠部材28の各々を矢印A方向に貫通している。
燃料ガス入口連通孔38aは、上下方向(矢印C方向)に5つ並ぶ流体連通孔36の真中に形成されている。燃料ガス入口連通孔38aは、第1セパレータ11Aの燃料ガス流路30に連通し、燃料ガス流路30に燃料ガスを流入させる。
2つの冷媒入口連通孔42aは、燃料ガス入口連通孔38aの上下に隣接し、この燃料ガス入口連通孔38aを間に挟む位置に形成されている。各冷媒入口連通孔42aは、第1及び第2セパレータ11A、11B間の冷媒流路34に連通し、冷媒流路34に冷媒を流入させる。
2つの酸化剤ガス出口連通孔40bは、上側の冷媒入口連通孔42aよりも上側位置と、下側の冷媒入口連通孔42aよりも下側位置とに配置され、燃料ガス入口連通孔38a及び2つの冷媒入口連通孔42aを間に挟んでいる。各酸化剤ガス出口連通孔40bは、第2セパレータ11Bの酸化剤ガス流路32に連通し、酸化剤ガス流路32から酸化剤ガスを流出させる。
燃料電池12の長辺方向(矢印B方向)の他端縁部には、流体連通孔36として1つの酸化剤ガス入口連通孔40aと、2つの燃料ガス出口連通孔38bと、2つの冷媒出口連通孔42bとが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔40a、2つの燃料ガス出口連通孔38b及び2つの冷媒出口連通孔42bは、第1セパレータ11A、第2セパレータ11B及び樹脂枠部材28の各々を矢印A方向に貫通している。
酸化剤ガス入口連通孔40aは、矢印C方向に5つ並ぶ流体連通孔36の真中に形成されている。酸化剤ガス入口連通孔40aは、第2セパレータ11Bの酸化剤ガス流路32に連通し、酸化剤ガス流路32に酸化剤ガスを流入させる。
2つの冷媒出口連通孔42bは、酸化剤ガス入口連通孔40aの上下に隣接し、酸化剤ガス入口連通孔40aを間に挟んでいる。各冷媒出口連通孔42bは、第1及び第2セパレータ11A、11B間の冷媒流路34に連通し、冷媒流路34から冷媒を流出させる。
2つの燃料ガス出口連通孔38bは、上側の冷媒出口連通孔42bよりも上側位置と、下側の冷媒出口連通孔42bよりも下側位置とに配置され、酸化剤ガス入口連通孔40a及び2つの冷媒出口連通孔42bを間に挟んでいる。各燃料ガス出口連通孔38bは、第1セパレータ11Aの燃料ガス流路30に連通し、燃料ガス流路30から燃料ガスを流出させる。
なお、流体連通孔36(燃料ガス入口連通孔38a、燃料ガス出口連通孔38b、酸化剤ガス入口連通孔40a、酸化剤ガス出口連通孔40b、冷媒入口連通孔42a、冷媒出口連通孔42b)の位置や数、形状等は、要求される仕様に応じて適宜設定されればよい。また、燃料電池12は、他の流体連通孔36として、第1セパレータ11A、第2セパレータ11B及び樹脂枠部材28の各々を矢印A方向に貫通する第1ドレン孔44及び第2ドレン孔46を備える。第1ドレン孔44は、燃料電池12の発電時に、カソード側に生じた生成水を排出する。第2ドレン孔46は、燃料電池12の発電時に、アノード側に生じた生成水を排出する。
そして、第1セパレータ11Aは、基部48と、基部48から一体で突出した第1ビード部52(シール用ビード50)とを備える。第1ビード部52は、面11Aaから樹脂枠部材28に向かって突出し、当該樹脂枠部材28に接触してシールを形成する。第1ビード部52は、第1セパレータ11Aの外縁近くを周回する外側ビード52aと、この外側ビード52aの内側で燃料ガス流路30、燃料ガス入口連通孔38a及び燃料ガス出口連通孔38bを囲う内側ビード52bとを有する。また、第1ビード部52は、外側ビード52aと内側ビード52bの間で、酸化剤ガス入口連通孔40a、酸化剤ガス出口連通孔40b、冷媒入口連通孔42a、冷媒出口連通孔42b、第1ドレン孔44、第2ドレン孔46を各々囲う連通孔ビード52cを有する。
第2セパレータ11Bは、基部48と、基部48から一体で突出した第2ビード部54(シール用ビード50)とを備える。第2ビード部54は、面11Baから樹脂枠付きMEA14に向かって突出し、当該樹脂枠部材28に接触してシールを形成する。第2ビード部54は、第2セパレータ11Bの外縁近くを周回する外側ビード54aと、この外側ビード54aの内側で酸化剤ガス流路32、酸化剤ガス入口連通孔40a及び酸化剤ガス出口連通孔40bを囲う内側ビード54bとを有する。また、第2ビード部54は、外側ビード54aと内側ビード54bの間で、燃料ガス入口連通孔38a、燃料ガス出口連通孔38b、冷媒入口連通孔42a、冷媒出口連通孔42b、第1ドレン孔44、第2ドレン孔46を各々囲う連通孔ビード54cを有する。
シール用ビード50(第1及び第2ビード部52、54)は、図2に示すように金属セパレータ10の厚み方向に沿った断面視で、基部48から突出する略台形状に形成されている。基部48は、金属セパレータ10の基準の平面(プレート面)を構成する薄板部である。シール用ビード50は、この基部48に連なる(金属セパレータ10に一体成形された)ビードベース60と、ビードベース60上に設けられるゴムシール70(マイクロシール)とを有する。
具体的には、ビードベース60は、金属セパレータ10に連なる一対の傾斜部62と、一対の傾斜部62の上端を架橋する頂部64とを有し、頂部64の幅方向中央部を中心に対称形状に形成されている。一対の傾斜部62及び頂部64の厚みは、金属セパレータ10の基部48の厚み(本実施形態では100μm)と略一致している。
本実施形態において、頂部64は、金属セパレータ10の面11Aa、11Baに略平行な平坦部64aと、平坦部64aの幅方向両側で一対の傾斜部62にそれぞれ連なる一対の湾曲部64bとを有する。なお、ビードベース60は、頂部64を円弧状に形成した構成でもよく、またビードベース60(一対の傾斜部62及び頂部64)全体を円弧状に形成した構成でもよい。ビードベース60は、断面視で非対称形状に形成されていてもよい。
ビードベース60の根元部分の幅Wb(各傾斜部62が基部48に接続している箇所間の距離)は、例えば、2.0mm~4.0mmの範囲に設定される。ビードベース60の頂部64の幅Wa(各傾斜部62が頂部64に接続している箇所間の距離)は、例えば、1.0mm~3.5mmの範囲に設定される。またビードベース60の突出高さHは、ビードベース60の幅Wbに対して10%~35%の範囲に設定される。このビードベース60は、金属セパレータ10の反応ガス流路16がプレス成形される際に、同時にプレス成形される。なお、ビードベース60は、反応ガス流路16の形成工程とは別の工程で形成されてもよい。
一方、ゴムシール70は、金属セパレータ10の厚み方向に沿った断面視で、成形後のビードベース60の頂部64よりも突出するように設けられる。ゴムシール70は、スクリーン印刷によってゴムシール形成用の液状材料(ゲル状、半固形状を含む)がビードベース60に塗布されて硬化することにより、適宜の厚み(膜厚)を持った略台形状に形成される。
ゴムシール70の膜厚は、第1及び第2ビード部52、54のシール性を高めるために、通常の凸版印刷等により塗布されるインキの厚み(10μm以下)よりも充分に厚く形成される。例えば、ゴムシール70の膜厚(ビードベース60の頂部64から突出端面78の最頂部までの距離)は、40μm~150μmの範囲に設定されるとよく、より好ましくは60μm~90μmの範囲であるとよい。本実施形態に係るゴムシール70は略72μmの厚みに設定されている。
そして、本実施形態に係るゴムシール70は、金属セパレータ10(ゴムシール70)の厚み方向に沿った断面視で、断面形状として頂部64の幅方向中央部に第1凸部72(下層)を有すると共に、第1凸部72の外側で当該第1凸部72を覆う第2凸部74(上層)を有する。つまり、ゴムシール70は、ビードベース60に対して第1凸部72を先に形成した後、第1凸部72を有するビードベース60に対して第2凸部74を形成することで多層構造に構成される。
第1凸部72は、頂部64の上面との接触部分(根元部分72a)が幅広で、この根元部分72aから突出方向に向かって幅狭となり、頂点72bの周囲が円弧状を呈して形成される。例えば、第1凸部72の膜厚(頂部64の上面から頂点72bまでの高さ)は、ゴムシール70全体の膜厚に対して2/3~9/10の割合に設定されることが好ましい。第1凸部72の具体的な膜厚は、例えば、40μm~70μm程度の範囲であるとよく、本実施形態では略60μmに設定している。また、第1凸部72の根元部分72aの幅は、頂部64の幅に対して15%~85%の割合に設定されることが好ましい。根元部分72aの幅は、例えば、0.5mm~0.9mm程度の範囲に設定されるとよく、本実施形態では0.7mmに設定している。
第2凸部74は、第1凸部72に塗布されて当該第1凸部72よりも幅広に形成されることで、その内側が第1凸部72の表面全体に密着した形状となる。第2凸部74は、ゴムシール70の外観を構成し、その膜厚は上記したゴムシール70の膜厚に一致する。断面視において、第2凸部74を構成するゴム材料の量は、第1凸部72を構成するゴム材料よりも多い。
第2凸部74の外面は、一対の傾斜側面76と、一対の傾斜側面76の上端の間を延在する突出端面78とを有する。突出端面78は、幅方向中央部にビードベース60側に僅かに窪む窪み部78aと、幅方向両側の各々に僅かに隆起する隆起部78bとを有するが、概ね平坦状に形成される。すなわち、ゴムシール70は、第1凸部72が第2凸部74の幅方向中央部を支持することで、窪み部78aの最底部と一対の隆起部78bの最頂部との高低差が充分に小さく(ゴムシール70の膜厚に対して約5%以下に)形成される。また、一対の隆起部78bにおける最頂部間の間隔(第2凸部74の突出端面78の幅)は、1.7mm~3.0mmに範囲に設定され、この区間が略平坦となっている。一対の傾斜側面76と突出端面78とは湾曲部により滑らかに接続される。
第1凸部72と第2凸部74は、同じ弾性率を有するゴム材料により構成される。ゴムシール70を構成するゴム材料(樹脂材料)としては、シリコーン、ウレタン、フッ素等の熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー、又は他のエラストマー、或いは合成ゴム、天然ゴム等があげられ、本実施形態ではシリコーンを適用している。
また、第1凸部72を構成するゴム形成用の液状材料と、第2凸部74を構成するゴム形成用の液状材料は、異なる粘度(物性)に設定されている。第1凸部72は、第1粘度を有する第1液状材料で塗布される一方で、第2凸部74は、第1粘度よりも粘度が低い第2の粘度を有する第2液状材料で塗布される。第1液状材料と第2液状材料は、ゴムシール70を構成するメインのゴム材料(シリコーン)に対して粘度調整剤(ゼラチン等の増粘剤、シンナー等の希釈剤)の量を適宜調整することで、相互に相違するように構成される。例えば、第1凸部72の高粘度樹脂材料の粘度は、回転粘度計で測定して10PaS~50PaSの範囲に設定されるとよい。その一方で、第2凸部74の低粘度樹脂材料の粘度は、回転粘度計で測定して5PaS~20PaSの範囲で設定されるとよい。
次に図3を参照して、ビードベース60上にゴムシール70を形成するスクリーン印刷装置80について説明する。なお、ゴムシール70は、上記したように第1凸部72の塗布後に、第2凸部74を塗布して形成される。このためスクリーン印刷装置80も、第1凸部72を形成する第1スクリーン印刷装置80Aと、第2凸部74を形成する第2スクリーン印刷装置80Bとで異なる装置を適用している(図3は代表的に第1スクリーン印刷装置80Aを示している)。
スクリーン印刷装置80は、ワークW(ビードベース60が形成されている一方で、ゴムシール70が形成されていない凹凸プレートを有する金属セパレータ10)を配置及び固定する印刷台82を有する。また、スクリーン印刷装置80は、印刷台82上にセットされたワークWの上方に配置するスクリーン84(製版)と、このスクリーン84上を移動するスキージ86とを備える。
スクリーン84は、ワークWの形状に対応した長方形状の枠体(不図示)の内側に、ワークWを覆う覆い部88を有すると共に、シール用ビード50の対向位置に開口90(印刷パターン)を有する。覆い部88は、枠体の内側に張られたメッシュ92(紗)と、メッシュ92の網目を埋るように塗布された乳剤94とで構成される。開口90は、乳剤94が塗布されていないことでメッシュ92が露出している。このスクリーン84は、移動中のスキージ86の押圧に伴って下方向に弾性変形し、スキージ86の通過後に弾性復元するように構成される。
第1凸部72を形成する第1スクリーン印刷装置80Aは、スクリーン84として第1スクリーン84Aを有する。第1スクリーン84Aの開口90は、厚みが第1凸部72の膜厚に略一致し、幅が第1凸部72(根元部分72a)の幅に略一致する。一方、第2凸部74を形成する第2スクリーン印刷装置80Bは、スクリーン84として第2スクリーン84Bを有する。第2スクリーン84Bの開口90は、厚みが第2凸部74の膜厚に略一致し、幅が第2凸部74(一対の傾斜側面76の下端部)の幅に略一致する。
スクリーン印刷装置80のスキージ86は、スクリーン84上をスライドし開口90においてゴムシール形成用の液状材料を押し出す部材である。このスキージ86は、第1及び第2スクリーン印刷装置80A、80Bにおいて同じ構造に構成される。スキージ86は、スクリーン84の面方向の移動時にスクリーン84に接触するゴム部96と、ゴム部96が一端(下端)に固定されると共にスクリーン84にゴム部96が接触した状態でスクリーン84に向かって湾曲した凸形状を呈する板部98とを有する。
ゴム部96は、側面断面視で方形状に形成され、スクリーン84の短辺方向(図1中の矢印C方向)に向かってスクリーン84の短辺長さと同程度の長さで延在している。このゴム部96は、板部98により、スクリーン84の上面(水平面)に対して傾斜した姿勢で支持される。
ゴム部96が板部98に対向する面は、適宜の固着手段によって板部98に接合される接合面96aとなっている。ゴム部96と板部98の固着手段は、特に限定されるものではなく、例えば、溶着、接着、ねじ止め、インサート成形、一体成形等を採用し得る。
また、ゴム部96において接合面96aの反対側の面は、スクリーン84の上面及びスキージ86の進行方向を臨み、スクリーン84上に充填されたゴム形成用の液状材料に接触する対向面96bとなっている。スクリーン84に対する対向面96bの傾斜角θは、板部98の湾曲形状によって変化する。
さらに、ゴム部96の下端傾斜面96cは、接合面96aと対向面96bの間を延在し、スクリーン84の上面を臨む一方で、スキージ86の進行方向とは逆側を臨んでいる。ゴム部96は、スクリーン印刷時に、対向面96bと下端傾斜面96cが交わる角部97がスクリーン84の上面に接触する。
接合面96a及び対向面96bの板部98に沿った長さL1は、板部98の長さL2(円弧の周長)に比べて充分に短い。例えば、長さL1は、長さL2の1/5以下の長さに形成されている。接合面96aと対向面96bとの間のゴム部96の厚み(下端傾斜面96cの長さ)は、板部98の厚みよりも充分に厚く(例えば、10倍以上の厚みに)形成されている。
ゴム部96を構成する材料は、特に限定されるものではなく、弾性を有する例えば、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマー等を適用可能であり、或いは弾性率が小さい樹脂材料を適用してもよい。ゴム部96の硬度としては、60~80(タイプAデュロメータ)が好ましい。
板部98は、弾性変形可能に構成され、下端に固定したゴム部96を支持している。板部98も、ゴム部96と同様に、スクリーン84の短辺方向に向かってスクリーン84の短辺長さと同程度の長さで延在している。また、板部98は、ゴム部96がスクリーン84に接触した状態で板部98のほうが大きく弾性変形するように、スクリーン84よりも柔軟に形成されている。この板部98は、スキージ86を移動させる移動機構100に取り付けられている。
移動機構100は、板部98の上部を保持するスキージ支持部102を有する。また、移動機構100は、上下移動部104及び横移動部106を有すると共に、スクリーン印刷装置80の制御部108に電気的に接続されている。制御部108は、プロセッサ、メモリ、インタフェースを有するコンピュータに構成され、スキージ支持部102の上下移動部104及び横移動部106の動作を制御する。
板部98は、スクリーン84の上面からゴム部96が離間した非接触状態で、スクリーン84に向かって大きな曲率半径で湾曲した凸形状に形状付けされている。板部98は、移動機構100による下方向の移動に伴い下降してスクリーン84の上面にゴム部96が接触すると、非接触状態よりも小さな曲率半径で湾曲した凸形状に弾性変形する。なお、板部98は、スクリーン84の上面からゴム部96が離間した非接触状態で直線状に延在すると共に、スキージ支持部102が板部98を傾斜した姿勢で支持した形態となっていてもよい。
そして、スキージ86は、湾曲した凸形状の板部98によって、スクリーン84の上面に対するゴム部96の対向面96bの傾斜角θが適切な角度に調整される。つまり、スキージ86は、移動機構100により上下位置が調整されることで、板部98の凸形状の曲率半径が変化し、この変化に伴って対向面96bの傾斜角θも変化する。対向面96bの傾斜角θは、特に限定されるものではないが、例えば、10°~45°の範囲で調整されるとよい。
ゴムシール70の製造方法において、スキージ86の上下位置(板部98の凸形状の曲率半径)は、ゴム形成用の液状材料の材料組成、温度、粘度等に応じて適切に調整されることが好ましい。例えば、制御部108は、作業者による液状材料のパラメータ(材料組成、温度、粘度)の入力に基づき、予め設定された適宜のマップ情報や関数によりスキージ86の上下位置を算出する。そして制御部108は、算出結果に応じて移動機構100を制御しスキージ支持部102を上下に移動させる。これにより、スキージ支持部102に固定された板部98は、スクリーン84にゴム部96を接触させた状態の凸形状の曲率半径が適切に調整される。
板部98を構成する樹脂材料は、特に限定されず、スクリーン84とゴム部96の接触によって弾性変形可能な種々の金属材料及び樹脂材料を適用し得る。本実施形態に係る板部98は、SUS板(金属板)により構成されており、SUS板の厚みは、例えば、0.1mm~1.8mm程度の範囲であることが好ましい。
本実施形態に係るゴムシール70、及びゴムシール70を形成するスクリーン印刷装置80は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下その動作について説明する。
図4に示すように、金属セパレータ10の製造方法では、プレート加工工程(ステップS1)、連通孔形成工程(ステップS2)、ゴムシール形成工程(ステップS3)を順に実施する。また、ゴムシール形成工程では、第1凸部形成工程(ステップS3-1)、第2凸部形成工程(ステップS3-2)を順に実施してゴムシール70を形成する。
プレート加工工程では、金属セパレータ10を構成する図示しないプレートを用意して、このプレートをプレス装置(不図示)の金型にセットする。プレス装置は、セット後に金型を動作させることで、金属セパレータ10の反応ガス流路16及びシール用ビード50のビードベース60をプレス成形する。これにより、プレス後のプレートは、反応ガス流路16及びビードベース60を構成する凹凸を有する凹凸プレートとなる。
連通孔形成工程では、プレート加工工程後の凹凸プレートを切断装置(不図示)にセットする。切断装置は、セット後にピアス金型により凹凸プレートに対して流体連通孔36を貫通形成する。なお、金属セパレータ10の製造では先に流体連通孔36を形成した後に反応ガス流路16及びビードベース60を形成してもよく、或いはプレス(凹凸の形成)と切断(流体連通孔36の形成)を同時に実施してもよい。
そして、第1凸部形成工程では、プレート加工工程において成形されたビードベース60の頂部64に対して、スクリーン印刷により第1凸部72を形成する。具体的には、図5A及び図5Bに示すように、凹凸を有すると共に流体連通孔36が貫通形成されたワークW(ゴムシール70が形成されていない金属セパレータ10の凹凸プレート)を、第1スクリーン印刷装置80Aの印刷台82上にセットする配置工程を行う。このセットにより、ワークWの上方に第1スクリーン84Aが配置され、さらに第1スクリーン84Aの上方にスキージ86が待機した状態となる。
セット後に、第1スクリーン印刷装置80Aは、第1凸部72を構成するゴム形成用の第1液状材料を第1スクリーン84Aの上面に充填する。そして第1スクリーン印刷装置80Aは、第1スクリーン84Aに(下方向に)向けてスキージ86を移動して、第1スクリーン84Aの上面にゴム部96を接触させる。
この際、制御部108は、液状材料のパラメータ(材料組成、温度、粘度等)に基づきスキージ86の高さ位置を設定し、この高さ位置に基づき移動機構100の移動を制御する。これにより、スキージ86の板部98は、第1スクリーン84Aとの接触状態で、所定の曲率半径に湾曲した凸形状に変形する。板部98の湾曲により第1スクリーン84Aに対するゴム部96の対向面96bの傾斜角θが所定の角度に設定される(調整工程が実施される)。
上記したように、第1凸部形成工程の第1液状材料の粘度は、第2凸部形成工程の第2液状材料の粘度よりも高い。このため、ゴムシール形成工程では、第1凸部形成工程における対向面96bの傾斜角θ1を、第2凸部形成工程における対向面96bの傾斜角θ2よりも小さくする。すなわち、第1スクリーン印刷装置80Aは、移動機構100により板部98を下方向に移動させることで、板部98の凸形状の曲率半径を小さく設定する。その結果、スキージ86は、第1液状材料に対するゴム部96(対向面96b)の面圧が適切に調整される。
この状態で、第1スクリーン印刷装置80Aは、第1スクリーン84Aの面方向(図1中の矢印B方向)にスキージ86を移動させ、開口90のメッシュ92をビードベース60に接触させつつ、メッシュ92を通して第1液状材料を押し出す塗布工程を行う。これにより第1スクリーン84Aがビードベース60の頂部64から離間すると、第1液状材料がビードベース60の頂部64に塗布された状態となる。すなわち、第1凸部形成工程後のワークWは、ビードベース60の頂部64上に第1凸部72を有した状態となる。なお、第1凸部形成工程では、第1液状材料の充填や第1スクリーン84Aの面方向に沿ったスキージ86の移動を複数回実施してもよい。
そして、第2凸部形成工程では、図6A及び図6Bに示すように、第1凸部形成工程後のワークW’を、第2スクリーン印刷装置80Bの印刷台82上にセットする配置工程を行う。このセットによって、ワークW’の上方に第2スクリーン84Bが配置され、さらに第2スクリーン84Bの上方にスキージ86が待機した状態となる。
セット後に、第2スクリーン印刷装置80Bは、第2凸部74を構成するゴム形成用の第2液状材料を第2スクリーン84Bの上面に充填する。そして第2スクリーン印刷装置80Bは、第2スクリーン84Bに(下方向に)向けてスキージ86を移動して第2スクリーン84Bの上面にゴム部96を接触させ、所定の曲率半径で湾曲した凸形状に板部98を弾性変形させる調整工程を行う。この際、上記したように第2凸部形成工程の板部98の曲率半径が第1凸部形成工程の板部98の曲率半径よりも大きく設定される。その結果、第2スクリーン84Bに対するゴム部96の対向面96bの傾斜角θ2が、第1凸部形成工程の傾斜角θ1よりも大きくなる。
この状態で、第2スクリーン印刷装置80Bは、第2スクリーン84Bの面方向(図1中の矢印C方向)にスキージ86を移動させ、開口90のメッシュ92を第1凸部72に接触させつつ、メッシュ92を通して第2液状材料を押し出す塗布工程を行う。これにより第2スクリーン84Bがビードベース60の頂部64から離間すると、第2液状材料がビードベース60の頂部64に塗布された状態となる。
粘度が低い第2液状材料は、ビードベース60の幅方向に容易に広がって、ビードベース60及び第1凸部72上に満遍なく塗布される。第2凸部形成工程後のワークW’は、第2液状材料の硬化により第2凸部74を有したゴムシール70となる。なお、第2凸部形成工程でも、第2液状材料の充填や第2スクリーン84Bの面方向に沿ったスキージ86の移動を複数回実施してよい。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、発明の要旨に沿って種々の改変が可能である。例えば、スキージ86の板部98の凸形状の曲率半径は、ゴム形成用の液状材料の温度に基づき調整されてもよい。一例として、液状材料の温度が低い場合には、板部98の曲率半径を小さくする一方で、液状材料の温度が高い場合には、板部98の曲率半径を大きくするとよい。
また、上記の実施形態では、板部98の一方面にゴム部96を接合した構成としたが、この構成に限定されずゴム部96の内部に板部98の端部を挿入して接合した構成としてもよい。さらに、本発明は、第1凸部72及び第2凸部74を有する2層のゴムシール70に限定されず、いずれか1層を有するゴムシール(不図示)においても適用することができる。
上記の実施形態から把握し得る技術的思想及び効果について、以下に記載する。
本発明の第1の態様は、凸部(ビードベース60)を有するワークW、W’の上方に、開口90を有するスクリーン84を配置する配置工程と、スクリーン84の面方向に移動するスキージ86を用いて、開口90を通してゴムシール形成用の液状材料を凸部の頂部64に塗布する塗布工程とを有するゴムシール70の製造方法であって、スキージ86は、ゴム部96と、ゴム部96を一端に固定した板部98とを備え、塗布工程では、スクリーン84にゴム部96を押し当て且つスクリーン84に向かって湾曲した凸形状となるように板部98を弾性変形させた状態で、スキージ86を面方向に移動させる。
上記のゴムシール70の製造方法は、スキージ86の移動時に、スクリーン84にゴム部96が接触した状態で板部98が湾曲した凸形状を呈することで、ゴム部96を適切な姿勢とすることができる。従ってスキージ86の移動時に、ゴム部96は、スクリーン84上の液状材料に適宜の圧力をかけて、液状材料を開口90から安定的に吐出することができる。これによりゴムシール70の製造方法は、厚み及び形状の安定性が改善されたゴムシール70を製造することが可能となる。
また、液状材料を凸部(ビードベース60)の頂部64に塗布する前に、板部98を上下方向に移動させることにより板部98の凸形状の曲率半径を変化させる調整工程を含む。これにより、板部98が適切な曲率半径の凸形状となり、スキージ86は、開口90を通過する際のゴム部96の姿勢を安定化させることができる。
また、板部98の凸形状の曲率半径は、液状材料の材料組成、温度、粘度のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに基づき調整される。これにより、ゴムシール70の製造方法は、液状材料のパラメータ(材料組成、温度、粘度)に応じて、液状材料に対してゴム部96が一層適切な圧力をかけることができる。
また、ゴム部96は、断面視で、スクリーン84に対向し且つスキージ86の進行方向を臨む面部(対向面96b)を有する方形状に形成され、板部98の凸形状の曲率半径の変化に伴いスクリーン84の面方向に対する面部の傾斜角θが調整される。このように傾斜角θが調整されたゴム部96は、スキージ86の移動時に、スクリーン84の面方向に沿って液状材料を移動させる力と、開口90において下方に向けて液状材料を押し出す力をバランスよく得ることができる。
また、当該ゴムシール70の製造では、配置工程及び塗布工程の実施により凸部(ビードベース60)の頂部64に第1凸部72を形成する第1凸部形成工程を実施し、第1凸部形成工程後に、配置工程及び塗布工程の実施により第1凸部72の外側に当該第1凸部72を覆う第2凸部74を形成する第2凸部形成工程を実施する。これにより、ゴムシール70の製造方法は、第1凸部形成工程において所定の膜厚からなる第1凸部72を安定的に形成し、さらに第2凸部形成工程において第2凸部74を安定的に形成することで、充分な膜厚を有するゴムシール70を得ることが可能となる。
また、第1凸部72を形成するための液状材料である第1液状材料の粘度は、第2凸部74を形成するための液状材料である第2液状材料の粘度よりも高いものであり、第1凸部形成工程における板部98の凸形状の曲率半径は、第2凸部形成工程における板部98の凸形状の曲率半径よりも大きい。これにより、スキージ86は、第2液状材料の粘度よりも粘度が高い第1液状材料に対してより大きな圧力をかけることができ、第1液状材料を開口90から安定的に吐出することができる。
また、本発明の第2の態様は、凸部(ビードベース60)を有するワークW、W‘の上方に配置され、開口90を有するスクリーン84と、開口90においてゴムシール形成用の液状材料を押し出すスキージ86と、スキージ86をスクリーン84の面方向に移動させる移動機構100とを備え、スクリーン84の開口90を通して液状材料を凸部の頂部64に塗布するスクリーン印刷装置80であって、スキージ86は、ゴム部96と、ゴム部96を一端に固定した板部98とを備え、移動機構100は、ゴム部96をスクリーン84に押し当て且つスクリーン84に向かって湾曲した凸形状となるように板部98を弾性変形させた状態で、スキージ86を面方向に移動させる。
10…金属セパレータ 12…燃料電池
48…基部 60…ビードベース
64…頂部 70…ゴムシール
72…第1凸部 74…第2凸部
80…スクリーン印刷装置 84…スクリーン
86…スキージ 90…開口
96…ゴム部 96b…対向面
98…板部 W…ワーク

Claims (5)

  1. 凸部を有するワークの上方に、開口を有するスクリーンを配置する配置工程と、
    前記スクリーンの面方向に移動するスキージを用いて、前記開口を通してゴムシール形成用の液状材料を前記凸部の頂部に塗布する塗布工程とを有するゴムシールの製造方法であって、
    前記スキージは、ゴム部と、前記ゴム部を一端に固定した板部とを備え、
    前記塗布工程では、前記スクリーンに前記ゴム部を押し当て且つ前記スクリーンに向かって湾曲した凸形状となるように前記板部を弾性変形させた状態で、前記スキージを前記面方向に移動させ
    当該ゴムシールの製造では、前記配置工程及び前記塗布工程の実施により前記凸部の頂部に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を実施し、
    前記第1凸部形成工程後に、前記配置工程及び前記塗布工程の実施により前記第1凸部の外側に当該第1凸部を覆う第2凸部を形成する第2凸部形成工程を実施し、
    前記第1凸部形成工程では、前記頂部の幅方向中央部に前記第1凸部を形成し、
    前記第1凸部は、前記頂部との接触部分である根元部分が幅広で、前記根元部分から前記第1凸部の突出方向に向かって幅狭となる円弧状に形成される
    ゴムシールの製造方法。
  2. 請求項1記載のゴムシールの製造方法において、
    前記液状材料を前記凸部の頂部に塗布する前に、前記板部を上下方向に移動させることにより前記板部の凸形状の曲率半径を変化させる調整工程を含む
    ゴムシールの製造方法。
  3. 請求項2記載のゴムシールの製造方法において、
    前記板部の凸形状の曲率半径は、前記液状材料の材料組成、温度、粘度のパラメータのうち少なくとも1つのパラメータに基づき調整される
    ゴムシールの製造方法。
  4. 請求項2又は3記載のゴムシールの製造方法において、
    前記ゴム部は、断面視で、前記スクリーンに対向し且つ前記スキージの進行方向を臨む面部を有する方形状に形成され、
    前記板部の凸形状の曲率半径の変化に伴い前記スクリーンの面方向に対する前記面部の傾斜角が調整される
    ゴムシールの製造方法。
  5. 請求項記載のゴムシールの製造方法において、
    前記第1凸部を形成するための前記液状材料である第1液状材料の粘度は、前記第2凸部を形成するための前記液状材料である第2液状材料の粘度よりも高いものであり、
    前記第1凸部形成工程における前記板部の前記凸形状の曲率半径は、前記第2凸部形成工程における前記板部の前記凸形状の曲率半径よりも小さい
    ゴムシールの製造方法。
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