JP2004146159A - 負極材料およびその製造方法並びに電池 - Google Patents

負極材料およびその製造方法並びに電池 Download PDF

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西野 敬智
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Abstract

【課題】充放電効率を向上させることができる負極材料およびその製造方法並びに電池を提供する。
【解決手段】正極32と負極34とがセパレータ35を介して積層されている。負極34は、炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む粒子により構成された負極材料を含んでいる。その負極材料は、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、Cm 2m+2−nn (式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)またはCp 2p−qq (式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)で表される化合物を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものである。これにより、負極材料における酸素濃度が4質量%以下に低下し、初期の充放電における不可逆容量の増大が抑制される。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭素(C)を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料および製造方法並びに電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化に伴い、高エネルギー密度を有する二次電池の開発が要求されている。この要求に応える二次電池としてリチウム二次電池がある。しかし、リチウム二次電池では充電時に負極上にリチウムがデンドライト析出し不活性化するため、サイクル寿命が短い。このサイクル特性を改善したものとしては、リチウムイオン二次電池が製品化されている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池は、負極に、黒鉛層間へのリチウムのインターカレーション反応を利用した黒鉛材料、あるいは細孔中へのリチウムの吸蔵・離脱作用を応用した炭素質材料を用いたものであり、これによりリチウムがデンドライト析出せず、上述したようにサイクル寿命が長くなっている。また、黒鉛材料や炭素質材料は空気中で安定であるため、工業的に生産をする上でもメリットが大きい。
【0004】
しかし、黒鉛材料では、第1ステージ黒鉛層間化合物の組成C6 Liに規定されるように負極容量に上限が存在する。また、炭素質材料において、その微小な細孔構造を制御することは工業的に困難であると共に、細孔を多くすると比重が低下してしまい、単位体積当たりの負極容量を向上させることができない。更に、ある種の低温焼成炭素質材料では、1000mAh/gを越える負極放電容量を示すことが知られているが、対リチウム金属において0.8V以上の貴な電位で大きな容量を有する金属酸化物などを正極として電池を構成すると、放電電圧が低下してしまう。このような理由から、現状の炭素質材料では、今後の電子機器の更なる使用時間の長時間化、あるいは電源の高エネルギー密度化に対応することは困難であると考えられる。そこで、よりリチウムを吸蔵・離脱する能力に優れた負極材料の開発が進められている。
【0005】
このように高容量を実現可能な負極材料としては、例えば、亜鉛(Zn),カドミウム(Cd),鉛(Pb),スズ(Sn),ビスマス(Bi),ケイ素(Si),インジウム(In),アンチモン(Sb)あるいはゲルマニウム(Ge)のようにリチウムと合金化する材料、または、Li−Al合金が広く研究されている。更に、負極材料としてSi合金を用いた負極も発明されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、これらの負極材料は、充放電に伴い膨張収縮することにより、微粉化し、電池のサイクル特性を劣化させるという問題があった。
【0007】
そこで、サイクル特性を改善するために、リチウムの吸蔵・離脱に伴う膨張収縮に関与しない元素で一部を置換した負極材料が提案されている。例えば、LiSiv w (0≦v、0<w<2)(特許文献2参照)、Lix Si1−y y z (Mはアルカリ金属を除く金属もしくはケイ素を除く類金属を表し、0≦x、0<y<1、0<z<2である)(特許文献3参照)、Li−Ag−Te系合金(特許文献4参照)が提案されている。しかし、これらの負極材料も膨張・収縮に起因するサイクル特性の劣化が大きく、高容量という特徴を活かしきれていないのが実情である。
【0008】
また、1種以上の非金属元素を含む、炭素を除く4B族化合物を用いた負極材料も報告されているが(特許文献5参照)、この負極材料もサイクル特性の劣化が大きいという問題があった。
【0009】
なお、以上で述べた負極材料の製造方法としては、大きく分類して溶融法と非溶融法とが挙げられる。そのうち、非溶融法では、例えばメカニカルアロイングが一般的に行われており(例えば、非特許文献1参照)、これによれば、組成によっては高い放電容量を有する負極材料を得ることができる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第4950566号明細書
【特許文献2】
特開平6−325765号公報
【特許文献3】
特開平7−230800号公報
【特許文献4】
特開平7−288130号公報
【特許文献5】
特開平11−102705号公報
【非特許文献1】
ジェイ.アール.ダーン(J.R.Dahn)他著,“ジャーナル・オブ・ザ・エレクトロケミカル・ソサイエティ(Journal of The Electrochemical Society) ”,(米国)2000年9月,第9巻,第147号,p. 3237−3241
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メカニカルアロイングを用いると、合成時の雰囲気により負極材料の酸素濃度が飛躍的に上昇し、それにより初期の充放電における不可逆容量が増大し、十分な充放電効率が得られないという問題があった。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、充放電効率を向上させることができる負極材料およびその製造方法並びに電池を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による負極材料は、炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含むものであって、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化7および化8に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものである。
【0014】
【化7】
m 2m+2−nn 
(式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
【0015】
【化8】
p 2p−qq 
(式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
【0016】
本発明による負極材料の製造方法は、炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料を製造するものであって、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化9および化10に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行う工程を含むものである。
【0017】
【化9】
m 2m+2−nn 
(式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
【0018】
【化10】
p 2p−qq 
(式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
【0019】
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料を含み、負極材料は、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化11および化12に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものである。
【0020】
【化11】
m 2m+2−nn 
(式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
【0021】
【化12】
p 2p−qq 
(式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
【0022】
本発明による負極材料は、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化7および化8に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものであるので、酸素濃度が低く、初期の充放電における不可逆容量の増大が抑制される。
【0023】
本発明による負極材料の製造方法では、酸素濃度の低い負極材料が得られる。
【0024】
本発明による電池では、本発明による負極材料を用いているので、優れた充放電効率が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本発明の一実施の形態に係る負極材料は、炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む粒子により構成されており、後述する製造方法により得られたものである。この負極材料は、酸素濃度が低く、例えば4質量%以下となっている。これにより、初期の充放電における不可逆容量の増大が抑制されるようになっている。
【0027】
この負極材料は、具体的には、ケイ素,ゲルマニウム,スズあるいは鉛の単体、またはその合金および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む粒子により構成されている。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも一方を含むものが好ましい。ケイ素およびスズは、リチウムなどと合金を形成可能であり、かつリチウムを吸蔵・離脱する能力が大きいからである。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0028】
合金あるいは化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maは炭素を除く14族元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t>0である。
【0029】
特に、Maがケイ素およびスズのうちの少なくとも一方である場合には、Mbは遷移元素の第4周期のうちの少なくとも1種、すなわち、スカンジウム(Sc),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu)および亜鉛からなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。合金化および分解に伴う形態変化を抑制することができるからである。また、Mbは、長周期型周期表におけるタリウム(Tl)を除く13族元素および銀(Ag)からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましく、遷移元素の第4周期のうちの少なくとも1種に加えて含んでいればより好ましい。充放電の可逆性を向上させることができるからである。タリウムを除く13族元素としては、ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga)およびインジウムからなる群のうちの少なくとも1種が挙げられる。
【0030】
このような合金あるいは化合物について具体的に例を挙げれば、Sc5 Sn3 ,ScSi,Ti6 Sn5 ,TiSi2 ,SnV3 ,VSi2 ,Cr2 Sn3 ,CrSi2 ,Mn2 Sn,MnSi2 ,FeSn,FeSn2 ,Fe3 Si,FeSi2 ,CoSn,CoSn2 ,Co3 Sn2 ,CoSi2 ,NiSn,NiSi2 ,Ni2 Si,CuSn,Cu3 Sn,Cu6 Sn5 ,CuSi2 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,ZnSi2 ,NbSi2 ,MoSi2 ,WSi2 ,Cu6 InSi3 ,Cu6 In2 Si3 B,Cu6 Sn2 In,Cu6 InSi3 Ag,CuSnP,CoCu2 Sn,CoSn2 Al,CuSiAl,SiAlFe,Co2 MnSn,CoNiSn,CrCu2Sn,Cu2 FeSn,CuMgSn,Cu2 MnSn,Cu4 MnSn,Cu2 NiSn,MgNi2 SnあるいはMnNi2 Snなどがある。
【0031】
このような構成を有する負極材料は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0032】
まず、負極材料の原料として、作製しようとする負極材料を構成する元素の単体,合金あるいは化合物を単独あるいは混合して用意する。次いで、原料を十分に乾燥させたのち、原料に化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加し、例えば、アルゴン(Ar)などの不活性ガス雰囲気中でメカニカルアロイングを行う。これにより、合金化反応が進行するときに、化13または化14に示した化合物が負極材料の表面を覆い、負極材料と酸素との接触を抑制することができ、上述したように酸素濃度の低い負極材料が得られる。なお、添加する化13および化14に示した化合物の合計の質量は、原料全体の質量を100とした場合、10以下とすることが好ましく、更には3以上とすればより好ましい。すなわち、化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を、原料全体に対して、10質量%以下の割合で添加することが好ましく、更には3質量%以上で添加すればより好ましい。10質量%超では、酸素濃度を低下させることはできるが、原料を合金化することが難しく、3質量%未満では、負極材料の酸素濃度を十分に例えば4質量%以下に低下させることが難しいからである。
【0033】
【化13】
m 2m+2−nn 
(式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
【0034】
【化14】
p 2p−qq 
(式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
【0035】
化13および化14においてmおよびpを6〜10の整数とするのは、5以下の化合物では負極材料の酸素濃度を十分に低下させることが難しく、11以上の化合物では原料を合金化することが難しいからである。更には、化13および化14に示した化合物は、メカニカルアロイングの際に負極材料の表面を覆うことを目的としているので液体状のものが好ましいが、11以上の化合物の中には固体状のものもあり、その場合、負極材料の表面を局所的にしか覆わないことが推測され、酸素濃度の低減は難しいからである。
【0036】
化13に示した化合物としては、例えば、n−C1022,n−C8 18,n−C5 12,n−C6 14,n−C8 18,n−C1022あるいはC7 15CHF2 を用いることができる。化14に示した化合物としては、例えば、Cyclo −C6 12を用いることができる。
【0037】
なお、メカニカルアロイングは、遊星ボールミルあるいはアトライタなどのボールミルを用いて行うことが好ましい。
【0038】
図1は、本実施の形態で利用可能なアトライタの一構成例を表すものである。このアトライタは、粉砕容器11に、原料をメディア20および不活性ガス(図示せず)と共に供給し、アジテーターアーム12Aが取り付けられた回転可能な撹拌軸12で撹拌することにより、原料を粉砕および混合しつつ、合金化して合金粉末を作製するものである。粉砕容器11は、原料等を収容する容器本体11Aと、容器本体11Aの上部に取り付けられた蓋11Bとを有しており、撹拌軸12は、ガスシール13を介して、この蓋11Bを貫通するように設けられている。蓋11Bには、また、供給口14,15が設けられており、供給口14から原料およびメディア20が、供給口15から不活性ガスが粉砕容器11内にそれぞれ供給されるようになっている。容器本体11Aの側壁は、粉砕容器11内を所望の温度に加熱あるいは冷却するための媒体が循環するジャケット16が設けられた構造を有している。ジャケット16を循環する媒体は、容器本体11Aに取り付けられた供給口17からジャケット16に供給され、粉砕容器11に取り付けられた排出口18からジャケット16の外部に排出されるようになっている。容器本体11Aの底部には、排出スクリーン19が設けられており、この排出スクリーン19により、作製された合金粉末とメディア20とが分離され、メディア20が粉砕容器11内に残され、合金粉末のみが粉砕容器11から排出されるようになっている。
【0039】
以上のような負極材料は、例えば、次のような二次電池の負極に用いられる。ここでは、リチウムを電極反応種として用いる電池について説明する。
【0040】
図2は、本実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶31内に収容された円板状の正極32と外装カップ33内に収容された円板状の負極34とが、セパレータ35を介して積層されたものである。外装缶31および外装カップ33の周縁部は絶縁性のガスケット36を介してかしめることにより密閉されている。外装缶31および外装カップ33は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウムなどの金属によりそれぞれ構成されている。
【0041】
正極32は、例えば、正極集電体32Aと、正極集電体32Aに設けられた正極合剤層32Bとを有している。正極集電体32Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層32Bは、例えば、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を正極活物質として含み、必要に応じてカーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電助剤と、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤と共に構成されている。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、金属酸化物,金属硫化物あるいは特定の高分子材料などが好ましく、電池の使用目的に応じてそれらのいずれか1種または2種以上が選択される。
【0042】
金属酸化物としては、Lia MIO2 を主体とするリチウム複合酸化物、Lib MIIPO4 を主体とするリン酸化物あるいはV2 5 が挙げられる。特にリチウム複合酸化物は高電圧を発生可能であり、エネルギー密度を高くすることができるので好ましい。なお、上記組成式において、MIおよびMIIは1種類以上の遷移元素を表し、特にコバルト,ニッケル,マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。また、MIおよびMIIの一部がリチウム,アルミニウムあるいはマグネシウムなどの非遷移金属に置き換えられているものも好ましい。aおよびbの値は電池の充放電状態によって異なり、それぞれ、通常、0.05≦a≦1.15、0≦b≦1.10である。このようなリチウム複合酸化物およびリン酸化物の具体例としては、Lic CoO2 ,Lic NiO2 ,Lic Nid Co1−d 2 ,Lie Fe1−f Mnf PO4 あるいはスピネル型構造を有するLig Mn2 4 などが挙げられる。なお、上記組成式においてc,d,e,fおよびgは電池の充放電状態によって異なり通常、それぞれ0.05<c<1、0.7<d<1、0<e<1、0<f<0.8、0<g<1.1である。
【0043】
金属硫化物としては、TiS2 あるいはMoS2 などが挙げられ、高分子材料としては、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。また、これらの正極材料の他にもNbSe2 などを用いることができる。
【0044】
負極34は、例えば、負極集電体34Aと、負極集電体34Aに設けられた負極合剤層34Bとを有している。負極集電体34Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0045】
負極合剤層34Bは、例えば、負極活物質として本実施の形態に係る負極材料を含み、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着剤と共に構成されている。負極合剤層34Bは、また、本実施の形態に係る負極材料に加えての他の負極活物質、または導電助剤などの他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な炭素質材料,金属酸化物あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては酸化スズ(SnO2 )などが挙げられ、高分子材料としては、ポリアセチレン,ポリパラフェニレンあるいはポリチオフェンが挙げられる。
【0046】
セパレータ35は、正極32と負極34とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ35は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
【0047】
セパレータ35には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステルなどが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0048】
リチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )が挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0049】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0050】
まず、例えば、正極材料と導電助剤と結着剤とを混合して正極合剤を調整したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体32Aに塗布して乾燥させたのち、圧縮成型して正極合剤層32Bを形成し、正極32を作製する。
【0051】
次いで、例えば、負極材料と結着剤とを混合して負極合剤を調整したのち、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体34Aに塗布して乾燥させたのち、圧縮成型して負極合剤層34Bを形成し、負極34を作製する。
【0052】
そののち、例えば、負極34、電解液が含浸されたセパレータ35および正極32を積層して、外装カップ33と外装缶31との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図2に示した二次電池が得られる。
【0053】
この二次電池は次のように作用する。
【0054】
この二次電池では、充電を行うと、正極32からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して負極34に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極34からリチウムイオンが離脱し、電解液を介して正極32に吸蔵される。ここでは、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られた負極材料を用いているので、負極34の特性が向上し、優れた充放電効率が得られる。
【0055】
このように本実施の形態によれば、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより負極材料を作製するようにしたので、負極材料の酸素濃度を、例えば、4質量%以下に低減させることができ、それにより、初期の充放電における不可逆容量の増大を抑制することができる。従って、優れた充放電効率を有する二次電池を得ることができる。
【0056】
特に、負極材料に、スカンジウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウムおよび銀からなる群のうちの少なくとも1種の元素を含むようにすれば、合金化および分解に伴う形態変化を抑制することができると共に、充放電可逆性をより向上させることができる。
【0057】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0058】
(実施例1〜8)
まず、約500mlのクロム鋼ポットに、原料粉末として、スズ(第1元素;炭素を除く14族元素)と、コバルト(第2元素;遷移元素の第4周期)と、アルミニウム(第3元素;タリウムを除く13族元素)とを表1に示した割合で、合計が10gとなるように投入した。また、化13または化14に示した化合物を、原料粉末全体に対して3質量%の割合で添加した。その際、実施例1〜8で化13または化14に示した化合物の種類を表1に示したように変化させた。次いで、クロム鋼ポットに、メディアである直径約9mmの硬質クロム鋼玉100個を更に投入した後、クロム鋼ポットの内部を不活性ガスであるアルゴンで置換した。続いて、伊藤製作所製遊星回転ポットミル(LA−PO.4)を用い、クロム鋼ポットを回転数250rpmにて60時間回転させて、メカニカルアロイングを行い、粉末を得た。得られた粉末を目開き32μmのふるいを用いて分級し、負極材料とした。
【0059】
【表1】
Figure 2004146159
【0060】
得られた負極材料について、堀場製作所製酸素・窒素分析装置EMGA−650を用いて、酸素濃度を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、本装置は測定材料を黒鉛ルツボ中にて高温に加熱し溶融することにより、発生する酸素成分を一酸化炭素とし、この一酸化炭素量を非分散赤外線検出器にて測定し、それによって酸素濃度を特定するものである。まず、負極材料を、正確に約30mg秤取ったのち、これを約0.3gのニッケルカプセルに封入した。次いで、これと、分解促進剤のフラックスとしての約0.5gのスズペレットとを、専用黒鉛ルツボに投入し、溶融し測定を行った。なお、黒鉛ルツボは、測定前に、一度空だきし、付着・結合していたガス成分を取り除いた。
【0061】
実施例1〜8に対する比較例1として、化13および化14に示した化合物を添加しないことを除き、他は実施例1〜8と同様にして負極材料を作製した。また、実施例1〜8に対する比較例2〜4として、化13に示した化合物の種類を表1に示したように変えたことを除き、他は実施例1〜8と同様にして負極材料を作製した。なお、比較例2は、化13においてm=4の化合物であり、比較例3は、化13においてm=11の化合物である。また、比較例4で添加したn−C1226は常温において固体状のものである。比較例1〜8の負極材料についても、実施例1〜8と同様にして、酸素濃度を測定した。その結果も表1に合わせて示す。
【0062】
更に、得られた実施例1〜8および比較例1〜4の負極材料を用い、コイン型セルを作製した。コイン型セルの形状は図2に示した二次電池と同様である。よって、ここでは図2を参照し、図2と同一の符号を用いて説明する。
【0063】
まず、得られた負極材料50質量%と、導電助剤である人造黒鉛45質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン5質量%とを混合して負極合剤を調整した。続いて、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとし、銅よりなる負極集電体34Aに塗布し乾燥させたのち、これを直径約15mmの円形状に打ち抜いた。そののち、プレス機で圧縮成型することにより負極合剤層34Bを形成し、負極34を作製した。
【0064】
負極34を作製したのち、外装カップ33の中央部に負極34およびポリプロピレン製の多孔質膜よりなるセパレータ35をこの順で置き、この上から電解液を注入し、対極として直径約16mmの金属リチウムを入れた外装缶31を被せてかしめ、直径約20mm、厚み1.6mmのコイン型セルとした。電解液には、炭酸エチレンと炭酸エチルメチルとを等モルで混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウムを1mol/dm3 の濃度で溶解させたものを用いた。
【0065】
得られた実施例1〜8および比較例1〜4のコイン型セルについて、充放電試験を行い、充放電効率を求めた。その際、充電は1mAの定電流で電池電圧が10mVに達するまで行ったのち、10mVの定電圧で電流値が20μAになるまで行った。一方、放電は、1mAの定電流で電池電圧が1.2Vになるまで行った。なお、充放電効率は、初回充電容量に対する初回放電容量の比率、すなわち(初回放電容量)/(初回充電容量)×100として算出した。得られた結果を表1に示す。
【0066】
表1から分かるように、実施例1〜8では、酸素濃度が3質量%以下と低い値が得られ、充放電効率も65%以上と高い値が得られた。これに対して、比較例1,2,4は、酸素濃度が10質量%以上と高く、充放電効率も50%以下と低かった。また、比較例3は、酸素濃度は1.33質量%と低かったが、合金化した負極材料が得られなかった。すなわち、化13または化14に示したm=6〜10の化合物を添加しメカニカルアロイングを行うようにすれば、合金化した負極材料が得られると共に、その負極材料の酸素濃度を低減させることができ、それにより充放電効率を向上させることができることが分かった。
【0067】
(実施例9〜11)
n−C1022の添加量を表2に示したように変えたことを除き、他は実施例1と同様にして負極材料を作製した。また、実施例9〜11に対する比較例5として、n−C1022の含有量を表2に示したように変えたことを除き、他は実施例9〜11と同様にして負極材料を作製した。実施例9〜11および比較例5の負極材料についても、実施例1〜8と同様にして、酸素濃度を測定した。その結果を実施例1および比較例1の結果と共に表2に示す。
【0068】
【表2】
Figure 2004146159
【0069】
更に、実施例9〜11および比較例5の負極材料を用いて、実施例1と同様にしてコイン型セルを作製した。実施例9〜11および比較例5のコイン型セルについても実施例1〜8と同様にして、充放電試験を行い、充放電効率を求めた。その結果を実施例1および比較例1の結果と共に表2に示す。
【0070】
表2から分かるように、n−C1022の含有量が10質量%以下の実施例1,9〜11では、酸素濃度が8質量%以下と比較例1に比べて低い値が得られ、充放電効率も65%以上と高い値が得られた。中でも、n−C1022の含有量が3質量%以下の実施例1,10,11では、酸素濃度が3質量%以下と非常に低い値が得られ、充放電効率も70%以上と優れた値が得られた。これに対して、n−C1022の含有量が10質量%超の比較例5では、酸素濃度は1.47質量%と低い値が得られたが、合金化した負極材料が得られなかった。すなわち、化13または化14に示した化合物の添加量は、原料全体に対して、10質量%以下とすることが好ましく、更には3質量%以上とすればより好ましいことが分かった。
【0071】
(実施例12〜14)
第1元素,第2元素および第3元素の種類および含有量を表3に示したように変えたことを除き、他は実施例1と同様にして負極材料を作製した。実施例12〜14の負極材料についても、実施例1〜8と同様にして、酸素濃度を測定した。その結果を実施例1の結果と共に表3に示す。
【0072】
【表3】
Figure 2004146159
【0073】
更に、得られた負極材料を用いて、実施例1と同様にしてコイン型セルを作製した。実施例12〜14のコイン型セルについても、実施例1〜8と同様にして充放電試験を行い、充放電効率を求めた。その結果も実施例1の結果と共に表3に示す。
【0074】
表3から分かるように、実施例12〜14では、酸素濃度が4質量%と低い値が得られ、充放電効率についても65%以上と高い値が得られた。すなわち、他の第1元素,第2元素および第3元素を含む負極材料についても、化13または化14に示した化合物を添加するようにすれば、酸素濃度を低減することができ、それにより、充放電効率を向上させることができることが分かった。
【0075】
(実施例15)
遊星ボールミルに代えて、アトライタを用いてメカニカルアロイングを行ったことを除き、他は実施例1と同様にして負極材料を作製した。メカニカルアロイングは具体的には次のようにして行った。まず、図1に示した構成を有する三井鉱山製乾式アトライタMA1Dの粉砕容器11に、原料粉末として、スズ(第1元素)と、コバルト(第2元素)と、アルミニウム(第3元素)とを表4に示した割合で、合計が1000gとなるように投入した。また、添加剤として、n−C1022を、原料粉末全体に対して3質量%の割合で添加した。次いで、メディア20である直径約9mmの硬質クロム鋼玉約18kgを更に投入した後、粉砕容器11の内部を不活性ガスであるアルゴンで置換した。続いて、撹拌軸12を回転数200rpmにて10時間回転させた。
【0076】
実施例15の負極材料についても、実施例1〜8と同様にして、酸素濃度を測定した。その結果を実施例1の結果と共に表4に示す。更に、実施例15の負極材料を用いて、実施例1と同様にしてコイン型セルを作製した。実施例15のコイン型セルについても、実施例1〜8と同様にして、充放電試験を行い、充放電効率を求めた。その結果も実施例1の結果と共に表4に示す。
【0077】
【表4】
Figure 2004146159
【0078】
表4から分かるように、実施例15も、実施例1と同様に、酸素濃度が3.08質量%と低く、充放電効率も70%と高かった。すなわち、アトライタを用いてメカニカルアロイングを行っても、負極材料の酸素濃度を低減させることができ、それにより充放電効率を向上させることができることが分かった。
【0079】
なお、上記実施例では、化13および化14に示した化合物について具体的に例を挙げて説明したが、化13および化14に示した化合物であれば、他の化合物を用いても同様の結果を得ることができる。
【0080】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、溶媒に液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
【0081】
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0082】
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
【0083】
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなどの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、上記実施の形態および実施例では、二次電池について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
【0084】
更に、上記実施の形態および実施例では、電極反応種としてリチウムを用いる場合を説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属,またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その場合、正極活物質,負極活物質および電解質塩は、その軽金属に応じて適宜選択される。他は上記実施の形態と同様に構成することができる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の負極材料によれば、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化1および化2に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものとしたので、初期の充放電における不可逆容量の増大を抑制することができる。
【0086】
特に、請求項2記載の負極材料によれば、スカンジウム,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,ホウ素,アルミニウム,ガリウム,インジウムおよび銀からなる群のうちの少なくとも1種の元素を含むようにしたので、合金化および分解に伴う形態変化を抑制することができると共に、充放電可逆性をより向上させることができる。
【0087】
また、請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の負極材料の製造方法によれば、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化13および化14に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより作製するようにしたので、負極材料の酸素濃度を、例えば、4質量%以下に低減させることができ、それにより、初期の充放電における不可逆容量の増大を抑制することが可能な負極材料を得ることができる。
【0088】
更に、請求項10ないし請求項14のいずれか1項に記載の電池によれば、本発明の負極材料を用いるようにしたので、優れた充放電効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る負極材料を作製する際に用いるアトライタの一構成例を表す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の構成を表す断面図である。
【符号の説明】
11…粉砕容器、12…撹拌軸、12A…アジテーターアーム、13…ガスシール、14,15,17…供給口、16…ジャケット、18…排出口、19…排出スクリーン、20…メディア、31…外装缶、32…正極、32A…正極集電体、32B…正極合剤層、33…外装カップ、34…負極、34A…負極集電体、34B…負極合剤層、35…セパレータ、36…ガスケット

Claims (14)

  1. 炭素(C)を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料であって、
    原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化1および化2に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものであることを特徴とする負極材料。
    Figure 2004146159
    (式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
    Figure 2004146159
    (式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
  2. 更に、スカンジウム(Sc),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In)および銀(Ag)からなる群のうちの少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  3. 酸素濃度が4質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  4. ボールミルを用いたメカニカルアロイングにより得られたものであることを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  5. アトライタを用いたメカニカルアロイングにより得られたものであることを特徴とする請求項4記載の負極材料。
  6. 炭素(C)を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料の製造方法であって、
    原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化3および化4に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行う工程を含む
    ことを特徴とする負極材料の製造方法。
    Figure 2004146159
    (式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
    Figure 2004146159
    (式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
  7. 更に、スカンジウム(Sc),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In)および銀(Ag)からなる群のうちの少なくとも1種の元素を含む負極材料を作製することを特徴とする請求項6記載の負極材料の製造方法。
  8. ボールミルを用いてメカニカルアロイングを行うことを特徴とする請求項6記載の負極材料の製造方法。
  9. アトライタを用いてメカニカルアロイングを行うことを特徴とする請求項8記載の負極材料の製造方法。
  10. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、炭素(C)を除く14族元素のうちの少なくとも1種を含む負極材料を含み、
    前記負極材料は、原料全体に対して、10質量%以下の割合で、化5および化6に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を添加して、メカニカルアロイングを行うことにより得られたものである
    ことを特徴とする電池。
    Figure 2004146159
    (式中、mは6〜10の整数を表し、nは0〜2m+2の整数を表す。)
    Figure 2004146159
    (式中、pは6〜10の整数を表し、qは0〜2pの整数を表す。)
  11. 前記負極材料は、更に、スカンジウム(Sc),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),ホウ素(B),アルミニウム(Al),ガリウム(Ga),インジウム(In)および銀(Ag)からなる群のうちの少なくとも1種の元素を含むことを特徴とする請求項10記載の電池。
  12. 前記負極材料の酸素濃度は、4質量%以下であることを特徴とする請求項10記載の電池。
  13. 前記負極材料は、ボールミルを用いたメカニカルアロイングにより得られたものであることを特徴とする請求項10記載の電池。
  14. 前記負極材料は、アトライタを用いたメカニカルアロイングにより得られたものであることを特徴とする請求項13記載の電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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