JP2004146107A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】摺動膜等の保護層34を形成具備させている加熱装置109cについて、保護層34の膜厚測定時に保護層34に傷をつけるのを防ぐことを目的とする。
【解決手段】加熱板23と、該加熱板23の少なくとも一面に形成された保護層34を有する加熱装置において、前記保護層34の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターン35を有していることを特徴とする加熱装置。
【選択図】図3
【解決手段】加熱板23と、該加熱板23の少なくとも一面に形成された保護層34を有する加熱装置において、前記保護層34の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターン35を有していることを特徴とする加熱装置。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、トナー像を記録材に定着させる熱定着器の熱源として使用する加熱装置(加熱体)、及びこれを備えた画像形成装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置において、紙などの記録材上に形成されたトナー像を定着させる定着器として、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着器や、セラミック面発ヒータ(以下、セラミックヒータと記す)を熱源とするフィルム加熱式の熱定着方式が用いられている。
【0003】
一般的にセラミックヒータは、発熱体が絶縁基板(AlN、Al2O3など)面上に形成されており、発熱体に電力が供給され発熱する。セラミックヒータの温度は、セラミックヒータ上、あるいは近傍に配置された温度制御用の温度検出素子により検出され、プリンタエンジンを制御するCPUでモニタされている。CPUは検出した温度を基に、セラミックヒータの温度が所定の温度になるように発熱体への通電電力を制御している。
【0004】
セラミックヒータは、焼結成形されたセラミック系の絶縁基板上に、発熱体パターン、前記発熱体パターン及び電力を供給するための導電パターン、発熱体パターン及び導電パターンを保護するためのガラス保護層、セラミックヒータがフィルムと内接し摺動するためのヒータ保護層としての摺動膜が、厚膜印刷により形成されている(例えば、特許文献1〜3参照)。各パターンの印刷層は、印刷後の調整温度が高い順番に印刷、焼成され絶縁基板上に形成される。
【0005】
ここで、摺動膜の材質はフィルムと摺動膜の摺動性を重視して選ばれるため、熱伝導性の悪いものが使用されることもある。熱伝導性の悪い材質の摺動膜を形成した場合、摺動膜の膜厚によっては定着性能が低下してしまうため、摺動膜の膜厚は膜厚測定により管理されている。
【特許文献1】
特開2002−75597号公報
【特許文献2】
特開2002−246150号公報
【特許文献3】
特開2002−270344号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら摺動膜の膜厚測定には、接触型(触針方式)と非接触型があり、接触型の場合、測定時に摺動膜に直接触れるため、摺動膜に傷をつけてしまう恐れがある。また、それに伴う摺動性の悪化、定着性能の低下という問題があった。
【0007】
本発明は、上記摺動膜等の保護層を形成具備させている加熱装置について、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを防ぐことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱板と、該加熱板の少なくとも一面に形成された保護層を有する加熱装置において、前記保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置、である。
【0009】
上記の膜厚測定用パターンは加熱板面に対する保護層の厚膜印刷等による形成と同時に同材料で形成され、保護層と膜厚測定用パターンの両者の膜厚は実質同じに形成されるので、保護層の膜厚は膜厚測定用パターンを測定することで知ることができる。したがって、実際に保護層には触れることなく、保護層の膜厚をしることができるから、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを避けることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は電子写真プロセスを用いた画像記録装置の概略構成図であり、例えばレーザビームプリンタの場合を示している。
【0012】
レーザビームプリンタ本体101(以下、本体101)は、記録紙Sを収納するカセット102を有し、カセット102の記録紙Sの有無を検知するカセット有無センサ103、カセット102の記録紙Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104(複数個のマイクロスイッチで構成される)、カセット102から記録紙Sを繰り出す給紙ローラ105等が設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録紙Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいて記録紙S上にトナー像を形成するカートリッジ108が設けられている。121はカートリッジ108内の感光ドラム117と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラである。さらに、転写ニップ部の下流には記録紙S上に形成されたトナー像を熱定着する像加熱装置としての定着器109が設けられており、定着器109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録紙Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録紙Sを積載する積載トレイ112が設けられている。
【0013】
また、前記レーザスキャナ107は、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113、このレーザユニット113からのレーザ光を感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
【0014】
また、定着器109は、定着フィルム109a、加圧ローラ109b、定着フィルム内部に設けられた熱源としての加熱装置(加熱体)109c、加熱装置109cの表面温度を検出するサーミスタ109d等、から構成されている。
【0015】
また、メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ローラクラッチ124を介して、レジストローラ対106にはレジストローラ125を介して駆動力を与えており、更に感光ドラム117を含むカートリッジ108の各ユニット、定着器109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
【0016】
そして126はエンジンコントローラであり、レーザスキャナ部107、カートリッジ108、定着器109による電子写真プロセスの制御、前記本体101内の記録紙の搬送制御を行っている。
【0017】
そして、127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータ等の外部装置131と汎用のインタフェース(セントロニクス、RS232C等)130で接続されており、この汎用インタフェースから送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVDO信号として、インタフェース128を介して、エンジンコントローラ126へ送出している。
【0018】
そして、前記カートリッジ108内は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、1次帯電ローラ119、現像器120、クリーナ122、アンテナ付非接触型ICメモリユニット201等から構成されている。また、本体101内には非接触ICメモリユニット201と通信を行うためにコイルアンテナ202、通信制御を行うための変復調回路を搭載した通信制御基板203が設けられている。129は廃熱ファンである。
【0019】
(2)定着器109
図2は本実施例の定着器109の要部の横断面模型図である。本例の定着器109は、フィルム加熱方式、加圧回転体駆動方式の所謂テンションレスタイプである。
【0020】
この定着器109には、耐熱性・剛性を有するフィルム内面ガイド部材109eと、このフィルム内面ガイド部材109eの下面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定された、熱源としての加熱装置(加熱体)109cがある。そして、加熱装置109cが嵌め込まれたフィルム内面ガイド部材109eには、円筒型の耐熱性樹脂製の定着フィルム109aがルーズに外嵌されている。定着フィルム109aは例えばポリイミド等の耐熱性樹脂製である。
【0021】
109bは加圧部材としての加圧ローラ(圧接ローラ、駆動ローラ)であり、この加圧ローラ109bと、加熱装置109cを含むフィルム内面ガイド部材109eとの間にフィルム109aが挟まれている。
【0022】
加圧ローラ109bは、芯金41と、該芯金上に同心一体に形成具備されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムあるいはシリコーンゴム等を発泡して形成された弾性層42とから成る回転体である。加圧ローラ109bは、芯金41の両端部を装置シャーシーの手前側と奥側の側板間に軸受け部材を介して回転自由に軸受け保持させて配設してある。そして、加圧ローラ109bとフィルム内面ガイド部材109eは、お互いが圧接されるように固定されており、定着ニップ部Nを形成している。
【0023】
加圧ローラ109bは、不図示の駆動手段により所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ109bの回転駆動による該加圧ローラ109bの外面とフィルム109aとの、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状のフィルム109aに回転力が作用して、該フィルム109aが、その内面側が加熱装置109cの下向き面に密着して摺動しながらフィルム内面ガイド部材109eの外周を従動回転する。
【0024】
加圧ローラ109bが回転駆動され、それに伴って円筒状のフィルム109aが従動回転状態になり、また加熱装置109cに通電がなされ、該加熱装置109cが昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nのフィルム109aと加圧ローラ109bとの間に未定着トナー像tを担持した記録紙Sが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録紙Sのトナー像担持面側がフィルム109aの外面に密着してフィルム109aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、加熱装置109cの熱がフィルム109aを介して記録紙Sに付与され、記録紙S上の未定着トナー像tが記録紙S上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録紙Sはフィルム109aから曲率分離される。
【0025】
(3)加熱装置109c
図3は本実施例における加熱装置109cの構成説明図であり、(a)は加熱装置の裏面側の一部切欠きパターン図、(b)は加熱装置の表面側のパターン図、(c)は(a)図におけるc−c線に沿う横断面図である。
【0026】
本実施例の加熱装置109cは、100V系、裏面加熱型のセラミックヒータであり、定着フィルム109aが内接する面側が表面側であり、その反対面側が裏面側である。
【0027】
23は加熱板を構成するセラミックの絶縁基板であり、高熱伝導・電気絶縁性であるAlN、Al2O3などのセラミック焼結成形板であり、通紙方向に直交する方向を長手とする横長・薄肉板部材である。
【0028】
20・21は並行2条の発熱体パターンであり、上記絶縁基板23の裏面側に基板長手に沿って形成具備させてある。この発熱体パターン20・21は銀パラジウム(Ag/Pd)・Ta2N等の通電発熱抵抗体ペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0029】
31は発熱体パターン20・21に対する給電電極であり、発熱体パターン20・21の一方端側の絶縁基板面に1つ、他方端側の絶縁基板面に2つ具備させてある。発熱体パターン20・21の一方端側の絶縁基板面に1つ具備させた給電電極31は発熱体パターン20・21の共通電極としてこれに発熱体パターン20・21の各一方端側を導電パターン32を介して電気的に接続させてある。また発熱体パターン20・21の他方端側の絶縁基板面に2つ具備させた給電電極は発熱体パターン20・21の個別電極としてそれぞれに発熱体パターン20と21の他方端側を導電パターン32・32を介して電気的に接続させてある。
【0030】
上記の給電電極31および導電パターン32は銀(Ag)等の導電体ペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0031】
33は発熱体パターン20・21と導電パターン32の一部又は全部を覆わせて形成具備させた第1の保護層であり、発熱体パターン20・21と導電パターン32を保護する。この第1の保護層33はガラス保護層であり、ガラスペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0032】
上記の発熱体パターン20・21、給電電極31、導電パターン32、第1の保護層33は絶縁基板23の裏面側に形成具備させてある。
【0033】
109aは第1の保護層33の長手方向のほぼ中央部に接触させて設けた温度検出阻止としての例えばサーミスタ感温素子である。22は同じく第1の保護層33の長手方向のほぼ中央部に接触させて設けた安全素子としてのサーモスイッチである。
【0034】
34は絶縁基板23の表面側の定着フィルム対応領域面を覆わせて形成具備させた第2の保護層である。この第2の保護層34は加熱装置であるセラミックヒータが定着フィルムと内接して摺動するための摺動膜層である。例えばガラス保護層であり、ガラスペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0035】
35は上記の第2の保護層34である摺動膜の膜厚測定用パターンである。この摺動膜の膜厚測定用パターン35が本発明の特徴点であり、後記(5)項で詳述する。
【0036】
(4)加熱装置109cの駆動回路
図4に前記本体101に備えられている制御基板24における定着器109の駆動回路とその配線図を示す。
【0037】
1は本体101を接続する商用電源で、本体101は商用電源1をACフィルタ2を介して定着器109に備えられた前記の加熱装置(熱源)であるセラミックヒータ109cへ供給することによりセラミックヒータ内の発熱体パターン20・21を発熱させる。また、本体101に備えられた制御基板24と定着器109はドロワーコネクタ19を介して電気的に接続されている。
【0038】
セラミックヒータ109c内の発熱体パターン20への電力供給については、トライアック7により通電、遮断を行う。抵抗5、8は、トライアック7のためのバイアス抵抗でフォトトライアックカプラ11は1次、2次間の沿面距離を確保するためのデバイス、また6はトライアック7の動作を安定させるためのスパークキラーである。フォトトライアックカプラ11の発光ダイオードに通電することによりトライアック7をオンする。また、抵抗4はフォトトライアックカプラ11に流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ11はトランジスタ10によりオン/オフする。ここでトランジスタ10はエンジンコントローラ126からのオン信号にしたがって動作する。セラミックヒータ109c内の発熱体21においても同様の原理で電力供給され、12、15、16は抵抗、13はスパークキラー、14はトライアック、17はトランジスタ、18はフォトトライアックカプラである。
【0039】
また、ACフィルタ2を介した商用電源1は、ゼロクロス検知回路23を介し、エンジンコントローラ126に商用電源1の電圧によりパルス幅が変化するパルス信号(以下、ZEROX信号と呼ぶ)として送出される。
【0040】
エンジンコントローラ126はZEROX信号のパルス幅を検出し、このパルス幅を基に位相制御、又は波数制御によりトライアック7、14をオン/オフする。
【0041】
また、温度検出素子109dによって検出されるセラミックヒータ109cの温度は、抵抗9、16と温度検出素子109dとの分圧として検出され、エンジンコントローラ126にTH信号としてA/D入力される。ここで3はリレーであり、温度検出素子109dによって検出された温度がエンジンコントローラで設定されている温度よりも高くなると切れるような構成となっている。
【0042】
セラミックヒータ109cの温度は、TH信号としてエンジンコントローラ126において監視され、エンジンコントローラ126の内部で設定されているセラミックヒータ109cの設定温度と比較することによって、セラミックヒータ109cに供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりエンジンコントローラ126がトランジスタ10、17にオン信号を送出する。
【0043】
また、安全素子であるサーモスイッチ22は、電源ライン(コモン)に直列に接続されており、セラミックヒータ190cが所定の温度よりも高いときにはサーモスイッチ22が切れるような構成となっている。
【0044】
(5)保護層の膜厚測定用パターン35について
セラミックヒータ190cの絶縁基板表面側に形成具備させた第2の保護層34である摺動膜の膜厚測定用パターン35は、摺動膜34の形成領域外において、摺動膜34と同じ材質、同じ膜厚のものが摺動膜34の厚膜印刷による形成と同時に形成される。
【0045】
厚膜印刷は溶かしたペーストをパターンの形状で塗り、乾燥させ凝固させることでパターンを形成するものである。
【0046】
摺動膜34の具体的な材料はガラスやポリイミド等である。膜厚は数μm〜数十μm程度である。摺動膜34の材質としては摺動性、熱伝導性が共に良いものが好ましい。ポリイミドは摺動性が良いが、熱伝導性が悪いため、膜厚を薄く管理しなくてはならない。膜厚測定用パターン35は、摺動膜34と同じ材質、同じ膜厚のものが摺動膜34の厚膜印刷による形成と同時に形成される。
【0047】
第2の保護層である摺動膜34とその膜厚測定用パターン35の両者の膜厚は実質同じに形成されるので、摺動膜34の膜厚は膜厚測定用パターン34の膜厚を測定することで知ることができる。したがって、実際に摺動膜34には触れることなく、摺動膜34の膜厚をしることができるから、摺動膜34の膜厚測定時に摺動膜34に傷をつけるのを避けることが可能となる。
【0048】
そして膜厚測定用パターン35の膜厚測定により知ることができる摺動膜34の膜厚の具合により、工程修正、製品選別等がなされて摺動膜の膜厚管理がなされる。
【0049】
図5は摺動膜35を形成している部分の断面図を示している。図5に示したように摺動膜35はパターン形成上の理由からパターン中央部の膜厚T1に対して端部の膜厚T2が大きくなる傾向にある。よって図6に示すように膜厚測定用パターン35の大きさを小さくしすぎると、実際に定着性能に影響を与える摺動膜34の中央部(ニップ部)の膜厚を測定することができないため、膜厚測定用のパターンは図5に示すように所定の大きさ(印刷性能による)以上にする必要がある。
【0050】
このように膜厚保測定用のパターン35を形成することにより、実際に摺動膜34の膜厚を測定することなく、すなわち、摺動膜34に触れることなく、摺動膜34の膜厚を測定することが可能となる為、定着性能を低下させるような傷を摺動膜34につけることを避けることが可能となる。
【0051】
本実施例では、セラミックヒータ109cの表面側の第2の保護層である摺動膜34についての膜厚測定用パターン35について述べたが、これはセラミックヒータ109cの裏面側の発熱体パタイン側の第1の保護層であるガラス保護層の膜厚測定用としても同様の効果が得られる。
【0052】
また、本実施例では膜厚保測定用のパターン35を1つ持つ構成について述べたが、図7に示すようにセラミックヒータ109cの短手方向に膜厚測定用パターンを複数個(図7では3個)並べて形成することにより摺動膜34の短手方向の膜厚のバラツキを補正する処置、図8に示すようにセラミックヒータ109cの長手方向に膜厚保測定用パターンを複数個(図8では摺動膜34の両端部側に1個ずつ)形成することにより摺動膜34の長手方向の膜厚のバラツキを補正する処置を採ることができて、摺動膜34の形成膜厚精度をあげることが可能となる。
【0053】
[実施例2]
本実施例は実施例1の構成と同じであるが効果が異なる。本実施例では定格商用電源電圧に応じて前記厚膜測定用パターン35の個数を変えることを特徴としており、例えば、図3・図4に示すように100V系のセラミックヒータ109cでは膜厚保測定用パターン35を1個、図9に示すように200V系のセラミックヒータ109cでは膜厚保測定用パターン35を2個としている。
【0054】
こうすることにより、実施例1と同様、摺動膜34に傷をつける恐れなく膜厚保測定用パターン35にて摺動膜の膜厚を測定することが可能となり、同時に膜厚保測定用パターン35の数の認識で、目視によるセラミックヒータ109cのスペック判別(100V系or200V系)が可能となる。
【0055】
また、例えば図3・図4に示す100V系のセラミックヒータ109cに対して、200V系では図10に示すように膜厚測定用のパターン35の位置を変えることでも同様の効果が得られる。
【0056】
[その他]
1)以上の実施例は加熱装置を構成する加熱板として焼結されたセラミックの絶縁基板と、この絶縁基板面に形成具備させた発熱体パターンを基本構成とするセラミックヒータを例示したが、加熱装置を構成する加熱板はこれに限られるものではなく、たとえば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータや、電磁誘導発熱部材などを用いることもできる。またセラミックの絶縁基板の代わりに金属板の表面を絶縁処理したものを用いることもできる。
【0057】
2)本発明の加熱装置は、実施例のフィルム加熱方式の定着器の熱源としてばかりでなく、広く被加熱材を加熱する装置における熱源として使用できる。
【0058】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0059】
〔実施態様1〕加熱板と、該加熱板の少なくとも一面に形成された保護層を有する加熱装置において、前記保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置。
【0060】
〔実施態様2〕前記加熱板は、焼結成形されたセラミックの絶縁基板と、該絶縁基板の一面または両面に厚膜印刷により形成された発熱体パターン、導電パターン及び保護層を有することを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0061】
〔実施態様3〕焼結成形されたセラミックの絶縁基板と、該絶縁基板の一面または両面に厚膜印刷により形成された発熱体パターン、導電パターン及び保護層を有する加熱装置において、前記発熱体パターン及び前記導体パターンは前記絶縁基板の同一平面上に形成され、前記発熱体パターンの両側は前記導体パターンと第1の接続手段(図3の発熱体21と導電体32の接続部分のこと:実際はペーストの材質が異なるため別々に印刷されており、この2つのパターンが重なる(オーバーラップする)ように印刷することで接続がとられている)により電気的に接続され、前記導体パターンの該発熱体パターンと接続されていない側は加熱装置外部と電気的に接触可能な接触手段(図3の電極31のこと:外部との接続はコネクタを使用しており、コネクタの接点がこの電極と接することで接続をとるようにしている)を有しており、前記発熱体パターン及び前記導電パターンの一部又は全体は厚膜印刷された第1の保護層により覆われており、前記絶縁基板の第1の保護層が形成されている面と反対の面には厚膜印刷された第2の保護層が形成されており、加熱装置は前記絶縁基板上に厚膜印刷により形成された前記第1の保護層又は前記第2の保護層又は両方の保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置。
【0062】
〔実施態様4〕前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンを前記絶縁基板の短手方向に2つ以上並べて形成することを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0063】
〔実施態様5〕前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンを前記絶縁基板の長手方向に2つ以上並べて形成することを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0064】
〔実施態様6〕前記膜厚測定用パターンを前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の両側にそれぞれ形成することを特徴とする実施態様5の加熱装置。
【0065】
〔実施態様7〕加熱装置の定格商用電源電圧に応じて前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンの個数を変えることを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0066】
〔実施態様8〕加熱装置の定格商用電源電圧に応じて前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚保測定用パターンの位置を変えることを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0067】
〔実施態様9〕記録材上にトナー像を形成する画像形成部と、該トナー像を加熱して該記録材に定着させる定着器と、を備える画像形成装置において、前記定着器を実施態様1から6のいずれかの加熱装置によって構成し、該加熱装置に対向配置した加圧部材と、該加熱装置と該加圧部材との間にて挟持搬送される定着フィルムとを備え、該加圧部材と定着フィルムとの間に挟持搬送する記録材上のトナー像を該加熱装置によって加熱することを特徴とする画像形成装置。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、摺動膜等の保護層を形成具備させている加熱装置について、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略図
【図2】定着器の横断面模型図
【図3】加熱装置(セラミックヒータ)の構成説明図
【図4】加熱装置の駆動回路図
【図5】加熱装置の膜厚測定用パターン部分の拡大断面模型図
【図6】膜厚測定用パターンの形成要領の説明図
【図7】加熱装置の他の表面パターン図
【図8】加熱装置の更に他の表面パターン図
【図9】実施例2における加熱装置(200V系)の表面パターン図
【図10】実施例2における加熱装置(200V系)の他の表面パターン図
【符号の説明】
109は定着器、109aは定着フィルム、109bは加圧ローラ、109cはセラミックヒータ(加熱装置)、109dはサーミスタ、1は商用電源、7、14はトライアック、11、18はフォトトライアックカプラ、19はドロワーコネクタ、20及び21は発熱体パターン、22はサーモスイッチ、23はゼロクロス検知回路、24は制御基板、25は中継コネクタ、126はエンジンコントローラ、31は電極、32は導電部、33はガラス保護層(第1の保護層)、34は摺動膜(第2の保護層)、35は膜厚測定用のパターン
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、トナー像を記録材に定着させる熱定着器の熱源として使用する加熱装置(加熱体)、及びこれを備えた画像形成装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置において、紙などの記録材上に形成されたトナー像を定着させる定着器として、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の熱定着器や、セラミック面発ヒータ(以下、セラミックヒータと記す)を熱源とするフィルム加熱式の熱定着方式が用いられている。
【0003】
一般的にセラミックヒータは、発熱体が絶縁基板(AlN、Al2O3など)面上に形成されており、発熱体に電力が供給され発熱する。セラミックヒータの温度は、セラミックヒータ上、あるいは近傍に配置された温度制御用の温度検出素子により検出され、プリンタエンジンを制御するCPUでモニタされている。CPUは検出した温度を基に、セラミックヒータの温度が所定の温度になるように発熱体への通電電力を制御している。
【0004】
セラミックヒータは、焼結成形されたセラミック系の絶縁基板上に、発熱体パターン、前記発熱体パターン及び電力を供給するための導電パターン、発熱体パターン及び導電パターンを保護するためのガラス保護層、セラミックヒータがフィルムと内接し摺動するためのヒータ保護層としての摺動膜が、厚膜印刷により形成されている(例えば、特許文献1〜3参照)。各パターンの印刷層は、印刷後の調整温度が高い順番に印刷、焼成され絶縁基板上に形成される。
【0005】
ここで、摺動膜の材質はフィルムと摺動膜の摺動性を重視して選ばれるため、熱伝導性の悪いものが使用されることもある。熱伝導性の悪い材質の摺動膜を形成した場合、摺動膜の膜厚によっては定着性能が低下してしまうため、摺動膜の膜厚は膜厚測定により管理されている。
【特許文献1】
特開2002−75597号公報
【特許文献2】
特開2002−246150号公報
【特許文献3】
特開2002−270344号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら摺動膜の膜厚測定には、接触型(触針方式)と非接触型があり、接触型の場合、測定時に摺動膜に直接触れるため、摺動膜に傷をつけてしまう恐れがある。また、それに伴う摺動性の悪化、定着性能の低下という問題があった。
【0007】
本発明は、上記摺動膜等の保護層を形成具備させている加熱装置について、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを防ぐことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、加熱板と、該加熱板の少なくとも一面に形成された保護層を有する加熱装置において、前記保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置、である。
【0009】
上記の膜厚測定用パターンは加熱板面に対する保護層の厚膜印刷等による形成と同時に同材料で形成され、保護層と膜厚測定用パターンの両者の膜厚は実質同じに形成されるので、保護層の膜厚は膜厚測定用パターンを測定することで知ることができる。したがって、実際に保護層には触れることなく、保護層の膜厚をしることができるから、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを避けることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は電子写真プロセスを用いた画像記録装置の概略構成図であり、例えばレーザビームプリンタの場合を示している。
【0012】
レーザビームプリンタ本体101(以下、本体101)は、記録紙Sを収納するカセット102を有し、カセット102の記録紙Sの有無を検知するカセット有無センサ103、カセット102の記録紙Sのサイズを検知するカセットサイズセンサ104(複数個のマイクロスイッチで構成される)、カセット102から記録紙Sを繰り出す給紙ローラ105等が設けられている。そして、給紙ローラ105の下流には記録紙Sを同期搬送するレジストローラ対106が設けられている。また、レジストローラ対106の下流にはレーザスキャナ部107からのレーザ光に基づいて記録紙S上にトナー像を形成するカートリッジ108が設けられている。121はカートリッジ108内の感光ドラム117と当接して転写ニップ部を形成する転写ローラである。さらに、転写ニップ部の下流には記録紙S上に形成されたトナー像を熱定着する像加熱装置としての定着器109が設けられており、定着器109の下流には排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110、記録紙Sを排紙する排紙ローラ111、記録の完了した記録紙Sを積載する積載トレイ112が設けられている。
【0013】
また、前記レーザスキャナ107は、後述する外部装置131から送出される画像信号(画像信号VDO)に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113、このレーザユニット113からのレーザ光を感光ドラム117上に走査するためのポリゴンモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。
【0014】
また、定着器109は、定着フィルム109a、加圧ローラ109b、定着フィルム内部に設けられた熱源としての加熱装置(加熱体)109c、加熱装置109cの表面温度を検出するサーミスタ109d等、から構成されている。
【0015】
また、メインモータ123は、給紙ローラ105には給紙ローラクラッチ124を介して、レジストローラ対106にはレジストローラ125を介して駆動力を与えており、更に感光ドラム117を含むカートリッジ108の各ユニット、定着器109、排紙ローラ111にも駆動力を与えている。
【0016】
そして126はエンジンコントローラであり、レーザスキャナ部107、カートリッジ108、定着器109による電子写真プロセスの制御、前記本体101内の記録紙の搬送制御を行っている。
【0017】
そして、127はビデオコントローラであり、パーソナルコンピュータ等の外部装置131と汎用のインタフェース(セントロニクス、RS232C等)130で接続されており、この汎用インタフェースから送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータをVDO信号として、インタフェース128を介して、エンジンコントローラ126へ送出している。
【0018】
そして、前記カートリッジ108内は、公知の電子写真プロセスに必要な、感光ドラム117、1次帯電ローラ119、現像器120、クリーナ122、アンテナ付非接触型ICメモリユニット201等から構成されている。また、本体101内には非接触ICメモリユニット201と通信を行うためにコイルアンテナ202、通信制御を行うための変復調回路を搭載した通信制御基板203が設けられている。129は廃熱ファンである。
【0019】
(2)定着器109
図2は本実施例の定着器109の要部の横断面模型図である。本例の定着器109は、フィルム加熱方式、加圧回転体駆動方式の所謂テンションレスタイプである。
【0020】
この定着器109には、耐熱性・剛性を有するフィルム内面ガイド部材109eと、このフィルム内面ガイド部材109eの下面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定された、熱源としての加熱装置(加熱体)109cがある。そして、加熱装置109cが嵌め込まれたフィルム内面ガイド部材109eには、円筒型の耐熱性樹脂製の定着フィルム109aがルーズに外嵌されている。定着フィルム109aは例えばポリイミド等の耐熱性樹脂製である。
【0021】
109bは加圧部材としての加圧ローラ(圧接ローラ、駆動ローラ)であり、この加圧ローラ109bと、加熱装置109cを含むフィルム内面ガイド部材109eとの間にフィルム109aが挟まれている。
【0022】
加圧ローラ109bは、芯金41と、該芯金上に同心一体に形成具備されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムあるいはシリコーンゴム等を発泡して形成された弾性層42とから成る回転体である。加圧ローラ109bは、芯金41の両端部を装置シャーシーの手前側と奥側の側板間に軸受け部材を介して回転自由に軸受け保持させて配設してある。そして、加圧ローラ109bとフィルム内面ガイド部材109eは、お互いが圧接されるように固定されており、定着ニップ部Nを形成している。
【0023】
加圧ローラ109bは、不図示の駆動手段により所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ109bの回転駆動による該加圧ローラ109bの外面とフィルム109aとの、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状のフィルム109aに回転力が作用して、該フィルム109aが、その内面側が加熱装置109cの下向き面に密着して摺動しながらフィルム内面ガイド部材109eの外周を従動回転する。
【0024】
加圧ローラ109bが回転駆動され、それに伴って円筒状のフィルム109aが従動回転状態になり、また加熱装置109cに通電がなされ、該加熱装置109cが昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nのフィルム109aと加圧ローラ109bとの間に未定着トナー像tを担持した記録紙Sが導入され、定着ニップ部Nにおいて記録紙Sのトナー像担持面側がフィルム109aの外面に密着してフィルム109aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、加熱装置109cの熱がフィルム109aを介して記録紙Sに付与され、記録紙S上の未定着トナー像tが記録紙S上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部Nを通過した記録紙Sはフィルム109aから曲率分離される。
【0025】
(3)加熱装置109c
図3は本実施例における加熱装置109cの構成説明図であり、(a)は加熱装置の裏面側の一部切欠きパターン図、(b)は加熱装置の表面側のパターン図、(c)は(a)図におけるc−c線に沿う横断面図である。
【0026】
本実施例の加熱装置109cは、100V系、裏面加熱型のセラミックヒータであり、定着フィルム109aが内接する面側が表面側であり、その反対面側が裏面側である。
【0027】
23は加熱板を構成するセラミックの絶縁基板であり、高熱伝導・電気絶縁性であるAlN、Al2O3などのセラミック焼結成形板であり、通紙方向に直交する方向を長手とする横長・薄肉板部材である。
【0028】
20・21は並行2条の発熱体パターンであり、上記絶縁基板23の裏面側に基板長手に沿って形成具備させてある。この発熱体パターン20・21は銀パラジウム(Ag/Pd)・Ta2N等の通電発熱抵抗体ペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0029】
31は発熱体パターン20・21に対する給電電極であり、発熱体パターン20・21の一方端側の絶縁基板面に1つ、他方端側の絶縁基板面に2つ具備させてある。発熱体パターン20・21の一方端側の絶縁基板面に1つ具備させた給電電極31は発熱体パターン20・21の共通電極としてこれに発熱体パターン20・21の各一方端側を導電パターン32を介して電気的に接続させてある。また発熱体パターン20・21の他方端側の絶縁基板面に2つ具備させた給電電極は発熱体パターン20・21の個別電極としてそれぞれに発熱体パターン20と21の他方端側を導電パターン32・32を介して電気的に接続させてある。
【0030】
上記の給電電極31および導電パターン32は銀(Ag)等の導電体ペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0031】
33は発熱体パターン20・21と導電パターン32の一部又は全部を覆わせて形成具備させた第1の保護層であり、発熱体パターン20・21と導電パターン32を保護する。この第1の保護層33はガラス保護層であり、ガラスペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0032】
上記の発熱体パターン20・21、給電電極31、導電パターン32、第1の保護層33は絶縁基板23の裏面側に形成具備させてある。
【0033】
109aは第1の保護層33の長手方向のほぼ中央部に接触させて設けた温度検出阻止としての例えばサーミスタ感温素子である。22は同じく第1の保護層33の長手方向のほぼ中央部に接触させて設けた安全素子としてのサーモスイッチである。
【0034】
34は絶縁基板23の表面側の定着フィルム対応領域面を覆わせて形成具備させた第2の保護層である。この第2の保護層34は加熱装置であるセラミックヒータが定着フィルムと内接して摺動するための摺動膜層である。例えばガラス保護層であり、ガラスペーストを用いてスクリーン印刷等の厚膜印刷でパターン形成され、焼成されて形成具備される。
【0035】
35は上記の第2の保護層34である摺動膜の膜厚測定用パターンである。この摺動膜の膜厚測定用パターン35が本発明の特徴点であり、後記(5)項で詳述する。
【0036】
(4)加熱装置109cの駆動回路
図4に前記本体101に備えられている制御基板24における定着器109の駆動回路とその配線図を示す。
【0037】
1は本体101を接続する商用電源で、本体101は商用電源1をACフィルタ2を介して定着器109に備えられた前記の加熱装置(熱源)であるセラミックヒータ109cへ供給することによりセラミックヒータ内の発熱体パターン20・21を発熱させる。また、本体101に備えられた制御基板24と定着器109はドロワーコネクタ19を介して電気的に接続されている。
【0038】
セラミックヒータ109c内の発熱体パターン20への電力供給については、トライアック7により通電、遮断を行う。抵抗5、8は、トライアック7のためのバイアス抵抗でフォトトライアックカプラ11は1次、2次間の沿面距離を確保するためのデバイス、また6はトライアック7の動作を安定させるためのスパークキラーである。フォトトライアックカプラ11の発光ダイオードに通電することによりトライアック7をオンする。また、抵抗4はフォトトライアックカプラ11に流れる電流を制限するための抵抗であり、フォトトライアックカプラ11はトランジスタ10によりオン/オフする。ここでトランジスタ10はエンジンコントローラ126からのオン信号にしたがって動作する。セラミックヒータ109c内の発熱体21においても同様の原理で電力供給され、12、15、16は抵抗、13はスパークキラー、14はトライアック、17はトランジスタ、18はフォトトライアックカプラである。
【0039】
また、ACフィルタ2を介した商用電源1は、ゼロクロス検知回路23を介し、エンジンコントローラ126に商用電源1の電圧によりパルス幅が変化するパルス信号(以下、ZEROX信号と呼ぶ)として送出される。
【0040】
エンジンコントローラ126はZEROX信号のパルス幅を検出し、このパルス幅を基に位相制御、又は波数制御によりトライアック7、14をオン/オフする。
【0041】
また、温度検出素子109dによって検出されるセラミックヒータ109cの温度は、抵抗9、16と温度検出素子109dとの分圧として検出され、エンジンコントローラ126にTH信号としてA/D入力される。ここで3はリレーであり、温度検出素子109dによって検出された温度がエンジンコントローラで設定されている温度よりも高くなると切れるような構成となっている。
【0042】
セラミックヒータ109cの温度は、TH信号としてエンジンコントローラ126において監視され、エンジンコントローラ126の内部で設定されているセラミックヒータ109cの設定温度と比較することによって、セラミックヒータ109cに供給するべき電力を算出し、その供給する電力に対応した位相角(位相制御)又は波数(波数制御)に換算し、その制御条件によりエンジンコントローラ126がトランジスタ10、17にオン信号を送出する。
【0043】
また、安全素子であるサーモスイッチ22は、電源ライン(コモン)に直列に接続されており、セラミックヒータ190cが所定の温度よりも高いときにはサーモスイッチ22が切れるような構成となっている。
【0044】
(5)保護層の膜厚測定用パターン35について
セラミックヒータ190cの絶縁基板表面側に形成具備させた第2の保護層34である摺動膜の膜厚測定用パターン35は、摺動膜34の形成領域外において、摺動膜34と同じ材質、同じ膜厚のものが摺動膜34の厚膜印刷による形成と同時に形成される。
【0045】
厚膜印刷は溶かしたペーストをパターンの形状で塗り、乾燥させ凝固させることでパターンを形成するものである。
【0046】
摺動膜34の具体的な材料はガラスやポリイミド等である。膜厚は数μm〜数十μm程度である。摺動膜34の材質としては摺動性、熱伝導性が共に良いものが好ましい。ポリイミドは摺動性が良いが、熱伝導性が悪いため、膜厚を薄く管理しなくてはならない。膜厚測定用パターン35は、摺動膜34と同じ材質、同じ膜厚のものが摺動膜34の厚膜印刷による形成と同時に形成される。
【0047】
第2の保護層である摺動膜34とその膜厚測定用パターン35の両者の膜厚は実質同じに形成されるので、摺動膜34の膜厚は膜厚測定用パターン34の膜厚を測定することで知ることができる。したがって、実際に摺動膜34には触れることなく、摺動膜34の膜厚をしることができるから、摺動膜34の膜厚測定時に摺動膜34に傷をつけるのを避けることが可能となる。
【0048】
そして膜厚測定用パターン35の膜厚測定により知ることができる摺動膜34の膜厚の具合により、工程修正、製品選別等がなされて摺動膜の膜厚管理がなされる。
【0049】
図5は摺動膜35を形成している部分の断面図を示している。図5に示したように摺動膜35はパターン形成上の理由からパターン中央部の膜厚T1に対して端部の膜厚T2が大きくなる傾向にある。よって図6に示すように膜厚測定用パターン35の大きさを小さくしすぎると、実際に定着性能に影響を与える摺動膜34の中央部(ニップ部)の膜厚を測定することができないため、膜厚測定用のパターンは図5に示すように所定の大きさ(印刷性能による)以上にする必要がある。
【0050】
このように膜厚保測定用のパターン35を形成することにより、実際に摺動膜34の膜厚を測定することなく、すなわち、摺動膜34に触れることなく、摺動膜34の膜厚を測定することが可能となる為、定着性能を低下させるような傷を摺動膜34につけることを避けることが可能となる。
【0051】
本実施例では、セラミックヒータ109cの表面側の第2の保護層である摺動膜34についての膜厚測定用パターン35について述べたが、これはセラミックヒータ109cの裏面側の発熱体パタイン側の第1の保護層であるガラス保護層の膜厚測定用としても同様の効果が得られる。
【0052】
また、本実施例では膜厚保測定用のパターン35を1つ持つ構成について述べたが、図7に示すようにセラミックヒータ109cの短手方向に膜厚測定用パターンを複数個(図7では3個)並べて形成することにより摺動膜34の短手方向の膜厚のバラツキを補正する処置、図8に示すようにセラミックヒータ109cの長手方向に膜厚保測定用パターンを複数個(図8では摺動膜34の両端部側に1個ずつ)形成することにより摺動膜34の長手方向の膜厚のバラツキを補正する処置を採ることができて、摺動膜34の形成膜厚精度をあげることが可能となる。
【0053】
[実施例2]
本実施例は実施例1の構成と同じであるが効果が異なる。本実施例では定格商用電源電圧に応じて前記厚膜測定用パターン35の個数を変えることを特徴としており、例えば、図3・図4に示すように100V系のセラミックヒータ109cでは膜厚保測定用パターン35を1個、図9に示すように200V系のセラミックヒータ109cでは膜厚保測定用パターン35を2個としている。
【0054】
こうすることにより、実施例1と同様、摺動膜34に傷をつける恐れなく膜厚保測定用パターン35にて摺動膜の膜厚を測定することが可能となり、同時に膜厚保測定用パターン35の数の認識で、目視によるセラミックヒータ109cのスペック判別(100V系or200V系)が可能となる。
【0055】
また、例えば図3・図4に示す100V系のセラミックヒータ109cに対して、200V系では図10に示すように膜厚測定用のパターン35の位置を変えることでも同様の効果が得られる。
【0056】
[その他]
1)以上の実施例は加熱装置を構成する加熱板として焼結されたセラミックの絶縁基板と、この絶縁基板面に形成具備させた発熱体パターンを基本構成とするセラミックヒータを例示したが、加熱装置を構成する加熱板はこれに限られるものではなく、たとえば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータや、電磁誘導発熱部材などを用いることもできる。またセラミックの絶縁基板の代わりに金属板の表面を絶縁処理したものを用いることもできる。
【0057】
2)本発明の加熱装置は、実施例のフィルム加熱方式の定着器の熱源としてばかりでなく、広く被加熱材を加熱する装置における熱源として使用できる。
【0058】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。本発明の実施態様の例を以下に列挙する。
【0059】
〔実施態様1〕加熱板と、該加熱板の少なくとも一面に形成された保護層を有する加熱装置において、前記保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置。
【0060】
〔実施態様2〕前記加熱板は、焼結成形されたセラミックの絶縁基板と、該絶縁基板の一面または両面に厚膜印刷により形成された発熱体パターン、導電パターン及び保護層を有することを特徴とする実施態様1に記載の加熱装置。
【0061】
〔実施態様3〕焼結成形されたセラミックの絶縁基板と、該絶縁基板の一面または両面に厚膜印刷により形成された発熱体パターン、導電パターン及び保護層を有する加熱装置において、前記発熱体パターン及び前記導体パターンは前記絶縁基板の同一平面上に形成され、前記発熱体パターンの両側は前記導体パターンと第1の接続手段(図3の発熱体21と導電体32の接続部分のこと:実際はペーストの材質が異なるため別々に印刷されており、この2つのパターンが重なる(オーバーラップする)ように印刷することで接続がとられている)により電気的に接続され、前記導体パターンの該発熱体パターンと接続されていない側は加熱装置外部と電気的に接触可能な接触手段(図3の電極31のこと:外部との接続はコネクタを使用しており、コネクタの接点がこの電極と接することで接続をとるようにしている)を有しており、前記発熱体パターン及び前記導電パターンの一部又は全体は厚膜印刷された第1の保護層により覆われており、前記絶縁基板の第1の保護層が形成されている面と反対の面には厚膜印刷された第2の保護層が形成されており、加熱装置は前記絶縁基板上に厚膜印刷により形成された前記第1の保護層又は前記第2の保護層又は両方の保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置。
【0062】
〔実施態様4〕前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンを前記絶縁基板の短手方向に2つ以上並べて形成することを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0063】
〔実施態様5〕前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンを前記絶縁基板の長手方向に2つ以上並べて形成することを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0064】
〔実施態様6〕前記膜厚測定用パターンを前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の両側にそれぞれ形成することを特徴とする実施態様5の加熱装置。
【0065】
〔実施態様7〕加熱装置の定格商用電源電圧に応じて前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚測定用パターンの個数を変えることを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0066】
〔実施態様8〕加熱装置の定格商用電源電圧に応じて前記第1の保護層又は前記第2の保護層又はその両方の前記膜厚保測定用パターンの位置を変えることを特徴とする実施態様3の加熱装置。
【0067】
〔実施態様9〕記録材上にトナー像を形成する画像形成部と、該トナー像を加熱して該記録材に定着させる定着器と、を備える画像形成装置において、前記定着器を実施態様1から6のいずれかの加熱装置によって構成し、該加熱装置に対向配置した加圧部材と、該加熱装置と該加圧部材との間にて挟持搬送される定着フィルムとを備え、該加圧部材と定着フィルムとの間に挟持搬送する記録材上のトナー像を該加熱装置によって加熱することを特徴とする画像形成装置。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、摺動膜等の保護層を形成具備させている加熱装置について、保護層の膜厚測定時に保護層に傷をつけるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略図
【図2】定着器の横断面模型図
【図3】加熱装置(セラミックヒータ)の構成説明図
【図4】加熱装置の駆動回路図
【図5】加熱装置の膜厚測定用パターン部分の拡大断面模型図
【図6】膜厚測定用パターンの形成要領の説明図
【図7】加熱装置の他の表面パターン図
【図8】加熱装置の更に他の表面パターン図
【図9】実施例2における加熱装置(200V系)の表面パターン図
【図10】実施例2における加熱装置(200V系)の他の表面パターン図
【符号の説明】
109は定着器、109aは定着フィルム、109bは加圧ローラ、109cはセラミックヒータ(加熱装置)、109dはサーミスタ、1は商用電源、7、14はトライアック、11、18はフォトトライアックカプラ、19はドロワーコネクタ、20及び21は発熱体パターン、22はサーモスイッチ、23はゼロクロス検知回路、24は制御基板、25は中継コネクタ、126はエンジンコントローラ、31は電極、32は導電部、33はガラス保護層(第1の保護層)、34は摺動膜(第2の保護層)、35は膜厚測定用のパターン
Claims (1)
- 加熱板と、該加熱板の少なくとも一面に形成された保護層を有する加熱装置において、前記保護層の膜厚を測定する為の膜厚測定用パターンを有していることを特徴とする加熱装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10983464B2 (en) | 2019-03-19 | 2021-04-20 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device with first and second groups of conductors having different widths, and image forming apparatus |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002307129A patent/JP2004146107A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10983464B2 (en) | 2019-03-19 | 2021-04-20 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device with first and second groups of conductors having different widths, and image forming apparatus |
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