JP2004146038A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Yoshihiro Tawara
俵 義浩
Hiroaki Ikeda
池田 宏明
Yasunari Hirano
平野 康成
Kazuhiko Inanaga
稲永 和彦
Koichi Odagiri
小田切 晃一
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Abstract

【課題】ガラス基板表面に、磁性層に磁気異方性を付与するテクスチャを形成した場合でも、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、高記録密度化に好適な磁気ディスク用ガラス基板を提供する。
【解決手段】基板上に設ける磁性層に磁気異方性を付与するためのテクスチャ加工を施す工程において、テクスチャ加工に用いるテープに混入しているパーティクルや有機物等の異物を予め除去した後、このテープをガラス基板の表面に押し付けながらガラス基板を回転させてテクスチャ加工を行う。テープに混入している異物の除去は、超音波発信装置を備えた液槽内にテープを浸漬させ、純水又は溶剤を用いて、超音波によりテープを振動させて洗浄を行う。
【選択図】  図2

Description

 本発明は、HDD(ハードディスクドライブ)等に搭載される磁気ディスク及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
 今日、情報記録技術、特に磁気記録技術は、急速なIT産業の発達に伴い飛躍的な技術革新が要請されている。HDD等に搭載される磁気ディスクでは、高容量化の要請により40Gbit/inch〜100Gbit/inch以上の情報記録密度を実現できる技術が求められている。
 磁気ディスクでは、磁気ヘッドの浮上飛行方向の磁気特性が特に優れていることが求められる。このため、例えば特開2002-30275号公報のように、磁気ディスク用基板の表面にテープテクスチャ加工を行うことにより、磁性層に磁気異方性を与えて、磁気記録媒体としての磁気特性を向上させ、高記録密度化を図る技術が知られている。
 ところで最近では、高記録密度化に適した磁気ディスク用基板として、ガラス基板が注目されている。ガラス基板は、アルミニウム系合金基板に比べて剛性が高いので、磁気ディスク装置の高速回転化に適し、また、平滑な表面が得られるので、磁気ヘッドの浮上量を低下させることが容易となり、記録信号のS/N比を向上させることが出来るので好適である。
特開2002−30275号公報
 ところが、前述の特開2002-30275号公報に記載のような、磁性層に磁気異方性を付与するテクスチャをガラス基板表面に形成し、磁気ヘッドの浮上量を低下させ、更なる高記録密度化を図ろうとした場合、テクスチャを形成したガラス基板から製造される磁気ディスクをHDDに搭載すると、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ(TA)障害を起こしやすいという問題があった。これらの障害は、HDDを市場に出荷し、PC(パーソナルコンピュータ)等に組み込まれて後、暫く経過してから発生する傾向が高いので、一度障害が発生すると市場信用力を失墜させる程度が大きく、磁気ディスク用ガラス基板による高記録密度化への阻害要因となっていた。
 そこで本発明は、ガラス基板表面に、磁性層に磁気異方性を付与するテクスチャを形成した場合でも、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、高記録密度化に好適な磁気ディスク用ガラス基板及び磁気ディスクを提供することを目的とする。
 本発明者は、ガラス基板にテープテクスチャ加工を行い、ガラス基板表面上に、その上方に設ける磁性層に磁気異方性を付与するテクスチャを形成した場合、前述のヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害が発生しやすい原因について検討を行ったところ、これらの障害の原因は、ガラス基板上に付着した0.1μm〜100μm程度の酸化チタン(TiO)や、Al、Si、K、Fe等の金属酸化物からなるパーティクルのコンタミであることを突き止めた。ガラス基板上にコンタミが付着すると、その基板から製造した媒体表面上には突起となってあらわれる。そして、このコンタミの発生原因についてさらに検討を進めたところ、従来は清浄と考えられていたテープテクスチャ工程で用いるテープの繊維に混入していることを突き止めた。
 本発明者の考察によれば、テープテクスチャ工程において、テープの繊維より発生した上記のコンタミが、テクスチャ加工液を介して、ガラス基板表面に付着し、テクスチャ加工時の強い加工押圧力によって、ガラス基板表面に強固に付着(物理的付着)するものと考えられる。また、ガラス基板はアルミニウム合金系基板と異なり絶縁体であるため、基板表面の電気的極性が高く、テクスチャ加工時の強い加工押圧力によって、上記のコンタミと静電気的に結着し易い(静電気的付着)。したがって、テープテクスチャ加工によって、一度ガラス基板表面にコンタミが強固に付着すると、後の洗浄工程等では容易に除去されず、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害を引き起こしているものと考えられる。
 なお、テープより発生するコンタミは、上記の酸化チタン等のパーティクルだけではなく、テープの製造時に使用した材料、例えば、繊維の仮撚りで使用される接着剤や繊維の起毛工程で使用される潤滑剤に含まれている有機物等のケミカルコンタミがあることも突き止めた。ケミカルコンタミがガラス基板表面に付着すると、ぬれ性を悪化させ、後の洗浄工程での洗浄能力の劣化による欠陥の発生、磁性層等の成膜工程での成膜異常による磁気特性低下等の問題を引き起こす。このようなケミカルコンタミの除去には一般には酸を用いた洗浄が有効であるが、酸による洗浄を行うとガラス基板表面に形成したテクスチャ形状を変化させてしまうので好ましくない。
 本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討の結果、このような一連の知見に基づいて、従来では一般に清浄と考えられていたテープテクスチャ加工用のテープが、実際にはテクスチャ加工に用いるには清浄ではないことを見い出し、本発明を完成するに到ったものである。
 すなわち、本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成を有する。
(構成1)ガラス基板の主表面上にテクスチャを形成する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、テープに混入している異物を予め除去したテープをガラス基板の主表面に押し付けながらテープとガラス基板とを相対的に移動させてテープ研磨加工を行うことによりテクスチャを形成することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成2)純水又は溶剤を用いて超音波洗浄することにより異物を除去したテープを前記テープ研磨加工に用いることを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)前記溶剤が有機溶剤であることを特徴とする構成2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)基板上に設ける磁性層に磁気異方性を付与するためのテクスチャ加工を施す工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記テクスチャ加工を施す工程は、テクスチャ加工に用いるテープに付着している付着物を予め除去する工程と、このテープをガラス基板の表面に押し付けながらガラス基板を回転させてテクスチャ加工を行う工程からなることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成5)構成1乃至4の何れかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
 本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、構成1にあるように、ガラス基板の主表面上にテクスチャを形成する工程を含む。ガラス基板の主表面上にテクスチャを形成することにより、該ガラス基板上に設ける磁性層に好適な磁気異方性を付与することが出来る。磁気ディスク用のガラス基板は、通常、ディスク状に成形したガラス基板に、研削、研磨、化学強化等を順次施して製造される。本発明では、このようにして製造されたガラス基板に更にテクスチャを形成するためのテクスチャ加工を施す。このテクスチャ加工は、特定のテープをガラス基板の主表面に押し付けながらテープとガラス基板とを相対的に移動させて行うテープ式テクスチャ加工である。本発明では、このテクスチャ加工に用いるテープに混入している異物を予め除去した後、このテープをガラス基板の主表面に押し付けながらテープとガラス基板とを相対的に移動(例えばテープとガラス基板を相対的に回転)させてテクスチャ加工を行う。
 このように、テクスチャ加工に用いるテープに混入している異物(パーティクルや有機物等のコンタミ)を例えば洗浄により予め除去し、テクスチャ工程において、ガラス基板表面にコンタミが強固に結着するのを防止する。これにより、記録密度を向上させるための磁気ヘッドの低浮上量化に対する、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、信頼性の高い、高記録密度化に好適な磁気ディスク用のガラス基板を提供できる。
 このテクスチャを形成する工程としては、たとえばテープ式枚葉研磨方法を用いて、研磨しながら形成するのが好ましい。この場合、遊離砥粒方式、或いは、固定砥粒方式を用いることができる。砥粒としては、例えば、ダイヤモンド砥粒等が挙げられる。遊離ダイヤモンド砥粒を用いた枚葉式研磨方法でテクスチャを形成した場合、面内のテクスチャ均一性が高くなる。
 テープ式枚葉研磨方法を実施する装置の例としては、図1に示すようなテープ式テクスチャ装置(概略図)が挙げられる。図1の装置は、後述の実施例でも使用する装置である。このテープ式テクスチャ装置によると、スピンドル101に固定されたガラス基板1を回転させるとともに、スラリー(砥粒)滴下口102より研磨剤をテープ103に供給し、ガラス基板1の両表面をローラー104に巻き付けられたテープ103によって挟むことで、ガラス基板1の主表面に円周状のテクスチャを形成する。テープ103が巻きつけられたローラー104は、一定の回転速度で回転しており、常にテープ103の新しい面がガラス基板1に接触するようにしている。この場合、スピンドル101を揺動させることができるようになっている。なお、支点aを中心とし、ローラー104の軸にそれぞれ固定した板状の部材105,105が動くことによってガラス基板1を挟みつけている。この時、ガラス基板1に負荷される加重は板状の部材105間に張られたバネ106の力により決定する。加重は張力計107により測定される。
 このテープ式テクスチャ装置における、基板回転速度(スピンドル回転速度)やテクスチャ加工時間を調節することで、ガラス基板のテクスチャ形状を調節することができる。
このようなテープテクスチャ加工に用いるテープの材質、形状については特に制限されない。
 このテープの種類としては、植毛テープ、織布テープ、不織布テープ、ポリウレタン等の発泡材料を用いた発泡体テープなどが挙げられる。テープ繊維の材料としては、たとえばポリエステル、ナイロン等のプラスチック繊維が挙げられる。
上記のようにテクスチャ加工に用いるテープの種類、材料が多岐に渡るため、テープの原料、製造段階でのコンタミの制御は事実上困難である。そこで、テクスチャ加工に用いるあらゆるテープに対応できる異物(コンタミ)の除去方法として、テープの状態での洗浄等による除去が好ましい。
 本発明では、テクスチャ加工に用いるテープに混入している異物の除去方法として、例えば構成2にあるように、超音波洗浄を好ましく適用できる。超音波洗浄は、洗浄効果が高く、しかも洗浄によるダメージが殆ど無くテープの性質が変化しないため、洗浄済みのテープを未洗浄のテープと全く同様にテクスチャ加工に用いることが出来る。
 図2は、このような超音波洗浄による方法の一例を示す概略構成図であり、テクスチャ加工に用いるテープ10(図1におけるテープ103に相当)を、超音波振動子22を備えた液槽21内に浸漬させ、超音波によりテープ10を振動させて洗浄を行うものである。
 図中、24は未洗浄のテープ10を巻回したローラであり、該ローラ24より順次テープ10を繰り出し、もう一方のローラ26でテープ10を巻き取りながら液槽21内に浸漬させる。複数のローラ25、・・・はテープ10を搬送するためのものである。液槽21内で、超音波振動子22により超音波をかけ、テープ10表面に付着している異物を液槽21内に発塵させる。
 液槽21内の液体23は、出来るだけ不純物の少ないものが望ましく、たとえば水で洗浄する場合には純水、特に好ましくは逆浸透膜水(reverse osmotic membrane water、以下「RO水」と称する)や、限外濾過膜水(ultra filtration membrane water、以下「UF水」と称する)などの純水が適当である。この場合、純水の温度は、10℃〜70℃程度が適当である。温度があまり高いと、洗浄するテープの表面特性や強度等を劣化させるおそれがある。
 また、本発明では、溶剤を用いてテープを洗浄することも好適である。溶剤を用いた洗浄は、パーティクルの除去に有効なだけでなく、テープに混入している有機物等のケミカルコンタミの除去にも有効である。使用する溶剤としては、テープの性質を変質させないアルコール等の有機溶剤が好ましい。例えば、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール等が挙げられる。テープの材料に応じてテープの特性を劣化させない溶剤の種類を選択するのがよい。使用する溶剤は、出来るだけ純度の高いものが望ましく、予め適当なフィルタ装置でコンタミを濾過除去したものが適当である。また、洗浄時の溶剤の温度は常温が取扱い易いので好ましいが、適当な温度まで加温してもよい。但し、使用する溶剤の沸点を超えないようにする。
 液槽21の材質は特に限定されないが、通常はステンレス(SUS)や石英などが適当である。液槽21の形状、大きさについても全く任意であり、処理量などにより適宜決定されればよい。
 使用する超音波振動子22の出力や発振周波数は、液槽21の大きさ、処理量などに応じて適宜決定されるもので、特に制約する必要はない。また、超音波洗浄による処理時間は、特に制約される必要はないが、洗浄効果、処理量などを考慮すると、通常は5秒〜10分程度が適当である。処理時間があまり長いと、生産性が低下するだけでなく、テープの特性や強度等を劣化させるおそれがある。
 液槽21内のたとえばRO水を循環させて再利用する場合、コンタミの再付着を防止するため、適当なフィルタ装置でコンタミを濾過除去するのが望ましい。また、このようなテープの洗浄及び洗浄後の乾燥を実施する雰囲気は、空気中のコンタミの付着を防止するため、出来れば清浄雰囲気が望ましく、たとえば塵埃などのパーティクルやケミカルコンタミの量が一定値以下に抑えられたクリーンルーム内が適当である。
 超音波洗浄後のテープ10は、必要に応じて、自然乾燥、あるいは加熱乾燥させてもよい。例えば、テープ洗浄に使用した有機溶剤が洗浄後のテープに残留する場合、加熱することにより、残留している有機溶剤を容易に除去することが出来るので、加熱乾燥が好ましく適用できる。加熱乾燥には、例えば、オーブンを利用することができる。この場合のオーブンの形状、大きさについては全く任意であり、処理量などにより適宜決定されればよいが、温度制御可能なものが好ましく、またオーブン内のパーティクルやケミカルコンタミの量が一定値以下に抑えられたクリーンオーブンが適当である。さらには、有機ガスの排気処理設備を備えたものが好適である。加熱乾燥による場合は、テープ特性が劣化する温度以上で加熱しないようにし、例えばプラスチック繊維を使用したテープをアルコールで洗浄した場合では、加熱乾燥温度は60〜80℃程度が適当である。また、加熱乾燥による処理時間は、加熱乾燥温度にもよるが、処理量やテープ特性への影響を考慮すると、通常は10分〜30分程度が適当である。なお、洗浄後のテープの加熱乾燥方法としては、以上のオーブンでの加熱乾燥に限定されるものではなく、例えば、図2の超音波洗浄方法において、洗浄後のテープを巻き取る前に、その経路に適当なヒータや加熱ランプ等を設置してテープを乾燥するようにしてもよい。
 なお、図2に示した方法は全くの一例であり、勿論本発明はこれに限定される必要はない。
また、通常、テープはロール状に巻き取られた状態で供給される場合が多く、図2に示すような連続式で処理する場合について説明したが、適当な幅、長さのテープを枚葉式で処理することも可能である。
 また、上述のような一段で洗浄する場合に限定する必要はない。たとえば、上述の液槽を複数に設けておき、テープをこれら液槽に順に通して、複数段で洗浄を行ってもよい。この場合、各段で洗浄条件を変えるようにしても構わない。
 また、テクスチャ加工に用いるテープに混入している異物の除去方法としては、上述の超音波洗浄には限定されない。超音波洗浄の他に、たとえば次のような方法を適用することも出来る。
 たとえば、前述の図1に示したテープテクスチャ装置に未洗浄のテープとダミーのガラス基板をセットし、研磨液は使用せず、例えばRO水にてテクスチャ加工を行い、ダミーの基板に異物を転写させる方法である。つまり、RO水を潤滑剤とし、テープに付着している異物をダミーの基板に接触させることにより基板側に転写させ、異物を除去することができる。
 また、他の方法として、高圧力の水流をテープ表面に吹き付けることによりテープ表面の異物を除去する方法がある。つまり、テープの表裏から高圧ノズルで高圧力のRO水を吹き付けることにより、テープ表面に付着している異物を除去することができる。
 本発明において、ガラス基板に用いる硝種としては特に限定を設けないが、ガラス基板の材質としては、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラス、又は結晶化ガラス等のガラスセラミックス等が挙げられる。なお、アルミノシリケートガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるための特に好ましい。アルミノシリケートガラスとしては、SiO2: 62〜75wt%、Al2O3:5〜15wt%、Li2O:4〜10wt%、Na2O: 4〜12wt%、ZrO2:5.5〜15wt%を主成分として含有すると共に、Na2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0、Al2O3/ZrO2の重量比が0.4〜2.5である化学強化用ガラス等が好ましい。また、ZrO2の未溶解物が原因で生じるガラス基板表面の突起を無くすためには、モル%表示で、SiO2を57〜74%、ZnO2を0〜2.8%、Al2O3を3〜15%、LiO2を7〜16%、Na2Oを4〜14%含有する化学強化用ガラス等を使用することが好ましい。
 このようなアルミノシリケートガラスは、化学強化することによって、ガラス基板表面に圧縮応力層を設けることができ、抗折強度や、剛性、耐衝撃性、耐振動性、耐熱性に優れ、高温環境下にあってもNaの析出がないとともに、平坦性を維持し、ヌープ硬度にも優れる。化学強化方法としては、従来より公知の化学強化法であれば特に限定されない。ガラス基板の化学強化は、加熱した化学強化溶融塩にガラス基板を浸漬し、ガラス基板表層のイオンを化学強化溶融塩中のイオンでイオン交換して行う。
なお、ガラス基板として上記の化学強化基板を用いる場合、テクスチャ加工は化学強化後に行うことが好ましい。化学強化においては、イオン交換の過程で、ガラス基板主表面形状が乱される場合がある。
 ガラス基板の直径サイズついては特に限定はないが、実用上、モバイル用途のHDDとして使用されることの多い2.5インチサイズ以下の小型磁気ディスクに対しては、耐衝撃性が高く、高情報記録密度化を可能とする磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高く好適である。
 また、ガラス基板の厚さは、0.1mm〜1.5mm程度が好ましい。特に、0.1mm〜0.9mm程度の薄型基板により構成される磁気ディスクの場合では、耐衝撃性が高い磁気ディスク用ガラス基板を提供できる本発明は有用性が高く好適である。
 本発明の磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することにより磁気ディスクが得られる。本発明のように、コンタミの付着を防ぎ、テクスチャを施されたガラス基板上に、成膜を行って磁気ディスクとする場合、ガラス基板上に、シード層、下地層、オンセット層、磁性層、保護層、潤滑層を設けた磁気ディスクとするのが好適である。
 シード層としては、例えば、Al系合金、Cr系合金、NiAl系合金、NiAlB系合金、AlRu系合金、AlRuB系合金、AlCo系合金、FeAl系合金等のbccまたはB2結晶構造型合金等を用いることにより、磁性粒子の微細化を図ることができる。
 下地層としては、Cr系合金、CrMo系合金、CrV系合金、CrW系合金、CrTi系合金、Ti系合金等の磁性層の配向性を調整する層を設けることができる。
 オンセット層としては、磁性層と同様の結晶構造をもつ非磁性材料を用いることにより、磁性層のエピタキシャル成長を助けることができる。
 磁性層としては、例えばCo系のhcp結晶構造をもつ合金などが挙げられる。
 保護層としては、例えば、カーボン保護膜などが挙げられる。また、保護層上の潤滑層を形成する潤滑剤としては、PFPE(パーフロロポリエーテル)化合物が挙げられる。
 本発明において、ガラス基板上に上記各層を成膜する方法については、公知のスパッタリング法、プラズマCVD法などを用いることが出来る。
 以下に実施例を挙げて、本発明の実施の形態についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
 本実施例の磁気ディスク用ガラス基板は、化学強化されたアルミノシリケートガラスに研磨及びテクスチャ加工が施された基板である。
 具体的には、以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)形状加工工程、(3)精ラッピング工程(精研削工程)、(4)端面鏡面加工工程、(5)第1研磨工程、(6)第2研磨工程、(7)化学強化工程、(8)テクスチャ工程、を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
(1)粗ラッピング工程
 まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.5mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を含有する化学強化ガラスを使用した。次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度の向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を100kg程度に設定して、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
(2)形状加工工程
 次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、外周端面の研削をして直径を65mmφとした後、外周端面および内周端面に所定の面取り加工を施した。このときのガラス基板端面の表面粗さは、Rmaxで4μm程度であった。なお、一般に、2.5インチ型HDD(ハードディスクドライブ)では、外径が65mmの磁気ディスクを用いる。
(3)精ラッピング工程
 次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
(4)端面鏡面加工工程
 次いで、ブラシ研磨により、ガラス基板を回転させながらガラス基板の端面(内周、外周)の表面の粗さを、Rmaxで1μm、Raで0.3μm程度に研磨した。そして、上記端面鏡面加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
(5)第1研磨工程
 次に、上述したラッピング工程で残留した傷や歪みの除去するため第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定番によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。以下、実施例で使用する両面研磨装置としては同一装置を用いた。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(6)第2研磨工程
 次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば表面粗さRaを0.3〜1.0nm程度以下まで低減させることを目的とするものである。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径0.8μm)を分散したRO水とし、荷重:100g/cm、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
(7)化学強化工程
 次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
 次に、上記洗浄を終えたガラス基板表面の目視検査及び光の反射・散乱・透過を利用した精密検査を実施した。その結果、ガラス基板表面に付着物による突起や、傷等の欠陥は発見されなかった。また、上記工程を経て得られたガラス基板の主表面の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定したところ、Rmax=2.13nm、Ra=0.20nmと超平滑な表面を持つ磁気ディスク用ガラス基板を得た。また、ガラス基板の外径は65mm、内径は20mm、板厚は0.635mmであった。
(8)テクスチャ研磨工程
 前述の図1に示したテープ式のテクスチャ装置を用いて、研磨、及び円周状テクスチャ処理を施した。
 本実施例においては、テクスチャ加工に用いるテープを予め以下のように超音波洗浄した。
 すなわち、東レ社製ポリエステルテープTMT−57(商品名)(幅38mm、長さ48m)を用い、これを前述の図2に示した装置を用いて洗浄した。SUS製の70cm×120cm×60cm(幅×長さ×深さ)の大きさの液槽内に、50℃のRO水を入れ、超音波発振装置の周波数は38kHz、出力80Wとした。
 上記液槽内に上記テープを長さ2m浸漬させて、超音波洗浄を1分行った後、テープを搬送させ、洗浄済みの部分を引き上げ、未洗浄の部分を長さ2m浸漬させて、再び超音波洗浄を1分行った。このようにテープの超音波洗浄とテープ搬送を繰り返して、テープの全長に亘って洗浄を行った。洗浄後のテープはロールの状態で、一昼夜放置し自然乾燥させた。なお、このテープ洗浄及び乾燥は、Class1000以下に抑えられた清浄度のクリーンルーム内で行った。
 洗浄後のテープ表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、0.1μm〜100μm程度のコンタミの存在は確認されなかった(図3のSEM表面写真参照)。
 次いで、この洗浄後のテープを用いて上述のテクスチャ加工を行った。なお、硬質研磨剤には平均粒径0.125μmの多結晶ダイヤモンドが分散剤に溶かしてあるスラリーを用いて行った。
 このときのテクスチャ加工条件は以下のとおりである。
加工圧力         10g/mm2
基板回転速度      150rpm
テープの送り速度     3mm/sec
テクスチャ加工時間     50秒
 テクスチャ加工後のガラス基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、0.1μm〜100μm程度のコンタミの付着は確認されなかった。
 次に、本実施例で得られた磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、磁気ディスクを得た。
 枚葉式スパッタリング装置を用いて、上記テクスチャを施されたガラス基板上に、シード層、下地層、磁性層、保護層及び潤滑層を順次形成した。
 シード層は、CrTi薄膜(膜厚300オングストローム)からなる第1のシード層と、AlRu薄膜(膜厚:400オングストローム)からなる第2のシード層を形成した。下地層は、CrW薄膜(膜厚:100オングストローム)で、磁性層の結晶構造を良好にするために設けた。なお、このCrW薄膜は、Cr:90at%、W:10at%の組成比で構成されている。
 磁性層は、CoPtCrB合金からなり、膜厚は、200オングストロームである。この磁性層のCo、Pt、Cr、B の各含有量は、Co:73at%、Pt:7at%、Cr:18at%、B:2at%である。
 保護層は、磁性層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、膜厚50オングストロームの水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。潤滑層は、パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成し、膜厚は9オングストロームである。
 次に、得られた磁気ディスクを以下のようにして評価した。
〔磁気特性評価〕
 磁気特性は、VSM(振動試料型磁化測定法)により測定した。磁気ディスクの半径=22mm位置を中心として8mm直径の円形試料を切り出し、基板の円周方向、基板の半径方向にそれぞれ外部磁場を印加(±10kOe)して磁化曲線を求め、基板の円周方向のMrt(残留磁化膜厚積)と半径方向のMrtとを算出した。
 その結果、半径方向のMrtに対する円周方向のMrtの比(磁気異方性)は1.32であった。
〔信頼性評価〕
 得られた磁気ディスクについて、グライド特性評価を行ったところ、タッチダウンハイトは、4.5nmであった。タッチダウンハイトは、浮上しているヘッドの浮上量を順に下げていき(例えば磁気ディスクの回転数を低くしていく)、磁気ディスクと接触し始める浮上量を求めて、磁気ディスクの浮上量の能力を測るものであるが、通常、40Gbit/in2以上の記録密度が求められるHDDでは、タッチダウンハイトは5nm以下であることが求められる。
 また、ヘッド浮上時の浮上量を12nmとし、70℃、80%RH環境下で、ヘッドのロード・アンロード動作を繰り返して行うLUL耐久性について試験したところ、60万回のLUL連続試験後でも、ヘッドクラッシュ障害は発生しなかった。通常に使用されるHDDでは、LUL回数が60万回を越えるには10年間程度の使用が必要とされている。また、フライングハイト12nmのGMRヘッドを用いてサーマルアスペリティ(TA)試験を行ったところ、サーマルアスペリティ障害は発生しなかった。
(実施例2)
 テクスチャ研磨工程に用いるテープをRO水の代わりにイソプロピルアルコール(IPA)を用いて超音波洗浄を行ない、洗浄後のテープは加熱乾燥し、このテープを用いてテクスチャ研磨工程を実施したこと以外は、実施例1と同様にして磁気ディスク用ガラス基板を製造した。上記イソプロピルアルコールは、純度99.9%以上のものを常温で使用した。また、洗浄後のテープはロール状態で、クリーンオーブン(クラス100、シリコンフリー)内に80℃の一定温度で20分間放置して乾燥させた。
 なお、洗浄後のテープ表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、0.1μm〜100μm程度のコンタミの存在は確認されなかった(図4のSEM表面写真参照)。
 また、テクスチャ加工後のガラス基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、0.1μm〜100μm程度のコンタミの付着は確認されなかった。
 本実施例で得られた磁気ディスク用ガラス基板に、前述の実施例1と同様の磁気ディスク製造工程を施した。次に、前述の実施例と同様に試験を行った。
 その結果、得られた磁気ディスクの磁気異方性は、前述の実施例1と同様であった。また、信頼性評価を行ったところ、タッチダウンハイトは4.5nmであった。また、LUL耐久性試験を行ったところ、60万回のLUL連続試験後でも、ヘッドクラッシュ障害は発生しなかった。また、サーマルアスペリティ(TA)試験を行ったところ、サーマルアスペリティ障害は発生しなかった。
(比較例)
 上述のテクスチャ研磨工程において、テープを未洗浄のまま用いたこと以外は、上述の実施例1と全く同様にして磁気ディスクガラス基板を製造した。
ここで、未洗浄のテープ表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、0.1μm〜100μm程度のコンタミの存在が確認された(図5のSEM表面写真参照)。
 また、本比較例において、テクスチャ加工後のガラス基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、コンタミの付着が確認された。さらに、このコンタミを分析したところ、テープ繊維に混入していたものと考えられる酸化チタンであることが確認され、そのサイズを測定したところ0.34μmであった(図6のSEM表面写真参照)。
 本比較例で得られた磁気ディスク用ガラス基板に、前述の実施例と同様の磁気ディスク製造工程を施した。次に、前述の実施例と同様に試験を行った。
 その結果、得られた磁気ディスクの磁気異方性は、前述の実施例と同様であった。また、信頼性評価を行ったところ、タッチダウンハイトは5.5nmであった。また、LUL耐久性試験を行ったところ、40万回のLUL試験でヘッドクラッシュにより故障した。さらに、サーマルアスペリティ試験を行ったところ、サーマルアスペリティが観察された。サーマルアスペリティの原因を走査型電子顕微鏡(SEM)で調査したところ、酸化チタンからなるコンタミが発見された。
 なお、上述のRO水を用いて洗浄したテープ(実施例1)、イソプロピルアルコールを用いて洗浄したテープ(実施例2)、未洗浄のテープ(比較例)のそれぞれについて、ガスクロマトグラフィーによるテープからのアウトガス分析を行い、テープの清浄度を比較した。その結果、RO水を用いて洗浄したテープから検出された全有機物量は95.8ng/cm、イソプロピルアルコールを用いて洗浄したテープから検出された全有機物量は62.95ng/cm、未洗浄のテープから検出された全有機物量は210.0ng/cmであった。
 前述のSEMによる観察では、RO水を用いて洗浄したテープとイソプロピルアルコールを用いて洗浄したテープではコンタミの存在は確認されなかったが、RO水を用いて洗浄したテープでは未洗浄のテープと比較して全有機物量が約55%減であったが、イソプロピルアルコールを用いて洗浄したテープでは未洗浄のテープと比較して約70%減となり有機物が最もよく除去されていた。従って、パーティクル除去だけでなく、ケミカルコンタミの除去を含めると、溶剤を用いた洗浄が有効となる。
(発明の効果)
 以上詳細に説明したように、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、基板上に設ける磁性層に磁気異方性を付与するためのテクスチャ工程をテープ式テクスチャ加工により行い、このテクスチャ加工に用いるテープを予め、たとえば洗浄した後、このテープをガラス基板の表面に押し付けながらガラス基板を回転させてテクスチャ加工を行うので、テクスチャ加工に用いるテープに混入している異物を洗浄等により予め除去し、テクスチャ工程において、ガラス基板表面に異物が強固に結着するのを防止できる。これにより、記録密度を向上させるための磁気ヘッドの低浮上量化に対する、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害の発生を防止でき、信頼性の高い、高記録密度化に好適な磁気ディスク用のガラス基板を提供できる。
 また、上記テクスチャ加工に用いるテープを、純水又は溶剤を用いた超音波洗浄を行うことにより、洗浄効果が高く、しかも洗浄によるダメージが殆ど無くテープの性質が変化しないため、洗浄済みのテープを未洗浄のテープと全く同様にテクスチャ加工に用いることが出来る。特に溶剤を用いた洗浄は、テープに混入している有機物等のケミカルコンタミの除去に有効である。
テープ式テクスチャ装置の一例を示す側面図(a)及び斜視図(b)である。 テープの洗浄を超音波洗浄により行う方法の一例を示す概略構成図である。 実施例1におけるRO水洗浄後のテープ表面のSEM表面写真である。 実施例2におけるイソプロピルアルコール洗浄後のテープ表面のSEM表面写真である。 比較例における未洗浄のテープ表面のSEM表面写真である。 未洗浄のテープを用いた比較例におけるテクスチャ加工後のガラス基板表面のSEM表面写真である。
符号の説明
1 ガラス基板
10、103 テクスチャ加工に用いるテープ
21 液槽
22 超音波振動子
23 液槽内の液体(RO水)
101 スピンドル
102 スラリー滴下口
103 ローラ

Claims (5)

  1. ガラス基板の主表面上にテクスチャを形成する工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
     テープに混入している異物を予め除去したテープをガラス基板の主表面に押し付けながらテープとガラス基板とを相対的に移動させてテープ研磨加工を行うことによりテクスチャを形成することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 純水又は溶剤を用いて超音波洗浄することにより異物を除去したテープを前記テープ研磨加工に用いることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記溶剤が有機溶剤であることを特徴とする請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 基板上に設ける磁性層に磁気異方性を付与するためのテクスチャ加工を施す工程を含む磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
     前記テクスチャ加工を施す工程は、テクスチャ加工に用いるテープに付着している付着物を予め除去する工程と、このテープをガラス基板の表面に押し付けながらガラス基板を回転させてテクスチャ加工を行う工程からなることを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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