JP2004144795A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な機構のカムや高度な制御を必要とせず、シンプルで小型で安価なレンズ駆動装置を提供すること
【解決手段】直径が5mm程度の前レンズ群1と後レンズ群2は、それぞれ前群可動体3,後群可動体4を介して筒体5内に前後移動可能に保持される。筒体の後方所定位置には、CCD等の撮像素子6が配置され、各レンズ群とCCDまでの距離並びに両レンズ群間の距離を適宜に設定することで、CCDで所望のズーム倍率で結像させることができる。具体的には図1(a)に示す1倍の標準の状態から、ズーム倍率をα倍→β倍→γ倍にしたときの前レンズ群と後レンズ群の位置関係は、図1(b)から(d)に示すようになる。よって、例えば第1レンズ群を固定し、後レンズ群を▲1▼,▲3▼の間で往復させるだけで、1倍とβ倍の2種類のズーム倍率が切り替えできる。
【選択図】 図1
【解決手段】直径が5mm程度の前レンズ群1と後レンズ群2は、それぞれ前群可動体3,後群可動体4を介して筒体5内に前後移動可能に保持される。筒体の後方所定位置には、CCD等の撮像素子6が配置され、各レンズ群とCCDまでの距離並びに両レンズ群間の距離を適宜に設定することで、CCDで所望のズーム倍率で結像させることができる。具体的には図1(a)に示す1倍の標準の状態から、ズーム倍率をα倍→β倍→γ倍にしたときの前レンズ群と後レンズ群の位置関係は、図1(b)から(d)に示すようになる。よって、例えば第1レンズ群を固定し、後レンズ群を▲1▼,▲3▼の間で往復させるだけで、1倍とβ倍の2種類のズーム倍率が切り替えできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ズームとフォーカスを行うためにレンズを可動させるレンズ駆動装置に関するもので、特に超小型カメラに適用するに適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超小型カメラを組み込んだ携帯電話機が普及している。係る超小型カメラは、寸法形状の制限から一般に固定焦点のものが用いられている。携帯電話機を購入する場合の機種を選定する際の一因として係る超小型カメラの有無は大きなウエートを占めている。そして、ユーザの心理としても、携帯電話機に超小型カメラが付いているか否かが大きなポイントであり、超小型カメラの性能・機能まではあまり気にしていないのが実情である。
【0003】
しかし、現在の固定焦点式の超小型カメラ付きの携帯電話機が普及するにつれ、既に係る携帯電話機を使用しているユーザは、他者との差別化等から通常ある程度の期間にわたって使用すると、さらなる高機能化を望むことが予測される。高機能化の1つの態様として、スチールカメラやビデオカメラなどで一般に採用されている光学ズーム機能がある。
【0004】
係る光学ズーム機能は、通常、2枚もしくは2つのレンズ群をそれぞれ光軸方向に適宜移動させることにより、所望のズームを得るとともに、そのズームに応じてピント合わせ(フォーカス)を行うようになる。そして、係る処理を行うための具体的な機構としては、例えば特許文献1に示すように、2つのレンズをそれぞれ独立したアクチュエータ(ステッピングモータ)で動かすようにしたものがある。また、別の方法としては、特許文献2に示すように、1つのアクチュータやモータに対して、カムを用いることにより2つのレンズ(レンズ群)の位置関係を制御し、ズームとフォーカスの2つの動きを実現するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−336938号(第3頁から第4頁,図1)
【特許文献2】
特開平11−52209号(第3頁から第4頁,図1から図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光学ズームを実現するためのレンズの動きは複雑で、一方向の動きだけでなく、往復を含む非線形の曲線を描く。特に、携帯電話機に実装するためには、レンズの寸法がφ7mm以下、好ましくはφ5mm以下が要求され、そのように超小型なレンズを用いた場合、レンズの位置精度も厳しくなり、高精度な位置決めと高度な制御が必要となる。
【0007】
そのため、アクチュエータを動かす駆動回路に加え、物体との距離を測定したり、位置を確認するためのセンサや画像からのデータを処理し、駆動回路にフィードバックをかける回路が必要となる。つまり、高度なセンサやデータ処理,制御が必要な分、開発,設計工数が必要となる。さらに、部品点数の増加に伴い高価,消費電力の増大,大型化となり、携帯電話機等に実装するのが困難となる。特に、特許文献1のように、各レンズ毎に駆動系を設けた場合には、上記問題がより顕著に生じる。
【0008】
一方、特許文献2のようにカムを用いた場合は、1つのアクチュエータで実現可能であるが、非線形の動きをさせるために複数の曲率を持つカムやガイドが必要となる。そのため、動きもメカ機構も複雑になる。さらに、レンズの挙動は、カメラ仕様により大きく異なるため、その度にカムを開発/設計しなければならない。
【0009】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、複雑な機構のカムや高度な制御や複雑な機構を必要とせず、ズーム倍率を限定することで、シンプルで小型で安価なレンズ駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るレンズ駆動装置では、直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持することを前提とする。そして、係る前提のもので、前記第1レンズ支持部材は固定し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、2種類のズーム倍率を切替えることができるように構成することである。
【0011】
また、別の解決手段としては、上記した前提のもと、前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより2種類のズーム倍率を切替えることができるようにしてもよい。
【0012】
この場合に、前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の移動は、ソレノイド,リレー,永久磁石の少なくとも1つをアクチュエータとして利用し、そのアクチュエータの出力に伴い、第1,第2レンズ支持部材が連動して移動することにより、2種類の相対位置関係を切替制御するようにするとよい。係る構成にすると、より簡単な構成で切替制御が実現できる。
【0013】
さらにまた、別の解決手段としては、上記した前提のもと、前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の3箇所で停止するように構成し、前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより3種類のズーム倍率を切替えることができるようにすることである。
【0014】
この場合に、前記第2レンズ支持部材は、ステッピングモータの出力を受けて、前後進移動するようにし、前記第1レンズ支持部材は、前記第2レンズ支持部材からの付勢力によって移動可能とし、前記付勢力を受けない状態での第1位置と、前記付勢力により移動した第2位置の2箇所で停止するようにすると、1つのアクチュエータで、しかも簡単な動力伝達機構により3種類のズーム倍率を切替えることができる。この発明は、例えば、第13の実施の形態により実現されている。
【0015】
さらにまた、上記した各発明において、前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の少なくとも一方に対する移動は、ステッピングモータの出力に基づいて行うようにすることができる。
【0016】
ここで、第1レンズ支持部材は、実施の形態では、前レンズ群を支持する部材(前群支持体40,前群可動体3,40′,前レンズ支持体53,前レンズ群61,71等)に対応し、第2レンズ支持部材は、実施の形態では、後レンズ群を支持する部材(後群可動体4,30,後レンズ支持体54,後レンズ群62,72等)に対応するが、本発明はこれに限ることはなく、ズーム倍率とレンズ位置の相関を示す動作特性によっては、逆の適用もあり得る。
【0017】
本発明では、停止箇所を2箇所または3箇所に限定するようにした。これにより、簡易で小型な機構でもって、位置決めが容易に行えるようになり、停止位置を動作特性に応じて適宜に設定することにより、異なるズーム倍率を発揮させることができる。
【0018】
また、そのように停止箇所数を限定したため、アクチュエータとして仮に複数のステッピングモータを使用した場合も、各レンズ支持部材に対する位置決めを、突き当て位置決めにより行うことが可能となるため、簡単な制御で高精度の位置決めが可能である。よって、装置が大型化しない。また、これらのメリットは、片側駆動をステッピングモータで行い、片側をリレー,ソレノイド,永久磁石の吸引反発,手動のいずれかにより駆動することによっても得られる。
【0019】
さらに、アクチュエータとして何れか1つを用い、その出力を適宜に各レンズ支持部材に伝達することにより、異なる相対位置関係を得ることができ、ズーム倍率を変更できる。
【0020】
さらにまた、第1レンズ支持部材を固定しても、第2レンズ支持部材の停止位置を適宜に設定することにより、2種類のズーム倍率を得ることができるので、極めて簡単で小型の機構で本発明を実現できる。
【0021】
また、適用するレンズ径を7mm以下にしたのは以下の理由による。すなわち、携帯電話機等に使われる超小型カメラでは、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっており、このレベルが採用の上限になってきている。そこで、レンズを固定するためには、最低1mm程度の固定枠を設ける必要があり、レンズモジュールのサイズは、「レンズの直径+2mm」となる。そして、さらにそのレンズモジュール外側にアクチュエータやスライド機構を設けるため、トータル的サイズを13mm以下にするためには、レンズ径をφ7mm以下にする必要がある。もちろん、ある程度の寸法状の余裕並びに携帯電話機などの装着相手の機器のさらなる小型化を考慮すると、φ7mmは上限であり、好ましくはφ5mm以下にするのが良い。もちろん、本発明のレンズ駆動装置の適用対象は、携帯電話機に限るものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好適な実施の形態の概念を説明する図である。図1(a)に示すように、超小型カメラ用レンズ駆動装置は、前レンズ群1と後レンズ群2が、光軸Lに沿って配置されている。直径が5mm程度の前レンズ群1と後レンズ群2は、それぞれ前群可動体3,後群可動体4を介して筒体5内に保持されている。図の例では、可動体であるため、前レンズ群1と後レンズ群2がともに筒体5内を前後方向に移動できるようになっているものとする。もちろん、図示の便宜上筒体5内に前レンズ群1,後レンズ群2を挿入配置した例を示したが、前群可動体3,後群可動体4の駆動機構に応じて必ずしも筒体でなく、適宜の構成になるのは言うまでもない。
【0023】
そして、超小型カメラを構成するためには、筒体5の後方所定位置に、CCD等の撮像素子6を配置する。これにより、各レンズ群1,2とCCD等の撮像素子6までの距離並びに両レンズ群1,2間の距離を適宜に設定するごとに、CCD等の撮像素子6で所望のズーム倍率で結像させることができる。もちろん、このCCD等の撮像素子6の出力は、所定の画像処理装置に入力されるが、超小型カメラの本体構成は本発明と関係ないのでその説明を省略する。なお、図1(a)は、ズーム倍率が1倍の状態を示している。
【0024】
以下の説明において、この超小型カメラにおける2つのレンズ群1,2の位置とズーム倍率(ピントがあっている)との関係が、図2に示すようになっているものとする。すなわち、前レンズ群1の移動軌跡が実線で示すようにズーム倍率が1倍からα倍(例えば1.5倍)までは後退移動させ、その後、徐々に前進移動させると、ズーム倍率がβ倍(例えば2倍)→γ倍(例えば2.5倍)と増加する。このときの後レンズ群2の移動軌跡は、破線で示すように、ズーム倍率を1倍から増加させるためには徐々に前進移動させる。
【0025】
そして、図1(a)に示す1倍の標準の状態からズーム倍率をα倍,β倍,γ倍のときの前レンズ群1と後レンズ群2の位置関係は、図1(b)から(d)に示すようになる。なお、図2に示す特性図は、使用するレンズその他の機構に応じて種々変更される。
【0026】
ここで本発明では、まず、ズーム倍率1倍からγ倍に至るまでの前レンズ群1の移動軌跡が、一旦後退移動した後で前進移動することに着目した。つまり、前レンズ群1の位置を見ると、基本となるズーム倍率が1の時の位置をAとすると、ズーム倍率がβ倍の時の位置も同じくAとなる。従って、前レンズ群1を固定し(前群可動体3は単なる保持具にする)、後レンズ群2の位置を基準の▲1▼と▲3▼の2つの位置(図1(a),(c))で停止するように往復移動自在にすると、ズーム倍率が1倍とβ倍の2種類をとるレンズ駆動装置を実現できる。この場合の動作特性(ズーム倍率とレンズ位置関係)は、図3に示すようになる。
【0027】
そして、係る構成を実現するには、駆動機構は後レンズ群2に対するもの1つで済み、しかも2つの位置▲1▼,▲2▼の間で往復移動させるためには、ステッピングモータはもちろんのこと、ソレノイド,リレー,磁石など簡単で小型の駆動機構で実現できるので、より小型化することができる。
【0028】
また、前レンズ群1と後レンズ群2が、それぞれ独立して所定の2箇所の位置で往復移動可能にすると、以下のように複数のズーム倍率を得る超小型カメラ用のレンズ駆動装置を実現することができる。
【0029】
すなわち、前レンズ群1を基準位置Aと後退位置Bの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と前方位置▲2▼の2つの位置で停止するように往復移動させる。これにより、図4に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))とズーム倍率がα倍(図1(b))の2つのズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。この例では、前レンズ群1と後レンズ群2の夫々を駆動させる機構が必要であるが、共に2つの位置を往復移動させるだけで良いので、各駆動機構を簡略化できるとともに、制御も簡易化でき、小型化のものとなり、超小型カメラ用のレンズ駆動装置として充分利用できる。
【0030】
同様に、前レンズ群1を基準位置Aと前進位置Cの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と最前方位置▲4▼の2つの位置で停止するように往復移動させる。これにより、図5に示すような動作特性のように制御することにより、基準位置(図1(a))とズーム倍率がγ倍(図1(d))の2種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。この例でも、前レンズ群1と後レンズ群2の夫々を駆動させる機構が必要であるが、共に2つの位置を往復移動させるだけで良いので、各駆動機構を簡略化できるとともに、制御も簡易化でき、小型化のものとなり、超小型カメラ用のレンズ駆動装置として充分利用できる。
【0031】
さらに、前レンズ群1を基準位置Aと後退位置Bの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と2つの前方位置▲2▼,▲3▼の合計3つの位置で停止するように移動させる。これにより、図6に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))と、ズーム倍率がα倍(図1(b))と、ズーム倍率がβ倍(図1(c))の3種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0032】
さらにまた、前レンズ群1が、前レンズ群1を基準位置Aと前進位置Cの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と2つの前方位置▲3▼,▲4▼の合計3つの位置で停止するように移動させる。これにより、図7に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))と、ズーム倍率がβ倍(図1(c))と、ズーム倍率がγ倍(図1(d))の3種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0033】
次に、上記した動作原理を実現するためのより具体的な構成を説明する。図8,図9は、第1の実施の形態であり、前レンズ群を固定したタイプであり、アクチュエータとしてモータを用いたものである。図8は、分割斜視図であり、図9(a)は基本姿勢(ズーム倍率が1)を示す斜視図であり、図9(b)はズーム倍率がβ倍(2倍)の状態を示す斜視図である。
【0034】
図8に示すように、平面矩形状のベース10は、その前面は、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12が形成されている。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13が設けられるとともに、中央に大径の貫通孔14が形成されている。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示省略するがこの貫通孔14の後方所定位置にCCDなどの撮像素子が配置される。
【0035】
また、低段部12の上面には、小型のステッピングモータ20が設置されている。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。図示省略するが、ケース本体21の内部中央にロータが配置され、出力軸22がロータの中心に挿入されて一体化されている。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部に、ステータを配置する。なお、係る構成のステッピングモータとしては、例えば、特開平6−1055828号公報や、特開平6−296358号公報に開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、係る構成のものに限られず、各種のものを利用できるのは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分は、ねじ山が切られておりリードスクリューとなっている。
【0036】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれガイドピン15の一端が挿入されて固着されている。そして、このガイドピン15に対して、後群可動体30が移動可能に挿入されている。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、このガイド孔31内にガイドピン15が挿入配置され、これにより、3つのガイドピン15によって支持された後群可動体30は安定した姿勢でガイドピン15に沿って前後進移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示省略する後レンズ群(1枚の場合もある)が装着される。よって、後群可動体30の前後進移動に伴い、後レンズ群も前後進移動する。また、この後群可動体30をガイドピン15に装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0037】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34が形成されるとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35が形成されている。そして、この凹部35内にリードナット36が挿入固着されている。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36ひいては後群可動体30が前後進移動する。
【0038】
さらに、各ガイドピン15の先端には、前レンズ群を支持する前群支持体40が装着されている。この前群支持体40は、各ガイドピン15の先端に固定されているため、ベース10との相対位置、ひいてはCCDとの相対位置関係は不変である。そして、この前群支持体40の中央部位、つまり、ベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前レンズ群を挿入配置する。
【0039】
また、各ガイドピン15には、スペーサ43が挿入配置されている。このスペーサ43の厚さは、前群支持体40と後群可動体30がスペーサ43を介して接触した状態における前レンズ群と後レンズ群の距離が、前レンズ群の基準位置Aと、後レンズ群の前進位置▲3▼との間隔d1(図3参照)に一致するように設定されている。さらにまた、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を最も後退させた状態で、後レンズ群が、基準位置▲1▼に位置するように調整されている。さらに、前レンズ群の位置も基準位置Aになるようにガイドピン15の長さが調整されている。
【0040】
上記した構成のレンズ駆動装置の寸法形状の一例を示すと、ベース10は、11mm角としている。また、貫通孔32,41の内径、つまり後レンズ群,前レンズ群の直径は、5mmとしている。そして、装置全体の高さ(ベース10の底面から前群支持体40の前面までの距離)は、約11mmとしている。これにより、携帯電話機に充分実装可能となる。
【0041】
また、現在の携帯電話機の寸法形状を考慮すると、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっている。このレベルが採用の上限になっているとすると、さらに一回り大きいものでも可能となり、レンズ径が7mm程度のものまでは、トータル的サイズ(ベース10の平面形状)が13mm角以下に抑えることができる。もちろん、より小さなレンズを用い、全体的にさらなる小型化を図るのを妨げない。
【0042】
係る構成にすることにより、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を後退移動させ、図9(a)に示すようにベース10の前面に接する基本姿勢にすると、ズーム倍率が1倍に設定できる。
【0043】
この状態からステッピングモータ20の出力軸22を正回転させて後群可動体30を前進移動させ、図9(b)に示すように後群可動体30の前面が、スペーサ43に接触する状態にすると、ズーム倍率をβ倍(例えば2倍)にすることができる。
【0044】
そして、アクチュエータとしてステッピングモータ20を用いたため、ステップ数を制御することにより、後群可動体30の位置を精度良く制御できるが、本実施の形態では、後群可動体30がベース10に接触する位置と、スペーサ43に接触する位置の2つの位置で停止させればよく、いずれも停止位置は他の部材に接触するようにしているので、回転数(ステップ数)の制御を比較的ラフにしても位置決めは正確に行える。
【0045】
図10は、本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、アクチュエータとしてソレノイドを用いている。具体的には、図10に示すように、筒体となるボビン50内に、前レンズ群51と後レンズ群52をそれぞれ前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を介して軸方向に移動可能に装着する。なお、ボビン50の内周面をテフロン(登録商標)加工したり、低摩擦係数の樹脂を用いてボビン50を形成したり、少なくとも内周面を鏡面加工した別の筒体を挿入するなどして、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54の外周面との摩擦係数を小さくし、スムーズに前後進移動できるようにするとよい。
【0046】
また、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、その両者間に圧縮コイルバネ55を挿入配置し、その圧縮コイルバネ55の弾性復元力により常時両者が離れる方向に付勢される。そして、ボビン50の両端に、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が接触可能な位置決めストッパ56を装着する。これにより、圧縮コイルバネ55により付勢された前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、それぞれ対応する位置決めストッパ56に接触し、停止する(図10(a)参照)。そして、図示省略するが、ボビン50の後方(後レンズ支持体54側)の所定位置に、CCDを配置することになるが、このとき、ズーム倍率が1になるように寸法を設定している。
【0047】
さらに、本実施の形態では、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54をそれぞれ永久磁石(着磁方向は図中左向き)で製造するとともに、位置決めストッパ56を非磁性体で製造する。さらにまた、ボビン50の内部中間位置に、磁性体からなる中央位置決めストッパ57を配置するとともに、ボビン50の外周にコイル58を装着している。なお、中央位置決めストッパ57の軸方向の長さは、前レンズ群の後退位置Bと、後レンズ群の前進位置▲2▼との間隔d2(図4参照)に一致させている。
【0048】
係る構成にすると、無励磁状態では、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって前レンズ支持体53と後レンズ支持体54がそれぞれ離反方向に付勢され、図10(a)に示すように外側に設置された位置決めストッパ56に接触した基本姿勢となる。よって、ズーム倍率が1に設定できる。
【0049】
この状態から、図10(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、それにより発生する電磁力と、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の磁界から、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、磁性体からなる中央位置決めストッパ57に吸着した状態で保持される。これにより、ズーム倍率をα倍(例えば1.5倍)にすることができる。
【0050】
もちろん、コイル58に通電することにより発生する電磁力は、圧縮コイルバネ55の弾性復元力を上回る力を発揮するように設定する。そして、一旦図10(b)の状態になると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は永久磁石から構成されているので、磁性体からなる中央位置決めストッパ57に吸着されるため、通電をOFFにしてもその状態を保持する。また、コイル58に逆向きの通電を印加すると、その通電により発生する電磁力が上記と逆向きとなり、圧縮コイルバネ55の弾性復元力と相乗的に前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を引き離す方向に作用し、図10(a)に示すズーム倍率が1の基本姿勢に復帰する。
【0051】
そして、アクチュエータとしてソレノイドを用いたため、小型で簡易に構成できるとともに、ズーム倍率が1とα倍の2つの位置は、位置決めストッパ56と中央位置決めストッパ57によって精度良く行える。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第2の実施の形態を基本とし、中央位置決めストッパ57′を永久磁石から構成する点で異なる。この永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、図中左向きであり、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向と一致させている。なお、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
【0053】
これにより、コイル58に通電しない無励磁状態では、図11(a)に示すように、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって前レンズ支持体53と後レンズ支持体54がそれぞれ離反方向に付勢され、外側に設置された位置決めストッパ56に接触した基本姿勢となる。よって、ズーム倍率が1に設定できる。
【0054】
そして、この状態から、図11(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、ある程度近づくと永久磁石からなる中央位置決めストッパ57′との磁気吸引力も作用して迅速かつ確実に中央位置決めストッパ57′に吸着した状態で保持される。これにより、ズーム倍率をα倍(例えば1.5倍)にすることができる。この後、コイル58への通電をオフにしたとしても、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、共に中央位置決めストッパ57′との間で生じる磁気吸引力によってより強固に固定される。よって、例えば携帯電話機に実装した場合、デジタルカメラなどに比べて固定した状態で持ちにくく、手ぶれなどによって携帯電話機自体が揺れやすいが、上記した如く永久磁石によってしっかりと固着されているので、ズーム倍率がα倍の状態を安定して保持できる。
【0055】
また、係るズーム倍率がα倍の状態で、図11(b)と逆方向に通電すると、上記した第2の実施の形態と同様の原理に従い、図11(a)に示す基本姿勢に復帰する。なおその他の構成並びに作用効果は、上記した第2の実施の形態と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
図12は、本発明の第4の実施の形態を示している。この実施の形態は、上記した第2の実施の形態を基本とし、圧縮コイルバネ55′の取り付け位置を異ならせている。すなわち、前レンズ支持体53,後レンズ支持体54に対し、それぞれ別々に圧縮コイルバネ55′を取り付ける。この圧縮コイルバネ55′は、ボビン50の外側に設置し、常時前レンズ支持体53,後レンズ支持体54をそれぞれ中央に押し出すように設定されている。つまり、図12(a)に示す状態では、圧縮コイルバネ55′は圧縮変形している。さらに、第2の実施の形態とは逆に、ボビン50の両端に設置する位置決めストッパ56′を磁性体で形成するとともに、中央位置決めストッパ57″を非磁性体で形成する。
【0057】
これにより、図12(a)に示すように、永久磁石からなる前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、それぞれ磁性体からなる位置決めストッパ56′に磁気吸引されて固定された状態でズーム倍率1の基本姿勢となる。
【0058】
そして、この状態から、図12(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、それら前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が、位置決めストッパ56′から離反すると、通電に伴い発生する電磁力と圧縮コイルバネ55′の弾性復元力により、中央位置決めストッパ57″に接触して位置決め固定される。これにより、ズーム倍率がα倍の状態に設定できる。この状態で通電をOFFにしても、圧縮コイルバネ55の弾性復元力により前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、図示した状態を保持する。
【0059】
さらにこの図12(b)に示す状態から反対方向に通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、互いに離れる方向に移動し、図12(a)に示す基本姿勢に復帰する。この復帰後は、通電をOFFにしても、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石が、磁性体からなる位置決めストッパ56′に吸着するため、その姿勢を保持する。なお、その他の構成並びに作用効果は上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
また、図12に示す構成において、外側の位置決めストッパを非磁性体にするとともに、中央位置決めストッパを磁性体や永久磁石で構成することもできる。その場合には、2つの圧縮コイルバネ55′が、常時前レンズ支持体53,後レンズ支持体54をそれぞれ外側に引っ張るように設定する。これにより、上記した実施の形態と同様の通電処理により、ズーム倍率が1倍とα倍の2種類を得ることができる。
【0061】
なお、上記した第2から第4の実施の形態において、前レンズ支持体53をボビン50の一端に固定するとともに、所定方向への通電を適宜に行うことにより、基本姿勢であるズーム倍率が1倍と、β倍の2種類の状態を切替えることができるレンズ駆動装置とすることができるのは言うまでもない。
【0062】
図13は、本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態では、上記した第2から第4の実施の形態と同様にアクチュエータとしてソレノイドを用いつつ、図5に示す動作特性を実現し、ズーム倍率を1倍とγ倍の2種類をとることができるようにしたレンズ駆動装置である。
【0063】
基本的な装置構成は、図10に示す第2の実施の形態と同様であり、ボビン50の外側に配置する位置決めストッパ56は非磁性体から構成するとともに中央位置決めストッパ57は磁性体から構成する。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、両者間に介在するようにして配置された圧縮コイルバネ55の両端が接続され、その圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって離反する方向に付勢されている。
【0064】
そして、相違するのは、ズーム倍率が1となる基本姿勢の時の前レンズ群51(前レンズ支持体53)の位置である。すなわち、図13(a)に示すように、基本姿勢で前レンズ支持体53が、中央位置決めストッパ57に接触した状態で磁気吸引により保持されている。そして、その状態で圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって、後レンズ支持体54が後方に付勢されて位置決めストッパ56に突き当てられた状態で保持される。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに中央側を向くようにしている。
【0065】
この状態で、図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、共に前方(図中左側)に移動し、図13(b)に示すように、後レンズ支持体54が中央位置決めストッパ57に磁気吸着されるとともに、圧縮コイルバネ55の弾性復元力により、前レンズ支持体53が位置決めストッパ56に突き当てられた状態で保持される。これにより、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が、図13(a)に示す基準位置から共に前進移動することができ、しかもその移動量は、中央位置決めストッパ57の長さ並びに設置位置を調整することにより両者を同じにすることもできるし、異ならせることもできる。よって、図5に示すように前レンズ支持体53(前レンズ群51)が前進位置Cに来るとともに、後レンズ支持体54(後レンズ群52)が最前進位置▲4▼に来るように各種の寸法を設定すると、ズーム倍率がγ倍の状態にすることできる。
【0066】
そして、この後、通電をOFFにしても、ズーム倍率がγ倍の状態を維持する。また、逆方向に通電すると、図13(a)に示すズーム倍率が1倍の基本姿勢に復帰する。従って、本実施の形態では、図5に示す動作特性からなるズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を得るレンズ駆動装置を構成することができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
図14は、本発明の第6の実施の形態を示している。本実施の形態では、第5の実施の形態を基本とし、第4の実施の形態と同様に圧縮コイルバネ55′を2個設け、それぞれが前レンズ支持体53と後レンズ支持体54をそれぞれ所定方向に付勢するようになっている。
【0068】
すなわち、中央位置決めストッパ57″は非磁性体とし、両側の位置決めストッパ56′を磁性体から構成する。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、同一方向で前方を向く(図中左向き)ようにしている。さらに、各圧縮コイルバネ55′は、共に対応するレンズ支持体53,54を中央位置決めストッパ57″に向けて付勢するようにしている。但し、その弾性復元力は、各レンズ支持体53,54が位置決めストッパ56′に磁気吸着している状態では、それを打ち消して引き離すほどの力はなく、一旦各レンズ支持体53,54が位置決めストッパ56′から離反して中央位置決めストッパ57″に突き当てられた状態におけるレンズ支持体53,54と位置決めストッパ56′間に生じる磁気吸引力には勝るようにしている。
【0069】
係る構成にすると、図14(a)に示すように、基本姿勢では、前レンズ支持体53が圧縮コイルバネ55′の弾性復元力によって中央位置決めストッパ57″に突き当てられるとともに、後レンズ支持体54は位置決めストッパ56′に磁気吸着した状態を保持する。この状態で、ズーム倍率が1倍になるように設定される。
【0070】
この状態からコイル58に通電すると、図14(b)に示すように、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、電磁力によって前方(図中左側)に移動する。そして、前レンズ支持体53は、圧縮コイルバネ55を圧縮変形させながら前進移動し、位置決めストッパ56′に磁気吸着して固定される。同様に、後レンズ支持体54は、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって中央位置決めストッパ57″に突き当てられて固定される。これにより、中央位置決めストッパ57″の寸法形状並びに設置位置を第5の実施の形態と同様にしておくと、ズーム倍率がγ倍に設定できる。
【0071】
もちろんも、この実施の形態においても、図14(b)と逆向きに通電することにより、図14(a)に示す状態に復帰させることができる。また、通電はズーム倍率を変更させるときのみ行い、変更後は通電をOFFにしてもその状態を保持できる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
上記した第2から第6の実施の形態では、いずれもボビン50に巻き付けるコイル58は軸方向に均等に巻いたものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、巻数を場所により異ならせることにより、発生する磁場に勾配を持たせることもできる。つまり、磁場が最も大きくなる位置を停止位置にすることにより、ズーミングに必要な駆動力を得やすくすることができる。
【0073】
なお、磁場の勾配を持たせるためには、コイルを例えば図15(a)に示すように、異なる巻数のコイル58a,58bを設け、それを軸方向に配置しても良いし、図15(b)に示すように、軸方向で巻数を変えるようにしても良い。そして、どの位置で磁場を強くするかは、レンズ支持体の停止位置などに鑑みて設定され、必ずしも端部になるとは限らない。
【0074】
図16,図17は、本発明の第7の実施の形態を示している。本実施の形態では、上記した各実施の形態と相違して、アクチュエータとして電磁石を用いて構成している。そして、ズーム倍率が1倍とα倍の2種類を得るタイプ(図4に示す動作特性)である。
【0075】
具体的には、矩形状の筐体60内に、前レンズ群61と後レンズ群62を軸方向に移動可能に実装した筒体63と、電磁石65とを接近させるとともに平行に配置している。なお、筒体63の内周面も、摩擦係数を小さくなるように形成し、前レンズ群61と後レンズ群62がスムーズに前後進移動するようにしている。
【0076】
そして、電磁石65の両端にコア65aを設け、コア65aの先端を筒体63に重合するようにしている。このコア65aの先端部分が、電磁石65による電磁力を作用させる部分となる。さらに、筐体60の後端部分には、CCD等の撮像素子69が配置され、前レンズ群61,後レンズ群62を介して入射された光が、撮像素子69上で結像する。
【0077】
また、前レンズ群61並びに後レンズ群62は、所定枚数のレンズと、それを支持する支持体を含んだ構成である。そして、この前レンズ群61と後レンズ群62は、それぞれ筒体63の両端に設置されたバネ抑え部63aとの間に介在する圧縮コイルバネ64により、常時中央に向けて付勢された構成を採っている。さらに、電磁石65の両端に設けたコア65aの先端を結ぶ線上の所定位置に、2個の位置決めストッパ66と、1個の中央位置決めストッパ67を配置するとともに、前レンズ群61,後レンズ群62の外周囲に永久磁石68を埋め込み設置している。より具体的には、図17(a)に示すように、位置決めストッパ66は、磁性体から形成されるとともに、両コア65aに近接した位置にそれぞれ設けられ、前レンズ群61,後レンズ群62がそれぞれ接触した状態で停止するようになっている。この状態が、各レンズ群61,62が基準位置に位置する基本姿勢であり、ズーム倍率が1になるように設定される。
【0078】
また、中央位置決めストッパ67は、永久磁石から形成され、その着磁方向(図中矢印方向)は、前レンズ群61と後レンズ群62にそれぞれ埋め込んだ永久磁石68と同一方向(前方向)にしている。そして、中央位置決めストッパ67の長さ並びに設置位置は、図17(b)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62が共に接近して中央位置決めストッパ67に突き当たったときに、それぞれが後退位置Bと前進位置▲2▼に位置するように設定されている。
【0079】
係る構成にすると、基本姿勢では、図17(a)に示すように、圧縮コイルバネ64は圧縮変形され、前レンズ群61と後レンズ群62がそれぞれ外側に設置された位置決めストッパ66に接触した状態で永久磁石68からの磁気吸引力により固定される。よって、ズーム倍率を1にすることができる。
【0080】
そして、この状態から、電磁石65に通電すると、図17(b)に示すような磁界が発生し、この発生した磁界に対し前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68が磁気的に反発し、位置決めストッパ66から離反するとともに、圧縮コイルバネ64の弾性復元力により中央に移動する。そして、前レンズ群61と後レンズ群62が、中央位置決めストッパ67に突き当たった状態で停止する。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0081】
そして、前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68と、永久磁石からなる中央位置決めストッパ67との間で発生する磁気吸引力により、電磁石65への通電をOFFにしても図17(b)に示した状態を保持する。
【0082】
さらに、図17(b)に示す状態において、電磁石65に対して逆向きに通電すると、電磁石65の磁気吸引力によって永久磁石68が互いに外側に移動し、図17(a)に示すズーム倍率が1倍の状態に復帰する。その後は、通電をOFFにしてもその状態を保持する。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0083】
図18は、本発明の第8の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第7の実施の形態を基本とし、中央位置決めストッパ67′の材質を磁性体から形成している点で相違し、その他の構成は同様である。係る構成にすると、図18(a)に示す基本姿勢では、ズーム倍率を1にすることができ、その状態から図18(b)に示すように、電磁石65に通電すると、前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68は、電磁石65により発生する磁界に反発し、中央に移動する。よって、ズーム倍率をα倍にすることができる。もちろん、図18(b)の状態から、電磁石65に逆向きの通電をすることにより、図18(a)の状態に復帰させることができる。なお、その他の状態並びに作用効果は、上記した第7の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図19は、本発明の第9の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第7,第8の実施の形態を基本としている。そして、相違点は、前レンズ群61と後レンズ群62間に圧縮コイルバネ64′を1個設け、その圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって、前レンズ群61と後レンズ群62を互いに離反する方向に付勢する。さらに、両端に設ける位置決めストッパ66′は、非磁性体から形成するとともに、中央位置決めストッパ67′を磁性体から形成するようにした。さらにまた、電磁石65に設けるコア65aは、電磁石65の軸方向中央部位に設けた。より具体的には、中央位置決めストッパ67′に近接する位置がよい。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62に設ける永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに逆向きになるようにしている。もちろん図示省略するが、筐体60の後方所定位置には、撮像素子が配置される。
【0085】
係る構成にすると、電磁石65に通電していない基本姿勢では、図19(a)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62は、圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって離反し、筒体63の両端に設けた位置決めストッパ66′に突き当たって位置決め固定される。これにより、ズーム倍率を1にすることができる。
【0086】
この状態から、図19(b)に示すように、電磁石65に通電し、図示するような磁界を発生させると、永久磁石68が磁気的に吸引し、共に中央に移動する。これにより、前レンズ群61と後レンズ群62は、中央位置決めストッパ67′に接触した状態で位置決め固定され、その状態で電磁石65に対して通電をOFFにしても、永久磁石68と中央位置決めストッパ67′間での磁気吸引力によって、圧縮コイルバネ64′を圧縮変形させた状態のまま維持する。よって、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0087】
もちろん、この状態から図19(b)に示すのと逆向きの通電を電磁石65に印加することにより、図19(a)に示す状態に復帰させることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した第7,第8の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
図20は、本発明の第10の実施の形態を示している。本実施の形態は、図18に示す第7から第9の実施の形態と同様に、アクチュエータとして電磁石を用いつつ、図5に示す動作特性を実現し、ズーム倍率を1倍とγ倍の2種類をとることができるようにしたレンズ駆動装置である。
【0089】
基本的な構成は第8の実施の形態と同様であり、筒体63の両端に配置する位置決めストッパ66は磁性体から構成するとともに中央位置決めストッパ67′も磁性体から構成する。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62は、両者間に介在するようにして配置された圧縮コイルバネ64′の両端が接続され、その圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって離反する方向に付勢されている。
【0090】
そして、相違するのは、ズーム倍率が1となる基本姿勢の時の前レンズ群61の位置である。すなわち、図20(a)に示すように、基本姿勢で前レンズ群61が、中央位置決めストッパ67′に接触した状態で磁気吸引により保持されている。そして、その状態で圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって、後レンズ群62が後方に付勢されて位置決めストッパ66に突き当てられた状態で保持される。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62に設けられた永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに外側を向くようにしている。
【0091】
この状態で、電磁石65に通電すると、図20(b)に示すように電磁石65による磁界が発生し、永久磁石68は、吸引/反発をし、前レンズ群61と後レンズ群62は、共に前方(図中左側)に移動し、後レンズ群62が中央位置決めストッパ67′に磁気吸着されるとともに、圧縮コイルバネ64′の弾性復元力により、前レンズ群61が位置決めストッパ66に突き当てられた状態で保持される。これにより、前レンズ群61と後レンズ群62が、図20(a)に示す基本姿勢から共に前進移動することができ、しかもその移動量は、中央位置決めストッパ67′の長さ並びに設置位置を調整することにより両者を同じにすることもできるし、異ならせることもできる。よって、図5に示すように前レンズ群61が前進位置Cに来るとともに、後レンズ群62が最前進位置▲4▼に来るように各種の寸法を設定すると、ズーム倍率をγ倍にすることできる。
【0092】
そして、この後、通電をOFFにしても、ズーム倍率がγ倍の状態を維持する。また、逆方向に通電すると、図20(a)に示すズーム倍率が1倍の基本姿勢に復帰する。従って、本実施の形態では、図5に示す動作特性からなるズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を得るレンズ駆動装置を構成することができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0093】
図21は、本発明の第11の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第10の実施の形態と同様に、ズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を採るタイプである。図21に示すように、本実施の形態では、第10の実施の形態に比し、電磁石65を異ならせている。すなわち、電磁石65の中央位置にコア65aを設ける。実際には、2つの電磁石65にてコア65aを挟むことにより実現している。この電磁石65の構成は、図19に示す第9の実施の形態と同様である。また、前レンズ群61と後レンズ群62にそれぞれ設ける永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、共に同一で後向き(図中右向き)にしている。さらに、筒体63の両端に設ける位置決めストッパ66′は、非磁性体にしている。
【0094】
係る構成にすると、図21に示す基本姿勢の状態(ズーム倍率が1)から、電磁石65に所定方向の通電をすることにより、図21(b)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62が共に前進移動し、ズーム倍率をγ倍にすることができる。さらに、係る状態から図21(b)と逆向きに通電することにより、図21(a)の状態に復帰させることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
図22以降は、アクチュエータとして、永久磁石を利用したものである。図22は、本発明の第12の実施の形態の要部を示している。すなわち、本実施の形態では、前レンズ群71と後レンズ群72の外周囲の所定位置にスライドガイド73を取り付け、そのスライドガイド73を介してスライドシャフト74に対して軸方向に移動自在にしている。もちろん、前レンズ群71と後レンズ群72は、支持体内にレンズを装着した構成を採り、そのレンズの光軸を合わせている。そして、後レンズ群72の後方に配置する図示省略のCCD等の撮像素子に結像するようにしている。
【0096】
また、スライドシャフト74の両端所定位置には位置決めストッパ75を取り付けるとともに、スライドシャフト74の中間地点に中央位置決めストッパ76を装着している。これにより、前レンズ群71と後レンズ群72は、中央位置決めストッパ76と位置決めストッパ75の間で移動可能となる。そして、位置決めストッパ75間の距離並びに中央位置決めストッパ76の長さ並びに装着位置は、図4に示す動作特性が得られるようにする。
【0097】
つまり、図22(a)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72のスライドガイド73が共に位置決めストッパ75に接触した状態では、前レンズ群71と後レンズ群72とが、それぞれ基準位置A,▲1▼に位置するように設定される。これにより、ズーム倍率を1にすることができる。
【0098】
また、図22(b)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72のスライドガイド73が共に中央位置決めストッパ76に接触した状態では、前レンズ群71と後レンズ群72とが、それぞれ後退位置B,前進位置▲2▼に位置するように設定される。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0099】
そして、係るズーム倍率を1倍とα倍の間で切り替えるための駆動機構は、たとえば、前レンズ群71と後レンズ群72に永久磁石77を取り付けるとともに、その永久磁石77間に出没(出し入れ)自在に磁性体からなる可動片78を挿入することである。すなわち、永久磁石77は、対向面が同極にして互いに反発するようにする。これにより、図22(a)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入しないと、磁気反発により永久磁石77が互いに離反する方向に移動し、位置決めストッパ75とスライドガイド73が接触した状態で位置決め固定される。
【0100】
この状態で、図22(b)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入すると、両永久磁石77は共に可動片78との間で磁気吸引され、磁性体からなる可動片78に向けて近づく。これにより、スライドガイド73が中央位置決めストッパ76に接触した状態で固定される。もちろん、この状態から磁性体からなる可動片78を取り外すと、図22(a)に示す状態に復帰する。
【0101】
また、本実施の形態では、各種の変更実施が可能である。すなわち、たとえば図23に示すように、磁性体からなる可動片78の両面に、それぞれ永久磁石78aを貼り付け、その貼り付けた永久磁石78aと、前レンズ群71と後レンズ群72に設けた永久磁石77とが吸引するように着磁する。
【0102】
これにより、磁性体からなる可動片78を離脱させた場合は、第12の実施の形態と同様に永久磁石77同士が磁気反発を起こし、図23(a)に示す基本姿勢を保持する。そして、その状態から図23(b)に示すように永久磁石78a付きの磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入すると、対向する永久磁石77,78a同士が磁気吸引し、よりスムーズに接近するとともに、その状態(ズーム倍率がα倍の状態)をより強固に保持することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0103】
別の変形例としては、図24に示すように、第12の実施の形態を基本とし、前レンズ群71と後レンズ群72に取り付ける永久磁石77を肉薄(約半分)にするとともに、対向面側に配置し、反対側(外側)は磁性体77aを配置するように構成することもできる。このようにすると、高価な永久磁石の使用量を削減でき、コスト削減効果が期待できる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びに変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0104】
さらにまた、図25に示すように、圧縮コイルバネ79の力を利用することもできる。すなわち、第12の実施の形態を基本とし、前レンズ群71と後レンズ群72に設けた永久磁石77の外側に圧縮コイルバネ79の一端を取り付ける。もちろん、圧縮コイルバネ79の他端は、バネ抑え(図17の符号63a等参照)等によりその位置が規制されている。
【0105】
これにより、図25(a)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間から離脱すると、永久磁石77の反発力により、圧縮コイルバネ79を圧縮変形させながら離反し、ズーム倍率が1に設定される。そして、図25(b)に示すように、可動片78を永久磁石77間に挿入すると、永久磁石77との間の磁気吸引力に加え、圧縮コイルバネ79の弾性復元力により、より迅速に図示するズーム倍率をα倍に設定することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0106】
また、上記したように圧縮コイルバネ79を利用することにより、たとえば図26に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72に磁性体77′を取り付けるとともに、永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間に出入させるようにする。これにより、図26(a)に示すように、永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間から離脱させると、圧縮コイルバネ79の弾性復元力によって磁性体77′ひいては前レンズ群71,後レンズ群72を離反させ、ズーム倍率を1にすることができるとともに、スライドガイド73を位置決めストッパ75にしっかりと接触させて位置決めすることができる。
【0107】
その状態で、図26(b)に示すように永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間に挿入すると、磁気吸引力が発生し、両磁性体77′同士を吸引・固定することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】
さらに図27に示すように、図26に示す変形例における磁性体77′を永久磁石77にすることもできる。この場合に、図27(a)に示すように、移動する永久磁石78′が存在しない状態では、前レンズ群71と後レンズ群72に取り付けた永久磁石77間の磁気吸引力よりも圧縮コイルバネ79の弾性復元力の方が大きく、図示のようにズーム倍率が1に設定される。そして、永久磁石77間に永久磁石からなる可動片78′を挿入すると、その可動片78′と永久磁石77間での磁気吸引力が大きく発生し、図27(b)に示すように、スライドガイド73を中央位置決めストッパ76に突き当たって停止する。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図28は、さらに別の変形例を示している。この例では、中央位置決めストッパ76′を磁性体からなる可動片78の両面に取り付けている。これにより、図28(a)に示すように可動片78を離脱させた状態では、永久磁石77同士が反発し合い、スライドガイド73が両端の位置決めストッパ75に接触して位置決め固定される。また、可動片78を永久磁石77間に挿入した場合には、永久磁石77が互いに磁性体78との間で磁気吸着し、図28(b)に示すように永久磁石77が中央位置決めストッパ76′に接触し、この位置を保持する。もちろん、この状態から磁性体からなる可動片78を外側へ移動させると、永久磁石77同士が磁気反発し、図28(a)に示す状態に復帰する。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0110】
図29は、さらに別の変形例を示している。この例では、第12の実施の形態を基本とし、磁性体からなる可動片78を外側に移動した時(図29(a)参照)の停止位置の近傍に、補助磁石80を設けている。しかも補助磁石80の間隔は、図29(a)に示すように前レンズ群71と後レンズ群72が離反したときの永久磁石77の間隔よりは狭く、図29(b)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72が磁気吸引した時の永久磁石77の間隔よりは長くしている。これにより、図29(a),(b)から明らかなように、一対の永久磁石77の間隔と、補助磁石80の間隔は、磁性体からなる可動片78が挿入された方が短くなるため、その状態で安定するとともに、可動片78を移動させてその状態から離脱しようとした場合も、すぐ近くに永久磁石77或いは補助磁石80が存在するため、現在の状態から離脱する際に小さい力でスムーズに移動させることができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0111】
また、上記した図29に示す技術思想は、例えば図30に示すように、可動片78′が永久磁石の場合には、補助磁石80に替えて補助磁性体80′を設けることによって同様の機能を実現することができる。
【0112】
上記した第12の実施の形態ならびに各種の変形例において示した可動片78,78′を移動させるための具体的な駆動機構は、図31以降に示す各種の構成をとることができる。まず、図31,図32は、共に手動操作によって移動させるようにしている。すなわち、図31では、磁性体からなる可動片78に作動レバー82を設け、ユーザはその作動レバー82を持って往復直線移動させることにより、図31(a)に示すように、可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)の状態と、図31(b)に示すように可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍の2つの状態を切替えることができる。
【0113】
また、上記した例では、可動片78並びに作動レバー82が直線運動をするようにしたが、図32に示すように、一端に磁性体からなる可動片78を取り付けた作動レバー83を回転軸83aに連結し、作動レバー82の他端に操作部84を設ける。これにより、操作部84を略上下移動(実際には弧状軌跡で移動)させることにより、作動レバー83は回転軸83aを中心に、所定角度範囲内で正逆回転する。よって、図32(a)に示すように、可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)の状態と、図32(b)に示すように可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍の2つの状態を切替えることができる。
【0114】
さらに、図33に示すように、図32に示した構成を基本とし、回転軸83aをステッピングモータ85の出力軸とすることもできる。係る構成を採ると、ステッピングモータ85を正逆回転させることにより、自動的に可動片78を永久磁石77間に出し入れし、ズーム倍率の切替をすることができる(図33(a),(b)参照)。
【0115】
さらにまた、可動片78を自動的に移動させる際のアクチュエータとしてリニアアクチュエータ86を用いることもできる。すなわち、図34に示すように、リニアアクチュエータ86を構成する往復直線運動するロッド86aの先端に可動片78を設け、ロッド86aが引き戻された場合に可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)をとり(図34(a)参照)、ロッド86aが最も突出した場合に可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍になる(図34(b)参照)ように調整する。これにより図示省略するスイッチ操作により、リニアアクチュエータ86を稼働させることにより、2つのズーム倍率を切り替えすることができる。
【0116】
さらには、図35に示すように、アクチュエータ87として、湾曲したロッド87aを用いて弧状に往復移動させるものを用いても、上記と同様にスイッチ操作に基づいて2種類のズーム倍率の切替をすることができる。
【0117】
また、上記した各駆動機構の具体例は、第12の実施の形態に適用した例を示したが、他の変形例に対しても同様の構成を採ることはできるのはもちろんである。
【0118】
図36から図38は、本発明の第13の実施の形態を示している。本実施の形態は、図7に示す動作特性を実現するためのもので、レンズ群を移動させるためのアクチュエータとしてステッピングモータを用いている。
【0119】
基本的な構成は、第1の実施の形態と同様であり、相違するのは前レンズ群も移動可能にしている。つまり、図36から図38に示すように、平面矩形状のベース10は、その前面は、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12が形成されている。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13が設けられるとともに、中央に大径の貫通孔14が形成されている。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示省略するがこの貫通孔14の後方所定位置にCCDなどの撮像素子等が配置される。
【0120】
また、低段部12の上面には、小型のステッピングモータ20が設置されている。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。図示省略するが、ケース本体21の内部中央にロータが配置され、出力軸22がロータの中心に挿入されて一体化されている。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部に、ステータを配置する。なお、係る構成のステッピングモータとしては、例えば、特開平6−1055828号公報や、特開平6−296358号公報に開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、係る構成のものに限られず、各種のものを利用できるのは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分は、ねじ山が切られておりリードスクリューとなっている。
【0121】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれメインガイドピン15a,サブガイドピン15bの一端が挿入されて固着されている。そして、この両ガイドピン15a,15bに対して、後群可動体30が移動可能に挿入されている。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、この貫通孔32内を両ガイドピン15a,15bが挿入配置され、これにより、メインガイドピン15a,サブガイドピン15bによって支持された後群可動体30は安定した姿勢で各ガイドピン15a,15bに沿って前後進移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示省略する後レンズ群(1枚の場合もある)が装着される。よって、後群可動体30の前後進移動に伴い、後レンズ群も前後進移動する。また、この後群可動体30を各ガイドピン15a,15bに装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0122】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34が形成されるとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35が形成されている。そして、この凹部35内にリードナット36が挿入固着されている。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36ひいては後群可動体30が前後進移動する。
【0123】
さらにまた、メインガイドピン15aは、ベース10の低段部12の角部にも起立配置しており、その低段部12上に取り付けたメインガイドピン15aの先端部位は後群可動体30に対して移動可能に装着されている。
【0124】
一方、高段部11に設けた各ガイドピン15a,15bの先端には、前レンズ群を支持する前群可動体40′が装着されている。この前群可動体40′は、第1の実施の形態と相違して、各ガイドピン15a,15bに対して、軸方向に所定距離移動可能に設定されている。より具体的には、メインガイドピン15aに対しては、そのメインガイドピン15aの外径と略一致する内径からなる孔部44内にスルー状態で挿入する。
【0125】
また、2本のサブガイドピン15bの先端には、円板状のストッパ45が取り付けられている。このストッパ45の外径は、サブガイドピン15bの外径よりも一回り大きくしている。そして、前群可動体40′の所定位置に形成した孔部46は、上記したサブガイドピン15bが相対移動可能に挿入されるようになる。その孔部46の内径は、後方部位はサブガイドピン15bの外径とほぼ一致させ、前方部位はサブガイドピン15bの外径よりも一回り大きくし、少なくともストッパ45が挿入配置可能としている。さらに、サブガイドピン15bの先端側には、同軸状にスプリング47を装着している。このスプリング47の両端は、ストッパ45並びに孔部46の奥面に接触し、ストッパ45と奥面を離反させるように付勢する。
【0126】
これにより、ベース10に対するサブガイドピン15bの先端に取り付けたストッパ45の位置は不変であるので、スプリング47の弾性復元力により、前群可動体40′は、後方に向けて付勢され、図36に示す状態で固定される。そして、図36に示すように、後群可動体30が後退移動してベース10に接触した状態では、前群可動体40′(前レンズ群)が基準位置Aに位置し、後群可動体30(後レンズ群)が基準位置▲1▼に位置するように各寸法が設定されている。
【0127】
さらに、サブガイドピン15bには、前群可動体40′の後面側に固着状態でスペーサ43が挿入配置されている。もちろん、必ずしも前群可動体40′に固着する必要はなく、フリー状態でも良いし、後群可動体30側に固着させても良い。そして、このスペーサ43の厚さは、図38に示すように前群可動体40′と後群可動体30が共にスペーサ43に接触した状態における前レンズ群と後レンズ群間の距離が、図7に示す距離d3、つまり、ズーム倍率がγ倍が得られるレンズ間距離(C−▲4▼)に一致させている。
【0128】
そして、この前群可動体40′の中央部位、つまり、ベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前レンズ群を挿入配置する。
【0129】
係る構成にすることにより、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を後退移動させ、図36(a)に示すようにベース10の前面に接する基本姿勢にすると、ズーム倍率が1倍に設定できる。
【0130】
この状態からステッピングモータ20の出力軸22を正回転させて後群可動体30を前進移動させ、図37に示すように所定位置(前群可動体40′に非接触か、接触しても前方へ付勢しない位置)にすると、ズーム倍率をβ倍(例えば2倍)にすることができる。そして、アクチュエータとしてステッピングモータ20を用いたため、ステップ数を制御することにより、後群可動体30の位置を精度良く制御できる。
【0131】
この状態でさらにステッピングモータ20を正回転させて後群可動体30をさらに前進移動させる。すると、図38に示すように、後群可動体30はスペーサ43を介して前群可動体40′に突き当たり、これを前方に押し出す。これに伴い、前群可動体40′と後群可動体30が一体になって前方移動する。そして、前群可動体40′が前方位置C(後群可動体30が最前方位置▲4▼)に位置したときにステッピングモータ20の回転を停止する。これにより、ズーム倍率をγにすることができる。従って、本実施の形態では、1倍→β倍→γ倍の3値をとることができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るレンズ駆動装置では、レンズ支持部材の停止位置を1箇所,2箇所或いは3箇所というように少ない数に限定した(ズーム倍率を限定した)ことにより、複雑な機構のカムや高度な制御や複雑な機構を必要とせず、簡単な機構で位置決めすることができ、シンプルで小型で安価なレンズ駆動装置を構成することができる。そのため、携帯電話機などに対しても、光学ズーム対応のレンズ駆動装置として実装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態の概念を説明する概略構成図である。
【図2】ズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図である。
【図3】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その1)である。
【図4】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その2)である。
【図5】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その3)である。
【図6】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その4)である。
【図7】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その5)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態を示す断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態を示す断面図である。
【図15】コイルの変形例を示す図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態を示す断面図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態を示す断面図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態を示す断面図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態を示す断面図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態を示す断面図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態を示す断面図である。
【図22】本発明の第12の実施の形態を示す図である。
【図23】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図24】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図25】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図26】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図27】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図28】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図29】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図30】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図31】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図32】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図33】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図34】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図35】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図36】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【図37】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【図38】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 前レンズ群
2 後レンズ群
3 前群可動体
4 後群可動体
5 筒体
6 CCD
10 ベース
20 ステッピングモータ
30 後群可動体
40 前群支持体
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ズームとフォーカスを行うためにレンズを可動させるレンズ駆動装置に関するもので、特に超小型カメラに適用するに適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超小型カメラを組み込んだ携帯電話機が普及している。係る超小型カメラは、寸法形状の制限から一般に固定焦点のものが用いられている。携帯電話機を購入する場合の機種を選定する際の一因として係る超小型カメラの有無は大きなウエートを占めている。そして、ユーザの心理としても、携帯電話機に超小型カメラが付いているか否かが大きなポイントであり、超小型カメラの性能・機能まではあまり気にしていないのが実情である。
【0003】
しかし、現在の固定焦点式の超小型カメラ付きの携帯電話機が普及するにつれ、既に係る携帯電話機を使用しているユーザは、他者との差別化等から通常ある程度の期間にわたって使用すると、さらなる高機能化を望むことが予測される。高機能化の1つの態様として、スチールカメラやビデオカメラなどで一般に採用されている光学ズーム機能がある。
【0004】
係る光学ズーム機能は、通常、2枚もしくは2つのレンズ群をそれぞれ光軸方向に適宜移動させることにより、所望のズームを得るとともに、そのズームに応じてピント合わせ(フォーカス)を行うようになる。そして、係る処理を行うための具体的な機構としては、例えば特許文献1に示すように、2つのレンズをそれぞれ独立したアクチュエータ(ステッピングモータ)で動かすようにしたものがある。また、別の方法としては、特許文献2に示すように、1つのアクチュータやモータに対して、カムを用いることにより2つのレンズ(レンズ群)の位置関係を制御し、ズームとフォーカスの2つの動きを実現するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−336938号(第3頁から第4頁,図1)
【特許文献2】
特開平11−52209号(第3頁から第4頁,図1から図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光学ズームを実現するためのレンズの動きは複雑で、一方向の動きだけでなく、往復を含む非線形の曲線を描く。特に、携帯電話機に実装するためには、レンズの寸法がφ7mm以下、好ましくはφ5mm以下が要求され、そのように超小型なレンズを用いた場合、レンズの位置精度も厳しくなり、高精度な位置決めと高度な制御が必要となる。
【0007】
そのため、アクチュエータを動かす駆動回路に加え、物体との距離を測定したり、位置を確認するためのセンサや画像からのデータを処理し、駆動回路にフィードバックをかける回路が必要となる。つまり、高度なセンサやデータ処理,制御が必要な分、開発,設計工数が必要となる。さらに、部品点数の増加に伴い高価,消費電力の増大,大型化となり、携帯電話機等に実装するのが困難となる。特に、特許文献1のように、各レンズ毎に駆動系を設けた場合には、上記問題がより顕著に生じる。
【0008】
一方、特許文献2のようにカムを用いた場合は、1つのアクチュエータで実現可能であるが、非線形の動きをさせるために複数の曲率を持つカムやガイドが必要となる。そのため、動きもメカ機構も複雑になる。さらに、レンズの挙動は、カメラ仕様により大きく異なるため、その度にカムを開発/設計しなければならない。
【0009】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、複雑な機構のカムや高度な制御や複雑な機構を必要とせず、ズーム倍率を限定することで、シンプルで小型で安価なレンズ駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るレンズ駆動装置では、直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持することを前提とする。そして、係る前提のもので、前記第1レンズ支持部材は固定し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、2種類のズーム倍率を切替えることができるように構成することである。
【0011】
また、別の解決手段としては、上記した前提のもと、前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより2種類のズーム倍率を切替えることができるようにしてもよい。
【0012】
この場合に、前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の移動は、ソレノイド,リレー,永久磁石の少なくとも1つをアクチュエータとして利用し、そのアクチュエータの出力に伴い、第1,第2レンズ支持部材が連動して移動することにより、2種類の相対位置関係を切替制御するようにするとよい。係る構成にすると、より簡単な構成で切替制御が実現できる。
【0013】
さらにまた、別の解決手段としては、上記した前提のもと、前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の3箇所で停止するように構成し、前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより3種類のズーム倍率を切替えることができるようにすることである。
【0014】
この場合に、前記第2レンズ支持部材は、ステッピングモータの出力を受けて、前後進移動するようにし、前記第1レンズ支持部材は、前記第2レンズ支持部材からの付勢力によって移動可能とし、前記付勢力を受けない状態での第1位置と、前記付勢力により移動した第2位置の2箇所で停止するようにすると、1つのアクチュエータで、しかも簡単な動力伝達機構により3種類のズーム倍率を切替えることができる。この発明は、例えば、第13の実施の形態により実現されている。
【0015】
さらにまた、上記した各発明において、前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の少なくとも一方に対する移動は、ステッピングモータの出力に基づいて行うようにすることができる。
【0016】
ここで、第1レンズ支持部材は、実施の形態では、前レンズ群を支持する部材(前群支持体40,前群可動体3,40′,前レンズ支持体53,前レンズ群61,71等)に対応し、第2レンズ支持部材は、実施の形態では、後レンズ群を支持する部材(後群可動体4,30,後レンズ支持体54,後レンズ群62,72等)に対応するが、本発明はこれに限ることはなく、ズーム倍率とレンズ位置の相関を示す動作特性によっては、逆の適用もあり得る。
【0017】
本発明では、停止箇所を2箇所または3箇所に限定するようにした。これにより、簡易で小型な機構でもって、位置決めが容易に行えるようになり、停止位置を動作特性に応じて適宜に設定することにより、異なるズーム倍率を発揮させることができる。
【0018】
また、そのように停止箇所数を限定したため、アクチュエータとして仮に複数のステッピングモータを使用した場合も、各レンズ支持部材に対する位置決めを、突き当て位置決めにより行うことが可能となるため、簡単な制御で高精度の位置決めが可能である。よって、装置が大型化しない。また、これらのメリットは、片側駆動をステッピングモータで行い、片側をリレー,ソレノイド,永久磁石の吸引反発,手動のいずれかにより駆動することによっても得られる。
【0019】
さらに、アクチュエータとして何れか1つを用い、その出力を適宜に各レンズ支持部材に伝達することにより、異なる相対位置関係を得ることができ、ズーム倍率を変更できる。
【0020】
さらにまた、第1レンズ支持部材を固定しても、第2レンズ支持部材の停止位置を適宜に設定することにより、2種類のズーム倍率を得ることができるので、極めて簡単で小型の機構で本発明を実現できる。
【0021】
また、適用するレンズ径を7mm以下にしたのは以下の理由による。すなわち、携帯電話機等に使われる超小型カメラでは、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっており、このレベルが採用の上限になってきている。そこで、レンズを固定するためには、最低1mm程度の固定枠を設ける必要があり、レンズモジュールのサイズは、「レンズの直径+2mm」となる。そして、さらにそのレンズモジュール外側にアクチュエータやスライド機構を設けるため、トータル的サイズを13mm以下にするためには、レンズ径をφ7mm以下にする必要がある。もちろん、ある程度の寸法状の余裕並びに携帯電話機などの装着相手の機器のさらなる小型化を考慮すると、φ7mmは上限であり、好ましくはφ5mm以下にするのが良い。もちろん、本発明のレンズ駆動装置の適用対象は、携帯電話機に限るものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の好適な実施の形態の概念を説明する図である。図1(a)に示すように、超小型カメラ用レンズ駆動装置は、前レンズ群1と後レンズ群2が、光軸Lに沿って配置されている。直径が5mm程度の前レンズ群1と後レンズ群2は、それぞれ前群可動体3,後群可動体4を介して筒体5内に保持されている。図の例では、可動体であるため、前レンズ群1と後レンズ群2がともに筒体5内を前後方向に移動できるようになっているものとする。もちろん、図示の便宜上筒体5内に前レンズ群1,後レンズ群2を挿入配置した例を示したが、前群可動体3,後群可動体4の駆動機構に応じて必ずしも筒体でなく、適宜の構成になるのは言うまでもない。
【0023】
そして、超小型カメラを構成するためには、筒体5の後方所定位置に、CCD等の撮像素子6を配置する。これにより、各レンズ群1,2とCCD等の撮像素子6までの距離並びに両レンズ群1,2間の距離を適宜に設定するごとに、CCD等の撮像素子6で所望のズーム倍率で結像させることができる。もちろん、このCCD等の撮像素子6の出力は、所定の画像処理装置に入力されるが、超小型カメラの本体構成は本発明と関係ないのでその説明を省略する。なお、図1(a)は、ズーム倍率が1倍の状態を示している。
【0024】
以下の説明において、この超小型カメラにおける2つのレンズ群1,2の位置とズーム倍率(ピントがあっている)との関係が、図2に示すようになっているものとする。すなわち、前レンズ群1の移動軌跡が実線で示すようにズーム倍率が1倍からα倍(例えば1.5倍)までは後退移動させ、その後、徐々に前進移動させると、ズーム倍率がβ倍(例えば2倍)→γ倍(例えば2.5倍)と増加する。このときの後レンズ群2の移動軌跡は、破線で示すように、ズーム倍率を1倍から増加させるためには徐々に前進移動させる。
【0025】
そして、図1(a)に示す1倍の標準の状態からズーム倍率をα倍,β倍,γ倍のときの前レンズ群1と後レンズ群2の位置関係は、図1(b)から(d)に示すようになる。なお、図2に示す特性図は、使用するレンズその他の機構に応じて種々変更される。
【0026】
ここで本発明では、まず、ズーム倍率1倍からγ倍に至るまでの前レンズ群1の移動軌跡が、一旦後退移動した後で前進移動することに着目した。つまり、前レンズ群1の位置を見ると、基本となるズーム倍率が1の時の位置をAとすると、ズーム倍率がβ倍の時の位置も同じくAとなる。従って、前レンズ群1を固定し(前群可動体3は単なる保持具にする)、後レンズ群2の位置を基準の▲1▼と▲3▼の2つの位置(図1(a),(c))で停止するように往復移動自在にすると、ズーム倍率が1倍とβ倍の2種類をとるレンズ駆動装置を実現できる。この場合の動作特性(ズーム倍率とレンズ位置関係)は、図3に示すようになる。
【0027】
そして、係る構成を実現するには、駆動機構は後レンズ群2に対するもの1つで済み、しかも2つの位置▲1▼,▲2▼の間で往復移動させるためには、ステッピングモータはもちろんのこと、ソレノイド,リレー,磁石など簡単で小型の駆動機構で実現できるので、より小型化することができる。
【0028】
また、前レンズ群1と後レンズ群2が、それぞれ独立して所定の2箇所の位置で往復移動可能にすると、以下のように複数のズーム倍率を得る超小型カメラ用のレンズ駆動装置を実現することができる。
【0029】
すなわち、前レンズ群1を基準位置Aと後退位置Bの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と前方位置▲2▼の2つの位置で停止するように往復移動させる。これにより、図4に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))とズーム倍率がα倍(図1(b))の2つのズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。この例では、前レンズ群1と後レンズ群2の夫々を駆動させる機構が必要であるが、共に2つの位置を往復移動させるだけで良いので、各駆動機構を簡略化できるとともに、制御も簡易化でき、小型化のものとなり、超小型カメラ用のレンズ駆動装置として充分利用できる。
【0030】
同様に、前レンズ群1を基準位置Aと前進位置Cの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と最前方位置▲4▼の2つの位置で停止するように往復移動させる。これにより、図5に示すような動作特性のように制御することにより、基準位置(図1(a))とズーム倍率がγ倍(図1(d))の2種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。この例でも、前レンズ群1と後レンズ群2の夫々を駆動させる機構が必要であるが、共に2つの位置を往復移動させるだけで良いので、各駆動機構を簡略化できるとともに、制御も簡易化でき、小型化のものとなり、超小型カメラ用のレンズ駆動装置として充分利用できる。
【0031】
さらに、前レンズ群1を基準位置Aと後退位置Bの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と2つの前方位置▲2▼,▲3▼の合計3つの位置で停止するように移動させる。これにより、図6に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))と、ズーム倍率がα倍(図1(b))と、ズーム倍率がβ倍(図1(c))の3種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0032】
さらにまた、前レンズ群1が、前レンズ群1を基準位置Aと前進位置Cの2つの位置で停止するように往復移動させ、後レンズ群2を基準位置▲1▼と2つの前方位置▲3▼,▲4▼の合計3つの位置で停止するように移動させる。これにより、図7に示すような動作特性のように制御することにより、ズーム倍率が1の基準位置(図1(a))と、ズーム倍率がβ倍(図1(c))と、ズーム倍率がγ倍(図1(d))の3種類のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0033】
次に、上記した動作原理を実現するためのより具体的な構成を説明する。図8,図9は、第1の実施の形態であり、前レンズ群を固定したタイプであり、アクチュエータとしてモータを用いたものである。図8は、分割斜視図であり、図9(a)は基本姿勢(ズーム倍率が1)を示す斜視図であり、図9(b)はズーム倍率がβ倍(2倍)の状態を示す斜視図である。
【0034】
図8に示すように、平面矩形状のベース10は、その前面は、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12が形成されている。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13が設けられるとともに、中央に大径の貫通孔14が形成されている。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示省略するがこの貫通孔14の後方所定位置にCCDなどの撮像素子が配置される。
【0035】
また、低段部12の上面には、小型のステッピングモータ20が設置されている。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。図示省略するが、ケース本体21の内部中央にロータが配置され、出力軸22がロータの中心に挿入されて一体化されている。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部に、ステータを配置する。なお、係る構成のステッピングモータとしては、例えば、特開平6−1055828号公報や、特開平6−296358号公報に開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、係る構成のものに限られず、各種のものを利用できるのは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分は、ねじ山が切られておりリードスクリューとなっている。
【0036】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれガイドピン15の一端が挿入されて固着されている。そして、このガイドピン15に対して、後群可動体30が移動可能に挿入されている。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、このガイド孔31内にガイドピン15が挿入配置され、これにより、3つのガイドピン15によって支持された後群可動体30は安定した姿勢でガイドピン15に沿って前後進移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示省略する後レンズ群(1枚の場合もある)が装着される。よって、後群可動体30の前後進移動に伴い、後レンズ群も前後進移動する。また、この後群可動体30をガイドピン15に装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0037】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34が形成されるとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35が形成されている。そして、この凹部35内にリードナット36が挿入固着されている。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36ひいては後群可動体30が前後進移動する。
【0038】
さらに、各ガイドピン15の先端には、前レンズ群を支持する前群支持体40が装着されている。この前群支持体40は、各ガイドピン15の先端に固定されているため、ベース10との相対位置、ひいてはCCDとの相対位置関係は不変である。そして、この前群支持体40の中央部位、つまり、ベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前レンズ群を挿入配置する。
【0039】
また、各ガイドピン15には、スペーサ43が挿入配置されている。このスペーサ43の厚さは、前群支持体40と後群可動体30がスペーサ43を介して接触した状態における前レンズ群と後レンズ群の距離が、前レンズ群の基準位置Aと、後レンズ群の前進位置▲3▼との間隔d1(図3参照)に一致するように設定されている。さらにまた、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を最も後退させた状態で、後レンズ群が、基準位置▲1▼に位置するように調整されている。さらに、前レンズ群の位置も基準位置Aになるようにガイドピン15の長さが調整されている。
【0040】
上記した構成のレンズ駆動装置の寸法形状の一例を示すと、ベース10は、11mm角としている。また、貫通孔32,41の内径、つまり後レンズ群,前レンズ群の直径は、5mmとしている。そして、装置全体の高さ(ベース10の底面から前群支持体40の前面までの距離)は、約11mmとしている。これにより、携帯電話機に充分実装可能となる。
【0041】
また、現在の携帯電話機の寸法形状を考慮すると、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっている。このレベルが採用の上限になっているとすると、さらに一回り大きいものでも可能となり、レンズ径が7mm程度のものまでは、トータル的サイズ(ベース10の平面形状)が13mm角以下に抑えることができる。もちろん、より小さなレンズを用い、全体的にさらなる小型化を図るのを妨げない。
【0042】
係る構成にすることにより、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を後退移動させ、図9(a)に示すようにベース10の前面に接する基本姿勢にすると、ズーム倍率が1倍に設定できる。
【0043】
この状態からステッピングモータ20の出力軸22を正回転させて後群可動体30を前進移動させ、図9(b)に示すように後群可動体30の前面が、スペーサ43に接触する状態にすると、ズーム倍率をβ倍(例えば2倍)にすることができる。
【0044】
そして、アクチュエータとしてステッピングモータ20を用いたため、ステップ数を制御することにより、後群可動体30の位置を精度良く制御できるが、本実施の形態では、後群可動体30がベース10に接触する位置と、スペーサ43に接触する位置の2つの位置で停止させればよく、いずれも停止位置は他の部材に接触するようにしているので、回転数(ステップ数)の制御を比較的ラフにしても位置決めは正確に行える。
【0045】
図10は、本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態では、アクチュエータとしてソレノイドを用いている。具体的には、図10に示すように、筒体となるボビン50内に、前レンズ群51と後レンズ群52をそれぞれ前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を介して軸方向に移動可能に装着する。なお、ボビン50の内周面をテフロン(登録商標)加工したり、低摩擦係数の樹脂を用いてボビン50を形成したり、少なくとも内周面を鏡面加工した別の筒体を挿入するなどして、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54の外周面との摩擦係数を小さくし、スムーズに前後進移動できるようにするとよい。
【0046】
また、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、その両者間に圧縮コイルバネ55を挿入配置し、その圧縮コイルバネ55の弾性復元力により常時両者が離れる方向に付勢される。そして、ボビン50の両端に、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が接触可能な位置決めストッパ56を装着する。これにより、圧縮コイルバネ55により付勢された前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、それぞれ対応する位置決めストッパ56に接触し、停止する(図10(a)参照)。そして、図示省略するが、ボビン50の後方(後レンズ支持体54側)の所定位置に、CCDを配置することになるが、このとき、ズーム倍率が1になるように寸法を設定している。
【0047】
さらに、本実施の形態では、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54をそれぞれ永久磁石(着磁方向は図中左向き)で製造するとともに、位置決めストッパ56を非磁性体で製造する。さらにまた、ボビン50の内部中間位置に、磁性体からなる中央位置決めストッパ57を配置するとともに、ボビン50の外周にコイル58を装着している。なお、中央位置決めストッパ57の軸方向の長さは、前レンズ群の後退位置Bと、後レンズ群の前進位置▲2▼との間隔d2(図4参照)に一致させている。
【0048】
係る構成にすると、無励磁状態では、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって前レンズ支持体53と後レンズ支持体54がそれぞれ離反方向に付勢され、図10(a)に示すように外側に設置された位置決めストッパ56に接触した基本姿勢となる。よって、ズーム倍率が1に設定できる。
【0049】
この状態から、図10(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、それにより発生する電磁力と、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の磁界から、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、磁性体からなる中央位置決めストッパ57に吸着した状態で保持される。これにより、ズーム倍率をα倍(例えば1.5倍)にすることができる。
【0050】
もちろん、コイル58に通電することにより発生する電磁力は、圧縮コイルバネ55の弾性復元力を上回る力を発揮するように設定する。そして、一旦図10(b)の状態になると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は永久磁石から構成されているので、磁性体からなる中央位置決めストッパ57に吸着されるため、通電をOFFにしてもその状態を保持する。また、コイル58に逆向きの通電を印加すると、その通電により発生する電磁力が上記と逆向きとなり、圧縮コイルバネ55の弾性復元力と相乗的に前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を引き離す方向に作用し、図10(a)に示すズーム倍率が1の基本姿勢に復帰する。
【0051】
そして、アクチュエータとしてソレノイドを用いたため、小型で簡易に構成できるとともに、ズーム倍率が1とα倍の2つの位置は、位置決めストッパ56と中央位置決めストッパ57によって精度良く行える。
【0052】
図11は、本発明の第3の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第2の実施の形態を基本とし、中央位置決めストッパ57′を永久磁石から構成する点で異なる。この永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、図中左向きであり、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向と一致させている。なお、その他の構成は第2の実施の形態と同様である。
【0053】
これにより、コイル58に通電しない無励磁状態では、図11(a)に示すように、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって前レンズ支持体53と後レンズ支持体54がそれぞれ離反方向に付勢され、外側に設置された位置決めストッパ56に接触した基本姿勢となる。よって、ズーム倍率が1に設定できる。
【0054】
そして、この状態から、図11(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、ある程度近づくと永久磁石からなる中央位置決めストッパ57′との磁気吸引力も作用して迅速かつ確実に中央位置決めストッパ57′に吸着した状態で保持される。これにより、ズーム倍率をα倍(例えば1.5倍)にすることができる。この後、コイル58への通電をオフにしたとしても、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、共に中央位置決めストッパ57′との間で生じる磁気吸引力によってより強固に固定される。よって、例えば携帯電話機に実装した場合、デジタルカメラなどに比べて固定した状態で持ちにくく、手ぶれなどによって携帯電話機自体が揺れやすいが、上記した如く永久磁石によってしっかりと固着されているので、ズーム倍率がα倍の状態を安定して保持できる。
【0055】
また、係るズーム倍率がα倍の状態で、図11(b)と逆方向に通電すると、上記した第2の実施の形態と同様の原理に従い、図11(a)に示す基本姿勢に復帰する。なおその他の構成並びに作用効果は、上記した第2の実施の形態と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0056】
図12は、本発明の第4の実施の形態を示している。この実施の形態は、上記した第2の実施の形態を基本とし、圧縮コイルバネ55′の取り付け位置を異ならせている。すなわち、前レンズ支持体53,後レンズ支持体54に対し、それぞれ別々に圧縮コイルバネ55′を取り付ける。この圧縮コイルバネ55′は、ボビン50の外側に設置し、常時前レンズ支持体53,後レンズ支持体54をそれぞれ中央に押し出すように設定されている。つまり、図12(a)に示す状態では、圧縮コイルバネ55′は圧縮変形している。さらに、第2の実施の形態とは逆に、ボビン50の両端に設置する位置決めストッパ56′を磁性体で形成するとともに、中央位置決めストッパ57″を非磁性体で形成する。
【0057】
これにより、図12(a)に示すように、永久磁石からなる前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、それぞれ磁性体からなる位置決めストッパ56′に磁気吸引されて固定された状態でズーム倍率1の基本姿勢となる。
【0058】
そして、この状態から、図12(b)に示すように、コイル58に図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は互いに中心に向けて移動し、それら前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が、位置決めストッパ56′から離反すると、通電に伴い発生する電磁力と圧縮コイルバネ55′の弾性復元力により、中央位置決めストッパ57″に接触して位置決め固定される。これにより、ズーム倍率がα倍の状態に設定できる。この状態で通電をOFFにしても、圧縮コイルバネ55の弾性復元力により前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、図示した状態を保持する。
【0059】
さらにこの図12(b)に示す状態から反対方向に通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、互いに離れる方向に移動し、図12(a)に示す基本姿勢に復帰する。この復帰後は、通電をOFFにしても、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石が、磁性体からなる位置決めストッパ56′に吸着するため、その姿勢を保持する。なお、その他の構成並びに作用効果は上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
また、図12に示す構成において、外側の位置決めストッパを非磁性体にするとともに、中央位置決めストッパを磁性体や永久磁石で構成することもできる。その場合には、2つの圧縮コイルバネ55′が、常時前レンズ支持体53,後レンズ支持体54をそれぞれ外側に引っ張るように設定する。これにより、上記した実施の形態と同様の通電処理により、ズーム倍率が1倍とα倍の2種類を得ることができる。
【0061】
なお、上記した第2から第4の実施の形態において、前レンズ支持体53をボビン50の一端に固定するとともに、所定方向への通電を適宜に行うことにより、基本姿勢であるズーム倍率が1倍と、β倍の2種類の状態を切替えることができるレンズ駆動装置とすることができるのは言うまでもない。
【0062】
図13は、本発明の第5の実施の形態を示している。本実施の形態では、上記した第2から第4の実施の形態と同様にアクチュエータとしてソレノイドを用いつつ、図5に示す動作特性を実現し、ズーム倍率を1倍とγ倍の2種類をとることができるようにしたレンズ駆動装置である。
【0063】
基本的な装置構成は、図10に示す第2の実施の形態と同様であり、ボビン50の外側に配置する位置決めストッパ56は非磁性体から構成するとともに中央位置決めストッパ57は磁性体から構成する。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、両者間に介在するようにして配置された圧縮コイルバネ55の両端が接続され、その圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって離反する方向に付勢されている。
【0064】
そして、相違するのは、ズーム倍率が1となる基本姿勢の時の前レンズ群51(前レンズ支持体53)の位置である。すなわち、図13(a)に示すように、基本姿勢で前レンズ支持体53が、中央位置決めストッパ57に接触した状態で磁気吸引により保持されている。そして、その状態で圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって、後レンズ支持体54が後方に付勢されて位置決めストッパ56に突き当てられた状態で保持される。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに中央側を向くようにしている。
【0065】
この状態で、図中左向きに通電すると、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、共に前方(図中左側)に移動し、図13(b)に示すように、後レンズ支持体54が中央位置決めストッパ57に磁気吸着されるとともに、圧縮コイルバネ55の弾性復元力により、前レンズ支持体53が位置決めストッパ56に突き当てられた状態で保持される。これにより、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54が、図13(a)に示す基準位置から共に前進移動することができ、しかもその移動量は、中央位置決めストッパ57の長さ並びに設置位置を調整することにより両者を同じにすることもできるし、異ならせることもできる。よって、図5に示すように前レンズ支持体53(前レンズ群51)が前進位置Cに来るとともに、後レンズ支持体54(後レンズ群52)が最前進位置▲4▼に来るように各種の寸法を設定すると、ズーム倍率がγ倍の状態にすることできる。
【0066】
そして、この後、通電をOFFにしても、ズーム倍率がγ倍の状態を維持する。また、逆方向に通電すると、図13(a)に示すズーム倍率が1倍の基本姿勢に復帰する。従って、本実施の形態では、図5に示す動作特性からなるズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を得るレンズ駆動装置を構成することができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0067】
図14は、本発明の第6の実施の形態を示している。本実施の形態では、第5の実施の形態を基本とし、第4の実施の形態と同様に圧縮コイルバネ55′を2個設け、それぞれが前レンズ支持体53と後レンズ支持体54をそれぞれ所定方向に付勢するようになっている。
【0068】
すなわち、中央位置決めストッパ57″は非磁性体とし、両側の位置決めストッパ56′を磁性体から構成する。さらに、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54を構成する永久磁石の着磁方向(図中矢印方向)は、同一方向で前方を向く(図中左向き)ようにしている。さらに、各圧縮コイルバネ55′は、共に対応するレンズ支持体53,54を中央位置決めストッパ57″に向けて付勢するようにしている。但し、その弾性復元力は、各レンズ支持体53,54が位置決めストッパ56′に磁気吸着している状態では、それを打ち消して引き離すほどの力はなく、一旦各レンズ支持体53,54が位置決めストッパ56′から離反して中央位置決めストッパ57″に突き当てられた状態におけるレンズ支持体53,54と位置決めストッパ56′間に生じる磁気吸引力には勝るようにしている。
【0069】
係る構成にすると、図14(a)に示すように、基本姿勢では、前レンズ支持体53が圧縮コイルバネ55′の弾性復元力によって中央位置決めストッパ57″に突き当てられるとともに、後レンズ支持体54は位置決めストッパ56′に磁気吸着した状態を保持する。この状態で、ズーム倍率が1倍になるように設定される。
【0070】
この状態からコイル58に通電すると、図14(b)に示すように、前レンズ支持体53と後レンズ支持体54は、電磁力によって前方(図中左側)に移動する。そして、前レンズ支持体53は、圧縮コイルバネ55を圧縮変形させながら前進移動し、位置決めストッパ56′に磁気吸着して固定される。同様に、後レンズ支持体54は、圧縮コイルバネ55の弾性復元力によって中央位置決めストッパ57″に突き当てられて固定される。これにより、中央位置決めストッパ57″の寸法形状並びに設置位置を第5の実施の形態と同様にしておくと、ズーム倍率がγ倍に設定できる。
【0071】
もちろんも、この実施の形態においても、図14(b)と逆向きに通電することにより、図14(a)に示す状態に復帰させることができる。また、通電はズーム倍率を変更させるときのみ行い、変更後は通電をOFFにしてもその状態を保持できる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0072】
上記した第2から第6の実施の形態では、いずれもボビン50に巻き付けるコイル58は軸方向に均等に巻いたものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、巻数を場所により異ならせることにより、発生する磁場に勾配を持たせることもできる。つまり、磁場が最も大きくなる位置を停止位置にすることにより、ズーミングに必要な駆動力を得やすくすることができる。
【0073】
なお、磁場の勾配を持たせるためには、コイルを例えば図15(a)に示すように、異なる巻数のコイル58a,58bを設け、それを軸方向に配置しても良いし、図15(b)に示すように、軸方向で巻数を変えるようにしても良い。そして、どの位置で磁場を強くするかは、レンズ支持体の停止位置などに鑑みて設定され、必ずしも端部になるとは限らない。
【0074】
図16,図17は、本発明の第7の実施の形態を示している。本実施の形態では、上記した各実施の形態と相違して、アクチュエータとして電磁石を用いて構成している。そして、ズーム倍率が1倍とα倍の2種類を得るタイプ(図4に示す動作特性)である。
【0075】
具体的には、矩形状の筐体60内に、前レンズ群61と後レンズ群62を軸方向に移動可能に実装した筒体63と、電磁石65とを接近させるとともに平行に配置している。なお、筒体63の内周面も、摩擦係数を小さくなるように形成し、前レンズ群61と後レンズ群62がスムーズに前後進移動するようにしている。
【0076】
そして、電磁石65の両端にコア65aを設け、コア65aの先端を筒体63に重合するようにしている。このコア65aの先端部分が、電磁石65による電磁力を作用させる部分となる。さらに、筐体60の後端部分には、CCD等の撮像素子69が配置され、前レンズ群61,後レンズ群62を介して入射された光が、撮像素子69上で結像する。
【0077】
また、前レンズ群61並びに後レンズ群62は、所定枚数のレンズと、それを支持する支持体を含んだ構成である。そして、この前レンズ群61と後レンズ群62は、それぞれ筒体63の両端に設置されたバネ抑え部63aとの間に介在する圧縮コイルバネ64により、常時中央に向けて付勢された構成を採っている。さらに、電磁石65の両端に設けたコア65aの先端を結ぶ線上の所定位置に、2個の位置決めストッパ66と、1個の中央位置決めストッパ67を配置するとともに、前レンズ群61,後レンズ群62の外周囲に永久磁石68を埋め込み設置している。より具体的には、図17(a)に示すように、位置決めストッパ66は、磁性体から形成されるとともに、両コア65aに近接した位置にそれぞれ設けられ、前レンズ群61,後レンズ群62がそれぞれ接触した状態で停止するようになっている。この状態が、各レンズ群61,62が基準位置に位置する基本姿勢であり、ズーム倍率が1になるように設定される。
【0078】
また、中央位置決めストッパ67は、永久磁石から形成され、その着磁方向(図中矢印方向)は、前レンズ群61と後レンズ群62にそれぞれ埋め込んだ永久磁石68と同一方向(前方向)にしている。そして、中央位置決めストッパ67の長さ並びに設置位置は、図17(b)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62が共に接近して中央位置決めストッパ67に突き当たったときに、それぞれが後退位置Bと前進位置▲2▼に位置するように設定されている。
【0079】
係る構成にすると、基本姿勢では、図17(a)に示すように、圧縮コイルバネ64は圧縮変形され、前レンズ群61と後レンズ群62がそれぞれ外側に設置された位置決めストッパ66に接触した状態で永久磁石68からの磁気吸引力により固定される。よって、ズーム倍率を1にすることができる。
【0080】
そして、この状態から、電磁石65に通電すると、図17(b)に示すような磁界が発生し、この発生した磁界に対し前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68が磁気的に反発し、位置決めストッパ66から離反するとともに、圧縮コイルバネ64の弾性復元力により中央に移動する。そして、前レンズ群61と後レンズ群62が、中央位置決めストッパ67に突き当たった状態で停止する。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0081】
そして、前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68と、永久磁石からなる中央位置決めストッパ67との間で発生する磁気吸引力により、電磁石65への通電をOFFにしても図17(b)に示した状態を保持する。
【0082】
さらに、図17(b)に示す状態において、電磁石65に対して逆向きに通電すると、電磁石65の磁気吸引力によって永久磁石68が互いに外側に移動し、図17(a)に示すズーム倍率が1倍の状態に復帰する。その後は、通電をOFFにしてもその状態を保持する。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0083】
図18は、本発明の第8の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第7の実施の形態を基本とし、中央位置決めストッパ67′の材質を磁性体から形成している点で相違し、その他の構成は同様である。係る構成にすると、図18(a)に示す基本姿勢では、ズーム倍率を1にすることができ、その状態から図18(b)に示すように、電磁石65に通電すると、前レンズ群61と後レンズ群62に設けた永久磁石68は、電磁石65により発生する磁界に反発し、中央に移動する。よって、ズーム倍率をα倍にすることができる。もちろん、図18(b)の状態から、電磁石65に逆向きの通電をすることにより、図18(a)の状態に復帰させることができる。なお、その他の状態並びに作用効果は、上記した第7の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図19は、本発明の第9の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第7,第8の実施の形態を基本としている。そして、相違点は、前レンズ群61と後レンズ群62間に圧縮コイルバネ64′を1個設け、その圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって、前レンズ群61と後レンズ群62を互いに離反する方向に付勢する。さらに、両端に設ける位置決めストッパ66′は、非磁性体から形成するとともに、中央位置決めストッパ67′を磁性体から形成するようにした。さらにまた、電磁石65に設けるコア65aは、電磁石65の軸方向中央部位に設けた。より具体的には、中央位置決めストッパ67′に近接する位置がよい。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62に設ける永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに逆向きになるようにしている。もちろん図示省略するが、筐体60の後方所定位置には、撮像素子が配置される。
【0085】
係る構成にすると、電磁石65に通電していない基本姿勢では、図19(a)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62は、圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって離反し、筒体63の両端に設けた位置決めストッパ66′に突き当たって位置決め固定される。これにより、ズーム倍率を1にすることができる。
【0086】
この状態から、図19(b)に示すように、電磁石65に通電し、図示するような磁界を発生させると、永久磁石68が磁気的に吸引し、共に中央に移動する。これにより、前レンズ群61と後レンズ群62は、中央位置決めストッパ67′に接触した状態で位置決め固定され、その状態で電磁石65に対して通電をOFFにしても、永久磁石68と中央位置決めストッパ67′間での磁気吸引力によって、圧縮コイルバネ64′を圧縮変形させた状態のまま維持する。よって、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0087】
もちろん、この状態から図19(b)に示すのと逆向きの通電を電磁石65に印加することにより、図19(a)に示す状態に復帰させることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した第7,第8の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0088】
図20は、本発明の第10の実施の形態を示している。本実施の形態は、図18に示す第7から第9の実施の形態と同様に、アクチュエータとして電磁石を用いつつ、図5に示す動作特性を実現し、ズーム倍率を1倍とγ倍の2種類をとることができるようにしたレンズ駆動装置である。
【0089】
基本的な構成は第8の実施の形態と同様であり、筒体63の両端に配置する位置決めストッパ66は磁性体から構成するとともに中央位置決めストッパ67′も磁性体から構成する。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62は、両者間に介在するようにして配置された圧縮コイルバネ64′の両端が接続され、その圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって離反する方向に付勢されている。
【0090】
そして、相違するのは、ズーム倍率が1となる基本姿勢の時の前レンズ群61の位置である。すなわち、図20(a)に示すように、基本姿勢で前レンズ群61が、中央位置決めストッパ67′に接触した状態で磁気吸引により保持されている。そして、その状態で圧縮コイルバネ64′の弾性復元力によって、後レンズ群62が後方に付勢されて位置決めストッパ66に突き当てられた状態で保持される。さらに、前レンズ群61と後レンズ群62に設けられた永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、互いに外側を向くようにしている。
【0091】
この状態で、電磁石65に通電すると、図20(b)に示すように電磁石65による磁界が発生し、永久磁石68は、吸引/反発をし、前レンズ群61と後レンズ群62は、共に前方(図中左側)に移動し、後レンズ群62が中央位置決めストッパ67′に磁気吸着されるとともに、圧縮コイルバネ64′の弾性復元力により、前レンズ群61が位置決めストッパ66に突き当てられた状態で保持される。これにより、前レンズ群61と後レンズ群62が、図20(a)に示す基本姿勢から共に前進移動することができ、しかもその移動量は、中央位置決めストッパ67′の長さ並びに設置位置を調整することにより両者を同じにすることもできるし、異ならせることもできる。よって、図5に示すように前レンズ群61が前進位置Cに来るとともに、後レンズ群62が最前進位置▲4▼に来るように各種の寸法を設定すると、ズーム倍率をγ倍にすることできる。
【0092】
そして、この後、通電をOFFにしても、ズーム倍率がγ倍の状態を維持する。また、逆方向に通電すると、図20(a)に示すズーム倍率が1倍の基本姿勢に復帰する。従って、本実施の形態では、図5に示す動作特性からなるズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を得るレンズ駆動装置を構成することができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0093】
図21は、本発明の第11の実施の形態を示している。本実施の形態は、上記した第10の実施の形態と同様に、ズーム倍率が1倍とγ倍の2種類を採るタイプである。図21に示すように、本実施の形態では、第10の実施の形態に比し、電磁石65を異ならせている。すなわち、電磁石65の中央位置にコア65aを設ける。実際には、2つの電磁石65にてコア65aを挟むことにより実現している。この電磁石65の構成は、図19に示す第9の実施の形態と同様である。また、前レンズ群61と後レンズ群62にそれぞれ設ける永久磁石68の着磁方向(図中矢印方向)は、共に同一で後向き(図中右向き)にしている。さらに、筒体63の両端に設ける位置決めストッパ66′は、非磁性体にしている。
【0094】
係る構成にすると、図21に示す基本姿勢の状態(ズーム倍率が1)から、電磁石65に所定方向の通電をすることにより、図21(b)に示すように、前レンズ群61と後レンズ群62が共に前進移動し、ズーム倍率をγ倍にすることができる。さらに、係る状態から図21(b)と逆向きに通電することにより、図21(a)の状態に復帰させることができる。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
図22以降は、アクチュエータとして、永久磁石を利用したものである。図22は、本発明の第12の実施の形態の要部を示している。すなわち、本実施の形態では、前レンズ群71と後レンズ群72の外周囲の所定位置にスライドガイド73を取り付け、そのスライドガイド73を介してスライドシャフト74に対して軸方向に移動自在にしている。もちろん、前レンズ群71と後レンズ群72は、支持体内にレンズを装着した構成を採り、そのレンズの光軸を合わせている。そして、後レンズ群72の後方に配置する図示省略のCCD等の撮像素子に結像するようにしている。
【0096】
また、スライドシャフト74の両端所定位置には位置決めストッパ75を取り付けるとともに、スライドシャフト74の中間地点に中央位置決めストッパ76を装着している。これにより、前レンズ群71と後レンズ群72は、中央位置決めストッパ76と位置決めストッパ75の間で移動可能となる。そして、位置決めストッパ75間の距離並びに中央位置決めストッパ76の長さ並びに装着位置は、図4に示す動作特性が得られるようにする。
【0097】
つまり、図22(a)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72のスライドガイド73が共に位置決めストッパ75に接触した状態では、前レンズ群71と後レンズ群72とが、それぞれ基準位置A,▲1▼に位置するように設定される。これにより、ズーム倍率を1にすることができる。
【0098】
また、図22(b)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72のスライドガイド73が共に中央位置決めストッパ76に接触した状態では、前レンズ群71と後レンズ群72とが、それぞれ後退位置B,前進位置▲2▼に位置するように設定される。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。
【0099】
そして、係るズーム倍率を1倍とα倍の間で切り替えるための駆動機構は、たとえば、前レンズ群71と後レンズ群72に永久磁石77を取り付けるとともに、その永久磁石77間に出没(出し入れ)自在に磁性体からなる可動片78を挿入することである。すなわち、永久磁石77は、対向面が同極にして互いに反発するようにする。これにより、図22(a)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入しないと、磁気反発により永久磁石77が互いに離反する方向に移動し、位置決めストッパ75とスライドガイド73が接触した状態で位置決め固定される。
【0100】
この状態で、図22(b)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入すると、両永久磁石77は共に可動片78との間で磁気吸引され、磁性体からなる可動片78に向けて近づく。これにより、スライドガイド73が中央位置決めストッパ76に接触した状態で固定される。もちろん、この状態から磁性体からなる可動片78を取り外すと、図22(a)に示す状態に復帰する。
【0101】
また、本実施の形態では、各種の変更実施が可能である。すなわち、たとえば図23に示すように、磁性体からなる可動片78の両面に、それぞれ永久磁石78aを貼り付け、その貼り付けた永久磁石78aと、前レンズ群71と後レンズ群72に設けた永久磁石77とが吸引するように着磁する。
【0102】
これにより、磁性体からなる可動片78を離脱させた場合は、第12の実施の形態と同様に永久磁石77同士が磁気反発を起こし、図23(a)に示す基本姿勢を保持する。そして、その状態から図23(b)に示すように永久磁石78a付きの磁性体からなる可動片78を永久磁石77間に挿入すると、対向する永久磁石77,78a同士が磁気吸引し、よりスムーズに接近するとともに、その状態(ズーム倍率がα倍の状態)をより強固に保持することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0103】
別の変形例としては、図24に示すように、第12の実施の形態を基本とし、前レンズ群71と後レンズ群72に取り付ける永久磁石77を肉薄(約半分)にするとともに、対向面側に配置し、反対側(外側)は磁性体77aを配置するように構成することもできる。このようにすると、高価な永久磁石の使用量を削減でき、コスト削減効果が期待できる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びに変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0104】
さらにまた、図25に示すように、圧縮コイルバネ79の力を利用することもできる。すなわち、第12の実施の形態を基本とし、前レンズ群71と後レンズ群72に設けた永久磁石77の外側に圧縮コイルバネ79の一端を取り付ける。もちろん、圧縮コイルバネ79の他端は、バネ抑え(図17の符号63a等参照)等によりその位置が規制されている。
【0105】
これにより、図25(a)に示すように、磁性体からなる可動片78を永久磁石77間から離脱すると、永久磁石77の反発力により、圧縮コイルバネ79を圧縮変形させながら離反し、ズーム倍率が1に設定される。そして、図25(b)に示すように、可動片78を永久磁石77間に挿入すると、永久磁石77との間の磁気吸引力に加え、圧縮コイルバネ79の弾性復元力により、より迅速に図示するズーム倍率をα倍に設定することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0106】
また、上記したように圧縮コイルバネ79を利用することにより、たとえば図26に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72に磁性体77′を取り付けるとともに、永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間に出入させるようにする。これにより、図26(a)に示すように、永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間から離脱させると、圧縮コイルバネ79の弾性復元力によって磁性体77′ひいては前レンズ群71,後レンズ群72を離反させ、ズーム倍率を1にすることができるとともに、スライドガイド73を位置決めストッパ75にしっかりと接触させて位置決めすることができる。
【0107】
その状態で、図26(b)に示すように永久磁石からなる可動片78′を磁性体77′間に挿入すると、磁気吸引力が発生し、両磁性体77′同士を吸引・固定することができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0108】
さらに図27に示すように、図26に示す変形例における磁性体77′を永久磁石77にすることもできる。この場合に、図27(a)に示すように、移動する永久磁石78′が存在しない状態では、前レンズ群71と後レンズ群72に取り付けた永久磁石77間の磁気吸引力よりも圧縮コイルバネ79の弾性復元力の方が大きく、図示のようにズーム倍率が1に設定される。そして、永久磁石77間に永久磁石からなる可動片78′を挿入すると、その可動片78′と永久磁石77間での磁気吸引力が大きく発生し、図27(b)に示すように、スライドガイド73を中央位置決めストッパ76に突き当たって停止する。これにより、ズーム倍率をα倍にすることができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図28は、さらに別の変形例を示している。この例では、中央位置決めストッパ76′を磁性体からなる可動片78の両面に取り付けている。これにより、図28(a)に示すように可動片78を離脱させた状態では、永久磁石77同士が反発し合い、スライドガイド73が両端の位置決めストッパ75に接触して位置決め固定される。また、可動片78を永久磁石77間に挿入した場合には、永久磁石77が互いに磁性体78との間で磁気吸着し、図28(b)に示すように永久磁石77が中央位置決めストッパ76′に接触し、この位置を保持する。もちろん、この状態から磁性体からなる可動片78を外側へ移動させると、永久磁石77同士が磁気反発し、図28(a)に示す状態に復帰する。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0110】
図29は、さらに別の変形例を示している。この例では、第12の実施の形態を基本とし、磁性体からなる可動片78を外側に移動した時(図29(a)参照)の停止位置の近傍に、補助磁石80を設けている。しかも補助磁石80の間隔は、図29(a)に示すように前レンズ群71と後レンズ群72が離反したときの永久磁石77の間隔よりは狭く、図29(b)に示すように、前レンズ群71と後レンズ群72が磁気吸引した時の永久磁石77の間隔よりは長くしている。これにより、図29(a),(b)から明らかなように、一対の永久磁石77の間隔と、補助磁石80の間隔は、磁性体からなる可動片78が挿入された方が短くなるため、その状態で安定するとともに、可動片78を移動させてその状態から離脱しようとした場合も、すぐ近くに永久磁石77或いは補助磁石80が存在するため、現在の状態から離脱する際に小さい力でスムーズに移動させることができる。なおその他の構成並びに作用効果は、第12の実施の形態並びにその変形例と同様であるので、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0111】
また、上記した図29に示す技術思想は、例えば図30に示すように、可動片78′が永久磁石の場合には、補助磁石80に替えて補助磁性体80′を設けることによって同様の機能を実現することができる。
【0112】
上記した第12の実施の形態ならびに各種の変形例において示した可動片78,78′を移動させるための具体的な駆動機構は、図31以降に示す各種の構成をとることができる。まず、図31,図32は、共に手動操作によって移動させるようにしている。すなわち、図31では、磁性体からなる可動片78に作動レバー82を設け、ユーザはその作動レバー82を持って往復直線移動させることにより、図31(a)に示すように、可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)の状態と、図31(b)に示すように可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍の2つの状態を切替えることができる。
【0113】
また、上記した例では、可動片78並びに作動レバー82が直線運動をするようにしたが、図32に示すように、一端に磁性体からなる可動片78を取り付けた作動レバー83を回転軸83aに連結し、作動レバー82の他端に操作部84を設ける。これにより、操作部84を略上下移動(実際には弧状軌跡で移動)させることにより、作動レバー83は回転軸83aを中心に、所定角度範囲内で正逆回転する。よって、図32(a)に示すように、可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)の状態と、図32(b)に示すように可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍の2つの状態を切替えることができる。
【0114】
さらに、図33に示すように、図32に示した構成を基本とし、回転軸83aをステッピングモータ85の出力軸とすることもできる。係る構成を採ると、ステッピングモータ85を正逆回転させることにより、自動的に可動片78を永久磁石77間に出し入れし、ズーム倍率の切替をすることができる(図33(a),(b)参照)。
【0115】
さらにまた、可動片78を自動的に移動させる際のアクチュエータとしてリニアアクチュエータ86を用いることもできる。すなわち、図34に示すように、リニアアクチュエータ86を構成する往復直線運動するロッド86aの先端に可動片78を設け、ロッド86aが引き戻された場合に可動片78が永久磁石77間から離脱した基本姿勢(ズーム倍率が1)をとり(図34(a)参照)、ロッド86aが最も突出した場合に可動片78が永久磁石77間に挿入されてズーム倍率がα倍になる(図34(b)参照)ように調整する。これにより図示省略するスイッチ操作により、リニアアクチュエータ86を稼働させることにより、2つのズーム倍率を切り替えすることができる。
【0116】
さらには、図35に示すように、アクチュエータ87として、湾曲したロッド87aを用いて弧状に往復移動させるものを用いても、上記と同様にスイッチ操作に基づいて2種類のズーム倍率の切替をすることができる。
【0117】
また、上記した各駆動機構の具体例は、第12の実施の形態に適用した例を示したが、他の変形例に対しても同様の構成を採ることはできるのはもちろんである。
【0118】
図36から図38は、本発明の第13の実施の形態を示している。本実施の形態は、図7に示す動作特性を実現するためのもので、レンズ群を移動させるためのアクチュエータとしてステッピングモータを用いている。
【0119】
基本的な構成は、第1の実施の形態と同様であり、相違するのは前レンズ群も移動可能にしている。つまり、図36から図38に示すように、平面矩形状のベース10は、その前面は、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12が形成されている。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13が設けられるとともに、中央に大径の貫通孔14が形成されている。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示省略するがこの貫通孔14の後方所定位置にCCDなどの撮像素子等が配置される。
【0120】
また、低段部12の上面には、小型のステッピングモータ20が設置されている。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。図示省略するが、ケース本体21の内部中央にロータが配置され、出力軸22がロータの中心に挿入されて一体化されている。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部に、ステータを配置する。なお、係る構成のステッピングモータとしては、例えば、特開平6−1055828号公報や、特開平6−296358号公報に開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、係る構成のものに限られず、各種のものを利用できるのは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分は、ねじ山が切られておりリードスクリューとなっている。
【0121】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれメインガイドピン15a,サブガイドピン15bの一端が挿入されて固着されている。そして、この両ガイドピン15a,15bに対して、後群可動体30が移動可能に挿入されている。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、この貫通孔32内を両ガイドピン15a,15bが挿入配置され、これにより、メインガイドピン15a,サブガイドピン15bによって支持された後群可動体30は安定した姿勢で各ガイドピン15a,15bに沿って前後進移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示省略する後レンズ群(1枚の場合もある)が装着される。よって、後群可動体30の前後進移動に伴い、後レンズ群も前後進移動する。また、この後群可動体30を各ガイドピン15a,15bに装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0122】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34が形成されるとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35が形成されている。そして、この凹部35内にリードナット36が挿入固着されている。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36ひいては後群可動体30が前後進移動する。
【0123】
さらにまた、メインガイドピン15aは、ベース10の低段部12の角部にも起立配置しており、その低段部12上に取り付けたメインガイドピン15aの先端部位は後群可動体30に対して移動可能に装着されている。
【0124】
一方、高段部11に設けた各ガイドピン15a,15bの先端には、前レンズ群を支持する前群可動体40′が装着されている。この前群可動体40′は、第1の実施の形態と相違して、各ガイドピン15a,15bに対して、軸方向に所定距離移動可能に設定されている。より具体的には、メインガイドピン15aに対しては、そのメインガイドピン15aの外径と略一致する内径からなる孔部44内にスルー状態で挿入する。
【0125】
また、2本のサブガイドピン15bの先端には、円板状のストッパ45が取り付けられている。このストッパ45の外径は、サブガイドピン15bの外径よりも一回り大きくしている。そして、前群可動体40′の所定位置に形成した孔部46は、上記したサブガイドピン15bが相対移動可能に挿入されるようになる。その孔部46の内径は、後方部位はサブガイドピン15bの外径とほぼ一致させ、前方部位はサブガイドピン15bの外径よりも一回り大きくし、少なくともストッパ45が挿入配置可能としている。さらに、サブガイドピン15bの先端側には、同軸状にスプリング47を装着している。このスプリング47の両端は、ストッパ45並びに孔部46の奥面に接触し、ストッパ45と奥面を離反させるように付勢する。
【0126】
これにより、ベース10に対するサブガイドピン15bの先端に取り付けたストッパ45の位置は不変であるので、スプリング47の弾性復元力により、前群可動体40′は、後方に向けて付勢され、図36に示す状態で固定される。そして、図36に示すように、後群可動体30が後退移動してベース10に接触した状態では、前群可動体40′(前レンズ群)が基準位置Aに位置し、後群可動体30(後レンズ群)が基準位置▲1▼に位置するように各寸法が設定されている。
【0127】
さらに、サブガイドピン15bには、前群可動体40′の後面側に固着状態でスペーサ43が挿入配置されている。もちろん、必ずしも前群可動体40′に固着する必要はなく、フリー状態でも良いし、後群可動体30側に固着させても良い。そして、このスペーサ43の厚さは、図38に示すように前群可動体40′と後群可動体30が共にスペーサ43に接触した状態における前レンズ群と後レンズ群間の距離が、図7に示す距離d3、つまり、ズーム倍率がγ倍が得られるレンズ間距離(C−▲4▼)に一致させている。
【0128】
そして、この前群可動体40′の中央部位、つまり、ベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前レンズ群を挿入配置する。
【0129】
係る構成にすることにより、ステッピングモータ20の出力軸22を逆回転させて後群可動体30を後退移動させ、図36(a)に示すようにベース10の前面に接する基本姿勢にすると、ズーム倍率が1倍に設定できる。
【0130】
この状態からステッピングモータ20の出力軸22を正回転させて後群可動体30を前進移動させ、図37に示すように所定位置(前群可動体40′に非接触か、接触しても前方へ付勢しない位置)にすると、ズーム倍率をβ倍(例えば2倍)にすることができる。そして、アクチュエータとしてステッピングモータ20を用いたため、ステップ数を制御することにより、後群可動体30の位置を精度良く制御できる。
【0131】
この状態でさらにステッピングモータ20を正回転させて後群可動体30をさらに前進移動させる。すると、図38に示すように、後群可動体30はスペーサ43を介して前群可動体40′に突き当たり、これを前方に押し出す。これに伴い、前群可動体40′と後群可動体30が一体になって前方移動する。そして、前群可動体40′が前方位置C(後群可動体30が最前方位置▲4▼)に位置したときにステッピングモータ20の回転を停止する。これにより、ズーム倍率をγにすることができる。従って、本実施の形態では、1倍→β倍→γ倍の3値をとることができる。
【0132】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るレンズ駆動装置では、レンズ支持部材の停止位置を1箇所,2箇所或いは3箇所というように少ない数に限定した(ズーム倍率を限定した)ことにより、複雑な機構のカムや高度な制御や複雑な機構を必要とせず、簡単な機構で位置決めすることができ、シンプルで小型で安価なレンズ駆動装置を構成することができる。そのため、携帯電話機などに対しても、光学ズーム対応のレンズ駆動装置として実装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施の形態の概念を説明する概略構成図である。
【図2】ズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図である。
【図3】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その1)である。
【図4】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その2)である。
【図5】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その3)である。
【図6】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その4)である。
【図7】本発明の動作原理を説明するズーム倍率とレンズ群の位置関係を示す動作特性図(その5)である。
【図8】本発明の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態を示す断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態を示す断面図である。
【図15】コイルの変形例を示す図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態を示す断面図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態を示す断面図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態を示す断面図である。
【図19】本発明の第9の実施の形態を示す断面図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態を示す断面図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態を示す断面図である。
【図22】本発明の第12の実施の形態を示す図である。
【図23】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図24】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図25】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図26】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図27】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図28】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図29】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図30】本発明の第12の実施の形態の変形例を示す図である。
【図31】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図32】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図33】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図34】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図35】本発明の第12の実施の形態における可動片の駆動機構の一例を説明する図である。
【図36】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【図37】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【図38】本発明の第13の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 前レンズ群
2 後レンズ群
3 前群可動体
4 後群可動体
5 筒体
6 CCD
10 ベース
20 ステッピングモータ
30 後群可動体
40 前群支持体
Claims (6)
- 直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、
前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、
前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持し、
前記第1レンズ支持部材は固定し、
前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、
2種類のズーム倍率を切替えることができるようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、
前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、
前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持し、
前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、
前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、
前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより2種類のズーム倍率を切替えることができるようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、
前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、
前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持し、
前記第1レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の2箇所で停止するように構成し、
前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の所望の3箇所で停止するように構成し、
前記第1,第2レンズ支持部材の停止位置を制御することにより3種類のズーム倍率を切替えることができるようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の少なくとも一方に対する移動は、ステッピングモータの出力に基づいて行うようにしたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のレンズ駆動装置。
- 前記第1レンズ支持部材と前記第2レンズ支持部材の移動は、ソレノイド,リレー,永久磁石の少なくとも1つをアクチュエータとして利用し、
そのアクチュエータの出力に伴い、第1,第2レンズ支持部材が連動して移動することにより、2種類の相対位置関係を切替制御するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズ駆動装置。 - 前記第2レンズ支持部材は、ステッピングモータの出力を受けて、前後進移動するようにし、
前記第1レンズ支持部材は、前記第2レンズ支持部材からの付勢力によって移動可能とし、前記付勢力を受けない状態での第1位置と、前記付勢力により移動した第2位置の2箇所で停止するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のレンズ駆動装置。
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