JP2004143396A - 耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液とその製造方法に関する。本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、ビニルアセテート単量体とエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを、常圧下で乳化重合反応させ、一液型自己架橋型の乳化液を調製することにより得られる。
【効果】本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、加熱せずとも常温下で乾燥し自己架橋化することで優れた耐水性を示す塗膜を生成し、かつ該乳化液は、使用時に架橋剤が不用で、操作性を改善する上で充分有利である。
【選択図】 なし
【効果】本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、加熱せずとも常温下で乾燥し自己架橋化することで優れた耐水性を示す塗膜を生成し、かつ該乳化液は、使用時に架橋剤が不用で、操作性を改善する上で充分有利である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、ビニルアセテート単量体と不飽和性官能基を有するシリコン含有単量体とを、常圧下で乳化重合反応を行うことにより、自己架橋型ポリビニルアセテート共重合体を含有する一液型乳化液を製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリビニルアセテート樹脂は、熱可塑性高分子ポリマーとして早くから発明されている。1940年代に入り、その乳化液型の出現をきっかけとして初めて大量に使用されるようになり、現在では、全世界の年間消費量として数百万トン以上が使用されている。
【0003】
ポリビニルアセテート樹脂は加熱せずとも使用することができるので、木材器具や家具などの広い分野でバインダーとして大量に使用されている。さらに、セルロースやその他の素材に対して優れた粘着性を示すので、紙器や繊維の粘着や硬化加工などの用途にも多く使用されている。
木材のバインダーとして用いられるポリビニルアセテート樹脂乳化液は、一般にはホモポリマーを主として利用し、木材に対して極めて優れた粘着性を有するものである。しかし、ポリビニルアセテート樹脂乳化液の粘着剤は、水に極めて感受性が高く、生成した粘着層が耐水性に欠けるようになるため、共重合反応を利用することでその粘着層の強度と耐水性を改善する必要がある。工業上、ポリビニルアセテート樹脂を得る際に行われる共重合反応に用いられる単量体としては、例えば、マレイン酸ジブチルエステルなどのマレイン酸アルキルエスエル、アクリル酸ブチルエステルなどのアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記の単量体を用いコポリマーとすると、ホモポリマーの物性を改善することができるが、耐熱性が悪く、粘着強度も弱く、さらに硬化に長時間を必要とするので作業性の問題があった。
【0004】
また、反応温度を高くし急激に攪拌することにより得られるグラフト構造が形成されたポリビニルアセテート樹脂は、ポリマー樹脂の機械特性を高めることができるが、耐水性を改善するには依然として問題があった。通常、ポリビニルアセテート樹脂を製造する際の共重合反応において、コポリマーに多官能基や架橋基を与え、架橋反応により三次元の立体構造を有する硬度の高い硬化物を得ることで、耐水性と耐熱性を高めることができる。一般には、N−メチロールアクリルアミドを自己架橋単量体として用い、共重合反応させてポリビニルアセテート樹脂を得た後、酸性塩を加え、加熱硬化させることで初めて高い耐水性が得られる(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
また、特許文献1(Armour)には、ビニルアセテートエステルとアクリル酸エステルとの共重合反応後に、酸性金属塩を硬化剤として加えて加熱することにより、その耐水性を向上する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
上記文献と特許は共重合反応により物性を改善している点で特徴的であるが、粘着性不足の問題があり、または硬化剤を加えて加熱硬化させることにより物性を向上させているなどの問題があった。さらに、二液型であることにより作用を複雑にし、有益なる方法とは言い難い。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第3563851号公報
【非特許文献1】
粘着剤ハンドブック 第3版、1990年
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、加熱せずに常温下で乾燥するだけで自己架橋し、耐水性を生じ、かつ架橋剤を用いなくてもよいため操作性が改善された、耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液を提供することにある。
本発明の他の目的は、ビニルアセテート単量体と多官能基のシリコン含有単量体とを常圧下で乳化重合反応を行ない、一液型自己架橋型乳化液を得ることができる耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明の概要】
本発明者は、現行のポリビニルアセテートエステル粘着剤の操作性と使用装置などの問題点を考慮に入れて広く研究した結果、常温下で乾燥し、加熱を必要とせずに自己架橋により高耐水性を付与可能なポリビニルアセテートエステル共重合体の製造方法を確立することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有することを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、nは0〜5の整数を示し;x/yの比率は4〜1000であり;上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は1000〜800,000である。)
前記x/yの比率が4〜190、好ましくは15〜190であることが望ましい。
本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法は、ビニルアセテート単量体と、下記一般式(II)で表されるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを反応させる製造方法であって、
前記ビニルアセテート単量体と、該ビニルアセテート単量体および前記シリコン含有単量体の総重量に占める比率が0.01〜15%である該シリコン含有単量体とを、常圧下、含水媒体中において触媒の共存下に、反応温度55〜90℃で反応させ、下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有するポリビニルアセテート乳化液を製造することを特徴とする。
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、R1は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜40のアルコキシル基を表わし;nは、0〜5の整数を示し、mは、0〜3の整数を示す)
【0014】
【化6】
【0015】
(式中、nは、0〜5の整数を示し;x/yの比率は、4〜1000であり;上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は、1000〜800,000である。)
前記反応後、さらに65〜95℃の温度下で熟成することが好ましい。
前記触媒が過酸化物であり、好ましくは過酸化水素または過酸化ベンゾイルであることが好ましく、過硫酸塩または過マンガン酸塩であることも好ましい。
【0016】
前記過硫酸塩が過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の触媒であることが好ましい。
前記エチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体が、ビニルアセテート単量体と上記含シリコン単量体との総重量に占める比率が0.5〜3%であることが好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液に関する。
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、nは0〜5の整数であり、x/yの比率は4〜1000であり、好ましくは4〜190、最も好ましくは15〜190である)。
上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は1,000〜800,000であり、好ましくは50,000〜600,000であり、最も好ましくは10,000〜500,000である。
【0020】
本発明においては上記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体中、x個の繰り返し単位の−(CH2−CH(OCOCH3))−と、y個の繰り返し単位の−(CH2−CHR)−とは、ランダム共重合体やブロック共重合、または両者の混合であっても良い。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液に用いられるポリビニルアセテート共重合体(以下、ポリビニルアセテートと称することもある)は、含水媒体中では架橋化せず、水を除去し、乾燥した後に自己架橋化するので、加熱する必要がなく、また架橋剤や硬化触媒などを加える必要もない。さらに、ポリビニルアセテート共重合体を含水媒体中に乳化させた乳化液型であれば、保存期間の問題がなく(実質的には、常温下で6ヶ月保存しても安定性に問題がない)、かつ、乾燥するだけでポリビニルアセテート共重合体が自己架橋する。そのため、従来の二液型の問題点である架橋剤や触媒を添加する点を改良し、さらに加熱を必要としないことで、操作をも簡便になる。
【0021】
また、本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、乾燥硬化後に優れた皮膜強度と耐水性を示し、製品の物性が高まるだけでなく、利用性をも増大する。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液の自己架橋化のメカニズムは、本発明の製造方法により明らかにされ得るので、以下に説明する。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、常圧下、含水媒体中で、ビニルアセテート単量体と下記一般式(II)で表されるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを、触媒の共存下で反応させて製造される。
【0022】
【化8】
【0023】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基を示し;
R2は炭素数1〜40のアルコキシル基を示し、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシル基であり;
nは0〜5の整数を示し;
mは0〜3の整数を示し、好ましくは0〜2である。)
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、上記エチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体の配合量は、ビニルアセテート単量体と上記シリコン含有単量体の総重量の0.01〜15%、好ましくは0.5〜3%であり;反応温度は55〜90℃、好ましくは60〜80℃であり;常圧下で4〜8時間反応を行う。反応終了後、65〜95℃の温度下、より好ましくは70〜90℃で2〜3時間熟成することにより製造される。
【0024】
本発明において用いられる炭素数1〜6のアルキル基と炭素数1〜40のアルコキシル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。
本発明において用いられるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体としては、これらに制限されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルエチルトリプロポキシシラン、ビニルトリペントキシシラン、ビニルトリヘキソキシシランなどが挙げられる。
【0025】
本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、用いられる触媒としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過マンガン酸塩などの過酸化物等が挙げられる。
本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、用いられる含水媒体としては、反応に悪い影響を与えない限り、任意の含水溶剤を使用することができる。
【0026】
以下、下記反応径路図により、さらに本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法について詳しく説明する。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
(式中、すべての符号は前記とそれぞれ同じ意味を有する。)
上記の反応径路により、ビニルアセテートとエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とが共重合反応した後、一般式(III)で表されるポリビニルアセテート共重合体を得て、さらに水の共存下で加水分解をすることにより、一般式(IV)で表されるヒドロキシル基を有するシリコン含有ポリビニルアセテート共重合体が生成される。
【0030】
この一般式(IV)で表されるヒドロキシル基を有するシリコン含有ポリビニルアセテート共重合体は、引き続き自己架橋化して脱水することにより架橋化反応を終了し、本発明の一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液を得ることができる。本発明において一般式(I)では、y個の繰り返し単位が全て架橋している構造を例にとって示したが、部分的に架橋していない構造を何ら排除するものではない。
【0031】
反応径路Bより明らかなことは、本発明において一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体は、水中で加水分解を終えているにもかかわらず、水の共存下において架橋化せず、その保存期間や操作の面で問題がない点にある。本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、使用時に触媒を加える必要がなく、また塗布後、加熱しなくとも架橋する。さらに、本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、一般操作に必要とする約2〜6時間内に急速に硬化するという問題もないので、操作上、時間的に限定されず有利である。
【0032】
本発明の製造方法により得た一液型ポリビニルアセテート乳化液は、25℃に6個月以上保存しても、充分優れた安定性を有する。したがって、従来の二液型ポリビニルアセテート乳化液と比較した場合、本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液が如何に優れた保存安定性を有することが充分に理解される。
【0033】
【発明の効果】
本発明に関する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、加熱せずとも常温下で乾燥し、自己架橋化することで耐水性を生じ、かつ架橋剤が不用で、操作性を改善する上で充分有利である。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】
常圧において、乳化重合反応器中、重合度1700の10%のポリビニルアルコール水溶液980gを調製する。また、別に約8〜10%の過硫酸アンモニウム溶液50gを準備し、さらにビニルアセテート単量体900gとビニルトリメトキシシラン60gとの単量体混合物を別途に準備する。10%のポリビニルアルコール水溶液を80℃に昇温した時点で、過硫酸アンモニウム溶液20gを加え、均一になるまで混合した。さらに、3ml/minの速度で上記の単量体混合物と、0.07g/minの速度で20gの過硫酸アンモニウム溶液を前記反応器中に滴下し、80℃で5時間反応させる。反応終了後、温度を90℃にあげ、続いて残余の過硫酸アンモニウム溶液を上記重合反応生成物中に滴下して、さらに1.5時間熟成する。熟成完了後、温度を室温まで下げて本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液を得る。
【0036】
次に、JIS−K6828に記載の方法により本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液について、その粘度、固形物とpHを測定した。また、CNS1349に記載の方法により、本発明の一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液が乾燥・架橋した後に得られた硬化膜について、浸水剥離試験を行ない、さらにEN204の方法に準拠して耐水性を評価した。別に市販のポリビニルアセテート製品(長春石油化学(株)製品、商品番号AE―150)についても同様に測定し比較した。
【0037】
その結果を合わせて第1表に示す。
【0038】
【実施例2】
ビニルトリメトキシシランに替えて、ビニルトリイソプロポキシシランを使用した以外は実施例1と同様にして本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液を調製し、かつ実施例1と同様にして製品の物性を測定した。
その結果を表1に合わせて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【実施例3〜6】
ビニルトリメトキシシランに替り、ビニルトリイソプロポキシシランを使用し、ビニルアセテート単量体/ビニルトリイソプロポキシシラン単量体との重量比をそれぞれ924/40、884/80、864/100と824/140(順に、実施例3〜6)に替えた以外は、実施例1と同様にして本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液を製造し、かつ実施例1と同様にして製品の物性を測定した。
【0041】
その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
<試験例>
JIS−K6828に記載の方法により、前記実施例1〜6で得た本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液について、それぞれ25℃と40℃における乳化液の粘度安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
上記実施例により本発明の方法を用いて製造した耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、優れた安定性を有し、該乳化液から得られた塗膜は優れた耐水性を示すことが理解される。
【発明の技術分野】
本発明は、耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、ビニルアセテート単量体と不飽和性官能基を有するシリコン含有単量体とを、常圧下で乳化重合反応を行うことにより、自己架橋型ポリビニルアセテート共重合体を含有する一液型乳化液を製造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリビニルアセテート樹脂は、熱可塑性高分子ポリマーとして早くから発明されている。1940年代に入り、その乳化液型の出現をきっかけとして初めて大量に使用されるようになり、現在では、全世界の年間消費量として数百万トン以上が使用されている。
【0003】
ポリビニルアセテート樹脂は加熱せずとも使用することができるので、木材器具や家具などの広い分野でバインダーとして大量に使用されている。さらに、セルロースやその他の素材に対して優れた粘着性を示すので、紙器や繊維の粘着や硬化加工などの用途にも多く使用されている。
木材のバインダーとして用いられるポリビニルアセテート樹脂乳化液は、一般にはホモポリマーを主として利用し、木材に対して極めて優れた粘着性を有するものである。しかし、ポリビニルアセテート樹脂乳化液の粘着剤は、水に極めて感受性が高く、生成した粘着層が耐水性に欠けるようになるため、共重合反応を利用することでその粘着層の強度と耐水性を改善する必要がある。工業上、ポリビニルアセテート樹脂を得る際に行われる共重合反応に用いられる単量体としては、例えば、マレイン酸ジブチルエステルなどのマレイン酸アルキルエスエル、アクリル酸ブチルエステルなどのアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記の単量体を用いコポリマーとすると、ホモポリマーの物性を改善することができるが、耐熱性が悪く、粘着強度も弱く、さらに硬化に長時間を必要とするので作業性の問題があった。
【0004】
また、反応温度を高くし急激に攪拌することにより得られるグラフト構造が形成されたポリビニルアセテート樹脂は、ポリマー樹脂の機械特性を高めることができるが、耐水性を改善するには依然として問題があった。通常、ポリビニルアセテート樹脂を製造する際の共重合反応において、コポリマーに多官能基や架橋基を与え、架橋反応により三次元の立体構造を有する硬度の高い硬化物を得ることで、耐水性と耐熱性を高めることができる。一般には、N−メチロールアクリルアミドを自己架橋単量体として用い、共重合反応させてポリビニルアセテート樹脂を得た後、酸性塩を加え、加熱硬化させることで初めて高い耐水性が得られる(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
また、特許文献1(Armour)には、ビニルアセテートエステルとアクリル酸エステルとの共重合反応後に、酸性金属塩を硬化剤として加えて加熱することにより、その耐水性を向上する方法が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
上記文献と特許は共重合反応により物性を改善している点で特徴的であるが、粘着性不足の問題があり、または硬化剤を加えて加熱硬化させることにより物性を向上させているなどの問題があった。さらに、二液型であることにより作用を複雑にし、有益なる方法とは言い難い。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第3563851号公報
【非特許文献1】
粘着剤ハンドブック 第3版、1990年
【0007】
【発明の目的】
本発明の目的は、加熱せずに常温下で乾燥するだけで自己架橋し、耐水性を生じ、かつ架橋剤を用いなくてもよいため操作性が改善された、耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液を提供することにある。
本発明の他の目的は、ビニルアセテート単量体と多官能基のシリコン含有単量体とを常圧下で乳化重合反応を行ない、一液型自己架橋型乳化液を得ることができる耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明の概要】
本発明者は、現行のポリビニルアセテートエステル粘着剤の操作性と使用装置などの問題点を考慮に入れて広く研究した結果、常温下で乾燥し、加熱を必要とせずに自己架橋により高耐水性を付与可能なポリビニルアセテートエステル共重合体の製造方法を確立することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有することを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、nは0〜5の整数を示し;x/yの比率は4〜1000であり;上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は1000〜800,000である。)
前記x/yの比率が4〜190、好ましくは15〜190であることが望ましい。
本発明に係る耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法は、ビニルアセテート単量体と、下記一般式(II)で表されるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを反応させる製造方法であって、
前記ビニルアセテート単量体と、該ビニルアセテート単量体および前記シリコン含有単量体の総重量に占める比率が0.01〜15%である該シリコン含有単量体とを、常圧下、含水媒体中において触媒の共存下に、反応温度55〜90℃で反応させ、下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有するポリビニルアセテート乳化液を製造することを特徴とする。
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、R1は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は炭素数1〜40のアルコキシル基を表わし;nは、0〜5の整数を示し、mは、0〜3の整数を示す)
【0014】
【化6】
【0015】
(式中、nは、0〜5の整数を示し;x/yの比率は、4〜1000であり;上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は、1000〜800,000である。)
前記反応後、さらに65〜95℃の温度下で熟成することが好ましい。
前記触媒が過酸化物であり、好ましくは過酸化水素または過酸化ベンゾイルであることが好ましく、過硫酸塩または過マンガン酸塩であることも好ましい。
【0016】
前記過硫酸塩が過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の触媒であることが好ましい。
前記エチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体が、ビニルアセテート単量体と上記含シリコン単量体との総重量に占める比率が0.5〜3%であることが好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液に関する。
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、nは0〜5の整数であり、x/yの比率は4〜1000であり、好ましくは4〜190、最も好ましくは15〜190である)。
上記ポリビニルアセテート共重合体の分子量は1,000〜800,000であり、好ましくは50,000〜600,000であり、最も好ましくは10,000〜500,000である。
【0020】
本発明においては上記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体中、x個の繰り返し単位の−(CH2−CH(OCOCH3))−と、y個の繰り返し単位の−(CH2−CHR)−とは、ランダム共重合体やブロック共重合、または両者の混合であっても良い。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液に用いられるポリビニルアセテート共重合体(以下、ポリビニルアセテートと称することもある)は、含水媒体中では架橋化せず、水を除去し、乾燥した後に自己架橋化するので、加熱する必要がなく、また架橋剤や硬化触媒などを加える必要もない。さらに、ポリビニルアセテート共重合体を含水媒体中に乳化させた乳化液型であれば、保存期間の問題がなく(実質的には、常温下で6ヶ月保存しても安定性に問題がない)、かつ、乾燥するだけでポリビニルアセテート共重合体が自己架橋する。そのため、従来の二液型の問題点である架橋剤や触媒を添加する点を改良し、さらに加熱を必要としないことで、操作をも簡便になる。
【0021】
また、本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、乾燥硬化後に優れた皮膜強度と耐水性を示し、製品の物性が高まるだけでなく、利用性をも増大する。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液の自己架橋化のメカニズムは、本発明の製造方法により明らかにされ得るので、以下に説明する。
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、常圧下、含水媒体中で、ビニルアセテート単量体と下記一般式(II)で表されるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを、触媒の共存下で反応させて製造される。
【0022】
【化8】
【0023】
(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基を示し;
R2は炭素数1〜40のアルコキシル基を示し、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシル基であり;
nは0〜5の整数を示し;
mは0〜3の整数を示し、好ましくは0〜2である。)
本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、上記エチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体の配合量は、ビニルアセテート単量体と上記シリコン含有単量体の総重量の0.01〜15%、好ましくは0.5〜3%であり;反応温度は55〜90℃、好ましくは60〜80℃であり;常圧下で4〜8時間反応を行う。反応終了後、65〜95℃の温度下、より好ましくは70〜90℃で2〜3時間熟成することにより製造される。
【0024】
本発明において用いられる炭素数1〜6のアルキル基と炭素数1〜40のアルコキシル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状のものが挙げられる。
本発明において用いられるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体としては、これらに制限されるものではないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルエチルトリプロポキシシラン、ビニルトリペントキシシラン、ビニルトリヘキソキシシランなどが挙げられる。
【0025】
本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、用いられる触媒としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過マンガン酸塩などの過酸化物等が挙げられる。
本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法において、用いられる含水媒体としては、反応に悪い影響を与えない限り、任意の含水溶剤を使用することができる。
【0026】
以下、下記反応径路図により、さらに本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法について詳しく説明する。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
(式中、すべての符号は前記とそれぞれ同じ意味を有する。)
上記の反応径路により、ビニルアセテートとエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とが共重合反応した後、一般式(III)で表されるポリビニルアセテート共重合体を得て、さらに水の共存下で加水分解をすることにより、一般式(IV)で表されるヒドロキシル基を有するシリコン含有ポリビニルアセテート共重合体が生成される。
【0030】
この一般式(IV)で表されるヒドロキシル基を有するシリコン含有ポリビニルアセテート共重合体は、引き続き自己架橋化して脱水することにより架橋化反応を終了し、本発明の一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液を得ることができる。本発明において一般式(I)では、y個の繰り返し単位が全て架橋している構造を例にとって示したが、部分的に架橋していない構造を何ら排除するものではない。
【0031】
反応径路Bより明らかなことは、本発明において一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体は、水中で加水分解を終えているにもかかわらず、水の共存下において架橋化せず、その保存期間や操作の面で問題がない点にある。本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、使用時に触媒を加える必要がなく、また塗布後、加熱しなくとも架橋する。さらに、本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液は、一般操作に必要とする約2〜6時間内に急速に硬化するという問題もないので、操作上、時間的に限定されず有利である。
【0032】
本発明の製造方法により得た一液型ポリビニルアセテート乳化液は、25℃に6個月以上保存しても、充分優れた安定性を有する。したがって、従来の二液型ポリビニルアセテート乳化液と比較した場合、本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液が如何に優れた保存安定性を有することが充分に理解される。
【0033】
【発明の効果】
本発明に関する耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、加熱せずとも常温下で乾燥し、自己架橋化することで耐水性を生じ、かつ架橋剤が不用で、操作性を改善する上で充分有利である。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0035】
【実施例1】
常圧において、乳化重合反応器中、重合度1700の10%のポリビニルアルコール水溶液980gを調製する。また、別に約8〜10%の過硫酸アンモニウム溶液50gを準備し、さらにビニルアセテート単量体900gとビニルトリメトキシシラン60gとの単量体混合物を別途に準備する。10%のポリビニルアルコール水溶液を80℃に昇温した時点で、過硫酸アンモニウム溶液20gを加え、均一になるまで混合した。さらに、3ml/minの速度で上記の単量体混合物と、0.07g/minの速度で20gの過硫酸アンモニウム溶液を前記反応器中に滴下し、80℃で5時間反応させる。反応終了後、温度を90℃にあげ、続いて残余の過硫酸アンモニウム溶液を上記重合反応生成物中に滴下して、さらに1.5時間熟成する。熟成完了後、温度を室温まで下げて本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液を得る。
【0036】
次に、JIS−K6828に記載の方法により本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液について、その粘度、固形物とpHを測定した。また、CNS1349に記載の方法により、本発明の一液型ポリビニルアセテート共重合体乳化液が乾燥・架橋した後に得られた硬化膜について、浸水剥離試験を行ない、さらにEN204の方法に準拠して耐水性を評価した。別に市販のポリビニルアセテート製品(長春石油化学(株)製品、商品番号AE―150)についても同様に測定し比較した。
【0037】
その結果を合わせて第1表に示す。
【0038】
【実施例2】
ビニルトリメトキシシランに替えて、ビニルトリイソプロポキシシランを使用した以外は実施例1と同様にして本発明の一液型ポリビニルアセテート乳化液を調製し、かつ実施例1と同様にして製品の物性を測定した。
その結果を表1に合わせて示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【実施例3〜6】
ビニルトリメトキシシランに替り、ビニルトリイソプロポキシシランを使用し、ビニルアセテート単量体/ビニルトリイソプロポキシシラン単量体との重量比をそれぞれ924/40、884/80、864/100と824/140(順に、実施例3〜6)に替えた以外は、実施例1と同様にして本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液を製造し、かつ実施例1と同様にして製品の物性を測定した。
【0041】
その結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
<試験例>
JIS−K6828に記載の方法により、前記実施例1〜6で得た本発明の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液について、それぞれ25℃と40℃における乳化液の粘度安定性を測定した。その結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
上記実施例により本発明の方法を用いて製造した耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液は、優れた安定性を有し、該乳化液から得られた塗膜は優れた耐水性を示すことが理解される。
Claims (10)
- 前記x/yの比率が4〜190である、請求項1に記載の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液。
- 前記x/yの比率が15〜190である、請求項1に記載の耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液。
- ビニルアセテート単量体と、下記一般式(II)で表されるエチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体とを反応させて得られるポリビニルアセテート乳化液の製造方法であって、
前記ビニルアセテート単量体と、該ビニルアセテート単量体および前記シリコン含有単量体の総重量に占める比率が0.01〜15%である該シリコン含有単量体とを、常圧下、含水媒体中において触媒の共存下に、反応温度55〜90℃で反応させ、下記一般式(I)で表されるポリビニルアセテート共重合体を含有する乳化液を製造することを特徴とする耐水性を付与可能な一液型ポリビニルアセテート乳化液の製造方法。
- 前記反応後、さらに65〜95℃の温度下で熟成することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
- 前記触媒が過酸化物である、請求項4に記載の製造方法。
- 前記触媒が過酸化水素または過酸化ベンゾイルである、請求項6に記載の製造方法。
- 前記触媒が過硫酸塩または過マンガン酸塩である、請求項4に記載の製造方法。
- 前記触媒が過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムと過硫酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の触媒である、請求項8に記載の製造方法。
- 前記エチレン系不飽和官能基を有するシリコン含有単量体が、ビニルアセテート単量体と上記含シリコン単量体との総重量に占める比率が0.5〜3%である、請求項4に記載の製造方法。
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