JP2004143181A - スタノール組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 血清コレステロールを低下させる組成物を得ること。
【解決手段】 主要成分としてのシトスタノールに加えて、相当な量の少なくとも10%のカンペスタノールも含有するスタノール組成物が、食用産物に取り入れた時に効果的に血清コレステロールレベルを低下させることが分かった。エステル化によって、前記組成物は食用油脂または脂肪含有食品において特に有用である。
【選択図】   なし

Description

 本発明は、特に血清コレステロールレベルを低下させる物質として用いるための植物スタノールのシトスタノール含有組成物に関する。本発明は食用油脂及び脂肪含有食物に有利に用い得る、相当するエステル化された形の組成物にも関する。
 植物ステロールはすべての植物の必須成分である。植物におけるそれらの機能は哺乳動物におけるコレステロールの機能に似ている。植物群における最も豊富な植物ステロールは、β−シトステロール、カンペステロール及びスチグマステロールである。これらの植物ステロールの化学構造はコレステロールの化学構造に非常に似ていて、その相違は分子の主要構造の側鎖に生じる。たとえば、コレステロールに比較すると、シトステロールの側鎖は更にエチル基を含有し、カンペステロールの側鎖は更にメチル基を含有する。
 1950年代から、植物ステロールは血清コレステロールレベルを効果的に低下させることが知られている。比較的小量(1日に数g)を投与した時ですら、胆汁及び食物コレステロールの両方の吸収性を効果的に低下させ、したがって、血清総コレステロール及び LDL−コレステロールレベルを低くする(非特許文献7,23さらに22,27参照)。コレステロール吸収の制限が起こるメカニズムはいまだ詳細には分かっていないが、植物ステロールがミセル相からコレステロールと置換し、それによってその吸収を妨げるものと推測されている。事実上、すべての初期の研究においては、シトステロールまたはその水素化された形のシトスタノールが、興味ある主要な植物ステロールであった。しかしながら、試験された製剤のステロールの組成は文書で良く証明されていないし、ほとんどの研究で用いられた製剤は種々の量の他のステロールも含有していた。
 植物ステロールは、天然成分の植物油脂であるから、血清コレステロールを低下させる安全な方法と考えられてきた。さらに、健康な患者の腸からの吸収は限定され、吸収された限定された量が体から胆汁に排泄される。植物ステロールの吸収速度は個体の間で及び異なった植物のステロールの間で変るが、健康なヒトについては通常、5%より低い植物ステロールが消化管から吸収される(非特許文献22)。しかしながら、10%までの食物カンペステロールが吸収されることが立証されている(非特許文献15)。
 少数のまれな病気、たとえば、シトステロール血症(sitostelolemia)においては、植物ステロールは非常に効率良く吸収され、胆汁ルートを経由する体からの排出も損なわれる。シトステロール、カンペステロール並びにそれらの飽和形のシトスタノール及びカンペスタノールの血清レベルも高く上昇する。高められたレベルの飽和スタノールは、より効率的な吸収というよりも、おそらくより効率的な内因性の合成による(非特許文献5,22)。治療しなければ、シトステロール血症はすでに若年において、黄色腫症及び冠状心臓病(coronary heart disease)に至る。この病気の人々に対しては、通常食物に存在しているよりも大量の不飽和植物ステロールの投与は危険な健康結果に導くかもしれない。
 リー及びリー(非特許文献20)は、血漿脂質及びリポ蛋白質濃度についての3つの異なったシトステロール製剤の影響を試験した。その製剤は、サイテリン(Cytellin)であって、60〜65%のシトステロール及び35〜40%の他のステロール、主にカンペステロールを含有する市販の製剤(Eli Lilly Co. 米国)であった。3回投与に分割した1日当り18gの平均投与量は血漿総コレステロールにおける平均10.5%の降下及び LDL−コレステロールにおける15%の降下をもたらした。しかしながら、血漿中にほんの微量のカンペステロールを含有する植物ステロールが正常に検出される時(非特許文献5,28)、リー及びリーにより試験された患者ではカンペステロールの血漿濃度は4〜21mg/dlに変化した(非特許文献20)。この検討において、著者は、カンペフェノールのアテローム発生性が未知であるから、彼らの研究で用いたサイテリン製剤のような比較的に高カンペステロール含有のシトステロール製剤を用いることは勧められないと非常に強く述べていた。
 さらに、リーらは大豆油及びトール油からの植物ステロールの血液コレステロールレベルを低下させる効能を研究した(非特許文献21)。彼らは各植物ステロールの2つの異なった物理的形態、すなわち、懸濁液及び粉末を用いた。大豆ステロールは60〜65%のシトステロール及び35%のカンペステロールからなり、1日当り平均18g(9〜24gの範囲)のステロールの1日投与量を3回の等しい投与量で与えた。ほんの約5%のカンペステロールを有するトール油製剤をこの研究で用いた。1日投与量3gの両トール油製剤(粉末及び懸濁液)を試験した。さらに6gの投与量のトール油ステロール懸濁液を試験した。
 両方の物理的形態の大豆ステロール及び粉末形態のトール油ステロールは血漿コレステロール含有量を平均12%低下させた(非特許文献21)。しかしながら、初期に既に立証された比較的に高い吸収性のカンペステロールもこの研究において認められた。試験した5患者において、血漿カンペステロールレベルは5〜21mg/dl(平均16mg/dl)の範囲に及んだ。したがって、再び、たとえ大豆ステロールのコレステロール低下効果が著るしいことが立証されても、著者は、コレステロール低下剤としてそれを用いることを勧めなかった。それどころか、彼らは、植物ステロール医薬製剤は最小限のカンペステロール及び最大限のシトステロールを含有すべきであることを勧めた。上記2つの研究に基づいて、植物油由来のステロール、たとえば大豆ステロールを用いることは強力に勧めることができないと結論することができる。
 飽和植物ステロール、たとえば、シトスタノール及びカンペスタノールは、ほとんどの植物油中にほんの微量存在する。しかしながら、トール油ステロールは10〜15%のシトスタノール、すなわち、飽和形のシトステロールを含有する。シトスタノールはシトステロールの二重結合の水素添加によっても作ることができる。実験的な動物及びヒトになされた最新の研究では、シトスタノールはシトステロールよりもコレステロール低下剤として効果があることが立証された(非特許文献3,11,12,14,31)。
 シトスタノールのさらなる利点は、事実上非吸収性であることである。いくつかの研究(たとえば、非特許文献4,11,12,16)は、シトスタノールが実際上非吸収性であるのに対し、少量(<5%)のその不飽和形のシトステロールは吸収される(非特許文献28)ことを立証した。同様に、インビトロの研究では、アームストロング及びカーレイ(非特許文献1)は飽和形のコレステロールであるコレスタノールはコレステロールより疎水性で吸収性が少ないことも立証した。
 シトスタノールが、ほとんどの通常の植物ステロール源の水素添加により作られる際、他の飽和植物ステロール、すなわち、カンペスタノールもカンペステロールから生成する。最近まで、このスタノールの吸収性及びあり得る低コレステロール血作用について比較的に少ししか知られていなかった。飽和ステロールはそれらの不飽和形よりも吸収性が低いという上記データに基づいて、カンペスタノールは事実上非吸収性であるかもしれないと仮定できるだろう。
 種々の植物ステロールの吸収性を研究するために、ハイネマンら(非特許文献15)は、腸灌流により、ヒトにおけるコレステロールの腸吸収を、カンペステロール、シトステロール、スチグマステロール並びに低濃度のシトスタノール及びカンペスタノールの腸吸収と比較した。種々の植物ステロールの吸収割合は、平均、シトステロールについては 4.2%、スチグマステロールについては 4.8%、カンペステロールについては 9.6%、カンペスタノールについては12.5%であり、異なる植物ステロールの間で変化することをその結果が示した。10人の男性患者において吸収効能の間の大きな変動が検出された。
 このようにハイネマンら(非特許文献15)によると、カンペスタノールは、その不飽和形であるカンペステロールよりも効率的に吸収されることを見い出した。これは、飽和ステロール(シトスタノール、コレスタノール)が、その不飽和のもの(シトステロール、コレステロール)よりも吸収性が低いだろうと説明した初期に引用された研究に基づく仮定と反する。この理由は不明のままである。けれども、ハイネマンら(非特許文献15)は、この矛盾する結果についての理由は、アームストロング及びカーレイ(非特許文献1)の研究はインビトロ条件でなされ、疎水性理論がミセル結合における主要な因子であり、及び/または吸収はインビボ条件においては妥当でないかもしれないことかもしれないと推測した。しかしながら、この推測は、シトステロールの吸収性に比べてシトスタノールが乏しい吸収性を示したいくつかの研究がインビボ条件でなされたという事実を説明しない。したがって過去の結果と矛盾するハイネマンら(非特許文献15)の結果は前記著者らにより説明されないままであった。
 スガノら(非特許文献29)は、コーンステロール(組成:カンペステロール31%、スチグマステロール4%及びシトステロール65%)とコーン油ステロール混合物の水素添加によって得られたコーンスタノール(組成:カンペスタノール31%及びシトスタノール69%)の低コレステロール血活性を研究した。2つの実験をラットで実施した。コレステロール(規定食の1%)を摂取した時、ステロール及びスタノールは両方共、規定食の 0.5〜1%のレベルで、低コレステロール血効果を示した。最初の実験では、フィトステロール及びフィトスタノールの低コレステロール血効果には、顕著な差が見られなかった。しかしながら、2回目の実験では、同じ規定食のレベルで、フィトスタノールは、フィトステロールよりも血漿コレステロール濃度を低下させるのにかなり大きい能力を示した(統計的に有意、p<0.02)。さらに、 1.0%のスタノール規定食で飼育されたラットの血漿コレステロールレベルは、コレステロールのない規定食で飼育されたラットのそれよりも有意に低い(p<0.02)。これは、 1.0%のステロール規定食で飼育されたラットには認められなかった。
 スガノら(非特許文献29)は、高含量のシトスタノール及び低含量のカンペスタノールを有するスタノール混合物(トール油ステロールに基づく)と、相当に高いレベルのカンペスタノールを有するスタノール混合物(植物油ステロールに基づく)の間に低コレステロール血効果において差を認めなかった。彼らは不飽和ステロール混合物と相当する飽和スタノール混合物の低コレステロール血効果を比較した。この研究グループによりなされた後の研究は、シトスタノールのコレステロール低下効果に特異的に焦点を合せており、そしてシトステロールと比較した(非特許文献16,17,18,30)。事実上、後の刊行物(非特許文献18)では、彼らは、不飽和ステロールに比較した飽和ステロール(カンペスタノールを包含する)の低コレステロール血効果を何ら議論することなく、β−シトステロールと比較したβ−シトスタノールの低コレステロール血効果のみに言及している上記フィトスタノールの研究(非特許文献29)に言及している。上述の後の研究では、高含量のシトスタノール(>90%)を有する代表的な組成の水素添加トール油ステロールを有するステロール混合物が用いられた。
 ミーチネン及びファンハーネン(非特許文献25)は、脂肪酸エステル型のシトスタノールは、血清コレステロールレベルを低下させるのに遊離のシトスタノールより効果があることを立証した。後の研究は、毎日の規定食の一部としてシトスタノールエステルを用いることは、血清総コレステロール及び LDL−コレステロール濃度を低下させる効果的な方法であることも立証した(非特許文献8,9,10,26,32,33)。遊離スタノールの代りにスタノールエステルを用いる利点は、スタノールエステルは脂肪溶解性であって、したがって、最終製品の味、風味または物理的性質を変えずに、広範囲の食物に容易に取り入れることができることでもある。シトスタノール脂肪酸エステルの製造方法及び食物に脂肪溶解性スタノールエステルを用いることは米国特許第 5,502,045号明細書(特許文献2)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
 ストラウブ(特許文献3)は、スタノールを食用溶解補助剤(solubility agent)、有効量の適切な抗酸化剤及び有効量の適切な分散剤と混合する、食品添加組成物を製造する方法に、飽和スタノール(シトスタノール、クリオナスタノール、22,23−ジヒドロブラシカスタノール、カンペスタノール及びそれらの混合物)を用いることを示唆する。これらの食品添加剤は、コレステロールを含有する食物及び飲料、たとえば、肉、卵及び日常の製品からのコレステロールの吸収を減少させることを意図している。しかしながら、この特許には、いかなる臨床的効果または飲食物のステロールの吸収のいずれかを示すデータも提示されていない。
 ユーグスターら(特許文献1)は、少量のステロール、それらの脂肪酸エステル及びグルコシドを腫瘍の治療のために用いることを教示する。ユーグスターらにより提案された製造方法は、N,N′−カルボニルジイミダゾール、塩化チオニルのような危険な化学試薬及びテトラヒドロフラン、ベンゼン、クロロホルムまたはジメチルホルムアミドのような溶媒が関係するものである。ユーグスターらはこれらの物質を飲食物及び食品添加物として用いる可能性について論評するが、低コレステロール血効果に関するいかなるデータも提示しないし、これらの用途に及ぶいかなる請求項も作成していない。ユグスターらの開示から、どのようにして最終製品を精製して食物成分として用いるのに十分に純粋なステロールエステルを十分に大量に得るか明瞭な説明を得るのは困難である。言及された唯一の精製方法は薄層クロマトグラフィーと高速液体クロマトグラフィーである。これが事実なら、ユーグスターらによる特許に関係する製造方法は少量のみに限定される。
 米国特許第 3,751,569号(特許文献4)は、ヒトにおける血清コレステロールレベルを低下させる目的で、調理油に植物ステロール脂肪酸エステルを添加することを開示している。遊離ステロールのエステル化に用いるために、その特許は食物級の製品の製造のための必要条件を決して満たさない方法を提案している。この特許によると、遊離ステロールと脂肪酸無水物との間で触媒として作用する過塩素酸を用いてエステル化を行なう。用いられた触媒及び試薬は食物の工程には許容できない。さらに、この特許は天然の植物ステロールのみの脂肪酸エステルに関する。ドイツ特許DE 2248921号(特許文献5)で提案された、油脂に存在するステロールの化学的エステル交換技術によるエステル化方法は食物の工程の基準を満たす。この特許では、遊離のステロールと過剰の脂肪酸エステルを油または脂肪の混合物に加え、その後、全脂肪混合物を普通に知られているエステル交換技術によりエステル交換する。生じる脂肪混合物においては、実質上すべての遊離ステロールが脂肪酸エステルに変換した。この目的は、植物及び動物油中の遊離ステロールを加工の間に起こり得る変化に対して保護することである。
 初期のデータは、主要な植物ステロールの一つである、カンペステロールが比較的に効率的に吸収されることを示す。したがって、最小限の含量のカンペステロールを有する植物ステロール混合物を用いるべきであることが勧められている。これは実際には高含量のシトステロールを有するステロール混合物、たとえばトール油ステロールを用いることに至る。
 スタノールに関するほとんどの著作はシトスタノールのみを取り扱っていた。カンペステロールの飽和形である、カンペスタノールがカンペステロールまたはシトステロールよりも容易に吸収される(それぞれ、12.5%、 9.6%及び 4.2%)ことを示す、ハイネマンらの研究(非特許文献15)は、「上昇した」レベルのカンペスタノールを有する飽和ステロール混合物はカンペスタノールの吸収により安全でないという「コンセンサス」をもたらした。この明らかな証拠は、スタノール(シトスタノール)の使用に及ぶすべての臨床的研究は、高レベルのシトスタノール及び低レベルのカンペスタノールを有するステロール混合物に基づいていることである。
 シトステロールの飽和形であるシトスタノールが、血液コレステロールレベルを低下させるのに相当する不飽和シトステロールよりも効果があることは多くの研究(たとえば非特許文献3,12,13,14,18,31)から確立された事実である。さらに飽和ステロールは非常に限定された量で吸収され、そのことは飽和ステロールの使用を母集団基盤に関して、コレステロールを低下させる安全な手段とする。不飽和ステロールの内、特にカンペステロールは、上昇したレベルのカンペステロールを有するステロール混合物(たとえば植物油に基づくステロール混合物)を使用しないように強力な勧めを必要とするほど多量に吸収される(非特許文献20,21)。
 したがって、食物に加える物質として、いかなる相当な量のカンペスタノールを用いることにも反対する強い先入観があり、これが、フィトステロール含有原料の範囲を比較的微量のカンペステロール及びその飽和形であるカンペスタノールを含有するものに厳粛に制限した。
米国特許第 5,270,041号 米国特許第 5,502,045号 米国特許第 5,244,887号 米国特許第 3,751,569号 ドイツ特許第DE 22 48 921号 Amstrong MJ, Carey MC.胆汁塩ミセルにおけるステロールの溶解性の熱力学的及び分子決定要因「J Lipid Res 」1987; 28:1144-1155. Augustine RL, Reardon Jr. EJ 1969.コレステロールのパラジウム触媒水素添加。「Org Prep and Proced 」1969; 1:107-109. Becker M, Staab D, Von Bergmann K.シトステロール及びシトスタノールを用いる幼年時代における重症家族性低コレステロール血症の治療。「Jpediatr」1993; 122:292-296. Czubayko F, Beumers B, Lammsfuss S, Luetjohann D, von Bergmann K.ヒトの外来患者研究のための中性及び酸性ステロールの糞便排泄のための簡易微量定量法「J. Lipid Res」1991; 32:1861-1867. Dayal B, Tnt GS, Batta AK, Speck J, Khachadurian AK, Shefer S, Salen G. シトステロール血症及び黄色腫症患者における5−αスタノールの同定:ステロイド性オルガノボランのプロトリシスの立体化学。「Steroids」1982; 40:233-243. Dutta PC, Appelqvist LA.非水素添加及び水素添加食用植物油並びに穀物脂質における飽和ステロール(スタノール)。「J Sci Food Agric」1976; 71:383-391. Grundy SM, Mok KYI. ヒトにおける低投与量フィトステロールのコレステロール吸収についての影響Greten H(編)「Lipoprotein metabolism. 」Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 1976:122-118. Gylling H, Miettinen TA,飲食物のシトスタノールによる血清コレステロール低下はコレステロールの低下した吸収及び合成並びにII型糖尿病患者における LDLアポ蛋白質Bの減少した輸送と関係する。Gotto Jr AM, Mancini M, Richter WO, Schwandt P( 編)「Treatment of severe dyslipoproteinemia in the prevention of coronary heart disease. 4th Int Symp Munich 1992」Karger, Basel, 1993:57-59. Gylling H, Miettinen TA.シトスタノールエステル−マーガリン治療前及び治療中の高コレステロール血 NIDDM患者における血清コレステロール並びにコレステロール及びリポ蛋白質代謝。「Diabetologia」1994; 37:773-780. Gylling H, Siimes MA, Miettinen TA. 家族性高コレステロール血症の子供の食餌療法におけるシトスタノールエステルマーガリン。「J. Lipid Res」1995; 36:1807-1912. Hassan AS, Rampone AJ.ラットにおけるコレステロール及びβ−シトスタノールの腸の吸収及びリンパ管輸送。「J. Lipid Res」1979; 20:646-653. Heinemann T, Leiss O, von Bergmann K. 高コレステロール血症の患者における血清コレステロールに関する低投与量シトスタノールの効果。「Atherosclerosis 」1986; 61:219-223. Heinemann T, Pietruck B, Kullack-Ublick G, von Bergmann K.腸のコレステロール吸収の阻止に関するシトステロール及びシトスタノールの比較。「Agents Actions (Suppl)」1988; 26:117-122. Heinemann T, Kullack-Ublick G-A, Pietruck B, von Bergmann K.コレステロール吸収の阻止に関する植物のステロールの作用のメカニズム。「Eur J Clin Pharmacol」1991; 40:59-63. Heinemann T, Axtmann G, von Bergmann K. ヒトにおける種々の植物ステロールを用いるコレステロールの腸の吸収の比較。「Eur J Clin Invest 」1993; 23:827-831. Ikeda I, Sugano M.ラットにおけるβ−シトステロール及びβ−シトスタノールの吸収及び代謝の比較。「Atherosclerosis 」1978; 30:227-237. Ikeda I, Tanabe Y, Sugano M.コレステロールのミセル溶解性に関するシトステロール及びシトスタノールの影響。「J Nutr Sci Vitaminol」1989; 35:361-369. Ikeda I, Kawasaki A, Samezima K, Sugano M.ウサギにおけるβ−シトスタノールの抗−低コレステロール血活性。「J Nutr Sci Vitaminol」1981; 27:243-251. Jandacek RJ, Webb MR, Mattson FH. 油相におけるコレステロールの溶解性に関する水相の影響。「J. Lipid Res」1977; 18:203-210. Lees RS, Lees AM. 血漿脂質及びリポ蛋白質濃度に関するシトステロール療法の効果。Greten H(編)「Lipoprotein metabolism. 」Springer-Verlag, Berlin, Heidelberg, New York, 1976:119-124. Lees AM. Mok HYI, Lees RS, McCluskey MA, Grundy SM. コレステロール低下剤としての植物ステロール:高コレステロール血症患者における臨床実験及びステロールバランスの研究。「Atherosclerosis 」1977; 28:325-338. Ling WH, Jones PJH. 小概説 飲食物のフィトステロール:代謝、利点及び副作用の概説「Life Sciences 」1995; 57:195-206. Mattson FH, Grundy SM, Crouse JR. ヒトにおけるコレステロール吸収に関する植物ステロールの効果の最適化。「Am J Clin Nutr」1982; 35:697-700. Miettinen TA, Koivisto P. 回腸バイパスを備えた高コレステロール血症患者における非−コレステロール ステロール及び胆汁酸の生産。Paumgarter G, Stiehl A, Gerok W(編). 「Bile acid and concentration in health and disease」MTP Press, Boston 1983: 183-187. Miettinen TA, Vanhanen H. 種々のアポ蛋白質E 表現型におけるコレステロールの吸収、合成及び血清レベルに関係する飲食物のシトスタノール。「Aterosclerosis」1994; 105: 217-226. Miettinen TA, Puska P, Gylling H, Vanhanen H. Vartiainen E. 穏かな高コレステロール血の個体におけるシトスタノールエステル マーガリンを用いる血清コレステロールの低下。「New Engl J Med」1995; 333:1308-1312. Pollak OJ.血清脂質及びアテローム硬化に関する植物ステロールの効果。「Pharmac Ther」1985; 31:177-208. Salen G, Ahrens Jr. EH, Grundy SM.ヒトにおけるβ−シトステロールの代謝。「J Clin Invest 」1970, 49:952-967. 「J Nutr Sci Vitaminol」1981; 27:243-251. Sugano M, Kamo F, Ikeda I, Morioka H. ラットにおけるフィトスタノールの脂質低下活性。「Atherosclerosis 」1976; 24:301-309. Sugano M, Morioka H. Ikeda I. ラットにおけるβ−シトステロール及びβ−シトスタノールの低コレステロール血活性の比較。「J Nutr」1977; 107: 2011-2019. Vanhanen HT, Miettinen TA.血清含量に関する不飽和及び飽和飲食物の植物ステロールの効果。「Clin Chim Acta」1992; 205:97-107. Vanhanen HT, Blomqvist S, Enholm C, Hyveonen M, Jauhiainen M, Torstila I, Miettinen TA.飲食物シトスタノールエステル治療中の種々のアポE表現型の高コレステロール血症患者における血清コレステロール、コレステロール前駆体及び植物ステロール。「J. Lipid Res」1993; 34:1535-1544. Vanhanen HT, Kajander J, Lehtovirta H, Miettinen TA.高コレステロール血症患者における増加する投与量の飲食物のシトスタノールエステルの間のコレステロールの血清レベル吸収効率、糞便排泄及び合成。「Clin Sci」1994; 87:61-67. Tilvis RS, Miettinen TA.血清植物ステロール及びそれらのコレステロール吸収に関する関係。「Am J Clin Nutr」1986; 43:92-97.
 この発明は、血清コレステロールレベルを低下させるための、シトスタノールを主要な成分とするが、遊離形または脂肪酸エステルとしてエステル化されたもののいずれかの相当な量のカンペスタノールを含有する植物スタノール組成物に関する。
 本発明はさらに血清コレステロールレベルを低下させるための飲食成分としての食用産物中に、シトスタノールを主要成分とするが、相当な量のカンペスタノールまたはその脂肪酸エステルも含有するスタノール組成物の使用に関する。
 本発明の目的は、血清におけるコレステロールレベルを調節することを意図する食用産物、特に食用油脂及び脂肪含有食物のための物質の製造に有用な植物原料の範囲を広げることである。本発明は、これらの目的のための原料として、シトステロールに加えて相当な量のカンペステロールも含有する植物油脂を用いることを可能にする。
 本発明の組成物の製造に用いるための適切な原料は、たとえば、コーン、大豆及びセイヨウアブラナの種子であるが、カンペステロールの多いフィトステロール組成物を有する他の植物も用いることができる。
 本発明の新規な組成物及び特にそのエステル化された形は、食物物質、たとえば調理油、マーガリン、バター、マヨネーズ、サラダドレッシング、ショートニング、チーズ(未熟成及び熟成チーズを包含する)及び他の脂肪含有食物中に導入することができる。
 本発明の組成物は、上記のように消費することもできる。
 本発明によると、植物スタノール組成物はその主要成分であるシトスタノールに加えて相当な量の少なくとも10%のカンペスタノールも含有する。
 この組成物は好ましくは、20%〜40%の、最も好ましくは25%〜35%程度の、たとえば約30%のカンペスタノールまたはその脂肪酸エステルを、組成物をエステル化して親油性にさせた時に含有する。
 本明細書を通して、すべてのパーセントは、別な風に特定されてなければ重量で示してある。本明細書において、かっこに入った数字は、添付の参考文献リスト中に列挙された刊行物に関する。
 驚くべきことにそして、広く流通している先入観に反して、得られたデータは、主要成分としてシトスタノールを含有するが、相当な量のカンペスタノールを含有する水素添加されたスタノール混合物は、90%を超えるシトスタノールと低レベルのカンペスタノールを含有するスタノール混合物と少なくとも同じ位有効であって、カンペスタノールはコレステロールの吸収を低下するのに少なくともシトスタノールと同じ位有効であることを示す。さらに、血清スタノール分析からのデータは、カンペスタノールは本質的に未吸収のまま残存し、血清含量はシトスタノールよりも約40%小さいことを明らかに示す。したがって、主要成分としてシトスタノールを含むが相当な量のカンペスタノールを含有するスタノール混合物は、少なくとも慣用のトール油に基づくスタノール混合物と同じ位安全であると考えなければならない。このデータは、上昇した量のカンペスタノールを有するスタノール混合物の効能及び安全性に関する現在通用している意見と著るしい対照をなしている(非特許文献15,22,29参照)。
 米国特許第 5,502,045号明細書(特許文献2)はシトスタノールの脂肪酸エステルは、遊離のシトスタノールよりも血液コレステロールレベルを低下させるのに効力があることを示した。後の研究は、脂肪溶解性シトスタノール脂肪酸エステルを含有するマーガリンのコレステロール低下効果を明確に確認した(たとえば非特許文献26)。
 遊離スタノールの代りにスタノール脂肪酸エステルを用いることは、スタノール脂肪酸エステルのみが、消化管からの飲食物及び胆汁コレステロールの両方の吸収を低下させるのに有効なレベルに達するのに十分に高い濃度で食用油脂に溶解するという理由で、これらを種々の脂肪含有食製品中に広く用いることは重要である。
 食用油脂へのスタノールエステルの溶解度は35〜40%であるのに対し、食用油脂への遊離ステロールの溶解度は21℃の温度でのみ最高2重量%に限定される(非特許文献19)。種々の界面活性剤、溶解補助剤または分散剤を用いることによってもっと多量に取り込むこともできるであろうが、これらの物質を使用しても脂肪溶解性を確実とはしない。上記物質を用いることは通常制限されているか、または法律で禁止すらされている。さらに1%のレベルの遊離ステロールは脂肪または油の物性に影響を及ぼし、製品の構造及び物性に変化を引き起こす。脂肪混合物の物性は混合物の脂肪酸組成を変えることにより容易に変更できるから、これはスタノール脂肪酸エステルを用いる時に問題とならない。
 本発明において記載したように、スタノール脂肪酸エステルはマーガリンやスプレッドよりも他の食品に容易に組み込むことができることは明らかである。米国特許第 5,502,045号(特許文献2)はさらに可能性ある用途の例を示す。しかしながら、スタノール脂肪酸エステルを広範囲の食物、特に脂肪含有食物に加えることができることは当業者に明らかである。
 スタノールの脂肪酸エステルを製造する多くの方法が提案されている。これらの方法の欠点は、ほとんどすべてのそれらの方法が試薬を用いることであって、それは食物における主要栄養素に用いることを意図する製品の生産には許容できない。塩化チオニルまたは脂肪酸の無水物誘導体のような毒性の試薬を用いることが普通である。
 ステロールのスタノール脂肪酸エステルを製造する好ましい方法は米国特許第 5,502,045号(特許文献2、参照により組み入れる)に記載さている。この手順は食用油脂工業に広く用いられているエステル交換方法に基づく。このエステル化方法は、遊離スタノール、脂肪酸エステルまたは脂肪酸エステル混合物及びナトリウムエトキシド以外の物質は用いないという点で、以前の方法から有利に異なる。その方法の1つの重要な特徴は、その反応剤の1つである脂肪酸エステルを過剰に用い、それが、用いられた条件下(真空5〜15mmHg)でスタノールを溶解する、溶媒として機能することである。その反応は脂肪酸エステル及びスタノール脂肪酸エステルの混合物をもたらす。スタノール脂肪酸エステルは真空蒸留(過剰の脂肪酸エステルを除去する)により、ほとんど純粋なスタノール脂肪酸エステルに容易に濃縮できる。代りに、混合物自体を脱臭工程を実施する前に、最終脂肪混合物に加えることができる。
 スタノールは少量、天然に、たとえば、小麦、ライ麦、コーン及びトリチカレに見い出され、したがって日常の食物に少量(非特許文献16,19)、見い出すことができる。スタノールは天然のステロール混合物の水素添加より容易に製造できる。トール油ステロール混合物だけが自体、食物用途に用いるのに十分な高純度(ステロール含量>98%)で1996年初期に市販されていた。相当な量のカンペステロールを有する植物ステロール、たとえば植物油基礎ステロール混合物は、たとえば、植物油蒸留物からのトコフェロール生産の副産物として得ることができる。得られた植物ステロールを、従来公知の水素添加技術、たとえば有機溶媒中でPd/C触媒を用いることに基づく技術(非特許文献2、参照により本明細書に組み込まれる)により、スタノールに変換できる。広範囲のPd触媒及び溶媒が水素添加を実施するのに用いることができることは当業者に明らかであり、最適条件下で行った時、ほんの少量の未変換不飽和ステロールが残存すると同時に、低レベルでの(< 1.5%)での典型的な脱ヒドロキシル化副産物であるスタン及びステンの生成は相変わらずである。
 本発明は、高レベルのシトスタノール(一般にコレステロールの吸収を低下させ、そしてそれにより血清コレステロールレベルを低下させるのに最も安全で、最も効果があると当業者によりみなされている)を含有するスタノール混合物と相当な量のカンペスタノールを含有するスタノール混合物の低コレステロール血効果を対比する。本明細書では、初めて、ヒトにおける植物油基礎スタノールの低コレステロール血効果を報告した。本発明は相当な量のカンペスタノール(10%を超え、そして好ましくは約30%)を有するスタノール混合物は、高レベルのシトスタノールを有するスタノール混合物と少なくとも同じ位有効であることを初めて示した。更に、本発明の結果は、ハイネマンら(非特許文献15)により報告されたことと反して、カンペスタノールが事実上吸収されないことを明らかに示している。
 臨床的研究
 植物油スタノールエステル及びトール油スタノールエステルマーガリンの低コレステロール血効果を研究するために、2週間の流出期間を有する5週間二重盲クロスオーバー試験を設計した。研究の試験準備は次のとおりであった。
 干渉研究の試験準備
 1〜6の数は家庭の規定食(1,2)、第1干渉期間後(3,4)及び第2干渉期間後(5,6)に集めた血液試料を示す。VS=植物油基礎スタノールエステルマーガリン、TS=トール油基礎マーガリン。
Figure 2004143181
 適度に上昇したコレステロールレベル(平均6.12±0.61ミリモル/l)の24人の志願した食道楽の健康な女性が、日常の食事の一部として、任意の順序で試験マーガリンを1日当り約25g(250g桶/10日)を消費した。血清脂質(総コレステロール、 LDL−コレステロール、 HDL−コレステロール及びトリグリセリド)及び血清ステロール含量を家庭の規定食で、各試験期間の後で測定した。血液試料を2回、家庭の規定食から1週間離れて及び、各試験マーガリン期間の終りに採った。得られた血清脂質値を下表1に示す。
表1 家庭の規定食の間並びに植物油スタノールエステルマーガリン(VS)及びトール油スタノールエステルマーガリン(TS)を用いた5週間処置後の血清脂質濃度(ミリモル/l、平均±標準誤差)。(n=24)。
────────────────────────────────
            家庭の規定食    VS      TS
────────────────────────────────
総コレステロール    6.12±0.16  5.77±0.18*  5.95±0.23

LDL−コレステロール   4.03±0.15  3.60±0.17*  3.76±0.19*

HDL−コレステロール   1.54±0.09  1.62±0.09*  1.63±0.10*

トリグリセリド     1.22±0.13  1.20±0.11  1.26±0.15
────────────────────────────────
* p<0.05またはそれより小
 両試験マーガリンは血清脂質に好ましい変化をもたらした。 LDLコレステロール値の低下及び HDLコレステロール値の増加は統計学的に有意(p<0.05またはそれより小)である。さらに、植物油基礎ステロールエステルは、総コレステロールの統計学的低下をももたらした。得られた総コレステロール及び LDLコレステロールの低下は、トール油基礎スタノールエステルマーガリンに比較して、植物油基礎スタノールエステルマーガリンを用いた方が大きかった。トリグリセリドレベルの変化は得られなかった。得られた血清脂質の結果は、スタノール部分中に本質的な量のカンペスタノールを含有する植物油スタノールエステルマーガリンは、トール油スタノールエステルマーガリンよりもなおいっそう効果的であるかもしれないことを示す。トール油スタノールエステルマーガリンは、初期の研究(14,15,31)においては、有効な低コレステロール血効果を示した。したがって、この研究のクロスオーバー設計に基づき、植物油基礎スタノールは少なくともトール油基礎スタノールの同じ位有効な低コレステロール効果を示していると結論することができる。
 血清ステロール濃度を過去に出版された方法(非特許文献24、参照により本明細書に組み入れる)によって、気−液クロマトグラフィーで定量した。各期間で採取された血液試量からの2つの血清脂質の平均を計算した。家庭の規定食で、そして各試験期間後の平均血清植物ステロール濃度及びこれらの濃度に認められた平均変化に関するデータを下表2及び3に示す。
表2 家庭の食事の間及び各干渉期間後の血清植物ステロール濃度(平均±標準誤差、μg/dl)(n=24)。植物油基礎スタノールエステルマーガリン、TS=トール油基礎スタノールエステルマーガリン。
─────────────────────────────
          家庭の規定食    VS      TS
─────────────────────────────
カンペスタノール   47±2    58±3    47±3

シトスタノール    94±3    92±5    96±5

カンペステロール   472±37    337±25    350±28

シトステロール    277±17    198±12    227±15
─────────────────────────────
* p<0.05またはそれより小
表3 血清植物ステロール濃度(μg/dl)における平均変化(±標準誤差)(n=24)。VS=植物油基礎スタノールエステルマーガリン、TS=トール油基礎スタノールエステルマーガリン、HD=家庭の規定食。
─────────────────────────────
          Δ(VS-HD)   Δ(TS-HD)   Δ(VS-TS)
─────────────────────────────
カンペスタノール   11±2*    0±2    11±2*

シトスタノール    -2±3    2±4    -4±4

カンペステロール  -134±19*   -122±21*    -12±13

シトステロール    -80±11*    -51±12*    -29±8*
─────────────────────────────
* p<0.05またはそれより小
 両試験マーガリンは顕著に血清カンペステロール及び血清シトステロールレベルを低下させた。カンペステロールの血清濃度はヒトにおける腸コレステロール吸収を反映することが知られている(非特許文献24,25)。したがって、カンペステロールが低ければ低いほど、腸内コレステロールが吸収されたパーセントも低い。
 研究期間中の著るしい血清コレステロールレベルの低下(25〜28%)は、両スタノールエステルマーガリンがコレステロールの腸吸収を減少させることを示している。さらに、植物油スタノールエステル期間後の平均血清カンペスタノール濃度が家庭の規定食で、及びトール油スタノール期間後よりも著るしく高い一方、血清シトスタノール濃度に差が見られなかった。しかしながら、カンペスタノールの絶対濃度はシタノールのほんの約63%であり、それは一般に事実上非吸収性とみなされる。このカンペスタノールの低血清濃度はカンペスタノールの吸収が非常に限定されていることを明らかに示しており、これはハイネマンら(非特許文献15)により提示された結果と矛盾する。このように、高レベルのシトスタノール含有スタノール混合物はヒトの摂取に安全とみなされるから、本質的な量のカンペスタノールを含有するスタノール混合物は、カンペスタノールがシトスタノールのように事実上非吸収性であるという事実に基づき等しく安全であるとみなされねばならない。
 本発明のスタノールエステル組成物及び上記臨床的研究に用いられたマーガリンの製造は次の実施例中に詳細に開示されている。
 例1 ステロール混合物の水素添加
 植物油蒸留物から得られた市販のステロール混合物(組成:ブラシカステロール 2.7%、カンペステロール26.7%、スチグマステロール18.4%、シトステロール49.1%及びシトスタノール 2.9%)を試験規模の反応器(25L)で水素添加した。26gの繊維状Pd触媒(Smop-20 : Pd含量10重量%、Smoptech. Turku, フィンランド国)、26gの触媒の活性化のための蒸留水及び11.7kgのプロパノールを反応器に送り込んだ。反応器に窒素を流し、触媒の活性化を1バールの圧力の水素ガスの下で65℃の温度で30分行なった。活性化後、混合物を40℃に冷却し、その後 1.3kgのステロール混合物を加えた。
 プロパノール ステロール混合物を窒素雰囲気下、65℃まで加熱し、その後窒素を水素で置換した。水素での通気を行なった後、水素添加反応を1バールの水素圧で行なった。通常の変換時間は約 120分である。変換はアリコート(HPLCにより分析される)を採取することにより容易に監視できる。
 水素圧を下げ、反応器を窒素で通気した。繊維状触媒を窒素圧を用いて濾出した。プロパノール スタノール混合物を残して10℃で1晩結晶化させ、その後スタノール結晶を真空濾過し、そのかたまりを 0.5kgの冷プロパノールで洗浄した。得られたスタノール混合物を真空の戸棚中で60℃で乾燥させた。収率は75%で、得られたスタノール混合物の組成は毛管ガスクロマトグラフィーにより次のとおりであった。カンペステロール 0.2%、カンペスタノール28.9%、スチグマステロール 0.1%、シトステロール 0.2%、シトスタノール70.1%。ブラシカステロールは、カンペスタノールのエピマーである、24β−メチルコレスタノールに水素添加されるが、これらはキラリティーによって分離できない、通常の毛管ガスクロマトグラフィー手順では同じピークに現われるから、通常カンペスタノールとして計算される。最初のステロール混合物に基づいて、24β−メチルコレスタノールの量は 2.7%であるべきである。
 例2 スタノール脂肪酸エステルの製造
 スタノール脂肪酸エステル混合物を実験室規模で製造した。例1で示された水素添加手順により得られた数バッチをいっしょにすることにより得られた6kgのスタノールを60℃で1晩乾燥させ、 8.6kgの低エルカ酸セイヨウアブラナ種子(LEAR)油メチルエステル混合物でエステル化した。用いられたスタノール混合物のステロール組成は次のとおりであった。カンペステロール 0.4%、カンペスタノール(+24β−メチルコレスタノール)29.7%、スチグマステロール 0.1%、シトステロール 0.4%及びシトスタノール68.0%。混合物のスタノール含量は98.2%であった。エステル化を次のとおり行なった。
 スタノールと低エルカ セイヨウアブラナ種子油脂肪酸メチルエステル5〜15mmHgの真空下90〜 120℃で反応容器中で加熱した。1時間の乾燥後、21gのナトリウムエトキシドを加え、反応を約2時間継続した。90℃の30%の水(重量で)を加えることにより触媒を破壊した。相分離後、水相を除去し、2回目の洗浄を行なった。水相の分離後、油相を200rpmの撹拌作用を用いて95℃で真空乾燥した。スタノール脂肪酸混合物を20分間30mmHgで、 110℃の温度で1%の漂白土類(Tonsil Optimum FF, Suedchemie, ドイツ国)を用いて200rpmの撹拌作用下に軽く漂白した。漂白土類を濾出し、得られた脂肪酸メチルエステル及びスタノール脂肪酸エステルの混合物を、自体脱臭前に脂肪混合物に加えるか、または過剰のメチルエステルを真空下に蒸留で取り除く。したがって、混合物は脱臭されて、無味のスタノール脂肪酸エステル混合物を得ることができ、それを自体種々の食物製造工程に加えることができる。
 エステル化工程の変換は高速HPLC方法で測定して>99%で、収率は95%の範囲である。
 例3 臨床的研究のためのマーガリンの製造
 トール油スタノール脂肪酸エステル及び植物油基礎スタノール脂肪酸エステルを有する80%マーガリンをGerstenberg & Agger 3×57実験室規模のパーフェクター(perfector)で製造した。トール油スタノール脂肪酸エステルをRaision Margariini(フィンランド国)によるBenecol(登録商標)マーガリンの通常の生産から得た。通常のトランス脂肪酸のない脂肪混合物(組成:30%の非−水素添加エステル交換植物脂肪及び70%液状LEAR油)にスタノール脂肪酸混合物を加えたものを用いた。最終製品のスタノール含量は 100gの製品当り12gとなるように目標を定めた。それは、1日当り25gの使用レベルで3gのスタノールの毎日の摂取量をもたらすだろう。
 製品を次のレシピーに従って製造した。
  スタノール脂肪酸エステルを包含する脂肪混合物   80%
  水                        19%
  塩                        0.5%
  乳化剤、Dimodan BP
  pH調整剤としての重炭酸ナトリウム及びクエン酸
  着色剤としてのβ−カロチン
  フレーバー
 得られたマーガリンを 250gのポリプロピレン製の桶につめ、それをアルミ箔で密封した。その製品の味と触感は市販のマーガリンと等しかった。
 トール油スタノールマーガリンのスタノール含量は 100gの製品当り12.7gで、植物油基礎スタノールマーガリンのそれは 100gの製品当り12.6gであった。2つの製品のステロール組成は次のとおりであった。
           トール油基礎スタ  植物油基礎スタノ
           ノールマーガリン  ールマーガリン
ブラシカステロール     0.3%        0.4%
カンペステロール      2.2%        2.4%
カンペスタノール      7.5%       27.6%
シトステロール       7.4%        4.2%
シトスタノール      82.5%       63.8%
その他           0.1%        1.6%

Claims (12)

  1.  血清コレステロールレベルを低下させる物質として用いるためのシトスタノール脂肪酸エステルを含む植物スタノール脂肪酸エステルの組成物であって、さらに少なくとも10重量%のカンペスタノール脂肪酸エステルを含む前記組成物。
  2.  少なくとも20重量%のカンペスタノール脂肪酸エステルを含む請求項1に記載の組成物。
  3.  20重量%〜40重量%のカンペスタノール脂肪酸エステルを含む請求項1または2に記載の組成物。
  4.  25〜35重量%のカンペスタノール脂肪酸エステルを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5.  30重量%のカンペスタノール脂肪酸エステルを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6.  50重量%〜80重量%のシトスタノール脂肪酸エステルを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7.  血清コレステロールレベルを低下させるために消費される規定食として、または規定食の一部としての、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  8.  脂肪含有食物中における請求項7に記載の組成物の使用。
  9.  血清コレステロールレベルを低下させるのに有効な植物スタノール脂肪酸エステル組成物を含有する食物組成物であって、前記植物スタノール脂肪酸エステル組成物はシトスタノール脂肪酸エステルとさらに相当な量のカンペスタノール脂肪酸エステルを含み、カンペスタノール脂肪酸エステル対シトスタノール脂肪酸エステルの重量比が1:9〜4:6である前記組成物。
  10.  前記重量比が2:8〜 3.5:6.5 である請求項9に記載の食物組成物。
  11.  請求項1〜6のいずれか1項記載の血清コレステロール低下組成物を製造するための原料としての、シトステロールに加えて相当な量のカンペステロールを含む植物ステロール混合物の使用。
  12.  請求項9または10に記載の血清コレステロール低下食物組成物を製造するための原料としての、シトステロールに加えて相当な量のカンペステロールを含む植物ステロール混合物の使用。
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