JP2004142835A - シートセンサおよびシート巻き付き検出手段 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真技術を用いた画像形成装置の定着装置において、定着前のトナー像を乱すことなく、定着ローラ入口前の記録シートの有無を検出し、定着器での巻き付きジャムを精度良く検出する。
【解決手段】定着ローラの入口前の記録シート搬送経路に配設された第1の導体と、前記第1の導体と接触する位置に配設された第2の導体と、前記第1の導体を前記第2の導体に引き付ける向きに電界を形成する第3の導体と、前記第1の導体と前記第2の導体が接触していることを電気的に検知する検知手段と、を設け、前記第1の導体と前記第2の導体との接触状況によって記録シートの有無を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】定着ローラの入口前の記録シート搬送経路に配設された第1の導体と、前記第1の導体と接触する位置に配設された第2の導体と、前記第1の導体を前記第2の導体に引き付ける向きに電界を形成する第3の導体と、前記第1の導体と前記第2の導体が接触していることを電気的に検知する検知手段と、を設け、前記第1の導体と前記第2の導体との接触状況によって記録シートの有無を検出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録シートを搬送する機構を備えた電子写真方式の画像形成装置において、記録シートの有無を検出するシートセンサ、及び前記シートセンサを利用した、定着装置におけるシート巻き付き検出手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラムに形成したトナー像を、転写部に搬送されてきた記録シートに転写して画像を形成する。
【0003】
しかし、記録シートにトナー像を転写しただけではトナー像が不安定なため、記録シートを定着装置へ搬送してトナー像をシートに定着させる。
【0004】
定着装置は、記録シートのトナーがのっている面に接する定着ローラと、その裏面に接する加圧ローラとを有する。
【0005】
定着ローラ、あるいは定着ローラと加圧ローラの双方は、内部に加熱手段をもっており、前記加熱手段による熱と、両ローラ間の圧力によって、トナーが記録シートに定着される。
【0006】
このような構造をもつ定着器における解決すべき課題の一つに、記録シートが定着ローラあるいは加圧ローラに巻き付いてしまうという現象(以下巻き付きジャムと言う)がある。
【0007】
つまり、定着ローラと加圧ローラの間を出た記録シートが、定着ローラあるいは加圧ローラから分離されずに巻き付いてジャムをおこすことがある。
【0008】
この巻き付きジャムを防止するため、通常定着ローラ近傍には分離爪が配設されている。
【0009】
しかし、加圧ローラは定着ローラと比べてやわらかい素材を使っており、加圧ローラ側に分離爪を配設すると分離爪によって表面が傷つけられるため、加圧ローラ側には分離爪を置けない場合が多い。
【0010】
このため、巻き付きジャムは完全には防止できていない。
【0011】
巻き付きジャムは、ジャムをおこしている記録シートが、ジャムを取り除こうとしているユーザーに見えにくく、さらに、巻き付きジャムに気づかずに定着器を駆動させると、巻き付きを進行させたり、ローラを駆動させているモーターに過大な負荷がかかったりすることもある。
【0012】
このため、巻き付きジャムをその他のジャムと区別して検知する手段が求められる。
【0013】
従来では、巻き付きジャムを検知するために、定着ローラの入口前と出口後に、それぞれフラグ付きフォトセンサなどの接触型センサを配置して、搬送されてくる記録シートの有無を検知し、記録シートが入口側のセンサを通過して出口側のセンサを通過しないときに巻き付きジャムと判断していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フラグ付きフォトセンサなど従来から用いられているシートセンサではセンサフラグの硬度が高いため、記録シートの搬送速度が速くなるとセンサフラグが記録シートに接触するときの衝撃が大きくなり、記録シートが定着前のトナー像を担持している場合には、センサフラグが記録シートにあたる衝撃で、まだ定着されていないトナー像が乱されてしまうという問題があった。
【0015】
このため、記録シートの搬送速度の速い高速機においては、定着ローラの入口前にシートセンサを配置することができなかった。
【0016】
本発明は、以上のような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とする処は、定着前のトナー像を乱すことなく定着ローラ入口前の記録シートの有無を検知するシートセンサ、および、巻き付きジャムを精度良く検出できるシート巻き付き検出手段を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、下記の(1)項ないし(10)項のいずれかに示すシートセンサまたはシート巻き付き検出手段を提供することにより、前記目的を達成しようとするものである。
【0018】
(1)記録シートの搬送経路に配設された第1の導体と、前記第1の導体と接触する位置に配設された第2の導体と、前記第1の導体を前記第2の導体に引き付ける向きに電界を形成する第3の導体と、前記第3の導体を第1の導体から絶縁する絶縁手段と、前記第1の導体と前記第2の導体が接触していることを電気的に検知する検知手段と、を有し、前記第1の導体と前記第2の導体の接触状況から記録シートの有無を検出することを特徴としたシートセンサ。
【0019】
(2)前記第1の導体は、前記記録シートと接触すると、前記第2の導体から離隔する構造であることを特徴とした、請求項1に記載のシートセンサ。
【0020】
(3)前記第1の導体のうち、前記記録シートに直接接触する部分は、絶縁体で保護されていることを特徴とした請求項1または2に記載のシートセンサ。
【0021】
(4)前記第1の導体は、導電ブラシであることを特徴とした請求項1から3に記載のシートセンサ。
【0022】
(5)前記第1の導体は所定の電圧に印加され、前記第2の導体および前記第3の導体は電気的に接地されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
【0023】
(6)前記第1の導体は電気的に接地され、前記第2の導体および前記第3の導体は所定の電圧に印加されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
【0024】
(7)前記第1の導体、前記第2の導体、前記第3の導体のいずれかは、所定の機会にのみ電圧が印加されることを特徴とした、請求項1から6に記載のシートセンサ。
【0025】
(8)前記所定の機会とは、装置本体への電源投入時、またはプリンタがジャムを認識した時、または装置の稼動が一時停止した後の復帰後、であることを特徴とした、請求項7に記載のシートセンサ。
【0026】
(9)記録シートを搬送するために回転自在に配置された定着ローラと、前記定着ローラと対をなして当該記録シートの裏面に当接する加圧ローラと、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラあるいは前記定着ローラと加圧ローラの双方を加熱せしめる手段と、を有し、前記定着ローラと加圧ローラの間に、表面にトナー像を担持した記録シートを通すことで、前記トナー像を記録シートに定着させる定着機構のシート巻き付き検出手段において、請求項1から8に記載のシートセンサを利用することを特徴としたシート巻き付き検出手段。
【0027】
(10)さらに、前記定着ローラの記録シート搬送方向下流側近傍に配設され、記録シートの有無を検出する第2のセンサと、前記第1の導体の更に搬送方向上流側に配設され、記録シートの有無を検出する第3のセンサと、を有し、当該記録シートが第3のセンサを通過した後で第2のセンサを予期されたタイミングで通過しない場合に、前記定着ローラ及び加圧ローラを停止せしめることを特徴とした、請求項9に記載のシート巻き付き検出手段。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、複数の実施例により、図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
なお、各図面において、同一の符号は同一の構成を示している。
【0030】
(実施例1)
まず、図1から図5を用いて実施例1を説明する。
【0031】
図1は、実施例1における画像形成装置の全体図、図2は、実施例1で用いたセンサの図、図3は、実施例1で用いた検知回路の回路図、図4は、実施例1の定着装置周辺の図、図5は、実施例1における巻き付き検知のフローチャートである。
【0032】
まず、本発明に係るシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を利用した画像形成装置を説明する。
【0033】
図1において、101は本発明に係るシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を利用した画像形成装置たる、電子写真方式のレーザビームプリンタである。
【0034】
102はデッキ、103はデッキシート有無センサ、104は、記録シートの大きさを検知するセンサであるシートサイズ検知センサ、105はピックアップローラ、106はデッキ給送ローラ、107はリタードローラ、108は給送センサ、109は給送搬送ローラ、110はレジストローラ対、111はレジ前センサ、112はレーザスキャナ部、113はプロセスカートリッジ、114は感光体ドラム、115は帯電ローラ、116は現像機、117は転写ローラ、118は搬送ガイド、119は定着装置、120は定着ローラ前センサである。
【0035】
この定着ローラ前センサ120は本発明に係るシートセンサであり、本発明の特徴的な機構であるので、その構成については図2から図4を用いて後述する。
【0036】
121は定着ローラ、122は第1のハロゲンヒータ、123は加圧ローラ、124は、第2のハロゲンヒータ、125は定着排出センサ、126は排出センサ、127は排出ローラ対、128はレーザユニット、129はポリゴンミラー、130はスキャナモータ、131は結像レンズ群、132は折り返しミラー、133はプリンタ制御部、134はメインモータ、135は表示パネル、136は外部装置、Pは記録シートである。
【0037】
レーザビームプリンタ101は、記録シートPを収納するデッキ102を有すると供に、このデッキ102内の記録シートPの有無を検出するデッキシート有無センサ103、デッキ102内の記録シートPのサイズを検知するシートサイズ検知センサ104、デッキ102から記録シートPを繰り出すピックアップローラ105、該ピックアップローラ105によって繰り出された記録シートPを搬送するデッキ給送ローラ106、該デッキ給送ローラ106と対をなし、記録シートPの重送を防止するためのリタードローラ107を備えている。
【0038】
そして、デッキ給送ローラ106のシート搬送方向下流側(以下単に「下流」という)には給送搬送状態を検出する給送センサ108、さらに下流へと記録シートPを搬送するための給送搬送ローラ109、記録シートPを画像形成動作と同期して搬送するレジストローラ対110、該レジストローラ対110への記録シートPの搬送状態を検出するレジ前センサ111が配設されている。
【0039】
また、レジストローラ対110の下流には、後述するレーザスキャナ部112からのレーザ光に基づいて感光体ドラム114上にトナー像を形成する画像形成手段を構成するプロセスカートリッジ113が装置本体に対して着脱可能に装着されている。
【0040】
このプロセスカートリッジ113は、回転可能な感光体ドラム114と、その周囲に帯電ローラ115及び現像器116、さらには図示しないクリーニング器を有しており、画像形成に際しては帯電ローラ115によって感光体ドラム114の表面を一様に帯電するとともに、レーザスキャナ部112から選択的な露光を行うことで潜像を形成し、その潜像を現像器116によってトナー現像して可視像化する。
【0041】
そして、転写ローラ117に転写バイアス電圧を印加することで、搬送されてきた記録シートPに前記トナー像を転写して画像を形成する。
【0042】
転写ローラ117の下流には搬送ガイド118、記録シートP上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置119が設けられている。
【0043】
定着装置119は、第1のハロゲンヒータ122を内包する定着ローラ121と、第2のハロゲンヒータ124を内包する加圧ローラ123と、定着ローラ121への搬送状態を検出する定着ローラ前センサ120と、定着ローラ121からの搬送状態を検出する定着排出センサ125と、を有する。
【0044】
定着ローラ前センサ120は本発明に係るシートセンサであるので、その構成については図2から図6を用いて後述する。
【0045】
さらに下流には、排出部のシート搬送伏態を検出する排出センサ126、記録シートPを排出する排出ローラ対127が配設されている。
【0046】
また、前記レーザスキャナ部112には、後述する外部装置136から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット128、レーザユニット128からのレーザ光を感光体ドラム114上に走査するためのポリゴンミラー129とスキャナモータ130、結像レンズ群131、及び折り返しミラー132により構成されている。
【0047】
プリンタ制御部133はレーザープリンタ101を制御するものであって、図示はされていないが、RAM、ROM、タイマ、デジタル入出力ポート等を具備したMPU(マイクロコンピュータ)及び各種入出力制御回路等で構成されている。
【0048】
このプリンタ制御部133は、各部の記録シートPのセンサ103、104、108、111、120、125、126と配線されており、各センサ103、104、108、111、120、125、126から信号を受け取ることができる。
【0049】
なお、シートサイズセンサ104および定着ローラ前センサ120以外の各部シートセンサ103、108、111、125、126は、記録シートPがセンサフラグにあたることによってセンサフラグがフォトセンサを遮ることで記録シートPを検知するもので、この構造は通常広く用いられている。
【0050】
メインモータ134は、各部に動力を供給している。
【0051】
表示パネル135は、ステータスなどを表示して使用者に情報を伝える。
【0052】
そして、前記プリンタ制御部133は、インターフェイスを介してパーソナルコンピュータ等の外部装置136に接続されている。
【0053】
次に、本発明に係るシートセンサである定着ローラ前センサ120について説明する。
【0054】
図2に、定着ローラ前センサ120の構成を示す。
【0055】
201は、第1の導体たる導電ブラシ、202は、第2の導体たる検出電極、203は第3の導体、204は、第3の導体203を包括する絶縁シート、205は、導電ブラシ201の絶縁部分、Pは記録シート、Qは、記録シートの搬送経路である。
【0056】
導電ブラシ201は搬送経路Qの所定の位置に配置されており、導電ブラシ201が直接紙に当たる部分は絶縁されている。
【0057】
本例においては、図2に示すように、導電ブラシ201は所定の高電圧Vccに印加され、第3の導体203は電気的に接地されている。
【0058】
導電ブラシ201および第3の導体203は、導電ブラシ201が検出電極202に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0059】
このため、導電ブラシ201は電気的な力によって検出電極202に引き付けられる。
【0060】
図2(a)に示すように、記録シートPが導電ブラシ201に接触していないときには、導電ブラシ201は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極202と接触している。
【0061】
さらに、導電ブラシ201は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、導電ブラシ201に接触すると、図2(b)に示すように、導電ブラシ201は記録シートPに押されて検出電極202から離隔する。
【0062】
この時、導電ブラシ201の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0063】
また、導電ブラシ201が直接記録シートPに接触する部分は絶縁されているので、導電ブラシの持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0064】
導電ブラシ201が検出電極202に接触しているか否かは、検知回路によってプリンタ制御部133に伝えられる。
【0065】
図3に、本例で用いた検知回路を示す。
【0066】
図3において、301と302は接点、303、304、305は電気抵抗、306は定電圧源、307はコンパレータである。
【0067】
接点301は導電ブラシ201に、接点302は検出電極202に、それぞれ対応する。つまり、導電ブラシ201と検出電極202が接触すると、接点301と接点302が導通する。
【0068】
定電圧源306は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ307は図中4a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0069】
コンパレータ307の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0070】
導電ブラシ201と検出電極202が接触しているとき、つまり接点301と接点302が導通しているときには、図中4a点の電位はVrefよりも高くなり、信号PsenseはHighになる。
【0071】
逆に、導電ブラシ201と検出電極202が離隔しているとき、つまり接点301と接点302が導通していないときには、図中4a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0072】
定着ローラ前センサ120は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0073】
次に、図4に定着ローラ前センサ120の周辺の構造を示す。
【0074】
図4(a)は記録シートPが定着装置119内に存在しない場合を、図4(b)は記録シートPが定着装置119内に存在する場合を示す。
【0075】
401は、定着ローラ側に設けられた分離爪である。
【0076】
次に、レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときのシート巻き付き検出手段を説明する。
【0077】
図5は、レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときのシート巻き付き検出手段のフローチャートである。
【0078】
まず、画像形成動作中において記録シートPの先端が定着ローラ前センサ120を通過したときにスタートする(S501)。
【0079】
次にS502で、記録シートPの先端が定着ローラ前センサ120を通過してから一定時間内に定着排出センサ125を通過するかどうかを検出する。
【0080】
S502で記録シートPの先端が定着排出センサ125を通過したとき、プリンタ制御部133は、定着装置119内のシート搬送が正常に行われたと判断し
て、画像形成動作を続行する(S503)。
【0081】
S502で記録シートPの先端が一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかったとき、プリンタ制御部133は、定着装置119内で巻き付きジャムが発生したと判断して、画像形成動作を中止する(S504)とともに、表示パネル135および外部装置136に巻き付きジャムの発生を通知する(S505)。
【0082】
以上のシーケンスを行って、終了する(S506)。
【0083】
また、レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中以外にも、自己診断中にシート巻き付き検出を行う。
【0084】
レーザビームプリンタ101の自己診断は、電源投入時や、ユーザーがジャムを処理しようとしてレーザビームプリンタ101のドアを開閉した後、などのタイミングで行われ、このタイミングでレーザビームプリンタ101内に記録シートPが滞留している場合には、各部のシートセンサ103、108、111、120、125、126が記録シートPを検出する。
【0085】
画像形成動作中に巻き付きジャムが発生したときには、前述した方法で巻き付きジャムが検出され、記録シートPの搬送を停止させるので、記録シートPの搬送方向の長さが一定値以上であれば、記録シートPの全体が定着ローラ121もしくは加圧ローラ123に巻き付くことはなく、定着ローラ前センサ120の位置に一部分が残留する。
【0086】
このため、レーザビームプリンタ101の自己診断が行われるタイミングで、定着装置での巻き付きジャムが処理されずに残っていた場合、定着ローラ前センサ120によって検出することができる。
【0087】
自己診断中に巻き付きジャムを検出した場合、プリンタ制御部133はレーザビームプリンタ101の起動を停止し、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0088】
レーザビームプリンタ101は、以上のようなシートセンサ及びシート巻き付き検出手段を有し、定着前のトナー像を乱すことなく、巻き付きジャムを検出することができる。
【0089】
これにより、巻き付きジャムに気づかずに定着ローラ121を駆動させて巻き付きジャムの状態を悪化させることを防ぐことができる。
【0090】
(実施例2)
次に、図6および図7を参照して、実施例2を説明する。
【0091】
図6は、実施例2で用いたセンサの図、図7は、実施例2で用いた検知回路の回路図である。
【0092】
本実施例は、実施例1において図2に示した定着ローラ前センサ120を、図6に示した定着ローラ前センサ620に置き換えたものである。
【0093】
601は、第1の導体たる導電ブラシ、602は、第2の導体たる検出電極、603は第3の導体、604は、第3の導体603を包括する絶縁シート、605は、導電ブラシ601の絶縁部分である。
【0094】
実施例1においては、導電ブラシ201は所定の高電圧Vccに印加されており、第3の導体203は電気的に接地されていた。
【0095】
本実施例では、導電ブラシ601を電気的に接地し、第3の導体603を所定の高電圧Vccに印加する。
【0096】
本実施例においても実施例1と同様に、導電ブラシ601および第3の導体603は、導電ブラシ601が検出電極602に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0097】
このため、導電ブラシ601は電気的な力によって検出電極602に引き付けられる。
【0098】
図6(a)に示すように、記録シートPが導電ブラシ601に接触していないときには、導電ブラシ601は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極602と接触している。
【0099】
さらに、導電ブラシ601は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、導電ブラシ601に接触すると、図2(b)に示すように、導電ブラシ601は記録シートPに押されて検出電極602から離隔する。
【0100】
この時、導電ブラシ601の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0101】
また、導電ブラシ601が直接記録シートPに接触する部分は絶縁されているので、導電ブラシの持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0102】
導電ブラシ601が検出電極602に接触しているか否かは、図7に示す検知回路によって検知される。
【0103】
図7において、701と702は接点、703から706は電気抵抗、707は定電圧源、708はコンパレータである。
【0104】
接点701は導電ブラシ601に、接点702は検出電極602に、それぞれ対応する。つまり、導電ブラシ601と検出電極602が接触すると、接点701と接点702が導通する。
【0105】
定電圧源707は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ708は図中7a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0106】
コンパレータ708の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0107】
導電ブラシ601と検出電極602が接触しているとき、つまり接点701と接点702が導通しているときには、図中7a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0108】
逆に、導電ブラシ601と検出電極602が離隔しているとき、つまり接点701と接点702が導通していないときには、図中7a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはHighになる。
【0109】
定着ローラ前センサ620は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0110】
レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中および自己診断中に、実施例1と同様のシート巻き付き検出を行い、巻き付きジャムを検出した場合には、装置の駆動を停止するとともに、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0111】
(実施例3)
次に、図8および図9を参照して、実施例3を説明する。
【0112】
図8は、実施例3で用いたセンサの図、図9は、実施例3で用いた検知回路の回路図である。
【0113】
本実施例は、実施例1において図2に示した定着ローラ前センサ120を、図8に示した定着ローラ前センサ820に置き換えたものである。
【0114】
801は、第1の導体たるアルミシート、802はマイラ、803は、第2の導体たる検出電極、804は第3の導体、805は、第3の導体804を包括する絶縁シートである。
【0115】
本実施例では、実施例1で用いた導電ブラシの代わりに、絶縁性のマイラ802と導電性のアルミシート801を張り合わせたものを用いる。
【0116】
マイラ802は搬送経路Qの所定の位置に配置されており、記録シートPが搬送経路Q上を搬送されてくると、記録シートPに接触する。
【0117】
また、アルミシート801とマイラ802とは接着されている。
【0118】
本例においては、図8に示すように、アルミシート801は所定の高電圧Vccに印加され、第3の導体804は電気的に接地されている。
【0119】
アルミシート801および第3の導体804は、アルミシート801が検出電極803に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0120】
このため、アルミシート801は電気的な力によって検出電極803に引き付けられる。
【0121】
図8(a)に示すように、記録シートPがアルミシート801に接触していないときには、アルミシート801は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極803と接触している。
【0122】
さらに、アルミシート801およびマイラ802は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、マイラ802に接触すると、図2(b)に示すように、記録シートPに押されて容易に検出電極803から離隔する。
【0123】
この時、アルミシート801およびマイラ802の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0124】
また、直接記録シートPに接触するのは絶縁性のマイラ802で、アルミシート801は記録シートPに接触しないので、アルミシート801の持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0125】
アルミシート801が検出電極803に接触しているか否かは、図9に示す検知回路によってプリンタ制御部133に伝えられる。
【0126】
図9において、901と902は接点、903、904、905は電気抵抗、906は定電圧源、907はコンパレータである。
【0127】
接点901はアルミシート801に、接点902は検出電極803に、それぞれ対応する。つまり、アルミシート801と検出電極803が接触すると、接点901と接点902が導通する。
【0128】
定電圧源906は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ907は図中9a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0129】
コンパレータ907の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0130】
アルミシート801と検出電極803が接触しているとき、つまり接点901と接点902が導通しているときには、図中9a点の電位はVrefよりも高くなり、信号PsenseはHighになる。
【0131】
逆に、アルミシート801と検出電極803が離隔しているとき、つまり接点901と接点902が導通していないときには、図中9a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0132】
定着ローラ前センサ820は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0133】
レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中および自己診断中に、実施例1と同様のシート巻き付き検出を行い、巻き付きジャムを検出した場合には、装置の駆動を停止するとともに、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0134】
(実施例4)
次に、図10を参照して実施例4を説明する。
【0135】
図10は、実施例4における巻き付き検知のフローチャートである。
【0136】
実施例1においては、導電ブラシ201は常に所定の高電圧Vccに印加されていたが、本例においては所定のタイミングに限り導電ブラシ201に所定の高電圧Vccが印加される。
【0137】
導電ブラシ201に電圧が印加されていないときは、プリンタ制御部133は、定着ローラ前センサ120の出力を無視する。
【0138】
レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときの巻き付きジャム検出手段のフローチャートが図10である。
【0139】
まず、画像形成動作中において記録シートPの先端がレジ前センサ111を通過したときにスタートする(S1001)。このとき、導電ブラシ201に電圧は印加されていない。
【0140】
次にS1002で、記録シートPの先端がレジ前センサ111を通過してから一定時間内に定着排出センサ125を通過するかどうかを検出する。
【0141】
S1002で記録シートPの先端が定着排出センサ125を通過したとき、プリンタ制御部133は、シート搬送が正常に行われたと判断して、画像形成動作を続行する(S1003)。
【0142】
S1002で記録シートPの先端が一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかったとき、プリンタ制御部133は、シート搬送に異常があったと判断して、画像形成動作を中止する(S1004)。
【0143】
さらに、導電ブラシ201に所定の高電圧Vccを印加して、定着ローラ前センサ120を有効にする(S1005)。
【0144】
次に、S1006で、定着ローラ前センサ120によって定着ローラ入口前の記録シートPの有無を検出する。
【0145】
前述したように、記録シートPがレジ前センサ111を通過した後、一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかった場合には、記録シートPの搬送が停止される。
【0146】
このため、定着装置119内で巻き付きジャムが発生した場合、記録シートPの全体が定着ローラ121もしくは加圧ローラ123に巻き付くことはなく、定着ローラ前センサ120の位置に一部分が残留する。
【0147】
定着ローラ前センサ120は、この残留部分を検出することで、巻き付きジャムを検出できる。
【0148】
S1006で記録シートPが検出された場合、巻き付きジャムが発生したと判断し(S1007)、表示パネル135および外部装置136にて巻き付きジャムの発生を使用者に通知する。
【0149】
S1006で記録シートPが検出された場合、巻き付きジャム以外のジャムが発生したと判断する(S1008)。
【0150】
以上のシーケンスを行って、検出を終了する(S1006)。
【0151】
また、電源投入時や、使用者がジャムを処理しようとしてレーザビームプリンタ101のドアを開閉した後や、レーザビームプリンタ101の稼動が一時停止した後の復帰後、などの、巻き付きジャムが処理されずに残っている可能性があるタイミングにおいても、導電ブラシ201に所定の高電圧Vccを印加し、定着ローラ前センサ120を有効にして、記録シートPの有無を検出する。
【0152】
これにより、巻き付きジャムが処理されずに残っていた場合でも、巻き付きジャムを検出して、レーザビームプリンタ101の稼動を中断することができる。
【0153】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、定着前のトナー像を乱すことなく、定着装置入口前の記録シートを検出し、巻き付きジャムを精度良く検出できるシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を提供することができる。
【0154】
このため、巻き付きジャムを検出した時点で装置の駆動を停止できるので、重度の巻き付きジャムを未然に回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における画像形成装置の全体図である。
【図2】実施例1で用いたセンサの図である。
【図3】実施例1で用いた検知回路の回路図である。
【図4】実施例1の定着装置周辺の図である。
【図5】実施例1における巻き付き検知のフローチャートである。
【図6】実施例2で用いたセンサの図である。
【図7】実施例2で用いた検知回路の回路図である。
【図8】実施例3で用いたセンサの図である。
【図9】実施例3で用いた検知回路の回路図である。
【図10】実施例4における巻き付き検知のフローチャートである。
【符号の説明】
101:レーザビームプリンタ
111:レジ前センサ
119:定着装置
120:定着ローラ前センサ
121:定着ローラ
123:加圧ローラ
125:定着排出センサ
133:プリンタ制御部
135:表示パネル
136:外部装置
201:導電ブラシ
202:検出電極
203:第3の導体
204:絶縁シート
205:絶縁部分
601:導電ブラシ
602:検出電極
603:第3の導体
604:絶縁シート
605:絶縁部分
620:定着ローラ前センサ
801:アルミシート
802:マイラ
803:検出電極
804:第3の導体
805:絶縁シート
820:定着ローラ前センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録シートを搬送する機構を備えた電子写真方式の画像形成装置において、記録シートの有無を検出するシートセンサ、及び前記シートセンサを利用した、定着装置におけるシート巻き付き検出手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラムに形成したトナー像を、転写部に搬送されてきた記録シートに転写して画像を形成する。
【0003】
しかし、記録シートにトナー像を転写しただけではトナー像が不安定なため、記録シートを定着装置へ搬送してトナー像をシートに定着させる。
【0004】
定着装置は、記録シートのトナーがのっている面に接する定着ローラと、その裏面に接する加圧ローラとを有する。
【0005】
定着ローラ、あるいは定着ローラと加圧ローラの双方は、内部に加熱手段をもっており、前記加熱手段による熱と、両ローラ間の圧力によって、トナーが記録シートに定着される。
【0006】
このような構造をもつ定着器における解決すべき課題の一つに、記録シートが定着ローラあるいは加圧ローラに巻き付いてしまうという現象(以下巻き付きジャムと言う)がある。
【0007】
つまり、定着ローラと加圧ローラの間を出た記録シートが、定着ローラあるいは加圧ローラから分離されずに巻き付いてジャムをおこすことがある。
【0008】
この巻き付きジャムを防止するため、通常定着ローラ近傍には分離爪が配設されている。
【0009】
しかし、加圧ローラは定着ローラと比べてやわらかい素材を使っており、加圧ローラ側に分離爪を配設すると分離爪によって表面が傷つけられるため、加圧ローラ側には分離爪を置けない場合が多い。
【0010】
このため、巻き付きジャムは完全には防止できていない。
【0011】
巻き付きジャムは、ジャムをおこしている記録シートが、ジャムを取り除こうとしているユーザーに見えにくく、さらに、巻き付きジャムに気づかずに定着器を駆動させると、巻き付きを進行させたり、ローラを駆動させているモーターに過大な負荷がかかったりすることもある。
【0012】
このため、巻き付きジャムをその他のジャムと区別して検知する手段が求められる。
【0013】
従来では、巻き付きジャムを検知するために、定着ローラの入口前と出口後に、それぞれフラグ付きフォトセンサなどの接触型センサを配置して、搬送されてくる記録シートの有無を検知し、記録シートが入口側のセンサを通過して出口側のセンサを通過しないときに巻き付きジャムと判断していた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フラグ付きフォトセンサなど従来から用いられているシートセンサではセンサフラグの硬度が高いため、記録シートの搬送速度が速くなるとセンサフラグが記録シートに接触するときの衝撃が大きくなり、記録シートが定着前のトナー像を担持している場合には、センサフラグが記録シートにあたる衝撃で、まだ定着されていないトナー像が乱されてしまうという問題があった。
【0015】
このため、記録シートの搬送速度の速い高速機においては、定着ローラの入口前にシートセンサを配置することができなかった。
【0016】
本発明は、以上のような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とする処は、定着前のトナー像を乱すことなく定着ローラ入口前の記録シートの有無を検知するシートセンサ、および、巻き付きジャムを精度良く検出できるシート巻き付き検出手段を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、下記の(1)項ないし(10)項のいずれかに示すシートセンサまたはシート巻き付き検出手段を提供することにより、前記目的を達成しようとするものである。
【0018】
(1)記録シートの搬送経路に配設された第1の導体と、前記第1の導体と接触する位置に配設された第2の導体と、前記第1の導体を前記第2の導体に引き付ける向きに電界を形成する第3の導体と、前記第3の導体を第1の導体から絶縁する絶縁手段と、前記第1の導体と前記第2の導体が接触していることを電気的に検知する検知手段と、を有し、前記第1の導体と前記第2の導体の接触状況から記録シートの有無を検出することを特徴としたシートセンサ。
【0019】
(2)前記第1の導体は、前記記録シートと接触すると、前記第2の導体から離隔する構造であることを特徴とした、請求項1に記載のシートセンサ。
【0020】
(3)前記第1の導体のうち、前記記録シートに直接接触する部分は、絶縁体で保護されていることを特徴とした請求項1または2に記載のシートセンサ。
【0021】
(4)前記第1の導体は、導電ブラシであることを特徴とした請求項1から3に記載のシートセンサ。
【0022】
(5)前記第1の導体は所定の電圧に印加され、前記第2の導体および前記第3の導体は電気的に接地されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
【0023】
(6)前記第1の導体は電気的に接地され、前記第2の導体および前記第3の導体は所定の電圧に印加されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
【0024】
(7)前記第1の導体、前記第2の導体、前記第3の導体のいずれかは、所定の機会にのみ電圧が印加されることを特徴とした、請求項1から6に記載のシートセンサ。
【0025】
(8)前記所定の機会とは、装置本体への電源投入時、またはプリンタがジャムを認識した時、または装置の稼動が一時停止した後の復帰後、であることを特徴とした、請求項7に記載のシートセンサ。
【0026】
(9)記録シートを搬送するために回転自在に配置された定着ローラと、前記定着ローラと対をなして当該記録シートの裏面に当接する加圧ローラと、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラあるいは前記定着ローラと加圧ローラの双方を加熱せしめる手段と、を有し、前記定着ローラと加圧ローラの間に、表面にトナー像を担持した記録シートを通すことで、前記トナー像を記録シートに定着させる定着機構のシート巻き付き検出手段において、請求項1から8に記載のシートセンサを利用することを特徴としたシート巻き付き検出手段。
【0027】
(10)さらに、前記定着ローラの記録シート搬送方向下流側近傍に配設され、記録シートの有無を検出する第2のセンサと、前記第1の導体の更に搬送方向上流側に配設され、記録シートの有無を検出する第3のセンサと、を有し、当該記録シートが第3のセンサを通過した後で第2のセンサを予期されたタイミングで通過しない場合に、前記定着ローラ及び加圧ローラを停止せしめることを特徴とした、請求項9に記載のシート巻き付き検出手段。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、複数の実施例により、図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
なお、各図面において、同一の符号は同一の構成を示している。
【0030】
(実施例1)
まず、図1から図5を用いて実施例1を説明する。
【0031】
図1は、実施例1における画像形成装置の全体図、図2は、実施例1で用いたセンサの図、図3は、実施例1で用いた検知回路の回路図、図4は、実施例1の定着装置周辺の図、図5は、実施例1における巻き付き検知のフローチャートである。
【0032】
まず、本発明に係るシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を利用した画像形成装置を説明する。
【0033】
図1において、101は本発明に係るシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を利用した画像形成装置たる、電子写真方式のレーザビームプリンタである。
【0034】
102はデッキ、103はデッキシート有無センサ、104は、記録シートの大きさを検知するセンサであるシートサイズ検知センサ、105はピックアップローラ、106はデッキ給送ローラ、107はリタードローラ、108は給送センサ、109は給送搬送ローラ、110はレジストローラ対、111はレジ前センサ、112はレーザスキャナ部、113はプロセスカートリッジ、114は感光体ドラム、115は帯電ローラ、116は現像機、117は転写ローラ、118は搬送ガイド、119は定着装置、120は定着ローラ前センサである。
【0035】
この定着ローラ前センサ120は本発明に係るシートセンサであり、本発明の特徴的な機構であるので、その構成については図2から図4を用いて後述する。
【0036】
121は定着ローラ、122は第1のハロゲンヒータ、123は加圧ローラ、124は、第2のハロゲンヒータ、125は定着排出センサ、126は排出センサ、127は排出ローラ対、128はレーザユニット、129はポリゴンミラー、130はスキャナモータ、131は結像レンズ群、132は折り返しミラー、133はプリンタ制御部、134はメインモータ、135は表示パネル、136は外部装置、Pは記録シートである。
【0037】
レーザビームプリンタ101は、記録シートPを収納するデッキ102を有すると供に、このデッキ102内の記録シートPの有無を検出するデッキシート有無センサ103、デッキ102内の記録シートPのサイズを検知するシートサイズ検知センサ104、デッキ102から記録シートPを繰り出すピックアップローラ105、該ピックアップローラ105によって繰り出された記録シートPを搬送するデッキ給送ローラ106、該デッキ給送ローラ106と対をなし、記録シートPの重送を防止するためのリタードローラ107を備えている。
【0038】
そして、デッキ給送ローラ106のシート搬送方向下流側(以下単に「下流」という)には給送搬送状態を検出する給送センサ108、さらに下流へと記録シートPを搬送するための給送搬送ローラ109、記録シートPを画像形成動作と同期して搬送するレジストローラ対110、該レジストローラ対110への記録シートPの搬送状態を検出するレジ前センサ111が配設されている。
【0039】
また、レジストローラ対110の下流には、後述するレーザスキャナ部112からのレーザ光に基づいて感光体ドラム114上にトナー像を形成する画像形成手段を構成するプロセスカートリッジ113が装置本体に対して着脱可能に装着されている。
【0040】
このプロセスカートリッジ113は、回転可能な感光体ドラム114と、その周囲に帯電ローラ115及び現像器116、さらには図示しないクリーニング器を有しており、画像形成に際しては帯電ローラ115によって感光体ドラム114の表面を一様に帯電するとともに、レーザスキャナ部112から選択的な露光を行うことで潜像を形成し、その潜像を現像器116によってトナー現像して可視像化する。
【0041】
そして、転写ローラ117に転写バイアス電圧を印加することで、搬送されてきた記録シートPに前記トナー像を転写して画像を形成する。
【0042】
転写ローラ117の下流には搬送ガイド118、記録シートP上に転写されたトナー像を熱定着する定着装置119が設けられている。
【0043】
定着装置119は、第1のハロゲンヒータ122を内包する定着ローラ121と、第2のハロゲンヒータ124を内包する加圧ローラ123と、定着ローラ121への搬送状態を検出する定着ローラ前センサ120と、定着ローラ121からの搬送状態を検出する定着排出センサ125と、を有する。
【0044】
定着ローラ前センサ120は本発明に係るシートセンサであるので、その構成については図2から図6を用いて後述する。
【0045】
さらに下流には、排出部のシート搬送伏態を検出する排出センサ126、記録シートPを排出する排出ローラ対127が配設されている。
【0046】
また、前記レーザスキャナ部112には、後述する外部装置136から送出される画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット128、レーザユニット128からのレーザ光を感光体ドラム114上に走査するためのポリゴンミラー129とスキャナモータ130、結像レンズ群131、及び折り返しミラー132により構成されている。
【0047】
プリンタ制御部133はレーザープリンタ101を制御するものであって、図示はされていないが、RAM、ROM、タイマ、デジタル入出力ポート等を具備したMPU(マイクロコンピュータ)及び各種入出力制御回路等で構成されている。
【0048】
このプリンタ制御部133は、各部の記録シートPのセンサ103、104、108、111、120、125、126と配線されており、各センサ103、104、108、111、120、125、126から信号を受け取ることができる。
【0049】
なお、シートサイズセンサ104および定着ローラ前センサ120以外の各部シートセンサ103、108、111、125、126は、記録シートPがセンサフラグにあたることによってセンサフラグがフォトセンサを遮ることで記録シートPを検知するもので、この構造は通常広く用いられている。
【0050】
メインモータ134は、各部に動力を供給している。
【0051】
表示パネル135は、ステータスなどを表示して使用者に情報を伝える。
【0052】
そして、前記プリンタ制御部133は、インターフェイスを介してパーソナルコンピュータ等の外部装置136に接続されている。
【0053】
次に、本発明に係るシートセンサである定着ローラ前センサ120について説明する。
【0054】
図2に、定着ローラ前センサ120の構成を示す。
【0055】
201は、第1の導体たる導電ブラシ、202は、第2の導体たる検出電極、203は第3の導体、204は、第3の導体203を包括する絶縁シート、205は、導電ブラシ201の絶縁部分、Pは記録シート、Qは、記録シートの搬送経路である。
【0056】
導電ブラシ201は搬送経路Qの所定の位置に配置されており、導電ブラシ201が直接紙に当たる部分は絶縁されている。
【0057】
本例においては、図2に示すように、導電ブラシ201は所定の高電圧Vccに印加され、第3の導体203は電気的に接地されている。
【0058】
導電ブラシ201および第3の導体203は、導電ブラシ201が検出電極202に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0059】
このため、導電ブラシ201は電気的な力によって検出電極202に引き付けられる。
【0060】
図2(a)に示すように、記録シートPが導電ブラシ201に接触していないときには、導電ブラシ201は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極202と接触している。
【0061】
さらに、導電ブラシ201は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、導電ブラシ201に接触すると、図2(b)に示すように、導電ブラシ201は記録シートPに押されて検出電極202から離隔する。
【0062】
この時、導電ブラシ201の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0063】
また、導電ブラシ201が直接記録シートPに接触する部分は絶縁されているので、導電ブラシの持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0064】
導電ブラシ201が検出電極202に接触しているか否かは、検知回路によってプリンタ制御部133に伝えられる。
【0065】
図3に、本例で用いた検知回路を示す。
【0066】
図3において、301と302は接点、303、304、305は電気抵抗、306は定電圧源、307はコンパレータである。
【0067】
接点301は導電ブラシ201に、接点302は検出電極202に、それぞれ対応する。つまり、導電ブラシ201と検出電極202が接触すると、接点301と接点302が導通する。
【0068】
定電圧源306は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ307は図中4a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0069】
コンパレータ307の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0070】
導電ブラシ201と検出電極202が接触しているとき、つまり接点301と接点302が導通しているときには、図中4a点の電位はVrefよりも高くなり、信号PsenseはHighになる。
【0071】
逆に、導電ブラシ201と検出電極202が離隔しているとき、つまり接点301と接点302が導通していないときには、図中4a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0072】
定着ローラ前センサ120は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0073】
次に、図4に定着ローラ前センサ120の周辺の構造を示す。
【0074】
図4(a)は記録シートPが定着装置119内に存在しない場合を、図4(b)は記録シートPが定着装置119内に存在する場合を示す。
【0075】
401は、定着ローラ側に設けられた分離爪である。
【0076】
次に、レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときのシート巻き付き検出手段を説明する。
【0077】
図5は、レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときのシート巻き付き検出手段のフローチャートである。
【0078】
まず、画像形成動作中において記録シートPの先端が定着ローラ前センサ120を通過したときにスタートする(S501)。
【0079】
次にS502で、記録シートPの先端が定着ローラ前センサ120を通過してから一定時間内に定着排出センサ125を通過するかどうかを検出する。
【0080】
S502で記録シートPの先端が定着排出センサ125を通過したとき、プリンタ制御部133は、定着装置119内のシート搬送が正常に行われたと判断し
て、画像形成動作を続行する(S503)。
【0081】
S502で記録シートPの先端が一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかったとき、プリンタ制御部133は、定着装置119内で巻き付きジャムが発生したと判断して、画像形成動作を中止する(S504)とともに、表示パネル135および外部装置136に巻き付きジャムの発生を通知する(S505)。
【0082】
以上のシーケンスを行って、終了する(S506)。
【0083】
また、レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中以外にも、自己診断中にシート巻き付き検出を行う。
【0084】
レーザビームプリンタ101の自己診断は、電源投入時や、ユーザーがジャムを処理しようとしてレーザビームプリンタ101のドアを開閉した後、などのタイミングで行われ、このタイミングでレーザビームプリンタ101内に記録シートPが滞留している場合には、各部のシートセンサ103、108、111、120、125、126が記録シートPを検出する。
【0085】
画像形成動作中に巻き付きジャムが発生したときには、前述した方法で巻き付きジャムが検出され、記録シートPの搬送を停止させるので、記録シートPの搬送方向の長さが一定値以上であれば、記録シートPの全体が定着ローラ121もしくは加圧ローラ123に巻き付くことはなく、定着ローラ前センサ120の位置に一部分が残留する。
【0086】
このため、レーザビームプリンタ101の自己診断が行われるタイミングで、定着装置での巻き付きジャムが処理されずに残っていた場合、定着ローラ前センサ120によって検出することができる。
【0087】
自己診断中に巻き付きジャムを検出した場合、プリンタ制御部133はレーザビームプリンタ101の起動を停止し、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0088】
レーザビームプリンタ101は、以上のようなシートセンサ及びシート巻き付き検出手段を有し、定着前のトナー像を乱すことなく、巻き付きジャムを検出することができる。
【0089】
これにより、巻き付きジャムに気づかずに定着ローラ121を駆動させて巻き付きジャムの状態を悪化させることを防ぐことができる。
【0090】
(実施例2)
次に、図6および図7を参照して、実施例2を説明する。
【0091】
図6は、実施例2で用いたセンサの図、図7は、実施例2で用いた検知回路の回路図である。
【0092】
本実施例は、実施例1において図2に示した定着ローラ前センサ120を、図6に示した定着ローラ前センサ620に置き換えたものである。
【0093】
601は、第1の導体たる導電ブラシ、602は、第2の導体たる検出電極、603は第3の導体、604は、第3の導体603を包括する絶縁シート、605は、導電ブラシ601の絶縁部分である。
【0094】
実施例1においては、導電ブラシ201は所定の高電圧Vccに印加されており、第3の導体203は電気的に接地されていた。
【0095】
本実施例では、導電ブラシ601を電気的に接地し、第3の導体603を所定の高電圧Vccに印加する。
【0096】
本実施例においても実施例1と同様に、導電ブラシ601および第3の導体603は、導電ブラシ601が検出電極602に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0097】
このため、導電ブラシ601は電気的な力によって検出電極602に引き付けられる。
【0098】
図6(a)に示すように、記録シートPが導電ブラシ601に接触していないときには、導電ブラシ601は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極602と接触している。
【0099】
さらに、導電ブラシ601は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、導電ブラシ601に接触すると、図2(b)に示すように、導電ブラシ601は記録シートPに押されて検出電極602から離隔する。
【0100】
この時、導電ブラシ601の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0101】
また、導電ブラシ601が直接記録シートPに接触する部分は絶縁されているので、導電ブラシの持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0102】
導電ブラシ601が検出電極602に接触しているか否かは、図7に示す検知回路によって検知される。
【0103】
図7において、701と702は接点、703から706は電気抵抗、707は定電圧源、708はコンパレータである。
【0104】
接点701は導電ブラシ601に、接点702は検出電極602に、それぞれ対応する。つまり、導電ブラシ601と検出電極602が接触すると、接点701と接点702が導通する。
【0105】
定電圧源707は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ708は図中7a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0106】
コンパレータ708の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0107】
導電ブラシ601と検出電極602が接触しているとき、つまり接点701と接点702が導通しているときには、図中7a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0108】
逆に、導電ブラシ601と検出電極602が離隔しているとき、つまり接点701と接点702が導通していないときには、図中7a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはHighになる。
【0109】
定着ローラ前センサ620は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0110】
レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中および自己診断中に、実施例1と同様のシート巻き付き検出を行い、巻き付きジャムを検出した場合には、装置の駆動を停止するとともに、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0111】
(実施例3)
次に、図8および図9を参照して、実施例3を説明する。
【0112】
図8は、実施例3で用いたセンサの図、図9は、実施例3で用いた検知回路の回路図である。
【0113】
本実施例は、実施例1において図2に示した定着ローラ前センサ120を、図8に示した定着ローラ前センサ820に置き換えたものである。
【0114】
801は、第1の導体たるアルミシート、802はマイラ、803は、第2の導体たる検出電極、804は第3の導体、805は、第3の導体804を包括する絶縁シートである。
【0115】
本実施例では、実施例1で用いた導電ブラシの代わりに、絶縁性のマイラ802と導電性のアルミシート801を張り合わせたものを用いる。
【0116】
マイラ802は搬送経路Qの所定の位置に配置されており、記録シートPが搬送経路Q上を搬送されてくると、記録シートPに接触する。
【0117】
また、アルミシート801とマイラ802とは接着されている。
【0118】
本例においては、図8に示すように、アルミシート801は所定の高電圧Vccに印加され、第3の導体804は電気的に接地されている。
【0119】
アルミシート801および第3の導体804は、アルミシート801が検出電極803に引き付けられる向きに電界を形成する。
【0120】
このため、アルミシート801は電気的な力によって検出電極803に引き付けられる。
【0121】
図8(a)に示すように、記録シートPがアルミシート801に接触していないときには、アルミシート801は、前述した電気的な力と導電ブラシ自体の弾力によって、検出電極803と接触している。
【0122】
さらに、アルミシート801およびマイラ802は適切な硬度であり、記録シートPが搬送経路Qを搬送されてきて、マイラ802に接触すると、図2(b)に示すように、記録シートPに押されて容易に検出電極803から離隔する。
【0123】
この時、アルミシート801およびマイラ802の硬度は従来のセンサフラグに比べて低いため、記録シートPに衝突する衝撃が小さく、記録シートPが担持している定着前のトナー像が乱れることがない。
【0124】
また、直接記録シートPに接触するのは絶縁性のマイラ802で、アルミシート801は記録シートPに接触しないので、アルミシート801の持つ電位が記録シートPに影響を与えることがない。
【0125】
アルミシート801が検出電極803に接触しているか否かは、図9に示す検知回路によってプリンタ制御部133に伝えられる。
【0126】
図9において、901と902は接点、903、904、905は電気抵抗、906は定電圧源、907はコンパレータである。
【0127】
接点901はアルミシート801に、接点902は検出電極803に、それぞれ対応する。つまり、アルミシート801と検出電極803が接触すると、接点901と接点902が導通する。
【0128】
定電圧源906は適切な電圧Vrefを出力しており、コンパレータ907は図中9a点の電位と電圧Vrefとを比較する。
【0129】
コンパレータ907の出力は、プリンタ制御部133に、信号Psenseとして接続されている。
【0130】
アルミシート801と検出電極803が接触しているとき、つまり接点901と接点902が導通しているときには、図中9a点の電位はVrefよりも高くなり、信号PsenseはHighになる。
【0131】
逆に、アルミシート801と検出電極803が離隔しているとき、つまり接点901と接点902が導通していないときには、図中9a点の電位はVrefよりも低くなり、信号PsenseはLowになる。
【0132】
定着ローラ前センサ820は以上のような構成をもつことで、搬送経路Q上の所定の位置において、記録シートPの有無を検知する。
【0133】
レーザビームプリンタ101は、画像形成動作中および自己診断中に、実施例1と同様のシート巻き付き検出を行い、巻き付きジャムを検出した場合には、装置の駆動を停止するとともに、表示パネル135および外部装置136によって使用者に巻き付きジャムの存在を通知する。
【0134】
(実施例4)
次に、図10を参照して実施例4を説明する。
【0135】
図10は、実施例4における巻き付き検知のフローチャートである。
【0136】
実施例1においては、導電ブラシ201は常に所定の高電圧Vccに印加されていたが、本例においては所定のタイミングに限り導電ブラシ201に所定の高電圧Vccが印加される。
【0137】
導電ブラシ201に電圧が印加されていないときは、プリンタ制御部133は、定着ローラ前センサ120の出力を無視する。
【0138】
レーザビームプリンタ101が画像形成動作中にあるときの巻き付きジャム検出手段のフローチャートが図10である。
【0139】
まず、画像形成動作中において記録シートPの先端がレジ前センサ111を通過したときにスタートする(S1001)。このとき、導電ブラシ201に電圧は印加されていない。
【0140】
次にS1002で、記録シートPの先端がレジ前センサ111を通過してから一定時間内に定着排出センサ125を通過するかどうかを検出する。
【0141】
S1002で記録シートPの先端が定着排出センサ125を通過したとき、プリンタ制御部133は、シート搬送が正常に行われたと判断して、画像形成動作を続行する(S1003)。
【0142】
S1002で記録シートPの先端が一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかったとき、プリンタ制御部133は、シート搬送に異常があったと判断して、画像形成動作を中止する(S1004)。
【0143】
さらに、導電ブラシ201に所定の高電圧Vccを印加して、定着ローラ前センサ120を有効にする(S1005)。
【0144】
次に、S1006で、定着ローラ前センサ120によって定着ローラ入口前の記録シートPの有無を検出する。
【0145】
前述したように、記録シートPがレジ前センサ111を通過した後、一定時間内に定着排出センサ125を通過しなかった場合には、記録シートPの搬送が停止される。
【0146】
このため、定着装置119内で巻き付きジャムが発生した場合、記録シートPの全体が定着ローラ121もしくは加圧ローラ123に巻き付くことはなく、定着ローラ前センサ120の位置に一部分が残留する。
【0147】
定着ローラ前センサ120は、この残留部分を検出することで、巻き付きジャムを検出できる。
【0148】
S1006で記録シートPが検出された場合、巻き付きジャムが発生したと判断し(S1007)、表示パネル135および外部装置136にて巻き付きジャムの発生を使用者に通知する。
【0149】
S1006で記録シートPが検出された場合、巻き付きジャム以外のジャムが発生したと判断する(S1008)。
【0150】
以上のシーケンスを行って、検出を終了する(S1006)。
【0151】
また、電源投入時や、使用者がジャムを処理しようとしてレーザビームプリンタ101のドアを開閉した後や、レーザビームプリンタ101の稼動が一時停止した後の復帰後、などの、巻き付きジャムが処理されずに残っている可能性があるタイミングにおいても、導電ブラシ201に所定の高電圧Vccを印加し、定着ローラ前センサ120を有効にして、記録シートPの有無を検出する。
【0152】
これにより、巻き付きジャムが処理されずに残っていた場合でも、巻き付きジャムを検出して、レーザビームプリンタ101の稼動を中断することができる。
【0153】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、定着前のトナー像を乱すことなく、定着装置入口前の記録シートを検出し、巻き付きジャムを精度良く検出できるシートセンサおよびシート巻き付き検出手段を提供することができる。
【0154】
このため、巻き付きジャムを検出した時点で装置の駆動を停止できるので、重度の巻き付きジャムを未然に回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における画像形成装置の全体図である。
【図2】実施例1で用いたセンサの図である。
【図3】実施例1で用いた検知回路の回路図である。
【図4】実施例1の定着装置周辺の図である。
【図5】実施例1における巻き付き検知のフローチャートである。
【図6】実施例2で用いたセンサの図である。
【図7】実施例2で用いた検知回路の回路図である。
【図8】実施例3で用いたセンサの図である。
【図9】実施例3で用いた検知回路の回路図である。
【図10】実施例4における巻き付き検知のフローチャートである。
【符号の説明】
101:レーザビームプリンタ
111:レジ前センサ
119:定着装置
120:定着ローラ前センサ
121:定着ローラ
123:加圧ローラ
125:定着排出センサ
133:プリンタ制御部
135:表示パネル
136:外部装置
201:導電ブラシ
202:検出電極
203:第3の導体
204:絶縁シート
205:絶縁部分
601:導電ブラシ
602:検出電極
603:第3の導体
604:絶縁シート
605:絶縁部分
620:定着ローラ前センサ
801:アルミシート
802:マイラ
803:検出電極
804:第3の導体
805:絶縁シート
820:定着ローラ前センサ
Claims (10)
- 記録シートの搬送経路に配設された第1の導体と、前記第1の導体と接触する位置に配設された第2の導体と、前記第1の導体を前記第2の導体に引き付ける向きに電界を形成する第3の導体と、前記第3の導体を第1の導体から絶縁する絶縁手段と、前記第1の導体と前記第2の導体が接触していることを電気的に検知する検知手段と、を有し、前記第1の導体と前記第2の導体の接触状況から記録シートの有無を検出することを特徴としたシートセンサ。
- 前記第1の導体は、前記記録シートと接触すると、前記第2の導体から離隔する構造であることを特徴とした、請求項1に記載のシートセンサ。
- 前記第1の導体のうち、前記記録シートに直接接触する部分は、絶縁体で保護されていることを特徴とした請求項1または2に記載のシートセンサ。
- 前記第1の導体は、導電ブラシであることを特徴とした請求項1から3に記載のシートセンサ。
- 前記第1の導体は所定の電圧に印加され、前記第2の導体および前記第3の導体は電気的に接地されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
- 前記第1の導体は電気的に接地され、前記第2の導体および前記第3の導体は所定の電圧に印加されていることを特徴とした、請求項1から4に記載のシートセンサ。
- 前記第1の導体、前記第2の導体、前記第3の導体のいずれかは、所定の機会にのみ電圧が印加されることを特徴とした、請求項1から6に記載のシートセンサ。
- 前記所定の機会とは、装置本体への電源投入時、またはプリンタがジャムを認識した時、または装置の稼動が一時停止した後の復帰後、であることを特徴とした、請求項7に記載のシートセンサ。
- 記録シートを搬送するために回転自在に配置された定着ローラと、前記定着ローラと対をなして当該記録シートの裏面に当接する加圧ローラと、前記定着ローラあるいは前記加圧ローラあるいは前記定着ローラと加圧ローラの双方を加熱せしめる手段と、を有し、前記定着ローラと加圧ローラの間に、表面にトナー像を担持した記録シートを通すことで、前記トナー像を記録シートに定着させる定着機構のシート巻き付き検出手段において、請求項1から8に記載のシートセンサを利用することを特徴としたシート巻き付き検出手段。
- さらに、前記定着ローラの記録シート搬送方向下流側近傍に配設され、記録シートの有無を検出する第2のセンサと、前記第1の導体の更に搬送方向上流側に配設され、記録シートの有無を検出する第3のセンサと、を有し、当該記録シートが第3のセンサを通過した後で第2のセンサを予期されたタイミングで通過しない場合に、前記定着ローラ及び加圧ローラを停止せしめることを特徴とした、請求項9に記載のシート巻き付き検出手段。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017032860A (ja) * | 2015-08-04 | 2017-02-09 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP2017167285A (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置および搬送制御方法 |
-
2002
- 2002-10-21 JP JP2002306211A patent/JP2004142835A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017032860A (ja) * | 2015-08-04 | 2017-02-09 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
JP2017167285A (ja) * | 2016-03-15 | 2017-09-21 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置および搬送制御方法 |
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