JP2004142652A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータおよび基準値の比較に基づいて車両運転者の急ブレーキ操作が急ブレーキ操作検出手段43で検出され、旋回運動制御手段41による制御を実行中には前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に基準値変更手段42で変更され、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを行なうように、ブレーキアクチュエータ25が作動する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ブレーキ装置に関し、特に、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の旋回運動にあたって旋回運動の目標値および実際値の比較結果に応じて車輪ブレーキのブレーキ力を制御することで、ステアリング操作を支援するようにしたものが既に知られており(たとえば特許文献1参照。)、また車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を車両運転者のブレーキ操作に応じて増大させるようにしたものも既に知られている(たとえば特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−59367号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2001−287632号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記ステアリング操作の支援が、たとえば障害物回避のためのステアリング操作の結果で生じる車体挙動の乱れに対する安定化を図るために実行されているときに、次に接近する二次障害物との衝突を回避するために車両運転者がブレーキ操作を行なう場合がある。この際、上記特許文献2で開示されるようなブレーキアシスト制御を可能としておけば、車両運転者のブレーキ操作に応じたブレーキアシストにより、二次障害物との衝突を回避したり、衝突してもその衝突エネルギーを低減し得る可能性がある。しかるに旋回運動制御およびブレーキアシスト制御は同一のアクチュエータを制御対象とするものであるので、旋回運動制御およびブレーキアシスト制御が干渉することを回避するために、従来では、旋回運動制御の実行中にはブレーキアシスト制御を実行しないようにしている。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させるようにした車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータおよび基準値の比較に基づいて車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータと、前記旋回運動制御手段による制御を実行中には前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に変更する基準値変更手段を含むことを特徴とする。
【0008】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作が急ブレーキ操作と判定され易くなり、その急ブレーキ操作判定に応じてブレーキアシストするようにブレーキアクチュエータを作動せしめるので、両制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させ、車両が比較的不安定な状態にあるときに車両の運動量を小さくして減速および旋回制御を相乗的に機能させることができる。
【0009】
また上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置において、ブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を非アシスト時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータと、車両運転者のブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段と、前記旋回運動制御手段による制御を実行中に前記ブレーキ操作検出手段が車両運転者のブレーキ操作を検出するのに応じて前記ブレーキアシストを行なうようにしてブレーキアクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
このような請求項2記載の発明の構成によれば、旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作に応じてブレーキアシストするようにブレーキアクチュエータを作動せしめるので、両制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させ、車両が比較的不安定な状態にあるときに車両の運動量を小さくして減速および旋回制御を相乗的に機能させることができる。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータと、車両の旋回運動状態がアンダーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段と、該ステア状態判定手段がアンダーステア状態であると判定した状態での前記旋回運動制御手段による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段が急ブレーキ操作を検出するのに応じて前輪よりも後輪側のブレーキ力をより大きく増大させるブレーキアシストを行なうように前記ブレーキアクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段とを含むことを特徴とする。
【0012】
このような請求項3記載の発明の構成によれば、旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作が急ブレーキ操作と判定され易くなり、その急ブレーキ操作判定に応じてブレーキアシストをするようにブレーキアクチュエータを作動せしめるので、両制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させることができ、しかも車両がアンダーステア状態にあるときには車両の運動エネルギーが物理的限界を超えている状態であるか、前輪の横滑り量が後輪の横滑り量よりも大きい状態であると考えられ、ブレーキ力増大の対象としてより余裕のある後輪側のブレーキ量増大量を大きくするので、より効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の構成に加えて、前記アクチュエータ制御手段は、前記ステア状態判定手段がアンダーステア状態であると判定した状態での前記急ブレーキ操作検出手段による急ブレーキ操作検出に応じて後輪側のブレーキ力だけを増大させるように前記ブレーキアクチュエータを制御することを特徴とし、かかる構成によれば、ブレーキ力増大の対象としてより余裕のある後輪だけブレーキ力を大きくするので、より一層効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0014】
請求項5記載の発明は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータと、車両の旋回運動状態がオーバーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段と、該ステア状態判定手段がオーバーステア状態であると判定した状態では少なくとも後輪のブレーキ力増大を禁止しつつ前記旋回運動制御手段による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段が急ブレーキ操作を検出するのに応じてブレーキアシストを行なうように前記ブレーキアクチュエータの作動を制御するアクチュエータ制御手段とを含むことを特徴とする。
【0015】
このような請求項5記載の発明の構成によれば、旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作が急ブレーキ操作と判定され易くなり、その急ブレーキ操作判定に応じてブレーキアシストするようにブレーキアクチュエータを作動せしめるので、両制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させることができ、しかも車両がオーバーステア状態にあるときには後輪の横滑り量が前輪の横滑り量よりも大きい状態であると考えられ、その状態では少なくとも後輪のブレーキ力が増大することはないので、より効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0016】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明の構成に加えて、前記アクチュエータ制御手段は、前記ステア状態判定手段がオーバーステア状態であると判定した状態での前記急ブレーキ操作検出手段による急ブレーキ操作検出時には全輪のブレーキ力増大を禁止するようにして前記ブレーキアクチュエータを制御することを特徴とし、かかる構成によれば、オーバーステア状態ではブレーキアシスト制御を実行しないことになるので、ブレーキアシストによって車両の姿勢が不安定になる事態が生じるのを防止することができる。
【0017】
さらに請求項7記載の発明は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータと、車両の旋回運動状態がアンダーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段とを含み、前記旋回運動制御手段は、前記ステア状態判定手段がアンダーステア状態であると判定した状態での前記旋回運動制御手段による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段が急ブレーキ操作を検出するのに応じて制御を中止することを特徴とする。
【0018】
このような請求項7記載の発明の構成によれば、旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作が急ブレーキ操作と判定され易くなり、その急ブレーキ操作判定に応じてブレーキアシストするようにブレーキアクチュエータを作動せしめるので、両制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させることができる。しかも車両がアンダーステア状態にあるときには車両の運動エネルギーが物理的限界を超えている状態であるか、前輪の横滑り量が後輪の横滑り量をよりも大きい状態であると考えられ、このようなアンダーステア状態の解消にあたっては、運動エネルギー自体を小さくするか、前、後輪の横滑り量の差を小さくすることが有効であるが、急ブレーキ時に全輪のブレーキ力を増大させると、旋回運動制御との干渉によって目標の車両挙動が得られなくなる可能性がある。このため、アンダーステア状態にあるときには旋回運動制御を中止して、ブレーキアクチュエータによるブレーキアシストに特化することで両制御の干渉を回避し、減速および運動エネルギーの低減によって車両挙動の安定化を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図4は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は車両のブレーキ装置の構成を示す液圧系統図、図2はブレーキ制御ECUの構成を示すブロック図、図3は急ブレーキ操作状態を判定するための基準値を示す図、図4はブレーキ制御ECUによるブレーキアシスト制御手順を示すフローチャートである。
【0021】
先ず図1において、たとえば四輪車両に搭載されるマスタシリンダ1には、負圧ブースタ2を介してブレーキペダル4からブレーキ操作力が入力される。このマスタシリンダ1は、タンデム型に構成されるものであり、たとえば左前輪用車輪ブレーキBFおよび右後輪用車輪ブレーキBRに対応した第1出力ポート5と、たとえば右前輪用車輪ブレーキ(図示せず)および左後輪用車輪ブレーキ(図示せず)に対応した第2出力ポート6とを備え、第1および第2出力ポート5,6には出力液圧路7,8がそれぞれ個別に接続される。
【0022】
前記第1出力ポート5側のブレーキ装置と、前記第2出力ポート6側のブレーキ装置とは同一の構成を有するものであり、以下、第1出力ポート5側のブレーキ装置に関する部分だけについて説明し、第2出力ポート6側のブレーキ装置に関する部分についての説明を省略する。
【0023】
前記マスタシリンダ1の出力液圧は、吸入弁11および吐出弁12を備えるとともにモータ9で駆動されるポンプ10で増圧可能であり、該ポンプ10の吐出側すなわち吐出弁12は液圧路13に接続される。
【0024】
前記液圧路13および両車輪ブレーキBF,BR間には調圧手段14が設けられており、この調圧手段14は、左前輪用車輪ブレーキBFおよび液圧路13間に設けられる常開型電磁弁15と、右後輪用車輪ブレーキBRおよび液圧路13間に設けられる常開型電磁弁16と、各車輪ブレーキBF,BR側から前記液圧路13側へのブレーキ液の流通を許容して両常開型電磁弁15,16にそれぞれ並列に接続される一対の一方向弁17,18と、両車輪ブレーキBF,BRに共通である単一のリザーバ19と、各車輪ブレーキBF,BRおよびリザーバ19間にそれぞれ設けられる常閉型電磁弁20,21とを備え、リザーバ19は、ポンプ10の吸入側すなわち吸入弁11にチェック弁22を介して接続される。
【0025】
このような調圧手段14は、常開型電磁弁15,16を開弁するとともに常閉型電磁弁20,21を閉弁することにより液圧路13の液圧を各車輪ブレーキBF,BRにそれぞれ作用せしめる状態と、常開型電磁弁15,16を閉弁するとともに常閉型電磁弁20,21を閉弁することにより各車輪ブレーキBF,BRにのブレーキ液圧を保持する状態と、常開型電磁弁15,16を閉弁するとともに常閉型電磁弁20,21を開弁することにより各車輪ブレーキBF,BRのブレーキ液圧をリザーバ19に解放する状態とを切換可能であり、各常開型電磁弁15,16および各常閉型電磁弁20,21の開閉を制御することにより液圧路13の液圧を制御して車輪ブレーキBF,BRに作用せしめることができる。
【0026】
出力液圧路7は常閉型電磁弁23を介して前記ポンプ10の吸入側すなわち吸入弁11およびチェック弁22間に接続されるとともに、常開型電磁弁24を介して前記液圧路13に接続される。
【0027】
常開型電磁弁24には、出力液圧路7から液圧路13側へのブレーキ液の流通を許容する一方向弁26が並列に接続されるとともに、液圧路13の液圧がリリーフ圧よりも高いときに開弁して液圧路13から出力液圧路7側に液圧を解放するリリーフ弁27が並列に接続されており、該リリーフ弁27のリリーフ圧は調節可能である。
【0028】
前記常閉型電磁弁23、常開型電磁弁24、一方向弁26およびリリーフ弁27は、共働してブレーキアシスト手段28を構成するものであり、このブレーキアシスト手段28においては、常閉型電磁弁23を開くとともに常開型電磁弁24を閉じた状態で、リリーフ弁27のリリーフ圧を調節することにより、車両運転者のブレーキ操作入力に対するブレーキ出力の比であるブレーキ出力ゲイン{(液圧路13のブレーキ液圧/ブレーキペダル4の操作力)または(車両減速度/ブレーキペダル4の操作力)}を変更することを可能として、車輪ブレーキBF,BRに作用せしめるブレーキ圧、すなわち車輪ブレーキが発揮するブレーキ力を調節することができる。
【0029】
前記ポンプ10、調圧手段14および前記ブレーキアシスト手段28により、ブレーキアシストを可能として前記各車輪ブレーキBF,BRのブレーキ力を調節するブレーキアクチュエータ25が構成されるものであり、このブレーキアクチュエータ25は、ブレーキ制御ECU29により制御される。
【0030】
すなわちポンプ10を駆動するモータ9のオン・オフ作動、前記調圧手段14における各常開型電磁弁15,16および各常閉型電磁弁20,21の開閉作動、前記ブレーキアシスト手段28における常閉型電磁弁23および常開型電磁弁24の開閉作動、ならびに前記リリーフ弁27のリリーフ圧がブレーキ制御ECU29によって制御される。
【0031】
このブレーキ制御ECU29には、車速を検出する車速検出手段30、車両運転者によるブレーキペダル4の踏込み操作量を検出するブレーキ操作量検出手段31、マスタシリンダ1の出力圧である出力液圧路7の液圧を検出するブレーキマスタ圧検出手段32、車輪ブレーキBF,BRのブレーキ圧を検出する車輪ブレーキ圧検出手段33,34、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段35、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段36、車両運転者によるステアリング操作量を検出するステアリング操作量検出手段37、ならびにエンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段38の各検出信号が入力される。
【0032】
図2を併せて参照して、ブレーキ制御ECU29は、車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段39と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段40と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキBF,BRのブレーキ力を制御する旋回運動制御手段41と、急ブレーキ操作の判定基準となる基準値を変更する基準値変更手段42と、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段43と、ブレーキアシスト手段28によるブレーキアシスト圧を定めるブレーキアシスト圧決定手段46と、ブレーキアシストを含んでブレーキアクチュエータ25の作動を制御するアクチュエータ制御手段47と、該アクチュエータ制御手段47で定まる制御態様に従って前記ブレーキアクチュエータ25を作動せしめる信号を出力するアクチュエータ駆動手段48とを備える。
【0033】
また車両の旋回運動の制御にあたっては、ブレーキ力制御と並行して、エンジンのスロットル開度を変化させ得るスロットルアクチュエータ52の作動がエンジン制御ECU49で制御されるものであり、スロットル制御手段50およびエンジントルク制御手段51を備えるエンジン制御ECU49には、車速検出手段30およびスロットル開度検出手段38の検出値が入力され、ブレーキ制御ECU29およびエンジン制御ECU49は信号の授受を可能として接続される。
【0034】
旋回運動目標値決定手段39は、たとえば車速検出手段30で得られる車速ならびにステアリング操作量検出手段37で検出されるステアリング操作量に基づいて旋回運動の目標値を定めるものであり、旋回運動実際値検出手段40は、車両の旋回運動の実際値として、ヨーレート検出手段35で得られるヨーレートもしくは横加速度検出手段37で得られる横加速度を検出する。
【0035】
基準値変更手段42は、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータに応じた基準値を変更するものであり、前記パラメータとしては、たとえばブレーキ操作量およびブレーキ操作速度が選択される。而して基準値変更手段42では、旋回運動制御実行時の基準値が図3の実線で示すように設定されるとともに、旋回運動制御非実行時の基準値が図3の点線で示すように設定されており、基準値変更手段42は、旋回運動制御手段42による制御を実行中には急ブレーキ操作を判定するための前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に変更することになる。
【0036】
急ブレーキ操作検出手段43は、ブレーキ操作量検出手段31で検出される車両運転者の急ブレーキ操作を検出するものであり、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータであるブレーキ操作量およびブレーキ操作速度が図3で示す急ブレーキ操作域にあることを確認したときに急ブレーキ操作であると判断する。
【0037】
またブレーキアシスト圧決定手段46は、ブレーキアシストを実行しないときのブレーキゲインに対して増加するようにアシストゲインを定めるものであり、アクチュエータ制御手段47は、ブレーキアシスト圧決定手段46で定められたブレーキアシスト圧が得られるようにブレーキアシスト手段28を含むブレーキアクチュエータ25の作動を制御する信号をアクチュエータ駆動手段48に付与する。
【0038】
このようなブレーキ制御ECU29による制御手順について図4を参照しながら説明すると、ステップS1では旋回運動制御手段41による制御が実行されているか否かを判断し、旋回運動制御中であったときには、ステップS2において急ブレーキ操作であるか否かを判断する基準となる基準値を変更し、さらにステップS3,S4を経由することで、ブレーキ操作量およびブレーキ操作速度を検出する。次いで、検出したブレーキ操作量およびブレーキ操作速度に基づいて図3で示した急ブレーキ操作域にあるか否かをステップS5で判断し、急ブレーキ操作域にあることを確認するのに応じて,ブレーキアシスト手段28によるブレーキアシストを実行するようにアクチュエータ制御手段47でブレーキアクチュエータ25の作動を制御する。
【0039】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータであるブレーキ操作量およびブレーキ操作速度と基準値の比較に基づいて車両運転者の急ブレーキ操作が急ブレーキ操作検出手段43で検出され、その急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキBF,BRが発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大するようにブレーキアクチュエータ25のブレーキアシスト手段28が作動せしめるのであるが、旋回運動制御手段41による制御を実行中には、基準値変更手段42が前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に変更する。
【0040】
したがって旋回運動制御中には車両運転者のブレーキ操作が急ブレーキ操作と判定され易くなり、その急ブレーキ操作判定に応じてブレーキアシストするようにブレーキアクチュエータ25のブレーキアシスト28を作動せしめるので、旋回運動制御およびブレーキアシスト制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させることになり、車両が比較的不安定な状態にあるときに車両の運動量を小さくして減速および旋回制御を相乗的に機能させることができる。
【0041】
本発明の第2実施例として、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータとして、たとえばブレーキマスタ圧およびブレーキマスタ圧昇圧速度を選択するようにしてもよく、この場合、基準値変更手段42では、旋回運動制御実行時の基準値が図5の実線で示すように設定されるとともに、旋回運動制御非実行時の基準値が図5の点線で示すように設定されており、この第2実施例でも、基準値変更手段42は、旋回運動制御手段42による制御を実行中には急ブレーキ操作を判定するための前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に変更することになる。
【0042】
本発明の第3実施例として、旋回運動制御中に車両運転者がブレーキ操作を行なったことをブレーキ操作検出手段として機能するブレーキ操作量検出手段31で検出したときに、アクチュエータ制御手段47が、ブレーキアクチュエータ25のブレーキアシスト手段28を作動せしめるようにしてもよく、この第3実施例においても、旋回運動制御およびブレーキアシスト制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させることになり、車両が比較的不安定な状態にあるときに車両の運動量を小さくして減速および旋回制御を相乗的に機能させることができる。
【0043】
図6および図7は本発明の第4実施例を示すものであり、上記各実施例に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0044】
先ず図6において、ブレーキ制御ECU29は、旋回運動目標値決定手段39、旋回運動実際値検出手段40、旋回運動制御手段41、基準値変更手段42、急ブレーキ操作検出手段43、ブレーキアシスト圧決定手段46、アクチュエータ制御手段47およびアクチュエータ駆動手段48に加えて、車両がアンダーステア状態およびオーバーステア状態のいずれかにあるか否かを判定するステア状態判定手段44と、ブレーキアクチュエータ25によるブレーキアシストを行なうべき車輪を決定するブレーキアシスト車輪決定手段45とを備える。
【0045】
ステア状態判定手段44は、たとえば車速検出手段30で検出される車速ならびにステアリング操作量検出手段37で検出されるステアリング操作量に基づいて定められるヨーレート基準値と、該ヨーレート基準値ならびにヨーレート検出手段35で検出される実際のヨーレートの差とに基づいて、旋回運動制御中の車両がアンダーステア状態およびオーバーステア状態のいずれにあるかを判定するものである。またブレーキアシスト車輪決定手段45は、旋回運動制御中に急ブレーキ操作がなされたと判断したときのブレーキアシストを行なう車輪を定めるものであり、アンダーステア状態にあるときには前輪よりも後輪側のブレーキ力を大きくするブレーキアシストを行なうべく、後輪だけをブレーキアシストの対象車輪とし、またオーバーステア状態にあるときには、少なくとも後輪、望ましくは全輪のブレーキ力増大を禁止するようにして、車両のステア状態判定結果に応じてブレーキアシストの対象車輪を選択する。
【0046】
このようなブレーキ制御ECU29によるブレーキアシスト制御手順について図7を参照しながら説明すると、ステップS11では、旋回運動制御手段41による旋回運動制御が実行中であるか否かを判断し、非制御中であったときにはステップS12に進んで通常のブレーキアシスト制御を行なうことになる。また旋回運動制御中であったときには、ステップS13においてアンダーステア状態であるか否かを判断し、アンダーステア状態であると判定したときにはステップS14でブレーキ操作がなされたか否かを判断する。而して車両運転者がブレーキ操作が行なったときには、ステップS15において、上記第1実施例の図3もしくは第2実施例の図5に基づいて急ブレーキ操作であるか否かを判断し、急ブレーキ操作であると判断したときには、前輪よりも後輪側のブレーキ力を大きくするブレーキアシストを行なうべく、ステップS16において後輪だけをブレーキアシストの対象車輪として後輪用車輪ブレーキBRだけのブレーキアシストを行い、前輪用車輪ブレーキBFについてはブレーキアシストを行なわないようにブレーキアクチュエータ25の作動を制御し、さらにステップS17で旋回運動制御手段41による旋回運動制御を中止する。
【0047】
ステップS13でアンダーステア状態ではないと判断したときには、オーバーステア状態にあるとしてステップS13からステップS18に進み、このステップS18でブレーキ操作がなされたか否かを判断する。而して車両運転者がブレーキ操作が行なったときには、ステップS19において、上記第1実施例の図3もしくは第2実施例の図5に基づいて急ブレーキ操作であるか否かを判断し、急ブレーキ操作であると判断したときには、ステップS19で少なくとも後輪、望ましくは全輪のブレーキ力増大を禁止する。
【0048】
この第4実施例によれば、車両がアンダーステア状態にあるときには車両の運動エネルギーが物理的限界を超えている状態であるか、前輪の横滑り量が後輪の横滑り量よりも大きい状態であると考えられるのであるが、ブレーキ力増大の対象としてより余裕のある後輪側のブレーキ量増大量を大きくするので、より効果的なブレーキアシストが可能となる。しかもアンダーステア状態であるときの急ブレーキ操作検出に応じて後輪側のブレーキ力だけを増大させるようにしているので、ブレーキ力増大の対象としてより余裕のある後輪だけブレーキ力を大きくするので、より一層効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0049】
また車両のアンダーステア状態の解消にあたっては、運動エネルギー自体を小さくするか、前、後輪の横滑り量の差を小さくすることが有効であるが、急ブレーキ操作時に全輪のブレーキ力を増大させると、旋回運動制御との干渉によって目標の車両挙動が得られなくなる可能性がある。しかるに、車両がアンダーステア状態にあるときには旋回運動制御を中止するようにしているので、ブレーキアクチュエータ25によるブレーキアシストに特化することで旋回運動制御およびブレーキアシスト制御の干渉が生じることを回避し、減速および運動エネルギーの低減によって車両挙動の安定化を図ることができる。
【0050】
また車両がオーバーステア状態にあるときには、後輪の横滑り量が前輪の横滑り量よりも大きい状態であると考えられるが、その状態では少なくとも後輪のブレーキ力増大を禁止しているので、より効果的なブレーキアシストが可能となり、さらにオーバーステア状態の急ブレーキ操作検出時には全輪のブレーキ力増大を禁止するようにしているので、オーバーステア状態ではブレーキアシスト制御を実行しないことになり、ブレーキアシストによって車両の姿勢が不安定になる事態が生じるのを防止することができる。
【0051】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように請求項1〜7記載の発明の構成によれば、旋回運動制御およびブレーキアシスト制御の干渉よりも二次障害物への衝突回避もしくは二次障害物への衝突エネルギー低減を優先させ、車両が比較的不安定な状態にあるときに車両の運動量を小さくして、減速および旋回制御を相乗的に機能させることができる。
【0053】
また請求項3記載の発明によれば、車両がアンダーステア状態にあるときに、より効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0054】
請求項4記載の発明によれば、車両がアンダーステア状態にあるときに、より一層効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0055】
請求項5記載の発明によれば、車両がオーバーステア状態にあるときに、より効果的なブレーキアシストが可能となる。
【0056】
請求項6記載の発明によれば、車両がオーバーステア状態であるときにブレーキアシストによって車両の姿勢が不安定になる事態が生じるのを防止することができる。
【0057】
さらに請求項7記載の発明によれば、アンダーステア状態にあるときに旋回運動制御を中止してブレーキアクチュエータによるブレーキアシストに特化することで旋回運動制御およびブレーキアシスト制御の干渉を回避し、減速および運動エネルギーの低減によって車両挙動の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両のブレーキ装置の構成を示す液圧系統図である。
【図2】ブレーキ制御ECUの構成を示すブロック図である。
【図3】急ブレーキ操作状態を判定するための基準値を示す図である。
【図4】ブレーキ制御ECUによるブレーキアシスト制御手順を示すフローチャートである。
【図5】第3実施例での急ブレーキ操作状態を判定するための基準値を示す図である。
【図6】第4実施例のブレーキ制御ECUの構成を示すブロック図である。
【図7】ブレーキ制御ECUによるブレーキアシスト制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
25・・・ブレーキアクチュエータ
31・・・ブレーキ操作検出手段としてのブレーキ操作量検出手段
39・・・旋回運動目標値決定手段
40・・・旋回運動実際値検出手段
41・・・旋回運動制御手段
42・・・基準値変更手段
43・・・急ブレーキ操作検出手段
44・・・ステア状態判定手段
47・・・アクチュエータ制御手段
BF,BR・・・車輪ブレーキ
Claims (7)
- 車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段(39)と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段(40)と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキ(BF,BR)のブレーキ力を制御する旋回運動制御手段(41)とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者のブレーキ操作量に関連するパラメータおよび基準値の比較に基づいて車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段(43)と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキ(BF,BR)が発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータ(25)と、前記旋回運動制御手段(41)による制御を実行中には前記基準値を急ブレーキ操作と検出し易い側に変更する基準値変更手段(42)を含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
- 車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段(39)と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段(40)と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキ(BF,BR)のブレーキ力を制御する旋回運動制御手段(41)とを備える車両用ブレーキ装置において、ブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキ(BF,BR)が発揮するブレーキ力を非アシスト時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータ(25)と、車両運転者のブレーキ操作を検出するブレーキ操作検出手段(31)と、前記旋回運動制御手段(41)による制御を実行中に前記ブレーキ操作検出手段(31)が車両運転者のブレーキ操作を検出するのに応じて前記ブレーキアシストを行なうようにしてブレーキアクチュエータ(25)の作動を制御するアクチュエータ制御手段(47)とを含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
- 車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段(39)と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段(40)と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキ(BF,BR)のブレーキ力を制御する旋回運動制御手段(41)とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段(43)と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキ(BF,BR)が発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータ(25)と、車両の旋回運動状態がアンダーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段(44)と、該ステア状態判定手段(44)がアンダーステア状態であると判定した状態での前記旋回運動制御手段(41)による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段(43)が急ブレーキ操作を検出するのに応じて前輪よりも後輪側のブレーキ力をより大きく増大させるブレーキアシストを行なうように前記ブレーキアクチュエータ(25)の作動を制御するアクチュエータ制御手段(47)とを含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
- 前記アクチュエータ制御手段(47)は、前記ステア状態判定手段(44)がアンダーステア状態であると判定した状態での前記急ブレーキ操作検出手段(43)による急ブレーキ操作検出に応じて後輪側のブレーキ力だけを増大させるように前記ブレーキアクチュエータ(25)を制御することを特徴とする請求項3記載の車両用ブレーキ装置。
- 車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段(39)と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段(40)と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキ(BF,BR)のブレーキ力を制御する旋回運動制御手段(41)とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段(43)と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキ(BF,BR)が発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータ(25)と、車両の旋回運動状態がオーバーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段(44)と、該ステア状態判定手段(44)がオーバーステア状態であると判定した状態では少なくとも後輪のブレーキ力増大を禁止しつつ前記旋回運動制御手段(41)による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段(43)が急ブレーキ操作を検出するのに応じてブレーキアシストを行なうように前記ブレーキアクチュエータ(25)の作動を制御するアクチュエータ制御手段(47)とを含むことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
- 前記アクチュエータ制御手段(47)は、前記ステア状態判定手段(44)がオーバーステア状態であると判定した状態での前記急ブレーキ操作検出手段(43)による急ブレーキ操作検出時には全輪のブレーキ力増大を禁止するようにして前記ブレーキアクチュエータ(25)を制御することを特徴とする請求項5記載の車両用ブレーキ装置。
- 車両の旋回運動の目標値を定める旋回運動目標値決定手段(39)と、車両の旋回運動の実際値を検出する旋回運動実際値検出手段(40)と、前記目標値および前記実際値を比較するとともにその比較結果に基づいて実際値が目標値に近づくように車輪ブレーキ(BF,BR)のブレーキ力を制御する旋回運動制御手段(41)とを備える車両用ブレーキ装置において、車両運転者の急ブレーキ操作を検出する急ブレーキ操作検出手段(43)と、急ブレーキ操作時には車両運転者のブレーキ操作入力に対して車輪ブレーキ(BF,BR)が発揮するブレーキ力を急ブレーキ操作非検出時に比べて増大させるブレーキアシストを可能としたブレーキアクチュエータ(25)と、車両の旋回運動状態がアンダーステア状態にあるか否かを判定するステア状態判定手段(44)とを含み、前記旋回運動制御手段(41)は、前記ステア状態判定手段(44)がアンダーステア状態であると判定した状態での前記旋回運動制御手段(41)による制御実行中に前記急ブレーキ操作検出手段(43)が急ブレーキ操作を検出するのに応じて制御を中止することを特徴とする車両用ブレーキ装置。
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