JP2004137976A - 移動農機の燃料冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジン出力の低下を防止する燃料の冷却装置を、冷却性能の優れた安価で汎用性の富んだものに構成すると共に、冷却装置がラジエータの冷却風の抵抗になることを極力防止することができるものにする。
【解決手段】燃料を冷却する冷却装置を、その表面に多数の山部を有するフレキシブルチューブ18から構成し、フレキシブルチューブ18は、エンジン6を冷却するラジエータ17の冷却風路の上手側で、冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成する。また、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブの中央部をブラケットを介して支持する。
【選択図】 図4
【解決手段】燃料を冷却する冷却装置を、その表面に多数の山部を有するフレキシブルチューブ18から構成し、フレキシブルチューブ18は、エンジン6を冷却するラジエータ17の冷却風路の上手側で、冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成する。また、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブの中央部をブラケットを介して支持する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ、田植機、或いはコンバイン等の移動農機に搭載するエンジンに供給する燃料を冷却する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料タンクから燃料ポンプ及び燃料噴射装置等を介してディーゼルエンジンに燃料を供給する場合、燃料噴射装置で余った余剰の燃料を再度燃料タンク内に戻す還流構造を採用しており、この場合、エンジンの発熱で加熱された余剰の燃料は加熱されたまま燃料タンクに戻り、燃料タンクの燃料全体の温度をかなり上昇させていた。
そして、高温となった燃料をそのままエンジンに供給すると、エンジンの出力が低下するので、この欠点を解消するためにエンジンに供給する燃料を各種の冷却装置等によって冷却することが行われている。
即ち、冷却装置としてラジエータの冷却風を利用した放熱フィンを備えた熱交換器を利用したもの(例えば、特許文献1参照。)や、移動農機において、熱伝導性の良い素材から成る導管をエアクリーナ外周に巻き廻して冷却装置とするもの(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−45057号公報(第1図)
【特許文献2】
実開昭63−128260号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の前者(特許文献1)のものでは、放熱フィンを備えた専用の熱交換器を用いる為、冷却装置が高価なものになると共に、ラジエータの前面に熱交換器を装着している為、塵埃等が多い状態での作業環境下で仕事をする移動農機にこれを採用した場合には、熱交換器の放熱フィンにこれらの塵埃等が付着して抵抗となり、それによりラジエータを通過する冷却風が実質的に減少してしまいエンジンのヒートバランスが崩れ、また、ラジエータの前面に付着する塵埃の除去が熱交換器によって阻害され、メンテナンス性を悪化させる。
また、後者(特許文献2)のものでは、装置自体はコンパクトとなるが、エアクリーナ外周に導管を巻き廻した丈なので冷却能力が低く、更にはエアクリーナ等のメンテナンスを行う際には、上記導管をいちいち外す必要がある為、作業性が悪いとの課題がある。
本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンに供給する燃料を冷却する冷却装置を備えた移動農機において、前記冷却装置は、その表面に多数の山部を有するフレキシブルチューブからなり、該フレキシブルチューブは、エンジンを冷却するラジエータの冷却風路の上手側で、冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成することを第1の特徴とする。
【0006】
また、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブの中央部をラジエータサポートにブラケットを介して取り付けることを第2の特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を以下図面に基づいて説明する。
図1は農用トラクタの全体側面図であって、1はトラクタ、2,3は夫々左右に設けた前輪及び後輪であって、トラクタ1は、前部設けたエンジン6の下部にシャーシフレーム4が取付けられていて、上記シャーシフレーム4上には後述するラジエータ17やバッテリ24等が搭載されている。そして、エンジン6やラジエータ17及びバッテリ24等を覆うボンネット5が機体の前部に装着されている。
また、エンジン6の後部には操縦部7を設け、操縦部7はキャビン8で覆っており、上記操縦部7はハンドル9や運転席10等で構成している。更に、11はトラクタ1の中央下部に設けたトランスミッションケースの一部を構成するセンターケース12の左右両側に設けた燃料タンクであって、左右の燃料タンク11,11は後述するように、左右を連結パイプ13で連結している。なお、11aは燃料の給油口である。
【0008】
次に、図2はエンジン6への燃料供給装置を示す側面図であり、エンジン6に供給する燃料は、エンジン6の後方下部に設けた左右の燃料タンク11,11から供給パイプ15により前方上方のセジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16で濾過された後、ラジエータ17前方の冷却風路の上手側にある燃料冷却装置を構成するフレキシブルチューブ18の内部を後述するように上方から下方に通過する間にラジエータに対する冷却風により冷却された後、燃料ポンプ(フィードポンプ)19に入り、そして、燃料噴射ポンプ20により上方にある複数の噴射ノズル21・・からエンジン6の各シリンダ室毎に噴射されるものである。
そして、前記フレキシブルチューブ18は、後述(図6)するように、その表面に多数の山部Y・・・を有するもので、その山部Yは円弧が連続した形状となっており、また、後述(図4)するように蛇行状に折曲げてはあっても、その隙間が大きくラジエータに対する冷却風の妨げとなることは少ない。
【0009】
一方、燃料噴射ポンプ20で余った余剰の燃料は、戻りパイプ22を経て燃料タンク11内に戻されるものである。
また、図2においてラジエータ17の上部前方にはエアクリーナ23が横設してあり、下部にはバッテリ24が載置してあり、更に、ラジエータ17の後方にはエンジン6によって駆動されるファン25が設けてあり、このファン25はボンネット5の前方から冷却風を吸入し、吸入した冷却風によってラジエータ17を冷却する。
なお、符号26はクラッチハウジングであり、27は燃料タンク11に設けたエアブリーザホースである。
【0010】
また、図3はエンジンの燃料供給装置を示す全体平面図であり、燃料の供給順路は前述した通りであるが、左右の燃料タンク11,11は下部に設けた連結パイプ13で連結されており、連結パイプ13の中央部から分岐した供給パイプ15は、両方の燃料タンク11,11からの燃料を燃料ポンプ19側に供給し、また、燃料はセジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16を通過してラジエータ17前方のフレキシブルチューブ18に入り、ここを通過中にラジエータの冷却風で冷却された後、燃料ポンプ(フィードポンプ)19に入り、燃料噴射ポンプ20で複数の噴射ノズル21・・からエンジン6の各シリンダ室内に噴射されるものである。
そして、余剰の燃料は、燃料噴射ポンプ20より戻りパイプ22を通って、右側の燃料タンク11の上部に戻されるようになっている。
また、エアブリーザホース27,27は左右の燃料タンク11,11毎に設けられ、トラクタ1が傾斜地作業をしても燃料が外部に溢れ出ないように上方へ長く延長して設けられている。なお、符号29はレシーバードライヤ(エアコン用)である。
【0011】
更に、図4は燃料冷却装置の正面図を示し、また、図5はフレキシブルチューブ取付用の中央取付ブラケットを示し、(a)はブラケットの平面図、(b)は側面図を示す。
そして、図4において右側上部の供給パイプ15中を通って前方へ送られてきた燃料は、複数の取付ブラケット30・・によってラジエータ17前方に取付け支持されたフレキシブルチューブ18に右側上部から入り、そして、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18内を通過する間にラジエータの冷却風により冷却されて右側下部に至り、下方の供給パイプ15を介して燃料ポンプ19から燃料噴射ポンプ20に供給されるものである。
【0012】
即ち、フレキシブルチューブ18の始端側は、供給パイプ15とジョイント18aを介して連結されており、ジョイント18aは、ラジエータ17をシャーシフレーム4に取付け支持するラジエータサポート32に装着された上部取付ブラケット30aによって支持している。
そして、蛇行を繰り返すフレキシブルチューブ18の中央部は、ラジエータサポート32にエアクリーナ23を取付けるブラケットに、その支持部30dを取付けた中央取付ブラケット30bによって取付け支持し、更に、フレキシブルチューブ18の終端側は、始端側と同様にジョイント18bを介して供給パイプ15に連結しており、該ジョイント18bはラジエータサポート32に取付けた下部取付ブラケット30cで取付け支持するようにしている。
【0013】
また、これらの取付ブラケット30a,30cは、図5(a)に示す中央取付ブラケット30bと同様に冷却風路に沿って薄板状となっていて、冷却風路の抵抗となることを少なくしている。
なお、中央取付ブラケット30bと下部取付ブラケット30cのフレキシブルチューブ18を支持する各係止部30f・・・には、フレキシブルチューブ18との間にグロメット31・・・を介装していて、これがエンジン6の振動等によるフレキシブルチューブ18の緩衝材となっており、特に中央取付ブラケット30bは、比較的自由に曲がり易いフレキシブルチューブ18の蛇行形状を保ち、適切な隙間を確保してフレキシブルチューブ18の支持を確実なものとする。
【0014】
更にまた、図6はフレキシブルチューブの部分的な外観を示すものであって、フレキシブルチューブ18はステンレス鋼製で、耐圧性や耐熱性,耐薬性,気密性等に優れていて多くの流体移送に適するものであり、また、チューブの山部Yは螺旋状に連続して成型されており、夫々のピッチαが狭くなるにしたがって、振動吸収性や柔軟性が高くなるものである。
なお、本実施例の場合には、供給する燃料側をフレキシブルチューブ18によって構成する冷却装置で冷却するように構成したが、燃料噴射ポンプ20で余剰となった余剰の燃料を、同様にラジエータ17の冷却風路の上手側を迂回させてフレキシブルチューブ18によって構成する冷却装置で冷却してから、燃料タンク11に戻すようにしても良いことは勿論である。
【0015】
以上のようにトラクタ1の燃料冷却装置は構成しており、トラクタ1のエンジン6を始動する前に燃料の供給口11aから左右の燃料タンク11,11内に燃料を入れてエンジン6を始動すると、燃料は、燃料ポンプ19の吸引力により供給パイプ15を通じて左右の燃料タンク11,11からの燃料を、セジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16を介してラジエータ17前方の燃料冷却装置であるフレキシブルチューブ18に送る。
そして、ラジエータ17の冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成されたフレキシブルチューブ18内で、燃料は冷却風により冷却された後、燃料ポンプ19、そして、燃料噴射ポンプ20に入って噴射ノズル21により、各シリンダ室に噴射されてエンジン6が起動するものである。
そして、この時、燃料噴射ポンプ20で余った余剰の燃料は、戻りパイプ22を経由して燃料タンク11内に戻されるものである。
【0016】
ここで、燃料冷却装置を構成すねフレキシブルチューブ18は、表面に多数の山部Y・・・を螺旋状に連続して有していて、これが放熱フィンの役割を果しているので、燃料の冷却効率の向上が望めるものである。
また、フレキシブルチューブ18は、図4に示す如く放熱フィンを有する専用の冷却器のものよりも粗間隔に蛇行を繰り返して構成し、その蛇行により大きな隙間を生ずることから、これが冷却風の抵抗となることを少なくすることが出来、ラジエータ17による冷却水の冷却不足からエンジン6のヒートバランスの悪化に繋がるようなことが少ない。
更に、フレキシブルチューブ18は、エンジン6を冷却するためのラジエータ17の冷却風路の上手側にあって、該風路に対向して適宜、蛇行状に折曲げて構成することが出来、フレキシブルチューブ18の長さの異なるものを各種用意して折曲げ形成すれば、エンジン馬力の異なる型式においても、必要な冷却能力を持つ冷却装置を簡単に、また安価に製造することが出来るものである。
【0017】
更にまた、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18は、比較的自由に曲げ易いにも係わらず、蛇行する中央部を中央取付ブラケット30bを介して支持したことにより、機体振動や外力によって不測に変形することがなく、また、各取付ブラケット30・・は、冷却風路に沿う側が薄板状となっているので、取付ブラケット30が冷却風の抵抗となるようなこともない。
なお、以上の実施例においては、燃料フィルタ16をエンジン6の側方に取り付けたものであるが、この燃料フィルタ16をフレキシブルチューブ18と同様に、ラジエータ17の冷却風路の上手側の風路に臨ませて設けることも一法であって、この場合、燃料フィルタ16が冷却されることによって燃料が冷却され、同様にエンジン6の出力低下を防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、前述のように構成するものであるから、ラジエータ17の冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成したフレキシブルチューブ18の山部Y・・・が放熱フィンの役割を果してエンジン6に供給される燃料を効率良く冷却し、それによりエンジン6の出力低下を防止することができる。
また、フレキシブルチューブ18を蛇行状に折曲げて冷却装置を構成するものであるから、従来の冷却器よりもチューブを粗間隔に構成し得て、ラジエータ17の冷却風の抵抗となることを少なくすることが出来、エンジン6のヒートバランスの悪化に繋がることを防止することができる。
更に、長さの異なるフレキシブルチューブ18を適宜用意して、これを蛇行状に折曲げ形成すれば冷却器を構成することができるから、エンジン馬力が異なる複数の移動農機の型式においても、必要な冷却能力を持つ冷却装置を簡単で安価に製造することが可能となる。
【0019】
しかも、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18は比較的容易に曲がり易いにも係わらず、その蛇行する中央部をブラケット30bを介して支持したので変形が防止され、必要な冷却性能を長期にわたって維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタの全体側面図である。
【図2】エンジンの燃料供給装置を示す全体側面図である。
【図3】同上全体平面図である。
【図4】燃料冷却装置を示す正面図である。
【図5】フレキシブルチューブ取付用の中央取付ブラケットを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】フレキシブルチューブの外観図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
4 シャーシフレーム
6 エンジン
11 燃料タンク
15 供給パイプ
17 ラジエータ
18 フレキシブルチューブ
19 燃料ポンプ
20 燃料噴射ポンプ
22 戻りパイプ
25 ファン
30 取付ブラケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ、田植機、或いはコンバイン等の移動農機に搭載するエンジンに供給する燃料を冷却する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料タンクから燃料ポンプ及び燃料噴射装置等を介してディーゼルエンジンに燃料を供給する場合、燃料噴射装置で余った余剰の燃料を再度燃料タンク内に戻す還流構造を採用しており、この場合、エンジンの発熱で加熱された余剰の燃料は加熱されたまま燃料タンクに戻り、燃料タンクの燃料全体の温度をかなり上昇させていた。
そして、高温となった燃料をそのままエンジンに供給すると、エンジンの出力が低下するので、この欠点を解消するためにエンジンに供給する燃料を各種の冷却装置等によって冷却することが行われている。
即ち、冷却装置としてラジエータの冷却風を利用した放熱フィンを備えた熱交換器を利用したもの(例えば、特許文献1参照。)や、移動農機において、熱伝導性の良い素材から成る導管をエアクリーナ外周に巻き廻して冷却装置とするもの(例えば、特許文献2参照。)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭63−45057号公報(第1図)
【特許文献2】
実開昭63−128260号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の前者(特許文献1)のものでは、放熱フィンを備えた専用の熱交換器を用いる為、冷却装置が高価なものになると共に、ラジエータの前面に熱交換器を装着している為、塵埃等が多い状態での作業環境下で仕事をする移動農機にこれを採用した場合には、熱交換器の放熱フィンにこれらの塵埃等が付着して抵抗となり、それによりラジエータを通過する冷却風が実質的に減少してしまいエンジンのヒートバランスが崩れ、また、ラジエータの前面に付着する塵埃の除去が熱交換器によって阻害され、メンテナンス性を悪化させる。
また、後者(特許文献2)のものでは、装置自体はコンパクトとなるが、エアクリーナ外周に導管を巻き廻した丈なので冷却能力が低く、更にはエアクリーナ等のメンテナンスを行う際には、上記導管をいちいち外す必要がある為、作業性が悪いとの課題がある。
本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンに供給する燃料を冷却する冷却装置を備えた移動農機において、前記冷却装置は、その表面に多数の山部を有するフレキシブルチューブからなり、該フレキシブルチューブは、エンジンを冷却するラジエータの冷却風路の上手側で、冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成することを第1の特徴とする。
【0006】
また、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブの中央部をラジエータサポートにブラケットを介して取り付けることを第2の特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を以下図面に基づいて説明する。
図1は農用トラクタの全体側面図であって、1はトラクタ、2,3は夫々左右に設けた前輪及び後輪であって、トラクタ1は、前部設けたエンジン6の下部にシャーシフレーム4が取付けられていて、上記シャーシフレーム4上には後述するラジエータ17やバッテリ24等が搭載されている。そして、エンジン6やラジエータ17及びバッテリ24等を覆うボンネット5が機体の前部に装着されている。
また、エンジン6の後部には操縦部7を設け、操縦部7はキャビン8で覆っており、上記操縦部7はハンドル9や運転席10等で構成している。更に、11はトラクタ1の中央下部に設けたトランスミッションケースの一部を構成するセンターケース12の左右両側に設けた燃料タンクであって、左右の燃料タンク11,11は後述するように、左右を連結パイプ13で連結している。なお、11aは燃料の給油口である。
【0008】
次に、図2はエンジン6への燃料供給装置を示す側面図であり、エンジン6に供給する燃料は、エンジン6の後方下部に設けた左右の燃料タンク11,11から供給パイプ15により前方上方のセジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16で濾過された後、ラジエータ17前方の冷却風路の上手側にある燃料冷却装置を構成するフレキシブルチューブ18の内部を後述するように上方から下方に通過する間にラジエータに対する冷却風により冷却された後、燃料ポンプ(フィードポンプ)19に入り、そして、燃料噴射ポンプ20により上方にある複数の噴射ノズル21・・からエンジン6の各シリンダ室毎に噴射されるものである。
そして、前記フレキシブルチューブ18は、後述(図6)するように、その表面に多数の山部Y・・・を有するもので、その山部Yは円弧が連続した形状となっており、また、後述(図4)するように蛇行状に折曲げてはあっても、その隙間が大きくラジエータに対する冷却風の妨げとなることは少ない。
【0009】
一方、燃料噴射ポンプ20で余った余剰の燃料は、戻りパイプ22を経て燃料タンク11内に戻されるものである。
また、図2においてラジエータ17の上部前方にはエアクリーナ23が横設してあり、下部にはバッテリ24が載置してあり、更に、ラジエータ17の後方にはエンジン6によって駆動されるファン25が設けてあり、このファン25はボンネット5の前方から冷却風を吸入し、吸入した冷却風によってラジエータ17を冷却する。
なお、符号26はクラッチハウジングであり、27は燃料タンク11に設けたエアブリーザホースである。
【0010】
また、図3はエンジンの燃料供給装置を示す全体平面図であり、燃料の供給順路は前述した通りであるが、左右の燃料タンク11,11は下部に設けた連結パイプ13で連結されており、連結パイプ13の中央部から分岐した供給パイプ15は、両方の燃料タンク11,11からの燃料を燃料ポンプ19側に供給し、また、燃料はセジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16を通過してラジエータ17前方のフレキシブルチューブ18に入り、ここを通過中にラジエータの冷却風で冷却された後、燃料ポンプ(フィードポンプ)19に入り、燃料噴射ポンプ20で複数の噴射ノズル21・・からエンジン6の各シリンダ室内に噴射されるものである。
そして、余剰の燃料は、燃料噴射ポンプ20より戻りパイプ22を通って、右側の燃料タンク11の上部に戻されるようになっている。
また、エアブリーザホース27,27は左右の燃料タンク11,11毎に設けられ、トラクタ1が傾斜地作業をしても燃料が外部に溢れ出ないように上方へ長く延長して設けられている。なお、符号29はレシーバードライヤ(エアコン用)である。
【0011】
更に、図4は燃料冷却装置の正面図を示し、また、図5はフレキシブルチューブ取付用の中央取付ブラケットを示し、(a)はブラケットの平面図、(b)は側面図を示す。
そして、図4において右側上部の供給パイプ15中を通って前方へ送られてきた燃料は、複数の取付ブラケット30・・によってラジエータ17前方に取付け支持されたフレキシブルチューブ18に右側上部から入り、そして、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18内を通過する間にラジエータの冷却風により冷却されて右側下部に至り、下方の供給パイプ15を介して燃料ポンプ19から燃料噴射ポンプ20に供給されるものである。
【0012】
即ち、フレキシブルチューブ18の始端側は、供給パイプ15とジョイント18aを介して連結されており、ジョイント18aは、ラジエータ17をシャーシフレーム4に取付け支持するラジエータサポート32に装着された上部取付ブラケット30aによって支持している。
そして、蛇行を繰り返すフレキシブルチューブ18の中央部は、ラジエータサポート32にエアクリーナ23を取付けるブラケットに、その支持部30dを取付けた中央取付ブラケット30bによって取付け支持し、更に、フレキシブルチューブ18の終端側は、始端側と同様にジョイント18bを介して供給パイプ15に連結しており、該ジョイント18bはラジエータサポート32に取付けた下部取付ブラケット30cで取付け支持するようにしている。
【0013】
また、これらの取付ブラケット30a,30cは、図5(a)に示す中央取付ブラケット30bと同様に冷却風路に沿って薄板状となっていて、冷却風路の抵抗となることを少なくしている。
なお、中央取付ブラケット30bと下部取付ブラケット30cのフレキシブルチューブ18を支持する各係止部30f・・・には、フレキシブルチューブ18との間にグロメット31・・・を介装していて、これがエンジン6の振動等によるフレキシブルチューブ18の緩衝材となっており、特に中央取付ブラケット30bは、比較的自由に曲がり易いフレキシブルチューブ18の蛇行形状を保ち、適切な隙間を確保してフレキシブルチューブ18の支持を確実なものとする。
【0014】
更にまた、図6はフレキシブルチューブの部分的な外観を示すものであって、フレキシブルチューブ18はステンレス鋼製で、耐圧性や耐熱性,耐薬性,気密性等に優れていて多くの流体移送に適するものであり、また、チューブの山部Yは螺旋状に連続して成型されており、夫々のピッチαが狭くなるにしたがって、振動吸収性や柔軟性が高くなるものである。
なお、本実施例の場合には、供給する燃料側をフレキシブルチューブ18によって構成する冷却装置で冷却するように構成したが、燃料噴射ポンプ20で余剰となった余剰の燃料を、同様にラジエータ17の冷却風路の上手側を迂回させてフレキシブルチューブ18によって構成する冷却装置で冷却してから、燃料タンク11に戻すようにしても良いことは勿論である。
【0015】
以上のようにトラクタ1の燃料冷却装置は構成しており、トラクタ1のエンジン6を始動する前に燃料の供給口11aから左右の燃料タンク11,11内に燃料を入れてエンジン6を始動すると、燃料は、燃料ポンプ19の吸引力により供給パイプ15を通じて左右の燃料タンク11,11からの燃料を、セジメンタ(水分離器)付燃料フィルタ16を介してラジエータ17前方の燃料冷却装置であるフレキシブルチューブ18に送る。
そして、ラジエータ17の冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成されたフレキシブルチューブ18内で、燃料は冷却風により冷却された後、燃料ポンプ19、そして、燃料噴射ポンプ20に入って噴射ノズル21により、各シリンダ室に噴射されてエンジン6が起動するものである。
そして、この時、燃料噴射ポンプ20で余った余剰の燃料は、戻りパイプ22を経由して燃料タンク11内に戻されるものである。
【0016】
ここで、燃料冷却装置を構成すねフレキシブルチューブ18は、表面に多数の山部Y・・・を螺旋状に連続して有していて、これが放熱フィンの役割を果しているので、燃料の冷却効率の向上が望めるものである。
また、フレキシブルチューブ18は、図4に示す如く放熱フィンを有する専用の冷却器のものよりも粗間隔に蛇行を繰り返して構成し、その蛇行により大きな隙間を生ずることから、これが冷却風の抵抗となることを少なくすることが出来、ラジエータ17による冷却水の冷却不足からエンジン6のヒートバランスの悪化に繋がるようなことが少ない。
更に、フレキシブルチューブ18は、エンジン6を冷却するためのラジエータ17の冷却風路の上手側にあって、該風路に対向して適宜、蛇行状に折曲げて構成することが出来、フレキシブルチューブ18の長さの異なるものを各種用意して折曲げ形成すれば、エンジン馬力の異なる型式においても、必要な冷却能力を持つ冷却装置を簡単に、また安価に製造することが出来るものである。
【0017】
更にまた、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18は、比較的自由に曲げ易いにも係わらず、蛇行する中央部を中央取付ブラケット30bを介して支持したことにより、機体振動や外力によって不測に変形することがなく、また、各取付ブラケット30・・は、冷却風路に沿う側が薄板状となっているので、取付ブラケット30が冷却風の抵抗となるようなこともない。
なお、以上の実施例においては、燃料フィルタ16をエンジン6の側方に取り付けたものであるが、この燃料フィルタ16をフレキシブルチューブ18と同様に、ラジエータ17の冷却風路の上手側の風路に臨ませて設けることも一法であって、この場合、燃料フィルタ16が冷却されることによって燃料が冷却され、同様にエンジン6の出力低下を防止することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、前述のように構成するものであるから、ラジエータ17の冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成したフレキシブルチューブ18の山部Y・・・が放熱フィンの役割を果してエンジン6に供給される燃料を効率良く冷却し、それによりエンジン6の出力低下を防止することができる。
また、フレキシブルチューブ18を蛇行状に折曲げて冷却装置を構成するものであるから、従来の冷却器よりもチューブを粗間隔に構成し得て、ラジエータ17の冷却風の抵抗となることを少なくすることが出来、エンジン6のヒートバランスの悪化に繋がることを防止することができる。
更に、長さの異なるフレキシブルチューブ18を適宜用意して、これを蛇行状に折曲げ形成すれば冷却器を構成することができるから、エンジン馬力が異なる複数の移動農機の型式においても、必要な冷却能力を持つ冷却装置を簡単で安価に製造することが可能となる。
【0019】
しかも、蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ18は比較的容易に曲がり易いにも係わらず、その蛇行する中央部をブラケット30bを介して支持したので変形が防止され、必要な冷却性能を長期にわたって維持することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタの全体側面図である。
【図2】エンジンの燃料供給装置を示す全体側面図である。
【図3】同上全体平面図である。
【図4】燃料冷却装置を示す正面図である。
【図5】フレキシブルチューブ取付用の中央取付ブラケットを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】フレキシブルチューブの外観図である。
【符号の説明】
1 トラクタ
4 シャーシフレーム
6 エンジン
11 燃料タンク
15 供給パイプ
17 ラジエータ
18 フレキシブルチューブ
19 燃料ポンプ
20 燃料噴射ポンプ
22 戻りパイプ
25 ファン
30 取付ブラケット
Claims (2)
- エンジン(6) に供給する燃料を冷却する冷却装置を備えた移動農機において、前記冷却装置は、その表面に多数の山部(Y) を有するフレキシブルチューブ(18)からなり、該フレキシブルチューブ(18)は、エンジンを冷却するラジエータ(17)の冷却風路の上手側で、冷却風路に対向して蛇行状に折曲げて構成したことを特徴とする移動農機の燃料冷却装置。
- 蛇行状に折曲げたフレキシブルチューブ(18)の中央部をラジエータサポート(32)にブラケット(30b) を介して取り付けたことを特徴とする請求項1記載の移動農機の燃料冷却装置。
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-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002303799A patent/JP2004137976A/ja active Pending
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