JP7058592B2 - 作業車 - Google Patents
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Description
しかしながら、この構造のものでは、装置として高価なものである燃料クーラが用いられており、全体としてコスト高になり易いものであった。
機体フレームに搭載されたディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットと、
前記エンジンボンネット外で走行機体に設置されたメイン燃料タンクと、
前記エンジンボンネット内で前記ディーゼルエンジンの機体前方側に配置されたラジエータと、
前記エンジンボンネット内における前記ラジエータの前方側に、エンジン関連機器の内装用空間と、が形成された作業車であって、
前記内装用空間内で前記ラジエータの吸気面の前方位置にリザーブ燃料タンクが設けられ、
前記内装用空間内において、前記ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、前記リザーブ燃料タンクの容積が最大に設定され、
前記リザーブ燃料タンクが、前記ラジエータの吸気面の前方側に離れて位置し、かつ、前記リザーブ燃料タンクの上側と下側とに前記ラジエータへの冷却風路が形成されるように、前記リザーブ燃料タンクの上下方向幅が、前記ラジエータの吸気面の上下方向幅よりも狭く形成されていることである。
そして、リザーブ燃料タンクは、内装用空間内において、ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、リザーブ燃料タンクの容積が最大であるように設定されている。つまり、内装用空間内で吸引風の風路に臨ませてリザーブ燃料タンクを配置し、かつ、コモンレールからの余剰燃料が戻されて温度上昇し易いリザーブ燃料タンク自体の容積を大きくして、大きな表面積で効果的に放熱が行われやすくしてある。
その結果、コモンレールからの余剰戻り燃料を冷却するための専用の燃料クーラを用いずとも、リザーブ燃料タンクの位置と容量の大きさを有効利用して、エンジン供給用の燃料の温度上昇を抑制し易い。これにより、低コストの簡単な構造で燃料の温度上昇を抑制できる利点がある。
機体フレームに搭載されたディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットと、
前記エンジンボンネット外で走行機体に設置されたメイン燃料タンクと、
前記エンジンボンネット内で前記ディーゼルエンジンの機体前方側に配置されたラジエータと、
前記エンジンボンネット内における前記ラジエータの前方側に、エンジン関連機器の内装用空間と、が形成された作業車であって、
前記内装用空間内で前記ラジエータの吸気面の前方位置にリザーブ燃料タンクが設けられ、
前記内装用空間内において、前記ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、前記リザーブ燃料タンクの容積が最大に設定され、
前記内装用空間にバッテリが配設され、前記リザーブ燃料タンクは、前記バッテリの上方側に位置して、平面視で前記バッテリと重複するように配設され、
前記リザーブ燃料タンクは、前記バッテリよりも左右方向幅が広く形成され、かつ前記リザーブ燃料タンクの下面と前記バッテリの上面との間に通風用空間が備えられている。
そして、リザーブ燃料タンクは、内装用空間内において、ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、リザーブ燃料タンクの容積が最大であるように設定されている。つまり、内装用空間内で吸引風の風路に臨ませてリザーブ燃料タンクを配置し、かつ、コモンレールからの余剰燃料が戻されて温度上昇し易いリザーブ燃料タンク自体の容積を大きくして、大きな表面積で効果的に放熱が行われやすくしてある。
その結果、コモンレールからの余剰戻り燃料を冷却するための専用の燃料クーラを用いずとも、リザーブ燃料タンクの位置と容量の大きさを有効利用して、エンジン供給用の燃料の温度上昇を抑制し易い。これにより、低コストの簡単な構造で燃料の温度上昇を抑制できる利点がある。
また、この手段によると、前後方向における冷却風の流れのうち、バッテリ冷却用の流れの層と、リザーブ燃料タンク冷却用の流れの層と、が内装用空間内の上下で層状に並列した状態で流れる。そして、バッテリとリザーブ燃料タンクとの夫々に対して各流れの層が個別的に接触する。したがって、主要な冷却対象であるバッテリとリザーブ燃料タンクが、同じ流れの層内で前後で順次冷却される場合に比べて、効果的な冷却を行うことができる。
さらに、この手段によると、より大きなリザーブ燃料タンクを採用し易く、かつリザーブ燃料タンクとバッテリとの間における互いの熱影響を受ける恐れ少なくして、それぞれが効果的に冷却され易い。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業車の作業走行時における前進側の進行方向(図1における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1に示すように、本実施形態で作業車の一例として示すトラクタは、機体フレーム1の前半部に原動部2を備え、機体フレーム1の後半部に搭乗運転部3を備えている。原動部2の左右に駆動可能な操舵輪としての前輪1Fを配備し、搭乗運転部3の左右に操向不能な駆動輪としての後輪1Rを配備して、四輪駆動型に構成されている。
前輪1Fは前車軸ケース12に支持され、前車軸ケース12は、機体フレーム1の下部に、前後方向に沿う揺動軸心(図示せず)周りでローリング作動可能に支持されている。
運転座席32の後方位置には、前後方向視で門形のロプス34が、後車軸ケース11の上面部に下端部を支持された状態で立設されている。
メイン燃料タンク13のうち、運転部ステップ30の前縁よりも前方側でエンジンボンネット21の左横外側位置に存在する部分は、左横外側への突出端が、直進走行時における前輪1Fの横外側端よりも外方へ突出しない範囲に設定されている。
また、メイン燃料タンク13のうち、運転部ステップ30の後縁よりも後方側位置に存在する部分は、トランスミッションケースの左横側面と、左側の後輪1Rとの間で、後輪フェンダ33の下端縁33aよりも下方に位置している。
図1~3に示すように、原動部2は、エンジン20などの配置空間を形成するエンジンボンネット21を備えている。
エンジンボンネット21の内部には、エンジン20を冷却するためのラジエータ22を境にして、機体後方側に存在する主要空間2Aと、ラジエータ22よりも機体前方側に位置するエンジン関連機器の内装用空間2Bと、が形成されている。
ラジエータ22は、機体前後方向での前側に吸気面22aを備え、機体前後方向での後側に吸引ファン22bを備えて、機体前方側から後方側へ冷却風を通すように構成されている。
ラジエータ22よりも機体前方側の領域に存在するエンジン関連機器の内装用空間2Bには、バッテリ25、オイルクーラ26、リザーブ燃料タンク27、等のエンジン関連機器が配置されている。
このとき、内装用空間2B内におけるバッテリ25の位置は、機体前後方向でラジエータ22の吸気面22aから前方側へ、所定距離L3に相当する量だけ比較的大きく離れている。したがって、バッテリ25がラジエータ22の吸気面22aに接近した状態で配置されている構造に比べると、バッテリ25を迂回する冷却風の流れがラジエータ22の吸気面22aに流れ込み易くなる。これにより、バッテリ25が外気の流動抵抗となる度合いを低減し易い。
オイルクーラ26の前後方向での投影面積は、バッテリ25の前後方向での投影面積よりは大きく設定されている。しかし、オイルクーラ26自身は、機体前方側から後方のラジエータ22側へ流れる冷却風を、ある程度の透過率を持って通過させることができる。
したがって、オイルクーラ26の前後方向での投影面積をある程度大きくしても、ラジエータ22の冷却性能を大きく阻害する虞は少ない。また、オイルクーラ26の前後方向での投影面積は、ラジエータ22の吸気面22aの面積よりは十分に小さく設定されている。
リザーブ燃料タンク27の前後方向長さL2、及び左右方向幅w2は、バッテリ25の前後方向長さL1、及び左右方向幅W1よりも大きく設定されている。そして、リザーブ燃料タンク27の上下方向幅H2は、前後方向長さL2や左右方向幅w2よりも小さく、バッテリ25の上下方向高さH1と同程度に寸法設定されている。
このように寸法設定されたことにより、リザーブ燃料タンク27は、ラジエータ22の吸気面22aに対する送風方向に沿う水平方向での断面積が、送風方向に交差する上下方向での断面積よりも大きく設定されている。つまり、矩形箱状のリザーブ燃料タンク27の上下方向幅H2は、前後方向長さL2や、左右方向幅W2よりも狭く形成されており、ラジエータ22の吸気面22aに対する前後方向での投影面積の割に、リザーブ燃料タンク27の容積は比較的大きく形成されている。
このリザーブ燃料タンク27の前後方向での投影面積は、バッテリ25の前後方向での投影面積よりも大きく、オイルクーラ26の前後方向での投影面積と同程度に構成されている。
この所定距離L4は、バッテリ25とラジエータ22の吸気面22aとの間における所定距離L3よりも短く設定されている。
この所定距離L4は、リザーブ燃料タンク27の前後方向長さL2をバッテリ25の前後方向長さL1よりも長くしたことにより、必然的に短くならざるを得ないものである。
しかし、リザーブ燃料タンク27の後端とラジエータ22の吸気面22aとの間には、オイルクーラ26が存在していないので、リザーブ燃料タンク27を迂回してラジエータ22の吸気面22aが存在する側へ流れる冷却風の流れは、オイルクーラ26を通過するに際して受ける通過抵抗がなく、その分、冷却風の流れが阻害される虞は少ない。
そして、リザーブ燃料タンク27は、バッテリ25の上方位置において、前後方向及び左右方向でバッテリ25と重複する位置にある。したがって、リザーブ燃料タンク27は、平面視でバッテリ25と重複する状態に配設されている。
リザーブ燃料タンク27の上面とエンジンボンネット21の内面との間にも、エンジンボンネット21のフロントグリル21aから導入される外気が通過するように、通風用の上部空間S2(冷却風路に相当する)が備えられている。
このトラクタにおける燃料循環系統の概略を、図5に基づいて説明する。
この図に示されるように、エンジンボンネット21の外側に設けられた容量の大きいメイン燃料タンク13内の燃料が、ウォーターセパレータ14を経て燃料ポンプ15により吸引される。
燃料ポンプ15の吐出側には、リザーブ燃料タンク27が接続され、リザーブ燃料タンク27内の燃料が燃料フィルタ16を経て、コモンレール17に供給され、コモンレール17に備えた複数の噴射バルブ17aからエンジン20への燃料供給が行われる。
このように、高温の余剰燃料を、容積の大きいリザーブ燃料タンク27内にある程度の時間とどめ、かつ、その容積の大きいリザーブ燃料タンク27を、ラジエータ22への冷却風路に臨む状態でエンジン関連機器の内装用空間2Bに存在させたことにより、高温の余剰燃料の持つ熱を積極的に放熱させ易くなる。これによって、容積の大きいリザーブ燃料タンク27に、コモンレール17からの余剰燃料を冷却するための燃料クーラとしての役割を担わせることができる。
リザーブ燃料タンク27からコモンレール17側へ供給されなかった余剰分の燃料も、燃料バイパス路19を介して燃料戻し管18に合流し、メイン燃料タンク13へ戻される。
メイン燃料タンク13は、内装用空間2Bによる制限を受けない機体フレーム1の下方側等の、広い範囲に設置され、大きな容量を有したもので構成されている。このメイン燃料タンク13には、コモンレール17からの余剰燃料を直接戻すようにはしていない。
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態について説明する。以下の別実施形態は、矛盾が生じない限り、上記実施形態に複数組み合わせて適用してもよい。
例えば、図8に示すように、リザーブ燃料タンク27の下部が、バッテリ25の上部と上下方向で重複するものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、リザーブ燃料タンク27の前後方向での投影面積は、オイルクーラ26と同程度である必要はなく、さらに大きくても、小さくても差支えない。
また、バッテリ25の前後方向での投影面積に対しては、リザーブ燃料タンク27の前後方向での投影面積が、バッテリ25の前後方向での投影面積よりも小さい前後方向での投影面積を有したものであっても、前後方向や左右方向の寸法がバッテリ25よりも大きくて、その容積がバッテリ25の容積を上回る容積を有したものであればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
例えば、エンジン関連機器の内装用空間2Bに、バッテリ25を設けずにオイルクーラ26を配設したり、オイルクーラ26を設けずにバッテリ25を配設したり、さらに他のエンジン関連機器を配設したりするなど、適宜の構造を採用し得るものである。
2B 内装用空間
13 メイン燃料タンク
20 ディーゼルエンジン
21 エンジンボンネット
22 ラジエータ
22a 吸気面
25 バッテリ
27 リザーブ燃料タンク
S1 通風用空間
Claims (4)
- 機体フレームに搭載されたディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットと、
前記エンジンボンネット外で走行機体に設置されたメイン燃料タンクと、
前記エンジンボンネット内で前記ディーゼルエンジンの機体前方側に配置されたラジエータと、
前記エンジンボンネット内における前記ラジエータの前方側に、エンジン関連機器の内装用空間と、が形成された作業車であって、
前記内装用空間内で前記ラジエータの吸気面の前方位置にリザーブ燃料タンクが設けられ、
前記内装用空間内において、前記ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、前記リザーブ燃料タンクの容積が最大に設定され、
前記リザーブ燃料タンクが、前記ラジエータの吸気面の前方側に離れて位置し、かつ、前記リザーブ燃料タンクの上側と下側とに前記ラジエータへの冷却風路が形成されるように、前記リザーブ燃料タンクの上下方向幅が、前記ラジエータの吸気面の上下方向幅よりも狭く形成されている作業車。 - 前記内装用空間にバッテリが配設され、前記リザーブ燃料タンクは、前記バッテリの上方側に位置して、平面視で前記バッテリと重複するように配設されている請求項1記載の作業車。
- 機体フレームに搭載されたディーゼルエンジンと、
前記ディーゼルエンジンを内装するエンジンボンネットと、
前記エンジンボンネット外で走行機体に設置されたメイン燃料タンクと、
前記エンジンボンネット内で前記ディーゼルエンジンの機体前方側に配置されたラジエータと、
前記エンジンボンネット内における前記ラジエータの前方側に、エンジン関連機器の内装用空間と、が形成された作業車であって、
前記内装用空間内で前記ラジエータの吸気面の前方位置にリザーブ燃料タンクが設けられ、
前記内装用空間内において、前記ラジエータの吸気面の前方に配置されたエンジン関連機器のうちで、前記リザーブ燃料タンクの容積が最大に設定され、
前記内装用空間にバッテリが配設され、前記リザーブ燃料タンクは、前記バッテリの上方側に位置して、平面視で前記バッテリと重複するように配設され、
前記リザーブ燃料タンクは、前記バッテリよりも左右方向幅が広く形成され、かつ前記リザーブ燃料タンクの下面と前記バッテリの上面との間に通風用空間が備えられている作業車。 - 前記リザーブ燃料タンクは、前記ラジエータの吸気面に対する送風方向に沿う水平方向での断面積が、前記送風方向に交差する上下方向での断面積よりも大きく設定されている請求項1~3のいずれか一項記載の作業車。
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