JP2004137799A - 木造建物用接合材及び壁の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】交点にある壁の第一の方向の壁と第二の方向の壁を簡単に、しかも、強固に接合することのできる木造建物用接合材と、この木造建物用接合材を使用した壁の接合構造を提供する。
【解決手段】枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出した継ぎ目のない2方向に延びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部71と第二接合部72からなる木造建物用接合材7。
【選択図】 図4
【解決手段】枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出した継ぎ目のない2方向に延びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部71と第二接合部72からなる木造建物用接合材7。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠組壁工法の壁を接合するために使用する木造建築用接合材及びこの木造建築用接合材で壁が接合された壁の接合構造に関する。
特に、枠組壁工法の壁パネルを接合するために使用するのに好適な木造建築用接合材及びこの木造建築用接合材で壁パネルを接合する構造に好適な壁の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に示される一般にツーバイフォー工法といわれている枠組壁工法で建てられた木造建築物は、枠組材を組み立てて骨格を形成し、この骨格に床面材、壁面材、天井面材等を取り付けたり、屋根を設けるだけで建物を建てることができ、施工し易いので、広く採用されている。
この枠組壁工法で建てられた木造建築物の壁は、枠組材を枠に組み立て、この枠の片面または両面に壁面材を取り付けた耐力壁となっていて、この耐力壁で建物の荷重を支えるものである。
【0003】
この耐力壁の上側の枠には必ず接合部があり、この部分が破壊され易いし、上側枠には大きな力が加わるので、一般に、非特許文献1に記載されているように、耐力壁の上端面に一直線状の枠組材である頭つなぎが取り付けられている。
この際の頭つなぎには、壁厚み又は枠の幅と略等しい枠組材が使用されている。
【0004】
この枠組壁工法の施工方法を更に施工し易くするために、壁や床や天井等を予めパネル化して、このパネルを組み立てるだけで建物になす施工方法が行われている。例えば、特許文献2には、予め壁パネルを製造していて、複数個の壁パネルの上端面に一直線状の枠組材である頭つなぎを載せた状態に架け渡して取り付け、この頭つなぎで壁パネルを接合する施工方法が記載されている。
この特許文献2に記載されている壁パネルを使用する枠組壁工法では、壁パネルを製造していて、この壁パネルの複数個の壁パネルの上端面に頭つなぎを架け渡して取り付けるだけで、複数の壁パネルを接合して壁とすることができるので、極めて便利である。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−74606号公報
【特許文献2】
特公平6−74605号公報
【非特許文献1】
枠組工法住宅工事共通仕様書4.9.3
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耐力壁や壁パネル等の壁は、略一直線状に並んだ部分だけでなく、角部や内壁パネルと間仕切り壁パネルとの接合部分のように、壁がL字形やT字形や+字形になっている場所があり、このL字形やT字形や+字形になっている壁を接合する必要があるが、上記特許文献2に記載されている方法だけでは、かかる壁を一直線状の木材である頭つなぎで繋ぐことができない。
【0007】
従来、このL字形やT字形や+字形の交点にある耐力壁の上端面に頭つなぎを取り付ける方法としては、非特許文献1の4.9−2図に示されている方法が行われている。
この方法を図6を参照しながら説明する。
図6(イ)には、L字形の交点にある耐力壁110、120の上端面に頭つなぎ210、220を取り付けた状態が示されている。又、図6(ロ)には、T字形に接合する耐力壁510、520の上端面に頭つなぎ610、620を取り付けた状態が示されている。
【0008】
この図6から判るように、従来の交点にある耐力壁の上端面に頭つなぎを取り付ける方法は、交点にある壁の上端面に取り付けられた一方の頭つなぎ210、610を勝ちの状態にしていた。
しかし、この方法では耐力壁110と120や耐力壁510と520を十分強固に接合できず、一方の壁(例えば、耐力壁110や510)に人が凭れたりすると、耐力壁が倒れる方向に移動し易いという問題がある。
【0009】
この問題を解決するためには、一方の耐力壁110や510の横面から他方の耐力壁に釘を打ち込んで固定してみたが、強固に接合できないし、施工し難い。この問題は枠組壁工法で建てられた木造建物に使用される壁パネルにおいても同じである。
そこで、本発明の目的は、交点にある壁の一方の壁と他方の壁を簡単に、しかも、強固に接合することのできる木造建物用接合材と、この木造建物用接合材を使用した壁の接合構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、請求項1記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部と第二接合部からなる木造建物用接合材を特徴とするものである。
【0011】
この請求項1記載の発明における木製の板材とは、壁の厚み又は壁の枠組材の幅より広い幅を有する木製の板材のことであって、木板は勿論のこと、合板やパーチクルボードや集成材のような木質系の板材を含むものである。
更に、枠組壁工法で建てられた建物の壁は、通常、枠組材(例えば、2×4や2×6)を枠状に組み立てて、この表面に壁面材を取り付けたものであるので、請求項1記載の木製の板材としては、この建物の壁に使用する枠組材の幅又は壁の枠組材に壁面材を取り付けた壁の厚みより広い幅を有する枠組材(例えば、2×10や2×12)等であってもよい。
【0012】
耐力壁や壁パネル等の壁の交点以外の場所に、特許文献2に記載されているような直線状の壁に頭つなぎがある場合には、この木造建物用接合材の厚みを頭つなぎと略同じにすると木造建物用接合材の上面と頭つなぎの上面とが略面一になるので好ましい。
又、この請求項1記載の発明における第一接合部と第二接合部とは相対的なものであって、2方向に伸びる一方を第一接合部とすると、他方が第二接合部となる。尚、建物の壁は略直角に接合することが多いので、この第一接合部に対して第二接合部が略直角方向に伸びたものが好ましい。例えば、第一接合部の一端から第二接合部が略直角に伸びているL字形であってもよいし、第一接合部の略中央から第二接合部が略直角に伸びているT字形や+字形であってもよい。
【0013】
この請求項1記載の木造建物用接合材は、非特許文献1に示されている耐力壁の交点にある縦方向の耐力壁の上端面と横方向の耐力壁の上端面とに差し渡して取り付けて、この木造建物用接合材で両者を強固に接合するのに使用してもよいし、特許文献2に記載されているような壁パネルの交点にある第一の方向の壁パネルの上端面と第二の方向の壁パネルの上端面とに差し渡して取り付けて、この木造建物用接合材で両者を強固に接合するのに使用してもよい。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているものである。
【0015】
請求項3記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されている壁の接合構造を特徴とするものである。
【0016】
この請求項3記載の発明における枠組壁工法で建てられた木造建物は、施工現場で組み立てる建物であってもよいし、特許文献2に記載されている壁パネルを予め製造し、この壁パネルを取り付ける建物であってもよいし、工場で建物ユニットに組み立てて、この建物ユニットの複数個を施工現場で組み立てるユニット建物であってもよい。
又、この請求項3記載の発明における第一の方向の壁と第二の方向の壁とは、相対的なものであって、交差する位置に立設されている壁の一方を第一の方向の壁とすると、他方が第二の方向の壁である。
【0017】
そして、この第二の方向の壁の上端面と第一の方向の壁の上端面に木造建築用接合材が載置され取り付けられているが、この取付方法は適宜手段で取り付ければよい。例えば、釘やネールプレートやビス等の接合具で強固に取り付けてもよいし、接着剤等で接着してもよい。
【0018】
(作用)
請求項1記載の発明では、木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる第一接合部と第二接合部からなるので、この第一接合部と第二接合部とは、継ぎ目のない一体構造となっていて、両者は極めて強固に連結されている。
従って、この木造建築用接合材の第一接合部を縦方向の耐力壁や壁パネル等の壁の上端面に、又、第二接合部を横方向の耐力壁や壁パネル等の壁の上端面に載置させて取り付けることにより、第一の方向の壁と第二の方向の壁を極めて強固に接合させることができるし、施工も簡単である。
【0019】
そして、この第一接合部と第二接合部は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有するので、この縦部材と第二接合部を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部と第二接合部は壁の厚み方向に突出することがなく、美麗に取り付けることができる。
【0020】
請求項2記載の発明では、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているので、壁に人が凭れる等で、第一の方向の壁や第二の方向の壁に、この第一の方向の壁と第二の方向の壁で形成される角の角度を変えるような強い力が加わっても、第一接合部と横部材で形成される角部にひび割れが発生しないし、角部が破壊しない。
【0021】
即ち、第一接合部と横部材で形成される角部の縁が一方から他方に折曲した状態に尖っていると、第一の方向の壁パネルや第二の方向の壁パネルに角部の角度を変えようとする強い力が加わったときに、この尖った部分に応力が集中して、この部分にひびが入ったり、この部分が破壊することがあるが、請求項2記載の発明では、この角部の縁が滑らかな曲線となされているので、このような応力が集中せず、角部にひび割れが発生し難いし角部が破壊し難い。
【0022】
請求項3記載の発明では、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されているので、第一の方向の壁と第二の方向の壁が、機械的強度の大きな木造建物用接合材で接合され、人が凭れたりしても、壁が倒れる方向に移動しない。
【0023】
又、この壁の接合構造にするには、請求項1又は2記載の木造建物用接合材を第一の方向の壁の上端面と第二の方向の壁の上端面とに載置し、この木造建物用接合材を壁に取り付ければよく、極めて施工し易い。
特に、壁が壁パネルである場合には、予め製造されている壁パネルを床の上に立設し、この壁パネルの上端面に木造建物用接合材を取り付けるだけで強固に取り付けることができ、施工し易い。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例で説明する。
図1〜図5は本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すもので、図1は建物の斜視図、図2は間仕切り壁パネルを備えた建物ユニットの一部切欠斜視図、図3は図2のA部分の接合状態を一部切欠斜視図、図4(イ)はL字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図、図5(イ)はT字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【0025】
図1〜図5において、Uは枠組壁工法で建てられた建物であり、この建物Uは、図1に示すように、基礎1の上に、9個の建物ユニット2が据え付けられて1階が形成され、この1階の建物ユニット2の上に9個の建物ユニット2が据え付けられて2階が形成され、この2階の建物ユニット2の上に屋根ユニット3が取り付けられて屋根が形成されたものである。
【0026】
この建物Uを構成する建物ユニット2は、床パネルに外壁パネルや内壁パネルや間仕切り壁パネル等の壁パネルが立設されたものであって、部屋や台所や廊下というように据え付ける場所によって床パネルの大きさや壁パネルの大きさや構造の異なる種々な建物ユニット2がある。
【0027】
そこで、間仕切り壁パネルを備えた建物ユニット2を例に挙げて建物ユニット2を説明する。
この間仕切り壁パネルを備えた建物ユニット2は、図2と図3に示すように、矩形状の床パネル3と、この床パネル3に立設された内壁パネル4や間仕切り壁パネル5と、この内壁パネル4や間仕切り壁パネル5の上端面に取り付けられた頭つなぎ6や木造建物用接合材7からなる。
【0028】
床パネル3は、図2に示すように、木製の枠組材を矩形状に組み立てた枠31と、この枠31の中に設けられた枠組材である桟材32と、この枠31と桟材32の片面に設けられた床面材33とからなる。
【0029】
内壁パネル4は、厚みが略38mm、幅が略140mmの木製の枠組材(2×6)を矩形状に組み立てた枠41と、この上下の枠41に差し渡された同じ枠組材(2×6)である桟材42と、この枠41と桟材42の両面又は片面に取り付けられた壁面材43とからなる。
従って、内壁パネル4の厚みは枠組材41の幅と両面又は片面に取り付けられた壁面材43の厚みの合計となる。
【0030】
間仕切り壁パネル5は、内壁パネル4と略同じ構造をしていて、木製の枠組材(2×6)を矩形状に組み立てた枠51と、この上下の枠51に差し渡された枠組材(2×6)である桟材52と、この枠51と桟材52の両面又は片面に取り付けられた壁面材53とからなる。
従って、間仕切りパネル5の厚みは枠組材51の幅と両面又は片面に取り付けられた壁面材53の厚みの合計となる。
【0031】
頭つなぎ6は、内壁パネル4や間仕切り壁パネル5に使用する枠組材と略同じ厚みが略38mm、幅が略140mmの長尺の木製の枠組材(2×6)であり、内壁パネル4や間仕切りパネル5の上端面に取り付けて、複数の内壁パネル4や間仕切りパネル5を接合するものである。
【0032】
この実施例に使用する木造建物用接合材7には、L字形の木造建物用接合材7−1とT字形の木造建物用接合材7−2の2種類ある。
L字形の木造建物用接合材7−1は、図4に示すように、厚みが略38mm、幅が略286mmの木製の枠組材(2×12)を、L字形の頭つなぎと略同じ断面(厚みが略38mm、幅が略140mm)を有する第一接合部71と第二接合部72に切り出されたものであり、この縦部材71と第二接合部72とで形成される角部の縁は滑らかな曲線状になっている。
【0033】
T字形の木造建物用接合材7−2は、図5に示すように、厚みが略38mm、幅が略286mmの木製の枠組材(2×12)を、T字形の頭つなぎと略同じ断面(厚みが略38mm、幅が略140mm)を有する第一接合部71と第二接合部72に切り出されたものであり、この縦部材71と第二接合部72とで形成される角部の縁は滑らかな曲線状になっている。
【0034】
そして、建物ユニット2は、床パネル3の短辺に2個の内壁パネル4が立設され、長辺に3枚の内壁パネル4が立設され、この長辺の内壁パネル4の接合部分にこの内壁パネル4に略直角方向の位置に間仕切り壁パネル5が立設されたものである。
【0035】
そして、この内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の直線部分には、この内壁パネル4の上端面に頭つなぎ6が取り付けられて、この頭つなぎ6で内壁パネル4や間仕切りパネル4が接合され、コーナー部には、頭つなぎ6の替わりに、L字形の木造建物用接合材7−1が取り付けられて、この木造建物接合材7−1で内壁パネルが接合され、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の交点の上端面には、図3に示すように、T字形の木造建物用接合材7−2が取り付けられて、この木造建物用接合材7−2で内壁パネル4と間仕切り壁パネル5が接合されている。
屋根ユニット3は従来と略同じであるので説明を省略する。
【0036】
次に、このユニット建物Uの施工方法及び作用について説明する。
工場で、床パネル3や外壁パネルや内壁パネル4や間仕切り壁パネル5を製造し、この床パネルに外壁パネルや内壁パネル4や間仕切り壁パネル5等の壁パネルを立設する。
そして、この壁パネルの上端面に頭つなぎ6や木造建物用接合材7を取り付けて、この木造建物用接合材7で外壁パネル、内壁パネル、間仕切りパネル等の壁パネルを接合して、建物ユニット2を製造する。
【0037】
この際の間仕切り壁パネル5を備えた建物ユニット2の製造方法を説明すると、図2と図3に示すように、床パネル3の短辺に2枚の内壁パネル4を、又、長辺に3枚の内壁パネル4をそれぞれ立設し、この長辺に立設された内壁パネル4の繋ぎ部分から、この内壁パネル4に略直角方向に間仕切り壁パネル5を立設する。
そして、この内壁パネル4と間仕切り壁パネル5や直線部分の上端面に頭つなぎ6を取り付けたり、コーナー部に、L字形の木造建物用接合材7−1を取り付けたり、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の交点の上端面に、図3に示すように、T字形の木造建物用接合材7−2を取り付けて、この頭つなぎ6と木造建物用接合材7で、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5を接合すると間仕切り壁パネル5を備えた建物ユニット2が完成する。
【0038】
このように、第一の方向の壁パネルである内壁パネル4の上端面と、この内壁パネル4に略直角方向に位置する第二の方向の壁パネルである間仕切り壁パネル5の上端面に、木造建物用接合材7−2の第一接合部71と第二接合部72をそれぞれ、載置し、この木造建物用接合材7−2を内壁パネル4と間仕切り壁パネル5に取り付けるだけでこれ等の壁パネル4、5を強固に接合することができるので、極めて施工し易い。
【0039】
又、この木造建物用接合材7の第一接合部71と第二接合部72の幅は、壁の枠組材41、51の幅と略同じであるので、この縦部材71と第二接合部72を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部71と第二接合部72が壁の厚み方向に突出することがなく、美麗に取り付けることができる。
尚、壁面材43、53は、頭つなぎ6や木造建物用接合材7を取り付けた後に、壁の枠組材41から頭つなぎ6や木造建物用接合材7の側面を覆うようにして取り付けてもよい。
又、屋根ユニット3を製造する。
【0040】
このようにして製造して建物ユニット2や屋根ユニット3を施工現場に運搬する。
施工現場では、予め設けられている基礎1の上に、9個の建物ユニット2を据え付けて1階を形成し、この1階の建物ユニット2の上に9個の建物ユニット2を据え付けて2階を形成し、この2階の建物ユニット2の上に屋根ユニット3を取り付けて屋根を形成したり、種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0041】
このようにして製造したユニット建物Uでは、木造建物用接合材7が木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる第一接合部71と第二接合部72からなり、第一接合部71と第二接合部72が極めて強固に連結されているので、この木造建物用接合材7で接合された略直角に取り付けられている内壁パネル4や間仕切り壁パネル5とが強固に接合され、人が凭れる等して内壁パネル4や間仕切りパネルに力が加わっても、この木造建物用接合材5で内壁パネル4と間仕切り壁パネル5が倒れる方向に動かない。
【0042】
更に、この木造建物用接合材7の第一接合部71と第二接合部72で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているので、この内壁パネル4や間仕切り壁パネル5に人が凭れたりして、内壁パネル4や間仕切りパネル5に、この角の角度を変化させる力が加わっても、第一接合部71と横部材72の角部に応力が集中せず、従って、木造建物用接合材7の角部にひび割れが発生し難いし、角部が破壊され難い。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部と第二接合部からなるから、この第一接合部と第二接合部とは、継ぎ目のない極めて強固に連結されている一体構造となっている。従って、第一接合部を立設された第一の方向の壁の上端面に、又、第二接合部を立設された第二の方向の壁の上端面に載置し取り付けると、第一の方向の壁と第二の方向の壁を極めて強固に接合することができるし、この第一の方向の壁と第二の方向の壁を接合する施工も簡単であるし、縦部材と第二接合部を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部と第二接合部が壁の厚み方向に突出することがなく、美麗である。
【0044】
請求項2記載の発明は、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているから、人が凭れる等で、第一の方向の壁パネルや第二の方向の壁パネルに、角部の角度を変えるような強い力が加わっても、この角部に応力が集中せず、角部にひび割れが発生し難いし、角部が破壊され難い。
【0045】
請求項3記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されているから、第一の方向の壁と第二の方向の壁が、機械的強度の大きな木造建物用接合材で接合されていて、人が凭れたりしても、壁が倒れる方向に移動しないし、この壁の接合構造にする施工は、請求項1又は2記載の木造建物用接合材を第一の方向の壁の上端面と第二の方向の壁の上端面とに載置し、この木造建物用接合材を壁に取り付ければよく、極めて施工し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すもので、建物の斜視図である。
【図2】間仕切り壁パネルを備えた建物ユニットの一部切欠斜視図である。
【図3】図2のA部分の接合状態を示す一部切欠斜視図である。
【図4】(イ)はL字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【図5】(イ)はT字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【図6】従来の耐力壁の接続部分を示すもので、(イ)はL字形に接合している部分の斜視図、(ロ)はT字形に接合している部分の斜視図である。
【符号の説明】
U 建物
1 基礎
2 建物ユニット
4 壁パネル(内壁パネル)
5 壁パネル(間仕切り壁パネル)
6 頭つなぎ
7 木造建物用接合材
7−1 L字形の木造建物用接合材
7−2 T字形の木造建物用接合材
71 第一接合部
72 第二接合部
【発明の属する技術分野】
本発明は、枠組壁工法の壁を接合するために使用する木造建築用接合材及びこの木造建築用接合材で壁が接合された壁の接合構造に関する。
特に、枠組壁工法の壁パネルを接合するために使用するのに好適な木造建築用接合材及びこの木造建築用接合材で壁パネルを接合する構造に好適な壁の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に示される一般にツーバイフォー工法といわれている枠組壁工法で建てられた木造建築物は、枠組材を組み立てて骨格を形成し、この骨格に床面材、壁面材、天井面材等を取り付けたり、屋根を設けるだけで建物を建てることができ、施工し易いので、広く採用されている。
この枠組壁工法で建てられた木造建築物の壁は、枠組材を枠に組み立て、この枠の片面または両面に壁面材を取り付けた耐力壁となっていて、この耐力壁で建物の荷重を支えるものである。
【0003】
この耐力壁の上側の枠には必ず接合部があり、この部分が破壊され易いし、上側枠には大きな力が加わるので、一般に、非特許文献1に記載されているように、耐力壁の上端面に一直線状の枠組材である頭つなぎが取り付けられている。
この際の頭つなぎには、壁厚み又は枠の幅と略等しい枠組材が使用されている。
【0004】
この枠組壁工法の施工方法を更に施工し易くするために、壁や床や天井等を予めパネル化して、このパネルを組み立てるだけで建物になす施工方法が行われている。例えば、特許文献2には、予め壁パネルを製造していて、複数個の壁パネルの上端面に一直線状の枠組材である頭つなぎを載せた状態に架け渡して取り付け、この頭つなぎで壁パネルを接合する施工方法が記載されている。
この特許文献2に記載されている壁パネルを使用する枠組壁工法では、壁パネルを製造していて、この壁パネルの複数個の壁パネルの上端面に頭つなぎを架け渡して取り付けるだけで、複数の壁パネルを接合して壁とすることができるので、極めて便利である。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−74606号公報
【特許文献2】
特公平6−74605号公報
【非特許文献1】
枠組工法住宅工事共通仕様書4.9.3
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、耐力壁や壁パネル等の壁は、略一直線状に並んだ部分だけでなく、角部や内壁パネルと間仕切り壁パネルとの接合部分のように、壁がL字形やT字形や+字形になっている場所があり、このL字形やT字形や+字形になっている壁を接合する必要があるが、上記特許文献2に記載されている方法だけでは、かかる壁を一直線状の木材である頭つなぎで繋ぐことができない。
【0007】
従来、このL字形やT字形や+字形の交点にある耐力壁の上端面に頭つなぎを取り付ける方法としては、非特許文献1の4.9−2図に示されている方法が行われている。
この方法を図6を参照しながら説明する。
図6(イ)には、L字形の交点にある耐力壁110、120の上端面に頭つなぎ210、220を取り付けた状態が示されている。又、図6(ロ)には、T字形に接合する耐力壁510、520の上端面に頭つなぎ610、620を取り付けた状態が示されている。
【0008】
この図6から判るように、従来の交点にある耐力壁の上端面に頭つなぎを取り付ける方法は、交点にある壁の上端面に取り付けられた一方の頭つなぎ210、610を勝ちの状態にしていた。
しかし、この方法では耐力壁110と120や耐力壁510と520を十分強固に接合できず、一方の壁(例えば、耐力壁110や510)に人が凭れたりすると、耐力壁が倒れる方向に移動し易いという問題がある。
【0009】
この問題を解決するためには、一方の耐力壁110や510の横面から他方の耐力壁に釘を打ち込んで固定してみたが、強固に接合できないし、施工し難い。この問題は枠組壁工法で建てられた木造建物に使用される壁パネルにおいても同じである。
そこで、本発明の目的は、交点にある壁の一方の壁と他方の壁を簡単に、しかも、強固に接合することのできる木造建物用接合材と、この木造建物用接合材を使用した壁の接合構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、請求項1記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部と第二接合部からなる木造建物用接合材を特徴とするものである。
【0011】
この請求項1記載の発明における木製の板材とは、壁の厚み又は壁の枠組材の幅より広い幅を有する木製の板材のことであって、木板は勿論のこと、合板やパーチクルボードや集成材のような木質系の板材を含むものである。
更に、枠組壁工法で建てられた建物の壁は、通常、枠組材(例えば、2×4や2×6)を枠状に組み立てて、この表面に壁面材を取り付けたものであるので、請求項1記載の木製の板材としては、この建物の壁に使用する枠組材の幅又は壁の枠組材に壁面材を取り付けた壁の厚みより広い幅を有する枠組材(例えば、2×10や2×12)等であってもよい。
【0012】
耐力壁や壁パネル等の壁の交点以外の場所に、特許文献2に記載されているような直線状の壁に頭つなぎがある場合には、この木造建物用接合材の厚みを頭つなぎと略同じにすると木造建物用接合材の上面と頭つなぎの上面とが略面一になるので好ましい。
又、この請求項1記載の発明における第一接合部と第二接合部とは相対的なものであって、2方向に伸びる一方を第一接合部とすると、他方が第二接合部となる。尚、建物の壁は略直角に接合することが多いので、この第一接合部に対して第二接合部が略直角方向に伸びたものが好ましい。例えば、第一接合部の一端から第二接合部が略直角に伸びているL字形であってもよいし、第一接合部の略中央から第二接合部が略直角に伸びているT字形や+字形であってもよい。
【0013】
この請求項1記載の木造建物用接合材は、非特許文献1に示されている耐力壁の交点にある縦方向の耐力壁の上端面と横方向の耐力壁の上端面とに差し渡して取り付けて、この木造建物用接合材で両者を強固に接合するのに使用してもよいし、特許文献2に記載されているような壁パネルの交点にある第一の方向の壁パネルの上端面と第二の方向の壁パネルの上端面とに差し渡して取り付けて、この木造建物用接合材で両者を強固に接合するのに使用してもよい。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係り、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているものである。
【0015】
請求項3記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されている壁の接合構造を特徴とするものである。
【0016】
この請求項3記載の発明における枠組壁工法で建てられた木造建物は、施工現場で組み立てる建物であってもよいし、特許文献2に記載されている壁パネルを予め製造し、この壁パネルを取り付ける建物であってもよいし、工場で建物ユニットに組み立てて、この建物ユニットの複数個を施工現場で組み立てるユニット建物であってもよい。
又、この請求項3記載の発明における第一の方向の壁と第二の方向の壁とは、相対的なものであって、交差する位置に立設されている壁の一方を第一の方向の壁とすると、他方が第二の方向の壁である。
【0017】
そして、この第二の方向の壁の上端面と第一の方向の壁の上端面に木造建築用接合材が載置され取り付けられているが、この取付方法は適宜手段で取り付ければよい。例えば、釘やネールプレートやビス等の接合具で強固に取り付けてもよいし、接着剤等で接着してもよい。
【0018】
(作用)
請求項1記載の発明では、木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる第一接合部と第二接合部からなるので、この第一接合部と第二接合部とは、継ぎ目のない一体構造となっていて、両者は極めて強固に連結されている。
従って、この木造建築用接合材の第一接合部を縦方向の耐力壁や壁パネル等の壁の上端面に、又、第二接合部を横方向の耐力壁や壁パネル等の壁の上端面に載置させて取り付けることにより、第一の方向の壁と第二の方向の壁を極めて強固に接合させることができるし、施工も簡単である。
【0019】
そして、この第一接合部と第二接合部は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有するので、この縦部材と第二接合部を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部と第二接合部は壁の厚み方向に突出することがなく、美麗に取り付けることができる。
【0020】
請求項2記載の発明では、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているので、壁に人が凭れる等で、第一の方向の壁や第二の方向の壁に、この第一の方向の壁と第二の方向の壁で形成される角の角度を変えるような強い力が加わっても、第一接合部と横部材で形成される角部にひび割れが発生しないし、角部が破壊しない。
【0021】
即ち、第一接合部と横部材で形成される角部の縁が一方から他方に折曲した状態に尖っていると、第一の方向の壁パネルや第二の方向の壁パネルに角部の角度を変えようとする強い力が加わったときに、この尖った部分に応力が集中して、この部分にひびが入ったり、この部分が破壊することがあるが、請求項2記載の発明では、この角部の縁が滑らかな曲線となされているので、このような応力が集中せず、角部にひび割れが発生し難いし角部が破壊し難い。
【0022】
請求項3記載の発明では、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されているので、第一の方向の壁と第二の方向の壁が、機械的強度の大きな木造建物用接合材で接合され、人が凭れたりしても、壁が倒れる方向に移動しない。
【0023】
又、この壁の接合構造にするには、請求項1又は2記載の木造建物用接合材を第一の方向の壁の上端面と第二の方向の壁の上端面とに載置し、この木造建物用接合材を壁に取り付ければよく、極めて施工し易い。
特に、壁が壁パネルである場合には、予め製造されている壁パネルを床の上に立設し、この壁パネルの上端面に木造建物用接合材を取り付けるだけで強固に取り付けることができ、施工し易い。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例で説明する。
図1〜図5は本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すもので、図1は建物の斜視図、図2は間仕切り壁パネルを備えた建物ユニットの一部切欠斜視図、図3は図2のA部分の接合状態を一部切欠斜視図、図4(イ)はL字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図、図5(イ)はT字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【0025】
図1〜図5において、Uは枠組壁工法で建てられた建物であり、この建物Uは、図1に示すように、基礎1の上に、9個の建物ユニット2が据え付けられて1階が形成され、この1階の建物ユニット2の上に9個の建物ユニット2が据え付けられて2階が形成され、この2階の建物ユニット2の上に屋根ユニット3が取り付けられて屋根が形成されたものである。
【0026】
この建物Uを構成する建物ユニット2は、床パネルに外壁パネルや内壁パネルや間仕切り壁パネル等の壁パネルが立設されたものであって、部屋や台所や廊下というように据え付ける場所によって床パネルの大きさや壁パネルの大きさや構造の異なる種々な建物ユニット2がある。
【0027】
そこで、間仕切り壁パネルを備えた建物ユニット2を例に挙げて建物ユニット2を説明する。
この間仕切り壁パネルを備えた建物ユニット2は、図2と図3に示すように、矩形状の床パネル3と、この床パネル3に立設された内壁パネル4や間仕切り壁パネル5と、この内壁パネル4や間仕切り壁パネル5の上端面に取り付けられた頭つなぎ6や木造建物用接合材7からなる。
【0028】
床パネル3は、図2に示すように、木製の枠組材を矩形状に組み立てた枠31と、この枠31の中に設けられた枠組材である桟材32と、この枠31と桟材32の片面に設けられた床面材33とからなる。
【0029】
内壁パネル4は、厚みが略38mm、幅が略140mmの木製の枠組材(2×6)を矩形状に組み立てた枠41と、この上下の枠41に差し渡された同じ枠組材(2×6)である桟材42と、この枠41と桟材42の両面又は片面に取り付けられた壁面材43とからなる。
従って、内壁パネル4の厚みは枠組材41の幅と両面又は片面に取り付けられた壁面材43の厚みの合計となる。
【0030】
間仕切り壁パネル5は、内壁パネル4と略同じ構造をしていて、木製の枠組材(2×6)を矩形状に組み立てた枠51と、この上下の枠51に差し渡された枠組材(2×6)である桟材52と、この枠51と桟材52の両面又は片面に取り付けられた壁面材53とからなる。
従って、間仕切りパネル5の厚みは枠組材51の幅と両面又は片面に取り付けられた壁面材53の厚みの合計となる。
【0031】
頭つなぎ6は、内壁パネル4や間仕切り壁パネル5に使用する枠組材と略同じ厚みが略38mm、幅が略140mmの長尺の木製の枠組材(2×6)であり、内壁パネル4や間仕切りパネル5の上端面に取り付けて、複数の内壁パネル4や間仕切りパネル5を接合するものである。
【0032】
この実施例に使用する木造建物用接合材7には、L字形の木造建物用接合材7−1とT字形の木造建物用接合材7−2の2種類ある。
L字形の木造建物用接合材7−1は、図4に示すように、厚みが略38mm、幅が略286mmの木製の枠組材(2×12)を、L字形の頭つなぎと略同じ断面(厚みが略38mm、幅が略140mm)を有する第一接合部71と第二接合部72に切り出されたものであり、この縦部材71と第二接合部72とで形成される角部の縁は滑らかな曲線状になっている。
【0033】
T字形の木造建物用接合材7−2は、図5に示すように、厚みが略38mm、幅が略286mmの木製の枠組材(2×12)を、T字形の頭つなぎと略同じ断面(厚みが略38mm、幅が略140mm)を有する第一接合部71と第二接合部72に切り出されたものであり、この縦部材71と第二接合部72とで形成される角部の縁は滑らかな曲線状になっている。
【0034】
そして、建物ユニット2は、床パネル3の短辺に2個の内壁パネル4が立設され、長辺に3枚の内壁パネル4が立設され、この長辺の内壁パネル4の接合部分にこの内壁パネル4に略直角方向の位置に間仕切り壁パネル5が立設されたものである。
【0035】
そして、この内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の直線部分には、この内壁パネル4の上端面に頭つなぎ6が取り付けられて、この頭つなぎ6で内壁パネル4や間仕切りパネル4が接合され、コーナー部には、頭つなぎ6の替わりに、L字形の木造建物用接合材7−1が取り付けられて、この木造建物接合材7−1で内壁パネルが接合され、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の交点の上端面には、図3に示すように、T字形の木造建物用接合材7−2が取り付けられて、この木造建物用接合材7−2で内壁パネル4と間仕切り壁パネル5が接合されている。
屋根ユニット3は従来と略同じであるので説明を省略する。
【0036】
次に、このユニット建物Uの施工方法及び作用について説明する。
工場で、床パネル3や外壁パネルや内壁パネル4や間仕切り壁パネル5を製造し、この床パネルに外壁パネルや内壁パネル4や間仕切り壁パネル5等の壁パネルを立設する。
そして、この壁パネルの上端面に頭つなぎ6や木造建物用接合材7を取り付けて、この木造建物用接合材7で外壁パネル、内壁パネル、間仕切りパネル等の壁パネルを接合して、建物ユニット2を製造する。
【0037】
この際の間仕切り壁パネル5を備えた建物ユニット2の製造方法を説明すると、図2と図3に示すように、床パネル3の短辺に2枚の内壁パネル4を、又、長辺に3枚の内壁パネル4をそれぞれ立設し、この長辺に立設された内壁パネル4の繋ぎ部分から、この内壁パネル4に略直角方向に間仕切り壁パネル5を立設する。
そして、この内壁パネル4と間仕切り壁パネル5や直線部分の上端面に頭つなぎ6を取り付けたり、コーナー部に、L字形の木造建物用接合材7−1を取り付けたり、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5の交点の上端面に、図3に示すように、T字形の木造建物用接合材7−2を取り付けて、この頭つなぎ6と木造建物用接合材7で、内壁パネル4と間仕切り壁パネル5を接合すると間仕切り壁パネル5を備えた建物ユニット2が完成する。
【0038】
このように、第一の方向の壁パネルである内壁パネル4の上端面と、この内壁パネル4に略直角方向に位置する第二の方向の壁パネルである間仕切り壁パネル5の上端面に、木造建物用接合材7−2の第一接合部71と第二接合部72をそれぞれ、載置し、この木造建物用接合材7−2を内壁パネル4と間仕切り壁パネル5に取り付けるだけでこれ等の壁パネル4、5を強固に接合することができるので、極めて施工し易い。
【0039】
又、この木造建物用接合材7の第一接合部71と第二接合部72の幅は、壁の枠組材41、51の幅と略同じであるので、この縦部材71と第二接合部72を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部71と第二接合部72が壁の厚み方向に突出することがなく、美麗に取り付けることができる。
尚、壁面材43、53は、頭つなぎ6や木造建物用接合材7を取り付けた後に、壁の枠組材41から頭つなぎ6や木造建物用接合材7の側面を覆うようにして取り付けてもよい。
又、屋根ユニット3を製造する。
【0040】
このようにして製造して建物ユニット2や屋根ユニット3を施工現場に運搬する。
施工現場では、予め設けられている基礎1の上に、9個の建物ユニット2を据え付けて1階を形成し、この1階の建物ユニット2の上に9個の建物ユニット2を据え付けて2階を形成し、この2階の建物ユニット2の上に屋根ユニット3を取り付けて屋根を形成したり、種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0041】
このようにして製造したユニット建物Uでは、木造建物用接合材7が木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる第一接合部71と第二接合部72からなり、第一接合部71と第二接合部72が極めて強固に連結されているので、この木造建物用接合材7で接合された略直角に取り付けられている内壁パネル4や間仕切り壁パネル5とが強固に接合され、人が凭れる等して内壁パネル4や間仕切りパネルに力が加わっても、この木造建物用接合材5で内壁パネル4と間仕切り壁パネル5が倒れる方向に動かない。
【0042】
更に、この木造建物用接合材7の第一接合部71と第二接合部72で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているので、この内壁パネル4や間仕切り壁パネル5に人が凭れたりして、内壁パネル4や間仕切りパネル5に、この角の角度を変化させる力が加わっても、第一接合部71と横部材72の角部に応力が集中せず、従って、木造建物用接合材7の角部にひび割れが発生し難いし、角部が破壊され難い。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部と第二接合部からなるから、この第一接合部と第二接合部とは、継ぎ目のない極めて強固に連結されている一体構造となっている。従って、第一接合部を立設された第一の方向の壁の上端面に、又、第二接合部を立設された第二の方向の壁の上端面に載置し取り付けると、第一の方向の壁と第二の方向の壁を極めて強固に接合することができるし、この第一の方向の壁と第二の方向の壁を接合する施工も簡単であるし、縦部材と第二接合部を壁の上端面に取り付けても、この第一接合部と第二接合部が壁の厚み方向に突出することがなく、美麗である。
【0044】
請求項2記載の発明は、前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされているから、人が凭れる等で、第一の方向の壁パネルや第二の方向の壁パネルに、角部の角度を変えるような強い力が加わっても、この角部に応力が集中せず、角部にひび割れが発生し難いし、角部が破壊され難い。
【0045】
請求項3記載の発明は、枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されているから、第一の方向の壁と第二の方向の壁が、機械的強度の大きな木造建物用接合材で接合されていて、人が凭れたりしても、壁が倒れる方向に移動しないし、この壁の接合構造にする施工は、請求項1又は2記載の木造建物用接合材を第一の方向の壁の上端面と第二の方向の壁の上端面とに載置し、この木造建物用接合材を壁に取り付ければよく、極めて施工し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をユニット建物に適用した一実施例を示すもので、建物の斜視図である。
【図2】間仕切り壁パネルを備えた建物ユニットの一部切欠斜視図である。
【図3】図2のA部分の接合状態を示す一部切欠斜視図である。
【図4】(イ)はL字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【図5】(イ)はT字形の木造建物用接合材の斜視図、(ロ)は(イ)の平面図である。
【図6】従来の耐力壁の接続部分を示すもので、(イ)はL字形に接合している部分の斜視図、(ロ)はT字形に接合している部分の斜視図である。
【符号の説明】
U 建物
1 基礎
2 建物ユニット
4 壁パネル(内壁パネル)
5 壁パネル(間仕切り壁パネル)
6 頭つなぎ
7 木造建物用接合材
7−1 L字形の木造建物用接合材
7−2 T字形の木造建物用接合材
71 第一接合部
72 第二接合部
Claims (3)
- 枠組壁工法で建てられた木造建物の壁の厚み又は壁の枠組材の幅より大きな幅を有する木製の板材から切り出された継ぎ目のない2方向に伸びる壁の厚み又は壁の枠組材の幅と略同じ幅を有する第一接合部と第二接合部からなることを特徴とする木造建築用接合材。
- 前記第一接合部と第二接合部で形成される角部の縁が滑らかな曲線になされていることを特徴とする請求項1記載の木造建築用接合材。
- 枠組壁工法で建てられた木造建物における壁の接合構造であって、請求項1又は2記載の木造建物用接合材が、第一接合部と第二接合部をそれぞれ第一の方向の壁の上端面と、この第一の方向の壁に交差する位置にある第二の方向の壁の上端面とに載置させた状態に、取り付けられて、この木造建物用接合材で第一の方向の壁と第二の方向の壁が接合されていることを特徴とする壁の接合構造。
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---|---|---|---|---|
JP3190923U (ja) * | 2014-03-14 | 2014-06-05 | 石田 浩一 | 木造枠組壁工法建築物 |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304528A patent/JP2004137799A/ja active Pending
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JP3190923U (ja) * | 2014-03-14 | 2014-06-05 | 石田 浩一 | 木造枠組壁工法建築物 |
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