JP2004137188A - 木質資材加害節足動物防除剤 - Google Patents

木質資材加害節足動物防除剤 Download PDF

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Izumi Fujimoto
藤本 いずみ
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Abstract

【課題】高い木質資材加害節足動物防除効力が遅効的に長期間発揮できる薬剤を提供する。
【解決手段】N−2,6−ジフルオロベンゾイル−N’−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレアを有効成分として含有する木質資材加害節足動物防除剤及び該防除剤を用いる木質資材加害節足動物の防除方法。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材、合板、エンジニアリングウッド、紙類等の木質資材を加害する節足動物の防除剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、シロアリやヒラタキクイムシに代表される木質資材加害節足動物による住宅、文化財建造物等の被害が問題となってきている。そしてこれらの害虫防除を目的として種々の化合物が提案されている。かかる化合物の中でもピレスロイド系化合物や有機リン系化合物は、所謂即効性の殺虫性化合物として知られているが、即効性の殺虫性化合物を木質資材加害節足動物防除剤に使用した場合には、薬剤処理区域で生じる死骸を生存虫が忌避する傾向があるうえ、化合物自体が木質資材加害節足動物に対し忌避性を有する場合があるために、該薬剤処理区域への木質資材加害節足動物の侵入を抑えることは可能であるものの、該薬剤処理区域から離れた巣本体に生息する全ての木質資材加害節足動物の駆除、即ち巣本体の壊滅には至らない場合が多い。
【0003】
一方、例えばキチン形成阻害剤等の遅効性の殺虫性化合物を用いた場合には、化合物自体の忌避性もなく、症状発現に時間がかかることから、薬剤処理区域から離れた巣を構成する多くの木質資材加害節足動物にも薬剤が行き渡り、巣本体を壊滅に至ることができると期待されている。
そしてかかる化合物を含有する種々の木質資材加害節足動物防除剤が提案されているものの、効力及び残効性の面では必ずしも充分とは言いがたい。
本発明の目的は、高い木質資材加害節足動物防除効力が遅効的に長期間発揮できる薬剤を提供することにある。
【0004】
【特許文献1】
特開昭52−89646号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平02−155号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような状況下で鋭意検討した結果、木質資材加害節足動物に対して遅効性の殺虫効果を含有する剤、とりわけキチン形成阻害剤であるベンゾフェニルウレア系化合物の中でも、特定の化合物を含有する剤が、木材、合板、エンジニアリングウッド、紙類等の木質資材を加害する節足動物、特にシロアリ及びヒラタキクイムシに対し、同系化合物を含有する市販剤に比べ効力及び残効性に優れることから、木質資材加害節足度物防除剤として極めて有用であることを見出し本発明に至った。
即ち本発明は、N−2,6−ジフルオロベンゾイル−N’−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレア(以下、本化合物と記す。)を有効成分として含有することを特徴とする木質資材加害節足動物防除剤(以下、本発明防除剤と記す。)及び本発明防除剤を用いる木質加害節足動物の防除方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本化合物は下記式
Figure 2004137188
で表され、特開平2−155号公報に記載の化合物である。
【0008】
本発明における木質資材加害節足動物は、木材;合板、パーティクルボード、ファイバーボード、ウエファーボード、集成材、ストランドボード、LVL、OSL,OSB、フレークボード等のエンジニアリングウッド;紙類等に加害する節足動物であり、具体的には次のものがあげられる。
【0009】
等翅目(Isoptera):Mastotermitidaeムカシシロアリ科,Termopsidaeオオシロアリ科[Zootermopsis属,Archotermopsis属,Hodotermopsis属,Porotermes属,Stolotermes属],Kalotermitidaeレイビシロアリ科[Kalotermes属,Neotermes属,Cryptotermes属,Incisitermes属,Glyptotermes属],Hodotermitidaeシュウカクシロアリ科[Hodotermes属,Microhodotermes属,Anacanthotermes属],Rhinotermitidaeミゾガシラシロアリ科[Reticulitermes属,Heterotermes属,Coptotermes属,Schedolinotermes属],Serritermitidaeノコギリシロアリ科,Termitidaeシロアリ科[Amitermes属,Drepanotermes属,Hopitalitermes属,Trinervitermes属,Macrotermes属,Odontotermes属,Microtermes属,Nasutitermes属,Pericapritermes属,Anoplotermes属]に属する害虫。
【0010】
鞘翅目(Coleoptera):Scolytidaeキクイムシ科[Xyleborus属,Scolytoplatypus属],Cerambycidaeカミキリムシ科[Monochamus属,Hylotrupes属,Hesperophanus属,Chlorophorus属,Palaeocallidium属,Semanotus属,Purpuricenus属,Stromatium属],Rynchophoridaeオサゾウムシ科[Sipalinus属],Platypodidaeナガキクイムシ科[Crossotarsus属,Platypus属],Lyctidaeヒラタキクイムシ科[Lyctus属],Bostrychidaeナガシンクイムシ科[Dinoderus属,Bostrychus属,Sinoderus属], Anobiidaeシバンムシ科[Ernobius属,Anobium属,Xyletinus属,Xestobium属,Ptilinus属,Nicobium属,Ptilineurus属],Buprestidaeタマムシ科に属する害虫。
【0011】
膜翅目(Hymenoptera):Siricidaeキバチ科[Urocerus属,Sirex属]に属する害虫。
【0012】
上記等翅目(Isoptera)に属する害虫に於いて、本邦における防除対象となるシロアリの具体例としては、ヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)、アメリカカンザイシロアリ(Incisitermes minor)、ダイコクシロアリ(Cryptotermes domesticus)、タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)、コウシュンシロアリ(Neotermes koshunensis)、サツマシロアリ(Glyptotermes satsumensis)、ナカジマシロアリ(Glyptotermes nakajimai)、カタンシロアリ(Glyptotermes fuscus)、コダマシロアリ(Glyptotermes kodamai)、クシモトシロアリ(Glyptotermes kushimensis)、オオシロアリ(Hodotermopsis japonica)、コウシュウイエシロアリ(Coptotermes guangzhoensis)、アマミシロアリ(Reticulitermes miyatakei)、キアシシロアリ(Reticulitermes flaviceps amamianus)、カンモンシロアリ(Reticulitermes sp.)、タカサゴシロアリ(Nasutitermes takasagoensis)、ニトベシロアリ(Pericapriterme nitobei)、ムシャシロアリ(Sinocapritermes mushae)等を挙げることができる。
【0013】
本発明防除剤は、本化合物そのものであってもよいが、通常は、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤(水中懸濁剤・水中乳濁剤等)、粉剤、泡末剤、ペースト製剤、粒剤、エアゾール剤、自己燃焼型加熱燻煙剤・化学反応型加熱燻煙剤等の加熱燻煙剤、炭酸ガス製剤、ベイト製剤、マイクロカプセル化剤、シート製剤等の本化合物を含有する製剤(以下、本製剤と記す。)として施用される。
【0014】
本製剤は、通常、本化合物を液体担体、固体担体等の担体と混合し、さらに必要により製剤用補助剤、その他を添加する一般的に知られた方法により調製される。本化合物の含有量は製剤形態によって異なるが、一般的に0.01〜80%であり、そのまま、あるいは適当な溶剤、水等で希釈して使用される。
以下に本製剤の具体例のいくつかを示す。
【0015】
本発明防除剤が油剤の場合には、本化合物、溶剤、必要により防腐剤等を混合することにより得ることができる。
【0016】
本発明防除剤が粉剤の場合には、適当な大きさに粉砕した本化合物、適当な粉状担体等と混合する。場合によっては安定化剤、界面活性剤、着色剤等を添加してもよい。
【0017】
粉状担体としては、結晶セルロース等のセルロース成分を含有する担体;酸化アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、酸化チタン、炭酸マグネシウム等の無機粉体;ポリウレタン、ポリアミド、ポリプロピレン等の合成樹脂粉体;ステアリン酸カルシウム等の塩が挙げられる。粉剤中のこれら担体の含量は、通常、20〜99.999重量%である。
【0018】
本発明防除剤が粒剤の場合には、例えば、本化合物を、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、ゼオライト等の担体、ベントナイト、ポリビニルアルコール、デキストリン、リグニンスルホン酸塩等の結合材と混練し、造粒することにより得ることができる。混練に際し、必要により、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルアミン塩等のイオン性界面活性剤、安定化剤、着色料、樹脂等を添加することもできる。例えば、あらかじめ微粉砕機で本化合物を微粉砕した後、担体、結合材等と共に混合して均一化後、水を加えて混練してペースト状にして、押し出し造粒機により造粒することにより、粒剤を押し出し粒剤として得ることができる。また、あらかじめ微粉砕機で本化合物を微粉砕した後、担体等と混合し粉末の混合物を作成し、これを臼に入れ、油圧プレス機のような圧縮造粒機、打錠機等で造粒することにより得ることもできる。その他、攪拌造粒機、流動層造粒機、パン造粒機等の造粒機を使用して粒剤とすることもできる。また、予め前記造粒方法により本化合物を含まない芯粒子を調製後、本化合物やその他の成分を含浸させる方法も適用可能である。
【0019】
本発明防除剤が水和剤の場合には、例えば本化合物をクレー、ケイソウ土等の担体およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルアミン塩等のイオン性界面活性剤とともに混合・粉砕することにより得ることができる。必要に応じて安定化剤、着色料等を添加することもできる。
【0020】
本発明防除剤がペースト剤の場合には、ゲル化剤を一種単独で、または二種以上を任意の割合で混合して水とを混合し、通常40〜90℃に加熱して液状とし、本化合物及び必要により誘引・喫食成分、補助成分等を添加し、冷却して固化させることにより製造され、冷却・固化の際に適当な型に入れることにより、任意の形状に調整できる。また、固化させた後に任意の形状にするため切断、粉砕等の処理を行ってもよい。ゲル化剤と水との混合割合は、重量比で一般に、0.001:99.999〜50:50である。
ゲル化剤としては、ジェランガム、カラギーナン、寒天、ゼラチン、ローカストビンガム、キサンタンガム等が挙げられる。
【0021】
本発明防除剤がエアゾール剤の場合には、例えば、本化合物をケロシン等の溶剤に溶解させて耐圧容器に注入し、エアゾールバルブを装着した後、噴射剤を封入する方法や、本化合物およびケロシンを耐圧容器に注入し、エアゾールバルブを装着した後、噴射剤を封入する方法を挙げることができる。
【0022】
本発明防除剤が水中懸濁剤・水中乳濁剤等のフロアブル剤の場合は、一般に1〜75重量%の本化合物を、0.5〜15重量%の懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)、0〜10重量%のその他の補助剤(例えば消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を含む水中で、微小に分散させることにより得ることができる。
水の代わりに本化合物が実質的に溶解しない油を用いることにより、油中懸濁剤とすることもできる。
【0023】
保護コロイドとしては、例えばゼラチン、カゼイン、ガム類、セルロースエーテル類、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、チクソトロピー性を付与しうる物質としては、例えばベンナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、キサンタンガム、ポリアクリル酸等が挙げられる。
【0024】
本発明防除剤がマイクロカプセル化剤の場合は、界面重合法、In−Situ法、相分離法、液中乾燥法、スプレードライング法、融解分散冷却法、パンコーティング法などにより作製することができる。
【0025】
例えば、界面重合法の場合、通常1〜50重量%の本化合物、0.001〜1重量%の油溶性モノマーを、必要であれば水に溶解しない有機溶媒に溶解させ、0.001〜1重量%の水溶性モノマーを溶解させた水中に分散させる。その際、必要であれば、0.001〜5%の界面活性剤や水溶性高分子を添加し、30℃〜80℃の温度で1〜48時間反応させることによりマイクロカプセル化剤を作製することができる。その後、さらに必要であれば、懸濁補助剤(例えば保護コロイドやチクソトロピー性を付与しうる物質)やその他の補助剤(例えば、消泡剤、防錆剤、安定剤、展着剤、浸透助剤、凍結防止剤、防腐剤、防黴剤等)を添加することもできる。界面重合法によるマイクロカプセル化剤の製造における膜物質としては、例えば油溶性モノマーとしての多塩基酸ハライド及び水溶性モノマーとしてのポリアミンを使用して形成されるポリアミド、油溶性モノマーとしての多塩基酸ハライド及び水溶性モノマーとしてのポリフェノールを使用して形成されるポリエステル、油溶性モノマーとしてのイソシアネート及び水溶性モノマーとしてのポリオールを使用して形成されるポリウレタン等が挙げられる。
【0026】
本発明防除剤がベイト製剤の場合、本化合物を適当な溶剤で希釈するか、あるいは本化合物を含有する適当な製剤(フロアブル剤、マイクロカプセル化剤、油剤、乳剤等)を水あるいは適当な溶剤で希釈したのち、基材に処理することにより得られる。この場合の本化合物の含有量は基材に対し通常0.001〜60%、好ましくは0.01〜20%の濃度である。
【0027】
基材として用いられるものとしては、セルロースを含有する紙、木材、ファイバー、木材小片、蒸煮処理した木材(カラマツ、アカマツ、クロマツ等のマツ科木材、ブナ、シナノキ等のブナ科木材)等、木質資材加害節足動物が食害するものであれば良い。
【0028】
紙としては例えば、セルロース紙、澱粉含有紙、CMC含有紙、無機繊維紙、吸水ポリマー含有紙等が挙げられる。セルロース紙とは、一般的な紙原料となる針葉樹や広葉樹、バガス、麻、楮等の植物繊維を原料とする通常のセルロース成分を含有する紙であり、セルロース成分を含有しさえすれば、任意の紙が使用できる。また、これらを混合してもよい。
【0029】
本発明防除剤は、さらに着色剤を含有することもでき、かかる着色剤としては例えば、酸化鉄、酸化チタン、プルシアルブルー等の無機顔料;アリザリン染料、アゾ染料、金属フタロシアニン染料等の有機染料やその塩(鉄塩、マンガン塩、ボロン塩、銅塩、コバルト塩、モリブデン塩、亜鉛塩等)等を挙げることができる。
【0030】
また、本発明防除剤は、以下に示す一種以上の他の殺虫性化合物を含有することができ、その効果の向上を図ることができる。
【0031】
かかる殺虫性化合物としては、例えばフェノブカルブ、キシリルカルブ、メトルカルブ、カルバリル、イソプロカルブ、プロポクスル、メトキサジアゾン等のカーバメート化合物、クロルピリホス、フェニトロチオン、マラチオン、フォキシム等の有機リン化合物、トラロメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、d−フェノトリン、シラフルオフェン、エトフェンプロックス、ハルフェンプロクス、ビフェントリン、アクリナトリン、トランスフルスリン、シフェノトリン、フェンバレレート、プラレトリン、イミプロトリン、フェンプロパスリン等のピレスロイド化合物、クロルフェナピル等のアリールピロール化合物やアリールピラゾール化合物、アセタミプリド、ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン等のニトログアニジン化合物やシアノグアニジン化合物、エバメクチン、アバメクチン、エマメクチン、ネマデクチン、スピノサッド等のマクロライド系化合物、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ルフェヌロン、フルフェノクスロン、ジアフェンチウロン、ノバルロン、ビストリフルベンズロン、フルアズロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ビストリフルロン、ノビフルムロン、シロマジン、ジシクラニル、ブプロフェジン、ピリダベン、ピリプロキシフェン、テブフェノザイド、メトキシフェノザイド、ハロフェノザイド、フェノキシカルブ、ジオフェノラン、メトプレン、ハイドロプレン、クロマフェノジド、エトキサゾール等の昆虫成長調節物質、フォスフォカルブ、スピロジクロフェン、インドキサカルブ、イミデート、ビフェナゼート、フロニカミド、フルアクリピリム、エチプロール、アセトプロール等のフェニルピラゾール系化合物、ボーベリア、メタリジウム、ベルチシリウム等の天敵微生物などおよびこれらの混合物が挙げられる。尚、フェニトロチオン、d−フェリトリン等の木質資材加害節足動物に対する忌避性を有する活性成分を用いる場合においては、予め殺虫性化合物をマイクロカプセル化して用いるのが好ましい。
【0032】
また、本化合物に加えて、ピペロニルブトキシド(PBO)、オクタクロロジプロピルエーテル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等の共力剤、ステロール誘導体、(3Z,6Z,8E)−ドデカトリエノール等の誘引物質を本発明防除剤中に共存させてもよい。
【0033】
さらに、本発明防除剤は、以下に示す一種以上の殺菌抗菌性化合物を含むことができ、この場合,上記木質資材加害節足動物の他、菌類、細菌、藻類による被害を防除することが可能となる。
【0034】
かかる殺菌抗菌性化合物としては、例えばトリハロスフェニル系化合物、例えば、ジクロフルアニド、トリフルアニド、フォルペット、フルオルフォルペット等;ヨード系化合物、例えば、IPBC、アミカル48、IF1000、サンプラス等;フェノール系化合物、例えば、PCP−ラウレート、ベルサイダー、トリブロモフェノール等;アゾール系化合物、例えば、フェナリモール、フルルプリミドール、フルオトリマゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、ジクロブタゾール、パクロブタゾール、ジニコナゾール、ウニコナゾール、トリフルミゾール、フルトリアホル、フルシラゾール、ペンコナゾール、プロクラズ、トリアリモル、フェナリモル、ビテタノール、イマザリル、エタコナゾール、パクロブトラゾール、フェナプロニル、ビニコナゾール、ジフェノコナゾール、ブロムコンゾール、ミクロブタニル、ヘキサコナゾール、フルコナゾール−シス、フェネサニル、テブコナゾール、プロピコナゾール、アザコナゾール、シプロコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール等;カーバメート系化合物、例えば、ジネブ、マネブ、ベノミル、チオファネート−メチル、シペンダゾール、カルベンダジン、プロチオカルブ、ジエトフェンカルブ等;抗生物質系化合物、例えば、バリダマイシンA、カスガマイシン、ミルベマイシン等;アニライド系化合物、例えば、メプロニル、フルトラニル、ペンジクロン、カルボキシン、オキシカルボキシン、ピラカルボリド、メベニル、フルカルバニル、シクラフラミド、ベノダニル、グラノバックス、メタラキシル、オフラセ、ベナラキシル、オキサデキシル、シプロフラム、クロジラコン、メトスルホバックス、テクロフタラム等;有機リン系化合物、例えば、エジフェンホス、IBP、ピラゾホス、アリエッティ、トリクロホスメチル等;ジカルボキシイミド系化合物、例えば、ジクロゾリン、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロジミドン、ミクロゾリン、フルオロイミド等;スズ化合物、例えば、トリブチルスズオクチレート、トリブチルスズオレエート、ビス−トリブチルスズオキサイド、トリブチルスズナフテネート、トリブチルスズホスフェート、トリブチルスズベンゾエート等、チオシアネート系化合物、例えば、メチレンビスチオシアネート、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール等、4級アンモニウム化合物、例えば、ベンジル−ジメチル−テトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジル−ジメチル−ドデシルアンモニウムクロライド等;ベンズイミダゾール系化合物、例えば、フベリダゾール、BCM、チアベンダゾール、ベノミル等;イソチアゾリノン系化合物、モルホリン系化合物、例えば、トリデモルフ、ピリジン系化合物等;N−シクロヘキシルジアジニウムジオキシ系化合物、ナフテン酸系化合物、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅等、キノリン系化合物、ボロン化合物類、例えば硼酸、硼砂、硼酸塩等、ウレア化合物類、フラン誘導体、例えば、フルメシクロックス等を挙げることができる。
【0035】
かかる殺菌抗菌性化合物を共存させることにより被害を防除が可能となる菌類、細菌、藻類としては、以下のものを挙げることができる。
【0036】
木材を変色させる菌類:Ascomycetes科[例えば、Caratocystis属],Deuteromycetes科[例えば、Aspergillus属,Aureobasidium属,Dactyleum属,Penicillium属,aclerophoma属,Scopularia属,Tricoderma属],Zygomycetes科[例えば、Mucor属]に属する菌類。
【0037】
木材を破壊する菌類:Ascomycetes科[例えばChetomium属,Chaetonium属,Humicola属,Petriella属,Trichurus属],Basidiomycetes科[Coniophera属,Coriolus属,Donbiopora属,Glenospora属,Gloeophyllum属,Lentinus属,Paxillus属,Pleurotus属,Poria属,Serpula属,Tyromyces属],Deuteromycetes科[Cladosporium属]に属する菌類。
【0038】
さらに、本発明防除剤は、必要に応じ、処理付加物、可塑剤、紫外線安定化剤、染料、着色顔料、乾燥剤、抗沈殿剤、肌荒れ防止剤等を適宜含んでいてもよい。
【0039】
本発明防除剤を使用するに際しては、液剤形態で用いる場合は、本化合物の濃度として、通常0.001〜60重量%、好ましくは0.01〜20重量%程度になるように水等で希釈し、住宅等の建造物、土壌等に生息する前記木質資材加害節足動物及び/またはその生息域に施用され、また、セルロース成分含有資材(例えば柱、壁、エクステリア、インテリア等に使用される木製品類等)等に施用される。施用に際しては、塗布、散布、浸漬、真空薬剤注入、接着剤混入等の公知方法が採用できる。粉剤の場合はそのまま、住宅等の建造物、蟻道や被害個所に生息する前記木質資材加害節足動物及び/またはその生息域に施用される。ベイト製剤として用いる場合はそのままで、あるいは該ベイト製剤を含んだ防除装置として、木質資材加害節足動物の生息域、特に、木質資材加害節足動物の被害部、蟻道に設置あるいは床下や家屋周辺等の土壌に接地させて配置処理することにより使用される。施用量は、対象となる木質資材加害節足動物の種類等によって異なるが、一般に、1か所当り、本化合物量に換算して0.001〜200g程度が施用され、一般家屋においては、例えば一軒当たり床下あるいは周辺に1〜20か所程度設置または配置して用いられる。
【0040】
【実施例】
次に実施例により、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
製剤例1
本化合物100g、ドデシルベンゼンスルホン酸系の界面活性剤(A) 20g、デシルベンゼンスルホン酸系の界面活性剤(B) 80gにソルベッソ150(芳香族炭化水素系溶剤、エクソン製)を加え、均一に混合し全体を1000mlとし、本化合物を10%(w/v)含有する乳剤を得る。
【0041】
製剤例2
本化合物5g、キシレン85gにソルポールSM200(東邦化学社製商品名、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤の混合物)10gを加え、均一に混合し、本化合物を5%(w/w)含有する乳剤を得る。
【0042】
製剤例3
本化合物100g、スミジュールL−75(商品名、住友バイエルウレタン社製、芳香族ポリイソシアネート) 4.8gおよびソルベッソ200(商品名、エクソン社製、芳香族系溶剤) 100gを均一に混合し、これをエチレングリコール 6gを含む10重量%アラビアガム水溶液 175g中に加え、T.K.オートホモミクサーを用いて常温で3500回転/分で分散攪拌し微小滴を得る。次いで、60℃で24時間緩やかに攪拌して農薬活性成分化合物がポリウレタン膜中に内包されたマイクロカプセルスラリーを得る。得られるスラリーに、ザンタンガム 2gとアルミニウムシリケート 4gとを含む水溶液 614.2gを加え、 本化合物を10重量%を含有するマイクロカプセル化剤を得る。
【0043】
製剤例4
本化合物20.95g、ソプロフォールFLK(ローディア社製商品名、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸エステルカリウム塩)4g、プロピレングリコール5g、アンチフォームC(ダウコーニング製商品名、シリコーン系消泡剤)0.1g、イオン交換水48.85gを均一に混合した。この混合物を、直径が1.0〜1.5mmのガラスビーズで粉砕し、粉砕スラリーを得た。次いで、粉砕スラリーにアンチフォームC0.1gと、ザンタンガム0.2gとアルミニウムマグネシウムシリケート0.5gとを含む水溶液20gを加え、均一に混合して本化合物を10重量%含有するフロアブル剤100gを得た。
【0044】
製剤例5
本化合物0.1g及びIPBC1gにハイゾールSAS(商品名、日本石油製、石油系溶剤)を加え、均一に混合し全体を100mlとし、本化合物を0.1%(w/v)含有する油剤を得る。
【0045】
製剤例6
本化合物10重量部と結晶セルロース粉末(商品名:アビセル、旭化成工業製)90重量部とを混合し、本化合物を10重量%含有する粉剤を得る。
【0046】
製剤例7
本化合物5重量部と木粉95重量部とを混合し、本化合物を5重量%含有する粉剤を得る。
【0047】
製剤例8
本化合物5重量部、結晶セルロース粉末50重量部およびタルク45重量部を混合し、本化合物を5重量%含有する粉剤を得る。
【0048】
製剤例9
本化合物10重量部、結晶セルロース粉末50重量部およびクレー40重量部を混合し、本化合物を10重量%含有する粉剤を得る。
【0049】
製剤例10
本化合物2mgを含有するアセトン溶液1mlを濾紙(直径3.3cmのセルロース紙)に含浸させ、乾燥して本化合物を2mg含有するベイト製剤を得る。
【0050】
製剤例11
本化合物10mgを含有するアセトン溶液1mlを濾紙(直径3.3cmのセルロース紙)に含浸させ、乾燥して本化合物を10mg含有するベイト製剤を得る。
【0051】
製剤例12
本化合物10mgを含有するアセトン溶液5mlをクラフト紙(15cm×15cmのセルロース紙)に含浸させ、乾燥して本化合物を10mg含有するシート製剤を得る。
【0052】
試験例1
製剤例10または製剤例11で得た本発明防除剤を、底面の直径35mmのプラスチックカップ内に設置した。該プラスチックカップ下方側面には、シロアリの出入口として5個の穴が予めあけられている。該プラスチックカップを、100頭のイエシロアリが放されているラージカップ内に入れた。ラージカップ内に水分を適宜供給しながら、3週、7週及び9週後の生存虫数/死虫数を確認し、生存率を求めた(試験例1−1、試験例1−2)。結果を表1に示す。
本化合物に代えてノバルロンを用いる以外は製剤例10または製剤例11と同様にしてベイト製剤を製造し、同様の試験を行い生存率を求めた(比較例1−1、比較例1−2)。また、対照として、薬剤を含有しないベイト製剤を用いた以外は前記と同様の試験を行い生存率を求めた(参考例1−0)。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
Figure 2004137188
【0054】
【発明の効果】
本発明防除剤は、木材、合板、エンジニアリングウッド、紙類等のセルロース成分を含む木質資材を加害する節足動物に対し、従来の遅効性の薬剤に比し低濃度での使用で極めて高い防除効果を長期間発揮し得ることから、昨今問題視されている環境安全性においても優れ、木材、合板、エンジニアリングウッド、紙類等のセルロース成分を含む各種資材及び住宅、文化建造物等に対して加害する節足動物の防除剤として好適である。

Claims (7)

  1. N−2,6−ジフルオロベンゾイル−N’−[2−フルオロ−4−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]ウレアを有効成分として含有することを特徴とする木質資材加害節足動物防除剤。
  2. 木質資材加害節足動物が、等翅目または鞘翅目に属する昆虫類である請求項1に記載の木質資材加害節足動物防除剤。
  3. 木質資材加害節足動物が、シロアリ類またはヒラタキクイムシ類である請求項1に記載の木質資材加害節足動物防除剤。
  4. 木質資材加害節足防除剤の製剤形態が粉剤、マイクロカプセル化剤またはベイト製剤である請求項1〜3のいずれかに記載の木質資材加害節足動物防除剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の木質資材加害節足動物防除剤を木質資材加害節足動物及び/又はその生息域に処理することを特徴とする木質資材加害節足動物の防除方法。
  6. 木質資材加害節足動物防除剤の処理が、セルロース成分含有資材への処理である請求項5に記載の方法。
  7. 木質資材加害節足動物防除剤の処理が、木質資材の被害部、蟻道あるいは土壌への噴霧、散布、注入または設置による処理である請求項5に記載の方法。
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