JP2004136820A - ハイブリッド自動車およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両のエネルギ効率を向上させると共に走行時の安定性を確保する。
【解決手段】CVTを介して前輪の車軸にエンジンと前輪用モータとが接続され、後輪の車軸に後輪用モータが接続されたハイブリッド自動車において、車両の走行状態が安定状態にあるときには、運転者のアクセル操作に基づいて設定された要求動力P*をエンジン要求動力Pe*とモータ要求動力Pm*とに分配すると共に(S130)、モータ要求動力Pm*が効率よく前後輪に出力されるよう各モータの要求パワーPm1*,Pm2*を設定し(S140)、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように分配してエンジン要求動力Pe*と各モータの要求パワーPm1*,Pm2*を設定して(S150,S160)、エンジンと両モータとCVTとを駆動制御する。
【選択図】 図2
【解決手段】CVTを介して前輪の車軸にエンジンと前輪用モータとが接続され、後輪の車軸に後輪用モータが接続されたハイブリッド自動車において、車両の走行状態が安定状態にあるときには、運転者のアクセル操作に基づいて設定された要求動力P*をエンジン要求動力Pe*とモータ要求動力Pm*とに分配すると共に(S130)、モータ要求動力Pm*が効率よく前後輪に出力されるよう各モータの要求パワーPm1*,Pm2*を設定し(S140)、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように分配してエンジン要求動力Pe*と各モータの要求パワーPm1*,Pm2*を設定して(S150,S160)、エンジンと両モータとCVTとを駆動制御する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関し、詳しくは、第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車や内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車およびこれらのハイブリッド自動車の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のハイブリッド自動車としては、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力を、前後輪の荷重分担比に基づく車両状態や車両加速度や前後輪の車輪速の偏差などに基づく車両の運転状態,路面の摩擦係数や路面勾配などの路面状態などに基づいて前後輪に分配して出力するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、こうした動力分配を行なうことにより適正な4輪駆動による走行を可能としている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−171378号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1記載のハイブリッド自動車は、より安定性の高い適正な4輪駆動による走行を目的とすることから、安定性の重視の傾向が強く、車両全体のエネルギ効率を軽視しているわけではないが、走行時の安定性ほど重視するものではない。走行時の安定性の確保と車両全体のエネルギ効率の向上は、ハイブリッド自動車だけでなく、如何なるタイプの自動車であっても同様に重視されるものである。
【0005】
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、車両全体のエネルギ効率を向上させることを目的の一つとする。また、本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、車両の走行時の安定性を確保することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1のハイブリッド自動車は、
第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する目標値設定手段と、
前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド自動車では、車両の走行状態と要求動力とに基づいて、要求動力がエネルギ効率が高い状態で第1の車軸および第2の車軸に出力されるように内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、要求動力が第1の車軸に出力すべき動力と第2の車軸に出力すべき動力との比が荷重分配比に一致するように目標内燃機関動力と第1目標電動機動力と第2目標電動機動力と目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうちの一方の手法を選択してこれらの目標値を設定し、この設定された目標値で運転あるいは駆動されるよう内燃機関と変速機と第1電動機と第2電動機とを制御する。したがって、車両の走行状態と要求動力とに応じた動力の出力を行なうことができる。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができると共に車両の走行時の安定性の確保も図ることができる。ここで、ハイブリッド自動車には、第1の車軸を前輪の車軸とすると共に第2の車軸を後輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものや第1の車軸を後輪の車軸とすると共に第2の車軸を前輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものなどが含まれる。また、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記目標値設定手段は、前記検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて車両の状態が安定状態であるか不安定状態であるかを判定する状態判定手段を備え、該状態判定手段により車両の状態が安定状態であると判定されたときには前記第1の目標値設定手法を選択し、該状態判定手段により車両の状態が不安定状態であると判定されたときには前記第2の目標値設定手法を選択して、前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両の状態が安定状態のときにエネルギ効率が高い状態となるよう要求動力を出力し、車両の状態が不安定状態のときに第1の車軸と第2の車軸に出力される動力の比が荷重分配比となるよう要求動力を出力することができるから、車両全体のエネルギ効率の向上と車両の走行時の安定性の確保を図ることができる。この態様の本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記走行状態検出手段は車速を検出する手段であり、前記状態判定手段は、前記検出された車速が所定車速以上で前記設定された要求動力が所定動力未満のときに車両の状態が安定状態であると判定し、前記検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上のときに車両の状態が不安定状態であると判定する手段であるものとすることもできる。
【0010】
本発明の第2のハイブリッド自動車は、
内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する目標値設定手段と、
前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分する目標動力配分手段と、前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0011】
この本発明の第2のハイブリッド自動車では、第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて第1電動機と第2電動機とにより出力すべき動力として設定された目標電動機動力を第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、この分配された動力が出力されるよう第1電動機と第2電動機とを制御する。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。もとより、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機および第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定し、こうした目標値で運転されるよう内燃機関と変速機とを制御するから、運転者の要求する動力を出力することができる。ここで、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0012】
こうした本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記目標動力分配手段は、エネルギ効率が高くなるよう前記目標電動機動力を分配する手段であるものとすることもできる。
【0013】
また、本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記第1の効率は前記第1電動機の駆動状態に対する該第1電動機の効率と前記変速機の変速状態に対する該変速機の動力の伝達効率とが反映されてなる効率であり、前記第2の効率は前記第2電動機の駆動状態に対する該第2電動機の効率が反映されてなる効率であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の効率だけでなく変速機の伝達効率をも考慮するから、より適正な第1の効率と第2の効率とを用いて目標電動機動力を分配することができる。この結果、車両全体のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記第2電動機は前記変速機が接続されている車軸とは異なる車軸に接続されてなるものとすることもできる。こうすれば、変速機が接続された車軸を前輪の車軸とすると共に第2電動機が接続された車軸を後輪の車軸としたり、逆に変速機が接続された車軸を後輪の車軸とすると共に第2電動機が接続された車軸を前輪の車軸とすることにより、4輪駆動のハイブリッド自動車とすることができる。
【0015】
この第2電動機が変速機が接続されている車軸とは異なる車軸に接続された態様の本発明の第2のハイブリッド自動車において、所定の車両状態のとき、前記目標値設定手段と前記目標動力分配手段とに代えて、前記設定された要求動力が前記変速機が接続された車軸に出力すべき動力と前記第2電動機が接続された車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記変速機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2電動機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する所定状態時設定手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、所定の車両状態のときには要求動力を変速機が接続された車軸と第2電動機が接続された車軸との荷重分配比で出力されるよう内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定して制御するから、所定の車両状態における走行時の安定性を向上させることができる。
【0016】
この所定状態時設定手段を備える態様の本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記所定の車両状態は車両が不安定な状態であるものとすることもできるし、車速を検出する車速検出手段と、該検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上であるときに前記車両が不安定な状態であると判定する不安定状態判定手段と、を備えるものとすることもできる。
【0017】
本発明の第1のハイブリッド自動車の制御方法は、
第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)車両の走行状態を検出し、
(c)該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ことを要旨とする。
【0018】
この本発明の第1のハイブリッド自動車の制御方法によれば、車両の走行状態と要求動力とに基づいて、要求動力がエネルギ効率が高い状態で第1の車軸および第2の車軸に出力されるように内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、要求動力が第1の車軸に出力すべき動力と第2の車軸に出力すべき動力との比が荷重分配比に一致するように目標内燃機関動力と第1目標電動機動力と第2目標電動機動力と目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうちの一方の手法を選択してこれらの目標値を設定し、この設定された目標値で運転あるいは駆動されるよう内燃機関と変速機と第1電動機と第2電動機とを制御するから、車両の走行状態と要求動力とに応じた動力の出力を行なうことができる。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができると共に車両の走行時の安定性の確保も図ることができる。ここで、ハイブリッド自動車には、第1の車軸を前輪の車軸とすると共に第2の車軸を後輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものや第1の車軸を後輪の車軸とすると共に第2の車軸を前輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものなどが含まれる。また、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0019】
本発明の第2のハイブリッド自動車の制御方法は、
内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定し、
(c)前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ことを要旨とする。
【0020】
この本発明の第2のハイブリッド自動車の制御方法によれば、第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて第1電動機と第2電動機とにより出力すべき動力として設定された目標電動機動力を第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、この分配された動力が出力されるよう第1電動機と第2電動機とを制御する。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。もとより、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機および第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定し、こうした目標値で運転されるよう内燃機関と変速機とを制御するから、運転者の要求する動力を出力することができる。ここで、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト24に接続されたプラネタリギヤ30と、プラネタリギヤ30に接続された発電可能な前輪用モータ40と、プラネタリギヤ30に接続されると共にディファレンシャルギヤ64などのギヤを介して前輪66a,66bに接続された無段変速機としてのCVT50と、デファレンシャルギヤ94などのギヤを介して後輪96a,96bに接続された後輪用モータ90と、装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
【0022】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22のクランクシャフト24には、図示しない補機に供給する電力を発電すると共にエンジン22を始動するスタータモータ26がベルト28により取り付けられている。エンジン22の運転制御、例えば燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などは、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)29により行なわれている。エンジンECU29は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0023】
プラネタリギヤ30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合する第1ピニオンギヤ33と、この第1ピニオンギヤ33とリングギヤ32と噛合する第2ピニオンギヤ34と、第1ピニオンギヤ33と第2ピニオンギヤ34とを自転かつ公転自在に保持するキャリア35とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35とを回転要素として差動作用を行なう。プラネタリギヤ30のサンギヤ31にはエンジン22のクランクシャフト24が、キャリア35には前輪用モータ40の回転軸41がそれぞれ連結されており、エンジン22の出力をサンギヤ31から入力すると共にキャリア35を介して前輪用モータ40と出力のやりとりを行なうことができる。キャリア35はクラッチC1により、リングギヤ32はクラッチC2によりCVT50のインプットシャフト51に接続できるようになっており、クラッチC1およびクラッチC2を接続状態とすることにより、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35の3つの回転要素による差動を禁止して一体の回転体、即ちエンジン22のクランクシャフト24と前輪用モータ40の回転軸41とCVT50のインプットシャフト51とを一体の回転体とする。なお、プラネタリギヤ30には、リングギヤ32をケース39に固定してその回転を禁止するブレーキB1も設けられている。
【0024】
前輪用モータ40は、例えば発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ43を介して二次電池44と電力のやりとりを行なう。また、後輪用モータ90も例えば発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ91を介して二次電池44と電力のやりとりを行なう。前輪用モータ40および後輪用モータ90は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)49により駆動制御されており、モータECU49には、前輪用モータ40や後輪用モータ90を駆動制御するために必要な信号や二次電池44を管理するのに必要な信号、例えば前輪用モータ40の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ45からの信号や後輪用モータ90の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ93からの信号,図示しない電流センサにより検出される前輪用モータ40や後輪用モータ90に印加される相電流,二次電池44の端子間に設置された電圧センサ46からの端子間電圧,二次電池44からの電力ラインに取り付けられた電流センサ47からの充放電電流,二次電池44に取り付けられた温度センサ48からの電池温度などが入力されており、モータECU49からはインバータ43やインバータ91へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU49では、二次電池44を管理するために電流センサ47により検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算している。なお、モータECU49は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によって前輪用モータ40を駆動制御すると共に必要に応じて前輪用モータ40の運転状態や二次電池44の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0025】
CVT50は、溝幅が変更可能でインプットシャフト51に接続されたプライマリープーリー53と、同じく溝幅が変更可能で駆動軸としてのアウトプットシャフト52に接続されたセカンダリープーリー54と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝に架けられベルト55と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更する第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57とを備え、第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57によりプライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更することによりインプットシャフト51の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト52に出力する。CVT50の変速比の制御は、CVT用電子制御ユニット(以下、CVTECUという)59により行なわれている。このCVTECU59には、インプットシャフト51に取り付けられた回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数やアウトプットシャフト52に取り付けられた回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数が入力されており、CVTECU59からは第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57への駆動信号が出力されている。また、CVTECU59は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってCVT50の変速比を制御すると共に必要に応じてCVT50の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0026】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Niや回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数No,シフトレバー80の操作位置を検出するシフトポジションセンサ81からのシフトポジションSP,アクセルペダル82の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル84の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ85からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ86からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、クラッチC1やクラッチC2への駆動信号やブレーキB1への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0027】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキB1をオフ,クラッチC1をオン,クラッチC2をオフの状態でエンジン22を運転せずに二次電池44からの電力を用いて前輪用モータ40や後輪用モータ90からの動力によって走行するモータ走行モードや、ブレーキB1をオフ,クラッチC1およびクラッチC2をオンの状態でエンジン22からの動力と二次電池44の充放電を伴って入出力される前輪用モータ40,後輪用モータ90からの動力によって走行する通常走行モードなどにより走行する。実施例では、モータ走行モードは主として発進時に用いられ、通常走行モードは発進してから所定車速(例えば、10km/hなど)に至った以降に用いられる。なお、実施例では、通常走行モードで二次電池44を充電する際には、エンジン22からの動力の一部を用いて前輪用モータ40を発電機として駆動させて行なう。
【0028】
次に、通常走行モードで走行している実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、通常走行モードで走行している最中にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
【0029】
この駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Accや車速センサ86からの車速V,回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Ni,回転数センサ62からのアウトプットシャフト52からの回転数Noなど制御に必要な情報を読み込み(ステップS100)、読み込んだアクセル開度Accと車速Vとに基づいて運転者が要求する要求動力P*を設定する(ステップS110)。ここで、要求動力P*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクとの関係を予め設定して要求トルク設定マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられるとROM74に記憶された要求トルク設定マップから対応する要求トルクを導出し、これに車速Vと換算係数kpを乗じて求めるものとした。要求トルク設定マップの一例を図3に示す。
【0030】
要求動力P*を設定すると、車両の走行状態が安定状態であるか否かを判定する(ステップS120)。車両の走行状態は、図示しない車両状態判定処理により、例えば、前輪66a,66bや後輪96a,96bのいずれかにスリップが検出されたときやハンドルが所定角度以上操作されたとき,急加速をしているときなどを不安定な状態として判定するものとすることができる。実施例では、こうした判定結果を車両状態フラグとして記憶しておき、この車両状態フラグの値に基づいて車両の走行状態が安定状態であるか否かを判定するものとした。
【0031】
車両の走行状態が安定状態にあると判定されたときには、要求動力P*や回転数Niなどに基づいてエンジン22から出力すべきエンジン要求動力Pe*を設定すると共に設定したエンジン要求動力Pe*と要求動力P*とに基づいて前輪用モータ40及び後輪用モータ90から出力すべきモータ要求動力Pm*を設定する(ステップS130)。ここで、エンジン要求動力Pe*は、例えば、予め設定された要求動力P*と回転数Niとエンジン要求動力Pe*との関係から求めるものとしたり、この関係に二次電池44の残容量(SOC)に基づいてなされる充放電要求を考慮して求めるものとすることができる。また、モータ要求動力Pm*は、要求動力P*とエンジン要求動力Pe*との偏差やこれに二次電池44の充放電要求を考慮したものとして求めることができる。説明の容易のため、図2のステップS130の式や以下の説明では二次電池44の充放電を考慮しない場合について述べる。
【0032】
こうしてモータ要求動力Pm*が設定されると、このモータ要求動力Pm*を前輪用モータ40と後輪用モータ90とによって出力する際に最も効率がよくなるよう前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*を設定する(ステップS140)。ここで、効率計算を行なう際に前輪用モータ40から出力する動力については、前輪用モータ40の効率だけでなく前輪用モータ40から出力された動力がCVT50やディファレンシャルギヤ64を経て前輪66a,66bに出力されるまでの伝達効率も考慮され、後輪用モータ90から出力される動力については、後輪用モータ90の効率と後輪用モータ90から出力された動力が後輪96a,96bに出力されるまでの伝達効率も考慮される。
【0033】
前輪用モータ40から出力される動力に対する効率η1は、回転数NiとCVT50の変速比γとインプットシャフト51に出力されるトルクTiとによって求めることができる。実施例の前輪用モータ40およびCVT50では、図4に例示するように、変速比γとトルクTiとが一定であれば回転数Niが小さいときや大きいときに効率が低い傾向があり、図5に例示するように、トルクTiと回転数Niとが一定であれば変速比γが小さいときや大きいときに効率が低い傾向がある。また、図6に例示するように、変速比γが一定のときには、回転数NiとトルクTiとが共に大きいほど効率が高い傾向がある。いま、回転数Noは車速Vによって定まり、回転数Niはエンジン22を効率よく運転する運転ポイントによって定まるから、CVT50の変速比γは与えられる。このため、前輪用モータ40から出力される動力に対する効率η1は、回転数Niと変速比γとを定数とするトルクTiの関数となる。ここで、トルクTiは、インプットシャフト51に出力すべき前輪用モータ40のトルクとエンジン22から出力されるトルクとの和である。このときのエンジン22のトルクはエンジン22を回転数Niで効率よく運転するものとして回転数Niの関数として考えることができる。前輪用モータ40のトルク(トルクTiから回転数Niの関数としてのエンジン22のトルクを減じたもの)に回転数Niを乗じたものは前輪用モータ40から出力すべき要求パワーPm1*であるから、以上の結果、効率η1は要求パワーPm1*の関数となる。一方、後輪用モータ90から出力される動力に対する効率η2は、主として後輪用モータ90の効率によって定まり、後輪用モータ90の効率は車速Vから換算される後輪用モータ90の回転数と後輪用モータ90から出力するトルクTm2によって求めることができる。このため、効率η2は、車速Vを定数とするトルクTm2の関数となる。ここで、トルクTm2は車速Vと換算係数kvを乗じることにより後輪用モータ90から出力すべき要求パワーPm2*となるから、効率η2は要求パワーPm2*の関数となる。したがって、ステップS140の要求パワーPm1*,Pm2*を設定する処理は、次式(1)を満たすと共に要求パワーPm1*と要求パワーPm2*との和が最小となるように行なえばよい。この処理は、具体的には、例えば、回転数Niと変速比γと要求パワーPm1*と効率η1との関係および車速Vと要求パワーPm2*と効率η2との関係を予め求めてROM74に第1効率設定マップおよび第2効率設定マップとして記憶しておき、与えられる回転数Niと変速比γとモータ要求動力Pm*に対して要求パワーPm1*を順次変えて第1効率設定マップから対応する効率η1を導出すると共にモータ要求動力Pm*から要求パワーPm1*に効率η1を乗じたものを減じた値が要求パワーPm2*と効率η2の積になるよう第2効率設定マップを用いて要求パワーPm2*と効率η2とを設定し、用いた要求パワーPm1*と設定した要求パワーPm2*との和が最小となる組み合わせを各モータの要求パワーPm1*と要求パワーPm2*として設定することにより行なうことができる。なお、第1効率設定マップや第2効率設定マップは、前輪用モータ40やCVT50,後輪用モータ90の特性などに基づいて実験などにより求めることができる。
【0034】
【数1】
Pm*=η1・Pm1*+η2・Pm2* (1)
【0035】
こうしてエンジン要求動力Pe*や前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*が設定されると、エンジン要求動力Pe*を出力するのに最も効率のよいエンジン22の運転ポイント(回転数とトルク)をエンジン22の目標トルクTe*とインプットシャフト51の目標回転数Ni*として設定すると共に(ステップS170)、要求パワーPm1*を目標回転数Ni*で割って前輪用モータ40のトルク指令Tm1*を、要求パワーPm2*を車速Vと換算係数kvとの積で割って後輪用モータ90のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS180)、設定した目標トルクTe*や目標回転数Ni*,トルク指令Tm1*,Tm2*でエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90が運転されるように目標トルクTe*と回転数NiとをエンジンECU29に、目標回転数Ni*をCVTECU59に、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU49に出力して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。なお、目標回転数Ni*を受信したCVTECU59は、インプットシャフト51の回転数Niが受信した目標回転数Ni*となるように第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57を駆動制御し、目標トルクTe*と目標回転数Ni*とを受信したエンジンECU29はエンジン22が目標トルクTe*と目標回転数Ni*とによる運転ポイントで運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU49は前輪用モータ40からトルク指令Tm1*のトルクが出力されると共に後輪用モータ90からトルク指令Tm2*のトルクが出力されるよう前輪用モータ40および後輪用モータ90を駆動制御する。このように、モータ要求動力Pm*が効率よく前輪66a,66bと後輪96a,96bとに出力されるよう前輪用モータ40と後輪用モータ90とから出力する要求パワーPm1*と要求パワーPm2*とを設定してエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90を制御するから、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0036】
一方、ステップS120で車両の走行状態が安定状態にないと判定されたときには、要求動力P*に予め定められた前後輪の荷重分配比(前輪荷重:後輪荷重=kf:kr、但しkf+kr=1)を乗じて前輪要求動力Pf*と後輪用モータ90の要求パワーPm2*とを計算し(ステップS150)、計算した前輪要求動力Pf*をエンジン22から出力すべきエンジン要求動力Pe*と前輪用モータ40から出力すべき要求パワーPm1*とに分配する(ステップS160)。エンジン要求動力Pe*の設定は、前輪要求動力Pf*を要求動力P*とみなしてステップS130の処理と同様に行なうことができる。
【0037】
こうしてエンジン要求動力Pe*や前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*が設定されると、これらの値を用いて目標トルクTe*や目標回転数Ni*として設定すると共に(ステップS170)、トルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS180)、設定した目標トルクTe*や目標回転数Ni*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU29やCVTECU59,モータECU49に出力して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。これらの処理については上述した。このように、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように動力分配してエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90を制御するから、トルクをより確実に路面に伝達することができる。
【0038】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、車両の走行状態が安定状態であるときには、モータ要求動力Pm*が効率よく前輪66a,66bと後輪96a,96bとに出力されるよう前輪用モータ40と後輪用モータ90とから出力すべき要求パワーPm1*と要求パワーPm2*とを設定するから、燃費の向上、即ち車両全体のエネルギ効率の向上を図ることができる。また、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように動力分配して出力するから、車両の走行の安定性の向上を図ることができる。もとより、エンジン22は効率のよい運転ポイントで運転されるから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0039】
なお、実施例のハイブリッド自動車20では、図2に例示する駆動制御ルーチンで二次電池44の充放電がない場合について説明したが、二次電池44の充放電がある場合には、充放電に用いる動力の分だけエンジン要求動力Pe*を増減して計算すればよい。
【0040】
また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22や前輪用モータ40は、プラネタリギヤ30を介してCVT50のインプットシャフト51に接続されているものとしたが、エンジン22や前輪用モータ40はプラネタリギヤ30を介さずにCVT50のインプットシャフト51に接続されているものとしてもよい。
【0041】
実施例のハイブリッド自動車20では、無段変速機としてベルト式のCVT50を用いたが、トロイダル式の無段変速機としてもよい。また、変速機は、無段変速機に限られるものではなく、有段変速機であっても構わない。
【0042】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22と前輪用モータ40とをCVT50を介して前輪66a,66bの車軸に接続すると共に後輪用モータ90を後輪96a,96bの車軸に接続した構成としたが、エンジンとモータとをCVTを介して後輪の車軸に接続すると共にモータ90を前輪の車軸に接続するものとしてもよい。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】要求トルク設定マップの一例を示す説明図である。
【図4】変速比γとトルクTiとが一定であるときの回転数Niと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【図5】トルクTiと回転数Niとが一定であるときの変速比γと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【図6】変速比γが一定であるときの回転数NiとトルクTiと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 クランクシャフト、26スタータモータ、28 ベルト、29 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33第1ピニオンギヤ、34 第2ピニオンギヤ、35 キャリア、39 ケース、40 前輪用モータ、41 回転軸、43 インバータ、44 二次電池、45 回転位置検出センサ、46 電圧センサ、47 電流センサ、48 温度センサ、49 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、50 CVT、51インプットシャフト、52 アウトプットシャフト、53 プライマリープーリー、54 セカンダリープーリー、55 ベルト、56 第1アクチュエータ、57 第2アクチュエータ、59 CVT用電子制御ユニット(CVTECU)、61 回転数センサ、62 回転数センサ、64 ディファレンシャルギヤ、66a,66b 前輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 シフトレバー、81 シフトポジションセンサ、82 アクセルペダル、83 アクセルペダルポジションセンサ、84 ブレーキペダル、85 ブレーキペダルポジションセンサ、86 車速センサ、90 後輪用モータ、91 インバータ、93 回転位置検出センサ、94デファレンシャルギヤ、96a,96b 後輪、B1 ブレーキ、C1,C2クラッチ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハイブリッド自動車およびその制御方法に関し、詳しくは、第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車や内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車およびこれらのハイブリッド自動車の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のハイブリッド自動車としては、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力を、前後輪の荷重分担比に基づく車両状態や車両加速度や前後輪の車輪速の偏差などに基づく車両の運転状態,路面の摩擦係数や路面勾配などの路面状態などに基づいて前後輪に分配して出力するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、こうした動力分配を行なうことにより適正な4輪駆動による走行を可能としている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−171378号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1記載のハイブリッド自動車は、より安定性の高い適正な4輪駆動による走行を目的とすることから、安定性の重視の傾向が強く、車両全体のエネルギ効率を軽視しているわけではないが、走行時の安定性ほど重視するものではない。走行時の安定性の確保と車両全体のエネルギ効率の向上は、ハイブリッド自動車だけでなく、如何なるタイプの自動車であっても同様に重視されるものである。
【0005】
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、車両全体のエネルギ効率を向上させることを目的の一つとする。また、本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、車両の走行時の安定性を確保することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明のハイブリッド自動車およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1のハイブリッド自動車は、
第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する目標値設定手段と、
前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド自動車では、車両の走行状態と要求動力とに基づいて、要求動力がエネルギ効率が高い状態で第1の車軸および第2の車軸に出力されるように内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、要求動力が第1の車軸に出力すべき動力と第2の車軸に出力すべき動力との比が荷重分配比に一致するように目標内燃機関動力と第1目標電動機動力と第2目標電動機動力と目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうちの一方の手法を選択してこれらの目標値を設定し、この設定された目標値で運転あるいは駆動されるよう内燃機関と変速機と第1電動機と第2電動機とを制御する。したがって、車両の走行状態と要求動力とに応じた動力の出力を行なうことができる。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができると共に車両の走行時の安定性の確保も図ることができる。ここで、ハイブリッド自動車には、第1の車軸を前輪の車軸とすると共に第2の車軸を後輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものや第1の車軸を後輪の車軸とすると共に第2の車軸を前輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものなどが含まれる。また、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0009】
こうした本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記目標値設定手段は、前記検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて車両の状態が安定状態であるか不安定状態であるかを判定する状態判定手段を備え、該状態判定手段により車両の状態が安定状態であると判定されたときには前記第1の目標値設定手法を選択し、該状態判定手段により車両の状態が不安定状態であると判定されたときには前記第2の目標値設定手法を選択して、前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両の状態が安定状態のときにエネルギ効率が高い状態となるよう要求動力を出力し、車両の状態が不安定状態のときに第1の車軸と第2の車軸に出力される動力の比が荷重分配比となるよう要求動力を出力することができるから、車両全体のエネルギ効率の向上と車両の走行時の安定性の確保を図ることができる。この態様の本発明の第1のハイブリッド自動車において、前記走行状態検出手段は車速を検出する手段であり、前記状態判定手段は、前記検出された車速が所定車速以上で前記設定された要求動力が所定動力未満のときに車両の状態が安定状態であると判定し、前記検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上のときに車両の状態が不安定状態であると判定する手段であるものとすることもできる。
【0010】
本発明の第2のハイブリッド自動車は、
内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する目標値設定手段と、
前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分する目標動力配分手段と、前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0011】
この本発明の第2のハイブリッド自動車では、第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて第1電動機と第2電動機とにより出力すべき動力として設定された目標電動機動力を第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、この分配された動力が出力されるよう第1電動機と第2電動機とを制御する。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。もとより、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機および第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定し、こうした目標値で運転されるよう内燃機関と変速機とを制御するから、運転者の要求する動力を出力することができる。ここで、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0012】
こうした本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記目標動力分配手段は、エネルギ効率が高くなるよう前記目標電動機動力を分配する手段であるものとすることもできる。
【0013】
また、本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記第1の効率は前記第1電動機の駆動状態に対する該第1電動機の効率と前記変速機の変速状態に対する該変速機の動力の伝達効率とが反映されてなる効率であり、前記第2の効率は前記第2電動機の駆動状態に対する該第2電動機の効率が反映されてなる効率であるものとすることもできる。こうすれば、電動機の効率だけでなく変速機の伝達効率をも考慮するから、より適正な第1の効率と第2の効率とを用いて目標電動機動力を分配することができる。この結果、車両全体のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0014】
さらに、本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記第2電動機は前記変速機が接続されている車軸とは異なる車軸に接続されてなるものとすることもできる。こうすれば、変速機が接続された車軸を前輪の車軸とすると共に第2電動機が接続された車軸を後輪の車軸としたり、逆に変速機が接続された車軸を後輪の車軸とすると共に第2電動機が接続された車軸を前輪の車軸とすることにより、4輪駆動のハイブリッド自動車とすることができる。
【0015】
この第2電動機が変速機が接続されている車軸とは異なる車軸に接続された態様の本発明の第2のハイブリッド自動車において、所定の車両状態のとき、前記目標値設定手段と前記目標動力分配手段とに代えて、前記設定された要求動力が前記変速機が接続された車軸に出力すべき動力と前記第2電動機が接続された車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記変速機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2電動機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する所定状態時設定手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、所定の車両状態のときには要求動力を変速機が接続された車軸と第2電動機が接続された車軸との荷重分配比で出力されるよう内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定して制御するから、所定の車両状態における走行時の安定性を向上させることができる。
【0016】
この所定状態時設定手段を備える態様の本発明の第2のハイブリッド自動車において、前記所定の車両状態は車両が不安定な状態であるものとすることもできるし、車速を検出する車速検出手段と、該検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上であるときに前記車両が不安定な状態であると判定する不安定状態判定手段と、を備えるものとすることもできる。
【0017】
本発明の第1のハイブリッド自動車の制御方法は、
第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)車両の走行状態を検出し、
(c)該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ことを要旨とする。
【0018】
この本発明の第1のハイブリッド自動車の制御方法によれば、車両の走行状態と要求動力とに基づいて、要求動力がエネルギ効率が高い状態で第1の車軸および第2の車軸に出力されるように内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、要求動力が第1の車軸に出力すべき動力と第2の車軸に出力すべき動力との比が荷重分配比に一致するように目標内燃機関動力と第1目標電動機動力と第2目標電動機動力と目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうちの一方の手法を選択してこれらの目標値を設定し、この設定された目標値で運転あるいは駆動されるよう内燃機関と変速機と第1電動機と第2電動機とを制御するから、車両の走行状態と要求動力とに応じた動力の出力を行なうことができる。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができると共に車両の走行時の安定性の確保も図ることができる。ここで、ハイブリッド自動車には、第1の車軸を前輪の車軸とすると共に第2の車軸を後輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものや第1の車軸を後輪の車軸とすると共に第2の車軸を前輪の車軸とする4輪駆動の自動車として構成するものなどが含まれる。また、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0019】
本発明の第2のハイブリッド自動車の制御方法は、
内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定し、
(c)前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ことを要旨とする。
【0020】
この本発明の第2のハイブリッド自動車の制御方法によれば、第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて第1電動機と第2電動機とにより出力すべき動力として設定された目標電動機動力を第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、この分配された動力が出力されるよう第1電動機と第2電動機とを制御する。この結果、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。もとより、運転者のアクセル操作に基づいて設定される要求動力に基づいて内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と第1電動機および第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共にこの設定された目標内燃機関動力に基づいて変速機の目標変速比を設定し、こうした目標値で運転されるよう内燃機関と変速機とを制御するから、運転者の要求する動力を出力することができる。ここで、変速機は無段変速機であるものとすることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト24に接続されたプラネタリギヤ30と、プラネタリギヤ30に接続された発電可能な前輪用モータ40と、プラネタリギヤ30に接続されると共にディファレンシャルギヤ64などのギヤを介して前輪66a,66bに接続された無段変速機としてのCVT50と、デファレンシャルギヤ94などのギヤを介して後輪96a,96bに接続された後輪用モータ90と、装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
【0022】
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22のクランクシャフト24には、図示しない補機に供給する電力を発電すると共にエンジン22を始動するスタータモータ26がベルト28により取り付けられている。エンジン22の運転制御、例えば燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などは、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)29により行なわれている。エンジンECU29は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0023】
プラネタリギヤ30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合する第1ピニオンギヤ33と、この第1ピニオンギヤ33とリングギヤ32と噛合する第2ピニオンギヤ34と、第1ピニオンギヤ33と第2ピニオンギヤ34とを自転かつ公転自在に保持するキャリア35とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35とを回転要素として差動作用を行なう。プラネタリギヤ30のサンギヤ31にはエンジン22のクランクシャフト24が、キャリア35には前輪用モータ40の回転軸41がそれぞれ連結されており、エンジン22の出力をサンギヤ31から入力すると共にキャリア35を介して前輪用モータ40と出力のやりとりを行なうことができる。キャリア35はクラッチC1により、リングギヤ32はクラッチC2によりCVT50のインプットシャフト51に接続できるようになっており、クラッチC1およびクラッチC2を接続状態とすることにより、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア35の3つの回転要素による差動を禁止して一体の回転体、即ちエンジン22のクランクシャフト24と前輪用モータ40の回転軸41とCVT50のインプットシャフト51とを一体の回転体とする。なお、プラネタリギヤ30には、リングギヤ32をケース39に固定してその回転を禁止するブレーキB1も設けられている。
【0024】
前輪用モータ40は、例えば発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ43を介して二次電池44と電力のやりとりを行なう。また、後輪用モータ90も例えば発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ91を介して二次電池44と電力のやりとりを行なう。前輪用モータ40および後輪用モータ90は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)49により駆動制御されており、モータECU49には、前輪用モータ40や後輪用モータ90を駆動制御するために必要な信号や二次電池44を管理するのに必要な信号、例えば前輪用モータ40の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ45からの信号や後輪用モータ90の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ93からの信号,図示しない電流センサにより検出される前輪用モータ40や後輪用モータ90に印加される相電流,二次電池44の端子間に設置された電圧センサ46からの端子間電圧,二次電池44からの電力ラインに取り付けられた電流センサ47からの充放電電流,二次電池44に取り付けられた温度センサ48からの電池温度などが入力されており、モータECU49からはインバータ43やインバータ91へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU49では、二次電池44を管理するために電流センサ47により検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算している。なお、モータECU49は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によって前輪用モータ40を駆動制御すると共に必要に応じて前輪用モータ40の運転状態や二次電池44の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0025】
CVT50は、溝幅が変更可能でインプットシャフト51に接続されたプライマリープーリー53と、同じく溝幅が変更可能で駆動軸としてのアウトプットシャフト52に接続されたセカンダリープーリー54と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝に架けられベルト55と、プライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更する第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57とを備え、第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57によりプライマリープーリー53およびセカンダリープーリー54の溝幅を変更することによりインプットシャフト51の動力を無段階に変速してアウトプットシャフト52に出力する。CVT50の変速比の制御は、CVT用電子制御ユニット(以下、CVTECUという)59により行なわれている。このCVTECU59には、インプットシャフト51に取り付けられた回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数やアウトプットシャフト52に取り付けられた回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数が入力されており、CVTECU59からは第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57への駆動信号が出力されている。また、CVTECU59は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってCVT50の変速比を制御すると共に必要に応じてCVT50の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0026】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Niや回転数センサ62からのアウトプットシャフト52の回転数No,シフトレバー80の操作位置を検出するシフトポジションセンサ81からのシフトポジションSP,アクセルペダル82の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル84の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ85からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ86からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、クラッチC1やクラッチC2への駆動信号やブレーキB1への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU29やモータECU49,CVTECU59と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0027】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、ブレーキB1をオフ,クラッチC1をオン,クラッチC2をオフの状態でエンジン22を運転せずに二次電池44からの電力を用いて前輪用モータ40や後輪用モータ90からの動力によって走行するモータ走行モードや、ブレーキB1をオフ,クラッチC1およびクラッチC2をオンの状態でエンジン22からの動力と二次電池44の充放電を伴って入出力される前輪用モータ40,後輪用モータ90からの動力によって走行する通常走行モードなどにより走行する。実施例では、モータ走行モードは主として発進時に用いられ、通常走行モードは発進してから所定車速(例えば、10km/hなど)に至った以降に用いられる。なお、実施例では、通常走行モードで二次電池44を充電する際には、エンジン22からの動力の一部を用いて前輪用モータ40を発電機として駆動させて行なう。
【0028】
次に、通常走行モードで走行している実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2は、通常走行モードで走行している最中にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。
【0029】
この駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ83からのアクセル開度Accや車速センサ86からの車速V,回転数センサ61からのインプットシャフト51の回転数Ni,回転数センサ62からのアウトプットシャフト52からの回転数Noなど制御に必要な情報を読み込み(ステップS100)、読み込んだアクセル開度Accと車速Vとに基づいて運転者が要求する要求動力P*を設定する(ステップS110)。ここで、要求動力P*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクとの関係を予め設定して要求トルク設定マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられるとROM74に記憶された要求トルク設定マップから対応する要求トルクを導出し、これに車速Vと換算係数kpを乗じて求めるものとした。要求トルク設定マップの一例を図3に示す。
【0030】
要求動力P*を設定すると、車両の走行状態が安定状態であるか否かを判定する(ステップS120)。車両の走行状態は、図示しない車両状態判定処理により、例えば、前輪66a,66bや後輪96a,96bのいずれかにスリップが検出されたときやハンドルが所定角度以上操作されたとき,急加速をしているときなどを不安定な状態として判定するものとすることができる。実施例では、こうした判定結果を車両状態フラグとして記憶しておき、この車両状態フラグの値に基づいて車両の走行状態が安定状態であるか否かを判定するものとした。
【0031】
車両の走行状態が安定状態にあると判定されたときには、要求動力P*や回転数Niなどに基づいてエンジン22から出力すべきエンジン要求動力Pe*を設定すると共に設定したエンジン要求動力Pe*と要求動力P*とに基づいて前輪用モータ40及び後輪用モータ90から出力すべきモータ要求動力Pm*を設定する(ステップS130)。ここで、エンジン要求動力Pe*は、例えば、予め設定された要求動力P*と回転数Niとエンジン要求動力Pe*との関係から求めるものとしたり、この関係に二次電池44の残容量(SOC)に基づいてなされる充放電要求を考慮して求めるものとすることができる。また、モータ要求動力Pm*は、要求動力P*とエンジン要求動力Pe*との偏差やこれに二次電池44の充放電要求を考慮したものとして求めることができる。説明の容易のため、図2のステップS130の式や以下の説明では二次電池44の充放電を考慮しない場合について述べる。
【0032】
こうしてモータ要求動力Pm*が設定されると、このモータ要求動力Pm*を前輪用モータ40と後輪用モータ90とによって出力する際に最も効率がよくなるよう前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*を設定する(ステップS140)。ここで、効率計算を行なう際に前輪用モータ40から出力する動力については、前輪用モータ40の効率だけでなく前輪用モータ40から出力された動力がCVT50やディファレンシャルギヤ64を経て前輪66a,66bに出力されるまでの伝達効率も考慮され、後輪用モータ90から出力される動力については、後輪用モータ90の効率と後輪用モータ90から出力された動力が後輪96a,96bに出力されるまでの伝達効率も考慮される。
【0033】
前輪用モータ40から出力される動力に対する効率η1は、回転数NiとCVT50の変速比γとインプットシャフト51に出力されるトルクTiとによって求めることができる。実施例の前輪用モータ40およびCVT50では、図4に例示するように、変速比γとトルクTiとが一定であれば回転数Niが小さいときや大きいときに効率が低い傾向があり、図5に例示するように、トルクTiと回転数Niとが一定であれば変速比γが小さいときや大きいときに効率が低い傾向がある。また、図6に例示するように、変速比γが一定のときには、回転数NiとトルクTiとが共に大きいほど効率が高い傾向がある。いま、回転数Noは車速Vによって定まり、回転数Niはエンジン22を効率よく運転する運転ポイントによって定まるから、CVT50の変速比γは与えられる。このため、前輪用モータ40から出力される動力に対する効率η1は、回転数Niと変速比γとを定数とするトルクTiの関数となる。ここで、トルクTiは、インプットシャフト51に出力すべき前輪用モータ40のトルクとエンジン22から出力されるトルクとの和である。このときのエンジン22のトルクはエンジン22を回転数Niで効率よく運転するものとして回転数Niの関数として考えることができる。前輪用モータ40のトルク(トルクTiから回転数Niの関数としてのエンジン22のトルクを減じたもの)に回転数Niを乗じたものは前輪用モータ40から出力すべき要求パワーPm1*であるから、以上の結果、効率η1は要求パワーPm1*の関数となる。一方、後輪用モータ90から出力される動力に対する効率η2は、主として後輪用モータ90の効率によって定まり、後輪用モータ90の効率は車速Vから換算される後輪用モータ90の回転数と後輪用モータ90から出力するトルクTm2によって求めることができる。このため、効率η2は、車速Vを定数とするトルクTm2の関数となる。ここで、トルクTm2は車速Vと換算係数kvを乗じることにより後輪用モータ90から出力すべき要求パワーPm2*となるから、効率η2は要求パワーPm2*の関数となる。したがって、ステップS140の要求パワーPm1*,Pm2*を設定する処理は、次式(1)を満たすと共に要求パワーPm1*と要求パワーPm2*との和が最小となるように行なえばよい。この処理は、具体的には、例えば、回転数Niと変速比γと要求パワーPm1*と効率η1との関係および車速Vと要求パワーPm2*と効率η2との関係を予め求めてROM74に第1効率設定マップおよび第2効率設定マップとして記憶しておき、与えられる回転数Niと変速比γとモータ要求動力Pm*に対して要求パワーPm1*を順次変えて第1効率設定マップから対応する効率η1を導出すると共にモータ要求動力Pm*から要求パワーPm1*に効率η1を乗じたものを減じた値が要求パワーPm2*と効率η2の積になるよう第2効率設定マップを用いて要求パワーPm2*と効率η2とを設定し、用いた要求パワーPm1*と設定した要求パワーPm2*との和が最小となる組み合わせを各モータの要求パワーPm1*と要求パワーPm2*として設定することにより行なうことができる。なお、第1効率設定マップや第2効率設定マップは、前輪用モータ40やCVT50,後輪用モータ90の特性などに基づいて実験などにより求めることができる。
【0034】
【数1】
Pm*=η1・Pm1*+η2・Pm2* (1)
【0035】
こうしてエンジン要求動力Pe*や前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*が設定されると、エンジン要求動力Pe*を出力するのに最も効率のよいエンジン22の運転ポイント(回転数とトルク)をエンジン22の目標トルクTe*とインプットシャフト51の目標回転数Ni*として設定すると共に(ステップS170)、要求パワーPm1*を目標回転数Ni*で割って前輪用モータ40のトルク指令Tm1*を、要求パワーPm2*を車速Vと換算係数kvとの積で割って後輪用モータ90のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS180)、設定した目標トルクTe*や目標回転数Ni*,トルク指令Tm1*,Tm2*でエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90が運転されるように目標トルクTe*と回転数NiとをエンジンECU29に、目標回転数Ni*をCVTECU59に、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU49に出力して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。なお、目標回転数Ni*を受信したCVTECU59は、インプットシャフト51の回転数Niが受信した目標回転数Ni*となるように第1アクチュエータ56および第2アクチュエータ57を駆動制御し、目標トルクTe*と目標回転数Ni*とを受信したエンジンECU29はエンジン22が目標トルクTe*と目標回転数Ni*とによる運転ポイントで運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU49は前輪用モータ40からトルク指令Tm1*のトルクが出力されると共に後輪用モータ90からトルク指令Tm2*のトルクが出力されるよう前輪用モータ40および後輪用モータ90を駆動制御する。このように、モータ要求動力Pm*が効率よく前輪66a,66bと後輪96a,96bとに出力されるよう前輪用モータ40と後輪用モータ90とから出力する要求パワーPm1*と要求パワーPm2*とを設定してエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90を制御するから、車両全体のエネルギ効率を向上させることができる。
【0036】
一方、ステップS120で車両の走行状態が安定状態にないと判定されたときには、要求動力P*に予め定められた前後輪の荷重分配比(前輪荷重:後輪荷重=kf:kr、但しkf+kr=1)を乗じて前輪要求動力Pf*と後輪用モータ90の要求パワーPm2*とを計算し(ステップS150)、計算した前輪要求動力Pf*をエンジン22から出力すべきエンジン要求動力Pe*と前輪用モータ40から出力すべき要求パワーPm1*とに分配する(ステップS160)。エンジン要求動力Pe*の設定は、前輪要求動力Pf*を要求動力P*とみなしてステップS130の処理と同様に行なうことができる。
【0037】
こうしてエンジン要求動力Pe*や前輪用モータ40および後輪用モータ90の要求パワーPm1*,Pm2*が設定されると、これらの値を用いて目標トルクTe*や目標回転数Ni*として設定すると共に(ステップS170)、トルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS180)、設定した目標トルクTe*や目標回転数Ni*,トルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU29やCVTECU59,モータECU49に出力して(ステップS190)、本ルーチンを終了する。これらの処理については上述した。このように、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように動力分配してエンジン22やCVT50,前輪用モータ40,後輪用モータ90を制御するから、トルクをより確実に路面に伝達することができる。
【0038】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、車両の走行状態が安定状態であるときには、モータ要求動力Pm*が効率よく前輪66a,66bと後輪96a,96bとに出力されるよう前輪用モータ40と後輪用モータ90とから出力すべき要求パワーPm1*と要求パワーPm2*とを設定するから、燃費の向上、即ち車両全体のエネルギ効率の向上を図ることができる。また、車両の走行状態が安定状態にないときには、要求動力P*を前後輪に荷重分配比となるように動力分配して出力するから、車両の走行の安定性の向上を図ることができる。もとより、エンジン22は効率のよい運転ポイントで運転されるから、車両のエネルギ効率の向上を図ることができる。
【0039】
なお、実施例のハイブリッド自動車20では、図2に例示する駆動制御ルーチンで二次電池44の充放電がない場合について説明したが、二次電池44の充放電がある場合には、充放電に用いる動力の分だけエンジン要求動力Pe*を増減して計算すればよい。
【0040】
また、実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22や前輪用モータ40は、プラネタリギヤ30を介してCVT50のインプットシャフト51に接続されているものとしたが、エンジン22や前輪用モータ40はプラネタリギヤ30を介さずにCVT50のインプットシャフト51に接続されているものとしてもよい。
【0041】
実施例のハイブリッド自動車20では、無段変速機としてベルト式のCVT50を用いたが、トロイダル式の無段変速機としてもよい。また、変速機は、無段変速機に限られるものではなく、有段変速機であっても構わない。
【0042】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22と前輪用モータ40とをCVT50を介して前輪66a,66bの車軸に接続すると共に後輪用モータ90を後輪96a,96bの車軸に接続した構成としたが、エンジンとモータとをCVTを介して後輪の車軸に接続すると共にモータ90を前輪の車軸に接続するものとしてもよい。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】要求トルク設定マップの一例を示す説明図である。
【図4】変速比γとトルクTiとが一定であるときの回転数Niと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【図5】トルクTiと回転数Niとが一定であるときの変速比γと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【図6】変速比γが一定であるときの回転数NiとトルクTiと効率η1との関係の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 クランクシャフト、26スタータモータ、28 ベルト、29 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、30 プラネタリギヤ、31 サンギヤ、32 リングギヤ、33第1ピニオンギヤ、34 第2ピニオンギヤ、35 キャリア、39 ケース、40 前輪用モータ、41 回転軸、43 インバータ、44 二次電池、45 回転位置検出センサ、46 電圧センサ、47 電流センサ、48 温度センサ、49 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、50 CVT、51インプットシャフト、52 アウトプットシャフト、53 プライマリープーリー、54 セカンダリープーリー、55 ベルト、56 第1アクチュエータ、57 第2アクチュエータ、59 CVT用電子制御ユニット(CVTECU)、61 回転数センサ、62 回転数センサ、64 ディファレンシャルギヤ、66a,66b 前輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 シフトレバー、81 シフトポジションセンサ、82 アクセルペダル、83 アクセルペダルポジションセンサ、84 ブレーキペダル、85 ブレーキペダルポジションセンサ、86 車速センサ、90 後輪用モータ、91 インバータ、93 回転位置検出センサ、94デファレンシャルギヤ、96a,96b 後輪、B1 ブレーキ、C1,C2クラッチ。
Claims (13)
- 第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する目標値設定手段と、
前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車。 - 前記目標値設定手段は、前記検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて車両の状態が安定状態であるか不安定状態であるかを判定する状態判定手段を備え、該状態判定手段により車両の状態が安定状態であると判定されたときには前記第1の目標値設定手法を選択し、該状態判定手段により車両の状態が不安定状態であると判定されたときには前記第2の目標値設定手法を選択して、前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定する手段である請求項1記載のハイブリッド自動車。
- 請求項2記載のハイブリッド自動車であって、
前記走行状態検出手段は、車速を検出する手段であり、
前記状態判定手段は、前記検出された車速が所定車速以上で前記設定された要求動力が所定動力未満のときに車両の状態が安定状態であると判定し、前記検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上のときに車両の状態が不安定状態であると判定する手段である
ハイブリッド自動車。 - 内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車であって、
運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定する要求動力設定手段と、
該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する目標値設定手段と、
前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分する目標動力配分手段と、
前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車。 - 前記目標動力分配手段は、エネルギ効率が高くなるよう前記目標電動機動力を分配する手段である請求項4記載のハイブリッド自動車。
- 請求項4または5記載のハイブリッド自動車であって、
前記第1の効率は、前記第1電動機の駆動状態に対する該第1電動機の効率と前記変速機の変速状態に対する該変速機の動力の伝達効率とが反映されてなる効率であり、
前記第2の効率は、前記第2電動機の駆動状態に対する該第2電動機の効率が反映されてなる効率である
ハイブリッド自動車。 - 前記第2電動機は前記変速機が接続されている車軸とは異なる車軸に接続されてなる請求項4ないし6いずれか記載のハイブリッド自動車。
- 所定の車両状態のとき、前記目標値設定手段と前記目標動力分配手段とに代えて、前記設定された要求動力が前記変速機が接続された車軸に出力すべき動力と前記第2電動機が接続された車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記変速機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2電動機が接続された車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する所定状態時設定手段を備える請求項7記載のハイブリッド自動車。
- 前記所定の車両状態は、車両が不安定な状態である請求項8記載のハイブリッド自動車。
- 請求項8または9記載のハイブリッド自動車であって、
車速を検出する車速検出手段と、
該検出された車速が所定車速未満であるか前記設定された要求動力が所定動力以上であるときに前記車両が不安定な状態であると判定する不安定状態判定手段と、
を備えるハイブリッド自動車。 - 前記変速機は無段変速機である請求項1ないし10いずれか記載のハイブリッド自動車。
- 第1の車軸に変速機を介して動力を出力可能な内燃機関および第1電動機と、第2の車軸に動力を出力可能な第2電動機とを備えるハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)車両の走行状態を検出し、
(c)該検出された走行状態と前記設定された要求動力とに基づいて、前記設定された要求動力がエネルギ効率が高い状態で前記第1の車軸および前記第2の車軸に出力されるよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第1の目標値設定手法と、前記要求動力が前記第1の車軸に出力すべき動力と前記第2の車軸に出力すべき動力との比が車両の荷重のうち前記第1の車軸に作用するものとして設定された荷重と前記第2の車軸に作用するものとして設定された荷重との比に一致するよう前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定する第2の目標値設定手法とのうち一方の手法を選択して前記目標内燃機関動力と前記第1目標電動機動力と前記第2目標電動機動力と前記目標変速比とを設定し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ハイブリッド自動車の制御方法。 - 内燃機関および第1電動機から変速機を介して出力される動力と第2電動機から該変速機を介さずに出力される動力とにより走行可能なハイブリッド自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作に基づいて要求動力を設定し、
(b)該設定された要求動力に基づいて前記内燃機関から出力すべき目標内燃機関動力と前記第1電動機および前記第2電動機により出力すべき目標電動機動力とを設定すると共に該設定された目標内燃機関動力に基づいて前記変速機の目標変速比を設定し、
(c)前記第1電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第1の効率と前記第2電動機の駆動に基づく走行用の動力に対する第2の効率とに基づいて前記設定された目標電動機動力を前記第1電動機から出力すべき第1目標電動機動力と前記第2電動機から出力すべき第2目標電動機動力とに配分し、
(d)前記設定された目標内燃機関動力で前記内燃機関が運転されると共に前記変速機の変速比が前記設定された目標変速比となるよう該内燃機関と該変速機とを制御すると共に前記第1電動機から前記配分された第1目標電動機動力が出力されると共に前記第2電動機から前記配分された第2目標電動機動力が出力されるよう該第1電動機と該第2電動機とを制御する
ハイブリッド自動車の制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
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