JP2014023169A - 電気自動車の走行駆動制御装置 - Google Patents

電気自動車の走行駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 左右独立に駆動力を配分可能な電気自動車において、運転者に与えるエンジン車に対する違和感が少なく、また簡単な制御で、直進安定性と旋回性の向上を両立させることができ、センサ類も少なくて済む電気自動車の走行駆動制御装置を提供する。
【解決手段】 左右の駆動輪1をそれぞれ独立に駆動する電動のモータ4を搭載した電気自動車に適用される。アクセル入力装置8の入力量aを目標出力電力Pに変換する目標出力変換手段13を設ける。前記目標出力電力Pを、定められた規則に従って各モータ別目標出力電力Pdに分配する出力分配手段14を設ける。この分配されたモータ別目標出力電力Pdに基づいてモータ4の定出力制御を行う定出力制御手段15を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電気自動車、特にインホイールモータ車両に代表される左右独立に駆動力を配分可能な電気自動車において、走行駆動用のモータを制御する走行駆動制御装置に関する。
電動のモータを走行駆動源とする電気自動車の多くは、制御の容易性や運転者の感覚に従い、トルク制御を採用している。車両が最終的に出力するのはトルクであり、運転者はトルクを必要とするからアクセルを踏むという感覚に従う。
また、インホイールモータ車両に代表される左右独立に駆動力を配分可能な車両において、外乱抑制による直進安定性向上制御や、旋回外側の駆動力を増大させる車両応答性向上制御に代表される、駆動力配分による車両制御が行われてきた(例えば、特許文献1,2,3)。
これは、車速やハンドル入力に応じて、目標となる車両のヨーレートを設定し、車両の実際のヨーレートを目標値へ一致させるための制御量として駆動力の配分を行なうものである。その際のヨーレートセンサの出力であるヨーレートにおける、ノイズや誤差の影響を減らし、精度の高い制御方法を提案したのが特許文献1である。また、ヨーレートセンサを用いず、タイヤが発生する力を直接検出し、その力から発生するヨーレートを検出する方法が特許文献2である。
トルク制御の他にモータの制御方法として一般的なものに回転数制御がある。モータ駆動制御器の外側に回転数制御器を設け、モータより回転数をフィードバックし、目標の回転数を維持するようにモータ駆動制御器へ入力する目標トルクを決定する方法である。横風や路面うねりの外乱を受けた場合に、トルク制御を用いた場合では、ライン逸脱の原因となるヨーレートを助長する方向に制御が働いてしまう。しかし、回転数制御を用いた場合は、左右で同じ回転数を目標とすれば、直進を維持しヨーレートを打ち消す方向に駆動力が発揮され、直進安定性が増す。一方、旋回時には回転数制御が旋回を妨げる方向に作用する。そこで、トルク制御と回転数制御の切り替えを特許文献3では提案している。
特開2008−074185号公報 特開2010−076739号公報 特開2007−195386号公報
トルク制御では、目標トルクと出力トルクが等しいとした場合、目標トルクと走行抵抗が釣り合うまで速度が上昇する(図8)。これに対し、エンジンを走行駆動源とする従来型の車両は、入力エネルギーである燃料量を制限した定出力制御であるといえる。定出力制御では入力エネルギーそのものを制限するため、それ以上のエネルギーを消費することはなく、出力トルクは出力(熱量)に比例し回転数に反比例する定出力曲線に従って決定される。そのため、走行抵抗が増大し車速が落ちて、回転数が下がれば出力トルクが増し、車速が上がり回転数が上がれば出力トルクが減る(図7)。
トルク制御は、路面伝達力を決定する出力トルクを直接制御できるため、より緻密な挙動制御が可能であるが、スリップ状態や走行抵抗増大においても出力トルクは変化することがなく、釣り合いの条件に収束し難い。そのため車速の変動は、運転者が調整することにより収束させてきたが、エンジンを走行駆動源とする車両に対して、運転者に大きな違和感を与える。
また、従来の左右独立に駆動力を配分可能な車両において、外乱抑制による直進安定性向上制御や、旋回外側の駆動力を増大させる車両応答性向上制御等の駆動力配分による車両制御は、特許文献1,2に示されるように、車速やハンドル入力に応じて、目標となる車両のヨーレートを設定し、車両の実際のヨーレートを目標値へ一致させるための制御量として駆動力の配分を行なうものである。そのため、車両の挙動をフィードバックするためのヨーレートセンサやタイヤが発生する力を検出する装置との連携が必要であり、制御の複雑さが増す。さらに、センサ出力をフィードバックする際の遅れや誤差を考慮する必要がある。
特許文献3の手法は、トルク制御と回転数制御の切り替えを行うものであり、それぞれに適する車両状況と、設定した車両状況であると判定するための条件を先に設定する必要がある。より正確に判定するためには、状況の設定を多くし、条件、例えばアクセル開度、車両速度、加速度やハンドル角度等の項目数を増やす必要がある。これらは、実際の状況とのミスマッチ、適した制御の設定間違い、システムの複雑化を引き起こすため、適切な切り替えが難しい。
この発明の目的は、左右独立に駆動力を配分可能な電気自動車において、運転者に与えるエンジン車に対する違和感が少なく、また簡単な制御で、直進安定性と旋回性の向上を両立させることができ、センサ類も少なくて済む電気自動車の走行駆動制御装置を提供することである。
この発明の電気自動車の走行駆動制御装置は、左右の駆動輪1をそれぞれ独立に駆動する各電動のモータ4と、アクセル入力装置8とを有する電気自動車に搭載される走行駆動制御装置であって、
前記アクセル入力装置8の入力量aを目標出力電力Pに変換する目標出力変換手段13と、前記目標出力電力Pを、定められた規則Rに従って前記各モータ4別の目標出力電力であるモータ別目標出力電力Pdに分配する出力分配手段14と、この分配されたモータ別目標出力電力Pdに基づいて前記各モータ4の定出力制御を行う定出力制御手段15とを備えることを特徴とする。
なお、モータ4の出力は、トルクと回転数の積である。また、この明細書で言う「回転数」は回転速度と同義である。
上記構成によると、定出力制御を行うため、出力トルクを直接制御することはできないが、走行条件の変化に応じて出力トルクが変化し、外乱による変動を抑制する方向に制御が働く。アクセル入力装置8の調整にもよるが、走行条件が一定であれば、アクセル入力装置8の入力量a(アクセルペダルの場合はその踏み込み量)に応じて直線的に出力トルクが増大する感覚は変わらない。そのため、運転者に、エンジン車に対する大きな違和感を与えることがない。
トルク制御では、路面伝達力を決定する出力トルクを直接制御できるため、より緻密な挙動制御が可能であるが、スリップ状態や走行抵抗増大においても出力トルクは変化することがなく、釣り合いの条件に収束し難い。そのため車速の変動は、運転者が調整することにより収束させることが必要であり、エンジン車に対して運転者に操作上の大きな違和感を与えるが、この違和感が、定出力制御によると軽減される。
また、運転者がアクセル入力装置8で要求する目標出力電力Pを出力分配手段14で左右のモータ4に分配し、定出力制御手段15は、分配されたモータ別目標出力Pdを元に定出力制御を行なって出力トルクを決定する。このため、ヨーレートセンサやタイヤ力センサの連携を必要とせず、単純であり、これまでの制御システムへの搭載が容易であって、しかも出力電力の低減が期待できる。
この発明において、前記出力分配手段14は、前記定められた規則Rとして、次の操舵対応規則R1を有するようにしても良い。この操舵対応規則R1は、前記操舵入力装置10の操舵量に基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則とされる。また、この操舵対応規則R1は、前記操舵量の変化率に基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定し、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方とに基づき、前記目標出力電力を前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する内容の規則であっても良い。
前記操舵入力装置10がステアリングホイールの場合、前記操舵量は、そのステアリングホイールの操舵角度であり、前記操舵量の変化率は操舵角速度である。
操舵量に基づきモータ別目標出力電力Pdを分配する出力配分比率を変えることにより、旋回内側輪理論回転数と旋回外側輪理論回転数とに応じた適切な出力制御が行える。また、操舵量の変化率は、運転者が走行方向を緩やかに変えるかまたは急激に変えるかの意図を示すため、操舵量の変化率に応じて、または操舵量とその変化率の両方を用いて左右のモータ別目標出力電力Pdの出力配分比率を変えることで、左右のモータ出力に差を与えて旋回のアシストが行える。
この発明において、前記出力分配手段14は、前記定められた規則Rとして、操舵の入力と走行に関する速度の検出値との両方に基づき、前記目標出力電力を前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則R2を有し、前記操舵の入力として、前記操舵入力装置10の操舵量、またはこの操舵量の変化率、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方を用い、前記走行に関する速度の検出値として車速の検出値または車輪の回転数の検出値を用いるようにしても良い。
転舵角度が同じであっても、走行速度によって車両の旋回の生じ方が変わるため、操舵の入力だけでなく、走行に関する速度の検出値も用いて左右のモータ別目標出力電力を定めることで、より一層適切に、運転者の希望に応じた旋回走行が行える。走行速度は直接に検出しても良いが、車輪の回転数から求めた値を上記の出力配分比率の決定に用いても良い。
この発明において、前記出力分配手段14は、規範となる旋回状態に導くように前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則R3を有し、前記規範となる旋回状態では左右の駆動輪1のモータ4の出力するトルクが均等であっても良い。ここで規範となる旋回状態とは、その走行速度とハンドル角において、必要十分なヨーレートが発生している状態である。
規範となる旋回状態に導くように前記モータ別目標出力電力に分配する出力配分比率を決定することで、運転者の操作による希望どおりの旋回走行が行える。規範となる旋回状態に導くモータ別目標出力電力の出力配分比率とする制御については、前記出力分配手段14内に持たせた車両の運動モデルに追従させるようにしても、また前記出力分配手段14内に持たせた配分比率マップに従うようにしても良い。規範となる旋回状態で、左右のトルク差によるヨーモーメントの発生を行わず、左右のトルクを均等にするのは、駆動輪にディファレンシャルギヤを搭載した車両を模擬し、走行速度、ハンドル角とヨーレートの関係を、左右の出力配分の制御の有無を問わず一定とし、運転者に違和感を与えないためである。
この発明において、前記左右の駆動輪1のいずれかがスピンを生じていることを判定する駆動輪スピン判定手段20を設け、前記出力分配手段14は、前記定められた規則として、左右の駆動輪1のうちの、前記駆動輪スピン判定手段20でスピンが生じていると判定された駆動輪1のモータ4への前記モータ別目標出力電力Pdの出力配分比率を高める規則R4を有するようにしても良い。スピン側の出力配分比率を高めることで、意図しないヨーモーメントの発生を抑制できる。
この場合に、前記出力分配手段14において、各輪回転数より駆動輪1のスピンの状態を検出するようにしても良く、また前記出力分配手段14に対する外部機器により前記スピンの状態を検出する駆動力スピン判定手段20を設けても良い。
なお、前記出力分配手段14は、前記スピンの検出後も、スピン検出前の出力配分比率を維持するようにしても良い。その場合、走破性が確保される。
この発明において、前記出力分配手段14は、前記定められた規則Rとして、前記各モータ4へのモータ別目標出力電力Pdを分配する出力配分比率を定める配分比率決定規則を複数種類有し、かつこれら複数の種類の配分比率決定規則を条件に応じて使い分ける優先順位判定規則R5を有するようにしても良い。これにより、各種の条件に応じたより一層適切な出力配分比率を決定することができる。
前記優先順位判定規則R5の優先順位は、例えば、安全性の確保を基準として重要となる配分比率決定規則が優先されるように設定する。これにより、安全性がより高められる。
上記のように前記出力分配手段14が、前記定められた規則Rとして、前記各モータ4へのモータ別目標出力電力Pdを分配する出力配分比率を定める配分比率決定規則を複数種類有する場合に、前記出力分配手段14に対する外部の機器に、前記複数の種類の配分比率決定規則を条件に応じて使い分ける優先順位判定手段21を設けても良い。
この発明において、前記出力分配手段14は、前記定められた規則Rとして、複数項目の検出値または入力値に応じて各モータ4へのモータ別目標出力電力を分配する出力配分比率を定め、かつ前記項目毎に重視の係数が設定されていて、この係数を加味した前記検出値または入力値に応じて前記出力配分比率を定める規則R6を有し、前記項目毎の係数を調整する係数調整手段19を設けても良い。前記項目毎に係数が設けられて、その係数の調整が可能であると、各種条件に応じた適切な出力配分比率を、きめ細かく設定することができ、より一層適切な出力配分比率とすることができる。
前記係数調整手段19は、前記出力分配手段14に設けられていても、また前記出力分配手段14に対する外部の機器に設けられていても良い。また、前記係数調整手段19は、運転者や保守を行う人が操作して調整する構成であっても、走行中等に各種の検出値等によって自動で調整する構成であっても良い。
この発明において、前記定出力制御手段15は、前記モータ4の回転数の検出値か、または前記駆動輪1の回転数の検出値かのいずれか一方を用いて前記定出力制御を行う構成であっても良い。定出力制御を行うには、モータ4のトルクと回転数を認識する必要がある。この回転数は、直接にはモータ4の回数数であるが、駆動輪1の回転数を用いても結果としてモータ4の回転数が検出できる。
この発明において、前記目標出力変換手段13は、変換後の前記目標出力電力を定められた上限値で制限する飽和処理を行い、かつ変換後の前記目標出力電力を、電力省エネルギーを目的として制限する目標出力電力制限部17を有していても良い。
これにより、無駄のない駆動が行え、電力の省エネルギーが行える。
この発明の電気自動車の走行駆動制御装置は、左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動する各電動のモータと、アクセル入力装置とを有する電気自動車に搭載される走行駆動制御装置であって、前記アクセル入力装置の入力量を目標出力電力に変換する目標出力変換手段と、前記目標出力電力を、定められた規則に従って前記各モータ別の目標出力電力であるモータ別目標出力電力に分配する出力分配手段と、この分配されたモータ別目標出力電力に基づいて前記各モータの定出力制御を行う定出力制御手段とを備えるため、左右独立に駆動力を配分可能な電気自動車において、エンジンを走行駆動源とする自動車に対して、運転者に与える違和感が少なく、また簡単な制御で、直進安定性と旋回性の向上を両立させることができ、センサ類も少なくて済む。
この発明の一実施形態に係る走行駆動制御装置を適用する電気自動車の概念構成の平面図、および同走行駆動制御装置の概念構成のブロック図である。 同走行駆動制御装置の具体的構成例を示す概念構成のブロック図である。 同走行駆動制御装置の処理手順のフロー図である。 理想的な旋回時の出力分配方法を説明するグラフである。 アンダーステア時の旋回時の出力分配方法を説明するグラフである。 同電気自動車のスプリットミュー路における車両挙動の説明図である。 定出力制御における回転数とトルクの関係を示すグラフである。 トルク制御における回転数とトルクの関係を示すグラフである。 従来のトルク制御を行う制御系のブロック図である。 同制御系による動作の流れ図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。図1(A),(B)は、この実施形態に係る走行駆動制御装置を搭載した電気自動車の概念構成を示す平面図、およびその制御系の概念構成のブロック図を示す。この電気自動車は、後輪が駆動輪1とされ、前輪が転舵輪の従動輪2とされた4輪の車両である。なお、前輪駆動、後輪従動形式、もしくは4輪駆動形式の電気自動車としても良い。左右の駆動輪1,1は、それぞれ電動のモータ4,4により独立に駆動される。各モータ4は、同期モータ等の交流モータである。各モータ4は、このモータ4と、駆動輪1を支持する車輪用軸受5と、前記モータ4の回転を減速して車輪用軸受5の回転側軌道輪に伝達する減速機6とが一体に組み立てられたインホイールモータ駆動装置7を構成する。インホイールモータ駆動装置7は、サスペンション(図示せず)を介して車体3に設置される。
車体3の運転席には、アクセル入力装置8と、ブレーキ入力装置9と、操舵入力装置10とが設けられている。アクセル入力装置8は、アクセルペダルとその踏み込み量を検出するセンサとからなる。ブレーキ入力装置9は、ブレーキペダルとその踏み込み量を検出するセンサとからなる。操舵入力装置10は、ステアリングハンドルとその回転角度を検出するセンサとからなる。
制御系の基本構成を説明すると、車両全体の統合制御,協調制御を行うメインのECU(電気制御ユニット)11と、インバータ装置12とを備える。インバータ装置12は、左右の各モータ4,4ごとに設けられている。ECU11は、コンピュータおよびこれに実行される制御プログラム、並びに電子回路によって構成される。インバータ装置12は、バッテリ(図示せず)の直流電力をモータ4の駆動が可能な交流電力に変換するインバータと、このインバータを制御する電子回路とで構成される。
この実施形態の走行駆動制御装置は、上記構成の電気自動車において、前記アクセル入力装置8の操作量の検出値である入力量aを目標出力電力Pに変換する目標出力変換手段13と、前記目標出力電力Pを、定められた分配比率決定の規則R(図2)に従って各モータ4,4別の目標出力電力であるモータ別目標出力電力Pdに分配する出力分配手段14と、この分配されたモータ別目標出力電力に基づいて前記各モータ4の定出力制御を行う定出力制御手段15,15とを備える。
図1において、前記出力分配手段14は、前記ECU11に設けられ、前記目標出力変換手段13は前記ECU11に設けられるか、またはECU11外に専用の装置として設けられる。前記出力分配手段14は、前記メインのECU11とは別のECUとして設けられていても良い。なお、前述のように、モータ4の出力は、トルクと回転数の積である。また、この明細書で言う「回転数」は回転速度と同義である。
前記定出力制御手段15は、モータ4の定出力曲線に従った定出力制御を行う。この定出力制御手段15の出力は目標トルクであり、定出力制御手段15の下段に、この定出力制御手段15の目標トルクに従ってモータ4をトルク制御するモータ駆動制御手段16を備える。モータ駆動制御手段16は、前記インバータとこのインバータをトルク制御する手段とからなる。モータ駆動制御手段16および定出力制御手段15は、前記インバータ装置12を構成する。
図2に示すように、目標出力変換手段13は、変換後の前記目標出力電力を定められた上限値で制限する飽和処理を行い、変換後の前記目標出力電力を、省エネルギーを目的として制限する目標出力電力制限部17を有している。
前記出力分配手段14は、規則設定手段18を有していて、これに、前記分配比率決定の規則Rが設定されている。この分配比率決定規則Rとして、操舵対応規則R1、操舵・走行速度対応規則R2、規範導き規則R3、スピン考慮規則R4、優先順位判定規則R5、および項目別重視係数加味規則R6を有している。出力分配手段14は、この他に、係数調整手段19を有し、また出力分配手段14の外部で、例えばECU11内に、駆動スピン判定手段19および優先順位判定手段21が設けられている。優先順位判定手段21は、前記優先順位判定規則R5を出力分配手段14内に有しない場合に設けられる。なお、前記各規則R1〜R6の具体的内容、および前記各手段19〜21の具体的内容については、後にこの実施形態の作用と共に説明する。
この実施形態の走行駆動制御装置の作用につき説明するが、その前に、トルク制御と定出力制御との違いの明確化のために、トルク制御を説明する。図9に左右独立駆動車両におけるトルク制御の一般的なブロック図を示し、図10に制御フロー図を示す。ただし、以下は二輪駆動の車両を前提としたものを例示するが、三輪以上の駆動モータを持つ車両や、モータ数より制御器が少ない(一つの制御器が複数のモータを制御する)ものも同様に扱うことができる。
最初に、運転者によるアクセル入力を目標トルク変換手段53に入力する。ここで、アクセル開度から目標トルクに換算し(図10のステップR1)、必要であればフィルタ処理やトルクの出力上限による飽和処理などを行なう。得られた目標トルクを駆動トルク分配手段54に入力する。ここで、種々のセンサから取得される車両の状況から、左右トルクの分配比率を決定する(R2)。例えば、理想状態において直進指示であれば、左右均等に配分される。駆動トルク分配手段54から、左右のモータ駆動制御手段56にそれぞれの目標トルクを入力する(R3)。
図1,図2に示す実施形態の動作を説明する。まず、図3のフロー図と共に基本動作を説明する。最初に、運転者によるアクセルペダル等のアクセル入力装置8からのアクセル開度等の入力量aを目標出力変換手段13に入力する。ここで、アクセル開度から目標出力電力Pに換算し、設定されたフィルタ処理や出力上限による飽和処理、省エネルギーを目的とした出力制限などを、目標出力制限部13が行なう。得られたモータ別目標出力電力Pdは電力出力分配手段14に入力する(図3のステップS1)。なお、目標出力制限部13は必ずしも設けなくても良い。
電力出力分配手段14は、種々のセンサから取得される車両の状況から、前記分配比率決定規則Rに従って、左右出力の分配比率を決定する(S2)。例えば、理想状態において直進指示であれば、左右均等に配分される。決定した分配比率に応じて、モータ別目標電力出力電力Pdを左右の定出力制御手段15,15に入力する。
定出力制御手段15は、モータ別目標出力電力Pdを、現在のモータ回転数で除して目標トルクを算出し(S3,S4)、モータ駆動制御手段16にそれぞれの目標トルクを入力する(S5)。なお、前述のように、(出力)=(トルク)×(回転数)である。現在のモータ回転数は、モータ4に設けられた回転検出器(図示せず)から得るが、車輪用軸受5等に設けられた回転検出器(図示せず)から得た車輪回転数を、モータ回転数の代わりに用いても良い。
モータ駆動制御手段16は、目標トルクに従ってモータ4を、トルク制御でフィードバック制御する。このトルク制御は、一般の電気自動車におけるトルク制御と同様であり、ベクトル制御等のモータ回転角に応じた効率化を図る制御を行う。
なお、トルク制御から定出力制御を採用する際のプログラム上の計算量増加は微小であり、フロー図の多くも流用できることから、定出力制御の採用は比較的容易である。出力分配手段14のロジックは、出力からトルクかの相違の他は、トルク制御を行う電気自動車における駆動トルク分配手段54(図7)と同じ制御が行える物を使用したとすると、増加する計算は、目標トルクを算出するために目標出力電力をモータ回転数で除する部分だけであり、その他は扱う変数をトルクから出力に変更するのみである。
さらに、この実施形態の定出力制御を行う構成とする場合、モータ駆動制御手段16の部分は一般のトルク制御用の物に対して変更する必要がないため、定出力制御の採用が容易である。実際のモータ駆動に関わるモータ駆動制御手段15内の計算は高速であることが要求され、保守性や制御の容易性から他の計算手段と独立している事が望ましいが、これらの要求は、上記のようにトルク制御を行うモータ駆動制御手段16の上位に定出力制御手段15を設けた構成によって満たされる。
次に、定出力制御が、左右独立に駆動力配分が可能な車両の車両挙動に与える効果につき説明する。
(1)直進時
操舵入力0度(直進を指示)であり左右の駆動輪1,1の走行抵抗が等しい時に、左右均等にモータ別目標出力電力Pdを配分した場合、直進時には通常のトルク制御と変わらず直進する。しかし、横風外乱のような横力による不要なヨーレートが発生し旋回を始めた場合、旋回内側に比べ旋回外側のタイヤの回転数が上昇する。定出力制御を行った場合、回転数が上昇したときは出力トルクが減少し、回転数が減少したときは出力トルクが増大する。そのため、旋回内側は旋回外側に比べ出力トルクが大きくなり、不要な旋回を妨げる方向にヨーモーメントが発生し、直進安定性が向上する。また、片輪の空気圧低下による走行抵抗の不均等においても、上記の横風外乱の場合と同様の結果となる。
(2)旋回時の一例
旋回を目的としたハンドル入力(操舵入力装置10の操作)を行った場合、転舵角の発生により旋回が始まる。この時、左右輪の回転速度から求められる車速と操舵入力角から、理想的に旋回が行われた場合に発生する左右輪の回転数が、旋回内側輪理論回転数Niと旋回外側輪理論回転数Noとしてそれぞれ求まる。求められたそれぞれの回転数の時、出力トルク(内側輪:Ti、外側輪:To)が左右で等しくなるようにモータ別目標出力電力Pdを決定し、内側輪出力電力Wi、外側輪出力電力Woを出力分配手段14で決定する(図4)。この計算,処理は、出力配分手段14によって、前記操舵・走行速度対応規則R2に従って行われる。この時の演算は、出力分配手段14内に持たせた車両の運動モデル(図示せず)に基づいたものであっても、先に演算し記憶させたマップ(図示せず)に基づいたものでも良い。この規範に基づく処理は、出力配分手段14によって、前記規範導き規則R3に従って行われる。
さらに、ハンドル入力から検出される操舵角度と操舵角速度に基づき、旋回を促進する方向により大きな出力を分配し、車両の応答性向上を計っても良い。規範となる旋回状態で、左右のトルク差によるヨーモーメントの発生を行わず、左右のトルクを均等にするのは、駆動輪にディファレンシャルギヤを搭載した車両を模擬し、走行速度、ハンドル角とヨーレートの関係を、左右の出力配分の制御の有無を問わず一定とし、運転者に違和感を与えないためである。この処理は、出力配分手段14によって、前記操舵・走行速度対応規則R1に従って行われる。
ここで仮にアンダーステアが発生した場合、図5に示すように、旋回内側輪回転数N’iはNiよりも大きくなり、旋回外側輪回転数N’oはNoよりも小さくなる。その結果、定出力制御により、Wo,Wiとして分配された出力電力に従い、出力トルクはT’o>T’iとなり、旋回を補助する方向に左右トルク差が発生する。
オーバーステア時は、アンダーステア時の逆となり、旋回を妨げる方向に左右トルク差が発生する。
(3)ホイールスピン時
ホイールスピン時は、回転数上昇により出力トルクが低下し、スピンを防止する方向に制御が働く。例えば図6に示すように、道路半分が低ミュー状態である凍結や濡れた金属路面である場合などのスプリットミュー路面において、仮に左側が低ミュー状態であるとして片輪がスピンした場合は、左側は前述のホイールスピンと同様であるが、右側は通常路面の場合と同様に動作する。よって、駆動輪にディファレンシャルギヤを搭載した車両のように、片側スピン時に、反対側の伝達トルクが低下することがない。このように片側スピン時も走破性向上を目的として、目標出力電力Pの再分配を行なわない制御ロジックとしても良い。
上記とは逆に、駆動輪にディファレンシャルギヤを搭載した車両を模擬するため、片側スピン時は目標出力電力Pの左右再分配を行なっても良い。その目的は、スピンした左側タイヤの路面伝達力が低下しグリップ状態の右側タイヤの路面伝達力と不均等となり、左回りのヨーモーメントが発生し挙動が乱れることを防止するためである。図6はその時の車両挙動を示した図であるが、同図は前輪二輪独立駆動車両を想定した図である。この再配分の処理は、出力配分手段14によって、前記スピン考慮規則R4に従って行われる。なお、駆動輪が後輪であっても、また駆動輪が3輪や4輪など、2輪以上であっても上記と同様に扱うことができる。
この再配分の処理は、具体的には、車両によって最小回転半径が定まるため、車速が分かれば発生し得る最大の左右回転数差が計算によって求まり、これを超えた回転数差が発生し片側がスピンしたと判定できる場合、グリップ側の出力電力の配分比率を減らし、スリップ側の出力電力の配分比率を上げることで実現できる。このホイールスピンの判定は出力配分手段14が行ってもよいが、出力配分手段14に対する外部機器となる駆動輪スピン判定手段20の判定結果の判定を出力配分手段14に入力することにより検知しても良い。駆動輪スピン判定手段20は、例えばECU11内に設けても、またインバータ装置12に設けても良い。
出力配分比率決定の論理の選択につき説明する。上記のように、複数の出力配分比率決定に関するいくつかの論理,規則R1〜R4を例示したが、ある条件下ではそれぞれが妥当な判定であっても、2つ以上の条件が同時に発生した場合、矛盾する判定が存在する可能性がある。そのため、目標出力、車輪回転数、ハンドル入力のすべてが同じであっても、路面状況により取るべき判定が異なる時が考えられる。その際は、安全性を向上させるための制御の優先順位を高くとり、車両性能の向上を目的とした制御の優先順位を低くする。この処理は、出力配分手段14によって前記優先判定規則R5に従って行われる。
具体的には、ホイールスピン時に挙動安定化する制御の優先順位を、旋回補助の制御の順位より高くすることである。また、論理そのものを切り替える必要がなく、濡れた路面など少し滑りやすいため旋回補助の効果を緩やかにすれば良い状況や、出力配分比率の差が極端で、運転者に違和感を与える状況などが考えられる。そのため、出力配分比率を決める出力配分比率決定の係数を変更しても良い。この処理は、出力配分手段14によって前記項目別重視係数加味規則R6に従って行われる。
出力配分手段14内に妥当性を確保するための論理判定機能を持たせてもよいが、車両全体を統括し制御する車両統合制御器(例えばECU11)のような外部機器の判定を検出し、それに応じて出力配分比率の決定論理を選択しても良い。また、論理そのものを切り替える必要がなく、濡れた路面など少し滑りやすいため旋回補助の効果を緩やかにすれば良い状況や、出力配分比率の差が極端で、運転者に違和感を与える状況などが考えられる。そのため、出力配分比率を決める出力配分比率決定の係数変更を外部機器が指示しても良い。なお、上記「外部機器」は、出力配分手段14に対する外部の機器を言う。
以上の作用の説明において、出力配分手段14における分配比率決定規則Rにつき、典型的な内容の例を説明したが、分配比率決定規則Rを構成する各規則R1〜R6につき、整理してその内容を説明する。
図2において、前記操舵対応規則R1は、前記操舵入力装置10の操舵量に基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則とされる。また、この操舵対応規則R1は、前記操舵量の変化率に基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定し、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方とに基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する内容の規則であっても良い。
前記操舵入力装置10がステアリングホイールの場合、前記操舵量は、そのステアリングホイールの操舵角度であり、前記操舵量の変化率は操舵角速度である。
操舵量に基づきモータ別目標出力電力Pdを分配する出力配分比率を変えることにより、旋回内側輪理論回転数と旋回外側輪理論回転数とに応じた適切な出力制御が行える。また、操舵量の変換率は、運転者が走行方向を緩やかに変えるか急激に変えるかの意図を示すため、操舵量の変換率に応じて、または操舵量とその変換率の両方を用いて左右のモータ別目標出力電力Pdの出力配分比率を変えることで、左右のモータ出力に差を与えて旋回のアシストが行える。
前記操舵・走行速度対応規則R2は、操舵の入力と走行に関する速度の検出値との両方に基づき、前記目標出力電力Pを前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則である。前記操舵の入力として、前記操舵入力装置10の操舵量、またはこの操舵量の変化率、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方を用い、前記走行に関する速度の検出値として車速の検出値または車輪の回転数の検出値を用いるようにしても良い。
転舵角度が同じであっても、走行速度によって車両の旋回の生じ方が変わるため、操舵の入力だけでなく、走行に関する速度の検出値も用いて左右のモータ別目標出力電力Pdを定めることで、より一層適切に、運転者の希望に応じた旋回走行が行える。走行速度は直接に検出しても良いが、車輪の回転数から求めた値を上記の出力配分比率の決定に用いても良い。
前記規範導き規則R3は、規範となる旋回状態に導くように前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定する規則である。前記規範となる旋回状態では左右の駆動輪1のモータ4の出力するトルクが均等であっても良い。
規範となる旋回状態に導くように前記モータ別目標出力電力Pdに分配する出力配分比率を決定することで、運転者の操作による希望どおりの旋回走行が行える。規範となる旋回状態に導くモータ別目標出力電力Pdの出力配分比率とする制御については、前記出力分配手段14内に持たせた車両の運動モデルに追従させるようにしても、また前記出力分配手段14内に持たせた配分比率マップに従うようにしても良い。規範となる旋回状態で、左右のトルク差によるヨーモーメントの発生を行わず、左右のトルクを均等にするのは、駆動輪にディファレンシャルギヤを搭載した車両を模擬し、走行速度、ハンドル角とヨーレートの関係を、左右の出力配分の制御の有無を問わず一定とし、運転者に違和感を与えないためである。
前記スピン考慮規則R4は、左右の駆動輪1のうちの、前記駆動輪スピン判定手段20でスピンが生じていると判定された駆動輪1のモータ4への前記モータ別目標出力電力Pdの出力配分比率を高める規則R4である。スピン側の出力配分比率を高めることで、意図しないヨーモーメントの発生を抑制できる。
この場合に、前記出力分配手段14において、各輪回転数より駆動輪1のスピンの状態を検出するようにしても良く、また前記出力分配手段14に対する外部機器により前記スピンの状態を検出する駆動力スピン判定手段20を設けても良い。
なお、前記出力分配手段14は、前記スピンの検出後も、スピン検出前の出力配分比率を維持するようにしても良い。その場合、走破性が確保される。
前記優先順位判定規則R5は、前記複数の種類の配分比率決定規則R1〜R4を条件に応じて使い分ける規則である。この規則R5により、各種の条件に応じたより一層適切な出力配分比率を決定することができる。
この優先順位判定規則R5を設ける代わりに、前記出力分配手段14に対する外部の機器に、前記複数の種類の配分比率決定規則R1〜R4を条件に応じて使い分ける優先順位判定手段21を設けても良い。
前記項目別重視係数加味規則R6は、前記出力分配手段14が、前記定められた規則Rとして、複数項目の検出値または入力値に応じて各モータ4へのモータ別目標出力電力を分配する出力配分比率を定め、かつ前記項目毎に重視の係数が設定されている場合に、この係数を加味した前記検出値または入力値に応じて前記出力配分比率を定める規則である。前記項目毎の係数を調整する係数調整手段19を設けても良い。前記項目毎に係数が設けられて、その係数の調整が可能であると、各種条件に応じた適切な出力配分比率を、きめ細かく設定することができ、より一層適切な出力配分比率とすることができる。
前記係数調整手段19は、前記出力分配手段14に設けられていても、また前記出力分配手段14に対する外部の機器に設けられていても良い。また、前記係数調整手段19は、運転者や保守を行う人が操作するスイッチや操作画面からの特定の入力を検出する操作入力検出装置19の検出信号により調整する構成であっても、走行中等に各種の検出値等によって自動で調整する構成であっても良い。
この電気自動車の走行駆動制御装置は、上記のように、運転者によるアクセル等を介した入力は出力電力の目標値を決定するものとし、運転者が要求する目標出力電力Pを左右の駆動源となるモータ4,4に分配し、分配されたモータ別目標出力電力Pdと現在の回転数を元に、定出力曲線に基づいた定出力制御を行なって出力トルクを決定する。これにより、ヨーレートセンサやタイヤ力センサの連携を必要とせず、単純であり、これまでの制御システムへの搭載が容易であって、しかも出力電力の低減が期待できる。
1…駆動輪
2…従動輪
4…モータ
5…車輪用軸受
6…減速機
7…インホイールモータ駆動装置
8…アクセル入力装置
9…ブレーキ入力装置
10…操舵入力装置
11…ECU
12…インバータ装置
13…目標出力変換手段
14…出力分配手段
15…定出力制御手段
16…モータ駆動制御手段
19…係数調整手段
20…駆動輪スピン判定手段
21…優先順位判定手段

Claims (10)

  1. 左右の駆動輪をそれぞれ独立に駆動する各電動のモータと、アクセル入力装置とを有する電気自動車に搭載される走行駆動制御装置であって、
    前記アクセル入力装置の入力量を目標出力電力に変換する目標出力変換手段と、前記目標出力電力を、定められた規則に従って前記各モータ別の目標出力電力であるモータ別目標出力電力に分配する出力分配手段と、この分配されたモータ別目標出力電力に基づいて前記各モータの定出力制御を行う定出力制御手段とを備えることを特徴とする電気自動車の走行駆動制御装置。
  2. 請求項1において、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、前記操舵入力装置の操舵量、またはこの操舵量の変化率、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方とに基づき、前記目標出力電力を前記モータ別目標出力電力に分配する出力配分比率を決定する規則を有する電気自動車の走行駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、操舵の入力と走行に関する速度の検出値との両方に基づき、前記目標出力電力を前記モータ別目標出力電力に分配する出力配分比率を決定する規則を有し、前記操舵の入力として、前記操舵入力装置の操舵量、またはこの操舵量の変化率、または前記操舵量とこの操舵量の変化率との両方を用い、前記走行に関する速度の検出値として車速の検出値または車輪の回転数の検出値を用いる電気自動車の走行駆動制御装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記出力分配手段は、規範となる旋回状態に導くように前記モータ別目標出力電力に分配する出力配分比率を決定する規則を有し、前記規範となる旋回状態では左右の駆動輪の電気モータの出力するトルクが均等である電気自動車の走行駆動制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記左右の駆動輪のいずれかがスピンを生じていることを判定する駆動輪スピン判定手段を設け、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、左右の駆動輪のうちの、前記駆動輪スピン判定手段でスピンが生じていると判定された駆動輪のモータへの前記モータ別目標出力電力の出力配分比率を高める規則を有する電気自動車の走行駆動制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、前記各モータへのモータ別目標出力電力を分配する出力配分比率を定める配分比率決定規則を複数種類有し、かつこれら複数の種類の配分比率決定規則を条件に応じて使い分ける優先順位判定規則を有する電気自動車の走行駆動制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、前記各モータへのモータ別目標出力電力を分配する出力配分比率を定める配分比率決定規則を複数種類有し、前記出力分配手段に対する外部の機器に、前記複数の種類の配分比率決定規則を条件に応じて使い分ける優先順位判定手段を有する電気自動車の走行駆動制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記出力分配手段は、前記定められた規則として、複数項目の検出値または入力値に応じて各モータへのモータ別目標出力電力を分配する出力配分比率を定め、かつ前記項目毎に重視の係数が設定されていて、この係数を加味した前記検出値または入力値に応じて前記出力配分比率を定める規則を有し、前記項目毎の係数を調整する係数調整手段を設けた電気自動車の走行駆動制御装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、前記定出力制御手段は、前記モータの回転数の検出値か、または前記駆動輪の回転数の検出値かのいずれか一方を用いて前記定出力制御を行う電気自動車の走行駆動制御装置。
  10. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記目標出力変換手段は、変換後の前記目標出力電力を定められた上限値で制限する飽和処理を行い、かつ変換後の前記目標出力電力を、電力省エネルギーを目的として制限する目標出力電力制限部を有する電気自動車の走行駆動制御装置。
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