WO2021210369A1 - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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亮佑 古賀
丸山 晃
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哲也 古市
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Abstract

左モータ(2)と、右モータ(3)と、左モータ及び右モータの駆動トルクを車両(1)の左右後輪(4、5)のドライブシャフト(7、8)に伝達する歯車機構(6)と、を備えた電動車両の駆動制御装置(45)であって、車両の左右駆動軸要求トルクを演算する要求駆動トルク演算部(S20)と、左右の駆動系のイナーシャを演算する慣性値演算部(S40)と、イナーシャに基づいて、車両の左右駆動系の振動を抑制するように、左右駆動軸要求トルクを補正する振動抑制制御部(S50、S60)と、を備えた走行駆動制御部(45)を備え、慣性値演算部は、振動抑制制御部において補正された左右駆動軸要求トルクを使用して、次回のイナーシャの演算を行う。

Description

車両の駆動制御装置
 本発明は、複数の電動モータの夫々で左右の駆動輪を駆動可能な電動車両の駆動制御装置に関する。
 近年、車両の直進性能・旋回性能を向上させるために、車両の駆動トルクを左右の車輪(走行輪)で異なる値に制御する駆動装置が開発されている。例えば、特許文献1には、左右の駆動輪を歯車機能で連結するとともに、2つの電動モータによって左右の駆動輪に駆動力を伝達可能な構成の駆動装置を有する車両が記載されている。
 このような構成により、特許文献1に記載された車両では、直進走行時に2つの電動モータを駆動して左右の駆動輪の駆動トルクが互いに等しくなるように制御することで、直進走行性能を向上させることができる。また、左右の電動モータの駆動制御により、左右輪の駆動トルクを異なる値に制御することで、車両の旋回性能を向上させることも可能になる。
特許4637136号公報
 上記特許文献1のように、駆動系に応答性の高い電動モータを使用することで、高精度の駆動制御が可能になるが、駆動系の共振周波数帯でのトルクコントロールが可能になるため、駆動系における捩れによって振動が発生する可能性がある。
 そこで、電動モータの良好な応答性を利用して、動力伝達回路におけるトルク捩れを抑制するように、電動モータの駆動トルクを補正制御するトルク捩れ抑制制御が考案されている。
 しかしながら、上記特許文献1のように、2個の電動モータが夫々左右の駆動輪を駆動可能な車両においては、駆動装置における駆動制御、詳しくは左右の駆動力配分が変化することで、駆動輪を駆動するドライブシャフトの上流側の慣性モーメントが変化する。このように慣性モーメントが変化すると、トルク制御を正確に行うことができず、振動抑制効果を十分に得ることができなくなるといった問題点がある。
 本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の電動モータの駆動力が左右の駆動輪に夫々伝達する構成の電動車両において、電動モータの駆動力制御による振動抑制効果を向上させる電動車両の駆動制御装置を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の電動車両の駆動制御装置は、第1の電動モータと、第2の電動モータと、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの駆動トルクを車両の左右の車輪の駆動軸に夫々伝達する伝達装置と、を有する電動車両の駆動制御装置であって、前記車両の左右駆動軸要求トルクを演算する要求駆動トルク演算部と、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータから前記車輪までの駆動系の慣性値を夫々演算する慣性値演算部と、前記慣性値に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように、前記左右駆動軸要求トルクを補正する振動抑制制御部と、を備え、前記慣性値演算部は、前記振動抑制制御部において補正された前記左右駆動軸要求トルクに基づいて、次回の前記慣性値の演算を行う。
 これにより、振動抑制制御部は、慣性値に基づいて左右駆動軸要求トルクを補正することで左右駆動軸の振動を抑制するが、第1の電動モータ及び第2の電動モータの駆動トルクが伝達装置を介して左右の車輪の駆動軸に夫々伝達する構成の車両では、左右駆動軸要求トルクが変化した場合には、左右の駆動系の慣性値が変化してしまう。そこで、左右の駆動系の慣性値を左右駆動軸要求トルクに基づいて演算することで、左右の駆動軸の慣性値の変化による影響を抑えて振動抑制制御を行うことが可能になる。
 好ましくは、前記車両の左車輪及び右車輪の実回転速度を検出する車輪回転速度検出器と、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力軸の実回転速度を検出するモータ回転速度検出器と、を備え、前記振動抑制制御部は、前記慣性値に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように前記左右駆動軸要求トルクを補正するフィードフォワード振動抑制制御部と、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力軸の実回転速度に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように前記左右駆動軸要求トルクを補正するフィードバック振動抑制制御部と、を備えるとよい。
 これにより、フィードフォワード振動抑制制御部によって遅れの少ない振動抑制が可能になるとともに、フィードバック振動抑制制御部により高精度の振動抑制が可能になる。フィードフォワード振動抑制制御部において使用される慣性値を演算して変更することから、左右の駆動軸の慣性値の変化による影響を応答性良く抑えることが可能になる。
 好ましくは、前記慣性値演算部は、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの実回転速度と、前記左車輪及び右車輪の実回転速度と、に基づいて第1の左右駆動系の慣性値を演算し、前記フィードバック振動抑制制御部において補正された前記左右駆動軸要求トルクに基づいて物理モデルによる第2の左右駆動系の慣性値を演算し、前記第1の左右駆動系の慣性値と前記第2の左右駆動系の慣性値とを調停演算して、前記左右駆動系の慣性値を演算するとよい。
 これにより、各電動モータ及び車輪の実回転速度に基づいて、第1の左右駆動軸の慣性値を正確に演算することが可能になるとともに、フィードバック振動抑制制御部において補正された左右駆動軸要求トルクに基づいて物理モデルによる第2の左右駆動軸の慣性値を精度よく推定することができる。そして、第1の左右駆動軸の慣性値と第2の左右駆動軸の慣性値とを調停演算することで、左右駆動軸の慣性値を精度よく演算することが可能になる。
 好ましくは、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力を制御して、前記車両のヨーモーメントを制御するヨーコントロール装置を備え、前記振動抑制制御部は、前記ヨーコントロール装置による前記ヨーモーメントの制御により発生する車体の振動を抑制するとよい。
 これにより、振動抑制制御部によって車体の振動が抑制されることで、ヨーコントロール装置によるヨーモーメントの制御を正確に行うことができる。
 本発明の車両の駆動制御装置は、左右の駆動軸の慣性値を、左右駆動軸要求トルクに基づいて演算することで、左右の駆動軸の慣性値の変化による影響を抑えた振動抑制制御が可能になり、振動抑制効果を向上させることができる。これにより、車両の走行性能、特に旋回走行時における走行性能を向上させることができる。
本発明の実施形態の駆動制御装置を備えた電動車両の後輪駆動系の概略構成図である。 本実施形態に係る車両の後輪駆動系のモデル図である。 左右後軸上流側駆動系のイナーシャの演算手順を示すブロック図である。 本実施形態の駆動制御装置における後輪駆動トルクの演算要領を示すデータフロー図である。
 図1は、本発明の実施形態の駆動制御装置を備えた電動車両の後輪駆動装置の概略構成図である。
 図1に示すように、本実施形態の駆動制御装置を備えた電動車両(以下、車両1という)の後輪駆動装置9は、走行駆動源として2個の電動モータ(左モータ2、右モータ3)を備えている。2個の電動モータ2、3は、車両1の左右後輪4、5(車輪)と歯車機構6(伝達装置)を介して連結されている。
 歯車機構6は、左右後輪4、5のドライブシャフト7、8を連結し、左右後輪4、5への動力を分配する動力分配装置10と、左モータ2(第1の電動モータ)からの回転を減速して動力分配装置10に伝達する左減速装置11と、右モータ3(第2の電動モータ)からの回転を減速して動力分配装置10に伝達する右減速装置12と、を備えている。
 動力分配装置10は、同軸上に並んだ第1遊星歯車機構15及び第2遊星歯車機構16を備えている。また、動力分配装置10には、同軸上に互いに回転可能に配置された第1連結軸17、第2連結軸18、キャリア19が備えられている。なお、第2連結軸18は、筒状の部材であり、第1連結軸17が挿入されている。
 第1遊星歯車機構15は、第1サンギヤ21、第1リングギヤ22及び第1プラネタリギヤ23を備えている。第1サンギヤ21は、第2連結軸18と一体的に構成されている。また、第2連結軸18は左減速装置11を介して左モータ2の出力軸に連結されている。第1リングギヤ22は、右減速装置12を介して右モータ3の出力軸に連結されている。
 第2遊星歯車機構16は、第2サンギヤ25及び第2プラネタリギヤ26を備えている。第2サンギヤ25は、第1連結軸17と一体的に構成されている。第1連結軸17は、左後輪4(左車輪)を駆動する左ドライブシャフト7に連結されている。第2遊星歯車機構16のプラネタリギヤ26と、第1遊星歯車機構15のプラネタリギヤ23と、キャリア19とは一体的に構成されている。キャリア19は、右後輪5(右車輪)を駆動する右ドライブシャフト8に連結されている。
 このような構成により、本実施形態の車両1では、左モータ2は、左減速装置11、第2連結軸18、第1サンギヤ21、第1プラネタリギヤ23、第2プラネタリギヤ26、第2サンギヤ25、第1連結軸17、左ドライブシャフト7を介して、左後輪4を駆動可能に構成されている。また、左モータ2は、左減速装置11、第2連結軸18、第1サンギヤ21、第1プラネタリギヤ23、キャリア19、右ドライブシャフト8を介して、右後輪5を駆動可能に構成されている。
 一方、右モータ3は、右減速装置12、第1リングギヤ22、第1プラネタリギヤ23、キャリア19、右ドライブシャフト8を介して、右後輪5を駆動可能に構成されている。また、右モータ3は、右減速装置12、第1リングギヤ22、第1プラネタリギヤ23、第2プラネタリギヤ26、第2サンギヤ25、第1連結軸17、左ドライブシャフト7を介して、左後輪4を駆動可能に構成されている。
 左モータ2は、左モータコントロールユニット30を介して、車両1に搭載された蓄電池31から電力を供給されて駆動する。右モータ3は、右モータコントロールユニット32を介して、蓄電池31から電力を供給されて駆動する。左モータコントロールユニット30及び右モータコントロールユニット32は、車両1のメインコントロールユニット35によって作動制御される。
 車両1には、左モータ2の出力軸の回転速度(左モータ回転速度ωLmtr)を検出する左モータ回転速度センサ36(モータ回転速度検出器)と、右モータ3の出力軸の回転速度(右モータ回転速度ωRmtr)を検出する右モータ回転速度センサ37(モータ回転速度検出器)と、左後輪4の回転速度(左ホイール回転速度ωLw)を検出する左ホイール回転速度センサ38(車輪回転速度検出器)と、右後輪5の回転速度(右ホイール回転速度ωRw)を検出する右ホイール回転速度センサ39(車輪回転速度検出器)をそなえている。
 メインコントロールユニット35は、入出力装置、記憶部(ROM、RAM、不揮発性RAM等)及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成されている。メインコントロールユニット35には、左モータ2及び右モータ3を駆動制御する走行駆動制御部45(駆動制御装置)が備えられている。
 走行駆動制御部45は、左モータ2及び右モータ3の駆動トルクを制御して、車両1の車体のヨーモーメントを制御するヨーコントロール装置45a(機能)を備えている。
 車両1の後輪駆動装置9は、左右2つの電動モータ2、3によって、左右後輪4、5を夫々駆動可能であり、左モータ2と右モータ3の駆動トルクを夫々制御することで、旋回走行時に左右後輪4、5にトルク差を発生させて、車両1のヨーモーメントを制御する。なお、左右2つの電動モータ2、3の駆動制御によるヨーコントロール装置は、例えば特許第4637136号公報に開示されているように公知のため、詳細な説明は省略する。
 また、走行駆動制御部45は、左右の電動モータ2、3の駆動トルクを制御して駆動系の振動を抑制する振動抑制制御部45b(機能)を備えている。
 図2は、車両1の後輪駆動系のモデル図である。
 以下、図1、2を参照しつつ、本実施形態の車両1の後輪駆動装置9における運動方程式について考察する。
 車両1の後輪駆動装置9では、下記式(1)、(2)のように、右後軸駆動トルクTRDRV、及び左後軸駆動トルクTLDRVが表わされる。
 TRDRV=(b2+1)・TRm-b1・TLm ・・・(1)
 TLDRV=(b1+1)・TLm-b2・TRm ・・・(2)
 なお、b1、b2、b1+1、b2+1は、動力分配装置10内での減速比である。b1は左モータ2側から右後輪5側への減速比、b2は右モータ3側から左後輪4側への減速比、b1+1は左モータ2側から左後輪4側への減速比、b2+1は右モータ3側から右後輪5側への減速比である。TRmは右減速装置12を含む右モータ3の出力トルク、TLmは左減速装置11を含む左モータ2の出力トルクである。
 また、下記(3)、(4)のように、動力分配装置10における右モータ側入力軸回転速度ωRm、及び左モータ側入力軸回転速度ωLmが表わされる。
 ωRm={(b2+1)・ωRDRV-b2・ωLDRV} ・・・(3)
 ωLm={(b1+1)・ωLDRV-b1・ωRDRV} ・・・(4)
 なお、ωRDRVは右後軸駆動回転速度、ωLDRVは左後軸駆動回転速度である。
 また、下記式(5)に示すように、後輪駆動装置9における運動力学方程式は、下記式(5)、(6)となる。
 TRm-TRLoad=G・Imtr・ωRm ・・・(5)
 TLm-TLLoad=G・Imtr・ωLm ・・・(6)
 なお、TRLOADは右後輪5の負荷トルク、TLLOADは左後輪4の負荷トルク、Gは右減速装置12及び左減速装置11の夫々の減速比(右と左で同一値)、Imtrは右モータ3及び左モータ2の夫々のイナーシャ(慣性モーメント、慣性値)である。ωは回転速度の変化量である。
 また、右減速装置12及び左減速装置11の減速比がGであることから、下記(7)~(10)の式が成り立つ。
 TRm=G・TRmtr ・・・(7)
 TLm=G・TLmtr ・・・(8)
 ωRmtr=G・ωRm ・・・(9)
 ωRmtr=G・ωRm ・・・(10)
 なお、TRmtrは右モータトルク、TLmtrは左モータトルク、ωRmtrは右モータ3の出力軸の回転速度、ωLmtrは左モータ2の出力軸の回転速度である。
 したがって、式(1)~(10)より、以下の式(11)、(12)が得られる。
 TRm-TRLoad={(b2+1)+b1}・G・Imtr・ωRDRV-{b1(b1+1)+b2(b2+1)}・G・Imtr・ωLDRV ・・・(11)
 TLm-TLLoad={(b1+1)+b2}・G・Imtr・ωLDRV-{b1(b1+1)+b2(b2+1)}・G・Imtr・ωRDRV ・・・(12)
 ここで、見かけ上の右後軸のイナーシャ(右駆動系のイナーシャ)をIRDRV、左後軸のイナーシャ(左駆動系のイナーシャ)をILDRVと置くと、式(11)、(12)は、以下の式(13)、(14)となる。
 IRDRV・ωRDRV={(b2+1)+b1}・G・Imtr・ωRW-{b1(b1+1)+b2(b2+1)}・G・Imtr・ωLW ・・・(13)
 ILDRV・ωLDRV={(b1+1)+b2}・G・Imtr・ωLW-{b1(b1+1)+b2(b2+1)}・G・Imtr・ωRW ・・・(14)
 なお、ωRWは右ホイール(右後輪)回転速度、ωLWは左ホイール(左後輪)回転速度である。
 (13)、(14)式を変形して、以下の式(15)、(16)が得られる。
 IRDRV=G・Imtr+G・Imtr{b1+b2+2b2-(b1+b2+b1+b2)ωLDRV/ωRDRV} ・・・(15)
 ILDRV=G・Imtr+G・Imtr{b2+b1+2b1-(b2+b1+b2+b1)ωRDRV/ωLDRV} ・・・(16)
 なお、本実施形態の動力分配装置10では、左モータ2側から右後輪側5への減速比b1と、右モータ3側から左後輪4側への減速比b2は、同一に設定されている。したがって、b1=b2=bとすると、上記(15)、(16)式は、下記(17)、(18)式になる。
 IRDRV=G・Imtr+G・Imtr(2b1+2b)(1-ωLDRV/ωRDRV) ・・・(17)
 ILDRV=G・Imtr+G・Imtr(2b1+2b)(1-ωLDRV/ωRDRV) ・・・(18)
 例えば車両直進走行時では、ωLDRV=ωRDRVとなるので、式(17)、(18)の右項は0となる。但し、旋回走行時のように、右後軸駆動回転速度の変化量ωLDRVと、左後軸駆動回転速度の変化量ωRDRVとが異なる場合には、これらの後軸の速度変化に応じて、左右後軸の見かけ上のイナーシャIRDRV、ILDRVが変化することが判明する。
 本実施形態の車両1では、ヨーコントロール制御による旋回走行時において、左右のトルク配分に応じて左右後軸の見かけ上のイナーシャに対応して、左右後軸の上流側の駆動系のイナーシャIRDRV、ILDRVを演算する。
 図3は、左後軸上流側の駆動系のイナーシャILDRVの演算手順を示すブロック図である。図4は、走行駆動制御部45における後輪駆動トルクの演算手順を示すデータフロー図である。なお、図3において、右後軸8上流側の駆動系のイナーシャIRDRVの演算手順については、左後軸上流側の駆動系のイナーシャILDRVの演算手順と同様に行われる。
 走行駆動制御部45は車両電源ON時に作動し、車両走行中において後輪駆動トルクの演算を極力短時間で繰り返し実行する。
 走行駆動制御部45は、始めにステップS10に示すように、アクセル操作等の走行に関する車両情報を入力する車両情報入力処理を実行する。
 次にステップS20において、ステップS10で入力した車両情報に基づいて、右駆動軸要求トルクTR、左駆動軸トルクTLを演算する(Txyトルク演算)。
 一方、各センサ36~39より右モータ回転速度ωRmtr、左モータ回転速度ωLmtr、右ホイール回転速度、右ホイール回転速度ωRwを、左ホイール回転速度ωLwを夫々入力して、ステップS30においてこれらの検出情報に基づく見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV1、ILDRV1を推定演算する(センシング情報によるIRDRV1、ILDRV1推定演算)。
 次に、ステップS40において、ステップS30で演算したIRDRV1、ILDRV1と、後述するステップS70で演算した内部車両モデル(物理モデル)による見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV2、ILDRV2と、を調停演算して、見かけ上の後軸7、8のイナーシャIRDRV、ILDRVを演算する(IRDRV、ILDRVの調停演算)。
 次にステップS50では、下式(19)、(20)に示すように、ステップS20で演算した左右駆動軸要求トルクTL、TRと、ステップS40で演算した見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV、ILDRVと、により、振動抑制フィードフォワード制御を考慮した左右駆動軸要求トルクTR、TLを演算する(FF制御によるTxy演算)。
 TR=F(TR)・・・(19)
 TL=F(TL)・・・(19)
 なお、F(TR)、F(TL)は、伝達関数を示す。
 次に、ステップS60では、ステップS50で演算した左右駆動軸要求トルクTR、TLと、センサから入力した右モータ回転速度ωRmtr、左モータ回転速度ωLmtrとにより、振動抑制フィードバック制御を考慮した左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqを演算する(Txy reqを演算)。そして、この演算された左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqを最終的な左右駆動軸要求トルクとして走行駆動制御部45から出力し、この左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqに基づいて左右モータ2、3の駆動制御をする。
 また、ステップS70において、ステップS60で演算したTR req、TL reqに基づいて、内部車両モデルによる見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV2、ILDRV2を推定演算する(内部車両モデルによるIRDRV2、ILDRV2推定演算)。そして、この演算された内部車両モデルによる見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV2、ILDRV2を使用して、次のステップS40において見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV、ILDRVを調停演算する。
 なお、上記の走行駆動制御部45において実行される、ステップS20の演算は、本発明の要求駆動トルク演算部に該当する。ステップS30、S70、S40における演算は、本発明の慣性値演算部に該当する。ステップS50における演算は、本発明のフィードフォワード振動抑制制御部に該当する。ステップS60の演算は、本発明のフィードバック振動抑制制御部に該当する。
 以上のように、本実施形態に係る車両1では、左右の電動モータ2、3の制御によって、車両1のヨーモーメントを高精度にかつ応答性よく制御することができる。しかしながら、電動モータ2、3による高応答性の制御によって、駆動系の共振周波数帯でのトルクコントロールが可能となるため、駆動系に捻じれ振動が発生する可能性が高くなる。
 そこで、車両1では、駆動系の振動を抑制するように、左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqを演算(補正)する振動抑制制御が行われる。
 そして、本実施形態では、振動抑制制御において左右駆動軸要求トルクTR reqを演算する際に、上記の見かけ上の後軸のイナーシャIRDRV、ILDRVが演算されて用いられる。
 本実施形態の駆動系のように、2つの電動モータ2、3の出力トルクが夫々左右後輪4、5の夫々に影響を及ぼす構成では、車両状態の変化による左右のトルク変化に伴って、イナーシャIRDRV、ILDRVが変化する。そこで、本実施形態では、振動抑制制御において演算された左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqを用いて、以降(次回)のイナーシャIRDRV、ILDRVを演算する。
 このように、特有な駆動系の構成により、左右駆動軸要求トルクの変化に伴いイナーシャが変化することを考慮して、左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqが演算されるので、捻じれ振動を高精度に抑え、制振効果を向上させることができる。
 また、本実施形態では、振動抑制制御として、車両操作情報に基づいて演算した左右駆動軸要求トルクTR、TLを補正して、左右駆動軸要求トルクTR、TLを演算するフィードフォワード振動抑制制御と、車両1の左後輪4及び右後輪5の実回転速度に基づいて、左右駆動軸要求トルクTR、TLを補正する(左右駆動軸要求トルクTR、TLを更に補正して左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqを演算する)フィードバック振動抑制制御を備えているので、高応答性かつ高精度な制振効果を得ることが可能になる。
 特に、フィードフォワード振動抑制制御において使用されるイナーシャIRDRV、ILDRVを補正(調停演算)するので、更に応答性よく制振させることが可能になる。
 また、走行駆動制御部45において、左右の電動モータ2、3の実回転速度と、左後輪4及び右後輪5の実回転速度と、に基づいてイナーシャIRDRV1、ILDRV1(第1の左右駆動系の慣性値)を演算し、前回演算された左右駆動軸要求トルクTR req、TL reqに基づいて内部車両モデルによるイナーシャIRDRV2、ILDRV2(第2の左右駆動系の慣性値)を演算し、イナーシャIRDRV1、ILDRV1と、イナーシャIRDRV2、ILDRV2とを調停演算して、左右駆動系のイナーシャIRDRV、ILDRVを演算するので、イナーシャIRDRV、ILDRVを精度よく演算することができる。
 そして、以上のように、高応答性かつ高精度な振動抑制制御により制振効果を十分に得ることができることで、ヨーコントロール制御により高精度なヨーコントロールが可能になる。
 以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の車両1は、左右後輪4、5を駆動する構成であるが、前輪駆動車あるいは4輪駆動車にも、本発明を適用することができる。
 本発明は、左右の駆動輪を独立して駆動するとともに、駆動系のイナーシャが変化する構成の車両に広く適用することができる。
  1  車両
  2  左モータ(第1の電動モータ)
  3  右モータ(第2の電動モータ)
  4、5  左右後輪(車輪)
  6  歯車機構(伝達装置)
  7、8  ドライブシャフト(駆動軸)
  36、37  モータ回転速度センサ(モータ回転速度検出器)
  38、39  ホイール回転速度センサ(車輪回転速度検出器)
  45  走行駆動制御部
  45a  ヨーコントロール装置
  45b  振動抑制制御部
  S20  Txyトルク演算(要求駆動トルク演算部)
  S40  IRDRV、ILDRVの調停演算(慣性値演算部)
  S50  FF制御によるTxy演算(フィードフォワード振動抑制制御部)
  S60  Txy reqを演算(フィードバック振動抑制制御部)

 

Claims (4)

  1.  第1の電動モータと、第2の電動モータと、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの駆動トルクを車両の左右の車輪の駆動軸に伝達する伝達装置と、を有する電動車両の駆動制御装置であって、
     前記車両の左右駆動軸要求トルクを演算する要求駆動トルク演算部と、
     前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータから前記車輪までの駆動系の慣性値を夫々演算する慣性値演算部と、
     前記慣性値に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように、前記左右駆動軸要求トルクを補正する振動抑制制御部と、を備え、
     前記慣性値演算部は、前記振動抑制制御部において補正された前記左右駆動軸要求トルクに基づいて、次回の前記慣性値の演算を行う電動車両の駆動制御装置。
  2.  前記車両の左車輪及び右車輪の実回転速度を検出する車輪回転速度検出器と、
     前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力軸の実回転速度を検出するモータ回転速度検出器と、を備え、
     前記振動抑制制御部は、
     前記慣性値に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように前記左右駆動軸要求トルクを補正するフィードフォワード振動抑制制御部と、
     前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力軸の実回転速度に基づいて、前記車両の左右駆動系の振動を抑制するように前記左右駆動軸要求トルクを補正するフィードバック振動抑制制御部と、
    を備える請求項1に記載の電動車両の駆動制御装置。
  3.  前記慣性値演算部は、前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの実回転速度と、前記左車輪及び右車輪の実回転速度と、に基づいて第1の左右駆動系の慣性値を演算し、前記フィードバック振動抑制制御部において補正された前記左右駆動軸要求トルクに基づいて物理モデルによる第2の左右駆動系の慣性値を演算し、前記第1の左右駆動系の慣性値と前記第2の左右駆動系の慣性値とを調停演算して、前記左右駆動系の慣性値を演算する請求項2に記載の電動車両の駆動制御装置。
  4.  前記第1の電動モータ及び前記第2の電動モータの出力を制御して、前記車両のヨーモーメントを制御するヨーコントロール装置を備え、
     前記振動抑制制御部は、前記ヨーコントロール装置による前記ヨーモーメントの制御により発生する車体の振動を抑制する請求項1から3のいずれか1項に記載の電動車両の駆動制御装置。
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