JP2004132342A - 遠心式送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】片吸い込み遠心ファンにおいて、内気と外気との風量割合を適切にする。
【解決手段】第1ラジアルバンド24及び分離筒47を仕切板33に対して吸入口34側にずらす。これにより、適切な位置及び方向に吸気流れを転向させることができるので、第1ファン20aから吹き出す風量と第2ファン20bから吹き出す風量との風量割合を適切なものとすることができる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内気と外気とを区分して同時に吸入することができる内外気二層流式の車両用空調装置に適用される遠心式送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内外気二層流式車両用空調装置用の遠心式送風機として、特開平2000−203235号公報に記載の発明では、仕切板を設けて遠心ファンから吹き出した2種類の空気が混合することを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、遠心ファンは、回転軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出すものであるので、図6に示すように、仕切板33より上方側を流れてブレード21間に吸入された空気の一部は、流通方向が転向する際に自身に作用する慣性力により、仕切板33より下方側に吹き出してしまう。
【0004】
このため、例えば内気と外気との風量割合を1:1に設定すべく、仕切板33をブレード21の長手方向略中央部に設けても、内気と外気との風量割合が1:1にならないという問題が発生する。
【0005】
本発明は、上記点に鑑み、第1には、従来と異なる新規な遠心式送風機を提供し、第2には、内気と外気との風量割合を適切にすることができる構造を有する遠心式送風機を提供を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車室内空気及び車室外空気を区分して同時に吸入することができる内外気二層流式の車両用空調装置に適用される遠心式送風機であって、回転軸(CL)周りに配設された複数枚のブレード(21)を有し、軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心ファン(20)と、軸方向一端側に吸入口(34)を有して遠心ファン(20)を収納するとともに、遠心ファン(20)から吹き出した空気を集合させる渦巻き状の空気通路を構成するスクロールケーシング(30)と、スクロールケーシング(30)内に設けられ、空気通路内を軸方向一端側の第1空気通路(31)と他端側の第2空気通路(32)とに仕切る仕切板(33)と、遠心ファン(20)から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに仕切る分離板(24)とを備え、分離板(24)と仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする。
【0007】
これにより、ずれ量を適切な値とすることにより適切な位置及び方向に吸気流れを転向させることができるので、内気と外気との風量割合を適切にすることが可能となるとともに、従来と異なる新規な遠心式送風機を得ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、分離板(24)は、軸方向において仕切板(33)より吸入口(34)側にずれていることを特徴とする。
【0009】
これにより、内気と外気との風量割合を1:1にすることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、車室内空気及び車室外空気を区分して同時に吸入することができる内外気二層流式の車両用空調装置に適用される遠心式送風機であって、回転軸(CL)周りに配設された複数枚のブレード(21)を有し、軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心ファン(20)と、軸方向一端側に吸入口(34)を有して遠心ファン(20)を収納するとともに、遠心ファン(20)から吹き出した空気を集合させる渦巻き状の空気通路を構成するスクロールケーシング(30)と、スクロールケーシング(30)内に設けられ、空気通路内を軸方向一端側の第1空気通路(31)と他端側の第2空気通路(32)とに仕切る仕切板(33)と、遠心ファン(20)の内径側に設けられ、吸入口(34)から遠心ファン(20)に至る吸入通路を2つに仕切る略円筒状の分離筒(47)とを備え、分離筒(47)の軸方向端部のうち遠心ファン(20)側の端部(47a)と仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする。
【0011】
これにより、ずれ量を適切な値とすることにより適切な位置及び方向に吸気流れを転向させることができるので、内気と外気との風量割合を適切にすることが可能となるとともに、従来と異なる新規な遠心式送風機を得ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、分離筒(47)の軸方向端部のうち遠心ファン(20)側の端部(47a)は、軸方向において仕切板(33)より吸入口(34)側にずれていることを特徴とする。
【0013】
これにより、内気と外気との風量割合を1:1にすることが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、遠心ファン(20)から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに仕切る分離板(24)を備えており、さらに、分離板(24)と仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項6に記載の発明では、分離板(24)は、軸方向において仕切板(33)より吸入口(34)側にずれていることを特徴とする。
【0016】
これにより、内気と外気との風量割合を1:1にすることが可能となる。
【0017】
請求項7に記載の発明では、分離筒(47)の軸方向端部のうち遠心ファン(20)側の端部(47a)と分離板(24)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする。
【0018】
これにより、内気と外気との風量割合を適切にすることが可能となる。
【0019】
請求項8に記載の発明では、分離筒(47)の軸方向端部のうち遠心ファン(20)側の端部(47a)は、軸方向において分離板(24)より吸入口(34)側にずれていることを特徴とする。
【0020】
これにより、内気と外気との風量割合を1:1にすることが可能となる。
【0021】
因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る内外気二層流式車両用空調装置用遠心式送風機1の模式図であり、図2は図1のA部拡大図である。
【0023】
なお、遠心式送風機1の空気流れ下流側に接続される空調ケーシング内には、蒸発器、ヒータコア、及びエアミックスドア等の空気温度を調節する機器が配設されている。
【0024】
図1中、電動式のモータ10は遠心ファン20を回転させる駆動手段であり、遠心ファン20は、回転軸CL周りに配設された複数枚のブレード21を有して軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す羽根車である。なお、モータ10はモータハウジング外周に設けられたフランジ11を介して、後述するスクロールケーシング30に固定されている。
【0025】
ハブ22は遠心ファン20にモータ10の回転力を伝達する羽根車主板であり、第1ラジアルバンド24は、ブレード21の長手方向略中央部に設けられて遠心ファン20から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに仕切るととにも、遠心ファン20の補強部材をなす環板状の分離板であり、第2ラジアルバンド25は、ブレード21長手方向端部のうちハブ22と反対側に配置されて遠心ファン20の補強部材を構成する環板状のものである。
【0026】
なお、ブレード21、ハブ22及び第1、2ラジアルバンド24、25は、樹脂にて一体成形されており、本実施形態では、型抜き方向が回転軸CL方向と一致するように成形している。
【0027】
スクロールケーシング30は、遠心ファン20を収納するとともに、遠心ファン20から吹き出した空気を集合させる空気通路を構成するものであり、この空気通路内には、空気通路内を軸方向一端側の第1空気通路31と他端側の第2空気通路32とに仕切る仕切板33が設けられている。
【0028】
また、スクロールケーシング30は遠心ファン20周りに渦巻き状に形成されたものであり、本実施形態では、第1、2空気通路31、32の通路断面積が、巻き角に対して対数螺旋関数的に増大するように設定されており、軸方向一端側、本実施形態では、モータ10と反対側には遠心ファン20に吸引される空気が流れる吸入口34が設けられている。
【0029】
そして、仕切板33と第1ラジアルバンド24とは、軸方向において第1ラジアルバンド24が仕切板33より吸入口34側に位置するように互いに軸方向にずれている。なお、以下、遠心ファン20のうち第1ラジアルバンド24より吸入口34側の第1ファン20aと呼び、第1ラジアルバンド24よりモータ10側を第2ファン20bと呼ぶ。
【0030】
また、遠心式送風機1に導入する空気を選択する内外気切換ユニット40は、室内空気を導入する内気導入口41、42、室外空気を導入する外気導入口43、44、内気導入口41と外気導入口43とを切換開閉する第1内外気切換ドア45、及び内気導入口42と外気導入口44とを切換開閉する第2内外気切換ドア46を有している。
【0031】
なお、内外気切換ユニット40は、ボルトやビス等の機械的な締結手段により遠心式送風機1に一体化されている。
【0032】
また、遠心ファン20の内径側には、吸入口34から遠心ファン20に至る吸入通路を2つに仕切ることにより、この吸入通路を第1ファン20aに吸い込まれる空気が流れる通路と第2ファン20bに吸い込まれる空気が流れる通路とを仕切る略円筒状の分離筒47が配設されており、本実施形態では、分離筒47は内外気切換ユニット40に一体成形されている。
【0033】
そして、分離筒47の軸方向端部のうち遠心ファン20側の端部47aは、フレア状(ラッパ状)に拡がっているとともに、軸方向において仕切板33より吸入口34側に位置するように仕切板33に対して軸方向にずれ、かつ、軸方向において第1ラジアルバンド24より吸入口34側に位置するように第1ラジアルバンド24に対して軸方向にずれている。
【0034】
また、ダッシュボード50は室内と室外(エンジンルーム)とを区画する区画壁であり、吸入口34の外縁部には、フレア状に形成されたベルマウス35が設けられてる。
【0035】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0036】
遠心ファン20では、前述のごとく、回転軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出すものであるので、流通方向が軸方向から径方向に転向する際に自身に作用する慣性力により、実際に転向する位置が、本来、転向するべき位置からずれてしまう。
【0037】
これに対して、本実施形態では、仕切板33に対して第1ラジアルバンド24及び分離筒47の遠心ファン20側端部47aが軸方向にずれているので、このずれ量を適切な値とすることにより適切な位置及び方向に吸気流れを転向させることができる。
【0038】
つまり、本実施形態では、第1ファン20aから吹き出す風量と第2ファン20bから吹き出す風量との風量割合を1:1に設定すべく、仕切板33を軸方向において略中央部に配置するとともに、遠心ファン20に吸引される空気の慣性力を考量して、第1ラジアルバンド24及び分離筒47を仕切板33に対して吸入口34側にずらしている。
【0039】
なお、仕切板33に対する第1ラジアルバンド24及び分離筒47の遠心ファン20側端部47aのずれ量は、遠心ファン20の回転数及び吸入口34の開口面積等に基づいて適宜決定されるものである。
【0040】
(第2実施形態)
本実施形態は、図3に示すように、第1ラジアルバンド24を廃止したものである。
【0041】
なお、本実施形態では、図4に示す試験結果に基づいて仕切板33に対する分離筒47の遠心ファン20側端部47aのずれ量hを20mmとしている。
【0042】
(第3実施形態)
本実施形態は、図5に示すように、仕切板33に対して第1ラジアルバンド24のみをずらし、分離筒47の遠心ファン20側端部47aは仕切板33と一致させたものである。
【0043】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、第1ラジアルバンド24は、遠心ファン20の外形縁より内側に位置してブレード21間の隙間を2つに仕切って遠心ファン20から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに区画していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遠心ファン20の外形縁から外方側に突出するように設けてもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、遠心ファン20の外側にモータ10が配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遠心ファン20の内側にモータ10を配置してもよい。
【0045】
また、上述の実施形態では、第1ファン20aの内径と第2ファン20bの内径とは同一であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第1ファン20aの内径が第2ファン20bの内径より大きくなるように両者を相違させてもよい。
【0046】
上述の実施形態では、第1ファン20aから吹き出す風量と第2ファン20bから吹き出す風量との風量割合を1:1に設定したが、本発明はこれに限定されるものではない。したがって、設定風量割合によっては、第1ラジアルバンド24及び分離筒47の遠心ファン20側端部47aが仕切板33に対してモータ10側にずれる場合もあり得る。
【0047】
また、上述の実施形態では、第1ラジアルバンド24の幅寸法は、ブレード21の幅寸法より小さかったが、これは製造上の利用であり、理想的には、第1ラジアルバンド24の幅寸法とレード21の幅寸法とを同一とすることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る内外気二層流式車両用空調装置用遠心式送風機の模式図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る内外気二層流式車両用空調装置用遠心式送風機の模式図である。
【図4】風量割合を示すグラフである。
【図5】本発明の第3実施形態に係る内外気二層流式車両用空調装置用遠心式送風機の模式図である。
【図6】従来の技術に係る内外気二層流式車両用空調装置用遠心式送風機の模式図である。
【符号の説明】
20…遠心ファン、21…ブレード、22…ハブ、
24…第1ラジアルバンド、25…第2ラジアルバンド、
30…スクロールケーシング、33…仕切板、47…分離筒。

Claims (8)

  1. 車室内空気及び車室外空気を区分して同時に吸入することができる内外気二層流式の車両用空調装置に適用される遠心式送風機であって、
    回転軸(CL)周りに配設された複数枚のブレード(21)を有し、軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心ファン(20)と、
    前記軸方向一端側に吸入口(34)を有して前記遠心ファン(20)を収納するとともに、前記遠心ファン(20)から吹き出した空気を集合させる渦巻き状の空気通路を構成するスクロールケーシング(30)と、
    前記スクロールケーシング(30)内に設けられ、前記空気通路内を軸方向一端側の第1空気通路(31)と他端側の第2空気通路(32)とに仕切る仕切板(33)と、
    前記遠心ファン(20)から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに仕切る分離板(24)とを備え、
    前記分離板(24)と前記仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする遠心式送風機。
  2. 前記分離板(24)は、軸方向において前記仕切板(33)より前記吸入口(34)側にずれていることを特徴とする請求項1に記載の遠心式送風機。
  3. 車室内空気及び車室外空気を区分して同時に吸入することができる内外気二層流式の車両用空調装置に適用される遠心式送風機であって、
    回転軸(CL)周りに配設された複数枚のブレード(21)を有し、軸方向一端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心ファン(20)と、
    前記軸方向一端側に吸入口(34)を有して前記遠心ファン(20)を収納するとともに、前記遠心ファン(20)から吹き出した空気を集合させる渦巻き状の空気通路を構成するスクロールケーシング(30)と、
    前記スクロールケーシング(30)内に設けられ、前記空気通路内を軸方向一端側の第1空気通路(31)と他端側の第2空気通路(32)とに仕切る仕切板(33)と、
    前記遠心ファン(20)の内径側に設けられ、前記吸入口(34)から前記遠心ファン(20)に至る吸入通路を2つに仕切る略円筒状の分離筒(47)とを備え、
    前記分離筒(47)の軸方向端部のうち前記遠心ファン(20)側の端部(47a)と前記仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする遠心式送風機。
  4. 前記分離筒(47)の軸方向端部のうち前記遠心ファン(20)側の端部(47a)は、軸方向において前記仕切板(33)より前記吸入口(34)側にずれていることを特徴とする請求項3に記載の遠心式送風機。
  5. 前記遠心ファン(20)から吹き出す空気を軸方向一端側の流れと他端側の流れとに仕切る分離板(24)を備えており、
    さらに、前記分離板(24)と前記仕切板(33)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする請求項3又は4に記載の遠心式送風機。
  6. 前記分離板(24)は、軸方向において前記仕切板(33)より前記吸入口(34)側にずれていることを特徴とする請求項5に記載の遠心式送風機。
  7. 前記分離筒(47)の軸方向端部のうち前記遠心ファン(20)側の端部(47a)と前記分離板(24)とは、互いに軸方向にずれていることを特徴とする請求項5又は6に記載の遠心式送風機。
  8. 前記分離筒(47)の軸方向端部のうち前記遠心ファン(20)側の端部(47a)は、軸方向において前記分離板(24)より前記吸入口(34)側にずれていることを特徴とする請求項5又は6に記載の遠心式送風機。
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