JP6588052B2 - 遠心送風機 - Google Patents

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本発明は、二層流式の車両用空調装置のための遠心送風機に関する。
車両用空調装置の分野において、二層流式の車両用空調装置が知られている。この形式の空調装置は、互いに分離された2つの送風路すなわち第1送風路及び第2送風路と、これらの2つの送風路に空気を流す単一の遠心送風機とを備えている。遠心送風機は、スクロールハウジングと、スクロールハウジングに送られる空気を取り込むための空気取入ハウジングとを有している。
遠心送風機は、スクロールハウジングの吸込口及び羽根車の翼列の径方向内側の空間に挿入された分離筒を有している(例えば特許文献1、2を参照)。羽根車の翼列の径方向外側とスクロールハウジングとの間の空間は分離壁により上下に分割され、これにより第1送風路に連通する第1空気流路及び第2送風路に連通する第2空気流路が形成されている。分離筒は、当該分離筒の外側の第1通路を流れる第1空気流が翼列の上半部に導入された後に第1空気流路に流入し、分離筒の内側の第2通路を流れる第2空気流が翼列の下半部に導入された後に第2空気流路に流入するように設けられている。
特許文献1、2の遠心送風機では、分離筒が、その入口端部分のみにおいて空気取入ハウジングに拘束されており、他の部分が何にも拘束されていない。車両の走行時の振動に起因して、あるいは空気が大流量で分離筒の周囲を流れることに起因して、分離筒が振動し、その結果、分離筒の出口端と羽根車の翼列との相対的変位により両者が接触する可能性がある。このため、分離筒の出口端と羽根車の翼列との間の隙間(これは第1空気流と第2空気流との分離性能に影響する)を小さくすることが困難である。
特開2004−132342号公報 国際公開WO2015/082436号パンフレット
本発明は、車両用の片吸込型の遠心送風機において、遠心送風機の性能を損なうこと無く、振動等に伴う分離筒とその周囲部品との間の相対変位を抑制しうる構成を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態によれば、車両用の片吸込型の遠心送風機であって、モータと、周方向翼列を形成する複数の翼を有し、モータによって回転軸線周りに回転駆動されて、軸方向の一端側から翼列の半径方向内側の空間に吸入した空気を、半径方向外側に向けて吹き出す羽根車と、羽根車を収容する内部空間と、軸方向の一端側に開口する吸込口と、周方向に開口する吐出口と、を有するスクロールハウジングと、スクロールハウジングの内部空間のうちのスクロールハウジングの内周面と羽根車の外周面との間の領域、並びに吐出口の内部空間を、軸方向に分割して第1空気流路及び第2空気流路を形成する仕切壁と、 吸込口の半径方向内側及び羽根車の翼列の半径方向内側を通って軸方向に延びる分離筒であって、吸込口からスクロールハウジング内に吸入される空気の流れを、分離筒の外側を通る第1空気流と、分離筒の内側を通る第2空気流とに分割するように設けられ、かつ、第1空気流を半径方向外向きに転向して第1空気流路に案内するとともに、第2空気流を半径方向外向きに転向して第2空気流路に案内する出口側端部を有している、分離筒と、車両の外気を取り込むための少なくとも1つの外気導入口と、車両の内気を取り込むための少なくとも1つの内気導入口と、を有し、外気導入口から取り込んだ外気を分離筒の外側に流すとともに内気導入口から取り込んだ内気を分離筒の内側に流すことができるように構成された空気取入ハウジングと、スクロールハウジングと分離筒とを架橋する複数のリブとを備え、各リブは、軸方向に関して、スクロールハウジングの吸込口の入口端よりも分離筒の入口側端部に近い領域内を延びている、遠心送風機が提供される。
上記本発明の実施形態によれば、スクロールハウジングと分離筒とが複数のリブにより架橋されているため、分離筒が振動したときの分離筒とその周囲部品との間の相対変位を抑制することができる。また、各リブは、軸方向に関して、スクロールハウジングの吸込口の入口端よりも分離筒の入口側端部に近い領域内、つまり流速が速いスクロールハウジングの吸込口の外側の領域内を延びているため、吸込口に流入しようとする空気の流れをリブが妨げることを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る遠心送風機の子午断面を含む縦断面図である。 図1におけるII-II線に沿った概略断面図であって、リブの第1形態を示す断面図である。 リブの第2形態を示す図2と同様の概略断面図である。 リブの第3形態を示す図2と同様の概略断面図、並びに半径方向外側から見た側面図である。 リブの好適な角度位置を示す図2と同様の概略断面図である。 分離筒の外側においてスクロールハウジングの吸込口からスクロールハウジング内へと流入する空気の流れを示す概略図である。 分離筒を2つ以上の部分に分割した場合の構成を示す概略図である。 分離筒を2つ以上の部分に分割した場合の他の構成を示す概略図である。
以下に添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1及び図2は、車両用の空調装置の空気取入部及び遠心送風機の近傍の構造を示す断面図である。
遠心送風機1は、片吸込型の遠心送風機である。遠心送風機1は、羽根車2を有する。羽根車2は、その外周部分に、周方向に並んだ翼列3Aを形成する複数の翼3を有している。羽根車2は、モータ13により回転軸線Ax周りに回転駆動され、軸方向上側(軸方向一端側)から羽根車2の翼列の半径方向内側の空間に吸入した空気を、半径方向外側に向けて吹き出す。
なお、本明細書において、説明の便宜上、回転軸線Axの方向を軸方向または上下方向と呼び、図1及び図2の上側及び下側をそれぞれ「軸方向上側」及び「軸方向下側」と呼ぶ。しかしながら、このことによって、空調装置が実際に車両に組み込まれた場合に回転軸線Axの方向が鉛直方向に一致するものと限定されるわけではない。また、本明細書においては、特別な注記が無い限り、回転軸線Ax上の任意の点を中心として回転軸線Axと直交する平面上に描かれた円の半径の方向を半径方向と呼び、当該円の円周方向を周方向または円周方向と呼ぶ。さらに、図2〜図6に記載する「Fr」は車両前方を、「Rr」は車両後方を、「R」は車両右方を、そして「L」は車両左方を便宜的に示したものである。しかしながら、このことによって、遠心送風機の吐出口170から吹き出される空気が車両左右方向の右方に向けられたものと限定されるわけではない。
羽根車2は、当該羽根車2と一体成形された内側偏向部材9を含む。内側偏向部材9は、コーン部と呼ばれることもある。この内側偏向部材9は、幾何学的な意味における回転体であり、側周部10と、円板形の中央部11とを有している。中央部11において、モータ13の回転軸12が羽根車2に連結される。この例では、側周部10は、この側周部10の外周面の子午断面における輪郭線が、中央部11に近づくに従って急勾配となるように湾曲している。図示しない他の例では、側周部10は、この側周部10の外周面の子午断面における輪郭線が、中央部11から翼列3Aに向けて湾曲しない(断面が直線状である)場合もある。
羽根車2は、スクロールハウジング17の概ね円柱形の内部空間に収容される。スクロールハウジング17は、軸方向上側に開口する吸込口22と、吐出口170(図2〜図6を参照)とを有している。スクロールハウジング17を軸方向から見た場合、吐出口170はスクロールハウジング17の外周面の概ね接線方向に延びている。吐出口170は図1では見えない。
スクロールハウジング17は、当該スクロールハウジング17の外周壁17Aから半径方向内側に向けて延びる仕切壁20を有している。この仕切壁20は、スクロールハウジング17の内部空間のうちのスクロールハウジング17の内周面と羽根車2の外周面との間の領域を軸方向に(上下に)分割して、スクロールハウジング17の外周壁17Aに沿って周方向に延びる上側の第1空気流路18及び下側の第2空気流路19を形成する。
スクロールハウジング17内には、吸込口22を介して、分離筒14が挿入されている。分離筒14の上部の断面は概ね矩形である。分離筒14の中央部15から下部(出口側端部)16の断面は円形または概ね円形である。分離筒14の断面形状は、上部から中央部15に近づくに従って、矩形から円形に滑らかに推移する。分離筒14の下部16は、下端に近づくに従って拡径するフレア形状を有している。
分離筒14は、吸込口22の半径方向内側の空間を通り、羽根車2の翼列3Aの半径方向内側の空間4まで軸方向に延びている。分離筒14の上端開口は、スクロールハウジング17の外側(吸込口22よりも軸方向上側)に位置している。分離筒14の下端は、羽根車2の翼列3Aの半径方向内側の空間4内に位置している。
分離筒14は、スクロールハウジング17内に吸入される空気の流れを、分離筒14の外側の第1通路14Aを通る第1空気流と、分離筒14の内側の第2通路14Bを通る第2空気流とに分割する。第1空気流は、スクロールハウジング17の吸込口22のうちの分離筒14の外周面より外側のリング状領域を通り、羽根車2の翼列の上半部5(吸込口22に近い部分)に流入する。第2空気流は、分離筒14の上端から分離筒14の内側に入り、羽根車2の翼列の下半部6(吸込口22から遠い部分)に流入する。従って、スクロールハウジング17の吸込口22のうちの分離筒14の外周面より外側のリング状領域がスクロールハウジング17の第1吸入口、分離筒14の上端開口がスクロールハウジング17の第2吸入口、と見なすこともできる。
空調装置の空気取入部は、ハウジング21を有している。このハウジング21は、スクロールハウジング17と区別するために、「空気取入ハウジング」と呼ぶこととする。スクロールハウジング17と空気取入ハウジング21とは、一体成形されていてもよいし、別々に作製された後にネジ止め、接着、嵌め込み等の手法により連結されてもよい。スクロールハウジング17及び空気取入ハウジング21は空調装置ケーシングの一部を成す。
空気取入ハウジング21は、第1開口25、第2開口26、第3開口27及び第4開口28を有している。第1開口25及び第3開口27を介して、空気取入ハウジング21の内部空間23に、車室内空間29(詳細は図示せず)から、内気(車室内空気)を導入することができる。また、第2開口26及び第4開口28を介して、空気取入ハウジング21の内部空間23に、車両に備えられた外気導入路の出口30(詳細は図示せず)から、外気(車両外部から取り入れた空気)を導入することができる。
ドア31を回転軸31A周りに回転させることにより、第1開口25から空気取入ハウジング21内への空気(内気)の流入を許容または遮断することができる。ドア32を回転軸32A周りに回転させることにより、第2開口26から空気取入ハウジング21内への空気(外気)の流入を許容または遮断することができる。切換ドア33を回転軸33A周りに回転させて位置を切り替えることにより、第3開口27及び第4開口28のうちのいずれか一方を介して空気取入ハウジング21内へ空気(内気または外気)を流入させることができる。
第1開口25及び/又は第2開口26から空気取入ハウジング21内に導入された空気のほぼ全てが第1通路14Aを通るように、かつ、第3開口27及び/又は第4開口28から空気取入ハウジング21に導入された空気のほぼ全てが第2通路14Bを通るように、空気取入ハウジング21及び分離筒14が形成されている。
第1開口25、第2開口26、第3開口27及び第4開口28が配置される領域と分離筒14の上端との間において、空気取入ハウジング21内には、空気中のダスト、パーティクル等の汚染物質を除去するためのフィルタ35が設けられている。フィルタ35は、好ましくは単一のフィルタエレメントからなる。
図1には明確に示されていないが、分離筒14の上端部は、図1の紙面鉛直方向に拡げられており、前述したように平面視で概ね矩形である。この矩形の2つの短辺がこれらと対面する空気取入ハウジング21の壁体に連結されることにより(連結は、一体成形または接合による)、分離筒14の上端部が空気取入ハウジング21により拘束されている。分離筒14の上端部が空気取入ハウジング21により拘束されている点については、先行技術文献の項に記載した特許文献1、2と同様である。
複数(図1では2つ、図2では4つ)のリブ40Aが、スクロールハウジング17と分離筒14とを架橋している。各リブ40Aは、羽根車2の回転軸線Axの方向に関して、スクロールハウジング17の吸込口22の入口端221よりも分離筒14の入口側端部24に近い領域内を延びている。言い換えれば、各リブ40Aは、図1における吸込口22の入口端221を示す水平線よりも上側の領域内を延びており、入口端221を示す水平線よりも下側の領域内には存在しない。
このようなリブ40Aを設けることにより、分離筒14の中央部15から下部16にわたる領域とその周囲に位置する部品(スクロールハウジング17、羽根車2等)との間の相対的変位を防止または大幅に抑制することができる。これにより、例えば、分離筒14の下部16の先端と羽根車2の翼3との間の隙間を小さくしても、遠心送風機1全体または分離筒14が振動したときに、分離筒14と翼3とが衝突することを防止することができる。上記隙間を小さくすることにより、後述の二層流モードにおいて不具合をもたらしうる外気への内気の混合を抑制することができる。また、リブ40Aを設けることにより、分離筒14の外周面とスクロールハウジング17の吸込口22の周縁との間隔を設計値通りに維持することができるので、設計意図通りの遠心送風機の性能を得ることができる。
リブ40Aを設けた場合には、分離筒14の上端部付近での内気と外気の混合が回避できるのであれば、分離筒14の上端部を空気取入ハウジング21により拘束しなくてもよい。
分離筒14の一部(例えば分離筒14の下側部分)と、リブ40Aと、スクロールハウジング17の一部(例えばスクロールハウジング17の上部)を、樹脂射出成形技術を用いて一体成形することも好ましい。この場合、例えば、分離筒14の上側部分を、分離筒14の下側部分とは別個に製造し、接着または嵌め込み等の手法により分離筒14の下部と結合することができる。分離筒14は軸方向に長い薄肉の筒型部品であるため、樹脂射出成形時に歪みが生じやすい。上述したように分離筒14の上側部分と下側部分とを別個に製造することにより、分離筒14を構成する各部品が小型化されて歪みが抑制され、遠設計意図通りの遠心送風機の性能を確保することができる。
しかしながら、分離筒14、リブ40A及びスクロールハウジング17を別々に成形した後に、接着または嵌め込み等の結合手段により、相互に接合しても構わない。
各リブ40Aはそれぞれ、内端41、外端42、前縁43及び後縁44を有している。内端41は分離筒14に接続されており、外端42はスクロールハウジング17に接続されている。後縁44は分離筒14とスクロールハウジング17との間において、スクロールハウジング17の吸込口22に面して延びている。前縁43は分離筒14とスクロールハウジング17との間において、後縁44と反対側(吸込口22と反対側)に延びている。
用語「前縁」は、各リブ40Aの近傍を通過する空気の流れ方向に関して相対的に上流側にある各リブの縁を意味し、用語「後縁」は、各リブ40Aの近傍を通過する空気の流れ方向に関して相対的に下流側にある各リブの縁を意味する。なお、分離筒14の外側においてスクロールハウジング17の吸込口22に流入する空気の流れ(図6を参照)のベクトルは、羽根車2の回転方向と同方向の回転成分と、図6の紙面と垂直な方向の成分とを有している。
分離筒14の外側の吸込口22内を通過する空気の流速は大きい(速い)。このため、吸込口22内にリブ40Aを設けると、分離筒14の外側の吸込口22を通過する空気の流れが、実用上(性能、騒音等に関して)問題となる程度に妨げられる可能性がある。
本実施形態では、スクロールハウジング17の吸込口22の入口端221よりも分離筒14の入口側端部24に近い領域内を延びるように各リブ40Aを配置しているため、リブ40Aは吸込口22内を流れる空気の流れを妨害することはなく、また、吸込口22に流入しようとする空気の流れにリブ40Aが与える悪影響を抑制することができる。
吸込口22に流入しようとする空気の流れにリブが与える影響をさらに低減するために、図2に示すリブ40Aに代えて、図3に示すように傾斜したリブ40Bを設けてもよい。図3の各リブ40Bは、各リブ40Bの内端41が外端42よりも羽根車2の回転方向に進んだ角度位置にあるように、遠心送風機の子午断面に対して傾斜している。
リブの傾斜態様は図3に示したものに限定されない。すなわち、図4に示すリブ40Cのように、各リブ40Cの後縁44が前縁43よりも羽根車2の回転方向に進んだ角度位置にあるように、各リブ40Cを遠心送風機の子午断面に対して傾斜させてもよい。この場合も、吸込口22に流入しようとする空気の流れにリブ40Cが与える悪影響をさらに低減することができる。
また、図示はしないが、各リブの内端が外端よりも羽根車2の回転方向に進んだ角度位置にあるように、かつ、各リブの後縁が前縁よりも羽根車2の回転方向に進んだ角度位置にあるように、各リブを遠心送風機の子午断面に対して傾斜させてもよい。この場合も、吸込口22に流入しようとする空気の流れにリブが与える悪影響を一層低減することができる。
次に、遠心送風機の性能に与える悪影響をより抑制することができる好適なリブの配置位置について説明する。図5は好適なリブの配置位置を示す図であり、ここでは(第1番目の)リブ40D−1は、スクロールハウジング17の舌部17tに対応する位置にある。(第2番目の)リブ40D−2は、リブ40D−1から羽根車2の回転方向に角度θ1だけ進んだ位置にある。(第3番目の、本例では最後の)リブ40D−3は、リブ40D−2から羽根車2の回転方向に角度θ2だけ進んだ位置にある。リブ40D−3から羽根車2の回転方向に角度θ3だけ進んだ位置にはリブ40D−1がある。なお、本明細書において、各リブ40D−1〜40D−3を互いに区別する必要が無い場合には、単純にリブ40Dとも記載する。
遠心送風機1のスクロールハウジング17は、分離筒14の外側の吸込口22内を通過する空気の流量が、舌部17tの位置で最も小さく、羽根車2の回転方向に進むに従って大きくなるように設計されている。リブ40Dが設けられる吸込口22からやや離れた位置においても、空気の流量の分布は同様の傾向にある。吸込口22に流入しようとする空気の流れにリブが与える悪影響を抑制するには、空気流量の大きい区間におけるリブ40Dの配置密度を小さくすることが好ましい。つまり、軸方向から見て、最も空気の流量が少ない舌部17tの位置に第1番目のリブ40D−1を設け、かつ、上記角度θ1、θ2、θ3についてθ1<θ2<θ3の関係が成立するように、リブ40D−1,40D−2,40D−3を配置することが好ましい。
舌部17tの角度位置から羽根車2の回転方向と逆方向に90度進んだ角度位置までの角度範囲内は、分離筒14の外側の吸込口22内を通過する空気の流量が特に大きくなるために、リブ40Dが存在しないことが好ましい。つまり、図示例では、θ3>90度となるように(第3番目の、本例では最後の)リブ40D−3を配置することが好ましい。
上記の説明は3つのリブ40Dが設けられている場合について行ったが、3つ以上のリブ40Dが設けられている場合のリブ40Dの好適な配置は、下記のように一般化することができる。
(1)第1番目のリブから第N番目のリブ40DまでのN個(Nは3以上の自然数)のリブ40Dが羽根車2の回転方向に角度間隔を空けて順次配置され、第1番目のリブ40D−1は、スクロールハウジング17の舌部17tに対応する位置にあり、N個のリブ40Dのうちi番目のリブ40D−i(但しiは1以上N以下の自然数)とこのi番目のリブ40D−iに隣接するとともにこのi番目のリブ40Dから羽根車(2)の回転方向に進んだ位置にあるリブ40D−(i+1)との間の角度間隔は、iが大きくなるに従って大きくなる。
(2)舌部17tの角度位置から羽根車2の回転方向と逆方向に90度進んだ角度位置までの角度範囲に、リブ40Dが設けられていない。
なお、リブ40Dの数は任意ではあるが、リブ40Dは、分離筒14の外側の吸込口22内を通過する空気流の障害物となるので、あまり多くすることは好ましくない。またリブ40Dの数を増やすと遠心送風機1の製造コストも増大する。一方、リブ40Dの数が少なすぎると、リブ40Dによる分離筒14の拘束能力が低下する。これらのことを考慮すると、リブ40Dの数は2〜4個程度とすることが好ましい。
図5を参照して説明したリブの好適な配置は、図1〜図4の実施形態にも適用することができる。
各リブ(40A、40B、40C、40D)は、平坦なものに限定されず、湾曲していてもよい。
次に、図1及び図2に示す車両用空調装置の動作について説明する。
車両用空調装置の第1の動作モードでは、第2開口26及び第4開口28が開かれ、第1開口25及び第3開口27が閉じられる。この状態は図示されていない。この場合、第2開口26から導入された外気は、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、羽根車2の翼列3Aの上半部5に流入する第1空気流を形成する。また、第4開口28から導入された外気は、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、羽根車2の翼列の下半部6に流入する第2空気流を形成する。第1の動作モードは、外気モードと呼ばれることもある。
第2の動作モードでは、第2開口26及び第3開口27が開かれ、第1開口25及び第4開口28が閉じられる。この状態は図1及び図2に示されている。この場合、第2開口26から導入された外気AEは、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、羽根車2の翼列3Aの上半部5に流入する第1空気流を形成する。また、第3開口27から導入された内気ARは、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、羽根車2の翼列3Aの下半部6に流入する第2空気流を形成する。第2の動作モードは、内外気二層流モードと呼ばれることもある。
第3の動作モードでは、第1開口25及び第3開口27が開かれ、第2開口26及び第4開口28が閉じられる。この状態は図示されていない。この場合、第1開口25から導入された内気は、分離筒14の外側の第1通路14Aを通り、羽根車2の翼列3Aの上半部5に流入する第1空気流を形成する。また、第3開口27から導入された内気は、分離筒14の内側の第2通路14Bを通り、羽根車2の翼列3Aの下半部6に流入する第2空気流を形成する。第3の動作モードは、内気モードと呼ばれることもある。
第2の動作モード(内外気二層流モード)は、特に冬季または比較的気温が低い時期に、車室内が冷えている状態からフロントウインドウの曇りを防止しつつ速やかに車室内を暖める暖房運転を行う際に用いられる。この暖房運転が自動制御により行われるときには、暖房開始後しばらくの間は、外気AEが車室のデフロスタ吹出口(図示せず)からフロントウインドウ(図示せず)に吹き付けられ、内気ARが車室のフット吹出口(図示せず)から乗客の足元に向けて吹き出される。
第2の動作モード(内外気二層流モード)が実行されるときには、羽根車2の翼列3Aの上半部5に流入する外気AEが第1空気流路18を介してデフロスタ吹出口に供給され、羽根車2の翼列3Aの下半部6に流入する内気ARが第2空気流路19を介してフット吹出口に供給される。このとき、高湿度の内気ARがデフロスタ吹出口に供給される外気AEに混入すると、フロントウインドウの曇りという安全上問題となる事象が生じうる。また、低温の外気AEがフット吹出口に供給される内気ARに混入すると、乗客に不快感を与える要因となり得る。従って、第2の動作モードが実行されるときには、外気AEの全てが第1空気流路18に流入し、かつ、内気ARの全てが第2空気流路19に流入することが望ましい。
なお、第1及び第3の動作モードの実行時には、内気のみまたは外気のみが用いられるため、第2の動作モードの実行時ほどには、内気と外気の混合回避に関する厳しい要求は無い。リブ(40A〜40D)を設けることにより分離筒14の下端と羽根車2の翼3との間の隙間を小さくできることは、特に第2の動作モード時における内外気の分離性能の向上に寄与する。
図7A及び図7Bは、分離筒14の下側部分と、リブ(40A〜40D)と、スクロールハウジング17の上部とを、樹脂射出成形技術を用いて一体成形する場合において、分離筒14の下側部分と別個に製造された分離筒14の上側部分を、分離筒14の下側部分に結合する結合構造を概略的に示している。
図7Aでは、分離筒14の上側部分14Dが、分離筒14の下側部分14Cの中に嵌め込まれている。このようにすることにより、結合部で、分離筒14の外側を流れる外気が分離筒14の内側を流れる内気に混合される可能性はあるが、分離筒14の内側を流れる内気が分離筒14の外側を流れる外気に混合される可能性はない。
図7Bでは、分離筒14の上側部分14Eにリング状の受入部14Fが設けられ、受入部14Fに分離筒14の下側部分14Cの上端が挿入されている。このようにすることにより、結合部で、分離筒14の外側を流れる外気と分離筒14の内側を流れる内気とが混合されることを防止することができる。
1 遠心送風機
2 羽根車
Ax 回転軸線
3 翼
3A 周方向翼列
13 モータ
14 分離筒
16 分離筒の出口側端部(下部)
17 スクロールハウジング
17t スクロールハウジングの舌部
18 第1空気流路
19 第2空気流路
20 仕切壁
21 空気取入ハウジング
22 スクロールハウジングの吸込口
221 吸込口の入口端
24 分離筒の入口側端部
26、28 外気導入口(開口)
25、27 内気導入口(開口)
40A,40B,40C、40D リブ
41 リブの内端
42 リブの外端
43 リブの前縁
44 リブの後縁
AE 外気
AR 内気

Claims (5)

  1. 車両用の片吸込型の遠心送風機(1)であって、
    モータ(13)と、
    周方向翼列(3A)を形成する複数の翼(3)を有し、前記モータによって回転軸線(Ax)周りに回転駆動されて、軸方向の一端側から前記翼列(3A)の半径方向内側の空間に吸入した空気を、半径方向外側に向けて吹き出す羽根車(2)と、
    前記羽根車を収容する内部空間と、前記軸方向の一端側に開口する吸込口(22)と、周方向に開口する吐出口(170)と、を有するスクロールハウジング(17)と、
    前記スクロールハウジング(17)の前記内部空間のうちの前記スクロールハウジング(17)の内周面と前記羽根車(2)の外周面との間の領域、並びに前記吐出口(170)の内部空間を、前記軸方向に分割して第1空気流路(18)及び第2空気流路(19)を形成する仕切壁(20)と、
    前記吸込口の半径方向内側及び前記羽根車(2)の前記翼列の半径方向内側を通って前記軸方向に延びる分離筒(14)であって、前記吸込口(22)から前記スクロールハウジング(17)内に吸入される空気の流れを、分離筒の外側を通る第1空気流と、前記分離筒の内側を通る第2空気流とに分割するように設けられ、かつ、前記第1空気流を半径方向外向きに転向して前記第1空気流路(18)に案内するとともに、前記第2空気流を半径方向外向きに転向して前記第2空気流路(19)に案内する出口側端部(16)を有している、分離筒(14)と、
    車両の外気を取り込むための少なくとも1つの外気導入口(26,28)と、車両の内気を取り込むための少なくとも1つの内気導入口(25,27)と、を有し、前記外気導入口(26,28)から取り込んだ外気を前記分離筒(14)の外側に流すとともに前記内気導入口(25,27)から取り込んだ内気を前記分離筒(14)の内側に流すことができるように構成された空気取入ハウジング(21)と、
    前記スクロールハウジング(17)と前記分離筒(14)とを架橋する複数のリブ(40A,40B,40C,40D)と
    を備え、
    前記各リブ(40A,40B,40C,40D)は、前記吸込口(22)の外側の領域であって、かつ、前記軸方向に関して、前記スクロールハウジング(17)の前記吸込口(22)の入口端(221)よりも前記分離筒(14)の入口側端部(24)に近い領域内を延びている、遠心送風機。
  2. 前記各リブ(40B)は、内端(41)及び外端(42)を有し、前記各リブ(40B)は前記内端(41)を介して前記分離筒(14)に接続され、前記各リブ(40B)は前記外端(42)を介して前記スクロールハウジング(17)に接続され、
    前記各リブ(40B)において、前記内端(41)が前記外端(42)よりも前記羽根車(2)の回転方向に進んだ角度位置にある、請求項1記載の遠心送風機。
  3. 前記各リブ(40C)は、前縁(43)及び後縁(44)を有し、前記後縁(44)は、前記吸込口(22)に面して前記分離筒(14)と前記スクロールハウジング(17)との間に延び、前記前縁(43)は、前記吸込口(22)と反対側で前記分離筒(14)と前記スクロールハウジング(17)との間に延び、
    前記各リブ(40C)において、前記後縁(44)が前記前縁(43)よりも前記羽根車(2)の回転方向に進んだ角度位置にある、請求項1記載の遠心送風機。
  4. 前記複数のリブ(40D)として、前記羽根車(2)の回転方向に角度間隔を空けて順次配置された第1番目のリブから第N番目のリブまでのN個(Nは3以上の自然数)のリブを備え、前記第1番目のリブは、前記スクロールハウジング(17)の舌部(17t)に対応する角度位置にあり、前記N個のリブのうちi番目のリブ(但しiは1以上N以下の自然数)とこのi番目のリブに隣接するとともにこのi番目のリブから前記羽根車(2)の回転方向に進んだ角度位置にあるリブとの間の角度間隔は、iが大きくなるに従って大きくなる、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の遠心送風機。
  5. 前記舌部(17t)の角度位置から前記羽根車(2)の回転方向と逆方向に90度進んだ角度位置までの角度範囲に前記リブが設けられていない、請求項4記載の遠心送風機。
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