JP2004131921A - ソフトストレッチ糸および製造方法ならびに布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、従来問題となっていた締め付け感の強さや布帛の粗硬化の問題を解決し、従来よりソフトストレッチ性に優れた布帛を提供できるソフトストレッチ糸および製造方法ならびに布帛を提供するものである。
【解決手段】2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸であって、ウースター斑が2.0%以下、糸の50%伸長に対する応力が30×10-3cN/dtex以下、回復率が60%以上を同時に満たすことを特徴とするソフトストレッチ糸。
【選択図】 図7

Description

 本発明は、優れた捲縮発現能力により布帛にソフトストレッチ性を与えることのできるソフトストレッチ糸および製造方法ならびに布帛に関するものである。
 合成繊維布帛は天然繊維布帛や半合成繊維布帛に比べ、耐久性、イージーケア等の点で優れており広く使用されている。しかしながら、天然繊維布帛や半合成繊維布帛に比べると、審美性や風合い等に劣るため従来より様々な改良が加えられてきた。これらの改良を総合することで、合成繊維であっても高度な質感を有する布帛が開発され、“新合繊”の名称で普及している。この“新合繊”は、合成繊維布帛の製造において、製糸技術の高度化と布帛を作る高次加工技術の進歩の双方により得られた、従来の合成繊維布帛とは全く異なる新しい高質感が市場に受け入れられたものである。しかし、この“新合繊”をもってしても天然繊維布帛や半合成繊維布帛の審美性や風合いには及ばず、また商品の一巡により、さらに新規な高質感の商品が求められ、見た目の変化や機能性などに一層の向上が切望されていた。
 この課題に対して、例えば表面変化のある布帛を得る手段として、先撚り仮撚加工した糸を使用する方法があるが、新規な表面感を得るには不充分であり、しかもコストが高騰してしまう問題があった。また、撚糸するため布帛にストレッチ性を付与できない問題があった。また、布帛にストレッチ性を付与するためにはポリウレタン系弾性糸を混用する方法があるが、これは非常にコストが高く、またポリエステル等の汎用合成繊維と一緒に用いると分散染料に染まらないため染色時のくすみとなったり、耐熱性が劣るため布帛表面荒れや粗硬化の問題があった。
 このため、ポリウレタン系繊維や仮撚加工糸を用いない方法として、ポリマーのサイドバイサイド複合を利用したポリエステル繊維が種々提案されている。
 例えば、特公昭44−2504号公報や特開平4−308271号公報には固有粘度差あるいは極限粘度差を有するポリエチレンテレフタレート(PET)のサイドバイサイド複合糸、特開平5−295634号公報にはホモPETとそれより高収縮性の共重合PETのサイドバイサイド複合糸が記載されている。このような潜在捲縮発現性ポリエステル繊維を用いれば、たしかにある程度のストレッチ性を得ることはできるが、布帛を伸長させた場合の発生応力が高い、すなわち締め付け感が強く硬い布帛となってしまい、伸長に対する回復性を十分発揮させることができなかった。これは、該公報で採用しているような大きな粘度差あるいは収縮率差を有するPETの組み合わせのサイドバイサイド複合糸では、捲縮の伸長に対する抵抗力が大きいためであることを本発明者らは突き止めた。さらに、上記したようなサイドバイサイド複合糸は織物拘束中での捲縮発現能力が低い、あるいは捲縮が外力によりヘタリ易い問題があった。サイドバイサイド複合糸はポリウレタン系繊維のようにポリマー基質によるストレッチ性を利用しているわけではなく、複合ポリマー間の収縮率差が大きいポリマーが内側に入ることによる捲縮発現をストレッチ性に利用している。このため、例えば、織物拘束のようにポリマーの収縮が制限される状態で熱処理を受けるとそのまま熱固定され、それ以上の収縮能を失うため上記問題が発生すると考えられる。
 また、若干のストレッチ性を有するポリエステルであるポリプロピレンテレフタレート(PPT)やポリブチレンテレフタレート(PBT)を利用したサイドバイサイド複合糸(特許文献1)も提案されているが、該特許文献1の実施例15には伸長パワーが大きいことが記載されており、実際、熱処理された平織りの仕上げ番手数から推定すると、実験番号XV−dでは30%伸長に対する発生応力は60×10-3cN/dtex以上とかなり大きく、やはり締め付け感が強いものであった。さらに、本発明者らが追試を行ったところ、ウースター斑(U%)が悪く、布帛にした際の染め斑が大きくなる欠点を有していた。
特公昭43−19108号公報
 本発明は、従来のサイドバイサイド複合糸で問題となっていた締め付け感の強さや布帛粗硬化の問題、糸斑による問題を解決し、従来よりソフトストレッチ性、均一染色性に優れた布帛を提供できるソフトストレッチ糸および製造方法ならびに布帛を提供するものである。
 上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸であって、ウースター斑が2.0%以下、糸の50%伸長に対する応力が30×10-3cN/dtex以下、回復率が60%以上を同時に満たすことを特徴とするソフトストレッチ糸。
(2)2種のポリエステルが、ポリプロピレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする前記(1)記載のソフトストレッチ糸。
(3)強度が2.2cN/dtex以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のソフトストレッチ糸。
(4)糸の50%伸長に対する回復率が70%以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
(5)糸の50%伸長に対する応力が10×10-3cN/dtex以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
(6)強度が2.2cN/dtex以上、収縮応力が0.25cN/dtex以上であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
(7)2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸し、一旦巻き取り、これを延伸機を用い、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットすることを特徴とするソフトストレッチ糸の製造方法。
(8)2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸した後、一旦巻き取ることなく紡糸直接延伸法により、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットを行った後巻き取ることを特徴とするソフトストレッチ糸の製造方法。
(9)複合糸の溶融粘度比が1.0〜2.5であることを特徴とする前記(7)または(8)に記載のソフトストレッチ糸の製造方法。
(10)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のソフトストレッチ糸と沸騰水収縮率が10%以下の低収縮糸が混繊されていることを特徴とするソフトストレッチ混繊糸。
(11)前記(1)〜(6)および前記(10)のいずれかに記載のソフトストレッチ糸を少なくとも用いてなることを特徴とする布帛。
(12)天然繊維および/または半合成繊維が混用されていることを特徴とする前記(11)に記載の布帛。
 本発明により、従来問題となっていた締め付け感の強さや布帛の粗硬化の問題を解決し、従来よりソフトストレッチ性に優れた布帛を提供できるソフトストレッチ糸および製造方法ならびに布帛を提供するものである。
 本発明において、ソフトストレッチ性を達成するためには、糸の伸長に対する抵抗力が低く、また伸長に対する回復率が高いことが重要であり、この特性は糸を50%伸長させた時の応力と強伸度曲線ヒステリシスにおける回復率で評価することが可能である(図1)。実際には、まず、糸をかせ取りし、実質的に無荷重の状態で沸騰水中に15分間、引き続いて風乾後乾熱180℃で15分間熱処理を行う。そして、この熱処理糸を自動引っ張り試験機を用い、糸に4.4×10-3cN/dtex(5mgf/d)の初期張力をかけておき、そこから糸を引っ張り速度100%/分で50%伸長させ、すぐに折り返して同速度で伸長率0%まで戻し、ヒステリシス曲線を描かせる(図1)。そして、初期張力を基準とした最高到達応力を50%伸長に対する応力とする。回復率は図1において、回復率(%)=[(50−a)/50]×100%で計算する。ここで、aとはヒステリシス曲線の回復過程において発生応力が初期張力となる点の伸長率である。
 本発明のソフトストレッチ糸では、糸の50%伸長に対する応力は30×10-3cN/dtex以下であることが重要であり、これにより良好なソフトストレッチ性が得られ、締め付け感がなく柔らかな布帛を得ることができるのである。一方、従来のサイドバイサイド複合糸では糸の50%伸長に対する応力は非常に高く50×10-3cN/dtexを超えるため、締め付け感が強く、粗硬感の強い布帛しか得られないのである。糸の50%伸長に対する応力は、好ましくは10×10-3cN/dtex以下である。また、充分なストレッチ性を得るためには糸の50%伸長に対する回復率は60%以上であることが重要である。回復率は好ましくは70%以上である。
 また、熱処理した後のソフトストレッチ糸の捲縮の直径が250μm以下であれば、ソフトストレッチ性が発現しやすく、さらに布帛にした際、布帛表面の荒れが抑制され品位の高い布帛を得ることができ好ましい。ソフトストレッチ糸の捲縮の直径はより好ましくは200μm以下である。
 また、捲縮の位相が単糸間で揃っていると、布帛にした際、細かなシボが立ち美しい表面の布帛を得ることができる。一方、捲縮の位相が単糸間でズレていると、プレーンな表面の布帛になり易く、滑り性が良い布帛とすることができる。
 また、荷重フリーでの捲縮伸長率(E0)が50%以上であれば、さらにストレッチ性が向上し好ましい。ここで、捲縮伸長率とは捲縮の程度を示す指標であり、捲縮伸長率の値が高いほど捲縮の程度が高くストレッチ性も向上するものである。E0は荷重フリーでの捲縮の程度を反映するが、本発明のソフトストレッチ糸を強撚糸としたり織物とした場合には、強撚による拘束や織り組織による拘束力が働き捲縮が発現し難くなる場合がある。そのため、荷重下での捲縮伸長率も重要であり、この特性は3.5×10-3cN/dtexの荷重を掛けた場合の捲縮伸長率(E3.5)で見積もることが可能である。本発明のソフトストレッチ糸ではE3.5は好ましくは10%以上である。一方、特開平11−81069号公報等に記載されているポリエチレンテレフタレート系サイドバイサイド複合糸ではE3.5は0.5%程度であり、強撚糸や織物とした場合は捲縮が発現し難くストレッチ性に乏しいものとなってしまう。
 また、強撚や織物の拘束に打ち勝って捲縮発現するためには収縮応力も重要であり、収縮応力の極大値が0.25cN/dtex(0.28gf/d)以上であることが好ましい。より好ましくは収縮応力の極大値は0.30cN/dtex(0.34gf/d)以上である。また、収縮応力の極大を示す温度が110℃以上であることが好ましい。
 また、糸の初期引っ張り抵抗度は60cN/dtex以下であれば、より布帛が柔らかとなり好ましい。糸の初期引っ張り抵抗度はより好ましくは50cN/dtex以下である。
 さらに、布帛の高次加工工程において、過度に布帛が収縮すると粗硬化してしまうため、ソフトストレッチ糸の乾熱収縮率は20%以下であることが好ましい。
 本発明では、糸の繊度斑(太さ斑)の指標であるウースター斑は2.0%以下であることが重要である。これにより、布帛の染め斑の発生を回避できるのみならず、布帛にした際の糸の収縮斑を抑制し、美しい布帛表面を得ることができるのである。ウースター斑は好ましくは1.2%以下である。
 また、ソフトストレッチ糸の高次加工工程の通過性、布帛にした際の引き裂き強力を確保する点からソフトストレッチ糸の強度は2.2cN/dtex(2.5gf/d)以上であることが好ましい。強度はより好ましくは3.0cN/dtex(3.4gf/d)以上である。さらに、糸の取り扱い性の点からソフトストレッチ糸の伸度は20〜45%とすることが好ましい。
 本発明のソフトストレッチ糸の構成は、2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸であって、特にポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)とポリプロピレンテレフタレート(以下PPTと略す)からなるサイドバイサイド複合糸や偏芯芯鞘複合糸とすると、糸の50%伸長に対する応力を低下させ易く、また同時に回復率を向上させ易く好ましい。さらに、2つのポリマーの溶融粘度差を大きく取ると、糸の50%伸長に対する回復率や捲縮伸長率等のストレッチ特性が向上し好ましい。また、捲縮の内側にPPTが配置される様にすると、よりストレッチ性が向上し好ましいのである。
 また、ポリマーの複合比についても何等限定されるものではないが、捲縮発現性の点から3/7〜7/3までとすることが好ましい。より好ましくは4/6〜6/4、さらに好ましくは5/5である。
 なお、本発明でいうPETとは酸性分としてテレフタル酸、ジオール成分としてエチレンジオールを用いた重縮合体、PPTとは酸性分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,3−プロパンジオールを用いた重縮合体である。また、ジオール成分および酸成分の一部が各々15mol%以下の範囲で他の共重合可能な成分で置換されたものであってもよい。共重合成分がポリエチレングリコールの場合は15重量%以下である。また、これらは他ポリマ、艶消剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料などの添加物を含有していてもよい。
 ただし、複合させるポリマーの溶融粘度差が過度に大きくなるといわゆる糸曲がりの発生のため紡糸性が著しく低下してしまう。このため、特開平11−43835号公報記載のような挿入式の複雑な口金(図2(b))を用いる必要があり、パックや口金内でのポリマーの異常滞留発生のため、製糸性が著しく低下してしまう場合がある。そこで、2種のポリマーの溶融粘度比を逆に小さくすれば、単純な平行合流複合口金(図2(a))を用いても繊維学会誌、vol.54、P−173(1998)記載のような口金でのポリマー曲がりによる紡糸性低下の問題を回避することができる。このような溶融粘度の組み合わせは操業性を大幅に改善することができるという利点を持つのである。好ましくは溶融粘度比は1.0〜2.5である。ここで溶融粘度比とは下記式で定義されるものである。溶融粘度の測定条件はポリエステルの通常の溶融紡糸条件に合わせ、温度280℃、歪み速度6080sec-1とした。
  溶融粘度比=V1/V2
V1:溶融粘度が相対的に大なるポリマーの溶融粘度値(poise)
V2:溶融粘度が相対的に小なるポリマーの溶融粘度値(poise)
本発明において繊維断面形状は何等限定されるものではないが、例えば図3のような断面形状が考えられる。このうち、捲縮発現性と風合いのバランスが取れているものは丸断面の半円状サイドバイサイドであるが、ドライ風合いを狙う場合は三角断面、軽量、保温を狙う場合は中空サイドバイサイド等用途に合わせて適宜断面形状を選択することができる。
 本発明のソフトストレッチ糸の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば以下のようにして製造することができる。
 まず、本発明のソフトストレッチ糸の製造方法の第1の好ましい様態として、従来の紡糸、延伸2工程法による方法を説明する。すなわち、溶融粘度比が1.0〜2.5である2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸し、一旦巻き取り、これをホットローラーを有する延伸機を用い、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットする方法である。以下に、図面を用いて具体的に説明をする。図4において、溶融されたポリエステルはフィルター2で濾過され口金3から紡糸される。そして、紡出された糸条は冷却装置により冷却され、給油装置6で給油が施された後、必要に応じてエアノズルにより交絡が付与され、第1引き取りローラー(1GD)8、第2引き取りローラー(2GD)9により引き取られた後、ワインダー10により巻き取られる。ここで、1GD8の周速度が紡糸速度となる。次に、巻き取られた未延伸糸11は延伸装置により延伸、熱セットが施されるが、例えば図5では、未延伸糸11はフィードローラー(FR)12から送り出された後、第1ホットローラー(1HR)13により予熱され、1HR13と第2ホットローラー(2HR)14の間で延伸が施される。そして、2HR14で熱セットされた後、コールドローラー15を経て延伸糸16として巻き取られる。
 ここで、複合ポリマーの組み合わせとしては、溶融粘度比が1.0〜2.5であれば紡糸性が向上するが、一方のポリエステルをPPTあるいはPBTとするとソフトストレッチ性を発揮させやすく好ましい。より好ましくはPPTである。また、糸斑を抑制するためには、紡糸温度や紡糸速度の選定が重要である。PPTはPETに比べ融点が30〜35℃程度低いため、紡糸温度をPETの通常の紡糸温度より低く、250〜280℃の設定することが好ましい。これにより、PPTの熱劣化や過度の粘度低下を抑制でき、糸強度の低下を防ぎ、また糸斑を減少できるのである。紡糸温度はより好ましくは255〜275℃である。さらに、紡糸速度が1200m/分以上とすることにより、紡糸での冷却過程が安定し、糸揺れや糸の固化点の変動が大幅に抑制され、それ以下の速度で紡糸した糸に比べ糸斑を大幅に抑制できるのである。また、これにより糸強度を高くできる利点もある。ただし、紡糸速度が3000m/分程度ではソフトストレッチ糸のストレッチ特性が低下する場合があり、避けることが好ましい。ところが、紡糸速度5000m/分以上では逆にストレッチ特性が向上するため、高速紡糸を採用することも好ましい。
 延伸、熱セットに際しては、PPTはPETに比べガラス転移温度や融点が低く耐熱性に劣ることを考慮することが好ましい。特に糸斑を抑制するためには、延伸温度の選定が重要であり、延伸温度は50〜80℃とすることが好ましい。これにより、1HR13上での糸の過度の結晶化や熱劣化が抑制される。そのため糸揺れや、延伸点の変動による糸斑、さらに糸切れも減少し、糸強度も向上するのである。延伸温度は好ましくは65〜75℃である。また、延伸糸の乾熱収縮率を低下させるため、延伸に引き続いて熱セットを行うが、熱セット装置としてホットローラーを用いた場合は120〜160℃、熱板を用いた場合は110〜180℃、程度とすると収縮率を20%以下とできるため好ましい。また、熱セット装置として熱板を用いると、分子鎖が緊張された状態で熱セットできるため糸の収縮応力を高くすることが可能であり、好ましい。さらに、本発明のソフトストレッチ性を発現させるためには延伸倍率が重要であり、延伸糸伸度で20〜45%となるよう設定することが好ましい。これにより過度の高倍率延伸による延伸過程での断糸の発生、ソフトストレッチ性の低下、布帛形成過程での断糸の発生を抑制し、さらに低倍率延伸によるストレッチ性の低下、布帛形成過程でのパーンヒケ等のトラブルを回避することが可能となるのである。延伸倍率の設定は、より好ましくは延伸糸伸度で25〜35%である。
 次に、本発明のソフトストレッチ糸の製造方法の第2の好ましい様態として、紡糸した糸を一旦巻き取ることなく延伸する紡糸直接延伸法による方法を説明する。すなわち、2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸した後、一旦巻き取ることなく紡糸直接延伸法により、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットを行った後巻き取る製造方法である。以下に、図面を用いて具体的に説明をする。図8において、溶融されたポリエステルはフィルター2で濾過され口金3から紡糸される。そして、紡出された糸条は冷却装置により冷却され、給油装置6で給油が施された後、必要に応じてエアノズルにより交絡が付与され、第1ホッロネルソンローラー(1HNR)17により引き取られ、予熱された後、第2ホットネルソンローラー(2HNR)18との間で延伸が施され、さらに2HNR18で熱セットされた後、ワインダー10により巻き取られる。ここで、1HNR17の周速度が紡糸速度、1HNR17の温度が延伸温度、2HNR18の温度が熱セット温度となる。
 ここで、複合ポリマーの組み合わせとしては、溶融粘度比が1.0〜2.5であれば紡糸性が向上するが、一方のポリエステルをPPTあるいはPBTとするとソフトストレッチ性を発揮させやすく好ましい。より好ましくはPPTである。また、糸斑を抑制するためには、紡糸温度や紡糸速度の選定が重要である。PPTはPETに比べ融点が30〜35℃程度低いため、紡糸温度をPETの通常の紡糸温度より低く、250〜280℃の設定することが好ましい。これにより、PPTの熱劣化や過度の粘度低下を抑制でき、糸強度の低下を防ぎ、また糸斑を減少できるのである。紡糸温度はより好ましくは255〜275℃である。さらに、紡糸速度が1200m/分以上とすることにより、紡糸での冷却過程が安定し、糸揺れや糸の固化点の変動が大幅に抑制され、それ以下の速度で紡糸した糸に比べ糸斑を大幅に抑制できるのである。また、これにより糸強度を高くできる利点もある。ただし、紡糸速度が3000m/分程度ではソフトストレッチ糸のストレッチ特性が低下する場合があり、避けることが好ましい。ところが、紡糸速度5000m/分以上では逆にストレッチ特性が向上するため、高速紡糸を採用することも好ましい。
 延伸、熱セットに際しては、PPTはPETに比べガラス転移温度や融点が低く耐熱性に劣ることを考慮することが好ましい。特に糸斑を抑制するためには、延伸温度の選定が重要であり、延伸温度は50〜80℃とすることが好ましい。これにより、1HNR17上での糸の過度の結晶化や熱劣化が抑制される。そのため糸揺れや、延伸点の変動による糸斑、さらに糸切れも減少し、糸強度も向上するのである。延伸温度は好ましくは65〜75℃である。また、延伸糸の乾熱収縮率を低下させるため、延伸に引き続いて熱セットを行うが、熱セット温度は120〜160℃とすると収縮率を20%以下とできるため好ましい。さらに、本発明のソフトストレッチ性を発現させるためには延伸倍率が重要であり、延伸糸伸度で20〜45%となるよう設定することが好ましい。これにより過度の高倍率延伸による延伸過程での断糸の発生、ソフトストレッチ性の低下、布帛形成過程での断糸の発生を抑制し、さらに低倍率延伸によるストレッチ性の低下、布帛形成過程でのトラブルを回避することが可能となるのである。延伸倍率の設定は、より好ましくは延伸糸伸度で25〜35%であるこのように、紡糸、延伸2工程法に代えて紡糸直接延伸法を採用すると、製造プロセスが効率化され低コスト化が可能となるメリットがあるが、さらにソフトストレッチ糸の捲縮の位相がランダムになりやすく、特に糸を無撚りで用いる場合には布帛中での糸の収縮がランダムに発生し、結果的にプレーンで滑り性の良い布帛が得られやすいメリットがある。
 次に、本発明のソフトストレッチ糸の製造方法の第3の好ましい様態として、図9において、口金3と1GD8間の紡糸線上に非接触ヒーター19を設け、紡糸速度4000m/分以上の高速紡糸とすることにより、非接触ヒーター19中で空気抵抗により自動的に延伸が発生した後、熱セットが施される簡略化された紡糸直接延伸法を採用することも可能である。この時は、糸が非集束状態で非接触ヒーター中を通過するため、単糸間でばらばらに延伸、熱セットが施され、上記したホットローラー型の紡糸直接延伸法の時よりもさらにソフトストレッチ糸の捲縮の位相がランダムになりやすく好ましい。
 次に、本発明のソフトストレッチ糸の製造方法の第4の好ましい様態として、図4において、紡糸速度を5000m/分以上とすることにより、口金3と1GD8の間で空気抵抗により自動的に延伸が発生し、糸条自身の持つ熱によって熱セットが施される、さらに簡略化された製造方法を採用することも可能である。
 ところで、本発明のソフトストレッチ糸は、100ターン/m以上の撚糸をかけると捲縮の位相が揃いやすく、布帛の状態でもストレッチ性が発現しやすく好ましい。また、一般に、サイドバイサイド複合糸を強撚糸とすると、捲縮発現が不良となりストレッチ性が低下するのであるが、本発明のソフトストレッチ糸ではE3.5が従来のPET系サイドバイサイド複合糸に比べ大幅に高いため、強撚糸としても充分なストレッチ性が発現するのである。なお、ここでいう強撚とは撚り係数5000以上の撚糸を施すことをいい、糸の繊度が56dtexの場合は撚り数が700ターン/m以上となる。撚り係数は撚り数(ターン/m)と繊度(dtex×0.9)の平方根の積で定義されるものである。
 また、本発明のソフトストレッチ糸は無撚りで用いることも可能であり、この場合は、糸条の単糸間で捲縮の位相がずれていると織物の表面がプレーンになり、例えば滑り性に優れたストレッチ裏地等に利用可能となる。さらに、捲縮が揃っている場合に比べ嵩高性が高くなる点もメリットの一つである。
 また、本発明のソフトストレッチ糸は、編み物に用いると、従来の編み物では得られなかったソフトストレッチ性を有する、優れたストレッチ編み物とすることができる。特に編み物では高次加工工程で拘束力が弱い状態で布帛が収縮するため、捲縮による収縮も含めた見掛け収縮が大きく入り編み目が詰まるため、ストレッチ糸を用いた場合に布帛が粗硬化しやすい。そのため、編み物では糸自体の持つソフトストレッチ性は特に重要なパラメータであり、本発明のソフトストレッチ糸を用いることにより従来では到底得られなかったソフトストレッチ編み物を得ることができるのである。また、捲縮の位相が揃ったソフトストレッチ糸を用いると編み目間に細かな捲縮が発生しやすく細かなシボが立ち、審美性の高い編み地を得ることができる。
 さらに、本発明のソフトストレッチ糸は沸騰水収縮率が10%以下のポリエステルやナイロンからなる低収縮糸と混繊して用いると、さらにソフト感が増すのみならず、ふくらみ感や反発感も向上し、好ましい。低収縮糸がソフトストレッチ糸の比較的外周に存在すると、クッションの役目を果たしさらにソフト感が向上し、またマルチフィラメントとしての糸径が大きくなるためふくらみ感が向上するのである。このため、低収縮糸の沸騰水収縮率は低い方が有利であり、好ましくは沸騰水収縮率はより好ましくは4%以下、さらに好ましくは0%以下である。また、低収縮糸の初期引っ張り抵抗度も低い方が有利であり、好ましくは50cN/dtex以下である。さらに、低収縮糸は単糸繊度が細い方がよりソフト感が向上するため、単糸繊度は好ましくは2.5dtex以下、より好ましくは1.0dtex以下である。
 また、本発明のソフトストレッチ糸を天然繊維および/または半合成繊維と混用して用いると、天然繊維や半合成繊維の持つ、吸放湿性や接触冷感、反発性等の優れた風合いを損なうことなくストレッチ性を付加することができ好ましい。ここでいう混用とは、混繊や交織、交編等を意味するものである。ソフトストレッチ糸の持つ特性と天然繊維や半合成繊維の風合いをバランスさせるためには、天然繊維および/または半合成繊維のトータル重量が布帛重量の10〜90%であることが好ましい。
 本発明のソフトストレッチ糸は、靴下、シャツ、ブラウス、カーディンガン、パンツ、スカート、ワンピース、スーツ、ブルゾン、裏地等に好適に用いることができる。
 以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
A.糸の50%伸長に対する応力および回復率
 まず、糸をかせ取りし、実質的に無荷重の状態で沸騰水中に15分間、引き続いて風乾後乾熱180℃で15分間熱処理を行う。そして、この熱処理糸を自動引っ張り試験機を用い、糸に4.4×10-3cN/dtex(5mgf/d)の初期張力をかけておき、そこから糸を引っ張り速度100%/分で50%伸長させ、すぐに折り返して同速度で伸長率0%まで戻し、ヒステリシス曲線を描かせる(図1)。そして、初期張力を基準とした最高到達応力を50%伸長に対する応力とする。回復率は図1において、回復率(%)=[(50−a)/50]×100%で計算する。ここで、aとはヒステリシス曲線の回復過程において発生応力が初期張力となる点の伸長率である。
B.捲縮伸長率(図6)
  捲縮伸長率(%)=[(L1−L2)/L1]×100%
L1:繊維かせを沸騰水処理15分間した後、さらに180℃乾熱処理15分間した後、180×10-3cN/dtex荷重を吊した時のかせ長
L2:L1測定後、吊す荷重を180×10-3cN/dtex(0.2gf/d)から0.9×10-3cN/dtex(1mgf/d)に代えた時のかせ長
0:荷重フリー(処理荷重無し)で熱処理した時の捲縮伸長率
3.5:3.5×10-3cN/dtex(4mgf/d)荷重下で熱処理した時の捲縮伸長率
C.捲縮径
 実施例、比較例で得られた糸のE0測定後の糸をなるべく力が加わらない状態でサンプリングし、それを走査型電子顕微鏡で観察した(図7)。そして、捲縮を100個ランダムに選択し直径(外径)を測定し、それの平均値を捲縮径とした。
D.ウースター斑(U%)
 Zellweger社製USTER TESTER 1 ModelCを使用し、200m/分の速度で糸を給糸しながらノーマルモードで測定を行った。
E.収縮応力
 カネボウエンジニアリング社製熱応力測定器で、昇温速度150℃/分で測定した。サンプルは10cm×2のループとし、初期張力は繊度(デシテックス)×0.9×(1/30)gfとした。
F.強度および伸度
 初期試料長=50mm、引っ張り速度=50mm/分(100%/分)とし、JIS L1013に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。伸びを初期試料長で割り伸度とした。
G.溶融粘度
 東洋精機社製キャピログラフ1Bを用いて、チッソ雰囲気下で測定した。測定温度280℃、歪み速度6080sec-1での測定を3回行い、平均値を溶融粘度とした。
H.初期引っ張り抵抗度
 JIS L1013にしたがい測定を行った。
I.沸騰水収縮率および乾熱収縮率
  沸騰水収縮率(%)=[(L0’−L1’)/L0’)]×100%
L0’:延伸糸をかせ取りし初荷重0.18cN/dtex(0.2gf/d)下で測定したかせの原長
L1’:L0’を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で沸騰水中で15分間処理し、風乾後初荷重0.18cN/dtex(0.2gf/d)下でのかせ長
  乾熱収縮率(%)=[(L0’−L2’)/L0’)]×100%
L2’:L1’を測定したかせを実質的に荷重フリーの状態で180℃乾熱で15分間処理し、風乾後初荷重0.18cN/dtex(0.2gf/d)下でのかせ長
J.風合い評価
 実施例、比較例で得られた布帛を、ソフト感、ふくらみ感、反発感、ストレッチ性、染め斑、表面感(布帛表面の審美性)について1〜5級で官能評価した。3級以上を合格とした。
 実施例1
 溶融粘度400poiseの酸化チタンを含まないホモPPTと溶融粘度370poiseの酸化チタンを0.03重量%含むホモPETをそれぞれ260℃、285℃で別々に溶融し、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用い別々に濾過を行った後、孔数12の平行合流複合紡糸口金(図2(a))から複合比1:1のサイドバイサイド複合糸(図3(b))として紡糸温度275℃で吐出した。この時の溶融粘度比は1.08であった。紡糸速度1500m/分で168dtex、12フィラメントの未延糸を巻き取り、その後ホットーローラーを有する延伸機を用い、第1ホットーローラーの温度70℃、第2ホットローラーの温度を130℃、延伸倍率3.00として延伸を行った。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり糸切れはなかった。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が200μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は42cN/dtexと充分ソフトであり、乾熱収縮率も11%と充分低収縮性であった。また、収縮応力の極大を示す温度が128℃と充分高温であった。
 実施例2
 溶融粘度2900poiseの酸化チタンを含まないホモPPTと溶融粘度370poiseの酸化チタンを0.03重量%含むホモPETをそれぞれ280℃、285℃で別々に溶融し、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用い別々に濾過を行った後、孔数12の特開平9−157941号公報記載の挿入タイプ複合紡糸口金(図2(b))から複合比1:1のサイドバイサイド複合糸(図3(b))として紡糸温度275℃で吐出した。紡糸速度1350m/分で190dtex、12フィラメントの未延糸を巻き取り、その後ホットーローラーを有する延伸機を用い、第1ホットーローラーの温度80℃、第2ホットローラーの温度を135℃、延伸倍率3.40として延伸を行った。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり糸切れはなかった。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、高粘度PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が175μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は46cN/dtexと充分ソフトであり、乾熱収縮率も9%と充分低収縮性であった。また、収縮応力の極大を示す温度が130℃と充分高温であった。
 実施例3
 紡糸速度を3000m/分とし77dtexの繊維とした以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸を行った。この未延伸糸を用いて、延伸倍率1.40倍とした以外は実施例1と同様の条件で延伸を行った。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり糸切れはなかった。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が220μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。
 実施例4
 サイドバイサイド複合から偏芯芯鞘複合(図2(h))とし、ポリマーおよび複合比を以下のように変更した以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸を行った。この時、溶融粘度400poiseの酸化チタンを0.40重量%含むPETを鞘ポリマーとして60重量%、溶融粘度700poise酸化チタンを含まないPPTを芯ポリマーとして40重量%とした。この未延伸糸を用いて、延伸倍率を2.60、第2ホットローラー温度を140℃とした以外は実施例1と同様の条件で延伸を行った。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり糸切れはなかった。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が240μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。
 実施例5
 紡糸速度を7000m/分に変更した以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸を行った。これは延伸を施すことなく、巻き取った状態で使用可能であった。これの物性値を表1に示すが、優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が120μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。さらに、乾熱収縮率は5%と充分低収縮性の糸であった。
 実施例6
 繊維断面形状を中空断面(図3(f))とした以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸を行った。この未延伸糸を用いて、延伸倍率2.95とした以外は実施例2と同様の条件で延伸を行った。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が240μmと非常に細かく、また位相が揃っており非常に高品位のものとなった。
 実施例7
 実施例1において、PPTを溶融粘度390poiseの酸化チタンを含まないポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略す)とした以外は実施例1と同様に製糸を行い、ソフトストレッチ糸を得た。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、良好な捲縮発現能力を示した。ただし、50%伸長に対する応力が10×10-3cN/dtexを超え、また回復率が70%未満であったためソフト性、ストレッチ性は実施例1に一歩譲るものであった。さらに、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径は300μmであった。
 実施例8
 実施例2において、PPTを溶融粘度1050poiseの酸化チタンを含まないPBTとした以外は実施例2と同様に製糸を行い、ソフトストレッチ糸を得た。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、良好な捲縮発現能力を示した。ただし、50%伸長に対する回復率が70%未満であったため、ストレッチ性は実施例2に一歩譲るものであった。さらに、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径は280μmであり、また、捲縮の位相も実施例2に比較すると揃っておらず、捲縮の品位としては実施例2に一歩譲るものであった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は55cN/dtexとソフトさは実施例2に一歩譲るが、乾熱収縮率は12%と充分低収縮性であった。また、収縮応力の極大を示す温度が128℃と充分高温であった。
 実施例9
 実施例5において、PPTを溶融粘度390poiseの酸化チタンを含まないPBTとし、紡糸速度を6000m/分とした以外は実施例5と同様に紡糸を行い、未延伸糸を得た。これを延伸倍率1.10とした以外は実施例1と同様に延伸を行い、ソフトストレッチ糸を得た。製糸条件は表1に糸物性は表2に示すが、良好な捲縮発現能力を示した。ただし、50%伸長に対する回復率が70%未満であったため、ストレッチ性は実施例5に一歩譲るものであった。さらに、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径は260μmであった。
 実施例10
 溶融粘度700poiseの酸化チタンを含まないホモPPTと溶融粘度370poiseの酸化チタンを0.03重量%含むホモPETをそれぞれ260℃、285℃で別々に溶融し、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用い別々に濾過を行った後、孔数12の平行合流複合紡糸口金(図2(a))から複合比1:1のサイドバイサイド複合糸(図3(b))として紡糸温度275℃で吐出した。そして、図8の紡糸直接延伸装置を用い、第1ホットネルソンローラー17の周速度1500m/分、温度75℃、第2ホットネルソンローラー18の周速度4500m/分、温度130℃として実施例2と同様に紡糸を行い、56dtex、12フィラメントのソフトストレッチ糸を巻き取った。得られたソフトストレッチ糸の物性値を表2に示すが、PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が200μmと非常に細かく、非常に高品位のものとなった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は42cN/dtexと充分ソフトであり、乾熱収縮率も10%と充分低収縮性であった。また、収縮応力の極大を示す温度が128℃と充分高温であった。また、捲縮の位相がランダム化しており、無撚りで滑り性に優れた裏地に好適のものであった。
 実施例11
 図9の紡糸直接延伸装置を用い、非接触ヒーター19の温度を190℃、紡糸速度を5000m/分とし、2GD9とワインダー10の間で100℃スチーム熱処理を施して実施例10と同様に紡糸を行った。この時、非接触ヒーターに入る前の糸速度は2200m/分であった。得られたソフトストレッチ糸の物性値を表2に示すが、PPTが捲縮の内側に入り優れた捲縮発現能力を示した。また、E0の測定のための熱処理により発現する捲縮径が190μmと非常に細かく、非常に高品位のものとなった。また捲縮の位相が単糸間でばらばらであり、実施例2に比べ嵩高感があるものであった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は43cN/dtexと充分ソフトであり、乾熱収縮率も12%と充分低収縮性であった。また、収縮応力の極大を示す温度が126℃と充分高温であった。また、捲縮の位相がランダム化しており、無撚りで滑り性に優れた裏地に好適のものであった。
 比較例1
 ポリマーの組み合わせを溶融粘度400poiseの酸化チタンを含まないホモPPTと溶融粘度400poiseの酸化チタンを0.03重量%含むホモPETとし、糸速度を900m/分、紡糸温度を286℃、吐出量、延伸倍率を変更した以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸、延伸を行い、56dtex、12フィラメントの延伸糸を得た。製糸条件を表1に糸物性を表2に示すが、ある程度の捲縮発現能力を示したが、紡糸温度が高くPPT側熱劣化のため吐出が不安定化し、また未延伸糸の紡糸速度が低いため紡糸過程での糸揺れや固化点の変動が大きくなった。このため、延伸糸の糸強度が顕著に低下し、ウースター斑も悪化した。また、50%伸長に対する応力が30×10-3cN/dtexを超え、回復率も70%未満であったたためソフト性、ストレッチ性は実施例1には及ばなかった。
 比較例2
 比較例1のポリマーの組み合わせで、紡糸温度280℃、紡糸速度1500m/分として比較例1と同様に紡糸を行い146dtex、12フィラメントの未延伸糸を得た。そして、延伸倍率を2.70倍、第1ホットーローラーの温度100℃とした以外は実施例1と同様の条件で溶融紡糸、延伸を行い延伸糸を得た。製糸条件を表1に糸物性を表2に示すが、ある程度の捲縮発現能力を示したが、第1ホットローラーの温度が高いため、PPTが熱劣化し糸切れが頻発した。また、得られた延伸糸も糸強度が低く、ウースター斑も悪化したものであった。また、50%伸長に対する応力が30×10-3cN/dtexを超え、回復率も70%未満であったため、ストレッチ性は実施例1には及ばなかった。
 比較例3
 溶融粘度130poise(極限粘度0.46)と溶融粘度2650poise(極限粘度0.77)の酸化チタンを0.03重量%含むホモPETをそれぞれ275℃、290℃で別々に溶融し、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用い別々に濾過を行った後、孔数12の特開平9−157941号公報記載の挿入タイプ口金(図2(b))から複合比1:1のサイドバイサイド複合糸(図3(a))として紡糸温度290℃で吐出した。この時の溶融粘度比は20.3であった。紡糸速度1500m/分で154dtex、12フィラメントの未延伸糸を巻き取り、その後ホットーローラーを有する延伸機を用い、第1ホットーローラーの温度90℃、第2ホットローラーの温度を130℃、延伸倍率3.11として延伸を行った後、非接触ヒーター(ヒーター温度160℃)により10%の弛緩熱処理を行った。紡糸、延伸とも製糸性は劣悪であり糸切れが多発した。製糸条件を表1に糸物性を表2に示すが、50%伸長に対する応力が50×10-3cN/dtexを超え、本発明のソフトストレッチ糸とすることはできなかった。また、E3.5=0.5%と拘束下での捲縮発現能力が低いものであった。さらに、これの初期引っ張り抵抗度は75cN/dtexとソフトさに欠けるものであった。
 比較例4
 溶融粘度2000poiseの酸化チタンを0.03重量%含むホモPETと溶融粘度2100poiseの酸成分としてイソフタル酸を10mol%共重合した酸化チタンを0.03重量%含む共重合PETとし、それぞれ285℃、275℃で別々に溶融し、絶対濾過径15μmのステンレス製不織布フィルターを用い別々に濾過を行った後、孔数12の平行合流複合紡糸口金(図2(a))から複合比1:1のサイドバイサイド複合糸(図3(b))として紡糸温度285℃で吐出した。そして、紡糸速度1500m/分で154dtex、12フィラメントの未延糸を巻き取った。その後、ホットーローラーを有する延伸機を用い、第1ホットーローラーの温度90℃、第2ホットローラーの温度を130℃、延伸倍率2.75として延伸を行った。紡糸、延伸とも製糸性は良好であり糸切れはなかった。製糸条件を表1に糸物性を表2に示すが、50%伸長に対する応力が50×10-3cN/dtexを超え、本発明のソフトストレッチ糸とすることはできなかった。また、E3.5=0.4%と拘束下での捲縮発現能力が低いものであった。
 実施例12
 実施例1〜9、比較例1〜4で得られた糸を原糸とし、これに撚り数700ターン/mの撚糸を施し、65℃スチームにより撚り止めセットを行った。そして、28ゲージ丸編みにかけてインターロック組織で編み物を編成した。これに常法にしたがい90℃でリラックス精練を施した後、180℃で中間セットを施した。そして、やはり常法にしたがい10重量%のアルカリ減量を施した後、130℃で染色を施した。そして、得られた布帛の風合いを官能評価した(表3)。実施例1〜9のソフトストレッチ糸を使用した水準は、ソフトでかつストレッチ性に優れ、しかも布帛表面が審美性に富むものであった。実施例1〜6の原糸を使用した水準では原糸の捲縮径が細かくしかも捲縮の位相が揃っているため、特に布帛表面に非常に美しいシボが発現し審美性に富むものであった。また、染色斑も発生せず品位が高いものであった。しかし、比較例1、2では染色斑が発生し、品位に劣るものであった。また、比較例3、4では風合いが粗硬であった。
 実施例13
 実施例1〜9、比較例1〜4で得られたソフトストレッチ糸を原糸とし、これに撚り数1500ターン/mの撚糸を施し、65℃スチームにより撚り止めセットを行った。そして、経糸および緯糸に同一の糸を用いて平織りを作製した。この時の糸密度は、経糸が110本/インチ(2.54cm)、緯糸が91本/インチ(2.54cm)であり、S撚り/Z撚りの交互配置としてトルクバランスをとった。得られた生機に次のように加工を施した。まず90℃でリラックス精練を施し、その後乾熱180℃でピンテンターにより中間セットを施した。そして、常法により15%のアルカリ減量を施した後、やはり常法により130℃で染色を施した。
 そして、得られた布帛の風合いを官能評価した(表4)。実施例1〜9を原糸としたものでは原糸特性から予想されたとおり、いづれも良好なストレッチ性が発現したが比較例3、4ではストレッチ性に劣るものであった。実施例1〜6の原糸を使用した水準では原糸の捲縮径が細かくしかも捲縮の位相が揃っているため、布帛表面に荒れがなく特に審美性に富むものであった。
 実施例14
 実施例1、10、11および比較例3、4で得られたソフトストレッチ糸を無撚りのまま、経糸および緯糸に同一の糸を用いて平織りを作製した。この時の糸密度は、経糸が110本/インチ(2.54cm)、緯糸が91本/インチ(2.54cm)であった。得られた生機に次のように加工を施した。まず90℃でソフサーを用いて精練を施し、その後乾熱180℃でピンテンターにより中間セットを施した。そして、常法により15%のアルカリ減量を施した後、やはり常法により130℃で染色を施した。
 そして、得られた布帛の風合いを官能評価した。実施例1、10、11を用いた布帛では充分なストレッチ性が得られた。ただし、実施例1を用いたものでは問題となるほどではないが布帛表面に細かなシワが残った。一方、実施例10、11を用いたものではシワの発生は無く布帛表面はプレーンで滑り性の良いものであり、ストレッチ裏地に好適のものであった。また、実施例10と11では実施例11の方がより滑り性に優れていた。なお、比較例3、4を用いたものではソフサーでの張力のため糸の捲縮の発現が弱く、ストレッチ性は得られなかった。
 実施例15
 実施例1、2、4、7、比較例3、4で得られたソフトストレッチ糸を原糸とし、これと表5に示す条件でPETからなる低収縮糸との混繊糸を作製し、65℃スチームにより撚り止めセットを行った。そして、実施例13と同様に製織、加工を施し、評価を行った。
 得られた布帛の風合いを官能評価した(表6)。実施例を原糸としたものでは原糸特性から予想されたとおり、いづれも風合いがソフトで良好なストレッチ性が発現したが比較例3、4を原糸としたものでは粗硬感が強いものとなった。
 実施例16
 実施例2で得られたソフトストレッチ糸を原糸とし、これに撚り数700ターン/mの撚糸を施し、65℃スチームにより撚り止めセットを行った。そして、これを緯糸とし、経糸に旭化成工業(株)製銅アンモニアレーヨン“キュプラ”(83dtex、45フィラメント)を用いて平織りを作製した。この時の糸密度は、経糸が110本/インチ(2.54cm)、緯糸が91本/インチ(2.54cm)であり、S撚り/Z撚りの交互配置としてトルクバランスをとった。得られた生機に次のように加工を施した。まず90℃でリラックス精練を施し、その後乾熱150℃でピンテンターにより中間セットを施した。そして、100℃で染色を施した。
 得られた織物はソフトでストレッチ性に富んだものであり、さらに銅アンモニアレーヨン特有の大きな接触冷感による高度なドライ感が発現した。また、吸放湿性、布帛表面の滑り性も良好であった。
 実施例17
 経糸に旭化成工業(株)製ビスコースレーヨン“Silmax”(83dtex、38フィラメント)を用いた以外は実施例13と同様に織物を作製した。得られた織物はソフトでストレッチ性に富んだものであった。また、ビスコースレーヨン特有の優れた反発感によりプリプリした触感が得られ、さらに大きな接触冷感による高度なドライ感が発現した。また、吸放湿性も良好であった。
 実施例18
 実施例2で得られたソフトストレッチ糸を原糸とし、これに撚り数550ターン/mの撚糸を施し、65℃スチームにより撚り止めセットを行った。これと実施例13で用いた銅アンモニアレーヨンを混用して、24ゲージ丸編みにかけてインターロック組織で編み物を編成した。これに常法にしたがい90℃でリラックス精練を施した後、100℃で染色を施した。
 得られた編み物はソフトでストレッチ性に富んだものであり、さらに銅アンモニアレーヨン特有の大きな接触冷感による高度なドライ感が発現した。また、吸放湿性、布帛表面の滑り性も良好であった。
 実施例19
 銅アンモニアレーヨンの代わりに実施例17で用いたビスコースレーヨンを用いた以外は実施例18と同様に編み物を作製した。
 得られた編み物はソフトでストレッチ性に富んだものであった。また、ビスコースレーヨン特有の優れた反発感によりプリプリした触感が得られ、さらに大きな接触冷感による高度なドライ感が発現した。また、吸放湿性も良好であった。
強伸度曲線ヒステリシスを表す図である。 サイドバイサイド複合紡糸用口金例を示す図である。 ポリエステル繊維の繊維断面形状例を示す図である。 紡糸/巻き取り装置の一例を示す図である。 延伸装置を表す図である。 捲縮伸長率測定法を示す図である。 ソフトストレッチ糸の繊維の形状の一例を示す電子顕微鏡写真である。 紡糸直接延伸装置の一例を示す図である。 紡糸直接延伸装置の他の一例を示す図である。
符号の説明
1:スピンブロック
2:不織布フィルター
3:口金
4:チムニー
5:糸条
6:給油ガイド
7:交絡ガイド
8:第1ゴデットローラー
9:第2ゴデットローラー
10:巻き取り糸
11:未延伸糸
12:フィードローラー
13:第1ホットローラー
14:第2ホットローラー
15:コールドドローローラー
16:延伸糸
17:第1ホットネルソンローラー
18:第2ホットネルソンローラー
19:非接触ヒーター
20:スチームコンディショナー

Claims (12)

  1.  2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸であって、ウースター斑が2.0%以下、糸の50%伸長に対する応力が30×10-3cN/dtex以下、回復率が60%以上を同時に満たすことを特徴とするソフトストレッチ糸。
  2.  2種のポリエステルが、ポリプロピレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1記載のソフトストレッチ糸。
  3.  強度が2.2cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のソフトストレッチ糸。
  4.  糸の50%伸長に対する回復率が70%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
  5.  糸の50%伸長に対する応力が10×10-3cN/dtex以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
  6.  強度が2.2cN/dtex以上、収縮応力が0.25cN/dtex以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のソフトストレッチ糸。
  7.  2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸し、一旦巻き取り、これを延伸機を用い、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットすることを特徴とするソフトストレッチ糸の製造方法。
  8.  2種のポリエステル(2種ともにポリプロピレンテレフタレートであることを除く)からなるサイドバイサイド複合糸または偏心芯鞘複合糸を、紡糸温度250〜280℃、紡糸速度1200m/分以上で紡糸した後、一旦巻き取ることなく紡糸直接延伸法により、延伸温度50〜80℃、延伸糸伸度20〜45%となる延伸倍率で延伸、熱セットを行った後巻き取ることを特徴とするソフトストレッチ糸の製造方法。
  9.  複合糸の溶融粘度比が1.0〜2.5であることを特徴とする請求項7または8に記載のソフトストレッチ糸の製造方法。
  10.  請求項1〜6のいずれかに記載のソフトストレッチ糸と沸騰水収縮率が10%以下の低収縮糸が混繊されていることを特徴とするソフトストレッチ混繊糸。
  11.  請求項1〜6および10のいずれかに記載のソフトストレッチ糸を少なくとも用いてなることを特徴とする布帛。
  12.  天然繊維および/または半合成繊維が混用されていることを特徴とする請求項11に記載の布帛。
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