JP2004131249A - 自動保管庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の試験材料等を効率よく収納し、試験材料等を冷凍保管した場合でも、結露することなく出庫することができる自動保管庫の提供。
【解決手段】入出庫口１０に連設された収容部１２を備え、収容部１２と保管部との間の保管物の移送を行う入出庫装置２０Ａが配設された部分、収容部１２及び保管部の夫々の温度を個別に管理できるように構成した。また、入出庫装置２０Ａは、載置部２８ａと、一時保管部と、第１ロボットアーム２７ａと、第２ロボットアーム２６ａと、移載部２９とを備え、移載部２９は、４爪チャック機と、圧力センサと、画像センサと、アームと、レールと、移動機とを備え、保管部は回転棚３０，３０を備えるようにした。
【選択図】 図６
【解決手段】入出庫口１０に連設された収容部１２を備え、収容部１２と保管部との間の保管物の移送を行う入出庫装置２０Ａが配設された部分、収容部１２及び保管部の夫々の温度を個別に管理できるように構成した。また、入出庫装置２０Ａは、載置部２８ａと、一時保管部と、第１ロボットアーム２７ａと、第２ロボットアーム２６ａと、移載部２９とを備え、移載部２９は、４爪チャック機と、圧力センサと、画像センサと、アームと、レールと、移動機とを備え、保管部は回転棚３０，３０を備えるようにした。
【選択図】 図６
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物科学用試験材料又は培養物等を、所定の温度及び湿度下において保管し、入出庫作業が自動的に行える自動保管庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
生物科学用試験材料又は培養物等の保管は、保管中の変質等を防止するため、厳しい温度及び湿度管理の下に行われる。従来は、冷蔵庫又は冷凍庫等に人手によって保管されており、保管のための作業時間が多く、試験材料等が間違われて保管されることが生じ易い。また、保管庫の大きさは、作業者の手が届く範囲を基準として選定されるため、自ずと小型のものが用いられ、膨大な数の試験材料等を保管するために多くの保管庫とそれを設置する広いスペースとを必要とした。
【０００３】
前述したような状態を改善すべく、保管棚内に間仕切りを設け、その間仕切り空間夫々に独立した温度及び湿度制御装置を設けると共に、その内部に設けた通路を入出庫口であるステーションから保管棚の最奥部まで走行し、保管物を入出庫する入出庫装置の動きに合わせて開閉する自動扉を間仕切りに設けた自動保管設備が開示されている（特許文献１参照）。
【０００４】
この自動保管設備は、間仕切り空間毎に温度及び湿度制御装置を設けたから、厳密な温度及び湿度管理ができ、また、間仕切り空間毎に異なる温度及び湿度管理も可能である。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−２０５８０４号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
生物科学用試験材料又は培養物等の保管は、冷凍かつ低湿度の状態において行われることが多く、このような状態において保管されている試験材料等を保管庫から室内にすぐに取り出した場合、試験材料等の温度と室温との温度差が大きいため、試験材料等を入れている容器に接触する空気が急激に冷却されることにより、試験材料等を入れている容器に結露が生じ、この水分が試験材料等に混入することによって試験材料等が変質するという問題があった。
【０００７】
冷凍状態において保管されている試験材料等を結露させないように室内に取り出すためには、段階的に温度を上げて試験材料等を入れている容器に接触する空気が急激に冷却されないようにすればよい。特許文献１に記載された自動保管設備は、各間仕切り空間毎に異なる温度及び湿度管理も可能であるが、この自動保管設備において結露しないように試験材料等を室内に取り出すためには、保管棚の奥の間仕切り空間から入出庫口であるステーション側に向けて順に温度設定を高くし、試験材料等を保管棚から取り出した入出庫装置を各間仕切り空間毎に一定時間停止させ、試験材料等をその温度付近まで上昇させた後、入出庫装置を次の間仕切り空間に移動させるということをしなければならない。出庫対象の試験材料等の数量が、入出庫装置が一回に取り出し及び運搬できる数量を上回っている場合、出庫対象の試験材料等を全数取り出すまでに、試験材料等を各間仕切り空間毎の温度付近に上昇させるための入出庫装置の停止回数が多くなり、出庫効率が悪いという問題があった。
【０００８】
また、特許文献１に記載された自動保管設備は、保管棚の内部に入出庫装置が走行する通路を必要とし、入出庫口側の保管棚の一部を冷凍温度よりも高い温度に設定する必要があることから、実質的に冷凍保管できる保管棚のスペースが少なく、冷凍保管する場合の実質的な収納効率が悪いという問題があった。
【０００９】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、入出庫口から保管部までの間に独立して温度管理が可能な空間を備えることにより、試験材料等を冷凍保管する場合でも、保管部全体を冷凍保管するために使用できるから、冷凍保管する保管物の収納効率もよく、保管物の温度を段階的に上昇させて結露せずに出庫できる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１０】
また、本発明は、保管物が収納された収納用具を載置する載置部と、保管物を移載する移載部とを入出庫装置に備えることにより、複数の保管物が一の収納用具に収納されて保管されている場合でも、保管物を個別に収納用具に移載できるから、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができ、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１１】
また、本発明は、保管物を収納する収納用具を一時的に保管する一時保管部を備えることにより、出庫する収納用具を一時的に保管して保管物の温度を上昇させる時間を確保することができる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１２】
また、本発明は、保管物を検出する保管物検出部を備えることにより、既に保管物が収納された場所に保管物を収納させない自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１３】
また、本発明は、保管物同士の当接によって保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備えることにより、既に保管物が収納された場所に保管物を収納させない自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１４】
さらに、本発明は、保管部に回転式の棚を備えることにより、保管物の出庫効率がよい自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
第１発明に係る自動保管庫は、保管部と、該保管部に対する入出庫口と、該入出庫口に入庫された保管物を前記保管部に納め、前記保管部に納めてある保管物を前記入出庫口に出庫する入出庫装置とを備える自動保管庫において、前記入出庫口に連設され、入出庫された保管物を一時的に収容する収容部を備え、該収容部、前記入出庫装置が配設された部分及び前記保管部の夫々の温度を個別に管理することを可能に構成したことを特徴とする。
【００１６】
第１発明においては、収容部及び入出庫装置が配設された部分は、保管部よりも高い温度に設定することができる。収容部及び入出庫装置が配設された部分の温度を保管部の温度よりも段階的に高く設定することにより、保管部から取り出した保管物と、入出庫装置が配設された部分との温度差を小さくできる。保管物の温度と周囲の温度との温度差が小さいから、保管物に接触する空気が急激に冷却されることがなく、保管物に結露を発生させずに出庫できる。
【００１７】
第２発明に係る自動保管庫は、第１発明において、前記入出庫装置は、保管物を収納する収納用具を複数載置することが可能な載置部と、前記収容部に収容された収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記収容部に移送する第１移送部と、前記保管部に納められた収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記保管部に移送する第２移送部と、前記載置部に載置された収納用具に収納された保管物を前記載置部に載置された異なる収納用具に移載する移載部とを備えることを特徴とする。
【００１８】
第２発明においては、収納用具に収納された保管物を出庫する場合、収容部にある収納用具を載置部へ移送し、出庫対象の保管物を収納した収納用具を保管部から載置部に移送し、出庫対象の保管物を保管部にあった収納用具から収容部にあった収納用具に移載し、移載された出庫対象の保管物が収納された収納用具を収容部に移送する。保管物を収納用具に個別に移載できるから、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができ、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる。
【００１９】
第３発明に係る自動保管庫は、第２発明において、前記入出庫装置は、収納用具を一時的に保管する一時保管部を更に備え、前記第１移送部は、前記一時保管部と前記収容部との間の移送及び前記一時保管部と前記載置部との間の移送を可能に構成してあることを特徴とする。
【００２０】
第３発明においては、収納用具は、収容部から一時保管部に移送され、一時保管部から載置部に移送され、載置部において出庫対象の保管物を収納し、載置部から収容部に移送される。出庫対象の保管物を収納した収納用具を載置部から一時保管部に移送して一時的に保管することもでき、このようにした場合は、保管物を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させる時間を確保することができる。
【００２１】
第４発明に係る自動保管庫は、第２又は第３発明において、前記入出庫装置は、検出範囲を撮影する撮影部を有し、検出範囲に保管物があるか否かを、前記撮影部が撮影した画像により検出する保管物検出部を更に備え、該保管物検出部が保管物を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする。
【００２２】
第４発明においては、出庫対象の保管物を移載するとき、移載しようとする場所に既に保管物が収納されている場合、保管物検出部が保管物を検出し、移載部の動作を停止させて保管物の破損を防止する。
【００２３】
第５発明に係る自動保管庫は、第２乃至第４発明のいずれかにおいて、前記移載部が、移載しようとする保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備え、該圧力検出部が圧力を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする。
【００２４】
第５発明においては、出庫対象の保管物を移載するとき、移載しようとする場所に既に保管物が収納されている場合、移載しようとする保管物が既に収納されている保管物に当接したときの圧力を検出し、移載部の動作を停止させて保管物の破損を防止する。
【００２５】
第６発明に係る自動保管庫は、第１乃至第５発明のいずれかにおいて、前記保管部が、横方向移動が可能な回転棚を備えることを特徴とする。
【００２６】
第６発明においては、棚を回転させることによって、出庫対象の保管物を入出庫装置に対向させることができ、保管物を次々と保管部から取り出すことができる。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【００２８】
実施の形態１
図１は、実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレートの斜視図であり、図２は、実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なマイクロチューブラックの斜視図である。
【００２９】
本実施の形態１の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレート４は、直方体の一面に四角形の凹部を８行１２列の計９６箇所形成したものであり、外形寸法は、幅１２７ｍｍ、奥行き８２ｍｍ、高さ１５ｍｍ（又は３０ｍｍ）とされている。高さの違いによって凹部内の容量が異なり、高さ１５ｍｍのプレートがシャロープレートと呼称され、高さ３０ｍｍのプレートがディーププレートと呼称されている。
【００３０】
また、一般的なマイクロチューブラック５は、試験材料等が注入された有底円筒形のチューブ５ａを立てた状態にして収納することが可能に構成されており、チューブ５ａの形状に対応した凹部を直方体の一面に８行１２列の計９６箇所形成したものである。外形寸法は、幅２１３ｍｍ、奥行き１１８ｍｍ、高さ５０ｍｍとされている。
【００３１】
図３は、本発明に係る自動保管庫の実施の形態１を示す一部を破断した斜視図であり、図４は、実施の形態１の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【００３２】
図において１Ａは自動保管庫本体であり、自動保管庫本体１Ａの外観は、平面視を長方形とした略直方体をなし、平面視において一方の短辺となる側面に入出庫扉１１を有する入出庫口１０が配設されている。入出庫口１０には、プレート４を積載可能なカートリッジ４０を４個横に並べて収容することができる収容部１２が連設されており、この収容部１２の内部は、空気を循環させる循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能である。
【００３３】
収容部１２を形成する壁の内、入出庫口１０に対向する壁には、空気を噴出することによって流れの層を作り、この層に隔離された２つの空間の間を行き来する空気の流れを遮断するエア式シャッタである第１シャッタ１４を備える第１連通口１３が配設されている。この第１連通口１３の収容部１２側の逆側には、保管物であるプレート４を収容部１２から取り出して保管部３に納め、保管部３に納められたプレート４を取り出して収容部１２に出庫する入出庫装置２０が配設されている。入出庫装置２０は、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされたロボットアーム２１と、ロボットアーム２１を上下方向に移動させる昇降機２２とを備え、入出庫装置２０が配設された部分は、収容部１２と同様に、循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能である。入出庫装置２０が配設された部分の温度は収容部１２の温度よりも低く管理されている。
【００３４】
入出庫装置２０が配設された部分の収容部１２側の逆側の壁には、エア式シャッタである第２シャッタ２５，２５を備え、保管部３の内部に通じる２つの第２連通口２３，２３が配設されている。保管部３の内部には、プレート４を２４段積載できる棚を計２５個横方向に折り返して並べて環状に構成し、棚を横方向に移動させて回転させることが可能とされた２つの回転棚３０，３０が、長手方向を自動保管庫本体１Ａの長手方向に合わせて並設されている。この保管部３の内部は、前記収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分と同様に、循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能であり、管理温度の範囲は−２５℃から５℃の間とされている。前記第２連通口２３，２３の位置は、回転棚３０，３０の折り返し位置の略中心に対応している。
【００３５】
本実施の形態１の自動保管庫は、前述の自動保管庫本体１Ａと、保管部３内のプレート４の保管情報等を管理し、コンピュータにより構成される管理装置（図示せず）とを備える。
【００３６】
なお、第１連通口１３及び第２連通口２３，２３にはエア式シャッタである第１シャッタ１４及び第２シャッタ２５，２５を配設してあるが、エア式シャッタに限らず、連通部に扉を設け、この扉を機械的に開閉するように構成した機械式シャッタを配設してもよい。
【００３７】
以上の構成により、本実施の形態１の自動保管庫の入庫時においては、プレート４が積載されたカートリッジ４０が、入出庫口１０を経由して収容部１２に入庫される。入出庫装置２０は、収容部１２に入庫されたカートリッジ４０内のプレート４をロボットアーム２１によって取り出し、回転棚３０，３０の空いている棚に、取り出したプレート４を納める。第１連通口１３又は第２連通口２３，２３をロボットアーム２１が通過するとき、第１シャッタ１４又は第２シャッタ２５，２５は空気の噴出を停止する。なお、空気の噴出を停止せず、そのまま噴出を続行した状態においてロボットアーム２１を通過させることも可能である。前述した動作を繰り返し、入庫対象のプレート４の全数を回転棚３０，３０に納めることにより、入庫動作が終了する。プレート４を入庫した位置は、保管情報として前記管理装置において管理される。
【００３８】
出庫時においては、収容部１２に空のカートリッジ４０が入庫され、出庫対象のプレート４の情報が前記管理装置に入力される。前記管理装置は、保管情報を基に出庫対象のプレート４の保管位置を特定し、出庫対象のプレート４が納められている棚が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。出庫対象のプレート４をロボットアーム２１によって回転棚３０，３０から取り出し、ロボットアーム２１を旋回させ、取り出したプレート４をカートリッジ４０に収容させる。前述した動作を繰り返し、出庫対象のプレート４の全数をカートリッジ４０に収容させることにより、出庫動作が終了する。
【００３９】
以上、本実施の形態１の自動保管庫は、収容部１２、入出庫装置２０が配設された部分及び保管部３の夫々の温度を個別に管理できるように構成したから、冷凍保管されている試験材料等を出庫する場合でも、収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分の温度を段階的に高く設定することにより、プレート４の温度を段階的に上昇させることができ、プレート４の温度と、プレート４に接触する空気の温度との温度差を小さくできるから、プレート４に接触する空気を急激に冷却することがなく、プレート４を結露させずに出庫させることができる。また、収容部１２、入出庫装置２０が配設された部分及び保管部３の夫々の湿度も個別に管理できるように構成したから、夫々の部分の湿度を低く管理することにより、夫々において結露又は霜付きを防止でき、プレート４を出庫する場合でも、収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分の空気が乾燥しているため、プレート４に接触する空気が冷却されても空気中の水蒸気が飽和せず、プレート４を結露させずに収容部１２に移動させることができる。
【００４０】
また、入出庫装置２０を保管部３に隣接して設け、保管部３に回転棚３０，３０を備えたから、回転棚３０，３０を回転させることにより、出庫対象のプレート４を入出庫装置２０に対向させることができ、出庫対象のプレート４を次々と保管部３から取り出すことができる。
【００４１】
実施の形態２
図５は、本発明に係る自動保管庫の実施の形態２を示す一部を破断した斜視図であり、図６は、実施の形態２の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。実施の形態１の自動保管庫と同一構成の部分は、同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【００４２】
図において１Ｂは自動保管庫本体であり、自動保管庫本体１Ｂは、実施の形態１の自動保管庫本体１Ａに対し、入出庫装置２０Ａが異なるのみであり、他は同一の構成とされている。実施の形態２の自動保管庫は、実施の形態１の自動保管庫と同様に、図示しない管理装置を備える。
【００４３】
入出庫装置２０Ａが配設された部分の略中央には、マイクロチューブラック５又はプレート４を４個並べて載置することが可能な載置部２８ａが長手方向を平面視における自動保管庫本体１Ｂの長手方向に略直交するように配設されており、この載置部２８ａの下側には、マイクロチューブラック５又はプレート４を一時保管する一時保管部２８ｂ（図７参照）が配設されている。
【００４４】
載置部２８ａの収容部１２側には、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされ、カートリッジ４０及び載置部２８ａ間においてマイクロチューブラック５又はプレート４を移送する第１移送部である第１ロボットアーム２７ａと、第１ロボットアーム２７ａを上下方向に移動させる第１昇降機２７ｂとが配設されている。
【００４５】
載置部２８ａの保管部３側には、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされ、回転棚３０，３０及び載置部２８ａ間においてマイクロチューブラック５又はプレート４を移送する第２移送部である第２ロボットアーム２６ａと、第２ロボットアーム２６ａを上下方向に移動させる第２昇降機２６ｂとが配設されている。
【００４６】
載置部２８ａの上側には、マイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａを個別に取り出し、取り出したチューブ５ａを異なるマイクロチューブラック５又は同じマイクロチューブラック５の異なる場所に移載する移載部２９が配設されている。載置部２８ａ、一時保管部２８ｂ、第２ロボットアーム２６ａ、第１ロボットアーム２７ａ、第２昇降機２６ｂ、第１昇降機２７ｂ及び移載部２９によって入出庫装置２０Ａが構成されている。
【００４７】
図７は、載置部２８ａ、一時保管部２８ｂ及び移載部２９を示す模式図である。
【００４８】
載置部２８ａの上側には、マイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａを４本の爪によって掴持する４爪チャック機２９ａと、４爪チャック機２９ａの下側を検出範囲とし、この検出範囲を撮影するカメラを備え、検出範囲を撮影した画像を解析して検出範囲にチューブ５ａがあるか否かを検出する保管物検出部である画像センサ２９ｂとが取り付けられたアーム２９ｃが配設されている。このアーム２９ｃは、載置部２８ａの上側に、かつ、載置部２８ａの長手方向と略同じ方向に配設されたレール２９ｅ上の移動機２９ｄによって、上下方向、載置部２８ａの長手方向及び載置部２８ａの長手方向に略直交する方向に移動することが可能に構成されている。
【００４９】
４爪チャック機２９ａが掴持したチューブ５ａを下側へ移動させようとした場合、画像センサ２９ｂがその先にチューブ５ａを検出したとき、移動機２９ｄは下側への移動を停止するように構成されている。また、４爪チャック機２９ａには、圧力検出部である圧力センサ２９ｆが組み込まれており、掴持したチューブ５ａを下側へ移動させる場合、例えば他のチューブ５ａに当接したときに、圧力を検出して下側への移動を停止するように移動機２９ｄは構成されている。このような４爪チャック機２９ａ、画像センサ２９ｂ、アーム２９ｃ、レール２９ｅ及び移動機２９ｄによって移載部２９が構成されている。
【００５０】
以上の構成により、本実施の形態２の自動保管庫は、入庫時において、チューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５がカートリッジ４０に積載され、このカートリッジ４０が入出庫口１０を経由して収容部１２に入庫される。カートリッジ４０内のマイクロチューブラック５は、第１ロボットアーム２７ａによって取り出され、載置部２８ａ上に載置される。前記管理装置は、保管情報を基にして回転棚３０，３０内の収納余裕があるマイクロチューブラック５を特定し、特定したマイクロチューブラック５が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。第２ロボットアーム２６ａは、回転棚３０，３０から収納余裕があるマイクロチューブラック５を取り出し、載置部２８ａ上に載置する。移載部２９は、入庫対象のチューブ５ａをマイクロチューブラック５から取り出し、収納余裕があるマイクロチューブラック５の方に移載する。第２ロボットアーム２６ａは、入庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を回転棚３０，３０に納める。入庫対象のチューブ５ａが無くなったマイクロチューブラック５は、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０に戻される。前述した動作を繰り返し、入庫対象のチューブ５ａの全数を回転棚３０，３０に納めることにより、入庫動作が終了する。チューブ５ａを入庫した位置は、保管情報として前記管理装置において管理される。
【００５１】
出庫時においては、チューブ５ａが収納されていない空のマイクロチューブラック５を積載したカートリッジ４０が収容部１２に入庫され、出庫対象のチューブ５ａの情報が前記管理装置に入力される。
【００５２】
第１ロボットアーム２７ａは、カートリッジ４０内の全てのマイクロチューブラック５を一時保管部２８ｂに移送し、その後、第１ロボットアーム２７ａは、一時保管部２８ｂから載置部２８ａ上に、空のマイクロチューブラック５を２個並べて載置する。前記管理装置は、出庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を特定し、特定したマイクロチューブラック５が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。
【００５３】
第２ロボットアーム２６ａは、出庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を２個、回転棚３０，３０から取り出し、載置部２８ａ上に並べて載置する。移載部２９は、出庫対象のチューブ５ａを取り出し、一方の空のマイクロチューブラック５（以下、出庫ラックという）に収納する。
【００５４】
ここで、出庫条件として、マイクロチューブラック５内におけるチューブ５ａの収納位置が指定されている場合、移載部２９は、指定位置にチューブ５ａを収納する。載置部２８ａ上のマイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａの内、出庫対象のチューブ５ａではあるが、別のマイクロチューブラック５に収納して出庫しなければならないチューブ５ａがある場合、このチューブ５ａは他方の空きマイクロチューブラック５（以下、一時収納ラックという）に一時収納される。
【００５５】
出庫対象のチューブ５ａが無くなったマイクロチューブラック５は、第２ロボットアーム２６ａによって回転棚３０，３０に戻される。第２ロボットアーム２６ａは、次の出庫対象のチューブ５ａが含まれるマイクロチューブラック５を取り出し、載置部２８ａ上に載置する。
【００５６】
以上を繰り返し行い、出庫ラックに収納する出庫対象のチューブ５ａが揃ったとき、この出庫ラックは、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０に収容される。
【００５７】
次に、第１ロボットアーム２７ａは、一時保管部２８ｂから載置部２８ａ上に次の出庫ラックを移送する。次の出庫ラックに収納するチューブ５ａが含まれたマイクロチューブラック５を回転棚３０，３０から載置部２８ａ上に移送し、前述のようにチューブ５ａを移載することを繰り返す。前述した一時収納ラックのチューブ５ａの中に、次の出庫ラックに収納させる必要があるチューブ５ａが一時収納されている場合、一時収納ラックから次の出庫ラックに移載部２９によって移載する。このようにして全ての出庫対象のチューブ５ａをマイクロチューブラック５の収納位置まで管理して出庫することができる。
【００５８】
なお、チューブ５ａを一時収納する一時収納ラックが一杯になった場合は、一杯になった一時収納ラックを一時保管部２８ｂに保管し、一時保管部２８ｂに保管されている空のマイクロチューブラック５を載置部２８ａ上に移送し、これを次の一時収納ラックとしてチューブ５ａを一時収納する。一時保管部２８ｂにある一時収納したチューブ５ａを、出庫ラックに移載する場合は、一時保管部２８ｂにある一時収納ラックと載置部２８ａ上にある次の一時収納ラックとを入れ換えた後に移載する。
【００５９】
また、出庫対象のチューブ５ａが揃った出庫ラックは、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０内に収容されるとしたが、出庫ラックを一時保管部２８ｂに保管し、最後に移載されたチューブ５ａが入出庫装置２０Ａが配設された部分の温度付近に上昇するだけの時間を確保した後にカートリッジ４０内に収容させるようにしてもよい。
【００６０】
以上、本実施の形態２の自動保管庫は、入出庫装置２０Ａに載置部２８ａ及び移載部２９を備えたから、出庫対象のチューブ５ａを出庫しようとするマイクロチューブラック５に移載することができ、出庫しようとするマイクロチューブラック５のどの位置にチューブ５ａを収納するかまで管理できる。
【００６１】
また、入出庫装置２０Ａに一時保管部２８ｂを備えたから、一時収納ラックを一時保管部２８ｂに一時保管することができ、また、出庫ラックを一時保管部２８ｂに一時保管することにより、出庫ラックに収納されたチューブ５ａ及び出庫ラックの温度を入出庫装置２０Ａが配設された部分内の温度付近に上昇させる時間を確保することもできる。
【００６２】
また、入出庫装置２０Ａに画像センサ２９ｂを備えたから、既にチューブ５ａが収納された場所にチューブ５ａを収納してチューブ５ａを破損させることがない。
【００６３】
さらに、４爪チャック機２９ａに圧力センサ２９ｆを備えたから、既にチューブ５ａが収納された場所にチューブ５ａを収納しようとしても、チューブ５ａ同士の当接による圧力を検出して下側への移動を停止させ、チューブ５ａを破損させることがない。
【００６４】
前述した実施の形態１及び２の自動保管庫は、保管対象をチューブ５ａ、マイクロチューブラック５又はプレート４としているが、本発明に係る自動保管庫が保管対象とするものは、チューブ５ａ、マイクロチューブラック５又はプレート４に限られない。
【００６５】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第１発明に係る自動保管庫においては、保管物を一時的に収容する収容部を備え、収容部、入出庫装置が配設された部分及び保管部の夫々の温度を個別に管理することを可能に構成したから、収容部及び入出庫装置が配設された部分は、保管部よりも高い温度に設定することができ、段階的に温度を設定し、保管物を夫々の温度付近に上昇させて出庫することにより、保管物に接触する空気を急激に冷却せず、保管物を結露させずに出庫できる。
【００６６】
また、第２発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、複数の収納用具を載置することが可能な載置部と、収容部に収容された収納用具を載置部に移送し、載置部に載置された収納用具を収容部に移送する第１移送部と、保管部に納められた収納用具を載置部に移送し、載置部に載置された収納用具を保管部に移送する第２移送部と、載置部に載置された収納用具に収納された保管物を載置部に載置された異なる収納用具に移載する移載部とを備えるから、保管物を収納用具に個別に移載でき、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができる。また、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる。
【００６７】
また、第３発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、収納用具を一時的に保管する一時保管部を更に備え、第１移送部は、一時保管部と収容部との間の移送及び一時保管部と載置部との間の移送を可能に構成してあるから、一時保管する保管物によって一杯になった収納用具を一時保管部に一時保管できる。また、出庫対象の保管物が収納された収納用具を一時保管部に一時保管することにより、保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させる時間を確保することもできる。
【００６８】
また、第４発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、検出範囲を撮影する撮影部を有し、検出範囲に保管物があるか否かを、撮影部が撮影した画像により検出する保管物検出部を更に備え、出庫対象の保管物を移載しようとしたとき、保管物検出部が、移載しようとする位置に保管物を検出した場合、移載部の動作を停止させるように構成してあるから、保管物を間違って同一場所に収納させようとして保管物を破損させることがない。
【００６９】
また、第５発明に係る自動保管庫においては、移載部は、移載しようとする保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備え、圧力検出部が圧力を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成してあるから、保管物を間違って同一場所に収納させようとしても、保管物同士が当接した瞬間に保管物に働く圧力を検出し、移載部の動作を停止させ、保管物を破損させることがない。
【００７０】
さらに、第６発明に係る自動保管庫においては、保管部は、横方向移動が可能な回転棚を備えたから、棚を回転させることによって、出庫対象の保管物を次々と入出庫装置に対向させることができ、保管物を効率よく取り出すことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレートの斜視図である。
【図２】実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なマイクロチューブラックの斜視図である。
【図３】本発明に係る自動保管庫の実施の形態を示す一部を破断した斜視図である。
【図４】実施の形態の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【図５】本発明に係る自動保管庫の実施の形態を示す一部を破断した斜視図である。
【図６】実施の形態の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【図７】載置部、一時保管部及び移載部を示す模式図である。
【符号の説明】
３ 保管部
４ プレート（保管物）
５ マイクロチューブラック（収納用具）
５ａ チューブ（保管物）
１０ 入出庫口
１２ 収容部
２０，２０Ａ 入出庫装置
２６ａ 第２ロボットアーム（第２移送部）
２７ａ 第１ロボットアーム（第１移送部）
２８ａ 載置部
２８ｂ 一時保管部
２９ 移載部
２９ｂ 画像センサ（保管物検出部）
２９ｆ 圧力センサ（圧力検出部）
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物科学用試験材料又は培養物等を、所定の温度及び湿度下において保管し、入出庫作業が自動的に行える自動保管庫に関する。
【０００２】
【従来の技術】
生物科学用試験材料又は培養物等の保管は、保管中の変質等を防止するため、厳しい温度及び湿度管理の下に行われる。従来は、冷蔵庫又は冷凍庫等に人手によって保管されており、保管のための作業時間が多く、試験材料等が間違われて保管されることが生じ易い。また、保管庫の大きさは、作業者の手が届く範囲を基準として選定されるため、自ずと小型のものが用いられ、膨大な数の試験材料等を保管するために多くの保管庫とそれを設置する広いスペースとを必要とした。
【０００３】
前述したような状態を改善すべく、保管棚内に間仕切りを設け、その間仕切り空間夫々に独立した温度及び湿度制御装置を設けると共に、その内部に設けた通路を入出庫口であるステーションから保管棚の最奥部まで走行し、保管物を入出庫する入出庫装置の動きに合わせて開閉する自動扉を間仕切りに設けた自動保管設備が開示されている（特許文献１参照）。
【０００４】
この自動保管設備は、間仕切り空間毎に温度及び湿度制御装置を設けたから、厳密な温度及び湿度管理ができ、また、間仕切り空間毎に異なる温度及び湿度管理も可能である。
【０００５】
【特許文献１】
特開２００２−２０５８０４号公報
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
生物科学用試験材料又は培養物等の保管は、冷凍かつ低湿度の状態において行われることが多く、このような状態において保管されている試験材料等を保管庫から室内にすぐに取り出した場合、試験材料等の温度と室温との温度差が大きいため、試験材料等を入れている容器に接触する空気が急激に冷却されることにより、試験材料等を入れている容器に結露が生じ、この水分が試験材料等に混入することによって試験材料等が変質するという問題があった。
【０００７】
冷凍状態において保管されている試験材料等を結露させないように室内に取り出すためには、段階的に温度を上げて試験材料等を入れている容器に接触する空気が急激に冷却されないようにすればよい。特許文献１に記載された自動保管設備は、各間仕切り空間毎に異なる温度及び湿度管理も可能であるが、この自動保管設備において結露しないように試験材料等を室内に取り出すためには、保管棚の奥の間仕切り空間から入出庫口であるステーション側に向けて順に温度設定を高くし、試験材料等を保管棚から取り出した入出庫装置を各間仕切り空間毎に一定時間停止させ、試験材料等をその温度付近まで上昇させた後、入出庫装置を次の間仕切り空間に移動させるということをしなければならない。出庫対象の試験材料等の数量が、入出庫装置が一回に取り出し及び運搬できる数量を上回っている場合、出庫対象の試験材料等を全数取り出すまでに、試験材料等を各間仕切り空間毎の温度付近に上昇させるための入出庫装置の停止回数が多くなり、出庫効率が悪いという問題があった。
【０００８】
また、特許文献１に記載された自動保管設備は、保管棚の内部に入出庫装置が走行する通路を必要とし、入出庫口側の保管棚の一部を冷凍温度よりも高い温度に設定する必要があることから、実質的に冷凍保管できる保管棚のスペースが少なく、冷凍保管する場合の実質的な収納効率が悪いという問題があった。
【０００９】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、入出庫口から保管部までの間に独立して温度管理が可能な空間を備えることにより、試験材料等を冷凍保管する場合でも、保管部全体を冷凍保管するために使用できるから、冷凍保管する保管物の収納効率もよく、保管物の温度を段階的に上昇させて結露せずに出庫できる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１０】
また、本発明は、保管物が収納された収納用具を載置する載置部と、保管物を移載する移載部とを入出庫装置に備えることにより、複数の保管物が一の収納用具に収納されて保管されている場合でも、保管物を個別に収納用具に移載できるから、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができ、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１１】
また、本発明は、保管物を収納する収納用具を一時的に保管する一時保管部を備えることにより、出庫する収納用具を一時的に保管して保管物の温度を上昇させる時間を確保することができる自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１２】
また、本発明は、保管物を検出する保管物検出部を備えることにより、既に保管物が収納された場所に保管物を収納させない自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１３】
また、本発明は、保管物同士の当接によって保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備えることにより、既に保管物が収納された場所に保管物を収納させない自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１４】
さらに、本発明は、保管部に回転式の棚を備えることにより、保管物の出庫効率がよい自動保管庫を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
第１発明に係る自動保管庫は、保管部と、該保管部に対する入出庫口と、該入出庫口に入庫された保管物を前記保管部に納め、前記保管部に納めてある保管物を前記入出庫口に出庫する入出庫装置とを備える自動保管庫において、前記入出庫口に連設され、入出庫された保管物を一時的に収容する収容部を備え、該収容部、前記入出庫装置が配設された部分及び前記保管部の夫々の温度を個別に管理することを可能に構成したことを特徴とする。
【００１６】
第１発明においては、収容部及び入出庫装置が配設された部分は、保管部よりも高い温度に設定することができる。収容部及び入出庫装置が配設された部分の温度を保管部の温度よりも段階的に高く設定することにより、保管部から取り出した保管物と、入出庫装置が配設された部分との温度差を小さくできる。保管物の温度と周囲の温度との温度差が小さいから、保管物に接触する空気が急激に冷却されることがなく、保管物に結露を発生させずに出庫できる。
【００１７】
第２発明に係る自動保管庫は、第１発明において、前記入出庫装置は、保管物を収納する収納用具を複数載置することが可能な載置部と、前記収容部に収容された収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記収容部に移送する第１移送部と、前記保管部に納められた収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記保管部に移送する第２移送部と、前記載置部に載置された収納用具に収納された保管物を前記載置部に載置された異なる収納用具に移載する移載部とを備えることを特徴とする。
【００１８】
第２発明においては、収納用具に収納された保管物を出庫する場合、収容部にある収納用具を載置部へ移送し、出庫対象の保管物を収納した収納用具を保管部から載置部に移送し、出庫対象の保管物を保管部にあった収納用具から収容部にあった収納用具に移載し、移載された出庫対象の保管物が収納された収納用具を収容部に移送する。保管物を収納用具に個別に移載できるから、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができ、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる。
【００１９】
第３発明に係る自動保管庫は、第２発明において、前記入出庫装置は、収納用具を一時的に保管する一時保管部を更に備え、前記第１移送部は、前記一時保管部と前記収容部との間の移送及び前記一時保管部と前記載置部との間の移送を可能に構成してあることを特徴とする。
【００２０】
第３発明においては、収納用具は、収容部から一時保管部に移送され、一時保管部から載置部に移送され、載置部において出庫対象の保管物を収納し、載置部から収容部に移送される。出庫対象の保管物を収納した収納用具を載置部から一時保管部に移送して一時的に保管することもでき、このようにした場合は、保管物を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させる時間を確保することができる。
【００２１】
第４発明に係る自動保管庫は、第２又は第３発明において、前記入出庫装置は、検出範囲を撮影する撮影部を有し、検出範囲に保管物があるか否かを、前記撮影部が撮影した画像により検出する保管物検出部を更に備え、該保管物検出部が保管物を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする。
【００２２】
第４発明においては、出庫対象の保管物を移載するとき、移載しようとする場所に既に保管物が収納されている場合、保管物検出部が保管物を検出し、移載部の動作を停止させて保管物の破損を防止する。
【００２３】
第５発明に係る自動保管庫は、第２乃至第４発明のいずれかにおいて、前記移載部が、移載しようとする保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備え、該圧力検出部が圧力を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする。
【００２４】
第５発明においては、出庫対象の保管物を移載するとき、移載しようとする場所に既に保管物が収納されている場合、移載しようとする保管物が既に収納されている保管物に当接したときの圧力を検出し、移載部の動作を停止させて保管物の破損を防止する。
【００２５】
第６発明に係る自動保管庫は、第１乃至第５発明のいずれかにおいて、前記保管部が、横方向移動が可能な回転棚を備えることを特徴とする。
【００２６】
第６発明においては、棚を回転させることによって、出庫対象の保管物を入出庫装置に対向させることができ、保管物を次々と保管部から取り出すことができる。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
【００２８】
実施の形態１
図１は、実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレートの斜視図であり、図２は、実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なマイクロチューブラックの斜視図である。
【００２９】
本実施の形態１の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレート４は、直方体の一面に四角形の凹部を８行１２列の計９６箇所形成したものであり、外形寸法は、幅１２７ｍｍ、奥行き８２ｍｍ、高さ１５ｍｍ（又は３０ｍｍ）とされている。高さの違いによって凹部内の容量が異なり、高さ１５ｍｍのプレートがシャロープレートと呼称され、高さ３０ｍｍのプレートがディーププレートと呼称されている。
【００３０】
また、一般的なマイクロチューブラック５は、試験材料等が注入された有底円筒形のチューブ５ａを立てた状態にして収納することが可能に構成されており、チューブ５ａの形状に対応した凹部を直方体の一面に８行１２列の計９６箇所形成したものである。外形寸法は、幅２１３ｍｍ、奥行き１１８ｍｍ、高さ５０ｍｍとされている。
【００３１】
図３は、本発明に係る自動保管庫の実施の形態１を示す一部を破断した斜視図であり、図４は、実施の形態１の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【００３２】
図において１Ａは自動保管庫本体であり、自動保管庫本体１Ａの外観は、平面視を長方形とした略直方体をなし、平面視において一方の短辺となる側面に入出庫扉１１を有する入出庫口１０が配設されている。入出庫口１０には、プレート４を積載可能なカートリッジ４０を４個横に並べて収容することができる収容部１２が連設されており、この収容部１２の内部は、空気を循環させる循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能である。
【００３３】
収容部１２を形成する壁の内、入出庫口１０に対向する壁には、空気を噴出することによって流れの層を作り、この層に隔離された２つの空間の間を行き来する空気の流れを遮断するエア式シャッタである第１シャッタ１４を備える第１連通口１３が配設されている。この第１連通口１３の収容部１２側の逆側には、保管物であるプレート４を収容部１２から取り出して保管部３に納め、保管部３に納められたプレート４を取り出して収容部１２に出庫する入出庫装置２０が配設されている。入出庫装置２０は、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされたロボットアーム２１と、ロボットアーム２１を上下方向に移動させる昇降機２２とを備え、入出庫装置２０が配設された部分は、収容部１２と同様に、循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能である。入出庫装置２０が配設された部分の温度は収容部１２の温度よりも低く管理されている。
【００３４】
入出庫装置２０が配設された部分の収容部１２側の逆側の壁には、エア式シャッタである第２シャッタ２５，２５を備え、保管部３の内部に通じる２つの第２連通口２３，２３が配設されている。保管部３の内部には、プレート４を２４段積載できる棚を計２５個横方向に折り返して並べて環状に構成し、棚を横方向に移動させて回転させることが可能とされた２つの回転棚３０，３０が、長手方向を自動保管庫本体１Ａの長手方向に合わせて並設されている。この保管部３の内部は、前記収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分と同様に、循環式空調コントロールによって、温度及び湿度を略均一に管理することが可能であり、管理温度の範囲は−２５℃から５℃の間とされている。前記第２連通口２３，２３の位置は、回転棚３０，３０の折り返し位置の略中心に対応している。
【００３５】
本実施の形態１の自動保管庫は、前述の自動保管庫本体１Ａと、保管部３内のプレート４の保管情報等を管理し、コンピュータにより構成される管理装置（図示せず）とを備える。
【００３６】
なお、第１連通口１３及び第２連通口２３，２３にはエア式シャッタである第１シャッタ１４及び第２シャッタ２５，２５を配設してあるが、エア式シャッタに限らず、連通部に扉を設け、この扉を機械的に開閉するように構成した機械式シャッタを配設してもよい。
【００３７】
以上の構成により、本実施の形態１の自動保管庫の入庫時においては、プレート４が積載されたカートリッジ４０が、入出庫口１０を経由して収容部１２に入庫される。入出庫装置２０は、収容部１２に入庫されたカートリッジ４０内のプレート４をロボットアーム２１によって取り出し、回転棚３０，３０の空いている棚に、取り出したプレート４を納める。第１連通口１３又は第２連通口２３，２３をロボットアーム２１が通過するとき、第１シャッタ１４又は第２シャッタ２５，２５は空気の噴出を停止する。なお、空気の噴出を停止せず、そのまま噴出を続行した状態においてロボットアーム２１を通過させることも可能である。前述した動作を繰り返し、入庫対象のプレート４の全数を回転棚３０，３０に納めることにより、入庫動作が終了する。プレート４を入庫した位置は、保管情報として前記管理装置において管理される。
【００３８】
出庫時においては、収容部１２に空のカートリッジ４０が入庫され、出庫対象のプレート４の情報が前記管理装置に入力される。前記管理装置は、保管情報を基に出庫対象のプレート４の保管位置を特定し、出庫対象のプレート４が納められている棚が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。出庫対象のプレート４をロボットアーム２１によって回転棚３０，３０から取り出し、ロボットアーム２１を旋回させ、取り出したプレート４をカートリッジ４０に収容させる。前述した動作を繰り返し、出庫対象のプレート４の全数をカートリッジ４０に収容させることにより、出庫動作が終了する。
【００３９】
以上、本実施の形態１の自動保管庫は、収容部１２、入出庫装置２０が配設された部分及び保管部３の夫々の温度を個別に管理できるように構成したから、冷凍保管されている試験材料等を出庫する場合でも、収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分の温度を段階的に高く設定することにより、プレート４の温度を段階的に上昇させることができ、プレート４の温度と、プレート４に接触する空気の温度との温度差を小さくできるから、プレート４に接触する空気を急激に冷却することがなく、プレート４を結露させずに出庫させることができる。また、収容部１２、入出庫装置２０が配設された部分及び保管部３の夫々の湿度も個別に管理できるように構成したから、夫々の部分の湿度を低く管理することにより、夫々において結露又は霜付きを防止でき、プレート４を出庫する場合でも、収容部１２及び入出庫装置２０が配設された部分の空気が乾燥しているため、プレート４に接触する空気が冷却されても空気中の水蒸気が飽和せず、プレート４を結露させずに収容部１２に移動させることができる。
【００４０】
また、入出庫装置２０を保管部３に隣接して設け、保管部３に回転棚３０，３０を備えたから、回転棚３０，３０を回転させることにより、出庫対象のプレート４を入出庫装置２０に対向させることができ、出庫対象のプレート４を次々と保管部３から取り出すことができる。
【００４１】
実施の形態２
図５は、本発明に係る自動保管庫の実施の形態２を示す一部を破断した斜視図であり、図６は、実施の形態２の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。実施の形態１の自動保管庫と同一構成の部分は、同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【００４２】
図において１Ｂは自動保管庫本体であり、自動保管庫本体１Ｂは、実施の形態１の自動保管庫本体１Ａに対し、入出庫装置２０Ａが異なるのみであり、他は同一の構成とされている。実施の形態２の自動保管庫は、実施の形態１の自動保管庫と同様に、図示しない管理装置を備える。
【００４３】
入出庫装置２０Ａが配設された部分の略中央には、マイクロチューブラック５又はプレート４を４個並べて載置することが可能な載置部２８ａが長手方向を平面視における自動保管庫本体１Ｂの長手方向に略直交するように配設されており、この載置部２８ａの下側には、マイクロチューブラック５又はプレート４を一時保管する一時保管部２８ｂ（図７参照）が配設されている。
【００４４】
載置部２８ａの収容部１２側には、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされ、カートリッジ４０及び載置部２８ａ間においてマイクロチューブラック５又はプレート４を移送する第１移送部である第１ロボットアーム２７ａと、第１ロボットアーム２７ａを上下方向に移動させる第１昇降機２７ｂとが配設されている。
【００４５】
載置部２８ａの保管部３側には、横方向に移動、旋回及び伸縮が可能とされ、回転棚３０，３０及び載置部２８ａ間においてマイクロチューブラック５又はプレート４を移送する第２移送部である第２ロボットアーム２６ａと、第２ロボットアーム２６ａを上下方向に移動させる第２昇降機２６ｂとが配設されている。
【００４６】
載置部２８ａの上側には、マイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａを個別に取り出し、取り出したチューブ５ａを異なるマイクロチューブラック５又は同じマイクロチューブラック５の異なる場所に移載する移載部２９が配設されている。載置部２８ａ、一時保管部２８ｂ、第２ロボットアーム２６ａ、第１ロボットアーム２７ａ、第２昇降機２６ｂ、第１昇降機２７ｂ及び移載部２９によって入出庫装置２０Ａが構成されている。
【００４７】
図７は、載置部２８ａ、一時保管部２８ｂ及び移載部２９を示す模式図である。
【００４８】
載置部２８ａの上側には、マイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａを４本の爪によって掴持する４爪チャック機２９ａと、４爪チャック機２９ａの下側を検出範囲とし、この検出範囲を撮影するカメラを備え、検出範囲を撮影した画像を解析して検出範囲にチューブ５ａがあるか否かを検出する保管物検出部である画像センサ２９ｂとが取り付けられたアーム２９ｃが配設されている。このアーム２９ｃは、載置部２８ａの上側に、かつ、載置部２８ａの長手方向と略同じ方向に配設されたレール２９ｅ上の移動機２９ｄによって、上下方向、載置部２８ａの長手方向及び載置部２８ａの長手方向に略直交する方向に移動することが可能に構成されている。
【００４９】
４爪チャック機２９ａが掴持したチューブ５ａを下側へ移動させようとした場合、画像センサ２９ｂがその先にチューブ５ａを検出したとき、移動機２９ｄは下側への移動を停止するように構成されている。また、４爪チャック機２９ａには、圧力検出部である圧力センサ２９ｆが組み込まれており、掴持したチューブ５ａを下側へ移動させる場合、例えば他のチューブ５ａに当接したときに、圧力を検出して下側への移動を停止するように移動機２９ｄは構成されている。このような４爪チャック機２９ａ、画像センサ２９ｂ、アーム２９ｃ、レール２９ｅ及び移動機２９ｄによって移載部２９が構成されている。
【００５０】
以上の構成により、本実施の形態２の自動保管庫は、入庫時において、チューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５がカートリッジ４０に積載され、このカートリッジ４０が入出庫口１０を経由して収容部１２に入庫される。カートリッジ４０内のマイクロチューブラック５は、第１ロボットアーム２７ａによって取り出され、載置部２８ａ上に載置される。前記管理装置は、保管情報を基にして回転棚３０，３０内の収納余裕があるマイクロチューブラック５を特定し、特定したマイクロチューブラック５が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。第２ロボットアーム２６ａは、回転棚３０，３０から収納余裕があるマイクロチューブラック５を取り出し、載置部２８ａ上に載置する。移載部２９は、入庫対象のチューブ５ａをマイクロチューブラック５から取り出し、収納余裕があるマイクロチューブラック５の方に移載する。第２ロボットアーム２６ａは、入庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を回転棚３０，３０に納める。入庫対象のチューブ５ａが無くなったマイクロチューブラック５は、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０に戻される。前述した動作を繰り返し、入庫対象のチューブ５ａの全数を回転棚３０，３０に納めることにより、入庫動作が終了する。チューブ５ａを入庫した位置は、保管情報として前記管理装置において管理される。
【００５１】
出庫時においては、チューブ５ａが収納されていない空のマイクロチューブラック５を積載したカートリッジ４０が収容部１２に入庫され、出庫対象のチューブ５ａの情報が前記管理装置に入力される。
【００５２】
第１ロボットアーム２７ａは、カートリッジ４０内の全てのマイクロチューブラック５を一時保管部２８ｂに移送し、その後、第１ロボットアーム２７ａは、一時保管部２８ｂから載置部２８ａ上に、空のマイクロチューブラック５を２個並べて載置する。前記管理装置は、出庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を特定し、特定したマイクロチューブラック５が第２連通口２３，２３に対向する位置に来るように回転棚３０，３０を回転させる。
【００５３】
第２ロボットアーム２６ａは、出庫対象のチューブ５ａが収納されたマイクロチューブラック５を２個、回転棚３０，３０から取り出し、載置部２８ａ上に並べて載置する。移載部２９は、出庫対象のチューブ５ａを取り出し、一方の空のマイクロチューブラック５（以下、出庫ラックという）に収納する。
【００５４】
ここで、出庫条件として、マイクロチューブラック５内におけるチューブ５ａの収納位置が指定されている場合、移載部２９は、指定位置にチューブ５ａを収納する。載置部２８ａ上のマイクロチューブラック５に収納されたチューブ５ａの内、出庫対象のチューブ５ａではあるが、別のマイクロチューブラック５に収納して出庫しなければならないチューブ５ａがある場合、このチューブ５ａは他方の空きマイクロチューブラック５（以下、一時収納ラックという）に一時収納される。
【００５５】
出庫対象のチューブ５ａが無くなったマイクロチューブラック５は、第２ロボットアーム２６ａによって回転棚３０，３０に戻される。第２ロボットアーム２６ａは、次の出庫対象のチューブ５ａが含まれるマイクロチューブラック５を取り出し、載置部２８ａ上に載置する。
【００５６】
以上を繰り返し行い、出庫ラックに収納する出庫対象のチューブ５ａが揃ったとき、この出庫ラックは、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０に収容される。
【００５７】
次に、第１ロボットアーム２７ａは、一時保管部２８ｂから載置部２８ａ上に次の出庫ラックを移送する。次の出庫ラックに収納するチューブ５ａが含まれたマイクロチューブラック５を回転棚３０，３０から載置部２８ａ上に移送し、前述のようにチューブ５ａを移載することを繰り返す。前述した一時収納ラックのチューブ５ａの中に、次の出庫ラックに収納させる必要があるチューブ５ａが一時収納されている場合、一時収納ラックから次の出庫ラックに移載部２９によって移載する。このようにして全ての出庫対象のチューブ５ａをマイクロチューブラック５の収納位置まで管理して出庫することができる。
【００５８】
なお、チューブ５ａを一時収納する一時収納ラックが一杯になった場合は、一杯になった一時収納ラックを一時保管部２８ｂに保管し、一時保管部２８ｂに保管されている空のマイクロチューブラック５を載置部２８ａ上に移送し、これを次の一時収納ラックとしてチューブ５ａを一時収納する。一時保管部２８ｂにある一時収納したチューブ５ａを、出庫ラックに移載する場合は、一時保管部２８ｂにある一時収納ラックと載置部２８ａ上にある次の一時収納ラックとを入れ換えた後に移載する。
【００５９】
また、出庫対象のチューブ５ａが揃った出庫ラックは、第１ロボットアーム２７ａによってカートリッジ４０内に収容されるとしたが、出庫ラックを一時保管部２８ｂに保管し、最後に移載されたチューブ５ａが入出庫装置２０Ａが配設された部分の温度付近に上昇するだけの時間を確保した後にカートリッジ４０内に収容させるようにしてもよい。
【００６０】
以上、本実施の形態２の自動保管庫は、入出庫装置２０Ａに載置部２８ａ及び移載部２９を備えたから、出庫対象のチューブ５ａを出庫しようとするマイクロチューブラック５に移載することができ、出庫しようとするマイクロチューブラック５のどの位置にチューブ５ａを収納するかまで管理できる。
【００６１】
また、入出庫装置２０Ａに一時保管部２８ｂを備えたから、一時収納ラックを一時保管部２８ｂに一時保管することができ、また、出庫ラックを一時保管部２８ｂに一時保管することにより、出庫ラックに収納されたチューブ５ａ及び出庫ラックの温度を入出庫装置２０Ａが配設された部分内の温度付近に上昇させる時間を確保することもできる。
【００６２】
また、入出庫装置２０Ａに画像センサ２９ｂを備えたから、既にチューブ５ａが収納された場所にチューブ５ａを収納してチューブ５ａを破損させることがない。
【００６３】
さらに、４爪チャック機２９ａに圧力センサ２９ｆを備えたから、既にチューブ５ａが収納された場所にチューブ５ａを収納しようとしても、チューブ５ａ同士の当接による圧力を検出して下側への移動を停止させ、チューブ５ａを破損させることがない。
【００６４】
前述した実施の形態１及び２の自動保管庫は、保管対象をチューブ５ａ、マイクロチューブラック５又はプレート４としているが、本発明に係る自動保管庫が保管対象とするものは、チューブ５ａ、マイクロチューブラック５又はプレート４に限られない。
【００６５】
【発明の効果】
以上、詳述したように、第１発明に係る自動保管庫においては、保管物を一時的に収容する収容部を備え、収容部、入出庫装置が配設された部分及び保管部の夫々の温度を個別に管理することを可能に構成したから、収容部及び入出庫装置が配設された部分は、保管部よりも高い温度に設定することができ、段階的に温度を設定し、保管物を夫々の温度付近に上昇させて出庫することにより、保管物に接触する空気を急激に冷却せず、保管物を結露させずに出庫できる。
【００６６】
また、第２発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、複数の収納用具を載置することが可能な載置部と、収容部に収容された収納用具を載置部に移送し、載置部に載置された収納用具を収容部に移送する第１移送部と、保管部に納められた収納用具を載置部に移送し、載置部に載置された収納用具を保管部に移送する第２移送部と、載置部に載置された収納用具に収納された保管物を載置部に載置された異なる収納用具に移載する移載部とを備えるから、保管物を収納用具に個別に移載でき、出庫対象の保管物だけを収納用具に収納させて出庫させることができる。また、保管物を移載している間に保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させることができる。
【００６７】
また、第３発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、収納用具を一時的に保管する一時保管部を更に備え、第１移送部は、一時保管部と収容部との間の移送及び一時保管部と載置部との間の移送を可能に構成してあるから、一時保管する保管物によって一杯になった収納用具を一時保管部に一時保管できる。また、出庫対象の保管物が収納された収納用具を一時保管部に一時保管することにより、保管物の温度を入出庫装置が配設された部分の温度付近に上昇させる時間を確保することもできる。
【００６８】
また、第４発明に係る自動保管庫においては、入出庫装置は、検出範囲を撮影する撮影部を有し、検出範囲に保管物があるか否かを、撮影部が撮影した画像により検出する保管物検出部を更に備え、出庫対象の保管物を移載しようとしたとき、保管物検出部が、移載しようとする位置に保管物を検出した場合、移載部の動作を停止させるように構成してあるから、保管物を間違って同一場所に収納させようとして保管物を破損させることがない。
【００６９】
また、第５発明に係る自動保管庫においては、移載部は、移載しようとする保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備え、圧力検出部が圧力を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成してあるから、保管物を間違って同一場所に収納させようとしても、保管物同士が当接した瞬間に保管物に働く圧力を検出し、移載部の動作を停止させ、保管物を破損させることがない。
【００７０】
さらに、第６発明に係る自動保管庫においては、保管部は、横方向移動が可能な回転棚を備えたから、棚を回転させることによって、出庫対象の保管物を次々と入出庫装置に対向させることができ、保管物を効率よく取り出すことができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なプレートの斜視図である。
【図２】実施の形態の自動保管庫が保管対象とする一般的なマイクロチューブラックの斜視図である。
【図３】本発明に係る自動保管庫の実施の形態を示す一部を破断した斜視図である。
【図４】実施の形態の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【図５】本発明に係る自動保管庫の実施の形態を示す一部を破断した斜視図である。
【図６】実施の形態の自動保管庫の機械的構成を示す模式図である。
【図７】載置部、一時保管部及び移載部を示す模式図である。
【符号の説明】
３ 保管部
４ プレート（保管物）
５ マイクロチューブラック（収納用具）
５ａ チューブ（保管物）
１０ 入出庫口
１２ 収容部
２０，２０Ａ 入出庫装置
２６ａ 第２ロボットアーム（第２移送部）
２７ａ 第１ロボットアーム（第１移送部）
２８ａ 載置部
２８ｂ 一時保管部
２９ 移載部
２９ｂ 画像センサ（保管物検出部）
２９ｆ 圧力センサ（圧力検出部）
Claims (6)
- 保管部と、該保管部に対する入出庫口と、該入出庫口に入庫された保管物を前記保管部に納め、前記保管部に納めてある保管物を前記入出庫口に出庫する入出庫装置とを備える自動保管庫において、
前記入出庫口に連設され、入出庫された保管物を一時的に収容する収容部を備え、該収容部、前記入出庫装置が配設された部分及び前記保管部の夫々の温度を個別に管理することを可能に構成したことを特徴とする自動保管庫。 - 前記入出庫装置は、
保管物を収納する収納用具を複数載置することが可能な載置部と、
前記収容部に収容された収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記収容部に移送する第１移送部と、
前記保管部に納められた収納用具を前記載置部に移送し、前記載置部に載置された収納用具を前記保管部に移送する第２移送部と、
前記載置部に載置された収納用具に収納された保管物を前記載置部に載置された異なる収納用具に移載する移載部と
を備えることを特徴とする請求項１に記載の自動保管庫。 - 前記入出庫装置は、収納用具を一時的に保管する一時保管部を更に備え、前記第１移送部は、前記一時保管部と前記収容部との間の移送及び前記一時保管部と前記載置部との間の移送を可能に構成してあることを特徴とする請求項２に記載の自動保管庫。
- 前記入出庫装置は、検出範囲を撮影する撮影部を有し、検出範囲に保管物があるか否かを、前記撮影部が撮影した画像により検出する保管物検出部を更に備え、該保管物検出部が保管物を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする請求項２又は３に記載の自動保管庫。
- 前記移載部は、移載しようとする保管物に働く圧力を検出する圧力検出部を備え、該圧力検出部が圧力を検出したとき、前記移載部の動作を停止させるように構成したことを特徴とする請求項２乃至４のいずれかに記載の自動保管庫。
- 前記保管部は、横方向移動が可能な回転棚を備えることを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の自動保管庫。
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