JP4021311B2 - 自動倉庫システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料類を自動的に保管し取り出すのに好適な自動倉庫システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動倉庫は荷(物品)を自動的に格納し取り出すものであり、荷をその形態からみると、ダンボール箱や箱型コンテナが一般的である。部品類のようなバラの物品を扱う場合は箱型コンテナが使用される。
【0003】
荷の流れから自動倉庫を見ると、荷が格納庫から出庫されると再び格納庫に戻ることはない一方通行方式と、出庫された荷が格納庫に戻る循環方式とがある。前者の典型が商品配送センターに設置される自動倉庫であり、後者の典型として、例えば特許文献1に記載したファイルホルダ用自動倉庫が挙げられる。
【0004】
ファイルホルダの集配には専用のワゴンが使用されており、自動倉庫にはワゴンセット部が設けられていて、スタッカクレーンにより、ファイルホルダはワゴンと格納庫との間に移し換えられる。
【0005】
他方、自動的に格納・取り出される物品として、化学品や薬品、各種検体、微生物サンプル等の試料類がある。この試料類は容器に収納して取り扱われているが、この容器の代表例として、有底筒状のミニチューブと、多数の封入穴を開口したディープウエルとが存在している。
【0006】
ミニチューブには1種類の試料しか収納することはできず、ディープウエルには封入穴の個数の種類だけ試料を収納することができる。ミニチューブは小さくて単体で格納するのは事実不可能であるため、その格納には、1本のミニチューブが嵌まる保持穴を多数形成したブロック状のケースが使用される。他方、ディープウエルはある程度の大きさがあるため、単体で扱われる。
【0007】
研究所等には大量のミニチューブやディープウエルが保管されており、大量のストックの中から特定のものを取り出さなければならず、また、新たな試料を追加して格納する必要もある。
【0008】
このようなミニチューブ用のケースもディープウエルも例えばダンボールなどに比べて小さいため、これをスタッカクレーン等で直接に取り扱うのは厄介であり、また、棚にケースやディープウエルを1個ずつ格納したのでは格納庫の奥行きは極めて小さくなるため、格納スペースのロスが大きい。
【0009】
従って、複数のケースやディープウエルをトレー等のコンテナに載せて、格納庫への出し入れはコンテナを単位として行うのが好ましい。すると、コンテナにケースやディープウエルを載せ降ろしする必要があるため、前記したファイルホルダ用自動倉庫のような自動倉庫をそのまま使用することができない。
【0010】
更に、ミニチューブの保管・管理について見ると、一つのケースに保持されている多数のミニチューブのうち一部だけを必要とする場合が多いが、この場合、ケースを単位として格納・出し入れするのでは、不必要な試料まで庫外に取り出されるため試料の劣化等の問題が生じ、得策でない。
【0011】
そこで、本願出願人は、例えば特許文献2において、ミニチューブやディープウエルを効率的に出し入れするための自動倉庫システムとして、ミニチューブ用ケースやディープウエルを載せるコンテナを格納用コンテナと作業用コンテナとに分けて、格納用コンテナの搬送ルートと作業用コンテナの搬送ルートとが並走する載せ換えエリアを設けて、この載せ換えエリアで格納用コンテナと作業用コンテナとの間にミニチューブやディープウエルを載せ換えるシステムを開示した。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−32880号公報
【特許文献2】
特願2002−54995
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
この先願に開示されたシステムによると、ミニチューブやディープウエルの自動的な格納・取り出しを確保しつつ、格納効率を向上することができる。また、一つのケースに保持されている多数本のミニチューブから必要なものだけを出庫できるため、不必要な試料が出庫されて劣化するような不具合はない。
【0014】
本願発明は、この先願発明のように入出庫に際して物品の載せ換えを自動的に行う自動倉庫システムにおいて、構成を簡素化することを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本願発明の自動倉庫システムは、物品を格納するために使用される格納用トレーと、物品を作業場に持ち運ぶのに使用される作業用トレーと、移載通路を走行する搬送台車と、前記移載通路を挟んだ両側又は片側に配置した格納庫と、前記移載通路を挟んだ片側又は両側でかつ格納庫と干渉しない部位に設けた載せ換えエリアと、前記作業用トレーを載せて移動させる集配用のワゴンと、前記移載通路を挟んだ片側でかつ格納庫及び載せ換えエリアと干渉しない部位に設けたワゴンセット部とが備えられており、前記載せ換えエリアに、前記格納用トレーと作業用トレーとに物品を載せ換える移載装置を設けている。
【0016】
そして、前記格納庫と載せ換えエリアとの間での格納用トレーの移し換え、及び、ワゴンセット部にセットされたワゴンと載せ換えエリアとの間での作業用トレーの移し換えが前記搬送台車で行われており、入庫に際しては、前記搬送台車によってワゴンから出庫用トレーが載せ換えエリアに移し換えられて、載せ換えエリアにおいて物品が出庫用トレーから格納用トレーに載せ換えられ、次いで、物品が載せ換えられた格納用トレーは搬送台車で格納庫に搬送される一方、出庫に際しては、前記搬送台車によって格納用トレーが格納庫から載せ換えエリアに移し換えられて、載せ換えエリアにおいて物品が格納用トレーから作業用トレーに載せ換えられ、次いで、物品が載せ換えられた作業用トレーは搬送台車でワゴンに移し換えられる、という入出庫手順になっている。
【0017】
【0018】
請求項2の発明では、前記物品は、前記物品は、有底筒状で細長い単位容器と、上向き開口の封入穴が多数空いたブロック状の複合容器との2種類であり、前記単位容器はその多数本がブロック状のケースに嵌め込み収納できるようになっており、前記複合容器とケースとはそれぞれ複数個が格納用トレーと作業用トレーとに並べて載せられるようになっており、前記複合容器用及びケース用の格納用トレー及び作業用のトレーの各々に、前記搬送台車に設けたピッキング装置で押し引きするための係合部を設けている。
【0019】
【0020】
請求項3の発明では、前記格納庫と移載通路とワゴンセット部とは断熱壁で囲われた冷凍室になっている一方、前記載せ換えエリアは冷凍温度よりも高くて室温よりも低くてしかも低湿度の低温室となっており、前記載せ換えエリアと移載通路とを仕切る断熱壁に、開閉自在な断熱性シャッターが備えられたコンテナ出入口を開口している。
【0021】
一方、前記ワゴンセット部の外側には、室温程度の温度でかつ低湿度の解凍室を設けており、前記解凍室とワゴンセット部とを仕切る壁に、開閉自在な断熱性シャッターが備えられたワゴン出入口を開口している。
【0022】
【発明の作用・効果】
本発明によると、格納用トレーと作業用トレーとは共通の搬送台車によって搬送されるため、格納用トレー及び作業用トレーを搬送するコンベヤを別途設ける必要が無くなり、このため、物品の移し換え機能を有する自動倉庫システムでありながら構造を簡素化することができる。
【0023】
請求項2のように構成すると、例えばミニチューブのような単位容器はケースから必要なものだけを載せ換えて出庫できるため、特に好適である。
【0024】
ところで、検体のような試料類を保管する自動倉庫システムでは、一般に庫内は−20℃程度の冷凍室になっている。他方、物品をコンテナに載せ換える移載装置は可動部分が多くしかも精密に駆動させる必要があるため、載せ換えエリアも冷凍室とすると、移載装置を円滑に作動させることができない虞がある。
【0025】
これに対して請求項3のように構成すると、載せ換えエリアはコンテナの出し入れ機能を損なうことなく冷凍温度よりも高い温度に保持できるため、物品の載せ換えを円滑に行うことができる。また、例えば就業前に必要な試料を出庫しておいて、試料類を載せたワゴンを解凍室に適当な時間置くことにより、試料類をすぐに使用することができて便利である。
【0026】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、試料を自動的に入出庫する試料用自動倉庫システムに適用している。なお、試料としては前記したものの他に微生物サンプルや遺伝子サンプル、血液サンプル、種子などがあり、外観も液体や固体、粉体、ゼリー状体など様々である。
【0027】
(1).試料類の格納・管理態様
まず、自動倉庫システムに使用される試料格納・管理手段を図1〜図5に基づいて簡単に説明する。
【0028】
図1は、試料類を封入する有底筒状の単位容器の一例としてのミニチューブ1と、その多数本を保持できるケース2との概略斜視図である。ミニチューブ1はキャップ3で塞がれている。ケース2は合成樹脂製であり、多数の保持穴4が縦横に整列して形成されている。
【0029】
本実施形態ではケース2は格納用と作業用との2種類があるが、本実施形態ではどちらも同じ形態のものを使用しているので、便宜的に同じ符号を付している。ミニチューブ1に代えてバイアル瓶や試験管を使用することも可能である。
【0030】
ケース2は、図2に示すようにトレー5,6に離脱不能に装着している。ケース2が装着されるトレー5,6は、符号5で示す格納用トレーと、符号6で示す作業用トレーとの2種類が存在しており、両トレー5,6とも、ケース2を並べて収容できる複数の収容部7を設けている。また、トレー5,6の両端には、下向き鉤状の係合部8を設けている。
【0031】
格納用トレー5には図3(A)に示すように6個の収納部7を設けており、作業用トレー6には図2(B)に示すように4個の収納部7を設けている。格納用トレー5と作業用トレー6とは長さが相違するだけで、基本的な構造は共通している。
【0032】
図4では、多種類の試料を一括して収容できる複合容器の一例としてのディープウエル9を示している。ディープウエル9には試料が入る上向き開口の封入穴10を多数形成しており、これらの封入穴10は一つの蓋11で塞がれる。
【0033】
ディープウエル9は格納用トレー5及び作業用トレー6の収容部7に積載されているだけである。ケース2及びディープウエル9は、共通した格納用トレー5及び作業用トレー 6に使用される。但し、本実施形態では、一つの格納用トレー4にケース2とディープウエル9とが混載されることはない。
【0034】
本実施形態では、ミニチューブ用とディープウエル用の格納用トレー5は同じ符号で表示し、ミニチューブ用とディープウエル用の作業用トレー6は同じ符号で表示している。
【0035】
図5ではトレー5,6はひっくり返した状態での斜視図であり、長手両側部にはリブ12を形成している。また、各トレー5,6の収納部7には抜き穴13を設けている。
【0036】
(2).自動倉庫の概要
次に、自動倉庫システムの概要を図6の平面図に基づいて説明する。自動倉庫システムは、移載通路15を走行するスタッカ方式の搬送台車16と、移載通路15を挟んだ両側に配置した格納庫17と、移載通路15を挟んだ片側でかつ一方の格納庫17の外側に配置した載せ換えエリア18と、作業用トレー6を多段かつ多列に積載できる集配用のワゴン19と、移載通路15を挟んで載せ換えエリア18と反対側に配置されたワゴンセット部20と、ワゴンセット部20の外側に配置した解凍室21とを備えている。
【0037】
自動倉庫システムの全体は断熱壁22及び断熱天井で覆われており、格納庫17と移載通路15とワゴンセット部20とは−20℃程度に保持された冷凍室になっている。
【0038】
載せ換えエリア18と移載通路15及び格納庫17とは第1断熱性隔壁23で仕切られており、断熱性隔壁23にはトレー出入口24が空いており、このトレー出入口24を断熱性シャッター25で塞いでいる。載せ換えエリア18は例えば4℃程度の低温でかつ5%程度の低湿度に保持されている。
【0039】
解凍室21は断熱性第2隔壁26で仕切られており、この第2断熱性隔壁26にワゴン出入口27を設け、ワゴン出入口27を断熱性扉28で塞いでいる。解凍室21は例えば4〜20℃程度で低湿度(例えば5%程度)に保持されており、このため、露の発生を防止した状態で試料を解凍できる。
【0040】
解凍室21の外壁には、扉29で覆われたワゴン通路30を設けている。符号31,32はメンナンスに際して作業者が出入りするための扉である。
【0041】
ワゴンセット部20と解凍室21とには、ワゴン19を所定の姿勢に保持するためのガイド手段と、ワゴン19をワゴンセット部20と解凍室21とに自動的に移送する移送手段とを設けている。
【0042】
(3).格納庫及び搬送台車
次に、図7〜図10に基づいて、格納庫17と搬送台車16の概要を説明する。図7は格納庫の部分的な分離斜視図、図8は搬送台車16の概略斜視図、図9は搬送台車16と格納庫17との関係を示す正断面図、図10は搬送台車16の要部斜視図である。
【0043】
格納庫17は、搬送台車16の走行通路側に立設された多数本のフロント支柱34と、搬送台車16の走行通路の反対側に配置された多数本のリア支柱35と、隣合った一対ずつのフロント支柱34及びリア支柱35で支持されたラック(棚板)36、及び横桟等の補強部材(図示せず)等を備えている。ラック36は多段に配置されている。
【0044】
本実施形態では、1つのラック36に2個の格納用トレー5を並べて載置できるようになっている。ラック36の側板には爪37を設けており、これを支柱34,25に形成した係合穴38に嵌め入れている。
【0045】
搬送台車16と、フレーム構造の車台39と、車台39に設けた側面視門型のコラム40と、コラム40に昇降自在に装着した荷台41とを備えている。荷台41は例えばチェーンで吊支されており、複数個(2個)のピッキングユニット42を並設している。
【0046】
車台39には、格納庫17の下部に固定したレール43を転動する複数対(2対)の車輪44を設けている。本実施形態では、車台39の駆動手段としては、レール43の上面に張ったタイミングベルト45を駆動プーリ46に巻き掛けて、駆動プーリ46を走行用モータ47で駆動するように構成している。もちろん、車輪44をモータで駆動しても良い。
【0047】
ピッキングユニット42は、平面視で搬送台車16の走行方向と直交した方向に延びる前後一対の可動フレーム48を備えており、この可動フレーム48の内面に、トレー5,6がスライド自在に載る受け板49を取付けている。例えば図9から理解できるように、可動フレーム48は、移載通路15の巾寸法よりもかなり短い寸法に設定されており、図示しない横移動手段により、格納庫17に接近するように荷台39に取付けられている。
【0048】
可動フレーム48の間には、当該可動フレーム48の長手方向に大きく移動するスライダーブロック50が配置されており、このスライダーブロック50に、トレー5,6の係合部8に下方から係脱するピッカー51を回動自在に取り付けている。ピッカー51は電磁ソレノイドによって駆動される。
【0049】
また、スライダーブロック50はチェーン52に固定されており、チェーン52は、可動フレーム48の内面に軸支したスプロケット群53に巻掛けられている。これらチェーン52の周回動とピッカー51の起倒回動とを組合せることにより、格納用トレー5を格納庫17の任意の部位と荷台41とに載せ換えることができる。
【0050】
なお、搬送台車16から格納庫17に格納用トレー5を移し替る場合は、ピッカー51で格納用トレーの係合部8の外面が押されるようになっている。ピッキングユニット42には、ミニチューブ1及びディープウエル9の飛び出しを防止するためのカバー板54を設けている。
【0051】
(4).載せ換えエリア
次に、図11〜図13に基づいて載せ換えエリア18について説明する。図11は格納用及び作業用のトレー5,6のレイアウトを示す斜視図、図12は概略正断面図、図13のうち(A)(C)はミニチューブ用トレー5,6の出し入れ状態を示す正断面図、(B)は(A)のB−B視図である。
【0052】
図12に概略だけ示すように、載せ換えエリア18は2段式になっており、上段でミニチューブ1の載せ換えを行い、下段でディープウエル9の載せ換えを行うようになっており、このため、上段にはミニチューブ用移載装置55を配置し、下段にはディープウエル用移載装置56を配置している(上下逆にしても良い)。なお、上下の段を断熱材で仕切ってもよい。
【0053】
詳細は省略するが、ミニチューブ1の移し換えは、当該ミニチューブ1をクランプ体57で摘んでこれを上下動及び水平動させることによって行う。ディープウエル9の移し換えは、ディープウエル9を突き上げてからクランプ体58でクランプして上下動及び水平動させることによって行う。ディープウエル9の突き上げを可能とするため、トレー5,6には既述した抜き穴10が空いている(図4参照)。
【0054】
図示していないが、ミニチューブ用移載装置55とディープウエル用移載装置56とは、共通のコラムに取付けた昇降体を備えており、このため全体としての構造が簡単になっている。
【0055】
載せ換えエリア18の上下両段とも、2個の格納用トレー5及び2個の作業用トレー6が載る可動台59が平行に配置されている。両可動台59の下面には可動ガイド60が固定されており、可動ガイド60は、奥行き方向に長く延びる固定レール61に離脱不能に装着されており、図示しない往復動手段により、奥行き方向に移動する。
【0056】
そして、トレー5,6を前進状態の可動台59に載せてから、図13(C)に示すように可動台59を後退させた状態で、ミニチューブ1やディープウエル9の載せ換えを行う。このようにトレー5,6を可動台59に載せているのは、シャッター25を閉じた状態でミニチューブ1やディープウエル9の載せ換えを行うためには、クランプ体57,58の移動範囲との関係で、トレー5,6を第1隔壁23よりもある程度は内側に配置しなければならないからである。
【0057】
ところで、ミニチューブ1やディープウエル9を載せ換えるにおいては、格納番地を特定したり出庫して載せ換えるべき作業用トレーを特定したりするために、個々のミニチューブ1とディープウエル9を特定する必要がある。
【0058】
このため、識別手段の一例として、例えばミニチューブ1においてはその底面に多数のドット表示より成る二次元データが印刷等によって表示されており、ディープウエル9の側面にはバーコード等の一次元データが表示されている。
【0059】
そして、載せ換えエリア18には、ミニチューブ1の二次元データを読み取るセンサー及びスキャナー(リーダー)が配置されている。しかし、これらのセンサーやスキャナーは精密機械の一種であるため、−20℃もの低温になると作動が不確実になり易い。
【0060】
これに対して本実施形態のように載せ換えエリア18を冷凍温度よりも高い温度に設定すると、センサーやスキャナーを正確に作動させて、載せ換えを確実に行うことができる。
【0061】
なお、ミニチューブ1の底面に識別表示を設けている場合は、その表示の読み取りは、ミニチューブ1を移載装置で持ち上げた状態で下方から検査光を照射することによって行われる。ディープウエル9の表示の読み取りは、持ち上げた状態とトレーに載せた状態とのいずれでも可能である。
【0062】
(5).ワゴン
図12に示すように、ワゴン19は、作業用トレー6が複数列ずつ載る棚62を多段に設けており、その前面から各作業用トレー6の係合部8が露出するように設定している。また、ワゴン19をワゴンセット部20にセットした状態で、作業用トレー6の係合部8と格納庫17に格納した格納用トレー5の係合部8とが同じ位置になるように設定している。
【0063】
このため、搬送台車16を使用して、ワゴン19と載せ換えエリア18との間に作業用トレー6を載せ換えることが可能になっている。ワゴン19にはハンドル63を設けている。
【0064】
ワゴン19は自動及び手押しによって移動するため、棚62に載せた作業用トレー6が脱落しないようにロック手段(飛び出し防止手段)を設ける必要がある。このロック手段の一例を図14及び図15に示している。
【0065】
すなわち、図14は図12の XIV-XIV視図、図15は図14のXV−XV視図であり、ワゴン19の前面のうち隣合った作業用トレー6の間の部位に、図示しないガイド手段を介して縦長のロック板64が昇降自在に配置されている。
【0066】
ロック板64は、基本的には隣合った作業用トレー6の間隔寸法よりも巾狭になっているが、各段の棚62に対応して、隣合った作業用トレー6の間隔よりも広くて隣合ったケース2又はディープウエル9の間隔寸法よりも大きいストッパー部64aを設けている。
【0067】
図示しない昇降装置で各ロック板64を一斉に昇降させることにより、各作業用トレー6は、前向き抜け不能なロック状態と、搬送台車16で出し入れ可能なロック解除状態とに切り換えられる。図示してないが、各棚62のうちハンドル63に近い端部には、トレー6が手前に抜け出るのを阻止するストッパーを設けている。図示していないが、ワゴン19にはロックを解除するための手動レバーを設けている。
【0068】
(6).その他
本発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化することができる。例えば、搬送台車16には1つ又は3つ以上のピッキングユニットを設けても良い。また、ピッキングユニットは図示した形態とは異なる構造を採用しても良い。
【0069】
また、解凍室を設ける場合、ワゴンセット部を挟んで格納庫17と反対側に位置した部位に解凍室を設けて、ワゴンを搬送台車の走行方向と同じ方向に移動させるように構成しても良い。
【0070】
更に、ミニチューブのような単位容器とディープウエルのような複合容器とのうちいずれか一方だけを取り扱っても良い。更に、載せ換えエリアとワゴンセット部とを移載通路の片側だけに配置することも可能である。コンテナやケース、トレーなどは、その機能を損なわない限り様々の形態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミニチューブとケースとの分離斜視図である。
【図2】ケースをトレーに装着した状態の断面図である。
【図3】格納用及び作業用のトレーの平面図である。
【図4】ディープウエルとトレーとの分離斜視図である。
【図5】トレーをひっくり返した状態の斜視図である。
【図6】自動倉庫システムの概略平面図である。
【図7】格納庫の部分的な分離斜視図である。
【図8】搬送台車の概略斜視図である。
【図9】搬送台車と格納庫との関係を示す正断面図である。
【図10】搬送台車の要部斜視図である。
【図11】載せ換えエリアにおけるトレーのレイアウトを示す斜視図である。
【図12】載せ換えエリアとワゴンとの概略正断面図である。
【図13】(A)(C)はトレーの出し入れ状態を示す正断面図、 (B)は (A)の B-B視図である。
【図14】トレーの抜けを防止するロック手段の平面図である。
【図15】図14のXV−XV視図である。
【符号の説明】
1 単位容器の一例としてのミニチューブ(物品)
2 ミニチューブを収容するケース
4 保持穴
5 格納用トレー
6 作業用トレー
8 係合部
9 複合容器の一例としてのディープウエル(物品)
10 封入穴
15 移載通路
16 搬送台車
17 格納庫
18 載せ換えエリア
19 ワゴン
20 ワゴンセット部
21 解凍室
22 隔壁
23 第1断熱壁
24 トレー出入口
25 シャッター
26 第2隔壁
27 ワゴン通路
28 扉
42 ピッキングユニット
55 ミニチューブ用移載装置
56 ディープウエル用移載装置
Claims (3)
- 物品を格納するために使用される格納用トレーと、物品を作業場に持ち運ぶのに使用される作業用トレーと、移載通路を走行する搬送台車と、前記移載通路を挟んだ両側又は片側に配置した格納庫と、前記移載通路を挟んだ片側又は両側でかつ格納庫と干渉しない部位に設けた載せ換えエリアと、前記作業用トレーを載せて移動させる集配用のワゴンと、前記移載通路を挟んだ片側でかつ格納庫及び載せ換えエリアと干渉しない部位に設けたワゴンセット部とが備えられており、前記載せ換えエリアに、前記格納用トレーと作業用トレーとに物品を載せ換える移載装置を設けている、
という自動倉庫システムであって、
前記格納庫と載せ換えエリアとの間での格納用トレーの移し換え、及び、ワゴンセット部にセットされたワゴンと載せ換えエリアとの間での作業用トレーの移し換えが前記搬送台車で行われており、
入庫に際しては、前記搬送台車によってワゴンから出庫用トレーが載せ換えエリアに移し換えられて、載せ換えエリアにおいて物品が出庫用トレーから格納用トレーに載せ換えられ、次いで、物品が載せ換えられた格納用トレーは搬送台車で格納庫に搬送される一方、出庫に際しては、前記搬送台車によって格納用トレーが格納庫から載せ換えエリアに移し換えられて、載せ換えエリアにおいて物品が格納用トレーから作業用トレーに載せ換えられ、次いで、物品が載せ換えられた作業用トレーは搬送台車でワゴンに移し換えられる、という入出庫手順になっている、
自動倉庫システム。 - 前記物品は、有底筒状で細長い単位容器と、上向き開口の封入穴が多数空いたブロック状の複合容器との2種類であり、前記単位容器はその多数本がブロック状のケースに嵌め込み収納できるようになっており、前記複合容器とケースとはそれぞれ複数個が格納用トレーと作業用トレーとに並べて載せられるようになっており、前記複合容器用及びケース用の格納用トレー及び作業用のトレーの各々に、前記搬送台車に設けたピッキング装置で押し引きするための係合部を設けている、
請求項1に記載した自動倉庫システム。 - 前記格納庫と移載通路とワゴンセット部とは断熱壁で囲われた冷凍室になっている一方、前記載せ換えエリアは冷凍温度よりも高くて室温よりも低くてしかも低湿度の低温室となっており、前記載せ換えエリアと移載通路とを仕切る断熱壁に、開閉自在な断熱性シャッターが備えられたコンテナ出入口を開口している一方、
前記ワゴンセット部の外側には、室温程度の温度でかつ低湿度の解凍室を設けており、前記解凍室とワゴンセット部とを仕切る壁に、開閉自在な断熱性シャッターが備えられたワゴン出入口を開口している、
請求項1又は請求項2に記載した自動倉庫システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002348813A JP4021311B2 (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 自動倉庫システム |
Applications Claiming Priority (1)
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