JP2004131213A - 貯留物払出し方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】底部に切り出しコンベアを有するとともに、その切り出しコンベアの下流に払い出し口を有するサイロ設備において、単純な構成及び方法により、固形の貯蔵物の払出しにより発生する圧密を解消してブリッジを防ぎ、安定的な払出し量のコントロールを可能とする。
【解決手段】サイロ内の貯留物を、サイロ底部に配置した切出しコンベア3で切り出して、その下流に設けた前記サイロの払出し口6から貯留物を払出す方法において、前記切り出しコンベア3を前進させる動作と後退させる動作とを交互に駆動させ、前記払出し口6付近の貯留物に生じる圧密を解消させてブリッジ形成による払い出し不能状態を防ぎながら、所定時間に所定量の貯留物を払出すことを特徴とする貯留物払出し方法とする。
【選択図】 図5
【解決手段】サイロ内の貯留物を、サイロ底部に配置した切出しコンベア3で切り出して、その下流に設けた前記サイロの払出し口6から貯留物を払出す方法において、前記切り出しコンベア3を前進させる動作と後退させる動作とを交互に駆動させ、前記払出し口6付近の貯留物に生じる圧密を解消させてブリッジ形成による払い出し不能状態を防ぎながら、所定時間に所定量の貯留物を払出すことを特徴とする貯留物払出し方法とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば塵芥等を所定の受入れ手段で上部から受入れて貯留し、所定時期にその所定量を底部から切出しながら払出して、焼却設備等の後続設備に送り出す、固形物貯留サイロにおける貯留物払出し方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固形物を貯留して所定時期にその所定量を払出すサイロとしては、複数の円筒形のサイロを受入れコンベアと払出しコンベアとで連結して、貯留・払出しを行うサイロ設備が一般的であった。しかし、かかる設備では、受入れ手段がその上部中央からのコンベア等による定点積み付けであるため、デッドスペースが生じたり、サイロが円筒形であるためにその設備面積に対して貯留量が少なく、貯蔵効率が悪いという欠点があった。
【0003】
これに対し、角形の貯槽を連続して一列に設け、各貯槽の両側に沿って設けた2つの受入れコンベアと、各貯槽上部に位置して前記受入れコンベアの移動方向に走行可能に設けた2つの積み付け装置を設けるとともに、各貯槽の底部に、前記受入れコンベアに対し直角方向に払出しコンベアを設けて、貯留物の払出しを行うサイロ設備が特開平7−277522号公報に提示されている。係るサイロ設備は、敷地面積を最小限としつつ、各貯蔵室に対する積み付け位置をコントロールすることでデッドスペースを少なくして、貯蔵効率を高めることができる点で優れた技術である。
【0004】
しかし、係るサイロ設備においては、払出しコンベアを用いてバラ物の貯留物を各貯蔵室の側方へ払出す場合、払出し口の周辺に貯留物が圧密されてブリッジが生じ、所望の払出し量の確保が困難となる場合が多かった。係る傾向は、流動性の少ない塵芥を入れたゴミ袋を貯留するサイロでは特に顕著であった。係る場合、払出し口の高さを高くすることでブリッジを防ぐこともできるが、今度は崩落した多量の貯留物が一度に払出されたりして、一定量を安定的に払出すことが困難であった。係る状況はレシプロレーキによる払出しでも同様であった。
【0005】
これに対し、特開平10−167481号公報には、貯槽中に螺旋体を垂直に設けて貯留物を下から上に掻き揚げて、貯留物のブリッジを防ごうとする技術が開示されている。
また、特開平10−310259号公報には、貯槽底部の払出しコンベアの下流の払出し口上部に、突出部であるブリッジ防止板を設けたり、払出し口における貯留物が圧密される壁部分に、取り崩し棒を設けたシャフトを回転可能に設けて、圧密された貯留物を取り崩してブリッジを防ぐ技術が開示されている。
【0006】
これらの技術は、払出しコンベアの移動による払出し口付近の貯留物の圧密を解消し、ブリッジを防止できる点で優れており、特に、回転装置を用いて能動的に圧密部を取り崩す技術は、安定的な払出し量を制御出来る点で優れている。
しかしながら、係る回転装置を用いる技術では、サイロの構造を複雑化するため、既存の設備にそのまま適用するのは容易でないとともに、新規で構築するにしても建設費用が過大となりやすい。また、その使用においてはメンテナンスや清掃に手間がかかるという欠点も有していた。一方、ブリッジ防止板によるブリッジ防止のみでは、大きなバラ物を含む塵芥等の場合は安定的な払出しを実現するには不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、底部に切り出しコンベアを有するとともに、その切り出しコンベアの下流に払い出し口を有するサイロ設備において、単純な構成及び方法により、固形の貯蔵物の払出しにより発生する圧密を解消してブリッジを防ぎ、安定的な払出し量のコントロールを可能とすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、サイロ内の貯留物を、サイロ底部に配置した切出しコンベアで切り出して、その下流に設けた前記サイロの払出し口から貯留物を払出す方法において、前記切り出しコンベアを前進させる動作と後退させる動作とを交互に駆動させ、前記払出し口付近の貯留物に生じる圧密を解消させてブリッジ形成による払い出し不能状態を防ぎながら、所定時間に所定量の貯留物を払出すことを特徴とする貯留物払出し方法とした。
これにより、切出しコンベアの送り出し動作により生じる貯留物のブリッジの形成を容易に防止して、後続設備の処理能力に合致した安定的な払出し量を確保することができる。尚、係る前進・後退動作により、サイロ内の貯留物の偏りが解消されるため、貯蔵効率が向上する。
【0009】
さらに、貯槽と、前記貯槽の底部に設けられた正逆反転走行可能な前記切出しコンベアと、前記切り出しコンベアの下流に設けられた前記払出し口とを有する貯留物払い出し装置であって、前記貯留物払出し方法における切出しコンベアの前進・後退動作を制御して駆動させる制御手段を設けた、貯留物払出し装置とする。これにより、切り出しコンベアの前進・後退動作の制御による安定的な貯留物の払出しを、容易に実現することができる。尚、係る制御手段は、既存の設備に設けることも比較的容易であるため、設備投資も過大とならない。
【0010】
さらにまた、係る切出しコンベアをパンコンベアにすることにより、貯蔵物のコンベア上の滑りを防止して、さらに安定的な払出しを実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら以下に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明における好ましい実施の形態である、貯留物払出し装置1とその周辺機器の概略図であり、主としてゴミ袋に入った塵芥を貯留し、これを所定時間に所定量ずつ払出して、塵芥焼却設備に送り出す装置の断面図を示している。
貯留物払出し装置1は、上面が開いている略直方体の貯槽2a,2b,2c,2dが連続してなるサイロ2からなり、これにはサイロ2の両側面に沿ったサイロ横切り出しフィーダ5とサイロ横ホッパ7が付設されている。
また、サイロ2に塵芥を投入するための設備として、塵芥受入れホッパ11とその下方に設置された塵芥受入れホッパ下切出しコンベア12、これから塵芥を受取りサイロ上部まで揚げ荷する揚げ荷スクリューコンベア13、揚げ荷された塵芥をサイロ上で横持ちする横持ち用投入コンベア14、これに続く分配用投入コンベア15が配置されており、サイロ横切り出しフィーダ5の先端には、後続設備に連絡する搬送コンベア16が配置されている。
【0013】
貯槽2a,2b,2c,2dは、各々その底部がホッパ4で2つに区切られるとともに、サイロ横切出しフィーダ5に対して直角方向に各々2台のサイロ底パンフィーダ3を有しており、サイロ底パンフィーダ3の進行方向の壁面下部に、貯留された塵芥の切出し高さに合致した高さの払出し口6が各々設けられ、塵芥を貯槽の底部から切出してサイロ側方に払出せるようになっている。
【0014】
図2は、図1のB−B線断面図であり、塵芥が貯槽2aに貯留されている状態を示す概略図である。各払出し口6から突出したサイロ底パンフィーダ3の下流端部の下方には、サイロ横切出しフィーダ5が直角に配置され、その上方にはサイロ横ホッパ7がサイロ横切出しフィーダ5に沿って払い出し口6をカバーするようにサイロ両側面に設けられている。これにより、払出された塵芥をいったんサイロ横ホッパ7で貯めるとともに、所定時期に所定量の塵芥をサイロ横切出しフィーダ5で切出して、後続設備に搬送する搬送コンベア16に送り出せるようになっている。
【0015】
次に、各図を用いながら本実施の形態における貯留物払い出し装置1及び付帯設備の動作を説明しながら、本発明である貯留物払い出し方法及び装置について詳細に説明する。
【0016】
先ず、図1を用いて説明すると、場内に搬入された塵芥は、図示しない重機(油圧ショベル等)で、ゴミ受入れホッパ11に投入される。投入された塵芥は、ゴミ受入れホッパ下切出しコンベア12で切出され、これが揚げ荷スクリューコンベア13でサイロ上部へ揚げ荷される。
【0017】
揚げ荷された塵芥は、横持ち用投入コンベア14でサイロ上部中央まで横持ちされ、横持ち用投入コンベア14の下流端部下方にある分配用投入コンベア15に渡される。分配用投入コンベア15は、4つに区分されたサイロの貯槽2a,2b,2c,2dにまんべんなく塵芥を投入するためのベルトコンベアであり、サイロ上部のレール上を破線矢印の方向に移動可能であるとともに、正逆反転可能になっている。これにより、塵芥はまず貯槽2aに投入される。
【0018】
図2は、貯槽2aに塵芥が貯留している状態を示している。係る塵芥はゴミ袋に入れられた比較的大きな塊が積層された状態になっており、全体として流動性が小さいという特徴を有する。係る塵芥は、所定時期に所定量を払出して後続設備に送り出すため、一旦貯槽2aに貯留されたものである。
【0019】
次に、係る塵芥を払い出す動作を説明する。貯槽2aの底部にはサイロ底パンフィーダ3が配置されているが、図2における右方向に前進させる。サイロ底パンフィーダ3には、正逆に反転操作可能なモータ(図示せず)が設けられており、その操作は、オペレータの手動及び制御プログラムを有するコンピュータ(図示せず)による制御により行えるようになっている。
【0020】
サイロ底パンフィーダ3を右方向に前進させることにより、図3に示すように塵芥はサイロ横ホッパ7中の空間に移動し、その下方にあるサイロ横切出しフィーダ5のコンベア上に載り、これが順次切り出されて搬送コンベア16方向へ送りだされることとなる。
【0021】
しかし、係る塵芥は流動性が極めて少ないため、サイロ底パンフィーダ3の前進動作により、全体的に図中右方向へ移動するため、貯槽2aの移動方向側の壁に押しつけられ、圧密状態が生じる。そして圧密が進むと、図4に示すように壁とサイロ底パンフィーダ3の間にブリッジを形成するようになり、塵芥の払出しが困難となる。
【0022】
そこで、サイロ底パンフィーダ3の送り方向を切り替えスイッチ等で切り替えて逆方向に動かす(後退させる)と、図5に示すように圧密された塵芥が崩れ、ブリッジが解消されて圧密がなくなるとともに、密度が均一化された平坦な状態になる。そこで、図6に示すように再度切り替えスイッチ等で切り替えて、元の送り方向に前進させれば、塵芥を払い出せるようになる。係る前進・後退動作を繰り返すことにより、安定的な払い出し量が確保され、後続の焼却設備の処理能力に合致した払出しが可能となり、全体としての処理効率も向上することとなる。
【0023】
また、係るインバータ動作を、サイロ底パンフィーダ3を駆動するモータを制御するコンピュータに設けた制御プログラム等により制御することもできる。係る場合、例えば幅6mの貯槽においては、100mm前進したら50mm後退するように設定すれば、一般の塵芥においては圧密が発生しにくくなり、払い出しもスムースになる。また、時間当たりの正確な払い出し量を確保しやすくなる。尚、係るプログラムはコンピュータ付属の記憶装置にインストールしたものでもよいし、所定の記録媒体に記録して所定の読み取り装置により読み取るようにしてもよい。さらに、係るプログラムは、貯留物の種類・量により複数種設定してもよい。例えば、流動性の比較的小さい貯留物の場合は、後退距離を短くしたり、後退速度を遅くしたりしてもよい。加えて、貯留物の多い場合は後退動作を多くして、少ないときは、後退動作を少なくしてもよい。
【0024】
そして、サイロ横ホッパ7に払出された塵芥は、所定時期に所定量がサイロ横切出しフィーダ5で切り出され、搬送コンベアに送り出される。この場合、送り出し量を安定させるために、サイロ横切り出しフィーダ5をサイロ底パンフィーダ3と同様に正逆反転可能とし、手動または自動で前進・後退動作を制御するようにしてもよい。
尚、本発明を実施するための最良の形態は以上の説明で十分に示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明である貯留物払出し方法及び装置により、底部に貯留物切り出しコンベアを有するとともに、その切り出しコンベアの下流に払い出し口を有するサイロ設備において、単純な構成及び方法により固形の貯蔵物の払出しにおける圧密を解消して、ブリッジを防止できるようになった。また、これにより安定的な払出し量のコントロールが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における貯留物払出し装置及び払出し方法を示す概要図である。
【図2】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図1のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 貯留物払出し装置、2 サイロ、2a,2b,2c,2d 貯槽、3 サイロ底パンフィーダ、4 ホッパ、5 サイロ横切出しフィーダ、6 払出し口、7 サイロ横ホッパ、11 塵芥受入れホッパ、12 塵芥受入れホッパ下切出しフィーダ、13 揚げ荷スクリューコンベア、14 横持ち用投入コンベア、15 分配用投入コンベア、16 搬送コンベア
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば塵芥等を所定の受入れ手段で上部から受入れて貯留し、所定時期にその所定量を底部から切出しながら払出して、焼却設備等の後続設備に送り出す、固形物貯留サイロにおける貯留物払出し方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
固形物を貯留して所定時期にその所定量を払出すサイロとしては、複数の円筒形のサイロを受入れコンベアと払出しコンベアとで連結して、貯留・払出しを行うサイロ設備が一般的であった。しかし、かかる設備では、受入れ手段がその上部中央からのコンベア等による定点積み付けであるため、デッドスペースが生じたり、サイロが円筒形であるためにその設備面積に対して貯留量が少なく、貯蔵効率が悪いという欠点があった。
【0003】
これに対し、角形の貯槽を連続して一列に設け、各貯槽の両側に沿って設けた2つの受入れコンベアと、各貯槽上部に位置して前記受入れコンベアの移動方向に走行可能に設けた2つの積み付け装置を設けるとともに、各貯槽の底部に、前記受入れコンベアに対し直角方向に払出しコンベアを設けて、貯留物の払出しを行うサイロ設備が特開平7−277522号公報に提示されている。係るサイロ設備は、敷地面積を最小限としつつ、各貯蔵室に対する積み付け位置をコントロールすることでデッドスペースを少なくして、貯蔵効率を高めることができる点で優れた技術である。
【0004】
しかし、係るサイロ設備においては、払出しコンベアを用いてバラ物の貯留物を各貯蔵室の側方へ払出す場合、払出し口の周辺に貯留物が圧密されてブリッジが生じ、所望の払出し量の確保が困難となる場合が多かった。係る傾向は、流動性の少ない塵芥を入れたゴミ袋を貯留するサイロでは特に顕著であった。係る場合、払出し口の高さを高くすることでブリッジを防ぐこともできるが、今度は崩落した多量の貯留物が一度に払出されたりして、一定量を安定的に払出すことが困難であった。係る状況はレシプロレーキによる払出しでも同様であった。
【0005】
これに対し、特開平10−167481号公報には、貯槽中に螺旋体を垂直に設けて貯留物を下から上に掻き揚げて、貯留物のブリッジを防ごうとする技術が開示されている。
また、特開平10−310259号公報には、貯槽底部の払出しコンベアの下流の払出し口上部に、突出部であるブリッジ防止板を設けたり、払出し口における貯留物が圧密される壁部分に、取り崩し棒を設けたシャフトを回転可能に設けて、圧密された貯留物を取り崩してブリッジを防ぐ技術が開示されている。
【0006】
これらの技術は、払出しコンベアの移動による払出し口付近の貯留物の圧密を解消し、ブリッジを防止できる点で優れており、特に、回転装置を用いて能動的に圧密部を取り崩す技術は、安定的な払出し量を制御出来る点で優れている。
しかしながら、係る回転装置を用いる技術では、サイロの構造を複雑化するため、既存の設備にそのまま適用するのは容易でないとともに、新規で構築するにしても建設費用が過大となりやすい。また、その使用においてはメンテナンスや清掃に手間がかかるという欠点も有していた。一方、ブリッジ防止板によるブリッジ防止のみでは、大きなバラ物を含む塵芥等の場合は安定的な払出しを実現するには不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、底部に切り出しコンベアを有するとともに、その切り出しコンベアの下流に払い出し口を有するサイロ設備において、単純な構成及び方法により、固形の貯蔵物の払出しにより発生する圧密を解消してブリッジを防ぎ、安定的な払出し量のコントロールを可能とすることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、サイロ内の貯留物を、サイロ底部に配置した切出しコンベアで切り出して、その下流に設けた前記サイロの払出し口から貯留物を払出す方法において、前記切り出しコンベアを前進させる動作と後退させる動作とを交互に駆動させ、前記払出し口付近の貯留物に生じる圧密を解消させてブリッジ形成による払い出し不能状態を防ぎながら、所定時間に所定量の貯留物を払出すことを特徴とする貯留物払出し方法とした。
これにより、切出しコンベアの送り出し動作により生じる貯留物のブリッジの形成を容易に防止して、後続設備の処理能力に合致した安定的な払出し量を確保することができる。尚、係る前進・後退動作により、サイロ内の貯留物の偏りが解消されるため、貯蔵効率が向上する。
【0009】
さらに、貯槽と、前記貯槽の底部に設けられた正逆反転走行可能な前記切出しコンベアと、前記切り出しコンベアの下流に設けられた前記払出し口とを有する貯留物払い出し装置であって、前記貯留物払出し方法における切出しコンベアの前進・後退動作を制御して駆動させる制御手段を設けた、貯留物払出し装置とする。これにより、切り出しコンベアの前進・後退動作の制御による安定的な貯留物の払出しを、容易に実現することができる。尚、係る制御手段は、既存の設備に設けることも比較的容易であるため、設備投資も過大とならない。
【0010】
さらにまた、係る切出しコンベアをパンコンベアにすることにより、貯蔵物のコンベア上の滑りを防止して、さらに安定的な払出しを実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を用いながら以下に詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明における好ましい実施の形態である、貯留物払出し装置1とその周辺機器の概略図であり、主としてゴミ袋に入った塵芥を貯留し、これを所定時間に所定量ずつ払出して、塵芥焼却設備に送り出す装置の断面図を示している。
貯留物払出し装置1は、上面が開いている略直方体の貯槽2a,2b,2c,2dが連続してなるサイロ2からなり、これにはサイロ2の両側面に沿ったサイロ横切り出しフィーダ5とサイロ横ホッパ7が付設されている。
また、サイロ2に塵芥を投入するための設備として、塵芥受入れホッパ11とその下方に設置された塵芥受入れホッパ下切出しコンベア12、これから塵芥を受取りサイロ上部まで揚げ荷する揚げ荷スクリューコンベア13、揚げ荷された塵芥をサイロ上で横持ちする横持ち用投入コンベア14、これに続く分配用投入コンベア15が配置されており、サイロ横切り出しフィーダ5の先端には、後続設備に連絡する搬送コンベア16が配置されている。
【0013】
貯槽2a,2b,2c,2dは、各々その底部がホッパ4で2つに区切られるとともに、サイロ横切出しフィーダ5に対して直角方向に各々2台のサイロ底パンフィーダ3を有しており、サイロ底パンフィーダ3の進行方向の壁面下部に、貯留された塵芥の切出し高さに合致した高さの払出し口6が各々設けられ、塵芥を貯槽の底部から切出してサイロ側方に払出せるようになっている。
【0014】
図2は、図1のB−B線断面図であり、塵芥が貯槽2aに貯留されている状態を示す概略図である。各払出し口6から突出したサイロ底パンフィーダ3の下流端部の下方には、サイロ横切出しフィーダ5が直角に配置され、その上方にはサイロ横ホッパ7がサイロ横切出しフィーダ5に沿って払い出し口6をカバーするようにサイロ両側面に設けられている。これにより、払出された塵芥をいったんサイロ横ホッパ7で貯めるとともに、所定時期に所定量の塵芥をサイロ横切出しフィーダ5で切出して、後続設備に搬送する搬送コンベア16に送り出せるようになっている。
【0015】
次に、各図を用いながら本実施の形態における貯留物払い出し装置1及び付帯設備の動作を説明しながら、本発明である貯留物払い出し方法及び装置について詳細に説明する。
【0016】
先ず、図1を用いて説明すると、場内に搬入された塵芥は、図示しない重機(油圧ショベル等)で、ゴミ受入れホッパ11に投入される。投入された塵芥は、ゴミ受入れホッパ下切出しコンベア12で切出され、これが揚げ荷スクリューコンベア13でサイロ上部へ揚げ荷される。
【0017】
揚げ荷された塵芥は、横持ち用投入コンベア14でサイロ上部中央まで横持ちされ、横持ち用投入コンベア14の下流端部下方にある分配用投入コンベア15に渡される。分配用投入コンベア15は、4つに区分されたサイロの貯槽2a,2b,2c,2dにまんべんなく塵芥を投入するためのベルトコンベアであり、サイロ上部のレール上を破線矢印の方向に移動可能であるとともに、正逆反転可能になっている。これにより、塵芥はまず貯槽2aに投入される。
【0018】
図2は、貯槽2aに塵芥が貯留している状態を示している。係る塵芥はゴミ袋に入れられた比較的大きな塊が積層された状態になっており、全体として流動性が小さいという特徴を有する。係る塵芥は、所定時期に所定量を払出して後続設備に送り出すため、一旦貯槽2aに貯留されたものである。
【0019】
次に、係る塵芥を払い出す動作を説明する。貯槽2aの底部にはサイロ底パンフィーダ3が配置されているが、図2における右方向に前進させる。サイロ底パンフィーダ3には、正逆に反転操作可能なモータ(図示せず)が設けられており、その操作は、オペレータの手動及び制御プログラムを有するコンピュータ(図示せず)による制御により行えるようになっている。
【0020】
サイロ底パンフィーダ3を右方向に前進させることにより、図3に示すように塵芥はサイロ横ホッパ7中の空間に移動し、その下方にあるサイロ横切出しフィーダ5のコンベア上に載り、これが順次切り出されて搬送コンベア16方向へ送りだされることとなる。
【0021】
しかし、係る塵芥は流動性が極めて少ないため、サイロ底パンフィーダ3の前進動作により、全体的に図中右方向へ移動するため、貯槽2aの移動方向側の壁に押しつけられ、圧密状態が生じる。そして圧密が進むと、図4に示すように壁とサイロ底パンフィーダ3の間にブリッジを形成するようになり、塵芥の払出しが困難となる。
【0022】
そこで、サイロ底パンフィーダ3の送り方向を切り替えスイッチ等で切り替えて逆方向に動かす(後退させる)と、図5に示すように圧密された塵芥が崩れ、ブリッジが解消されて圧密がなくなるとともに、密度が均一化された平坦な状態になる。そこで、図6に示すように再度切り替えスイッチ等で切り替えて、元の送り方向に前進させれば、塵芥を払い出せるようになる。係る前進・後退動作を繰り返すことにより、安定的な払い出し量が確保され、後続の焼却設備の処理能力に合致した払出しが可能となり、全体としての処理効率も向上することとなる。
【0023】
また、係るインバータ動作を、サイロ底パンフィーダ3を駆動するモータを制御するコンピュータに設けた制御プログラム等により制御することもできる。係る場合、例えば幅6mの貯槽においては、100mm前進したら50mm後退するように設定すれば、一般の塵芥においては圧密が発生しにくくなり、払い出しもスムースになる。また、時間当たりの正確な払い出し量を確保しやすくなる。尚、係るプログラムはコンピュータ付属の記憶装置にインストールしたものでもよいし、所定の記録媒体に記録して所定の読み取り装置により読み取るようにしてもよい。さらに、係るプログラムは、貯留物の種類・量により複数種設定してもよい。例えば、流動性の比較的小さい貯留物の場合は、後退距離を短くしたり、後退速度を遅くしたりしてもよい。加えて、貯留物の多い場合は後退動作を多くして、少ないときは、後退動作を少なくしてもよい。
【0024】
そして、サイロ横ホッパ7に払出された塵芥は、所定時期に所定量がサイロ横切出しフィーダ5で切り出され、搬送コンベアに送り出される。この場合、送り出し量を安定させるために、サイロ横切り出しフィーダ5をサイロ底パンフィーダ3と同様に正逆反転可能とし、手動または自動で前進・後退動作を制御するようにしてもよい。
尚、本発明を実施するための最良の形態は以上の説明で十分に示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明である貯留物払出し方法及び装置により、底部に貯留物切り出しコンベアを有するとともに、その切り出しコンベアの下流に払い出し口を有するサイロ設備において、単純な構成及び方法により固形の貯蔵物の払出しにおける圧密を解消して、ブリッジを防止できるようになった。また、これにより安定的な払出し量のコントロールが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における貯留物払出し装置及び払出し方法を示す概要図である。
【図2】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図1のB−B線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 貯留物払出し装置、2 サイロ、2a,2b,2c,2d 貯槽、3 サイロ底パンフィーダ、4 ホッパ、5 サイロ横切出しフィーダ、6 払出し口、7 サイロ横ホッパ、11 塵芥受入れホッパ、12 塵芥受入れホッパ下切出しフィーダ、13 揚げ荷スクリューコンベア、14 横持ち用投入コンベア、15 分配用投入コンベア、16 搬送コンベア
Claims (3)
- サイロ内の貯留物をサイロ底部に配置した切出しコンベアで切り出して、前記切り出しコンベアの下流に設けた前記サイロの払出し口から貯留物を払出す方法において、前記切り出しコンベアを前進させる動作と後退させる動作とを交互に駆動させ、前記払出し口付近の貯留物に生じる圧密を解消させてブリッジ形成による払い出し不能状態を防ぎながら、所定時間に所定量の貯留物を払出すことを特徴とする貯留物払出し方法。
- 貯槽と、前記貯槽の底部に設けられた正逆反転走行可能な前記切出しコンベアと、前記切り出しコンベアの下流に設けられた前記払出し口とを有する貯留物払い出し装置であって、請求項1記載の貯留物払出し方法における切出しコンベアの前進・後退動作を制御して、前記切り出しコンベアを駆動させる制御手段を設けた貯留物払出し装置。
- 前記切出しコンベアがパンコンベアである、請求項1記載の貯留物払出し方法または請求項2記載の貯留物払出し装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002295732A JP2004131213A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 貯留物払出し方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002295732A JP2004131213A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 貯留物払出し方法及び装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004131213A true JP2004131213A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32285896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002295732A Withdrawn JP2004131213A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | 貯留物払出し方法及び装置 |
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-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002295732A patent/JP2004131213A/ja not_active Withdrawn
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