JP2004129444A - プロテクタ - Google Patents

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Yoshiki Uchida
内田 善己
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

【課題】プロテクタの外面にケーブル等の保持部を設けた場合に、ケーブルの抜け防止を図る構造とする。
【解決手段】ケーブル、チューブ等の保持部21を突設したプロテクタ10であって、樋形状の本体部11の側壁の上端より薄肉ヒンジ27を介して円弧状の受溝23を設けた断面略U形状の保持片22を突設し、保持片22の両側壁のうち本体部11側の一方壁を左右両側に延在させて被係止部24とする一方、保持部21を挟む両側位置の本体部11の側壁11aの下端よりコ字枠部32を突設すると共にその先端側に左右一対の係止爪33を突設した固定部31を設け、上記受溝23にケーブルC等を通した状態でヒンジ27を支点として保持片22を下向きに回転させ、被係止部24を固定部31の係止爪33で係止する構成としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に配索するワイヤハーネス用のプロテクタに関し、特に,電線群を内部に挿通させるプロテクタの外面にチューブ、ケーブル等の保持部を設けたものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に配索するワイヤハーネスには、外部干渉材がある位置やワイヤハーネスを屈折させる等の経路規制が必要な位置には、実開平2−60419号に示されているような、樹脂成形品からなるプロテクタの内部を挿通させている。
自動車にはワイヤハーネスの外に、ワイパーに洗浄水を供給するチュープや、アンテナに接続するケーブル等も配索されており、これらチュープやケーブルも車体パネルに沿って配線する必要がある。さらに、オプション電装品に接続する電線を後付けで配線する場合もある。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−60419号
【0004】
上記ケーブル、チューブ等は小径であるため、ワイヤハーネスを車体に係止するバンドクランプを取り付けても、バンドはある程度の外径に対して締め付け固定でき、小径のケーブル、チューブには締め付け固定することが困難となる。また、クランプが取り付けられても、車体にクランプ係止穴をあけておく必要があり、車体上の加工も必要となる。
よって、ワイヤハーネスに外装する上記プロテクタでケーブルやチューブの保持し、プロテクタを介して車体に固定することが有効である。
【0005】
よって、図4に示すように、プロテクタ1の樋形状の本体部2の側壁3の外面に、ケーブル固定部4と可撓性を備えた保持片5とを上下対向して突設している。ケーブルCは、図5(A)に示すように、保持片5を押し開き、固定部4との間の挿入口6よりケーブルCを固定部4と保持片5とで囲まれる収容空間Sに押し込み、押し込み後に保持片5が元に戻って挿入口6が閉じて、ケーブルCが抜け出ないように係止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記プロテクタ1では、走行中の振動など、何らかの外部干渉によりケーブルCが引っ張られると、図5(B)に示すように、保持片5も容易に撓み変形して挿入口6が広がり、ケーブルCがプロテクタ1から外れやすいという問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、プロテクタの外面にケーブル、チューブや後配線するオプション用の電線等が抜き出さないように確実に保持できるようにすることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスを構成する電線群を内部に挿通させる樋形状で、その側壁外面の一部にケーブル、チューブあるいはオプション電線の保持部を突設したプロテクタであって、
上記樋形状のプロテクタ本体の側壁の上端より薄肉ヒンジを介して、上記ケーブル、チューブあるいはオプション電線を挿通させる円弧状の受溝を設けた断面略U形状の保持片を突設し、該保持片の両側壁のうち上記プロテクタ本体側の一方壁を左右両側に延在させて被係止部とする一方、
上記保持部を挟む両側位置の上記プロテクタ本体の側壁下端より上記保持片を囲む大きさのコ字枠部を突設すると共に該コ字枠部の先端側の連結枠部より左右一対の係止爪を突設している固定部を設け、
上記保持片の受溝にケーブル、チューブあるいはオプション電線を通した状態で上記薄肉ヒンジを支点として下向きに回転させ、該回転姿勢の上記保持片の上記被係止部を上記固定部の上記係止爪で係止する構成としていることを特徴とするプロテクタを提供している。
【0009】
上記構成のプロテクタにおいては、回転前の保持片の受溝は上方に開口しており、ケーブル、チューブあるいはオプション電線(以下、ケーブル等と称す)を受溝に挿通させた後に、保持片を下方へ90度回転させることにより、保持片の開口部を固定部の係止爪によって閉鎖することにより、ケーブル等を保持できる。さらに、保持片の被係止部を上記固定部の係止爪に係止することにより、該保持片の開口部の閉鎖状態を確実なものとすることができる。
このように、固定部の係止爪が保持片の閉鎖解除を規制しているため、何らかの負荷によりケーブル等が引っ張られても、該保持片の閉鎖状態は容易に解かれることなく、ケーブル等等を確実にプロテクタから外れることを防止できる。
また、保持片の被係止部を左右に延在させ、固定部に設けた左右一対の係止爪で被係止部を係止することにより、保持片の閉鎖状態をより安定的で解除しにくいものとすることができる。
【0010】
さらに、上記保持片へのオプション電線等の挿通作業は、上方に開口した略U形状の受溝に上方から、そのままケーブル等を挿入すればよく、ケーブル等に負荷がかからず、ケーブルに損傷を発生させない。
【0011】
上記保持片の突出側の他方壁の下端を係止部として突設すると共に、該保持片の下方位置の上記プロテクタ本体の側壁に切欠を設け、上記保持片を回転姿勢とした状態で上記係止部が上記切欠に挿入係止する構成とすることが好ましい。
【0012】
即ち、回転姿勢にある保持片は、内部に挿通したオプション電線等の重みや引っ張りによって干渉を受けやすく、このことは薄肉のヒンジ部に大きな負荷をかけるが、上記切欠に保持片の係止部を挿入係止することにより、該保持片の歪みを規制して安定した回転姿勢を維持するため、ヒンジ部への負担を軽減し破損を防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は本発明の実施形態に係るプロテクタ10を示し、プロテクタ10は、ワイヤハーネスW/Hの電線群を内部に挿通させる樋形状の本体部11と、ケーブルCの保持部21を一体的に成形している。
【0014】
上記保持部21は、本体部11の側壁11aの上端より薄肉のヒンジ27を介して突設した断面略U形状の保持片22よりなる。該保持片22は、オプション電線等を挿通させる円弧状の受溝23と、該受溝23を挟む両側壁のうち上記本体部11側の一方壁を左右両側に延在させた被係止部24と、突出側の他方壁25の下端に突設した係止部26からなる。
【0015】
また、上記保持部21を挟む両側位置の上記本体部11の側壁11aの下端部には、保持部21と同方向に固定部31を突設している。該固定部31は、上記保持片22を囲む大きさのコ字枠部32と、該コ字枠部32の連結枠部32aより上方へ突設した左右一対の係止爪33より構成される。この係止爪33は、上記保持片22をヒンジ27を支点として90度下方へ回転させたときの上記被係止部24に対応する位置に、左右に所要寸法離隔して形成している。
【0016】
上記本体部11の側壁11aには、上記保持片22の下方位置に矩形の切欠部12を設けている。該切欠部12は、保持片22を下方へ90度回転させた状態で上記係止部26を挿入でき、かつ、該係止部26を左右に位置ズレなく固定できる大きさとしている。
【0017】
上記構成のプロテクタ10にワイヤハーネスの電線群を挿通させるときは、まず、図3(A)に示すように、保持片22の係止を解除した状態で、電線群W1を本体部11の内部に挿通すると共にケーブルCを保持片22の受溝23に挿通する。次に、図3(B)に示すように、ヒンジ27を支点として該保持片22を下向きに90度回転させ、保持片22の係止部26を本体部11の側壁11aの切欠部12に挿入係止すると共に、該保持片22の被係止部24を固定部31の係止爪33で係止して、保持片22の回転姿勢を維持する。このように保持片22を回転姿勢とした状態では、図2にも示すように、ケーブルCを挿通した受溝23の開口部23a側は係止爪33によって閉鎖されるため、ケーブルCが受溝23から外れ落ちることはない。また、この保持片22の閉鎖状態は、被係止部24を左右一対の係止爪33で係止することによって安定的に保たれるため、受溝23内のケーブルCが引っ張られる等しても保持片22の閉鎖状態は容易に解除されず、ケーブルCのプロテクタ10からの抜け外れを確実に防止することができる。
【0018】
また、本体部11の側壁11aに設けた切欠部12に保持片22の係止部26を挿入係止することにより、回転状態の保持片22がケーブルCの引っ張りなどにより左右に位置ズレしたり歪むことを防止できるため、歪みの生じやすい薄肉のヒンジ27への負荷を軽減し、該ヒンジ27の破損や磨耗を防止することができる。
【0019】
さらに、ケーブルCを保持片22に挿通する際は、受溝23の開口部23aからケーブルCをそのまま載置すれば足るため、ケーブルCに損傷が発生するのを防ぐことができる。
【0020】
上記実施形態ではケーブルCをプロテクタの外面に保持しているが、ケーブルに変えて、チューブあるいは後配線するオプション用電線をプロテクタの外面に保持する場合にも好適に用いられる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、ケーブル、チューブあるいは後配線するオプション用電線をプロテクタの外面に突設した保持部で保持する場合に、該保持部の保持片をヒンジを支点に回転する構造とすることにより、ケーブル等を挿通するときは回転前の保持片の受溝に開口部からケーブル等を載置すれば足り、該保持片を回転させて係止爪で係止することによって、受溝の開口部を閉鎖してケーブル等の抜け外れを規制している。従って、ケーブル等が引っ張られても、係止爪が保持片の被係止部に係止しているため、該保持片の回転姿勢、即ち、受溝の閉鎖状態は解除されず、ケーブル等がプロテクタから不用意に外れることを防止することができる。
【0022】
また、プロテクタ本体部の側壁に設けた切欠に、回転姿勢にある保持片の係止部を挿入係止できる構造とすることにより、ケーブル等の引っ張りなどによって保持片が位置ズレすることを防ぎ、該保持片と連続する薄肉ヒンジにかかる歪み力を軽減して破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかるプロテクタを示す斜視図である。
【図2】図1に示すプロテクタ内部に電線群を挿通すると共に、該プロテクタの外面でケーブルを保持した状態を示す斜視図である。
【図3】(A)(B)は、図1に示すプロテクタへの電線群およびケーブルの挿通作業手順を示す断面図である。
【図4】従来例を示す斜視図である。
【図5】(A)(B)は、従来例の電線群挿通作業を示す断面図である。
【符号の説明】
10 プロテクタ
11 本体部
12 切欠
21 保持部
22 保持片
23 受溝
24 被係止部
26 係止部
31 固定部
33 係止爪
C  ケーブル

Claims (2)

  1. ワイヤハーネスを構成する電線群を内部に挿通させる樋形状で、その側壁外面の一部にケーブル、チューブあるいはオプション電線の保持部を突設したプロテクタであって、
    上記樋形状のプロテクタ本体の側壁の上端より薄肉ヒンジを介して、上記ケーブル、チューブあるいはオプション電線を挿通させる円弧状の受溝を設けた断面略U形状の保持片を突設し、該保持片の両側壁のうち上記プロテクタ本体側の一方壁を左右両側に延在させて被係止部とする一方、
    上記保持部を挟む両側位置の上記プロテクタ本体の側壁下端より上記保持片を囲む大きさのコ字枠部を突設すると共に該コ字枠部の先端側の連結枠部より左右一対の係止爪を突設している固定部を設け、
    上記保持片の受溝にケーブル、チューブあるいはオプション電線を通した状態で上記薄肉ヒンジを支点として下向きに回転させ、該回転姿勢の上記保持片の上記被係止部を上記固定部の上記係止爪で係止する構成としていることを特徴とするプロテクタ。
  2. 上記保持片の突出側の他方壁の下端を係止部として突設すると共に、該保持片の下方位置の上記プロテクタ本体の側壁に切欠を設け、
    上記保持片を回転姿勢とした状態で上記係止部が上記切欠に挿入係止する構成としている請求項1に記載のプロテクタ。
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