JP2004128667A - 水晶発振器と、その容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ICチップとほぼ同一サイズまで小型化した水晶ブランクを用いた水晶発振器を提供すること。
【解決手段】容器2内に収納する水晶ブランク7の長手方向とICチップ6の長手方向がほぼ直交するように水晶ブランク7とICチップ6を配置することで、ICチップ6とほぼ同一サイズまで小型化した水晶ブランク7を用いて水晶発振器1を構成することが可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】容器2内に収納する水晶ブランク7の長手方向とICチップ6の長手方向がほぼ直交するように水晶ブランク7とICチップ6を配置することで、ICチップ6とほぼ同一サイズまで小型化した水晶ブランク7を用いて水晶発振器1を構成することが可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話などの移動体通信機器の基準発振源などに好適な水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の移動体通信機の急速な普及に伴い、これら移動体通信機において基準発振源として用いられる水晶発振器なども小型化、薄型化が求められている。
このため、水晶発振器では、発振回路などのIC(Integrated Circuit)化したうえで、水晶振動子と発振回路とを一体化するなどして小型化を図るようにしている。
【0003】
図6は、従来の水晶発振器の構造の一例を示した図である。
この図6に示す従来の圧電発振器は、凹状のパッケージ本体101の内底面102にICチップ105や、コンデンサや抵抗などのチップ部品106、108を実装すると共に、その内底面102に設けた段差部103上の引き出し電極104に水晶ブランク109の励振電極(図示しない)を電気的に接続するようにしている。そして、そのうえでパッケージ本体101の上縁部に金属蓋110を接続してパッケージ本体101の内部を気密封止するようにして構成している。
即ち、この図6に示す従来の水晶発振器では、段差部103を利用して内底面102に実装したICチップ105やチップ部品106、108の直上位置に、水晶ブランク109を配置することで小型化を図るようにしている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−336179号公報(第4−6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、上記したような水晶発振器にあっては、水晶発振器を構成する各種部品の小型化が進み、特に、水晶ブランク109の小型化が著しく、その平面サイズをICチップ105とほぼ同じサイズまで小型化することが可能になりつつある。
【0006】
しかしながら、上記図6に示したような構造の水晶発振器は、水晶ブランク109を支持する段差部103をパッケージ本体101の内部両側に形成し、この段差部103,103間の内底面102にICチップ105などを実装する構造となっている。このため、水晶ブランク109の平面サイズをICチップ105の平面サイズまで小型化すると、段差部103,103に水晶ブランク109を取り付けることができなくなるという不具合があった。
【0007】
即ち、従来の水晶発振器は、水晶ブランク109の平面形状が、ICチップ105の平面形状より大きいことを前提に、パッケージ本体101の設計が行われているため、例えば水晶ブランク109の平面サイズをICチップ105と同等サイズまで小型化すると、水晶ブランク109を収納できなくなり、水晶発振器を構成することができなくなる。
従って、ICチップ105とほぼ同一サイズまで小型化した水晶ブランク109を用いて水晶発振器を構成するには、これまでにない構造を提案する必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、本発明の水晶発振器は、上面に開口部を有する容器と、開口部内を気密封止するために開口部を遮蔽するように配される蓋部と、容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、引き出し電極に接続される外部電極を備えて形成される集積回路素子と、集積回路素子とほぼ同一形状とされ、引き出し電極と電気的に接続される水晶振動子と、容器本体の外面側に形成され、引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備える。そして、容器内に収納される集積回路素子の長手方向と、水晶振動子の長手方向とが、ほぼ直交するように集積回路素子と水晶振動子とを配置した。
【0009】
また本発明の、上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器は、開口部内には、集積回路素子の長手方向と水晶振動子の長手方向とがほぼ直交する位置関係となるようにして、これら集積回路素子及び水晶振動子が所定位置に収納され、さらに開口部内には、水晶振動子に設けられている励振電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、水晶振動子用の引き出し電極と、集積回路素子に設けられている外部電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、集積回路素子用の引き出し電極を備えるようにした。
【0010】
本発明によれば、容器内に収納する水晶振動子の長手方向と集積回路素子の長手方向がほぼ直交するように、水晶振動子と集積回路素子を配置することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0011】
また、本発明の水晶発振器は、上面に開口部を有する容器と、開口部内を気密封止するために開口部を遮蔽するように配される蓋部と、容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、引き出し電極と接続される外部電極を有して形成される集積回路素子と、集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状とされ、集積回路素子と電気的に接続される水晶振動子と、容器本体の外面側に形成され、引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備える。そして、容器内に収納される水晶振動子と集積回路素子とを電気的・機械的に接続して一体化した。
【0012】
また本発明の、上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器は、開口部内には、集積回路素子に形成されている接続電極に対して水晶振動子の励振電極を電気的かつ機械的に接続して一体化した集積回路素子と水晶振動子とを収納可能とされ、さらに開口部内には、引き出し電極として、集積回路素子に設けられている外部電極が電気的かつ機械的に接続されるべき位置に対して設けられるべき引き出し電極のみを形成するようにした。
【0013】
本発明によれば、水晶振動子を集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状としたうえで、容器内に集積回路素子と水晶振動子とを収納する際に、集積回路素子に対して水晶振動子を直接接続することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態としての表面実装型水晶発振器の構造を説明する。なお、以下本明細書では表面実装型水晶発振器のことを単に「水晶発振器」と表記することとする。
図1は、第1の実施の形態としての表面実装型水晶発振器の構造を示した斜視図、図2は、その上面図及び断面図である。
【0015】
これら図1、図2に示す水晶発振器1は、容器2の内部(開口部内)に対して、集積回路素子であるICチップ6と、水晶振動子である水晶ブランク7を収納したうえで、容器2の上面の開口部に蓋3を接合し、容器2の内部を気密状態に封止することで形成される。
容器2は例えばセラミックなどからなる。また、その形状は図示するような矩形状で、その上面に開口部を有する浅い箱形とされる。
【0016】
容器2の上縁部には、蓋3を接合するためにセラミックをメタライズ化(金属化)して形成した接合面2aが設けられている。なお、接合面2aは例えば金属シールリングなどの接合面材をロウ付けして形成することも可能である。
【0017】
容器2の内部底面には、図示するようにICチップ6を載置するための第1の台座部4,4と、水晶ブランク(水晶片)7を載置するための第2の台座部5,5とが設けられている。
【0018】
この場合、第1の台座部4,4は、例えば容器2の内壁側の4辺のうち、図示するように対向する2辺に沿って形成される。また第2の台座部5,5は、上記第1の台座部4,4が形成されていない残りの2辺に沿って形成される。また、第1の台座部4,4と第2の台座部5,5とでは、第2の台座部5,5のほうが高く形成されている。
【0019】
なお、このような第1の台座部4,4及び第2の台座部5,5は、容器2のベースとなるセラミック上に外周壁となるセラミックを積層する際に、容器2の内部に突出するようにセラミックを積層することで、容器2の外周壁と共に形成することができる。
【0020】
第1の台座部4,4上には、それぞれ引き出し電極4a,4a・・・が形成されている。これら引き出し電極4a,4a・・・は、ICチップ6の外部電極6a,6a・・・と接続される。これにより、外部電極6a,6aと第1の台座部4,4上の引き出し電極4a,4aとを電気的に接続すると共に、ICチップ6を機械的に保持するようにしている。
【0021】
引き出し電極4a,4a・・・と外部電極6a,6a・・・との接続には導電性接続部材8を用いるようにしている。
この場合の導電性接続部材8には、例えば導電性接着剤が用いられる。なお、導電性接続部材8として導電性接着剤を用いる場合は、例えばICチップ6に与える衝撃を吸収できる比較的柔らかいシリコン系のものが好ましい。
【0022】
また第2の台座部5,5上には、引き出し電極5a,5aが形成されている。これら引き出し電極5a,5aは、水晶ブランク7の励振電極7a,7aが接続される。これにより、水晶ブランク7の励振電極7a,7aと、引き出し電極5a,5aとを電気的に接続すると共に、水晶ブランク7を機械的に保持するようにしている。
【0023】
引き出し電極5a,5aと励振電極7a,7aとの接続には導電性接続部材9を用いるようにしている。この場合の導電性接続部材9もまた、例えば導電性接着剤で、例えば水晶ブランク7に与える衝撃を吸収できる比較的柔らかいシリコン系のものが好ましいとされる。
なお、導電性接続部材8、9は、導電性接着剤に限らず、金バンプ(突起)やハンダなどを利用することも可能である。
【0024】
第2の台座部5,5上に形成した引き出し電極5a,5aは、容器2のセラミックに設けられている図示しないヴァイアホールや導体配線などを介して第1の台座部4,4上に形成した引き出し電極4a,4aと接続されている。また、引き出し電極4a,4aは、図示しないヴァイアホールや導体配線などを介して容器2の外側底面から側面にかけて形成されている電極端子10,10・・・と接続されている。
電極端子10,10・・・は、当該水晶発振器1を機器側のプリント基板の表面に実装するために設けられている。
【0025】
ICチップ6は、いわゆるベアチップであり、LSI技術によってICチップのベースとなるシリコン基板内に発振回路等を構成する回路素子(例えばトランジスタなどの能動素子やコンデンサ、抵抗などの受動素子)や、外部接続用の外部電極6a,6a・・・が形成されている。
【0026】
水晶ブランク7は、両面(表裏面)にそれぞれ励振電極7a,7aが貼り付けられて形成される。
このような水晶ブランク7の平面形状は、図2(c)に示すような長方形とされ、その大きさはICチップ6とほぼ同じサイズとされる。
【0027】
蓋3は、例えばコバールなどの金属部材に、半田(鉛錫合金)や高温半田(金錫合金)のメッキを施したクラッド材、あるいはコバール等の金属部材に半田(鉛錫合金)や高温半田(金錫合金)を圧延により張り付けたクラッド材によって形成されている。
【0028】
このように、本発明の第1の実施の形態の水晶発振器1では、容器2の内部の対向する位置に、それぞれ第1の台座部4,4と第2の台座部5,5を形成する。そして第1の台座部4,4と第2の台座部5,5とを異なる高さに形成したうえで、第1の台座部4,4上の引き出し電極4a,4a・・・にはICチップ6の外部電極6a,6a・・・を接続する。また第2の台座部5,5上の引き出し電極5a,5aには、水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続するようにした。即ち、容器2の内部にICチップ6とほぼ同一サイズで長方形状の水晶ブランク7を収納する際には、ICチップ6と水晶ブランク7を立体的に配置したうえで、ICチップ6の長手方向と水晶ブランク7の長手方向がほぼ直交するように配置したものである。
【0029】
このように構成すれば、水晶ブランク7をICチップ6とほぼ同一サイズまで小型化した場合でも、水晶発振器を構成することができるため、これまでにない極めて小型の水晶発振器を実現することが可能になる。
例えば本実施の形態によれば、従来、その大きさ(縦×横×高さ)が5mm×3.5mm×2mm程度であった表面実装型の水晶振動子を、約2mm×2mm×0.7mm程度まで小型化を図ることができる。
【0030】
なお、本実施の形態において説明した水晶発振器1の構造は、あくまでも一例であり、本発明の水晶発振器としては、容器内2に収納するICチップ6の向きと、水晶ブランク7の向きが、ほぼ直交するように配置されていれば、他の構造であっても良いことは言うまでもない。
例えば上記図1、図2に示した第1の実施の形態においては、ICチップ6の外部電極6a,6a・・・と接続する引き出し電極4a,4a・・・を第1の台座部4,4上に形成するようにしているが、容器2の内部底面に直接引き出し電極4a,4a・・・を形成するようにしても良い。
【0031】
また、容器2の構造も、その内部にICチップ6の長手方向と水晶ブランク7の長手方向とがほぼ直交する位置関係となるようにして、これらICチップ6及び水晶ブランク7が所定位置に収納される。そして、さらに容器2の内部には、水晶ブランク7に設けられている励振電極7a,7aと電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、水晶振動子用の上記引き出し電極5a,5aと、上記ICチップ6に設けられている外部電極6a,6a・・・と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、ICチップ用の引き出し電極4a,4a・・・を備えるようにすれば良いものとされる。
【0032】
また、本実施の形態では、ICチップ6の上に水晶ブランク7を配置するようにしているが、水晶ブランク7とICチップ6の上下を入れ替えて、例えば水晶ブランク7をICチップ6の下に配置することも可能である。
但し、水晶ブランク7をICチップ6の上に配置すると、例えば水晶ブランク7の励振電極7aに金を蒸着するなどして行うようにされる水晶発振器1の周波数調整を容易に行うことができるという利点がある。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態としての水晶発振器の構造について説明する。図3は第2の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図、図4(a)は、その上面図、図4(b)は図4(a)に示した破線A−Aの断面図、同図(c)はICチップの回路面に形成される電極の配置例を示した図である。
なお、図1、図2に示した水晶発振器と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
これら図3、図4に示す水晶発振器11もまた、上記図1、図2に示した水晶発振器1と同様、例えばセラミックなどからなる浅い箱形形状の容器12の内部にICチップ16と水晶ブランク7を収納したうえで、容器12の上縁部に設けられている接合面12aに蓋3を接合し、容器12の内部を気密状態に封止することで形成される。
【0035】
この場合、容器12の内部底面には、図示するようにICチップ6を載置するための台座部14,14が、例えば容器12の内壁面の対向する2辺に沿って形成されている。
そして、この台座部14,14の上に引き出し電極14a,14a・・・が形成されている。これら引き出し電極14a,14a・・・が、容器12内に形成されたヴァイアホールや導体配線などを介して容器12の外側で底面から側面にかけて形成されている電極端子10,10・・・と接続されている。さらに、これら図3、図4に示す水晶発振器11にあっては、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・を、台座部14,14上の引き出し電極14a,14a・・・と接続するようにしている。
【0036】
また、ICチップ16には、外部電極16a,16a・・・と共に水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続するための接続電極16b,16bが形成されている。
この場合、ICチップ16に形成される外部電極16a,16a・・・と、接続電極16b,16bとは、図4(c)に示すように、その電極位置が重なり合わないように形成されている。即ち、ICチップ16の対向する2辺に沿うように外部電極16a,16a・・・を形成し、外部電極16a,16a・・・を形成していない残りの2辺に、接続電極16b,16bを形成するようにしている。
【0037】
そして、この接続電極16b,16bに対して水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続したうえで、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・と、台座部14,14の引き出し電極14a,14a・・・を接続するようにしている。この時、ICチップ16の接続電極16b,16bと水晶ブランク7の励振電極7a,7aとは導電性接続部材19(例えば金バンプ)を用いて接続する。これにより、水晶ブランク7の励振を妨げることなく、水晶ブランク7をICチップ16に接続することができる。
また、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・と台座部14,14の引き出し電極14a,14a.・・・とは導電性接続部材18(例えば導電性接着剤)を用いて接続するようにしている。
【0038】
このように、本発明の第2の実施の形態としての水晶発振器11では、ICチップ16の平面サイズを水晶ブランク7の平面サイズより大きくしたうえで、ICチップ16に対して直接、水晶ブランク7を接続して一体化するようにしている。このとき、ICチップ16に形成する外部電極16a,16a・・・と、接続電極16b,16bとが重なり合わないように、ICチップ16に外部電極16a,16a・・と、接続電極16b,16bを形成することで、ICチップ16とほぼ同一サイズの水晶ブランク7を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態としての水晶発振器の構造を示した上面図及び断面図である。なお、図5(b)は図5(a)に示した破線B−Bの断面図である。また、図1〜図4に示した水晶発振器と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この図5に示す第3の実施の形態としての水晶発振器21も、上記した水晶発振器11と同様、容器22内部にICチップ26と水晶ブランク7を収納したうえで、容器22の接合面22aに蓋3を接合し、容器22内部を気密状態に封止することで形成される。
【0040】
この場合は、容器22の内部底面に直接、引き出し電極22b,22b・・・が形成されている。そして、これらの引き出し電極22b,22b・・・に対して、図5(b)に示されているように、例えば導電性接続部材28(例えば金バンプ)を用いたフリップチップ方式によってICチップ26の外部電極26a,26a・・・を接続するようにしている。
そのうえで、ICチップ26の上面側、即ち、ICチップ26の集積回路素子が形成されていない面側に水晶ブランク7の励振電極7a,7aと接続するための接続電極26b,26bを形成するようにしている。そして、この接続電極26b,26bと水晶ブランク7の励振電極7a,7aとを導電性接続部材29(導電性接続剤)を用いて接続する。この場合、接続電極26b,26bは、ICチップ26のシリコン基板内に形成した導電線路26c,26cを介してICチップ26の集積回路素子と電気的に接続するようにしている。
【0041】
さらにICチップ26の上面側には、ICチップ26のベースであるシリコン基板に凹部26dが形成されており、接続電極26b,26bに水晶ブランク7を接続した場合でも、水晶ブランク7において適正な励振動作が得られるような構造となっている。従って、このように水晶発振器21を構成した場合でも、これまで同様、ICチップ26とほぼ同一サイズの水晶ブランク7を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0042】
なお、第2及び第3の実施の形態において説明した水晶発振器の構造は、あくまでも一例であり、本発明の水晶発振器としては、容器内に収納され、集積回路素子であるICチップ16(26)とほぼ同一形状またはICチップ16(26)より小さい形状とされる水晶ブランク7がICチップ16(26)に直接接続されて一体化されていれば、他の構造であっても良いことは言うまでもない。
【0043】
また、上記したようなICチップと水晶ブランクを収納可能な容器12,22の構造も、ICチップ16(26)に形成されている接続電極に対して水晶ブランク7の励振電極7a,7aを電気的かつ機械的に接続して一体化したICチップ6と水晶ブランク7とを収納可能とされる。そして、さらにその内部には、引き出し電極として、ICチップ16(26)の外部電極16a(26a)が電気的かつ機械的に接続されるべき位置に対して設けられるべき引き出し電極14a(22b)のみを形成すれば良いとされる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、本発明の水晶発振器の容器を用いて構成される水晶発振器は、容器内に収納する水晶振動子の長手方向と集積回路素子の長手方向がほぼ直交するように、水晶振動子と集積回路素子を配置することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。この結果、これまでにない超小型の水晶発振器を提供することができる。
【0045】
また、水晶振動子を集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状としたうえで、容器内に集積回路素子と水晶振動子とを収納する際に、集積回路素子に対して水晶振動子を直接接続するように構成することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。このように構成した場合も、これまでにない超小型の水晶発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての水晶振動子の構造を示した斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の水晶振動子の上面図と側面図、及び水晶ブランクとICチップの関係を示した図である。
【図3】第2の実施の形態としての水晶振動子の構造を示した斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【図5】第3の実施の形態の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【図6】従来の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【符号の説明】
1 11 21 水晶発振器、2a 12a 22a 接合面、2 12 22 容器、3 蓋、4a 5a 14a 22b 引き出し電極、4 第1の台座部、5 第2の台座部、6a 16a 26a 外部電極、16b 26b接続電極、6 16 26 ICチップ、7a 励振電極、7 水晶ブランク、8 9 18 19 28 29 導電性接続部材、10 電極端子 14 台座部、26c 導電線路、26d 凹部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば携帯電話などの移動体通信機器の基準発振源などに好適な水晶発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の移動体通信機の急速な普及に伴い、これら移動体通信機において基準発振源として用いられる水晶発振器なども小型化、薄型化が求められている。
このため、水晶発振器では、発振回路などのIC(Integrated Circuit)化したうえで、水晶振動子と発振回路とを一体化するなどして小型化を図るようにしている。
【0003】
図6は、従来の水晶発振器の構造の一例を示した図である。
この図6に示す従来の圧電発振器は、凹状のパッケージ本体101の内底面102にICチップ105や、コンデンサや抵抗などのチップ部品106、108を実装すると共に、その内底面102に設けた段差部103上の引き出し電極104に水晶ブランク109の励振電極(図示しない)を電気的に接続するようにしている。そして、そのうえでパッケージ本体101の上縁部に金属蓋110を接続してパッケージ本体101の内部を気密封止するようにして構成している。
即ち、この図6に示す従来の水晶発振器では、段差部103を利用して内底面102に実装したICチップ105やチップ部品106、108の直上位置に、水晶ブランク109を配置することで小型化を図るようにしている(例えば特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開平7−336179号公報(第4−6頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、上記したような水晶発振器にあっては、水晶発振器を構成する各種部品の小型化が進み、特に、水晶ブランク109の小型化が著しく、その平面サイズをICチップ105とほぼ同じサイズまで小型化することが可能になりつつある。
【0006】
しかしながら、上記図6に示したような構造の水晶発振器は、水晶ブランク109を支持する段差部103をパッケージ本体101の内部両側に形成し、この段差部103,103間の内底面102にICチップ105などを実装する構造となっている。このため、水晶ブランク109の平面サイズをICチップ105の平面サイズまで小型化すると、段差部103,103に水晶ブランク109を取り付けることができなくなるという不具合があった。
【0007】
即ち、従来の水晶発振器は、水晶ブランク109の平面形状が、ICチップ105の平面形状より大きいことを前提に、パッケージ本体101の設計が行われているため、例えば水晶ブランク109の平面サイズをICチップ105と同等サイズまで小型化すると、水晶ブランク109を収納できなくなり、水晶発振器を構成することができなくなる。
従って、ICチップ105とほぼ同一サイズまで小型化した水晶ブランク109を用いて水晶発振器を構成するには、これまでにない構造を提案する必要があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、本発明の水晶発振器は、上面に開口部を有する容器と、開口部内を気密封止するために開口部を遮蔽するように配される蓋部と、容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、引き出し電極に接続される外部電極を備えて形成される集積回路素子と、集積回路素子とほぼ同一形状とされ、引き出し電極と電気的に接続される水晶振動子と、容器本体の外面側に形成され、引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備える。そして、容器内に収納される集積回路素子の長手方向と、水晶振動子の長手方向とが、ほぼ直交するように集積回路素子と水晶振動子とを配置した。
【0009】
また本発明の、上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器は、開口部内には、集積回路素子の長手方向と水晶振動子の長手方向とがほぼ直交する位置関係となるようにして、これら集積回路素子及び水晶振動子が所定位置に収納され、さらに開口部内には、水晶振動子に設けられている励振電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、水晶振動子用の引き出し電極と、集積回路素子に設けられている外部電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、集積回路素子用の引き出し電極を備えるようにした。
【0010】
本発明によれば、容器内に収納する水晶振動子の長手方向と集積回路素子の長手方向がほぼ直交するように、水晶振動子と集積回路素子を配置することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0011】
また、本発明の水晶発振器は、上面に開口部を有する容器と、開口部内を気密封止するために開口部を遮蔽するように配される蓋部と、容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、引き出し電極と接続される外部電極を有して形成される集積回路素子と、集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状とされ、集積回路素子と電気的に接続される水晶振動子と、容器本体の外面側に形成され、引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備える。そして、容器内に収納される水晶振動子と集積回路素子とを電気的・機械的に接続して一体化した。
【0012】
また本発明の、上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器は、開口部内には、集積回路素子に形成されている接続電極に対して水晶振動子の励振電極を電気的かつ機械的に接続して一体化した集積回路素子と水晶振動子とを収納可能とされ、さらに開口部内には、引き出し電極として、集積回路素子に設けられている外部電極が電気的かつ機械的に接続されるべき位置に対して設けられるべき引き出し電極のみを形成するようにした。
【0013】
本発明によれば、水晶振動子を集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状としたうえで、容器内に集積回路素子と水晶振動子とを収納する際に、集積回路素子に対して水晶振動子を直接接続することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態としての表面実装型水晶発振器の構造を説明する。なお、以下本明細書では表面実装型水晶発振器のことを単に「水晶発振器」と表記することとする。
図1は、第1の実施の形態としての表面実装型水晶発振器の構造を示した斜視図、図2は、その上面図及び断面図である。
【0015】
これら図1、図2に示す水晶発振器1は、容器2の内部(開口部内)に対して、集積回路素子であるICチップ6と、水晶振動子である水晶ブランク7を収納したうえで、容器2の上面の開口部に蓋3を接合し、容器2の内部を気密状態に封止することで形成される。
容器2は例えばセラミックなどからなる。また、その形状は図示するような矩形状で、その上面に開口部を有する浅い箱形とされる。
【0016】
容器2の上縁部には、蓋3を接合するためにセラミックをメタライズ化(金属化)して形成した接合面2aが設けられている。なお、接合面2aは例えば金属シールリングなどの接合面材をロウ付けして形成することも可能である。
【0017】
容器2の内部底面には、図示するようにICチップ6を載置するための第1の台座部4,4と、水晶ブランク(水晶片)7を載置するための第2の台座部5,5とが設けられている。
【0018】
この場合、第1の台座部4,4は、例えば容器2の内壁側の4辺のうち、図示するように対向する2辺に沿って形成される。また第2の台座部5,5は、上記第1の台座部4,4が形成されていない残りの2辺に沿って形成される。また、第1の台座部4,4と第2の台座部5,5とでは、第2の台座部5,5のほうが高く形成されている。
【0019】
なお、このような第1の台座部4,4及び第2の台座部5,5は、容器2のベースとなるセラミック上に外周壁となるセラミックを積層する際に、容器2の内部に突出するようにセラミックを積層することで、容器2の外周壁と共に形成することができる。
【0020】
第1の台座部4,4上には、それぞれ引き出し電極4a,4a・・・が形成されている。これら引き出し電極4a,4a・・・は、ICチップ6の外部電極6a,6a・・・と接続される。これにより、外部電極6a,6aと第1の台座部4,4上の引き出し電極4a,4aとを電気的に接続すると共に、ICチップ6を機械的に保持するようにしている。
【0021】
引き出し電極4a,4a・・・と外部電極6a,6a・・・との接続には導電性接続部材8を用いるようにしている。
この場合の導電性接続部材8には、例えば導電性接着剤が用いられる。なお、導電性接続部材8として導電性接着剤を用いる場合は、例えばICチップ6に与える衝撃を吸収できる比較的柔らかいシリコン系のものが好ましい。
【0022】
また第2の台座部5,5上には、引き出し電極5a,5aが形成されている。これら引き出し電極5a,5aは、水晶ブランク7の励振電極7a,7aが接続される。これにより、水晶ブランク7の励振電極7a,7aと、引き出し電極5a,5aとを電気的に接続すると共に、水晶ブランク7を機械的に保持するようにしている。
【0023】
引き出し電極5a,5aと励振電極7a,7aとの接続には導電性接続部材9を用いるようにしている。この場合の導電性接続部材9もまた、例えば導電性接着剤で、例えば水晶ブランク7に与える衝撃を吸収できる比較的柔らかいシリコン系のものが好ましいとされる。
なお、導電性接続部材8、9は、導電性接着剤に限らず、金バンプ(突起)やハンダなどを利用することも可能である。
【0024】
第2の台座部5,5上に形成した引き出し電極5a,5aは、容器2のセラミックに設けられている図示しないヴァイアホールや導体配線などを介して第1の台座部4,4上に形成した引き出し電極4a,4aと接続されている。また、引き出し電極4a,4aは、図示しないヴァイアホールや導体配線などを介して容器2の外側底面から側面にかけて形成されている電極端子10,10・・・と接続されている。
電極端子10,10・・・は、当該水晶発振器1を機器側のプリント基板の表面に実装するために設けられている。
【0025】
ICチップ6は、いわゆるベアチップであり、LSI技術によってICチップのベースとなるシリコン基板内に発振回路等を構成する回路素子(例えばトランジスタなどの能動素子やコンデンサ、抵抗などの受動素子)や、外部接続用の外部電極6a,6a・・・が形成されている。
【0026】
水晶ブランク7は、両面(表裏面)にそれぞれ励振電極7a,7aが貼り付けられて形成される。
このような水晶ブランク7の平面形状は、図2(c)に示すような長方形とされ、その大きさはICチップ6とほぼ同じサイズとされる。
【0027】
蓋3は、例えばコバールなどの金属部材に、半田(鉛錫合金)や高温半田(金錫合金)のメッキを施したクラッド材、あるいはコバール等の金属部材に半田(鉛錫合金)や高温半田(金錫合金)を圧延により張り付けたクラッド材によって形成されている。
【0028】
このように、本発明の第1の実施の形態の水晶発振器1では、容器2の内部の対向する位置に、それぞれ第1の台座部4,4と第2の台座部5,5を形成する。そして第1の台座部4,4と第2の台座部5,5とを異なる高さに形成したうえで、第1の台座部4,4上の引き出し電極4a,4a・・・にはICチップ6の外部電極6a,6a・・・を接続する。また第2の台座部5,5上の引き出し電極5a,5aには、水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続するようにした。即ち、容器2の内部にICチップ6とほぼ同一サイズで長方形状の水晶ブランク7を収納する際には、ICチップ6と水晶ブランク7を立体的に配置したうえで、ICチップ6の長手方向と水晶ブランク7の長手方向がほぼ直交するように配置したものである。
【0029】
このように構成すれば、水晶ブランク7をICチップ6とほぼ同一サイズまで小型化した場合でも、水晶発振器を構成することができるため、これまでにない極めて小型の水晶発振器を実現することが可能になる。
例えば本実施の形態によれば、従来、その大きさ(縦×横×高さ)が5mm×3.5mm×2mm程度であった表面実装型の水晶振動子を、約2mm×2mm×0.7mm程度まで小型化を図ることができる。
【0030】
なお、本実施の形態において説明した水晶発振器1の構造は、あくまでも一例であり、本発明の水晶発振器としては、容器内2に収納するICチップ6の向きと、水晶ブランク7の向きが、ほぼ直交するように配置されていれば、他の構造であっても良いことは言うまでもない。
例えば上記図1、図2に示した第1の実施の形態においては、ICチップ6の外部電極6a,6a・・・と接続する引き出し電極4a,4a・・・を第1の台座部4,4上に形成するようにしているが、容器2の内部底面に直接引き出し電極4a,4a・・・を形成するようにしても良い。
【0031】
また、容器2の構造も、その内部にICチップ6の長手方向と水晶ブランク7の長手方向とがほぼ直交する位置関係となるようにして、これらICチップ6及び水晶ブランク7が所定位置に収納される。そして、さらに容器2の内部には、水晶ブランク7に設けられている励振電極7a,7aと電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、水晶振動子用の上記引き出し電極5a,5aと、上記ICチップ6に設けられている外部電極6a,6a・・・と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、ICチップ用の引き出し電極4a,4a・・・を備えるようにすれば良いものとされる。
【0032】
また、本実施の形態では、ICチップ6の上に水晶ブランク7を配置するようにしているが、水晶ブランク7とICチップ6の上下を入れ替えて、例えば水晶ブランク7をICチップ6の下に配置することも可能である。
但し、水晶ブランク7をICチップ6の上に配置すると、例えば水晶ブランク7の励振電極7aに金を蒸着するなどして行うようにされる水晶発振器1の周波数調整を容易に行うことができるという利点がある。
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態としての水晶発振器の構造について説明する。図3は第2の実施の形態の水晶発振器の構造を示した斜視図、図4(a)は、その上面図、図4(b)は図4(a)に示した破線A−Aの断面図、同図(c)はICチップの回路面に形成される電極の配置例を示した図である。
なお、図1、図2に示した水晶発振器と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】
これら図3、図4に示す水晶発振器11もまた、上記図1、図2に示した水晶発振器1と同様、例えばセラミックなどからなる浅い箱形形状の容器12の内部にICチップ16と水晶ブランク7を収納したうえで、容器12の上縁部に設けられている接合面12aに蓋3を接合し、容器12の内部を気密状態に封止することで形成される。
【0035】
この場合、容器12の内部底面には、図示するようにICチップ6を載置するための台座部14,14が、例えば容器12の内壁面の対向する2辺に沿って形成されている。
そして、この台座部14,14の上に引き出し電極14a,14a・・・が形成されている。これら引き出し電極14a,14a・・・が、容器12内に形成されたヴァイアホールや導体配線などを介して容器12の外側で底面から側面にかけて形成されている電極端子10,10・・・と接続されている。さらに、これら図3、図4に示す水晶発振器11にあっては、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・を、台座部14,14上の引き出し電極14a,14a・・・と接続するようにしている。
【0036】
また、ICチップ16には、外部電極16a,16a・・・と共に水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続するための接続電極16b,16bが形成されている。
この場合、ICチップ16に形成される外部電極16a,16a・・・と、接続電極16b,16bとは、図4(c)に示すように、その電極位置が重なり合わないように形成されている。即ち、ICチップ16の対向する2辺に沿うように外部電極16a,16a・・・を形成し、外部電極16a,16a・・・を形成していない残りの2辺に、接続電極16b,16bを形成するようにしている。
【0037】
そして、この接続電極16b,16bに対して水晶ブランク7の励振電極7a,7aを接続したうえで、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・と、台座部14,14の引き出し電極14a,14a・・・を接続するようにしている。この時、ICチップ16の接続電極16b,16bと水晶ブランク7の励振電極7a,7aとは導電性接続部材19(例えば金バンプ)を用いて接続する。これにより、水晶ブランク7の励振を妨げることなく、水晶ブランク7をICチップ16に接続することができる。
また、ICチップ16の外部電極16a,16a・・・と台座部14,14の引き出し電極14a,14a.・・・とは導電性接続部材18(例えば導電性接着剤)を用いて接続するようにしている。
【0038】
このように、本発明の第2の実施の形態としての水晶発振器11では、ICチップ16の平面サイズを水晶ブランク7の平面サイズより大きくしたうえで、ICチップ16に対して直接、水晶ブランク7を接続して一体化するようにしている。このとき、ICチップ16に形成する外部電極16a,16a・・・と、接続電極16b,16bとが重なり合わないように、ICチップ16に外部電極16a,16a・・と、接続電極16b,16bを形成することで、ICチップ16とほぼ同一サイズの水晶ブランク7を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0039】
図5は、本発明の第3の実施の形態としての水晶発振器の構造を示した上面図及び断面図である。なお、図5(b)は図5(a)に示した破線B−Bの断面図である。また、図1〜図4に示した水晶発振器と同一部位には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
この図5に示す第3の実施の形態としての水晶発振器21も、上記した水晶発振器11と同様、容器22内部にICチップ26と水晶ブランク7を収納したうえで、容器22の接合面22aに蓋3を接合し、容器22内部を気密状態に封止することで形成される。
【0040】
この場合は、容器22の内部底面に直接、引き出し電極22b,22b・・・が形成されている。そして、これらの引き出し電極22b,22b・・・に対して、図5(b)に示されているように、例えば導電性接続部材28(例えば金バンプ)を用いたフリップチップ方式によってICチップ26の外部電極26a,26a・・・を接続するようにしている。
そのうえで、ICチップ26の上面側、即ち、ICチップ26の集積回路素子が形成されていない面側に水晶ブランク7の励振電極7a,7aと接続するための接続電極26b,26bを形成するようにしている。そして、この接続電極26b,26bと水晶ブランク7の励振電極7a,7aとを導電性接続部材29(導電性接続剤)を用いて接続する。この場合、接続電極26b,26bは、ICチップ26のシリコン基板内に形成した導電線路26c,26cを介してICチップ26の集積回路素子と電気的に接続するようにしている。
【0041】
さらにICチップ26の上面側には、ICチップ26のベースであるシリコン基板に凹部26dが形成されており、接続電極26b,26bに水晶ブランク7を接続した場合でも、水晶ブランク7において適正な励振動作が得られるような構造となっている。従って、このように水晶発振器21を構成した場合でも、これまで同様、ICチップ26とほぼ同一サイズの水晶ブランク7を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。
【0042】
なお、第2及び第3の実施の形態において説明した水晶発振器の構造は、あくまでも一例であり、本発明の水晶発振器としては、容器内に収納され、集積回路素子であるICチップ16(26)とほぼ同一形状またはICチップ16(26)より小さい形状とされる水晶ブランク7がICチップ16(26)に直接接続されて一体化されていれば、他の構造であっても良いことは言うまでもない。
【0043】
また、上記したようなICチップと水晶ブランクを収納可能な容器12,22の構造も、ICチップ16(26)に形成されている接続電極に対して水晶ブランク7の励振電極7a,7aを電気的かつ機械的に接続して一体化したICチップ6と水晶ブランク7とを収納可能とされる。そして、さらにその内部には、引き出し電極として、ICチップ16(26)の外部電極16a(26a)が電気的かつ機械的に接続されるべき位置に対して設けられるべき引き出し電極14a(22b)のみを形成すれば良いとされる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明からわかるように、本発明の水晶発振器の容器を用いて構成される水晶発振器は、容器内に収納する水晶振動子の長手方向と集積回路素子の長手方向がほぼ直交するように、水晶振動子と集積回路素子を配置することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。この結果、これまでにない超小型の水晶発振器を提供することができる。
【0045】
また、水晶振動子を集積回路素子とほぼ同一形状または集積回路素子より小さい形状としたうえで、容器内に集積回路素子と水晶振動子とを収納する際に、集積回路素子に対して水晶振動子を直接接続するように構成することで、集積回路素子とほぼ同一サイズまで小型化した水晶振動子を用いて水晶発振器を構成することが可能になる。このように構成した場合も、これまでにない超小型の水晶発振器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての水晶振動子の構造を示した斜視図である。
【図2】第1の実施の形態の水晶振動子の上面図と側面図、及び水晶ブランクとICチップの関係を示した図である。
【図3】第2の実施の形態としての水晶振動子の構造を示した斜視図である。
【図4】第2の実施の形態の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【図5】第3の実施の形態の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【図6】従来の水晶振動子の構造を示した上面図及び側面図である。
【符号の説明】
1 11 21 水晶発振器、2a 12a 22a 接合面、2 12 22 容器、3 蓋、4a 5a 14a 22b 引き出し電極、4 第1の台座部、5 第2の台座部、6a 16a 26a 外部電極、16b 26b接続電極、6 16 26 ICチップ、7a 励振電極、7 水晶ブランク、8 9 18 19 28 29 導電性接続部材、10 電極端子 14 台座部、26c 導電線路、26d 凹部
Claims (8)
- 上面に開口部を有する容器と、
上記開口部内を気密封止するために上記開口部を遮蔽するように配される蓋部と、
上記容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、
上記引き出し電極に接続される外部電極を備えて形成される集積回路素子と、
上記集積回路素子とほぼ同一形状とされ、上記引き出し電極と電気的に接続される水晶振動子と、
上記容器本体の外面側に形成され、上記引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備え、
上記容器内に収納される上記集積回路素子の長手方向と、上記水晶振動子の長手方向とが、ほぼ直交するように上記集積回路素子と上記水晶振動子とを配置したことを特徴とする水晶発振器。 - 第1の台座部と、該第1の台座部より高いとされる第2の台座部を上記開口部内に設け、
上記第1の台座部と上記第2の台座部の上に上記引き出し電極を形成したうえで、
上記第1の台座部上の引き出し電極と、上記集積回路素子の外部電極または上記水晶振動子の励振電極とを接続し、
上記第2の台座部上の引き出し電極と、上記水晶振動子の励振電極または上記集積回路素子の外部電極とを接続するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水晶発振器。 - 上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器であって、
上記開口部内には、集積回路素子の長手方向と水晶振動子の長手方向とがほぼ直交する位置関係となるようにして、これら集積回路素子及び水晶振動子が所定位置に収納され、
さらに上記開口部内には、上記水晶振動子に設けられている励振電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、水晶振動子用の上記引き出し電極と、上記集積回路素子に設けられている外部電極と電気的かつ機械的に接続されるべき位置に形成された、集積回路素子用の上記引き出し電極を備える、
ことを特徴とする水晶発振器の容器。 - 上面に開口部を有する容器と、
上記開口部内を気密封止するために上記開口部を遮蔽するように配される蓋部と、
上記容器本体の内面側に形成される引き出し電極と、
上記引き出し電極と接続される外部電極を有して形成される集積回路素子と、
上記集積回路素子とほぼ同一形状または上記集積回路素子より小さい形状とされ、上記集積回路素子と電気的に接続される水晶振動子と、
上記容器本体の外面側に形成され、上記引き出し電極と電気的に接続される電極端子とを備え、
上記容器内に収納される上記水晶振動子と上記集積回路素子とを電気的・機械的に接続して一体化したことを特徴とする水晶発振器。 - 上記集積回路素子に上記水晶振動子の励振電極と接続される接続電極を形成し、該接続電極に対して上記水晶振動子を動作可能に接続したことを特徴とする請求項4に記載の水晶発振器。
- 上記接続電極を上記集積回路素子が形成される集積基板の回路側に形成し、バンプにより上記接続電極と上記集積回路素子とを接続するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の水晶発振器。
- 上記接続電極を上記集積回路素子が形成される集積基板の背面側に形成し、上記集積基板内に形成した導電路を介して上記接続電極と上記集積回路素子とを接続するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の水晶発振器。
- 上面に開口部が形成されると共に、外面側には電極端子が形成され、内面側には引き出し電極が形成されている水晶発振器の容器であって、
上記開口部内には、集積回路素子に形成されている接続電極に対して水晶振動子の励振電極を電気的かつ機械的に接続して一体化した上記集積回路素子と上記水晶振動子とを収納可能とされ、
さらに上記開口部内には、上記引き出し電極として、上記集積回路素子に設けられている外部電極が電気的かつ機械的に接続されるべき位置に対して設けられるべき引き出し電極のみを形成するようにしたことを特徴とする水晶発振器の容器。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050930 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071019 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071030 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080304 |