JP2001028516A - 圧電発振器 - Google Patents

圧電発振器

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Abstract

(57)【要約】 【目的】第1に平面外形が小さい小面積化を、第2に高
さ寸法の小さい低背化を促進する圧電発振器を提供す
る。 【構成】圧電素子の入力端子及びその他の回路端子を有
するICチップと前記圧電素子とを面対向して直接的に
接合し、前記圧電素子とICチップとを容器に密閉封入
した圧電発振器において、前記ICチップの入力端子は
前記回路端子とは反対面に形成され、前記圧電素子を反
対面の入カ端子に接合した構成とする。また、前記回路
端子を有するICチッブの主面を前記容器内面に直接的
に固着した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はICチップに圧電素
子を直接的に接合した圧電発振器を産業上の技術分野と
し、特に圧電素子を水晶片として三次元実装技術を用い
た水晶発振器に関する。
【0002】(発明の背景)水晶発振器は、周波数及び
時間源として、通信機器を含む各種の電子機器に多く用
いられている。近年では、特に携帯電話に見られるよう
に小型化の進歩が著しく、さらに極限を求めた開発がな
されている。例えばこのようなものの一つにICチップ
に水晶片を直接的に固着したものがある(特開平11−
145728号公報)。
【0003】(従来技術の一例)第4図は従来例を説明
する圧電発振器の断面図である。水晶発振器は表面実装
容器(実装容器とする)1と水晶片2とICチップ3と
からなる。実装容器1は、凹部を有する容器本体4と金
属カバー5からなる。容器本体4は平板6と第1及び第
2枠板7(ab)の積層セラミックに金属リング8を鑞
接してなる。なお、底面外周には、ICチップ3と接続
して側面から延出した実装電極9を有する。
【0004】水晶片2はATカットの矩形状とし、両主
面の励振電極10(ab)から引出電極11(ab)を
両端外周部に延出してなる(第5図)。ICチップ3は
発振回路(第6図)等を形成する回路素子を集積する。
図において、Rは帰還抵抗、C(1、2)は発振用コンデ
ンサ、Qは水晶振動子(水晶片2)、12はC−MOS
からなる発振用増幅器及び13は緩衝増幅器である。な
お、必要に応じて記憶回路等の温度補償機能素子等が集
積される。
【0005】そして、一主面に水晶振動子(水晶片2)
の一対の入力端子(水晶端子とする)14及びその他の
電子回路を構成する回路端子16を露出する。回路端子
16は、例えば電源、アース、出力や温度補償機能の書
込及び検査端子からなる。
【0006】上記参照公報では、容器本体4の底面にI
Cチップ3を接着剤等(未図示)により固着する。水晶
片2はICチップ3の水晶端子14に固着する。すなわ
ち、引出電極11の延出した両端外周部を金属粒(バン
プ)15を用いた熱圧着(所謂バンプ接着)により、入
力端子14と接合する。そして、ICチップ3の回路端
子16を、金線17等のワイヤボンディングにより容器
本体4の段部(第2枠板7a)に導出する。これらの回
路端子は図示しない回路パターンによって、外表面に延
出される。例えば電源、アース、出力等は、先の実装電
極9として側面及び底面に延出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の水晶発振器では、水晶端子1
4と回路端子16との形成されたICチップ3の一主面
に水晶片2を接合する。したがって、容器本体4の底面
に対して、フェースダウンボンディングによってICチ
ップ3を固着できない問題があった。なお、フェースダ
ウンボンディングは、ICチップ3の回路端子16を有
する一主面を、回路基板に形成されたパターン端子に直
接的に接合する方法である。
【0008】このことから、上記例では、ワイヤボンデ
ィングにより回路端子16を導出する。しかし、この場
合は、金線17の接続作業を容易にするため、第1枠板
7aを設けて金線17の導出端とICチップ3との高さ
を同一平面にする。したがって、金線17の空間を確保
するために容器本体4は第2枠板7bを要し、高さ寸法
を大きくする問題があった。
【0009】さらに、ワイヤボンディングするには、回
路端子16を水晶片2の外側に設けて露出する必要があ
り、ICチップ3の面積を水晶片2より大きくする問題
もあった。なお、通常では、水晶片2の平面外形の方が
ICチップ3より格段に大きい。
【0010】(発明の目的)本発明は、第1に小面積化
を、第2に低背化を促進する圧電発振器を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】(着目点)本発明では、
ICチップ3の水晶端子14がその他の回路端子16と
は反対の面に形成されていればフェースダウンボンディ
ングが可能であると考え、三次元LSI実装技術に着目
した(参照:「BREAK THROUGH(リアライ
ズ社)、1998年11月号(NO.149)、三次元
LSI実装技術」)。
【0012】(解決手段)本発明は、実施例(第1図参
照)で詳述するように、ICチップ3の水晶端子14
は、その他の回路端子を有する面とは反対面に形成さ
れ、圧電素子としての水晶片2を反対面の水晶端子14
に接続したことを基本的な解決手段とする(請求項
1)。そして、回路端子16を有するICチップ3の一
主面を容器内面に直接的に固着した構成とする(請求項
2)。
【0013】
【作用】本発明は、圧電素子(水晶片2)をICチップ
3の回路端子16とは反対面に接続するので、ICチッ
プ3の回路端子16を水晶片2の外側に配置する必要が
ない。また、回路端子16を有するICチップの一主面
を容器内面に直接的に接合するので、ICチップ3から
の導出用の金線等を不要にする。これらのことから、本
発明の目的を達成できる。以下、本発明の一実施例を説
明する。
【0014】
【実施例】第1図は本発明の一実施例を説明する水晶発
振器の断面図である。なお、前従来例図と同一部分には
同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。水晶発
振器は、前述同様に、水晶片2及びICチップ3を実装
容器1に密閉封入してなる。そして、この実施例では、
ICチップ3は一主面に回路端子16を、反対面に水晶
端子14(ab)を露出する。
【0015】具体的には、ICチップ3はシリコン基板
にP及びNチャンネルによるFET素子(電界効果トラ
ンジスタ)及び抵抗、容量等の各素子を集積化してな
る。そして、一主面には酸化膜を形成してアルミナ膜に
より各素子を結線するとともに、電源、出力、アース等
の取出し電極となる回路端子16を形成する。そして、
発振用増幅器としてのFET素子と接続した水晶端子1
4を他主面に形成する。
【0016】すなわち、前述の三次元LSI実装技術に
より、第2図の拡大断面図に示したように、シリコン基
板18の一部に一主面から深い窪みを設けて酸化させ、
さらに低抵抗の多結晶シリコン19を埋設する。そし
て、他主面側を研磨して多結晶シリコン19を露出して
酸化させる。図中の符号20は酸化膜である。次に、多
結晶シリコン19の露出面にアルミナ膜を設けて他主面
側に水晶端子14を形成する。そして、水晶端子14に
金粒15等のバンプを設ける。なお、窪みを設けた一主
面側にもアルミナ膜による配線層21が形成される。
【0017】実装容器1は容器本体4とカバー5からな
る。この例での容器本体4は、平板6と枠板7からなる
2層構造の積層セラミック上に金属リング8を鑞接す
る。そして、回路パターン(未図示)の形成された底面
にフェースダウンボンディングによりICチップ3を固
着する。すなわち、回路端子16を有するICチップ3
の一主面を底面に対向させ、熱圧着により金粒15を押
圧して接合する(バンプ接着)。
【0018】水晶片2は、この例では励振電極10(a
b)から一端部両側に引出電極11(ab)を延出す
る。そして、水晶片2の一端部両側をICチップ3の他
主面に設けた水晶端子14にバンプ接着する。これらの
場合、水晶片2とICチップ3とを一体的に接合した
後、ICチップ3を容器底面に固着してもよい。そし
て、シーム溶接により、金属カバーを接合される。
【0019】(実施例の効果)このような構成であれ
ば、水晶片2はICチップ3の回路端子16とは反対面
の水晶端子14に接続する。したがって、一主面の回路
端子16は水晶片2に覆われることなく露出するので、
必ずしもICチップ3を水晶片2の板面以上に大きくす
る必要はない。これにより、ICチップ3を水晶片3よ
り大きくすることなく、平面外形を小さくできる。
【0020】また、この実施例では、フェースダウンボ
ンディングによりICチップ3を容器本体4の底面に直
接的に接合する。したがって、ワイヤボンディングとし
た場合の金線17を空間に設ける必要がないので、高さ
寸法を小さくできる。この場合は、特に二層構造とする
ので最小とする。
【0021】
【他の事項】上記実施例では、ICチップ3を容器本体
4の底面にフェースダウンボンディングにより固着した
が、水晶片2を固着してもよい。すなわち、ICチップ
3と接合した水晶片2を底面に固着し、ICチップ3の
回路端子16をワイヤボンディングにより導出してもよ
い。
【0022】この場合でも、ICチップ3の回路端子1
6は露出したままとなるので、前述同様にICチップ3
を水晶片2の外形より小さくでき、本発明はこれを排除
するものではない。但し、高さ寸法は従来同様に高くな
るので、実施例の方が有利である。
【0023】また、水晶片2は一端部両側に引出電極1
1(ab)を延出したが、両端部に延出して同部をIC
チップ3の水晶端子14に接合してもよい。また、水晶
片2はバンプ接着としたが、接合強度が小さい場合には
例えば接着剤を補強してもよい。また、水晶端子14と
水晶片2とを導電性接着剤や異方性導電接着剤によって
接続してもよい。
【0024】また、実装容器1はシーム溶接としたが、
金属リング8を除去して例えば樹脂封止等としてもよ
い。また、容器本体4は凹状としたが平板として凹状の
カバーを被せてもよく、これらは任意に選定できる。そ
して、圧電素子は水晶以外の例えばニオブ酸リチウム等
他の圧電材であってもよい。
【0025】要するに、本発明では一主面に回路端子を
有するICチップの他主面に水晶端子を形成して圧電素
子を接続したことが主旨であり、他の構成に相違があっ
たとしてもこのようなものは適宜自在な変更を含めて本
発明の技術的範囲に属する。
【0026】
【発明の効果】本発明は、ICチップの水晶端子はその
他の回路端子とは反対面に形成され、圧電素子を反対面
の水晶端子に接続したので、小面積化を促進できる。ま
た、回路端子を有するICチップの一主面を容器内面に
直接的に固着するので、高さ寸法も小さくできる圧電発
振器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する水晶発振器の断面
図である。
【図2】本発明の一実施例を説明する水晶発振器の一部
拡大断面図である。
【図3】本発明の一実施例に適用した水晶片の平面図で
ある。
【図4】従来例を説明する水晶発振器の断面図である。
【図5】従来例を説明する水晶片の平面図である。
【図6】従来例を説明する発振回路の基本回路図であ
る。
【符号の説明】
1 実装容器、2 水晶片、3 ICチップ、4 容器
本体、5 金属カバー、6 平板、7 枠板、8 金属
リング、9 実装電極、10 励振電極、11引出電
極、12 発振用増幅器、13 緩衝増幅器、14 水
晶端子、15 金粒、16 回路端子、17 金線、1
8 シリコン基板、19 多結晶シリコン、20 酸化
膜、21 配線層.

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電素子の入力端子及びその他の回路端子
    を有するICチップと前記圧電素子とを面対向して直接
    的に接合し、前記圧電素子とICチップとを容器に密閉
    封入した圧電発振器において、前記ICチップの入力端
    子は前記回路端子とは反対面に形成され、前記圧電素子
    を反対面の入力端子に接続したことを特徴とする圧電発
    振器。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記回路端子を有する
    ICチップの主面が前記容器内面に直接的に固着された
    圧電発振器。
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