JP2004127744A - 熱電素子一体型薄膜電池 - Google Patents

熱電素子一体型薄膜電池 Download PDF

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Yasuyuki Shibano
柴野 靖幸
Shuji Ito
伊藤 修二
Kazuya Iwamoto
岩本 和也
Tatsuji Mino
美濃 辰治
Hiroshi Higuchi
樋口 洋
Masaya Ugaji
宇賀治 正弥
Junichi Inaba
稲葉 純一
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Abstract

【課題】二次電池からの発熱を有効利用する熱電素子を介して当該二次電池を充電する積層構造の熱電素子一体型電池を提供する。
【解決手段】熱電素子を二次電池の正極集電体もしくは負極集電体上に直接、薄膜で積層形成し、二次電池からの発熱を利用する前記熱電素子の起電力で前記二次電池を充電する構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱電素子と積層一体化した薄膜型の二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のICカードや電子タグ、小型センサー、医療用マイクロマシンなどの高機能小型機器、部品の開発が盛んに行われており、それに伴い動力源となる電池にも小型化、薄型化が要求されている。しかし電池を小型化、薄型化するとそれだけ電池容量が減少してしまい、電力消費の大きな用途に対しては大容量の電池(サイズの大きな電池)を適用するか、頻繁な充電を行うしかない。さらに携帯電話やPDAなどの高機能小型機器においては大きな電池を搭載したり、頻繁に充電することが難しい。そのために、省スペースで、充電頻度が少なく、充電器等への機械的な接続等が不要な非接触充電の可能な電池が必要となってくる。
【0003】
現在、充電器等への機械的な接触を伴わない方法として、発電デバイスから電力を供給する方法が注目されている。その中でも熱電素子を利用した発電方法が注目されている。熱電素子とは熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する素子であり、電気素子や使用者から発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、その電力を再利用するものである。例えば人の体温と外気の温度差を利用し、熱起電力を腕時計の動力源として用いている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
その他にもCPUや電気回路素子、電源に熱電素子を実装したり、電気回路基板と接続することによりそれらから発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換し再利用することによって電力の節約を行う電気回路装置が提示されている(例えば特許文献2、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−31081号公報
【特許文献2】
特開平11−177154号公報
【特許文献3】
特開2000−14026号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、熱電素子をプリント基板などの基板にパターン形成した後に電池や電気回路素子をその基板上に配置した場合、熱電素子と電池との密着性が不十分となり、熱の伝わり方が悪く、結果として得られる熱起電力は小さくなる。とくに面積の小さな電池や電気回路素子と一体化させる場合はその影響が顕著に現れてしまう。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、熱電素子と発電要素や電気回路素子の密着性を改善し、熱電素子の熱起電力を大きくするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものであり、発電部と熱電部が連続製膜されて一体形成され、発電部を構成する発電要素は少なくとも正極層と固体電解質層と負極層を積層形成され、発電要素の熱による前記熱電部の起電力で前記発電部を充電されることを特徴とする。また、本発明は発電部が複数の発電要素が積層されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の熱電素子一体型薄膜電池は発電要素ユニットと熱電素子ユニットが交互に複数組積層されていることを特徴とする。また、本発明電池は正極層および負極層の少なくとも一方の厚みがそれぞれ100μm以下であることを特徴とする。さらに、熱電部は複数の熱電素子で構成され、各熱電素子の高温接合部を近接して配置し、高温接合部に発電部を積層して一体化したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は熱電部の起電力を蓄積する手段を設け、任意に発電部を充電することを特徴とする。さらに、本発明は発電部以外の熱源からの熱を熱電部の高温接合部に与える手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱電素子一体型薄膜電池は、少なくとも正極層と、固体電解質層と、負極層からなる発電要素を一つ以上積層させたものであってその両端に集電体層を形成する。熱電素子がスパッタ、蒸着等の薄膜製造プロセスにより熱電素子上に積層形成して一体化させる。すなわち、発電要素と熱電素子の成膜を連続して行うために、密着性が向上し熱利用が向上する。
【0012】
熱電素子と発電要素を交互に積層すると、熱電素子の上下面で発電要素と密着するために熱利用率が向上し、大きな熱起電力を得ることができる。
【0013】
熱電素子から発電される電力は小さいために、大きな容量の電池では十分な電力供給ができない。従って、正極層、負極層の少なくとも一方の厚みを100μm以下の電池でのみ熱起電力での充電が可能となる。
【0014】
図1は本発明に示す熱電素子一体型薄膜電池の一実施の形態の断面図および一部拡大図であり、熱電部111が電池表面にある場合を示している。基板101に正極集電体105、正極102、固体電解質103、負極104、負極集電体106を連続で成膜して発電要素107を構成する。なお、熱電部111の上に電池が構成されてもよい。
【0015】
この成膜工程をくり返すことにより少なくとも一つ以上の発電要素107を積層して発電部108すなわち二次電池を構成する。なお、図1では発電要素が複数積層され発電部を構成しているが、実際は発電要素一つで発電部(二次電池)を構成することも可能である。
【0016】
さらに連続して熱電部111を形成する。熱電部111は、絶縁膜109、116とP型半導体112、N型半導体113、接合電極114、115からなる。117は絶縁材であり外装体となる。
【0017】
これらの成膜方法も特に限定はないが、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、ゾルゲル法、溶射法、スクリーン印刷法等のプロセスが用いられる。
【0018】
熱電部111の作製は、まず二次電池108の最上面に現れている負極集電体106の上に絶縁膜109を成膜し、予め定めたパターンに従って接合電極115、P型半導体116、N型半導体113を成膜する。最後に接合電極114をパターンに沿って成膜することによる。
【0019】
熱電部111についてもう少し具体的に説明する。熱電素子は低温側と高温側に接合電極114、115が形成され、接合電極114、115によりP型半導体116とN型半導体113が接触する。そしてP型半導体116、N型半導体113は交互に直列に接続されている。接合電極は高温側と低温側の二つのグル−プに分けられる。また、接合電極群間に生じた温度差により発電された電力は熱電部111の外部に取り出される。ここでは便宜上接合電極114を低温側、接合電極115を高温側としたが、温度差があれば起電力が発生するので発電時の状況で高温側と低温側は入れ替わる。また接合電極の配置も一方が二次電池108と接し、もう一方が二次電池108外部にある構造であれば特に限定がない。
【0020】
このようにして構成された発電部108および熱電部111は外装体110でモ−ルドされる。外装体110としてはプロセスが簡略になるために樹脂が好ましいが、特に限定はない。またモ−ルド方法も特に限定はない。図1では熱電部111が外装体110で覆われているが、熱電部111の一方の接合電極115に接している絶縁膜116が外装体110の外にむき出しになっている構造でもよい。
【0021】
以下動作原理を説明する。まず、熱電素子駆動の熱源が電池動作時に発生する熱である場合を考える。この場合、接合電極114が高温側となり、接合電極115が低温側となる。接合電極間の温度差が大きいほど起電力が大きいので、低温側接合電極115のある領域はできるだけ低い温度の状態であることが望ましい。そのために放熱板等を設け発電部108の外部の熱を伝えやすい構造にしたり、熱電素子111と接する部分に断熱性の材料を採用して二次電池108の熱が伝わりにくいようにすることが好ましい。
【0022】
二次電池108が動作すると、接合電極114の領域が高温になり、各接合電極には熱起電力が発生し、これらの総和の熱起電力が取り出される。
【0023】
充電時であればそのまま二次電池108に電力を供給すればいいが、放電時は同時に充電できないため他の方法が必要である。例えばコンデンサなどに一時的に熱電部からの電力を蓄えて、電池が放電状態でないときに二次電池108に電力を供給する方法がある。また二次電池を構成するすべての発電要素を接続させ同じ動作をさせるのではなくて、複数の発電要素が充放電しているときに、別の複数の発電要素に充電するといった接続関係にすることも可能である。
【0024】
図2は本発明の他の実施の形態の断面図とその一部拡大図であり、発電要素207と熱電素子214が交互に積層され、熱電素子214が発電要素207ごとに形成されている場合を示している。基板201上に正極集電体205、正極202、固体電解質203、負極204と負極集電体206を連続で成膜して発電要素207を構成する。発電要素形成後、連続して熱電素子214を形成する。熱電素子214は、絶縁膜208、209とP型半導体210、N型半導体211、接合電極213からなる。
【0025】
熱電素子作製は、まず発電要素207の最上面に現れている負極集電体206(も正極集電体であってもよい)の上に絶縁膜208を成膜し、その後熱電素子214のパターンに従って接合電極213、P型半導体210、N型半導体211を成膜する。さらに、その上から絶縁膜209を成膜することによって完成する。この工程をくり返すことにより熱電素子が発電要素ごとに形成されている二次電池を形成する。
【0026】
図2の熱電素子一体型電池において、熱電素子の部分で上面からスライスした図(A−A’断面図)を図3に示す。熱起電力取出端301、301’、302および302’はP型半導体210およびN型半導体211を延長したものである(半導体に接続したリ−ド線であってもよい)。この場合熱電部は2つの熱電素子からなり、その熱電素子の高温側の接合電極213は中央に寄せられ、その上に発電部が構成されている。低温側の接合電極304は発電要素(二次電池)の発熱部から離間したところに配する。図示しないが2つの熱電素子は熱起電力取出端301、301’、302と302’を介して直列接続されている。熱電部を構成する熱電素子は2つに限ることなくさらに多くてもよい。なお、この構成は図1の構成にも適用できる。
【0027】
熱電素子はP型半導体210とN型半導体211、それらを接合する接合電極213、304からなる。P型半導体210とN型半導体211はそれぞれ平行して隣り合うように配置され、その先端部で接合電極213、304により接合されて熱電素子214を構成し、直列に接続されている。また上下の熱電素子は熱起電力取出端301、301’、302と302’を介して直列に接続されている。なお、212は外装体である。
【0028】
このような平面構造をとる場合には接合電極に別の材料を用いるのではなく、P型半導体とN型半導体を直接接触させる構造の方が作製が容易である。つまり接合電極213および304がP型半導体やN型半導体で構成されていることも可能である。
【0029】
熱電素子の接合電極213は絶縁膜209の内側になるように形成し、もう一方の接合電極304を絶縁膜209の外部に形成する。熱電素子ユニットのパターンは絶縁体209の内側と外側に接合電極のある構造であるならばこれに限定されない。すなわち図3に示すような櫛形のパターンだけではなく、出力用電極が四方から取り出されるような構造、一辺からのみ取り出されている構造、P型半導体とN型半導体が平行に配置されていない構造も可能である。
【0030】
熱電素子を形成する金属にはP型半導体とN型半導体が多用されるが、これらは公知の材料を用いればよい。例えばBiTe、CoSb、Sb2Te、PbTe、SmS、CuO、GeTe、FeSi等のを主成分とし、熱電素子を形成する。さらにPt、Al、Cu、W、Ag、Cd、Feなどの単体金属の組み合わせでも熱電素子の形成は可能であり、単体金属と合金を組み合わせるといったことも可能である。これらの熱電素子材料は使用される温度により適当に選ぶ必要があるが、電解質に固体電解質を採用しているため高温での動作が可能であり、熱電素子材料の選択性が増す。
【0031】
電解質として電解液やゲルポリマーを用いた場合、熱電素子の短絡や腐食などの危険があり、また熱電素子を高温で動作させるためには耐熱性に劣る電解液やゲルポリマーを使用することは不可能である。そのため電解質は固体電解質でなければならない。固体電解質材料としては、銀イオン導電性固体電解質、銅イオン導電性固体電解質、リチウムイオン導電性固体電解質、プロトン導電性固体電解質、フッ素イオン導電性固体電解質、マグネシウムイオン導電性固体電解質、ナトリウムイオン導電性固体電解質を用いることができる。
【0032】
また、発電要素の積層数も任意である。これらは使用する機器により任意に選択され、使用機器にあった適切な電圧、容量を選択することができる。また必要な場合には昇圧回路や整流回路等の電気回路を組み合わせることによって効率的な電力の供給が可能となる。さらにこれらの電気回路を基板上に作製したり、シート状にして全固体二次電池に貼り付けることも可能である。さらに、全固体電池であるため、基板には何を用いてもいい。例えばPt、Au、Fe、Ni、SUS、Al、Si、SiO、PETなどがある。さらに電気回路基板や電気素子に直接電池を成膜するのも可能である。
【0033】
【実施例】
以下に本発明の熱電素子一体型薄膜電池について実施例について説明する。
【0034】
(実施例1)
図1に基づいて本発明の実施例を説明する。基板101には酸化膜でコーティングされているSiを用いる。Ptをターゲットとした高周波スパッタにより正極集電体105としてPtを厚み0.2μmとする。このときの雰囲気は3mTorrのAr、ターゲットサイズは3inch、出力は75Wである。形成においては、1.2cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を基板101の上に密着させて置き、Pt膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0035】
正極集電体105の上にLiCoOをターゲットとした高周波スパッタにより、正極102としてLiCoOを厚み0.3μmで成膜する。このときの雰囲気は11mTorrのAr、4mTorrのO、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。このとき基板温度は800℃にしておく。形成においては、1cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)をPtが成膜された基板101の上に密着させて置き、LiCoO膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0036】
正極102の上に0.4LiSiO−0.6LiPOをターゲットとした高周波スパッタにより固体電解質103として0.4LiSiO−0.6LiPOを厚み1μmで成膜する。このときの雰囲気は11mTorrのAr、4mTorrのO、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。形成においては、1.5cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体105と正極102が成膜された基板101の上に密着させて置き、0.4LiSiO−0.6LiPO膜が1.5cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0037】
固体電解質103の上にカーボンをソースとした抵抗加熱による真空蒸着により負極104としてカーボンを厚み0.5μmで成膜する。形成においては、1cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体105と正極102、固体電解質103が成膜された基板101の上に密着させて置き、カーボン膜が1cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0038】
負極104の上にCuをターゲットとした高周波スパッタにより負極集電体106としてCuを厚み0.5μmで成膜する。このときの雰囲気は4mTorrのAr、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は100Wである。形成においては、1.2cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体105と正極102、固体電解質103、負極104が成膜された基板101の上に密着させて置き、Cu膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。このようにして一枚の発電要素107が形成される。さらにこの操作を50回繰り返すことにより二次電池108を形成する。
【0039】
続いてスパッタリング法で二次電池108上に熱電素子111を形成する。二次電池108に絶縁膜109としてSiOを形成する。SiOをターゲットとした高周波スパッタを用い、厚み0.1μmで成膜する。このときの雰囲気は15mTorrのAr、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。
【0040】
絶縁膜上に接合電極111のパターンとなるようにステンレス製マスク(厚さ20ミクロン)を密着させて置き、高周波スパッタによりCu電極を1μm成膜する。つづいてP型半導体とN型半導体を接合電極114上にそれぞれ高周波スパッタにより成膜する。接合電極114の上に(Bi0.25Sb0.75Teをターゲットとした高周波スパッタによりP型半導体を500μm形成する。このときのマスクは100μm角とする。同様にしてN型半導体も形成する。このときのターゲットはBiTeであり、P型半導体とN型半導体の間隔は50μmとする。その後、接合電極115のパターンを接合電極114と同様の方法で作成し、絶縁膜116としてSiOを成膜する。成膜方法や条件は絶縁膜109と同様である。最後に外装体117としてポリイミド樹脂でモ−ルドすることにより熱電素子一体型電池が完成する。
【0041】
(実施例2)
図2に基づいて本発明の他の実施例を説明する。基板201には酸化膜でコーティングされているSiを用いる。Ptをターゲットとした高周波スパッタにより正極集電体205としてPtを厚み0.2μmとする。このときの雰囲気は3mTorrのAr、ターゲットサイズは3inch、出力は75Wである。形成においては、1.2cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を基板201の上に密着させて置き、Pt膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0042】
正極集電体205の上にLiCoOをターゲットとした高周波スパッタにより、正極202としてLiCoOを厚み0.3μmで成膜する。このときの雰囲気は11mTorrのAr、4mTorrのO、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。このとき基板温度は800℃にしておく。形成においては、1cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)をPtが成膜された基板201の上に密着させて置き、LiCoO膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0043】
正極202の上に0.4LiSiO−0.6LiPOをターゲットとした高周波スパッタにより、固体電解質203として0.4LiSiO−0.6LiPOを厚み1μmで成膜する。このときの雰囲気は11mTorrのAr、4mTorrのO、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。形成においては、1.5cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体205と正極202が成膜された基板201の上に密着させて置き、0.4LiSiO−0.6LiPO膜が1.5cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0044】
固体電解質203の上にカーボンをソースとした抵抗加熱による真空蒸着により、負極204としてカーボンを厚み0.5μmで成膜する。形成においては、1cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体205と正極202、固体電解質203が成膜された基板201の上に密着させて置き、カーボン膜が1cm角の形状で形成されるようにしてある。
【0045】
負極204の上にCuをターゲットとした高周波スパッタにより負極集電体206としてCuを厚み0.5μmで成膜する。このときの雰囲気は4mTorrのAr、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は100Wである。形成においては、1.2cm角の正方形孔が開いたステンレス製マスク(厚さ20μm)を正極集電体層205と正極層202、固体電解質層203、負極層204が成膜された基板201の上に密着させて置き、Cu膜が1.2cm角の形状で形成されるようにしてある。このようにして一つの発電要素207を形成する。
【0046】
続いてスパッタリング法により負極集電体206上に熱電素子を形成する。負極集電体206に絶縁膜208としてSiOを形成する。SiOをターゲットとした高周波スパッタを用い、厚み0.1μmで成膜する。このときの雰囲気は15mTorrのAr、ターゲットサイズは4inch、高周波出力は200Wである。
【0047】
絶縁膜208上にP型半導体210とN型半導体211を絶縁膜208上にそれぞれ高周波スパッタにより成膜する。P型半導体210は(Bi0.25Sb0.75Teをターゲットとした高周波スパッタにより厚み500μmに形成する。このときのマスクは100μm角とする。同様にしてN型半導体211も形成する。このときのターゲットはBiTeであり、P型半導体210とN型半導体211の間隔は50μmとする。P型半導体210とN型半導体211は櫛形に成膜されるようにパターン形成されている。ここでP型半導体210とN型半導体211は縦4mm、横50μm、高さ10μmとする。つづいて接合電極213のパターンとなるようにステンレス製マスク(厚さ20ミクロン)を密着させて置き、高周波スパッタによりCu電極を1μm成膜する。その後絶縁膜209としてSiOを成膜する。成膜方法や条件は絶縁膜208と同様である。
【0048】
この発電要素と熱電素子の連続成膜工程を50回繰り返すことにより二次電池が形成され、最後に外装体212としてポリイミド樹脂で封止することにより熱電素子一体型電池が完成する。
【0049】
(比較例1)
構成は図1と同じであるが、二次電池と熱電素子を連続で成膜しないで、まず二次電池のみを作製する。基板には酸化膜でコーティングされているSiを用いる。以下実施例と同様にして薄膜二次電池を作製する。次に熱電部のみを作製する。基板は酸化膜でコーティングされているSiを基板として用い、実施例1と同様にして熱電部のみを作製する。二次電池と熱電部を別個に完成後、これらをハンダにより一体化させ、最後にポリイミド樹脂により封止することにより熱電素子一体型電池が完成する。この工程では図1と同じ構成であり、熱電部と二次電池が連続で形成されていない熱電素子一体型電池を得ることができる。
【0050】
実施例1と比較例1の理論起電力と実際に測定された熱起電力を(表1)に示す。実施例1では熱電部と二次電池を連続で形成しているが、比較例1では熱電部と二次電池を連続で形成していない。実施例1の熱電部では理論値に対して良好な熱起電力が発生しているが、比較例1では理論値に対する熱起電力が小さい。従って熱電素子と発電要素である二次電池を連続で一体形成することにより二次電池と熱電素子ユニットの密着性が改善され、理論値に近い熱起電力を得ることが出来ることがわかる。
【0051】
熱起電力の測定は、直列に接続された熱電素子の両端部に起電力測定用の端子を接続し、熱起電力の高温側電極と低温側電極の温度差が10℃となるように設定し、そのときに発生した熱起電力を測定した。なお、温度差は発熱器を熱電素子上部に設置して熱電素子上部を暖めることにより設定した。
【0052】
【表1】
Figure 2004127744
【0053】
(比較例2)
構成は図1と同様であり、正極と負極の厚みを100μmとする以外は実施例1と同じ材料と工法で熱電素子一体型電池を作製し、比較例2とした。
【0054】
実施例1と比較例2は製造プロセスは実施例と同様であるが、正極層、固体電解質層、負極層の電極厚み、つまり電池容量が異なっている。この構成で10℃の温度差がある場合、そのときに発生する電流は1.1mA/cmである。実施例1の電池容量が0.57mAh/cmであるが、比較例1の場合は192mAh/cmである。熱電素子の起電力は実施例1では二次電池を放電状態から満充電状態にするのに31分しかかからないが、比較例2の場合には175時間が必要となる。従って、電極厚みを大きくすると電池容量が大きくなるが、熱起電力は小さいので二次電池への充電がほとんど出来ない状態となり、熱電素子一体型電池が構成できないことがわかる。これを(表2)に示す。
【0055】
【表2】
Figure 2004127744
【0056】
(実施例3)
図示しないが実施例1、実施例2における熱電素子に熱交換可能に外部熱源を設ける。この外部熱源は熱電素子を積層する電池以外の電池、部品や機器等の発熱源である。熱電素子を積層する電池が充電されていない場合、すなわち、その電池から熱電素子に熱を与えることができず、当然熱電素子から起電力を発生させられないので、電池を充電できない。
【0057】
この実施例は二次電池が放電した状態において、動作していない電池を充電する場合に特に有効な方法であり、外部から熱を与えるだけで非接触で充電を開始することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱電部と発電部を積層薄膜形成することによって熱電部と発電部の密着性が改良され、熱電素子の熱起電力を大きくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の熱電素子一体型電池の断面図
【図2】本発明の異なる実施形態の熱電素子一体型電池の断面図
【図3】図2のA−A’面断面図
【符号の説明】
101 基板
102 正極
103 固体電解質
104 負極
105 正極集電体
106 負極集電体
107 発電要素
108 発電部(二次電池)
109,116 絶縁膜
110 封止材
111 熱電部
112 P型半導体
113 N型半導体
114,115 接合電極
117 外装体
201 基板
202 正極
203 固体電解質
204 負極
205 正極集電体
206 負極集電体
207 発電要素
208,209 絶縁体
210 P型半導体
211 N型半導体
212 外装体
213,304 接合電極
301,301’,302,302’ 熱起電力取出端

Claims (7)

  1. 発電部と熱電部が連続製膜されて積層一体形成され、前記発電部を構成する発電要素は少なくとも正極層と固体電解質層と負極層を積層形成され、前記発電要素の熱による前記熱電部の起電力で前記発電部を充電されることを特徴とする熱電素子一体型薄膜電池。
  2. 発電部は複数の発電要素が積層されていることを特徴とする請求項1記載の熱電素子一体型薄膜電池。
  3. 発電部と熱電部が交互に複数積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱電素子一体型薄膜電池。
  4. 発電要素を構成する正極層あるいは負極層の厚みが100μm以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載の熱電素子一体型薄膜電池。
  5. 熱電部は同一面に複数あり、各熱電部を構成する熱電素子の高温側接合部は近接して形成され、前記高温側接合部に発電部を積層し、前記熱電素子の低温側接合部は前記高温側接合部から離間して形成されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の熱電素子一体型薄膜電池。
  6. 熱電部から発生する起電力を蓄積する手段を設け、前記蓄積手段を介して発電部を充電することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の熱電素子一体型薄膜電池。
  7. 発電部以外の熱源からの熱を熱電部の高温接合部に与える手段を設けたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の熱電素子一体型薄膜電池。
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