JP2004179090A - 積層型電池 - Google Patents

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洋光 三島
Makoto Osaki
誠 大崎
Toshihiko Kamimura
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Abstract

【課題】正極板および負極板からなる二種の電極板が電解質を介して対向して成る発電要素を、開口部を有する筐体に配置するとともに、該開口部と金属製の蓋体とを接着剤を介して封止してなる積層型電池において、ハンダリフロー時に蓋体が開口し気密が破れることを防止する。
【解決手段】前記接着剤を筐体の開口部周囲に形成する第1の接着剤18と該第1の接着剤17上に形成する前記金属製の蓋体12と接着性がよい第2の接着剤17で形成した。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電要素を筐体内に封入した積層型電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、リチウム二次電池等の充電可能なコイン形電池が実用化され、各種電子機器の主電源やメモリバックアップ用電源として利用されている。特に、携帯用小型電子機器のメモリバックアップ用としては、直径6mm以下の超小型コイン形電池が主流となっている。
【0003】
しかしながら、コイン形電池はその上面を正極用端子、その下面を負極用端子とした構造であることから、回路基板に実装する際には別途端子が必要となり、その結果、電池自体の大きさよりも大きな実装面積と高さが必要となるため、小型化することができず、また、部品点数が多くなるために、コストアップにもつながるといった課題があった。
【0004】
そこで、端子等を使うことなく、直接回路基板へ実装することが可能な小型の電池として、正極板と、電解質又は電解質を含むセパレータと、負極板とを一組以上積み重ねて一体化した極群からなり、この極群の一方の端面に金属膜からなる正極用端子電極を被着するとともに、極群の他方の端面に金属膜からなる負極用端子電極を被着した積層型電池が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
この積層型電池によれば、極群の下面に正極用端子と負極用端子の双方を延設しておくことで、回路基板上の配線と半田にて直接接合することができるため、実装面積が電池の面積だけで済むとともに、実装にあたって別途端子を用いる必要がないことから、部品点数を少なくすることができ、コストを抑えることができるといった利点があった。
【0006】
ところが、特許文献1に開示された積層型電池は、極群が外部に露出した構造であることから、水分を嫌うリチウム電池にとって現実的な構造と言えず、しかも電解質に電解液を用いることができないといった課題があった。
【0007】
そこで、特許文献1には、積層型電池を形成する極群を外装体で覆うことも提案されているが、極群を外装体内に完全に封止する構造ではないため、上記課題を解消することはできず、また、回路基板へ実装する際には別途端子が必要となり、実装面積が大きくなってしまうとともに、部品点数を少なくすることができないといった課題があった。
【0008】
また、近年、部品の小型化や実装作業の効率化を図るため、電池にも他の電子部品と同様にハンダリフロー法を用いた自動ソルダリングへの対応が強く求められている。しかし、特許文献1のように極群が外装体によって完全に覆われていない電池では、ハンダリフロー法を用いて他の電子部品とともに実装することができないといった課題もあった。
【0009】
そこで、本件出願人は、これらの課題を解決する積層型電池として、極群の端面に端面電極を形成した発電要素を筐体に入れ、蓋体を接合して上記発電要素を気密に収容するようにした積層型電池を先に提案している(特許文献2)。
【0010】
この積層型電池によれば、発電要素が封止材を介して気密に封止された筐体と蓋体とからなる外装体内に収納されているため、電解質に電解液を用いることができるとともに、水分を嫌うリチウム電池を構成することもでき、さらにはハンダリフロー法を用いた他の電子部品との同時実装も可能になるといった利点があった。
【0011】
その後、本発明者らは、より電池の小型、高性能化の要求に対応するために、発電要素を小さくすることなく、外装体を小さくすることにした。
【0012】
そうしたところ上記の積層型電池は、外装体を小さくしたために、外装体と発電要素の距離が近くなり、ハンダリフロー時に発電要素が熱膨張し発電要素が蓋体に接触して電池内部から蓋体を押し上げて蓋体と筐体との封止部から開口することがわかった。
【0013】
この発電要素が熱膨張によって外装体を押し上げる現象は、積層型電池に特徴的なものである。なぜなら、水晶振動子が納められた発振部品や信号ノイズを除去するフィルターなどの電子部品では外装体内に納められる素子が水晶やシリコンなどから成りその線熱膨張率が10−6−1オーダーであるのに対し、金属や高分子を含む発電要素ではその線熱膨張率が10−5〜10−4−1オーダーであり、加熱時の体積変化が大きいためである。
【0014】
そこで、本発明は上記外装体の開口を効果的に防ぐことを目的になされたものであって、電池を小型化してもハンダリフロー法によって回路基板に実装する際に外装体が開口しない積層型電池を提供することを目的とするものである。
【0015】
【特許文献1】特開平6−231796号公報
【特許文献2】特願2001−331493号
【0016】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は正極板および負極板からなる二種の電極板が電解質を介して対向して成る発電要素を、開口部を有する筐体に配置するとともに、該開口部と金属製の蓋体とを接着剤を介して封止してなる積層型電池において、前記接着剤を筐体の開口部周囲に形成する第1の接着剤と該第1の接着剤上に形成する前記金属製の蓋体と接着性が良い第2の接着剤で形成した。
【0017】
また、前記第2の接着剤が前記金属製の蓋体の略全域に形成されていることが好ましい。
【0018】
また、上記樹脂層としてはエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂のいずれかから選ばれた熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の積層型電池の一例を示す平面図、図1(b)は同図(a)のA−A線断面図、図1(c)は本発明の積層型電池に備える発電要素の積層状態を示す斜視図である。
【0021】
図2(a)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための側面図、図2(b)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための平面図である。
【0022】
本発明の積層型電池26は、正極板2および負極板3からなる電極板が電解質4を介して対向して成る発電要素1を、開口部を有する筐体11に配置するとともに、該開口部を接着剤を介して金属製の蓋体12で封止してなる積層型電池26であって、前記接着剤が筐体11の開口部周囲に形成する第1の接着剤18と該第1の接着剤18上に形成する前記金属製の蓋体12と接着性が良い第2の接着剤17とで構成されている。
【0023】
次に、積層型電池26の構成要素について具体例を挙げて説明する。
【0024】
本発明の積層型電池26を形成する筐体11の材質としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト、炭化珪素、窒化珪素、ガラスセラミックス等の絶縁性セラミックスを用いることができる。絶縁性セラミックスは、気密性、耐熱性、耐湿性の点で優れ、発電要素1が外気に暴露されるのを効果的に防止することができ、信頼性の高い積層型電池26を提供することができる。特に、酸化アルミニウムを主体とする絶縁性セラミックスは、優れた気密性、耐熱性、耐湿性を有することは勿論のこと、材料の入手の容易性およびコストの観点から特に好適である。
【0025】
絶縁性セラミックス製の筐体11に一体的に形成された正極用端子14および負極用端子15としては、表面が金メッキされたものが鉛入り半田、鉛なし半田ともに乗りがよく、また端子表面の酸化劣化等もなく好適である。また、形状は図1に示すように筐体11の上面から側面および下面にわたって形成されていてもよいし、上面と下面の端子がスルーホールを通じて接続されていてもよい。
【0026】
筐体11と金属との接着性が良い第2の接着剤17が形成された金属製の蓋体12を接着し封止する第1の接着剤18には、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができるが、いずれも150℃以下の低温硬化可能な熱硬化性樹脂を選定することが好ましい。
【0027】
低温硬化可能な樹脂を選択するのは、積層型電池26内の発電要素25は200℃以上のリフロー時の加熱に耐える耐熱性は有していても電解質4として有機電解液や高分子固体電解質といった有機物を含んでいるため、仮に150℃であっても1時間といった加熱には耐えられず、有機物と活物質の反応などによって内部抵抗が上昇し電池性能が劣化するということが起こるためである。したがって、電池では接着剤に使う樹脂は低温硬化、例えば硬化温度100℃、硬化時間30分といった材料を選択せざるを得ない。先に挙げた発振部品やフィルターの素子は水晶やシリコンからできており封止時の加熱によって劣化することは考えられない。
【0028】
上述の予め金属との接着性が良い第2の接着剤17が形成された金属製の蓋体12には、例えば、ステンレス、コバール、アルミニウム等の金属を、金属との接着性が良い第2の接着剤17としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フェニレンエーテル樹脂、アリル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0029】
金属製の蓋体12は薄くても強度があり平坦で気密性、耐熱性、耐湿性に優れ好適である。
【0030】
また、第2の接着剤17には硬化後の樹脂の耐熱性が高いエポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂のいずれかから選ばれた熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
また、この際選定された第2の接着剤17は筐体11との封止に先立って金属製の蓋体12に成形することが可能であることから、硬化温度が150℃以上の高温硬化型樹脂であっても何ら差し支えない。むしろ、高温硬化型の方が接着性が良いことから高温硬化型を選定すべきである。
【0031】
ここで、金属との接着性が良い接着剤とは、以下に示すせん断強度試験においてせん断強度が20MPa以上となる樹脂をいう。
【0032】
ここで規定するせん断強度試験とは、被着体を厚み1mm、幅25mmの2枚の鉄板とし、先端が10mmだけ重なるようにせん断強度を測定したい接着剤で接着した後、引っ張り試験機にて引っ張り方向に10mm/分の速度で引っ張り、破断に至るまでの最高強度を計測して接着面積で除して単位面積(1cm−2)当たりの値を求めるものである。せん断強度試験は、最低3回行いせん断強度はその平均値とすることが好ましい。ここで使用する鉄板には粗面化などの前処理はせず、油分などの汚れのみを取り除いたものを使用する。被着剤の長さは測定結果に影響を与えないと考えられるので引っ張り試験をしやすい長さでよい。また、供試接着剤の硬化条件は、個々の接着剤に適した条件を選択すれば良く、同一にする必要はない。
【0033】
なお、せん断強度20MPa未満の樹脂を用いた場合でも、もちろん封止は可能であるが、封止後の積層型電池26をピーク温度260℃のリフローに2回かけたところの開口の有無にバラツキがあったことから第2の接着剤17としてはせん断強度20MPa以上の樹脂が好適である。
【0034】
金属製の蓋体12に第2の接着剤層17を形成する方法としては金属製の蓋体12として加工する前の金属板に金属との接着性に優れる接着剤をバーコーターやスプレーで塗布し硬化させ所定寸法の蓋体として打ち抜くのが生産性の面から適当である。
【0035】
ここで、セラミックス製筐体11と金属製の蓋体12とを第1の接着剤18と該第1の接着剤18上に形成する金属製の蓋体12と接着性が良い第2の接着剤17とで接着封止することによる効果を述べる。
【0036】
低温硬化可能な第1の接着剤18のみで筐体11と金属製の蓋体12を接着封止した場合、低温硬化型の接着剤は高温硬化型の材料に比べ硬化過程での金属との馴染みが悪く被着体との接着力に劣るため、積層型電池26を小型化した場合にリフロー時の加熱によって発電要素1が熱膨張した際の電池内部から金属製の蓋体12を押し上げる圧力に耐えられず、封止部から開口してしまうのは上述した通りである。
【0037】
これに対し第1の接着剤18による封止に先立ち予め金属製の蓋体12の筐体11と対向する面のほぼ全域に金属との接着性が良い第2の接着剤17を形成しておく場合は、金属製の蓋体12の耐熱性に応じた第2の接着剤17に最適な硬化条件で金属製の蓋体12に強固に固着した樹脂層を形成できる。この第2の接着剤12からなる樹脂層と第1の接着剤18を介して筐体11と金属製の蓋体12を接着した場合、樹脂同士、特に同種の樹脂同士は非常に馴染みがよく、低温硬化においても非常に強固な接着力を得ることができるうえ、樹脂同士で馴染みがよいことから第1の接着剤層が硬化する過程で金属表面に対するとき以上に第2の接着剤層にまで広がり接着面積が増加して機械的強度が増すことになる。
【0038】
この同じ種類の樹脂同士で強固な接着力が得られる理由は明確ではないが、先に硬化している第2の接着剤17の表層に第1の接着剤が一部は入り込み分子レベルでアンカー効果が出現するためと推定している。
【0039】
正極板2および負極板3は活物質を主体とした合剤層19,22と集電体21,24が導電性接着剤層20,23を介してそれぞれ一体化されたものをいう。
【0040】
合剤層19,22としては、活物質に導電剤、バインダー、有機溶剤、さらに必要に応じて電解液や固体電解質を添加して製作したスラリーを乾燥させた複合材、あるいは活物質からなる焼結体を用いることができる。
【0041】
活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タングステンを用いることができるが、これらの中でもLi1+xMn2−x(0≦x≦0.2)、LiMn2−yMe(Me=Ni、Cr、Cu、Zn、0≦y≦0.6)、LiTi12、あるいはLiMn12は、充放電中の体積変化が小さいため、活物質として好適である。
【0042】
なお、正極板2や負極板3は相対的なものであって、それぞれの活物質の充放電電位を比較し、より貴な電位を示すものを正極板2、より卑な電位を示すものを負極板3とすれば良く、これらの組み合わせにより任意の電圧の積層型電池26を構成することができる。
【0043】
導電剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が充放電過程での溶出がなく好適であるが、活物質の作動電圧範囲によっては金やニッケルなどの金属も使用可能である。また、導電性は低いが酸化錫や酸化亜鉛、酸化インジウムなどの酸化物も適用可能である。
【0044】
バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン、テフロン(R)、エチレンプロピレン共重合体ゴムなどを挙げることができる。
【0045】
有機溶媒は、主にバインダーを溶解する目的で使用されることからバインダーとの組合せにおいて適切なものを選択すればよい。例えば、ポリフッ化ビニリデン使用の場合N−メチルピロリドンが適切である。
【0046】
正極用集電体21や負極用集電体24の材質としては、例えばステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅、コバール、鉄、チタンあるいはアルミニウム合金などの金属薄板を用いることができ、正負極板2,3の動作電圧範囲等を考慮して適宜選択すれば良い。
【0047】
正極用集電体21と正極合剤層19及び負極用集電体24と負極合剤層22とをそれぞれ接合する導電性接着剤20、23としては、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂もしくはスチレン系の合成ゴムなどの熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂のうち少なくとも一種類の高分子材料からなる接着剤中に、カーボンブラック、グラファイト、金、銀、ニッケル、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモンをドープした酸化錫、酸化インジウム、酸化錫をドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化錫を被覆した酸化チタン、アンチモンをドープした酸化錫を被覆したチタン酸カリウムのうちの少なくとも一種類の導電材を含有させたものを用いれば良い。なお、導電性接着剤19、22は同一のものであっても構わないし、導電剤を電極板の作動電圧範囲に応じて適宜選択し異なるものを用いても何ら差し支えはない。
【0048】
電解質4としては、イオン伝導性を有するものであれば液体でも固体でも構わない。電解質4には有機溶媒に電解質塩を溶解させた有機電解液やイオン伝導性高分子材料に電解質塩を溶解させ、重合させた高分子固体電解質、あるいは有機電解液と高分子固体電解質を複合させたゲル電解質、または無機材料からなる無機固体電解質などを用いることができる。
【0049】
電解質4に有機電解液を用いる場合、有機溶媒には例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ガンマ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、メチルエチルカーボネートから選ばれる1種もしくは2種以上を混合した溶媒を用いることができ、また、電解質塩には例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩を用いることができる。
【0050】
また、電解質4に有機電解液を用いる場合、セパレータに含浸させて用いれば良く、セパレータとしては、例えばポリオレフィン繊維製の不織布やテフロン(R)製、ポリオレフィン製などの微多孔膜を用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを挙げることができる。
【0051】
さらに、電解質4に高分子固体電解質を用いる場合、高分子固体電解質には例えばポリエチレンオキシド骨格を持つ高分子やプロピレンオキシド骨格を持つ高分子、あるいはこれらの混合物及び共重合体を用いることができ、高分子固体電解質やゲル電解質を用いる場合には電極間距離を適正に保ったり、電解質層の厚みを一定に制御したり、機械的強度を向上させる目的でフィラーを添加して用いても良い。
【0052】
フィラーとしては、絶縁物でかつ電極間距離を適度に保つ大きさと強度があればよく、例えば、アルミナ(Al),シリカ(SiO)、ZrO、ガラス、アクリル樹脂、ナイロンなどの球状粉末や無定型粉末、ウィスカー状粉末などを用いることができる。
【0053】
また、電解質4に無機固体電解質を用いる場合、無機固体電解質には例えばLi1.3Al0.3Ti18(POやLi3.6Ge0.60.4などの結晶質固体電解質、30LiI−41LiO−29Pや40LiO−35B−25LiNbOなどの酸化物系非晶質固体電解質を用いることができる。
【0054】
正極用端面電極5及び負極用端面電極6を形成する導電材としては、カーボン、グラファイト(40〜70μΩ・cm)、酸化亜鉛(1011〜1016μΩ・cm)、酸化錫(10μΩ・cm)、アンチモンをドープした酸化錫(1×10〜5×10μΩ・cm)、酸化インジウム(10〜1011μΩ・cm)、酸化錫をドープした酸化インジウム(10μΩ・cm)、炭化チタン(190μΩ・cm)のうちの少なくとも一種を用いることができる。これらの導電材は充放電を繰り返してもイオン化せず、電解質へ溶出してリチウムイオンの出入りを阻害するようなことがないため、充放電の繰り返しによる放電容量の低下を防止し、積層型電池26の寿命を向上させることができる。なお、積層型電池26の内部抵抗を小さくするためには、抵抗値の小さいカーボンを用いることが好ましい。
【0055】
また、正極用端面電極5及び負極用端面電極6を形成する樹脂としては、ポリブチラール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂のうちの少なくとも一種を用いればよい。
【0056】
また、極群25の最下部に位置する正極板2が導電性接着剤10と接触することが原因となる短絡を防止する目的で、極群25の筐体11との対向面25aに絶縁層を配置することもできる。
【0057】
絶縁層16を形成する材質としては、粘着テープ、塗料、接着剤を用いることができる。
【0058】
このうち、絶縁層16として粘着テープを用いれば、所定の形状に切り出した粘着テープを極群25の筐体11との対向面25aに貼りつけるだけで良いため、電池21の製造における作業性を向上させることができるので好適である。
【0059】
絶縁層16として粘着テープを用いる場合、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、アラミド樹脂から選ばれた少なくとも1種類の絶縁性樹脂膜の表面にシリコーン系粘着剤又はアクリル系粘着剤からなる粘着剤を有するものを用いれば良い。
【0060】
発電要素1の端面用電極5,6と筐体11の端子14,15を電気的に接続する導電性接着剤10としては合剤層19,22と集電体21,24とを接合する導電性接着剤20あるいは23と同様のもの使用することができる。
【0061】
次に、積層型電池26の製法について具体例を挙げて詳細に説明する。
【0062】
正極板2及び負極板3を形成する合剤層19,22として粉末状の活物質を結着剤で固めたものを用いる場合、金属薄板上に、活物質、導電剤、結着剤を混練したスラリーを塗布した後、乾燥硬化させることにより製作することができる。
【0063】
合剤層19,22として活物質の焼結体を用いる場合、次の(1)〜(3)のいずれの方法により製作したものも用いることができる。
(1)活物質を、成形助剤を溶解させた水又は溶剤に分散させ、必要に応じて可塑剤、分散材を混合してスラリーを調整し、このスラリーを基材フィルム上に塗布、乾燥させた後、基材フィルムから成形体を剥離して焼成する。
(2)活物質を直接もしくは造粒したものを金型に投入してプレス機で加圧成形した成形体を焼成する。
(3)造粒した活物質をロールプレス機で加圧成形してシート状に成形したものを焼成する。
【0064】
ただし、(2)及び(3)の造粒については、(1)の方法で述べたスラリーから造粒する湿式造粒であっても溶剤を用いない乾式造粒であっても良く、また、(2)の方法では必ずしも成形助剤を用いる必要はない。
【0065】
次に、正極合剤層19の電解質4との接触面と反対側の表面に熱可塑性樹脂と導電剤からなる正極用導電性接着剤層20を配して正極用集電板21を熱圧着し長尺の正極用集電板21付き正極板2(正極材31)を作製するるとともに、負極合剤層22の電解質4との接触面と反対側の表面に同じく導電性接着剤層23を配して負極用集電板24を熱圧着し長尺の負極用集電板24付き負極板3(負極材32)を作製する。
【0066】
図1に示すような発電要素1を形成するには、図2(a)(b)に示すように、負極用集電板24付き負極板3からなる複数枚の負極材32を所定の間隔を隔てて並設した後、これらを覆うように電解質33を積層し、さらに電解質33上に上記負極材32と直交するように正極用集電板20付き正極板2からなる複数枚の正極材31を所定の間隔を隔てて並設した後、これらを覆うようにさらに電解質33を積層する。そして、この作業を繰り返すことで負極材32、電解質33、正極材31、電解質33の順序で複数層積み重ねた井形状の多数個取り極群を製作する。
【0067】
次いで、点線Pで示す正極材31と負極材32が交差していない箇所を切断することにより、図1(c)に示すような平面形状が長方形をした正極板2と負極板3とが交差するように配置され、正極板2と負極板3との間に電解質4を備えた極群25を切り出す。
【0068】
しかる後、切り出した極群25のうち、正極板2が露出する極群25の端面に導電性樹脂層を被着して正極用端面電極5を形成するとともに、負極板3が露出する極群25の端面に導電性樹脂層を被着して負極用端面電極6を形成することにより発電要素1を形成する。
【0069】
この際、端面用電極5,6の形成には端面用電極5,6を所定形状で形成できる手法が必要で、例えばディスペンサー塗布やスクリーン印刷、メタルマスク印刷、パッド印刷などのパターン印刷手法のほか、マスクを用いたスプレー塗布法などが適用できる。
【0070】
次に、発電要素1を形成する極群25の筐体11との対向面25aに粘着テープからなる絶縁層16を形成する。
【0071】
次に図1(b)に示すように筐体11の各端子14,15上に導電性接着剤10をディスペンサーなどで所定量塗布し、発電要素1を載置して各端面電極5,6と各端子14,15を電気的に接続するとともに、発電要素1を筐体11に接着する。この際、発電要素1の筐体11との対向面25aには絶縁層16を設けてあることから、導電性接着剤10が対向面25aに回り込んだとしても短絡を起こすことがない。
【0072】
しかる後、筐体11の開口部周囲に第1の接着剤18として封止用エポキシ樹脂やシリコーン樹脂を塗布し、予め第2の接着剤17が形成された金属製の蓋体12を接合し、発電要素1を筐体11と蓋体12とからなる外装体13内に気密に封入することにより小型であってもリフロー時に開口することのない積層型電池26を得ることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能であることは言う迄もない。例えば、図3(a)に示すように平坦な蓋体の周縁部に樹脂層を予め形成したり、図3(b)に示すように絞り加工された蓋体の筐体と対向する面のほぼ全域に形成してもよく、その時の厚みも電池を小型化する目的に照らして過剰な厚みとなることがない範囲であればよく、特に限定されるものではない。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば電解質からなる極群の内部に、正負極から成る電極板を交互に交差させて配置するとともに、前記電極板の同一極と接合する二つの端面電極を、前記極群の互いに隣り合う端面に形成してなる発電要素を、開口部を有する筐体に配置するとともに、該開口部を蓋体で封止してなる積層型電池において、前記蓋体の筐体と対向する面の少なくとも周縁部に予め樹脂層を形成しておくことで、ハンダリフロー時の発電要素の熱膨張によって発電要素が蓋体を押し上げ開口するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の積層型電池の一例を示す上面図、(b)は同図(a)のA−A線断面図、(c)は本発明の積層型電池に備える発電要素の積層状態を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための側面図、(b)は図1(c)の極群を形成するための方法を説明するための平面図である。
【図3】(a)は本発明の実施形態の一例。(b)は本発明の実施形態の一例
【符号の説明】
1…発電要素
2…正極板
3…負極板
4…電解質
5…正極用端面電極
6…負極用端面電極
10…導電性接着剤層
11…筐体
12…金属製の蓋体
13…外装体
14…正極用端子
15…負極用端子
16…絶縁層
17…第2の接着剤
18…第1の接着剤
19…正極合剤層
20…正極用導電性接着剤層
21…正極用集電板
22…負極合剤層
23…負極用導電性接着剤層
24…負極用集電板
25…極群
26…積層型電池
31…正極材
32…負極材
33…電解質

Claims (3)

  1. 正極板および負極板からなる電極板が電解質を介して対向して成る発電要素を、開口部を有する筐体に配置するとともに、該開口部と金属製の蓋体とを接着剤を介してで封止してなる積層型電池において、前記接着剤が筐体の開口部周囲に形成する第1の接着剤と該第1の接着剤上に形成する前記金属製の蓋体と接着性が良い第2の接着剤とから成ることを特徴とする積層型電池。
  2. 前記第2の接着剤が前記金属製の蓋体の略全域に形成されていることを特徴とする請求項1項記載の積層型電池。
  3. 前記第2の接着剤が、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂のいずれかから選ばれた熱硬性樹脂であることを特徴とする請求項1項または2項記載の積層型電池。
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