JP4465790B2 - 電池の製造方法 - Google Patents

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池素子の加圧工程を改良した電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩に伴い、カメラ一体型ビデオテープレコーダ、携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が数多く普及し、それらの小型化および軽量化が図られている。そこで、それらの電源として用いられる二次電池を小型化あるいは軽量化するための研究開発が活発に進められている。また、電子機器内の収納スペースに応じるために、形状の自由度の大きな二次電池の研究開発も進められている。このような二次電池としては、鉛電池やニッケル・カドミウム電池に比べて小型であり、高容量であるリチウム二次電池あるいはリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
従来、これらのリチウム二次電池あるいはリチウムイオン二次電池では、イオン伝導を司る物質として非水溶媒にリチウム塩を溶解させた液状の電解質(電解液)が用いられてきた。そのため、液漏れを防止するために外装を金属製の容器により構成し、電池内部の気密性を厳重に確保する必要があった。しかし、外装に金属製の容器を用いると、薄くて大面積のシート型電池,薄くて小面積のカード型電池あるいは柔軟でより自由度の高い形状の電池などを作製することが極めて困難であった。
【0004】
そこで、電解液に代えて、リチウム塩を含有する電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、ポリマー電解質、イオン伝導性を有する高分子化合物にリチウム塩を分散させた固体状の電解質あるいは固体状の無機伝導体にリチウム塩を保持させた電解質を用いた二次電池が提案されている。これらの電池では、液漏れの問題がないので、外装の金属製容器が不要となり、外装をラミネートフィルムとすることで一層の小型化,軽量化および薄型化を図ることができ、形状の自由度が高いものを実現することができる。
【0005】
ゲル状の電解質を用いたゲル電解質二次電池は、正極集電体上に正極合剤層が形成された正極と、負極集電体上に負極合剤層が形成された負極とを備えており、高分子電解質からなるゲル電解質層が正極合剤層上と負極合剤層上とにそれぞれ形成され、これらのゲル電解質層がセパレータを介して対向配置された構造となっている。また、電池を小型化するために、ゲル電解質二次電池は、ゲル電解質層を巻回して巻回電極体を作製し、これを加圧して小型化させ、ラミネートフィルムで覆った構造のものもある。このように、アルミラミネートフィルムなどの防湿性のある外装部材で巻回電極体を覆うことにより、非水溶媒が蒸発したり、水分を吸湿したりすることを防ぐことができる。また、巻回電極体を加圧することにより、より小型なアルミラミネートケースに挿入できると共に、ゲル電解質層と正極合剤層および負極合剤層との間の密着性が高まるので放電容量を向上させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の巻回型の電池においては、図9に側面から見た状態を示したように、加圧前の巻回電極体100にはゲル電解質層の端部の段差あるいは電極端子の厚みなどにより一部が隆起しており、表面には平坦部100aおよび隆起部100bが混在した状態となっている。
【0007】
この巻回電極体100は、図10に示したように、金属製の加圧板101および加圧板102で加圧して小型化される。しかしながら、このように加圧板1001,102により巻回電極体100を挟み込むようにして加圧すると、隆起部100bが存在するために、平坦部100aと隆起部100bとでは加圧状態が不均一となってしまう。そのため隆起部100bの部分においては、ゲル電解質層と正極合剤層および負極合剤層との間の密着性が高まり放電容量が向上する一方、平坦部100aは加圧されず放電容量が向上しない。そのため、巻回電極体100全体の放電容量を十分に高めることができないという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、隆起部を有する電池素子の全体を均一に加圧し、小型化できると共に放電容量を十分に高めることができる電池の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による電池の製造方法は、正極集電体層の両面に正極合剤層を有すると共に正極リードを取り付けた正極の両面にゲル電解質層を形成し、負極集電体層の両面に負極合剤層を有すると共に負極リードを取り付けた負極の両面にゲル電解質層を形成し、正極と負極との間にゲル電解質層を介してセパレータを積層した積層体を形成し、積層体を巻回して、一部が隆起した楕円形の巻回電極体を形成する工程と、巻回電極体の隆起した面を加圧上板に向けて巻回電極体を加圧下板に載せ、上下から加圧上板および加圧下板により挟んで、加圧上板と巻回電極体との間に弾性材料からなる緩衝体を介在させた状態で巻回電極体を加圧すると共に、加圧上板に内蔵したヒートブロックにより緩衝体を介して巻回電極体を加熱する工程と、巻回電極体をラミネートフィルムよりなる外装部材に収納する工程とを含むものである。ここで、緩衝体としては、硬度が30度以上60度以下の範囲内、厚さが2mm以上4mm以下の範囲内のものとすることが好ましい。
【0010】
本発明による電池の製造方法では、巻回電極体と加圧上板との間に緩衝体が介在しているため、巻回電極体の表面に隆起部が存在していても、巻回電極体の全面にわたって均一に加圧される。また、加圧上板に内蔵したヒートブロックにより緩衝体を介して巻回電極体を加熱するので、好適にゲル電解質層が加熱されて軟化し、ゲル電解質層と正極合剤層および負極合剤層とが密着する。これによりゲル電解質が電極合剤層にしみ込むので、ゲル電解質と電極合剤とがより多く反応する。その結果、巻回電極体を備えた電池の放電容量が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電池の製造方法により製造された二次電池1の外観構造、図2は図1に示した二次電池1の構造を分解して表すものである。この二次電池1は、外部接続用端子となる正極リード線11および負極リード線12が取り付けられた電池素子としての巻回電極体20と、この巻回電極体20を内部に封入するための外装部材30(30a,30b)とを備えている。
【0013】
図3は巻回電極体20の一部の断面構造を表している。巻回電極体20は、帯状の積層体27が多数巻回されたものである。積層体27は、帯状の正極21と帯状の負極22との間にゲル電解質層23を介してセパレータ24を積層したものである。
【0014】
正極21は、例えば、正極集電体層21aと、この正極集電体層21aの両面に設けられた正極合剤層21bとを有している。ここでは、正極集電体層21aの外装部材30側に設けられた正極合剤層21bの長手方向の長さは、正極集電体層21aのそれよりも短くなっている。すなわち、正極集電体層21aの幅方向の一方の端部においては、その一面が露出しており、その露出部分に、これと電気的に接続される正極リード線11が取り付けられている。負極22は、例えば、負極集電体層22aと、この負極集電体層22aの両面に設けられた負極合剤層22bとを有している。ここでは、負極集電体層22aの外装部材30側に設けられた負極合剤層22bの長手方向の長さは、負極集電体層22aのそれよりも短くなっている。すなわち、負極集電体層22aの長手方向の一方の端部においては、その一面が露出しており、その露出部分にこれと電気的に接続される負極リード線12が取り付けられている。
【0015】
正極リード線11および負極リード線12は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されており、密着フィルム31を介してフィルム30aおよびフィルム30bで挟まれている。
【0016】
次に、この二次電池1の製造方法について説明する。
【0017】
図4(A)〜(D)は巻回電極体20の作製工程を工程順に表すものである。巻回電極体20を作製するには、まず、正極合剤層21bおよび正極集電体層21aからなる正極21と、ゲル電解質層23と、負極合剤層22bおよび負極集電体層22aからなる負極22とを形成する。
【0018】
正極合剤層21bには、大きな放充電容量を得るために十分な量の活物質(ここでは、リチウム)が含まれていることが好ましい。正極合剤層21bを形成するには、例えば、正極活物質の粉末と、必要に応じて、カーボンブラックや黒鉛などの導電材と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダ樹脂とを均一に混合し、これをジメチルホルムアルデヒドあるいはN−メチルピロリドンなどの溶媒に添加してペースト状の正極合剤を調整する。そして、この正極合剤を正極集電体層21a上に塗布し、乾燥させて、正極合剤層21bを形成する。
【0019】
正極活物質は、製造する電池の種類に応じた金属酸化物、金属硫化物、あるいは特定の高分子材料により構成する。特に、エネルギー密度を高くするには、Lixy2 を主体とするリチウム複合酸化物を用いることが好ましい。なお、Mは一種類以上の遷移金属であることが好ましい。遷移金属としては、コバルト(Co),ニッケル(Ni)およびマンガン(Mn)などが好ましい。また、通常、xは0.05≦x≦1.12の範囲内の値である。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 、LiNiO2 、LiNiy Co(1-y)2 (但し、0<y)あるいはLiMn24 などが挙げられる。
【0020】
正極集電体層21aおよび後述する負極集電体層22aは、例えば、アルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成する。
【0021】
次に、形成した正極21の両面に、ゲル電解質を塗布してゲル電解質層23を形成する。このゲル電解質は、例えば、リチウム塩と、このリチウム塩を溶解する非水溶媒と、高分子材料とにより構成する。リチウム塩としては、例えば、LiPF6 ,LiAsF6 などが用いられ、これらのうちのいずれか1種または2種類以上を混合して使用してもよい。
【0022】
非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどが用いられ、これらのうちのいずれか1種または2種類以上を混合して用いてもよい。高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリルあるいはポリエチレンオキサイドが適当である。ゲル電解質層23は、例えば乾燥室(図示せず)内で乾燥させる。次に、正極21の正極集電体層21aが露出している部分に、これと電気的に接続される正極リード線11を例えば溶接あるいは接着剤などによって取り付ける。なお、正極リード線11および後述する負極リード線12は、例えば、アルミニウム,銅(Cu),ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成する。
【0023】
次に、負極22を作製する。まず、炭素粉末と、ポリフッ化ビニリデンなどのバインダ樹脂とを均一に混合し、これをジメチルホルムアルデヒドあるいはN−メチルピロリドンなどの溶媒に添加してペースト状の負極合剤を調整する。そして、この負極合剤を負極集電体層22a上に塗布して乾燥させて、負極合剤層22bを形成する。
【0024】
負極合剤層22bには、エネルギー密度を高くするために、例えば、リチウムアルミニウム合金などのリチウム合金あるいはリチウムを吸蔵および離脱することが可能な炭素質材料,ケイ素またはケイ素化合物,金属酸化物あるいは高分子材料のいずれか1種または2種以上を含むものを用いることができる。
【0025】
続いて、正極と同様にして、負極合剤層22b上にゲル電解質層23を形成し、負極22の負極集電体層22aが露出している部分に負極リード線12を例えば溶接あるいは接着剤などによって取り付ける。
【0026】
次に、正極21とセパレータ24と負極22とを積層して積層体27(図3)を形成し、この積層体27を巻回してテープ20で固定して巻回電極体20を作製する(図4(A)参照))。なお、セパレータ24は、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレンあるいはその複合体などのポリオレフィン系の材料を主成分とする多孔質薄膜により構成する。このようにして作製した巻回電極体20の積層体27の巻回方向に沿った形状は、正極リード線11および負極リード線12の厚みにより、また積層体27の端部の段差により、一部が隆起した楕円形となっている(図5参照)。
【0027】
次に、この巻回電極体20を加圧することにより、図4(B)に示したように、巻回電極体20を圧縮整形すると共に巻回電極体20を小型化する。
【0028】
図5は、この巻回電極体20の加圧工程を説明するための図で、巻回電極体20の上下から加圧上板41と加圧下板42とをそれぞれ押しつけて、巻回電極体20を圧縮する。加圧上板41の巻回電極体20と接する面には、弾性材料例えばシリコーンゴムにより形成された緩衝体40が一体化されている。なお、図示しないが、加圧上板41には緩衝体40を介して巻回電極体20を加熱するためのヒートブロックが内蔵されている。
【0029】
巻回電極体20を加圧および加熱することで、ゲル電解質層23と電極合剤層(正極合剤層21b,負極合剤層22b)との密着性が強化される。これによりゲル電解質が電極合剤層にしみ込むので、ゲル電解質と電極合剤とがより多く反応する。その結果、巻回電極体20を備えた二次電池の放電容量が向上する。
【0030】
加圧上板41および加圧下板42により、緩衝体40を介して巻回電極体20に加える圧力は、0.5MPa以上2.5MPa以下の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、1.5MPaである。0.5MPa未満の圧力では、巻回電極体20を十分に加圧できないので、ゲル電解質層23と電極合剤層とを十分に密着させてゲル電解質を電極合剤にしみ込ませることができない。そのため、放電容量を向上させることが困難となる。一方、2.5MPaより大きな圧力では、巻回電極体20が過剰に加圧されるので、ゲル電解質層23が押し潰されてしまう。ゲル電解質層23が押し潰されると、例えばゲル電解質層23からゲル電解質が流出して内部短絡が生じたり、負極22上にリチウムが析出したりする。そのため、ゲル電解質の反応する量が少なくなるので、放電容量を向上させることが困難となる。
【0031】
加圧上板41に内蔵したヒートブロックにより巻回電極体20を加熱する。巻回電極体20を加圧すると共に加熱することで、ゲル電解質層23が軟化してゲル電解質層23と電極合剤層とを密着させることができる。巻回電極体20に対して加える温度は、50℃以上105℃以下の範囲内であることが好ましい。50℃未満の温度では、巻回電極体20のゲル電解質層23が十分に軟化しないため、ゲル電解質層23と電極合剤層とを十分に密着させることができない。そのため、放電容量を向上させることが困難となる。また、105℃より高い温度では、ゲル電解質層23に含まれる非水溶媒の一部が揮発して外装部材30が膨らみ、電池が変形したり、非水溶媒の一部が分解したりする。そのため、電池を小型化させること、および放電容量を向上させることが困難となる。
【0032】
ここで、実験例に基づき、緩衝体40の硬度と緩衝体40の厚さと放電容量比(%)との関係について説明する。図6は横軸に緩衝体40(シリコーンゴム)の硬度(度)を、縦軸に二次電池の放電容量比(%)をとり、それぞれの関係を緩衝体40の厚さ毎にグラフ化したものである。なお、ここでは、シリコーンゴムの硬度をゴム硬度計(デュロメータ,Aタイプ)で評価した。また、二次電池の設計放電容量(Ah)と、加圧した巻回電極体20を備えた二次電池の放電容量(Ah)との比を放電容量比(%)とし、設計放電容量と等しい場合は放電容量比を100%とした。
【0033】
図6からも分かるように、緩衝体40の硬度は、好ましくは30度以上60度以下、より好ましくは35度以上50度以下である。また、緩衝体40の厚さは、2mm以上4mm以下の範囲内が好ましい。
【0034】
本実施の形態では、巻回電極体20の一部が隆起していても、緩衝体40を間にして巻回電極体20を加圧することで、放電容量を向上させることができる。ここで、緩衝体40には弾力性があるので、巻回電極体20に加わる圧力を均一に分散させて加圧することができる。そのため、ゲル電解質層23と正極合剤層21bおよび負極合剤層22bとを十分に密着させることができる。
【0035】
また、加熱についても、巻回電極体20をヒートブロックで直接に加熱するのではなく、巻回電極体20は緩衝体40を介して加熱されるので、好適にゲル電解質層23を加熱することができる。そのため、ゲル電解質層23が軟化してゲル電解質層23と正極合剤層21bおよび負極合剤層22bとを密着させることができる。なお、直接ヒートブロックで巻回電極体20を挟み込んで加熱すると、ヒートブロックの温度維持が難しくなり温度が不安定となる。従って、ゲル電解質層23を好適に軟化できないので、加圧しても、ゲル電解質層23と正極合剤層21bおよび負極合剤層22bとを均一に密着させることができない。また、ゲル電解質層23と正極合剤層21aおよび負極合剤層22aとの間の密着性が不十分となり、負極22にリチウムが析出してしまう。そのため、放電容量を向上させることができない。
【0036】
更に、緩衝体40は耐熱性を有するので、ヒートブロックの熱で変形しにくく、また、変成してもその硬度が変化しにくい。そのため、押しつけながら加熱することができるので、巻回電極体20を好適に加圧および加熱することができる。また、緩衝体40により均一に巻回電極体20が加圧されるので、正極リード線11あるいは負極リード線12の切断部のバリによる内部短絡の発生を防止することもできる。
【0037】
次に、図4(C)に示したように、加圧した巻回電極体20の正極リード線11および負極リード線12が導出している面に、絶縁板26aを取り付ける。なお、この絶縁板26aは2つの挿通口26cを有しており、この導通口に正極リード線11と負極リード線12とをそれぞれ挿通させる。絶縁板26aを取り付けることで、巻回電極体20の正極リード線11および負極リード線12が導出している面において、正極21と負極22との短絡を防止する。
【0038】
次に、図4(D)に示したように、巻回電極体20を外装部材30に収納した際に外装部材30の内部から外部に正極リード線11および負極リード線12を導出できる形状に正極リード線11および負極リード線12を変形する。
【0039】
このようにして得られた巻回電極体20は、以下、図7(A)〜(C)に示した工程により外装部材30に収納される。すなわち、図7(A)に示したように、例えばナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせてなるラミネートフィルム31aをロール状に巻き取ったラミネートフィルムロール31を準備する。なお、ラミネートフィルム31aのうちのアルミニウム箔は、外気の侵入を防止する防湿性を有している。
【0040】
続いて、ラミネートフィルムロール31からラミネートフィルム31aを引き出し、巻回電極体20を収納することができる程度の長さで切断する。そして、図7(B)に示したように、切断したラミネートフィルム31に、例えば、収納する巻回電極体20の形状に合わせて溝30cをプレス加工により形成する。
【0041】
続いて、図7(C)に示したように、溝30cを形成したラミネートフィルム31aを半分に折るための折れ線30dを形成する。これによりフィルム30bと、溝30cを有するフィルム30aとからなる外装部材30が得られる。
【0042】
次に、図2に示したように、巻回電極体20の絶縁板26aを取り付けた面と対向する面側に、前述した絶縁板26aと同様に挿通口(図示せず)を有する絶縁板26bを配置する。絶縁板26bを配置することで、絶縁板26aと同様に正極21と負極22との短絡を防止する。絶縁板26bを配置したのち、巻回電極体20を外装部材30の溝30cに収納する。なお、正極リード線11および負極リード線12が導出される端部においては、各リード線と外装部材30との間に密着フィルム31を介在させる。密着フィルム31は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変成ポリエチレンあるいは変成ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
【0043】
次に、図8(A)に示したように、フィルム30aとフィルム30bとが接するように、折れ線30dで外装部材30を折る。そして、例えば、正極リード線11および負極リード線12の付近の2箇所(仮止点32a)で、熱融着によりフィルム30aとフィルム30bとを密着させる。次いで、図8(B)に示したように、例えば、折れ線30dの付近の2箇所(仮止点32b)で、熱融着によりフィルム30aとフィルム30bとを密着させる。
【0044】
次に、図8(C)に示したように、例えば、フィルム30aおよびフィルム30bの正極リード線11および負極リード線12と接する外装部材30の端辺部30eを、熱融着により密着させる。そののち、巻回電極体20を真空状態で外装部材30に封入すると共に、巻回電極体20の側面と接する外装部材30の周辺部30fを、例えば熱融着により密着させる。以上の工程により、図1に示した二次電池1が得られる。
【0045】
このように本実施の形態に係る電池の製造方法によれば、弾力性を有する緩衝体40を介して巻回電極体20を加圧および加熱するようにしたので、巻回電極体20に加わる圧力が分散し、電池を良好な薄型にすることができる。また、ゲル電解質と正極合剤層21bおよび負極合剤層22bとの間の密着性が向上し、良好な放電容量を得ることができる。
【0046】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態では、巻回電極体20を加圧および加熱した後に外装部材30に収納したが、本発明は巻回電極体20を外装部材30に収納した後に加圧および加熱する工程においても適用することができる。
【0047】
また、上記実施の形態では、巻回電極体20の片面側に緩衝体40を押しつけて巻回電極体20を加圧および加熱したが、巻回電極体20の両面側にそれぞれ緩衝体40を設けるようにしてもよい。
【0048】
更に、緩衝体としてはシリコーンゴムの代わりに、フッ素ゴムなどの耐熱性ゴムを用いるようにしてもよい。また、弾力性および耐熱性を有し、油圧、水圧あるいは空気圧などにより膨張する膨張バッグを用いるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施の形態では、外装部材30としてラミネートフィルムを用いたが、ラミネートフィルムの代わりに、例えば、加圧および加熱した巻回電極体20を金属製の容器に収納するようにしてもよい。
【0050】
更に、上記実施の形態では、正極21および負極22などを巻回した巻回電極体20を備えた構造の電池を例に挙げて説明したが、本発明は、正極21と負極22とが電解質層を介して積層された電池など、他の形状の電池を製造する際にも適用することができる。
【0051】
また、上記実施の形態では、電池反応種がリチウムである電池について説明したが、本発明は、電池反応種がナトリウム(Na)あるいはカルシウム(Ca)などの他の種である電池を製造する際にも同様に適用することができる。その場合、電解質塩としてリチウム塩に代えてナトリウム塩あるいはカルシウム塩などを用いると共に、正極活物質には適宜の金属酸化物あるいは金属硫化物などを用いるようにする。
【0052】
加えて、上記実施の形態では、二次電池を製造する場合について説明したが、本発明は、一次電池を製造する際にも適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電池の製造方法によれば、加圧上板巻回電極体との間に弾力性を有する緩衝体を介在させると共に、加圧上板に内蔵したヒートブロックにより緩衝体を介して巻回電極体を加熱するようにしたので、均一な力で巻回電極体を加圧して小型化させることができる共に、ゲル電解質層と正極合剤層および負極合剤層との密着性が向上し、ゲル電解質と反応する面積が増加し、放電容量を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電池の製造方法を用いて作製された電池の構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示した電池の分解斜視図である。
【図3】図2に示した巻回電極体の・・・ー・・・線に沿った断面構造の一部を表す図である。
【図4】巻回電極体の作製工程を工程順に表す斜視図である。
【図5】巻回電極体の加圧工程を説明するための側面図である。
【図6】緩衝体の硬度および厚さと放電容量比との関係を説明するための特性図である。
【図7】外装部材の作製工程を工程順に表す斜視図である。
【図8】巻回電極体を外装部材に収納する工程を工程順に表す斜視図である。
【図9】巻回電極体の形状を説明するための側面図である。
【図10】従来の巻回電極体の加圧工程を説明するための側面図である。
【符号の説明】
1…二次電池、11…正極リード線、12…負極リード線、20…巻回電極体、21…正極、22…負極、23…ゲル電解質層、27…積層体、30…外装部材、40…緩衝体、41…加圧上板、42…加圧下板

Claims (7)

  1. 正極集電体層の両面に正極合剤層を有すると共に正極リードを取り付けた正極の両面にゲル電解質層を形成し、負極集電体層の両面に負極合剤層を有すると共に負極リードを取り付けた負極の両面にゲル電解質層を形成し、前記正極と前記負極との間に前記ゲル電解質層を介してセパレータを積層した積層体を形成し、前記積層体を巻回して、一部が隆起した楕円形の巻回電極体を形成する工程と、
    前記巻回電極体の隆起した面を加圧上板に向けて前記巻回電極体を加圧下板に載せ、上下から前記加圧上板および前記加圧下板により挟んで、前記加圧上板と前記巻回電極体との間に弾性材料からなる緩衝体を介在させた状態で前記巻回電極体を加圧すると共に、前記加圧上板に内蔵したヒートブロックにより前記緩衝体を介して前記巻回電極体を加熱する工程と、
    前記巻回電極体をラミネートフィルムよりなる外装部材に収納する工程と
    を含む電池の製造方法。
  2. 前記緩衝体の硬度を、30度以上60度以下の範囲内とする請求項1記載の電池の製造方法。
  3. 前記緩衝体の厚さを2mm以上4mm以下の範囲内とする請求項2記載の電池の製造方法。
  4. 前記緩衝体としてシリコーンゴムを用いる請求項3記載の電池の製造方法。
  5. 前記正極合剤層をリチウムを含む酸化物を用いて形成すると共に、前記負極合剤層をリチウム金属、リチウム合金またはリチウムを吸蔵および脱離することが可能な炭素質材料あるいは無機材料を用いて形成する請求項1記載の電池の製造方法。
  6. 前記ゲル電解質層として、リチウム塩を含む電解質を用いる請求項1記載の電池の製造方法。
  7. 前記巻回電極体を前記外装部材に収納したのちに加圧および加熱する請求項1記載の電池の製造方法。
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