JP4432146B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電要素が金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納された非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用無線電話、携帯用パソコン、携帯用ビデオカメラ等の電子機器が開発され、各種電子機器が携帯可能な程度に小型化されている。それに伴って、内蔵される電池としても、高エネルギー密度を有し、且つ軽量なものが採用されている。そのような要求を満たす典型的な電池は、特にリチウム金属やリチウム合金等の活物質、又はリチウムイオンをホスト物質(ここでホスト物質とは、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる物質をいう。)である炭素に吸蔵させたリチウムインターカレーション化合物を負極材料とし、LiClO4、LiPF6等のリチウム塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒を電解液とする非水電解質二次電池である。
【0003】
この非水電解質二次電池は、上記の負極材料をその支持体である負極集電体に保持してなる負極板、リチウムコバルト複合酸化物のようにリチウムイオンと可逆的に電気化学反応をする正極活物質をその支持体である正極集電体に保持してなる正極板、電解液を保持するとともに負極板と正極板との間に介在して両極の短絡を防止するセパレータからなっている。
【0004】
そして、上記正極板及び負極板は、いずれも薄いシートないし箔状に成形されたものを、セパレータを介して順に積層又は渦巻き状に巻回した発電要素とする。そしてこの発電要素を、ステンレス、ニッケルメッキを施した鉄、又はアルミニウム製等の金属からなる電池容器に収納され、電解液を注液後、蓋板で密封固着して、電池が組み立てられる。
【0005】
ところが、金属製電池容器を用いた場合、気密性が高く、かつ機械的強度に優れてはいるものの、電池の軽量化や電池容器の材料、デザインには大きな制約となる。
【0006】
その問題を解決するものとして、発電要素を金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納する方法が提案されている。気密構造を有する金属ラミネート樹脂フィルムを使用することにより、電解液の漏液や電池外部からの水分等の侵入がなく、かつ電池の軽量化を図ることができる。
【0007】
また、発電要素の形状としては、巻回型、特に断面が非円形あるいは長円形とすることにより、電極表面積を大きくすることができ、製造工程も簡単となる。
【0008】
このような非水電解質二次電池を電子機器に用いる場合、単電池又は複数個の直列接続したものとして所某の電圧を得るようにする。この単数又は複数個の電池は、充放電制御回路とともに樹脂もしくは金属と樹脂からなる筐体に収納され、内容物を取り出せないよう封口して電池パックとして用いられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、金属ラミネート樹脂フィルムは、金属箔と金属箔の片面または両面に樹脂層を密着せしめた構成であり、その金属箔は穴のない材料を用いることでフィルム面を透過する方向の気密構造を達成している。またその樹脂層は、一般に延展性を持つ該金属箔の引っ張り強度、突き刺し強度、屈曲弱さ等を補強したり、発電要素を収納した後熱溶着等の方法によって封口が可能となるようフィルム面に接着性を付与する機能を持つ。
【0010】
しかしながら、電池が過充電状態となったり内部短絡が生じることにより電池が発熱した場合や、高温下に放置された場合に、電池内部の圧力が上昇すると、金属ラミネート樹脂フィルムの電池内側溶着部付近の屈曲部に集中するために、電池内側の溶着部が剥離し、電池の気密漏れを起こし最悪の場合では液漏れを起こすという問題があった。
【0011】
さらには、電池外表面から発電要素のある電池内部への水分や気体成分の透過あるいは電池内部から外部への電解液の蒸発を抑えることが重要となるが、前記金属ラミネート樹脂フィルムを電池ケースの構成材料に用いた場合、該フィルムの面方向の気密は金属箔によって保つことができるものの、封口部においては金属箔間の樹脂層を水分や電解液成分が透過してしまうという問題があった。
【0012】
そこで本発明は、万一電池が過充電状態となったり内部短絡が生じることにより電池が発熱したり、高温下に放置されても、金属ラミネート樹脂フィルムの溶着部が剥離することなく気密性に優れた非水電解質二次電池を供給することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、正極板と隔離体と負極板とを有する発電要素を金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納した非水電解質二次電池において、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の内側端部に樹脂塊を設けることを特徴とする(ただし、金属ラミネート樹脂フィルム端部の金属層と樹脂層との露出界面が発電要素収納空間内に存在し、且つ収納空間内に存在する露出界面が樹脂で覆われているものを除く)。
【0014】
また本発明においては、金属ラミネート樹脂フィルムケースが気密構造を有し、長円形巻回型発電要素がその巻回中心軸が金属ラミネート樹脂フィルムケースの開口面に垂直方向であるように収納されていることが好ましい。なお、垂直方向とは、完全な垂直のみを意味するのではなく、おおむね垂直な方向も意味する。
【0015】
さらに本発明は、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の内側端部の厚みが外側端部の厚みよりも大きいことが好ましい。
【0016】
また本発明は、電池ケースの材質が金属ラミネート樹脂フィルムである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、長円形巻回型発電要素を備えた電池を例として、図面を参照して説明する。本発明になる非水電解質二次電池の外観は図1に示したものであり、長円形巻回型発電要素の巻回中心軸が、金属ラミネート樹脂フィルムケースの開口面に垂直方向となるように、金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納されている。図1において、1は金属ラミネート樹脂フィルムケース、2は発電要素、3は発電要素の巻回中心軸、4は正極リード端子、5は負極リード端子である。図2は本発明の第一の実施形態の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B’断面)である。図2において、2は発電要素、11は表面保護層、12は金属バリア層、13は熱溶着層である。そして、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊14を設けている。なお、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の外側端部の厚みXと内側端部の厚みYは等しい。
【0018】
図3は本発明の第二の実施形態の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B'断面)である。図3における記号2、11〜14は図2と同じものを示している。金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊14を設けており、かつ、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の外側端部の厚みXよりも内側端部の厚みYの方が大きくなっている。
【0019】
本発明に使用する発電要素の形状としては、断面が長円形巻回型に限られるものではなく、断面が円形巻回型や非円形巻回型、あるいは平板型極板をセパレータを介して積層するスタック型や、シート状極板を折りたたんでセパレータを介して積層する型など、あらゆる形状の発電要素を使用することができる。
【0020】
また本発明においては、気密構造を有する金属ラミネート樹脂フィルムケースを使用する。
【0021】
本発明において、長円形巻回型発電要素を金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納する場合には、長円形巻回型発電要素はその巻回中心軸が金属ラミネート樹脂フィルムケースの開口面に垂直方向であることが好ましい。なお、垂直方向とは、完全な垂直のみを意味するのではなく、おおむね垂直な方向も意味する。
【0022】
金属ラミネート樹脂フィルムの金属の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン箔などを使用することができる。
【0023】
金属ラミネート樹脂フィルムの熱溶着部の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性高分子材料であればどのような物質でもよい。
【0024】
また、金属ラミネート樹脂フィルムの樹脂層や金属箔層は、それぞれ1層に限定されるものではなく、2層以上であってもかまわない。
【0025】
また金属ラミネート樹脂フィルムケースとしては、金属ラミネート樹脂フィルムを熱溶着することによって封筒状に成形したラミネートケースや、2枚の金属ラミネート樹脂シートの4辺を熱溶着したものや、一枚のシートを二つ折りにして3辺を熱溶着したもの、金属ラミネート樹脂シートをプレス成形してカップ状にしたものに発電要素を入れるようなラミネートケースなど、あらゆる形状の金属ラミネート樹脂フィルムケースを用いることができる。
【0026】
本発明になる非水電解質二次電池に使用する電解液溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、もしくはこれらの混合物を使用してもよい。
【0027】
また、有機溶媒に溶解するリチウム塩としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3CO2、LiCF3SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2、LiN(COCF3)2およびLiN(COCF2CF3)2などの塩もしくはこれらの混合物でもよい。
【0028】
また、本発明になる非水電解質二次電池の隔離体としては、絶縁性のポリエチレン微多孔膜に電解液を含浸したものや、高分子固体電解質、高分子固体電解質に電解液を含有させたゲル状電解質等も使用できる。また、絶縁性の微多孔膜と高分子固体電解質等を組み合わせて使用してもよい。さらに、高分子固体電解質として有孔性高分子固体電解質膜を使用する場合、高分子中に含有させる電解液と、細孔中に含有させる電解液とが異なっていてもよい。
【0029】
さらに、正極材料たるリチウムを吸蔵放出可能な化合物としては、無機化合物としては、組成式LixMO2、またはLiyM2O4(ただしM は遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2 )で表される、複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物を用いることができる。その具体例としては、LiCoO2 、LiNiO2、LiMn2O4 、Li2Mn2O4、MnO2、FeO2、V2O5、V6O13、TiO2、TiS2等が挙げられる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0030】
さらに、負極材料たる化合物としては、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金、LiFe2O3、WO2、MoO2等の遷移金属酸化物、グラファイト、カーボン等の炭素質材料、Li5(Li3N)等の窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれらの混合物を用いてもよい。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を好適な実施例にもとづき説明する。
[溶着強度の比較]
[実施例1]本発明になる非水電解質二次電池は、正極板と隔離体と負極板とからなる長円形巻回型発電要素が非水系の電解液(図示省略)とともに金属ラミネート樹脂フィルムを熱溶着してなる金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納されたものであり、その外観を図1に示す。
【0032】
正極活物質にはリチウムコバルト複合酸化物を用いた。正極板は厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に上記のリチウムコバルト複合酸化物が活物質として保持したものである。正極板は、結着剤であるポリフッ化ビニリデン6部と導電剤であるアセチレンブラック3部とを活物質91部とともに混合し、適宜N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製した後、その集電体材料の両面に塗布、乾燥することによって製作した。
【0033】
負極板は、厚さ14μmの銅箔集電体に、ホスト物質としてのグラファイト(黒鉛)92部と結着剤としてのポリフッ化ビニリデン8部とを混合し、適宜N−メチルピロリドンを加えてペースト状に調製したものを塗布、乾燥することによって製作した。隔離体はポリエチレン微多孔膜とし、また、電解液は、LiPF6を1mol/l含むエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7(体積比)の混合液とした。
【0034】
極板の寸法は、正極板が厚さ185μm、幅42mm、セパレータが厚さ25μm、幅45mm、負極板が厚さ160μm、幅43.5mmであり、正極板及び負極板にそれぞれリード端子を溶接し、順に重ね合わせてポリエチレンの長方形状の巻芯を中心として、長辺が発電要素の巻回中心軸と平行になるよう、その周囲に長円渦状に巻回して、48×27.3×3.23mmの大きさの発電要素とした。
【0035】
そして、電極の絶縁部分をポリプロピレンからなる巻き止め用テープ(ここでは接着剤が片面に塗布されている)で電極幅(発電要素の巻回中心軸と平行な発電要素の長さ)に相当する長さを、巻回中心軸と平行な発電要素側壁部分に貼り付け、発電要素を巻き止め固定した。
【0036】
これを金属ラミネート樹脂フィルムケースに、長円形巻回型発電要素はその巻回中心軸が金属ラミネート樹脂フィルムケースの開口面に垂直となるように収納し、リード端子を固定して密封し、電解液を、各電極と隔離体が十分湿潤し、発電要素外にフリーな電解液が存在しない量を真空注液した。
【0037】
図4は、図1に示した電池のリード端子取り出し部の溶着部の断面(図1のA−A′断面)を示したものである。図4において、11は表面保護層、12は金属バリア層、13は熱溶着層、14は正極リード端子、15は負極リード端子である。
【0038】
正極リード端子14および負極リード端子15は、厚み50〜100μmの銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属導体からなる。気密封口用の金属ラミネート樹脂フィルムケースは、最外層における表面保護層としての12μmのPETフィルム11、バリア層としての9μmのアルミニウム箔12、熱溶着層としての150μmの酸変性低密度ポリエチレン層13から構成されており、最外層の表面保護用PETフィルム11とバリア層としてのアルミニウム箔12はウレタン系接着剤で接着している。
【0039】
本発明の第一の実施例になる電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B’断面)を図2に示す。金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊14を設けた。
【0040】
この金属ラミネート樹脂フィルムを熱溶着層が対面するように重ね合わせ、溶着温度250℃で熱溶着させ、熱溶着部の厚みが250μmとなるまでプレスすることにより、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊14を形成し、金属ラミネート樹脂フィルムを重ね、熱溶着することにより封口し、最後に密封溶着をおこない、金属ラミネート樹脂フイルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊を設けた、金属ラミネート樹脂フィルムケースに発電要素が収納された非水電解質電池を作製した。この電池の公称容量は420mAhとした。
[実施例2]本発明の第二の実施例になる電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B‘断面)を図3に示す。この金属ラミネート樹脂フィルムを熱溶着層が対面するように重ね合わせ、熱溶着時のプレス面に傾斜を持たせた治具を用い熱溶着し、金属ラミネート樹脂フイルムケース溶着部の外側端部の厚みを100μm、内側端部の厚みを250μmとなるようにプレスすることにより、金属ラミネート樹脂フイルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊14を設け、かつ、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の外側端部の厚みXよりも内側端部の厚みYの方が大きい、金属ラミネート樹脂フィルムケースに発電要素が収納された非水電解質電池(公称容量420mAh)を作製した。
[比較例]比較例として試作した従来の電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B‘断面)を図5に示す。図5における記号2、11、12、13は図2と同じものを示している。従来品では、金属ラミネート樹脂フイルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊を設けておらず、かつ、金属ラミネート樹脂フイルムケース溶着部の外側端部の厚みXと内側端部の厚みYが等しくなっている。
【0041】
ここで、実施例1、2と比較例について、金属ラミネート樹脂フィルムケースの耐圧強度を測定した結果を表1に示す。
【0042】
測定方法は、実施例1、2と比較例の金属ラミネート樹脂フィルムケースを用い、ケース内側に水圧を加え、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部が剥離したときの水圧を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊を設けた実施例1、2の電池では、比較例の電池に対し、開放圧が約2倍に上昇した。これは、比較例の電池では、金属ラミネート樹脂フィルムケースの樹脂部の接合界面にのみ応力が加わっていたのに対し、実施例1、2の電池では接合界面が曲面になっているために、応力が直接接合界面に加わることなく、応力が樹脂塊の両端に分散されるために、電池ケースの耐圧が約2倍に向上したと考えられる。
【0045】
上記の結果より明らかなように、金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部内側端部に樹脂塊を設けることにより、金属ラミネート樹脂フィルムケースの耐圧性を著しく向上させることができる。また、電池が過充電状態となったり、内部短絡が生じることにより電池が発熱したり、高温下に放置されて内部圧力が上昇するような状況下でも、金属ラミネート樹脂フィルムの溶着部が剥離することなく気密性に優れた非水電解質二次電池を供給することができる。
[溶着部の端面と溶着部基部の厚み差の比較]
[実施例3]つぎに、本発明の第三の実施例になる電池の形態を示す。金属ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の断面構造は図3に示したのと同じであるが、溶着部の端部の厚みを変えたものである。また、金属ラミネート樹脂フィルムケース内側の溶着部に樹脂塊を設けており、かつ、金属ラミネート樹脂フィルムの溶着部の内側端部の厚みと外側端部の厚み差の異なる非水電解質二次電池を作製した。
【0046】
具体的には、溶着部の外側端部の厚みを250μmとし、溶着部の内側端部の厚みを250、245、240、200、150、50μmとすることにより、溶着部の内側端部の厚みと外側端部の厚み差が0、5、10、50、100、200μm電池を作製し、溶着部の内側端部の厚みと外側端部の厚み差による効果について検討した。
【0047】
これらの電池を、電流400mA/電圧4.1Vの条件で4時間定電流/定電圧充電する事により満充電状態し、60℃において1ヶ月放置し、放置前後の電池の容量を比較した。また、放置後の電解液中の水分増加量と電解液の蒸発量を測定した。
【0048】
表2に60℃×1ヶ月放置試験の結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
実施例3では、溶着部の内側端部の厚みよりも外側端部の厚みを小さくすることにより、電池内への水分混入および電池外への電解液の蒸発が抑制され、電池の保存性が向上した。金属ラミネート樹脂フィルムの溶着部では、水分の侵入および電解液の外部への蒸発を防ぐバリアー層である金属部がないために、熱溶着層を介して水分の侵入および電解液の外部への蒸発が起こりやすくなっている。
【0051】
また、電池内部への水分が侵入すると、電解液中のLiPF6と反応しHFを生じ、正極集電体であるアルミニウムを腐食することによって電池の内部抵抗を上昇させたり、負極表面で電解液と反応し被膜を形成することにより、電池容量の低下を引き起こす。そこで、溶着部の端面の厚みを溶着部基部の厚みよりも小さくすることにより、溶着部と大気の接触面積を小さくでき、また、水分および電解液が透過する経路を小さくできるため、水分の電池内部への侵入および電解液の外部への蒸発を抑制することができるため、電池性能の低下を抑制することができ、電池の長期保存が可能となった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、金属ラミネート樹脂フィルムケースの電池内側に樹脂塊を設けることにより、電池内圧が上昇するような状況下でも溶着部に加わる応力を分散することができ、金属ラミネート樹脂フイルムケース溶着部の剥離が生じず、耐圧性に優れた電池を得ることができる。
【0053】
また、金属ラミネート樹脂フイルムケースの溶着部の外側端部の厚みを内側端部の厚みよりも小さくすることにより、大気と電池ケースシール部の接触面積を少なくし、シール部を透過する水分や電解液の蒸発を抑制し、高温下においても電池の長期保存性に優れ、かつ、耐圧性、気密性に優れる非水電解液二次電池を供給することができる。
【0054】
また、電池の気密性に優れているため、電池特性の低下を招くことなく、安全性の高い、かつ製造工程における煩雑さを招くことのない、金属ラミネート樹脂フィルムケースに長円形巻回型発電要素が収納された非水電解質電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非水電解質二次電池の外観図。
【図2】本発明の第一の実施形態になる非水電解質二次電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B′断面)。
【図3】本発明の第二の実施形態になる非水電解質二次電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B′断面)。
【図4】本発明になる非水電解質二次電池の、リード端子取り出し部の溶着部の断面(図1のA−A′断面)を示す図
【図5】本発明の実施例3になる非水電解質二次電池の、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の断面拡大図(図1のB−B′断面)。
【符号の説明】
1 金属ラミネート樹脂フィルムケース
2 発電要素
3 発電要素の巻回中心軸
4 正極リード端子
5 負極リード端子
11 表面保護層
12 金属バリア層
13 熱溶着層
14 樹脂塊
Claims (1)
- 正極板と隔離体と負極板とを有する発電要素を金属ラミネート樹脂フィルムケースに収納した非水電解質二次電池において、金属ラミネート樹脂フィルムケース溶着部の内側端部に樹脂塊を設けることを特徴とする非水電解質二次電池(ただし、金属ラミネート樹脂フィルム端部の金属層と樹脂層との露出界面が発電要素収納空間内に存在し、且つ収納空間内に存在する露出界面が樹脂で覆われているものを除く)。
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