JP2004126390A - 電子写真式プリンタの交換可能なカートリッジの不正監視システム及びこれに使用する記憶素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】カートリッジを製造業者ないしは再生業者が正当に再生した場合に記憶素子を初期化して所定の枚数プリントできるようにする。
【解決手段】カートリッジ20のAコードカウンタの値に暗号化された所定の演算処理を行ってBコードカウンタ29に格納する。Aコードカウンタの値をホスト30に送信し、ホスト30から帰ってきた値がBコードカウンタの値に等しければ、ホスト30は正規の専用書換装置であるから、第1カウンタ26及び第2カウンタ27の値を初期化できるようにする。
ユーザー及び第3者が勝手に再生しようとしても、前記暗号化された所定の演算処理が如何なる処理であるかわからないので、再生前の残存印刷可能枚数しか印刷することができない。
【選択図】 図1
【解決手段】カートリッジ20のAコードカウンタの値に暗号化された所定の演算処理を行ってBコードカウンタ29に格納する。Aコードカウンタの値をホスト30に送信し、ホスト30から帰ってきた値がBコードカウンタの値に等しければ、ホスト30は正規の専用書換装置であるから、第1カウンタ26及び第2カウンタ27の値を初期化できるようにする。
ユーザー及び第3者が勝手に再生しようとしても、前記暗号化された所定の演算処理が如何なる処理であるかわからないので、再生前の残存印刷可能枚数しか印刷することができない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真式プリンタに使用する交換可能なカートリッジの不正監視システム及びそれに使用する記憶素子に関し、より詳細には、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタの監視システムにおいて、該カートリッジを製造業者ないしは再生業者が正当に再生した場合に再度前記監視システムを所望の作動状態となすことのできる不正監視システム及びそれに使用する記憶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式プリンタは、複写機、ファクシミリ、PC用プリンタ等に広く用いられている。この電子写真式プリンタには、1個又はそれ以上のカートリッジが使用されており、通常カートリッジ内に感光体及び必要な駆動手段等を一体化した感光体カートリッジ、現像カートリッジ、トナーカートリッジ、その他の交換可能なカートリッジがプリンタ内に挿入/取出し可能に設置されている。
【0003】
これらのカートリッジには、コピー枚数に応じた課金システムのためや一定の品質保証のため、コピー枚数の累積計数手段が設けられているものがあり、通常、この累積計数手段の計数値が一定限度に達したら強制的にコピーを停止し、限度を超えた使用による画像欠陥の発生やカートリッジ部品の故障、さらにはそれによって引き起こされるプリンタの故障を防止するようになされている。
【0004】
このような技術の一例として、下記特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法の具体例を図4〜6を用いて説明する。図4は、前記静電写真式複製装置のプリンタの制御装置の細部とゼログラフィーカートリッジ、現像カートリッジ及びトナーカートリッジのEEPROM(電気的に書き換えプログラム可能な読み取り専用メモリ)との接続を示す回路図であり、図5は、プリンタを使用可能にする前に、カートリッジの識別とイメージカウントを検査するためのプリンタ初期化サイクルを説明するフローチャートであり、また、図6は、イメージカウントサイクルとカートリッジカウント更新サイクルを説明するフローチャートである。
【0005】
図4において、プリンタ100は、交換可能なゼログラフィーカートリッジ112と、現像カートリッジ114と、トナーカートリッジ116を使用するレーザープリンタであり、各カートリッジは所定数のプリントすなわちコピー形式のイメージを作成できるように設計されている。
【0006】
各カートリッジ112、114、116にはEEPROM110形式の認識/メモリチップが一体構造に設けられており、各カートリッジがプリンタ100に挿入されるとプリンタ100の制御装置101と電気的に接続されるようになされている。この制御装置101は、少なくともマイクロプロセッサ102と、オペレーティングシステムのソフトウェア、プログラミングデータ等を保存するのに適したROM103及びRAM104とを備えている。各カートリッジ112、114、116のEEPROM110は、各カートリッジの残りのイメージ数のカウント値を記憶するアドレス可能メモリを備えている。前記カウント値は、各印刷の実行の終りに、制御装置101によってそれぞれのEEPROMに記憶される。
【0007】
各カートリッジで作成可能な最大イメージ数を表す最大カウント値Yが事前にプログラムされている。カウント方式は、イメージが作成されると、EEPROM110内のカウント値Yを減分して、現在のイメージカウント値を得る減分方式である。現在イメージカウント値Yが終了カウント値(この例では「0」)に達すると、カートリッジは使用不能にされる。また、カートリッジの寿命が終りに近づいたときオペレータに警告するため、カートリッジの残りのイメージが所定数であることを表す警告イメージカウントXがEEPROM110に与えられている。一般に、警告イメージカウント値Xに達してから数百から数千のイメージを作成することができるので、プリンタの動作を継続するためには、その間にカートリッジを交換しなくてはならない。
【0008】
最大イメージカウント値Y及び警告イメージカウント値Xは、一般に、工場でEEPROM110に事前にプログラムされる。さらに、許可されたEEPROM110のみが確実に使用されるように、識別番号が各カートリッジ112、114、116のEEPROMに事前にプログラムされ、記憶される。
【0009】
この図4の制御装置101の動作を図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。プリンタ100を電源に接続すると、初期化ルーチンが始まり、カートリッジ112、114、116の識別番号が読み取られ、ROM103に記憶された対応する識別番号と比較される。正しいカートリッジが挿入された場合、まず図5のフローチャートにしたがってカートリッジがその寿命の終りに達したかどうかの検査が行われる。このため、各EEPROM110に記憶された現在のイメージカウント値が読み出され、終了カウント値と比較される。EEPROMの現在のイメージカウント値が「0」に等しいか、又はそれ以下であれば、カートリッジは使い果たされており、寿命終了と判断され、そのカートリッジが交換されるまで、プリンタ100の動作は抑止される。EEPROMの現在のイメージカウント値が「0」よりも大きい場合は、各カートリッジは寿命の終りに達していないとして、プリンタはプリント可能状態となって、待機状態にはいる。
【0010】
印刷要求があると、プリンタ100は動作し、図6に示すように、制御装置101はプリントが正常になされるごとにシートセンサ105からの信号によりカウントし、印刷が終了したら、プリンタ100は停止し、印刷実行中に作成されたイメージの総数すなわちイメージ実行カウント値がRAM104に一時的に記憶される。制御装置101は、各カートリッジ112、114、116のEEPROM110から現在のイメージカウント値を取出し、RAM104からのイメージ実行カウント値を使用して、各EEPROM110について、カートリッジの残りのイメージ値を表す新しいイメージカウント値を計算し、次に、各EEPROM110に新しい現在のイメージカウント値を書き込む。
【0011】
新しい現在のイメージカウント値をEEPROM110へ戻す前に、制御装置101は各新しい現在イメージカウント値と各カートリッジ112、114、116のEEPROM110に記憶されている警告イメージカウント値Xとを比較する。新しい現在イメージカウント値が警告イメージカウント値Xに等しいか、それより小さければ、該当するカートリッジについて表示パネル(図示せず)にその旨が警告される。
【0012】
各カートリッジについての新しい現在イメージカウント値は、さらに、終了カウント値「0」とも比較され、あるカートリッジについての新しい現在イメージカウント値が「0」に等しいかそれよりも小さければ、そのカートリッジは使用不能にされ、表示パネルに「寿命終了」のメッセージが表示される。制御装置101は、使用済みカートリッジが新品のカートリッジと交換されるまで、プリンタ100のそれ以降の動作を抑制する。
【0013】
図4を参照すると、現在イメージカウント値が「0」に等しいか、それよりも小さくなると、該当するEEPROM110の中に、永久的内部接地回路111ができる、この回路111は事実上、EEPROM110がメモリとして機能できないようにする。
【0014】
このように、下記特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法は、累積計数手段の計数値が予め設定された最大一定限度Yに達したら強制的にコピーを停止してそれ以上コピーを継続できないようにして、限度を超えた使用による画像不良の発生やカートリッジ部品の故障、さらにはそれによって引き起こされるプリンタの故障を防止することができるようになされているものである。
【0015】
しかしながら、この特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法は、外部からのEEPROM110の書き換えを防止するための手段が組み込まれていないため、各カートリッジの寿命を作為的に延長する試みを防止することができないという問題点が存在していた。
【0016】
この問題点を解決するための手段を設けた静電写真式装置に使用するのに適した監視システムが下記特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示されている監視システムは、図4に記載されている回路において、カートリッジのEEPROM110を計数値メモリ122及びフラグメモリ124の少なくとも2種類の独立したメモリを含む(図7参照)ものとなした点に特徴があり、他の構成は実質的に図4に記載のものと同じであるので、その部分についての詳細な説明は省略する。
【0017】
図7を参照すると、前記フラグメモリ124は一連の電子的「フラグ」を含み、これはビットの組126で例示してあり、また、前記計数値メモリ122は何枚の印刷又はコピーを作成したかの動作計数値(前述のように最大計数値Yで始まる)を保持するのに適したものであり、特定のカートリッジに永久的に装着してあるメモリ(EEPROM)110の一部である。通常、計数値メモリ122は最初に、メーカーがそのカートリッジで出力させるように意図したコピー又は印刷の枚数に等しい数で、一般に20,000程度の数の最大計数値Yを読み込む。計数値メモリ122内の積算計数値は新しいカートリッジにおいては意図したコピー枚数で始まり、前述したような方法で最大計数値Yから0に向かって1ずつ減算される。
【0018】
このシステムにおいては、計数値メモリ122内に1枚ずつの計数値を保存するのと同時にフラグメモリ124の動作も制御される。フラグ126はEEPROM内の識別可能なビットの態様をなし、状態1から状態0へ変更することができるが状態0から状態1への変更はできないようになされている。フラグメモリ124の機能は計数値メモリ122内の1枚ずつの計数と一般に一致すべき第2のメモリとして動作する。つまりフラグメモリ124内のフラグ126を用いてEEPROMの付随しているカートリッジの残りの寿命の大まかな指標を提供する。このフラグメモリ124は計数値メモリ122の改変防止として機能する。フラグメモリ124内のフラグ126は計数値メモリ122でできるように上向きに作為的に変更することができないため、フラグメモリ124は計数値メモリ122を改変することによりカートリッジ寿命を作為的に延長する何らかの試みを防止することができ又は計数値メモリ122を上書きするように動作する。
【0019】
この例では、フラグメモリ124は1つのフラグ126が計数値メモリ122からの一定間隔の計数値で状態1から状態0に変化するようになされている。この一定の間隔値は、単純な2の倍数例えば128、256、512、1024などの間隔であり、この間隔値はメモリ110内のPROMなどの「一回だけ書き込みできる」メモリ128に保存して、カートリッジの最大予定寿命に合わせて製造時に調節可能とされる。この間隔は改変防止の範囲を決定するので、できる限り小さくとられる。
【0020】
カートリッジを使用すると計数値メモリ122が印刷ごとに1つずつ減少するので、累積印刷枚数が1,024に達すると、この時点でシステムはフラグメモリ124内の第1の利用可能な状態1のフラグ126を状態0に変更する。このとき、残存寿命は1,024×19すなわち19,456となる。
【0021】
この時点より後で、誰かが計数値メモリ122内の残存寿命をもっと高い値に設定することにより装置を改変しようと試みた場合、システムは計数値メモリ122内の残存計数値をフラグメモリ124内の状態1のフラグの数に等しい値の1,024倍に変更する。例えば、計数値メモリ122内の残存寿命が3,000枚になるまで使用した場合、フラグメモリ124内のフラグ126の暫増的変更のため状態1のままで残っているフラグ数は3である。計数値メモリ122内の残存計数値を20,000に変更して作為的にカートリッジ寿命を増加させようと試みた場合、システムはこの計数値が最大利用可能な寿命を超過していると判断し計数値メモリ122内の計数値を3,072(1,024×3)に復帰させる。
【0022】
すなわち、このシステムにおいては、カートリッジに付随する残存コピー枚数の記号的(symbolic)な値はフラグメモリ124内の残存フラグ数で維持される。フラグメモリ124は改変できないようになっているため、フラグメモリ124は必要であれば計数値メモリ122内の一枚ずつの逆算計数値を上書きするように機能する。
【0023】
このように、下記特許文献2に開示されたシステムにおいては、二重のメモリシステムを使用することにより、電子写真式プリンタに使用する交換可能なカートリッジの計数値メモリ122を改変してカートリッジ寿命を作為的に延長することができないようになされている。
【0024】
【特許文献1】
特開平 2−296259号公報(図4〜6)
【特許文献2】
特開平 6−289763号公報(図1〜図5)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エネルギー消費量削減、環境保全、廃棄物量削減等の観点から、一度使用したものを再生して再使用するようになすことが広い分野で行われるようになってきており、電子写真式プリンタの技術分野においても同様である。電子写真式プリンタにおいては、感光ドラムを交換したり、感光ドラムの駆動手段を交換したり、トナーを補充したりすることにより、各種交換可能なカートリッジを再生することが可能である。この各種カートリッジの再生を該カートリッジの製造業者ないしは正当な再生業者が適正に行うことには何等の問題は生じないが、ユーザーや第3者が勝手に再生できるようでは、その品質保証上好ましくはなく、またコピー枚数に応じた課金システムが正常に機能しなくなるため、ユーザーや第3者が勝手に再生しても再使用できないようになすための手段を講ずる必要がある。
【0025】
本発明は係る課題を解決すべく完成されたものであって、本発明の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタ用の不正監視システムを提供することにある。
【0026】
また、本発明の別の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタにおいて、該カートリッジを製造業者ないしは再生業者が正当に再生した場合に再度前記監視システムを所定の作動状態となすことのできる不正監視システムを提供することにある。
【0027】
また、本発明の更なる別の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタ用の不正監視システムで使用するための記憶素子を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の態様によれば、電子写真式プリンタの交換可能なカートリッジの不正監視システムであって、該カートリッジは、取り外し不可能に取り付けられた少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ及び第2カウンタとからなる記憶素子を有し、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となす、
ことを特徴とする交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システムが提供される。
【0029】
係る態様によれば、第1カウンタの最新累積量が小さい方向、すなわち印刷可能枚数が大きくなる方に作為的に書き換えられた場合には、それ以上印刷することができなくなるので、ユーザー或いは第3者による不正な書換の試みを放棄させる要因となる。
【0030】
係る態様においては、前記演算部は、さらに、前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となすことが好ましい。係る態様によれば、保証された最大印刷量を超えて印刷することができなくなるので、プリント品質の悪化やカートリッジの劣化に伴う他の構成部分に対する損傷を減らすことができるようになる。
【0031】
また、本発明の第2の態様によれば、前記記憶素子はさらにEEPROMからなるAコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリを有し、
前記演算部は、さらに、
(3)前記Aコードメモリに記憶された値に前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(4)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられているホストに送信し、
(5)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶されている値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となされた交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システムが提供される。
【0032】
係る態様においては、前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理が如何なるものであるかがわからない限り、前記記憶素子のBコードメモリに記憶された値と同じ値が得られないので、この暗号化された所定の演算処理がわからないユーザーないし第3者は、たとえ前記カートリッジを適当に再生したとしても、前記記憶素子の第2カウンタに記憶された値を書き換えることができないため、再生前の残存印刷可能量以上に印刷することができなくなるので、不正に再生しようとする試みを放棄させる要因となる。
【0033】
係る態様においては、セキュリティを強化するために、前記演算部が、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えるようになすことが好ましく、また、この別の値としては前記Bコードメモリに記憶された値を使用することができる。
【0034】
また、本発明の第3の態様においては、少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ及び第2カウンタとからなる交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム用の記憶素子であって、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となすようになされている、
ことを特徴とする記憶素子が提供される。
【0035】
係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、第1カウンタの最新累積量が小さい方向、すなわち印刷可能枚数が大きくなる方に作為的に書き換えられた場合には、それ以上印刷することができなくなるので、ユーザー或いは第3者による不正な書換の試みを放棄させる要因となる。
【0036】
また、係る態様においては、前記演算部は、さらに前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となすようになされている事が好ましい。係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、保証された最大印刷量を超えて印刷することができなくなるので、プリント品質の悪化やカートリッジの劣化に伴う他の構成部分に対する損傷を減らすことができるようになる。
【0037】
また、本発明の第4の態様においては、前記記憶素子はさらにEEPROMからなるAコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリを有し、
前記演算部は、さらに、
(1)前記Aコードメモリに記憶された値に暗号化された一定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(2)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられるホストに送信し、
(3)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶された値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となされている記憶素子が提供される。
【0038】
係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理が如何なるものであるかがわからない限り、前記記憶素子のBコードメモリに記憶された値と同じ値が得られないので、この暗号化された所定の演算処理がわからないユーザーないし第3者は、たとえ前記カートリッジを適当に再生したとしても、前記記憶素子の第2カウンタに記憶された値を書き換えることができないため、再生前の残存印刷可能量以上に印刷することができなくなるので、不正に再生しようとする試みを放棄させる要因となる。
【0039】
係る態様においては、セキュリティを強化するために、前記演算部が、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えるようになすことが好ましく、また、この別の値としては前記Bコードメモリに記憶された値を使用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明におけるカートリッジと複写機ないしは専用書換装置からなるホストを含むブロック線図であり、図2及び図3は本発明のシステムの動作を説明するフローチャートである。
【0041】
図1において、本発明の電子写真式プリンタ用の不正監視システム10は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジ20と、電子写真式プリンタ又は専用書換装置からなるホスト機器30とからなる。このうち各カートリッジ20には、制御用のCPUからなる演算部22、EEPROM(電気的に書き換えプログラム可能な読み取り専用メモリ)形式のメモリ23、オペレーティングシステムのソフトウェア、プログラミングデータ等を保存するのに適したRAM24及びROM25とからなる記憶素子21がカートリッジ20に一体に組み込まれている。
【0042】
この記憶素子21は、RAM、ROM、EEPROMを内蔵する一般的なワンチップ型マイクロコントローラで構成することができ、このうちEEPROM23は、少なくとも第1カウンタ26、第2カウンタ27、Aコードメモリ28及びBコードメモリ29からなり、第1カウンタ26及びAコードメモリ28は外部からアクセスできるようになされていてもよいが、少なくとも第2カウンタ27は専用書換装置からのみアクセス可能とされ、また、Bコードメモリ29は一切外部からアクセスできないようになされている。また、EEPROM23には工場から出荷前に事前に各カートリッジ20の形式に対応した最大累積印刷枚数を表す最大カウント値Ymaxが記憶されているとともに、第1カウンタのカウント値Y1及び第2カウンタのカウント値Y2には初期値Y0=0が記憶されている。
【0043】
カウント方式は、印刷がなされると、第1カウンタ26のカウント値Y1を増やして、現在のカウント値Y1を得る増分方式である。この場合、印刷する用紙の大きさやトナーの消費量の推定値(画像信号のカウント値から推定される)等に関わらず1枚印刷されるごとにY1を1つ増やしてもよいし、或いは印刷する用紙の大きさやトナーの消費量の推定値に応じてY1から増加させる値を変えるようにしてもよい。その結果、現在のカウント値Y1がEEPROM23に記憶されている最大印刷量を表す最大カウント値Ymaxに達するか又はYmaxを超えるとそのカートリッジは使用不能にされる。また、カートリッジの寿命が終りに近づいたときにオペレータに警告するため、数百〜数千の範囲内で選択される警告カウント値XをEEPROM23に与えておいてもよい。その場合、プリンタの動作を継続するためには、警告カウント値Xに達してから第1カウンタ26のカウント値Y1がYmaxに達するまでの間にカートリッジを交換しなくてはならない。なお、本発明では、正常に印刷される毎に第1のカウンタ26のカウント値Y1が第2のカウンタ27のカウント値Y2として記憶されるようになっている。
【0044】
また、EEPROM23のAコードメモリ28には、工場等で出荷前に予め所定の暗号計算の元となるデータDaが記憶されているとともに、CPU22によりこのデータDaに対して予めEEPROM23に記憶されている暗号化された所定の演算方法に従って演算処理を行い、得られたデータDbがBコードメモリ29に記憶されるようになっている。
【0045】
ホスト機器30は、電子写真式プリンタ又は専用書換装置からなり、それぞれ制御機器35(電子写真式プリンタ)又は35’(専用書換装置)を内蔵しており、この制御機器35又は35’を介して各カートリッジ側の記憶素子21との間で通信を行うようになされている。この通信方式はシリアル通信方式を用いることができるが、これに限られるものではなく、他の方式のものも使用し得る。ホスト機器30は、それが電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるかに応じて、制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の接続方式を異なるものとするか、或いは制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の通信手順を変える(例えば、暗号通信の有無等)ことにより、カートリッジ20側でホストの種別を判別することができるようになされている。
【0046】
以下、図1に示されている本発明のシステムの動作を、
(1)カートリッジが工場から出荷された状態のとき
(2)カートリッジが再生された状態のとき
に分けて、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の通信手順に暗号通信を用いることにより、ホスト30が電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるかを区別するものについて説明するが、本発明をこの形式のものに限定することを意図するものではない。
【0047】
(1)カートリッジが工場から出荷された状態のとき
まず、カートリッジ20をホスト機器30に接続すると、カートリッジは次の手順によりホスト機器30がプリンタであるか或いは専用書換装置であるかを判別する。すなわち、ステップS1でAコードメモリ28から予め工場等で出荷前に記憶された所定の暗号計算の元となるデータDaを読み出し、ステップS2においてCPU22によりデータDaに対して予めROM25に記憶されている所定の計算方法にしたがって演算処理を行い、ステップS3において得られたデータDbをBコードメモリ29に記憶する。
【0048】
次いで、ステップS4においてホスト30の接続相手からの通信を確認した後、ステップS5においてAコード送信要求信号の有無を判定する。この例では、専用書換装置の制御装置35’からのみAコード送信要求信号が発され、電子写真式プリンタの制御装置35からはこのような信号は発しないようになされているので、このAコード送信要求信号の有無によりホスト30が電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるのかを確認することができる。
【0049】
ステップS5においてAコード送信要求信号が発されていないと判定された場合は、ホスト30は電子写真式プリンタであるので、以下ステップS6に進み、ここで第1のカウンタ26に記憶されているカウント値Y1と第2のカウンタ27に記憶されているカウント値Y2とを比較する。本発明では、工場から出荷された当初の第1のカウンタに記憶されているカウント値Y1及び第2のカウンタに記憶されているカウント値Y2はともに「0」に等しく、また、正常にイメージが作成される毎に第1のカウンタ26のカウント値Y1が第2のカウンタ27のカウント値Y2として記憶されるようになっており、さらに第2のカウンタには外部から直接アクセスすることはできないようになっているから、外部から作為的にカウンタ26のカウント値Y1が書き換えられない限り、Y1≧Y2が成り立つ。したがって、ステップS6では、Y1<Y2であれば外部から作為的に第1のカウンタ26のカウント値Y1が書き換えられたか或いは故障であるとして、以下、表示パネル(図示せず)にその旨を表示してそのカートリッジを使用した印刷をできなくする。
【0050】
また、ステップS6でY1≧Y2であることが確認された場合は、そのカートリッジは正常であるので、以下、ステップS14に飛んでホストからの通信を受信し、ステップS15で第2のカウンタ27の書換要求があるか否かを判別する。第2のカウンタのカウント値Y2を書換要求するホスト30は専用書換装置のみであり、ホスト30が電子写真式プリンタであれば直接第2のカウンタのカウント値Y2を書き換えることはないため、ステップS15で「No」と判定された場合は、ステップS16に飛んで正常に印刷されたか否かの判別を行う。正常に印刷されなかった場合はそのままステップS14に戻ってホスト30から次の通信を受け取るまで待機状態に入る。正常に印刷された場合は、ステップS17において第1のカウンタ26に記憶されていたカウント値Y1の値を増加させて新しいカウント値Y1として第1のカウンタ26に記憶し、次いで、ステップS18において、第1のカウンタ26のカウント値Y1と第2のカウンタ27のカウント値Y2を比較し、白紙印刷の場合も考慮すると少なくともY1≧Y2であれば、プリント前はY1=Y2であったから、何も異常は無いことが確認されたことになるので、ステップS19において第1のカウンタ26のカウント値Y1を第2のカウンタ27の新しいカウント値Y2として記憶して、ステップS14に戻り、ホスト30から次の通信を受け取るまで待機状態に入る。
【0051】
印刷が正常に行われている間は、このステップS14〜S19を順次繰返し、現在のカウント値Y1が警告カウント値Xに達するかXを超えると図示しないサブルーチンにより表示パネル(図示せず)にカートリッジの寿命が終りに近づいた旨を表示し、さらに現在のカウント値Y1がYmaxに達するかYmaxを超えるとそのカートリッジは使用不能にされる。また、新しい正規のカートリッジが電子写真式プリンタに組み込まれると上記ステップが最初から繰り返されて、正常に印刷ができるようになる。
【0052】
一方、ステップS18でY1<Y2と判定された場合は、ステップS6の場合と同様に、何等かの作為的な不正行為があったか或いは異常状態が生じていることになるので、表示パネルにその旨を表示して印刷を停止する。
【0053】
(2)カートリッジが再生された状態のとき
上述の印刷の際のステップによれば、カートリッジの感光体の交換、駆動手段の交換、トナーの補給等により再生されても、カートリッジに一体に組み込まれている記憶素子21の第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2カウンタのカウント値Y2は再生前の値であるから、このままでは再生前のカウント値Y1値がYmaxになるまでしかプリントすることができない。したがって、単にカートリッジを物理的に再生するのみでは第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2カウンタ27のカウント値Y2はともに工場から集荷された状態のカウント値「0」よりも大きいため、ユーザー或いは第3者にとっては、不正にカートリッジを再生しても無駄になるので、不正なカートリッジ再生の努力を放棄させる要因となり得る。
【0054】
しかしながら、カートリッジの製造業者或いは再生業者がカートリッジを正当に再生した場合には、カートリッジに一定に組み込まれている記憶素子21の状態、少なくとも第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2のカウンタ27のカウント値Y2を工場から集荷された状態の初期値Y0=0又はそれに近い状態に変更する必要があるが、他方ではユーザー或いは第3者がそのカウント値Y1及びY2を変更できないようにする必要がある。そこで、専用書換装置を用いて製造業者或いは再生業者のみが、カートリッジを再生した後、電子写真式プリンタに取り付ける前に、このカートリッジに一定に組み込まれている記憶素子21の状態を変更することができるようにしなければならない。
【0055】
本発明で使用する専用書換装置は次のようなステップで作動する。まず、カートリッジをホスト30としての専用書換装置に取り付ける。このとき、ステップS1〜S4までは、上述したカートリッジが工場から出荷された状態で電子写真式プリンタに接続された場合と同様である。ステップS5において、ホスト30が専用書換装置であるからAコード送信要求信号が発されているので、以下ステップS7に進み、カートリッジ20のAコードメモリ28に記憶されていたデータDaを専用書換装置の制御装置35’に送信する。次いでステップS8において、制御装置35’は、受信したデータDaを基に制御装置35’内に記憶されている演算方法に従ってBコードに対応するデータDb’を計算し、得られたデータDb’をカートリッジ20に送信する。
【0056】
その後、ステップS9においてCPU22は制御装置35’から受信したデータDb’を受信し、ステップS10においてこの受信したデータDb’とEEPROM23のBコードメモリ29に記憶されていたデータDbとを比較する。カートリッジ20のEEPROM23に記憶されている所定の計算方法が外部からはわからないために、ホスト30が正規の専用書換装置でない場合は、その制御装置35’は正しいBコードに対応するデータDb’を導き出すことができないので、受信したデータDb’とEEPROM23のBコードメモリ29に記憶されていたデータDbとは一致することがないことになる。
【0057】
したがって、ステップS10で「No」と判定された場合は、ホスト30が正規の専用書換装置ではないとしてホスト30からの信号を受け付けないようにするとともに、Aコードメモリ28に記憶されていたAコードに対応するデータDaを更新するために、Bコードメモリ29に記憶されていたデータDbを新しいAコードとしてAコードメモリ28に記憶して、動作を終了させる。
【0058】
また、ステップS10で「Yes」と判定された場合は、ホスト30は正規の専用書換装置であるので、「No」と判定された場合と同様に、ステップS11で、Aコードメモリ28に記憶されていたAコードに対応するデータDaを更新するために、Bコードメモリ29に記憶されていたBコードに対応するデータDbを新しいAコードに対応するデータDaとしてAコードメモリ28に記憶し、さらに、ステップS12においてホスト30が専用書換装置であることを示す「専用書換装置フラグ」を立て、ステップS14に飛ぶ。
【0059】
ステップS14では、さらにホスト30からの通信を受信し続け、ステップS15で第2のカウンタ27の書換要求があるか否かを判別する。ホスト30が専用書換装置であれば第2のカウンタの書換要求信号を出しているので、ステップS20で専用書換フラグが立っているかいないかを判別する。ここで「No」と判別された場合は、既にステップS12で専用書換フラグが立てられているはずであるから、外部から作為的に書き換えしようとしているのか或いは何等かの故障が生じたものであるので、その旨を表示パネルに表示して動作を終了する。
【0060】
ステップS20で「Yes」と判別された場合は、ホスト30は正規の専用書換装置であるので、ホスト30の制御装置35’から第2カウンタの初期カウント値「0」を受信し、ステップS22において第1カウンタ26及び第2カウンタ27に受信した初期値Y0=0を記憶して、第1カウンタを初期化してカートリッジ20を使用できるようにする。なお、この初期値Y0は再生部品以外の再使用された部品の寿命を考慮の上で「0」よりも大きい保証できる数値範囲内で適宜選択することができる。このようにして再生されたカートリッジは、静電式プリンタに取り付けると再度図2及び図3に示されたフローチャートのとおりの処理が進行し、所定数の印刷が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、製造業者又は正規の再生業者が適性にカートリッジを再生した場合には、その再生されたカートリッジを所定の保証寿命の範囲で再使用することができるようになるが、ユーザーや第3者が不正にカートリッジを再生しても、再生前の残存寿命の範囲内でしか使用できなくなるので、製造業者及び正規の再生業者は再生カートリッジに対する信頼性を十分に付与することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカートリッジと複写機ないしは専用書換装置からなるホストを含むシステムのブロック線図である。
【図2】本発明のシステムの動作を表すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに引き続く本発明の動作を表すフローチャートである。
【図4】特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視補償方法における回路図である。
【図5】図4の回路において、プリンタを使用可能にする前のプリンタ初期化サイクルを説明するフローチャートである。
【図6】図4の回路において、イメージカウントサイクルとカートリッジカウント更新サイクルを説明するフローチャートである。
【図7】特許文献2に開示されている静電写真式装置に使用するのに適した監視システムにおけるカートリッジのEEPROMを説明する図である。
【符号の説明】
10 本発明におけるカートリッジとホストを含むシステム
20 カートリッジ
21 記憶素子
22 CPU
23 EEPROM
24 RAM
25 ROM
26 第1カウンタ
27 第2カウンタ
28 Aコードメモリ
29 Bコードメモリ
30 ホスト
35、35’ 制御装置
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真式プリンタに使用する交換可能なカートリッジの不正監視システム及びそれに使用する記憶素子に関し、より詳細には、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタの監視システムにおいて、該カートリッジを製造業者ないしは再生業者が正当に再生した場合に再度前記監視システムを所望の作動状態となすことのできる不正監視システム及びそれに使用する記憶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真式プリンタは、複写機、ファクシミリ、PC用プリンタ等に広く用いられている。この電子写真式プリンタには、1個又はそれ以上のカートリッジが使用されており、通常カートリッジ内に感光体及び必要な駆動手段等を一体化した感光体カートリッジ、現像カートリッジ、トナーカートリッジ、その他の交換可能なカートリッジがプリンタ内に挿入/取出し可能に設置されている。
【0003】
これらのカートリッジには、コピー枚数に応じた課金システムのためや一定の品質保証のため、コピー枚数の累積計数手段が設けられているものがあり、通常、この累積計数手段の計数値が一定限度に達したら強制的にコピーを停止し、限度を超えた使用による画像欠陥の発生やカートリッジ部品の故障、さらにはそれによって引き起こされるプリンタの故障を防止するようになされている。
【0004】
このような技術の一例として、下記特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法の具体例を図4〜6を用いて説明する。図4は、前記静電写真式複製装置のプリンタの制御装置の細部とゼログラフィーカートリッジ、現像カートリッジ及びトナーカートリッジのEEPROM(電気的に書き換えプログラム可能な読み取り専用メモリ)との接続を示す回路図であり、図5は、プリンタを使用可能にする前に、カートリッジの識別とイメージカウントを検査するためのプリンタ初期化サイクルを説明するフローチャートであり、また、図6は、イメージカウントサイクルとカートリッジカウント更新サイクルを説明するフローチャートである。
【0005】
図4において、プリンタ100は、交換可能なゼログラフィーカートリッジ112と、現像カートリッジ114と、トナーカートリッジ116を使用するレーザープリンタであり、各カートリッジは所定数のプリントすなわちコピー形式のイメージを作成できるように設計されている。
【0006】
各カートリッジ112、114、116にはEEPROM110形式の認識/メモリチップが一体構造に設けられており、各カートリッジがプリンタ100に挿入されるとプリンタ100の制御装置101と電気的に接続されるようになされている。この制御装置101は、少なくともマイクロプロセッサ102と、オペレーティングシステムのソフトウェア、プログラミングデータ等を保存するのに適したROM103及びRAM104とを備えている。各カートリッジ112、114、116のEEPROM110は、各カートリッジの残りのイメージ数のカウント値を記憶するアドレス可能メモリを備えている。前記カウント値は、各印刷の実行の終りに、制御装置101によってそれぞれのEEPROMに記憶される。
【0007】
各カートリッジで作成可能な最大イメージ数を表す最大カウント値Yが事前にプログラムされている。カウント方式は、イメージが作成されると、EEPROM110内のカウント値Yを減分して、現在のイメージカウント値を得る減分方式である。現在イメージカウント値Yが終了カウント値(この例では「0」)に達すると、カートリッジは使用不能にされる。また、カートリッジの寿命が終りに近づいたときオペレータに警告するため、カートリッジの残りのイメージが所定数であることを表す警告イメージカウントXがEEPROM110に与えられている。一般に、警告イメージカウント値Xに達してから数百から数千のイメージを作成することができるので、プリンタの動作を継続するためには、その間にカートリッジを交換しなくてはならない。
【0008】
最大イメージカウント値Y及び警告イメージカウント値Xは、一般に、工場でEEPROM110に事前にプログラムされる。さらに、許可されたEEPROM110のみが確実に使用されるように、識別番号が各カートリッジ112、114、116のEEPROMに事前にプログラムされ、記憶される。
【0009】
この図4の制御装置101の動作を図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。プリンタ100を電源に接続すると、初期化ルーチンが始まり、カートリッジ112、114、116の識別番号が読み取られ、ROM103に記憶された対応する識別番号と比較される。正しいカートリッジが挿入された場合、まず図5のフローチャートにしたがってカートリッジがその寿命の終りに達したかどうかの検査が行われる。このため、各EEPROM110に記憶された現在のイメージカウント値が読み出され、終了カウント値と比較される。EEPROMの現在のイメージカウント値が「0」に等しいか、又はそれ以下であれば、カートリッジは使い果たされており、寿命終了と判断され、そのカートリッジが交換されるまで、プリンタ100の動作は抑止される。EEPROMの現在のイメージカウント値が「0」よりも大きい場合は、各カートリッジは寿命の終りに達していないとして、プリンタはプリント可能状態となって、待機状態にはいる。
【0010】
印刷要求があると、プリンタ100は動作し、図6に示すように、制御装置101はプリントが正常になされるごとにシートセンサ105からの信号によりカウントし、印刷が終了したら、プリンタ100は停止し、印刷実行中に作成されたイメージの総数すなわちイメージ実行カウント値がRAM104に一時的に記憶される。制御装置101は、各カートリッジ112、114、116のEEPROM110から現在のイメージカウント値を取出し、RAM104からのイメージ実行カウント値を使用して、各EEPROM110について、カートリッジの残りのイメージ値を表す新しいイメージカウント値を計算し、次に、各EEPROM110に新しい現在のイメージカウント値を書き込む。
【0011】
新しい現在のイメージカウント値をEEPROM110へ戻す前に、制御装置101は各新しい現在イメージカウント値と各カートリッジ112、114、116のEEPROM110に記憶されている警告イメージカウント値Xとを比較する。新しい現在イメージカウント値が警告イメージカウント値Xに等しいか、それより小さければ、該当するカートリッジについて表示パネル(図示せず)にその旨が警告される。
【0012】
各カートリッジについての新しい現在イメージカウント値は、さらに、終了カウント値「0」とも比較され、あるカートリッジについての新しい現在イメージカウント値が「0」に等しいかそれよりも小さければ、そのカートリッジは使用不能にされ、表示パネルに「寿命終了」のメッセージが表示される。制御装置101は、使用済みカートリッジが新品のカートリッジと交換されるまで、プリンタ100のそれ以降の動作を抑制する。
【0013】
図4を参照すると、現在イメージカウント値が「0」に等しいか、それよりも小さくなると、該当するEEPROM110の中に、永久的内部接地回路111ができる、この回路111は事実上、EEPROM110がメモリとして機能できないようにする。
【0014】
このように、下記特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法は、累積計数手段の計数値が予め設定された最大一定限度Yに達したら強制的にコピーを停止してそれ以上コピーを継続できないようにして、限度を超えた使用による画像不良の発生やカートリッジ部品の故障、さらにはそれによって引き起こされるプリンタの故障を防止することができるようになされているものである。
【0015】
しかしながら、この特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視保証方法は、外部からのEEPROM110の書き換えを防止するための手段が組み込まれていないため、各カートリッジの寿命を作為的に延長する試みを防止することができないという問題点が存在していた。
【0016】
この問題点を解決するための手段を設けた静電写真式装置に使用するのに適した監視システムが下記特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示されている監視システムは、図4に記載されている回路において、カートリッジのEEPROM110を計数値メモリ122及びフラグメモリ124の少なくとも2種類の独立したメモリを含む(図7参照)ものとなした点に特徴があり、他の構成は実質的に図4に記載のものと同じであるので、その部分についての詳細な説明は省略する。
【0017】
図7を参照すると、前記フラグメモリ124は一連の電子的「フラグ」を含み、これはビットの組126で例示してあり、また、前記計数値メモリ122は何枚の印刷又はコピーを作成したかの動作計数値(前述のように最大計数値Yで始まる)を保持するのに適したものであり、特定のカートリッジに永久的に装着してあるメモリ(EEPROM)110の一部である。通常、計数値メモリ122は最初に、メーカーがそのカートリッジで出力させるように意図したコピー又は印刷の枚数に等しい数で、一般に20,000程度の数の最大計数値Yを読み込む。計数値メモリ122内の積算計数値は新しいカートリッジにおいては意図したコピー枚数で始まり、前述したような方法で最大計数値Yから0に向かって1ずつ減算される。
【0018】
このシステムにおいては、計数値メモリ122内に1枚ずつの計数値を保存するのと同時にフラグメモリ124の動作も制御される。フラグ126はEEPROM内の識別可能なビットの態様をなし、状態1から状態0へ変更することができるが状態0から状態1への変更はできないようになされている。フラグメモリ124の機能は計数値メモリ122内の1枚ずつの計数と一般に一致すべき第2のメモリとして動作する。つまりフラグメモリ124内のフラグ126を用いてEEPROMの付随しているカートリッジの残りの寿命の大まかな指標を提供する。このフラグメモリ124は計数値メモリ122の改変防止として機能する。フラグメモリ124内のフラグ126は計数値メモリ122でできるように上向きに作為的に変更することができないため、フラグメモリ124は計数値メモリ122を改変することによりカートリッジ寿命を作為的に延長する何らかの試みを防止することができ又は計数値メモリ122を上書きするように動作する。
【0019】
この例では、フラグメモリ124は1つのフラグ126が計数値メモリ122からの一定間隔の計数値で状態1から状態0に変化するようになされている。この一定の間隔値は、単純な2の倍数例えば128、256、512、1024などの間隔であり、この間隔値はメモリ110内のPROMなどの「一回だけ書き込みできる」メモリ128に保存して、カートリッジの最大予定寿命に合わせて製造時に調節可能とされる。この間隔は改変防止の範囲を決定するので、できる限り小さくとられる。
【0020】
カートリッジを使用すると計数値メモリ122が印刷ごとに1つずつ減少するので、累積印刷枚数が1,024に達すると、この時点でシステムはフラグメモリ124内の第1の利用可能な状態1のフラグ126を状態0に変更する。このとき、残存寿命は1,024×19すなわち19,456となる。
【0021】
この時点より後で、誰かが計数値メモリ122内の残存寿命をもっと高い値に設定することにより装置を改変しようと試みた場合、システムは計数値メモリ122内の残存計数値をフラグメモリ124内の状態1のフラグの数に等しい値の1,024倍に変更する。例えば、計数値メモリ122内の残存寿命が3,000枚になるまで使用した場合、フラグメモリ124内のフラグ126の暫増的変更のため状態1のままで残っているフラグ数は3である。計数値メモリ122内の残存計数値を20,000に変更して作為的にカートリッジ寿命を増加させようと試みた場合、システムはこの計数値が最大利用可能な寿命を超過していると判断し計数値メモリ122内の計数値を3,072(1,024×3)に復帰させる。
【0022】
すなわち、このシステムにおいては、カートリッジに付随する残存コピー枚数の記号的(symbolic)な値はフラグメモリ124内の残存フラグ数で維持される。フラグメモリ124は改変できないようになっているため、フラグメモリ124は必要であれば計数値メモリ122内の一枚ずつの逆算計数値を上書きするように機能する。
【0023】
このように、下記特許文献2に開示されたシステムにおいては、二重のメモリシステムを使用することにより、電子写真式プリンタに使用する交換可能なカートリッジの計数値メモリ122を改変してカートリッジ寿命を作為的に延長することができないようになされている。
【0024】
【特許文献1】
特開平 2−296259号公報(図4〜6)
【特許文献2】
特開平 6−289763号公報(図1〜図5)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エネルギー消費量削減、環境保全、廃棄物量削減等の観点から、一度使用したものを再生して再使用するようになすことが広い分野で行われるようになってきており、電子写真式プリンタの技術分野においても同様である。電子写真式プリンタにおいては、感光ドラムを交換したり、感光ドラムの駆動手段を交換したり、トナーを補充したりすることにより、各種交換可能なカートリッジを再生することが可能である。この各種カートリッジの再生を該カートリッジの製造業者ないしは正当な再生業者が適正に行うことには何等の問題は生じないが、ユーザーや第3者が勝手に再生できるようでは、その品質保証上好ましくはなく、またコピー枚数に応じた課金システムが正常に機能しなくなるため、ユーザーや第3者が勝手に再生しても再使用できないようになすための手段を講ずる必要がある。
【0025】
本発明は係る課題を解決すべく完成されたものであって、本発明の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタ用の不正監視システムを提供することにある。
【0026】
また、本発明の別の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタにおいて、該カートリッジを製造業者ないしは再生業者が正当に再生した場合に再度前記監視システムを所定の作動状態となすことのできる不正監視システムを提供することにある。
【0027】
また、本発明の更なる別の目的は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジを使用する電子写真式プリンタ用の不正監視システムで使用するための記憶素子を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の態様によれば、電子写真式プリンタの交換可能なカートリッジの不正監視システムであって、該カートリッジは、取り外し不可能に取り付けられた少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ及び第2カウンタとからなる記憶素子を有し、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となす、
ことを特徴とする交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システムが提供される。
【0029】
係る態様によれば、第1カウンタの最新累積量が小さい方向、すなわち印刷可能枚数が大きくなる方に作為的に書き換えられた場合には、それ以上印刷することができなくなるので、ユーザー或いは第3者による不正な書換の試みを放棄させる要因となる。
【0030】
係る態様においては、前記演算部は、さらに、前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となすことが好ましい。係る態様によれば、保証された最大印刷量を超えて印刷することができなくなるので、プリント品質の悪化やカートリッジの劣化に伴う他の構成部分に対する損傷を減らすことができるようになる。
【0031】
また、本発明の第2の態様によれば、前記記憶素子はさらにEEPROMからなるAコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリを有し、
前記演算部は、さらに、
(3)前記Aコードメモリに記憶された値に前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(4)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられているホストに送信し、
(5)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶されている値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となされた交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システムが提供される。
【0032】
係る態様においては、前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理が如何なるものであるかがわからない限り、前記記憶素子のBコードメモリに記憶された値と同じ値が得られないので、この暗号化された所定の演算処理がわからないユーザーないし第3者は、たとえ前記カートリッジを適当に再生したとしても、前記記憶素子の第2カウンタに記憶された値を書き換えることができないため、再生前の残存印刷可能量以上に印刷することができなくなるので、不正に再生しようとする試みを放棄させる要因となる。
【0033】
係る態様においては、セキュリティを強化するために、前記演算部が、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えるようになすことが好ましく、また、この別の値としては前記Bコードメモリに記憶された値を使用することができる。
【0034】
また、本発明の第3の態様においては、少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ及び第2カウンタとからなる交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム用の記憶素子であって、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となすようになされている、
ことを特徴とする記憶素子が提供される。
【0035】
係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、第1カウンタの最新累積量が小さい方向、すなわち印刷可能枚数が大きくなる方に作為的に書き換えられた場合には、それ以上印刷することができなくなるので、ユーザー或いは第3者による不正な書換の試みを放棄させる要因となる。
【0036】
また、係る態様においては、前記演算部は、さらに前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となすようになされている事が好ましい。係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、保証された最大印刷量を超えて印刷することができなくなるので、プリント品質の悪化やカートリッジの劣化に伴う他の構成部分に対する損傷を減らすことができるようになる。
【0037】
また、本発明の第4の態様においては、前記記憶素子はさらにEEPROMからなるAコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリを有し、
前記演算部は、さらに、
(1)前記Aコードメモリに記憶された値に暗号化された一定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(2)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられるホストに送信し、
(3)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶された値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となされている記憶素子が提供される。
【0038】
係る記憶素子を交換可能な電子写真式プリンタ用のカートリッジに一体に組み込めば、前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理が如何なるものであるかがわからない限り、前記記憶素子のBコードメモリに記憶された値と同じ値が得られないので、この暗号化された所定の演算処理がわからないユーザーないし第3者は、たとえ前記カートリッジを適当に再生したとしても、前記記憶素子の第2カウンタに記憶された値を書き換えることができないため、再生前の残存印刷可能量以上に印刷することができなくなるので、不正に再生しようとする試みを放棄させる要因となる。
【0039】
係る態様においては、セキュリティを強化するために、前記演算部が、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えるようになすことが好ましく、また、この別の値としては前記Bコードメモリに記憶された値を使用することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明におけるカートリッジと複写機ないしは専用書換装置からなるホストを含むブロック線図であり、図2及び図3は本発明のシステムの動作を説明するフローチャートである。
【0041】
図1において、本発明の電子写真式プリンタ用の不正監視システム10は、1個又はそれ以上の交換可能なカートリッジ20と、電子写真式プリンタ又は専用書換装置からなるホスト機器30とからなる。このうち各カートリッジ20には、制御用のCPUからなる演算部22、EEPROM(電気的に書き換えプログラム可能な読み取り専用メモリ)形式のメモリ23、オペレーティングシステムのソフトウェア、プログラミングデータ等を保存するのに適したRAM24及びROM25とからなる記憶素子21がカートリッジ20に一体に組み込まれている。
【0042】
この記憶素子21は、RAM、ROM、EEPROMを内蔵する一般的なワンチップ型マイクロコントローラで構成することができ、このうちEEPROM23は、少なくとも第1カウンタ26、第2カウンタ27、Aコードメモリ28及びBコードメモリ29からなり、第1カウンタ26及びAコードメモリ28は外部からアクセスできるようになされていてもよいが、少なくとも第2カウンタ27は専用書換装置からのみアクセス可能とされ、また、Bコードメモリ29は一切外部からアクセスできないようになされている。また、EEPROM23には工場から出荷前に事前に各カートリッジ20の形式に対応した最大累積印刷枚数を表す最大カウント値Ymaxが記憶されているとともに、第1カウンタのカウント値Y1及び第2カウンタのカウント値Y2には初期値Y0=0が記憶されている。
【0043】
カウント方式は、印刷がなされると、第1カウンタ26のカウント値Y1を増やして、現在のカウント値Y1を得る増分方式である。この場合、印刷する用紙の大きさやトナーの消費量の推定値(画像信号のカウント値から推定される)等に関わらず1枚印刷されるごとにY1を1つ増やしてもよいし、或いは印刷する用紙の大きさやトナーの消費量の推定値に応じてY1から増加させる値を変えるようにしてもよい。その結果、現在のカウント値Y1がEEPROM23に記憶されている最大印刷量を表す最大カウント値Ymaxに達するか又はYmaxを超えるとそのカートリッジは使用不能にされる。また、カートリッジの寿命が終りに近づいたときにオペレータに警告するため、数百〜数千の範囲内で選択される警告カウント値XをEEPROM23に与えておいてもよい。その場合、プリンタの動作を継続するためには、警告カウント値Xに達してから第1カウンタ26のカウント値Y1がYmaxに達するまでの間にカートリッジを交換しなくてはならない。なお、本発明では、正常に印刷される毎に第1のカウンタ26のカウント値Y1が第2のカウンタ27のカウント値Y2として記憶されるようになっている。
【0044】
また、EEPROM23のAコードメモリ28には、工場等で出荷前に予め所定の暗号計算の元となるデータDaが記憶されているとともに、CPU22によりこのデータDaに対して予めEEPROM23に記憶されている暗号化された所定の演算方法に従って演算処理を行い、得られたデータDbがBコードメモリ29に記憶されるようになっている。
【0045】
ホスト機器30は、電子写真式プリンタ又は専用書換装置からなり、それぞれ制御機器35(電子写真式プリンタ)又は35’(専用書換装置)を内蔵しており、この制御機器35又は35’を介して各カートリッジ側の記憶素子21との間で通信を行うようになされている。この通信方式はシリアル通信方式を用いることができるが、これに限られるものではなく、他の方式のものも使用し得る。ホスト機器30は、それが電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるかに応じて、制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の接続方式を異なるものとするか、或いは制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の通信手順を変える(例えば、暗号通信の有無等)ことにより、カートリッジ20側でホストの種別を判別することができるようになされている。
【0046】
以下、図1に示されている本発明のシステムの動作を、
(1)カートリッジが工場から出荷された状態のとき
(2)カートリッジが再生された状態のとき
に分けて、図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは制御機器35又は35’とカートリッジ20との間の通信手順に暗号通信を用いることにより、ホスト30が電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるかを区別するものについて説明するが、本発明をこの形式のものに限定することを意図するものではない。
【0047】
(1)カートリッジが工場から出荷された状態のとき
まず、カートリッジ20をホスト機器30に接続すると、カートリッジは次の手順によりホスト機器30がプリンタであるか或いは専用書換装置であるかを判別する。すなわち、ステップS1でAコードメモリ28から予め工場等で出荷前に記憶された所定の暗号計算の元となるデータDaを読み出し、ステップS2においてCPU22によりデータDaに対して予めROM25に記憶されている所定の計算方法にしたがって演算処理を行い、ステップS3において得られたデータDbをBコードメモリ29に記憶する。
【0048】
次いで、ステップS4においてホスト30の接続相手からの通信を確認した後、ステップS5においてAコード送信要求信号の有無を判定する。この例では、専用書換装置の制御装置35’からのみAコード送信要求信号が発され、電子写真式プリンタの制御装置35からはこのような信号は発しないようになされているので、このAコード送信要求信号の有無によりホスト30が電子写真式プリンタであるか或いは専用書換装置であるのかを確認することができる。
【0049】
ステップS5においてAコード送信要求信号が発されていないと判定された場合は、ホスト30は電子写真式プリンタであるので、以下ステップS6に進み、ここで第1のカウンタ26に記憶されているカウント値Y1と第2のカウンタ27に記憶されているカウント値Y2とを比較する。本発明では、工場から出荷された当初の第1のカウンタに記憶されているカウント値Y1及び第2のカウンタに記憶されているカウント値Y2はともに「0」に等しく、また、正常にイメージが作成される毎に第1のカウンタ26のカウント値Y1が第2のカウンタ27のカウント値Y2として記憶されるようになっており、さらに第2のカウンタには外部から直接アクセスすることはできないようになっているから、外部から作為的にカウンタ26のカウント値Y1が書き換えられない限り、Y1≧Y2が成り立つ。したがって、ステップS6では、Y1<Y2であれば外部から作為的に第1のカウンタ26のカウント値Y1が書き換えられたか或いは故障であるとして、以下、表示パネル(図示せず)にその旨を表示してそのカートリッジを使用した印刷をできなくする。
【0050】
また、ステップS6でY1≧Y2であることが確認された場合は、そのカートリッジは正常であるので、以下、ステップS14に飛んでホストからの通信を受信し、ステップS15で第2のカウンタ27の書換要求があるか否かを判別する。第2のカウンタのカウント値Y2を書換要求するホスト30は専用書換装置のみであり、ホスト30が電子写真式プリンタであれば直接第2のカウンタのカウント値Y2を書き換えることはないため、ステップS15で「No」と判定された場合は、ステップS16に飛んで正常に印刷されたか否かの判別を行う。正常に印刷されなかった場合はそのままステップS14に戻ってホスト30から次の通信を受け取るまで待機状態に入る。正常に印刷された場合は、ステップS17において第1のカウンタ26に記憶されていたカウント値Y1の値を増加させて新しいカウント値Y1として第1のカウンタ26に記憶し、次いで、ステップS18において、第1のカウンタ26のカウント値Y1と第2のカウンタ27のカウント値Y2を比較し、白紙印刷の場合も考慮すると少なくともY1≧Y2であれば、プリント前はY1=Y2であったから、何も異常は無いことが確認されたことになるので、ステップS19において第1のカウンタ26のカウント値Y1を第2のカウンタ27の新しいカウント値Y2として記憶して、ステップS14に戻り、ホスト30から次の通信を受け取るまで待機状態に入る。
【0051】
印刷が正常に行われている間は、このステップS14〜S19を順次繰返し、現在のカウント値Y1が警告カウント値Xに達するかXを超えると図示しないサブルーチンにより表示パネル(図示せず)にカートリッジの寿命が終りに近づいた旨を表示し、さらに現在のカウント値Y1がYmaxに達するかYmaxを超えるとそのカートリッジは使用不能にされる。また、新しい正規のカートリッジが電子写真式プリンタに組み込まれると上記ステップが最初から繰り返されて、正常に印刷ができるようになる。
【0052】
一方、ステップS18でY1<Y2と判定された場合は、ステップS6の場合と同様に、何等かの作為的な不正行為があったか或いは異常状態が生じていることになるので、表示パネルにその旨を表示して印刷を停止する。
【0053】
(2)カートリッジが再生された状態のとき
上述の印刷の際のステップによれば、カートリッジの感光体の交換、駆動手段の交換、トナーの補給等により再生されても、カートリッジに一体に組み込まれている記憶素子21の第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2カウンタのカウント値Y2は再生前の値であるから、このままでは再生前のカウント値Y1値がYmaxになるまでしかプリントすることができない。したがって、単にカートリッジを物理的に再生するのみでは第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2カウンタ27のカウント値Y2はともに工場から集荷された状態のカウント値「0」よりも大きいため、ユーザー或いは第3者にとっては、不正にカートリッジを再生しても無駄になるので、不正なカートリッジ再生の努力を放棄させる要因となり得る。
【0054】
しかしながら、カートリッジの製造業者或いは再生業者がカートリッジを正当に再生した場合には、カートリッジに一定に組み込まれている記憶素子21の状態、少なくとも第1カウンタ26のカウント値Y1及び第2のカウンタ27のカウント値Y2を工場から集荷された状態の初期値Y0=0又はそれに近い状態に変更する必要があるが、他方ではユーザー或いは第3者がそのカウント値Y1及びY2を変更できないようにする必要がある。そこで、専用書換装置を用いて製造業者或いは再生業者のみが、カートリッジを再生した後、電子写真式プリンタに取り付ける前に、このカートリッジに一定に組み込まれている記憶素子21の状態を変更することができるようにしなければならない。
【0055】
本発明で使用する専用書換装置は次のようなステップで作動する。まず、カートリッジをホスト30としての専用書換装置に取り付ける。このとき、ステップS1〜S4までは、上述したカートリッジが工場から出荷された状態で電子写真式プリンタに接続された場合と同様である。ステップS5において、ホスト30が専用書換装置であるからAコード送信要求信号が発されているので、以下ステップS7に進み、カートリッジ20のAコードメモリ28に記憶されていたデータDaを専用書換装置の制御装置35’に送信する。次いでステップS8において、制御装置35’は、受信したデータDaを基に制御装置35’内に記憶されている演算方法に従ってBコードに対応するデータDb’を計算し、得られたデータDb’をカートリッジ20に送信する。
【0056】
その後、ステップS9においてCPU22は制御装置35’から受信したデータDb’を受信し、ステップS10においてこの受信したデータDb’とEEPROM23のBコードメモリ29に記憶されていたデータDbとを比較する。カートリッジ20のEEPROM23に記憶されている所定の計算方法が外部からはわからないために、ホスト30が正規の専用書換装置でない場合は、その制御装置35’は正しいBコードに対応するデータDb’を導き出すことができないので、受信したデータDb’とEEPROM23のBコードメモリ29に記憶されていたデータDbとは一致することがないことになる。
【0057】
したがって、ステップS10で「No」と判定された場合は、ホスト30が正規の専用書換装置ではないとしてホスト30からの信号を受け付けないようにするとともに、Aコードメモリ28に記憶されていたAコードに対応するデータDaを更新するために、Bコードメモリ29に記憶されていたデータDbを新しいAコードとしてAコードメモリ28に記憶して、動作を終了させる。
【0058】
また、ステップS10で「Yes」と判定された場合は、ホスト30は正規の専用書換装置であるので、「No」と判定された場合と同様に、ステップS11で、Aコードメモリ28に記憶されていたAコードに対応するデータDaを更新するために、Bコードメモリ29に記憶されていたBコードに対応するデータDbを新しいAコードに対応するデータDaとしてAコードメモリ28に記憶し、さらに、ステップS12においてホスト30が専用書換装置であることを示す「専用書換装置フラグ」を立て、ステップS14に飛ぶ。
【0059】
ステップS14では、さらにホスト30からの通信を受信し続け、ステップS15で第2のカウンタ27の書換要求があるか否かを判別する。ホスト30が専用書換装置であれば第2のカウンタの書換要求信号を出しているので、ステップS20で専用書換フラグが立っているかいないかを判別する。ここで「No」と判別された場合は、既にステップS12で専用書換フラグが立てられているはずであるから、外部から作為的に書き換えしようとしているのか或いは何等かの故障が生じたものであるので、その旨を表示パネルに表示して動作を終了する。
【0060】
ステップS20で「Yes」と判別された場合は、ホスト30は正規の専用書換装置であるので、ホスト30の制御装置35’から第2カウンタの初期カウント値「0」を受信し、ステップS22において第1カウンタ26及び第2カウンタ27に受信した初期値Y0=0を記憶して、第1カウンタを初期化してカートリッジ20を使用できるようにする。なお、この初期値Y0は再生部品以外の再使用された部品の寿命を考慮の上で「0」よりも大きい保証できる数値範囲内で適宜選択することができる。このようにして再生されたカートリッジは、静電式プリンタに取り付けると再度図2及び図3に示されたフローチャートのとおりの処理が進行し、所定数の印刷が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、製造業者又は正規の再生業者が適性にカートリッジを再生した場合には、その再生されたカートリッジを所定の保証寿命の範囲で再使用することができるようになるが、ユーザーや第3者が不正にカートリッジを再生しても、再生前の残存寿命の範囲内でしか使用できなくなるので、製造業者及び正規の再生業者は再生カートリッジに対する信頼性を十分に付与することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカートリッジと複写機ないしは専用書換装置からなるホストを含むシステムのブロック線図である。
【図2】本発明のシステムの動作を表すフローチャートである。
【図3】図2のフローチャートに引き続く本発明の動作を表すフローチャートである。
【図4】特許文献1に開示されている交換可能なカートリッジを用いた静電写真式複製装置の監視補償方法における回路図である。
【図5】図4の回路において、プリンタを使用可能にする前のプリンタ初期化サイクルを説明するフローチャートである。
【図6】図4の回路において、イメージカウントサイクルとカートリッジカウント更新サイクルを説明するフローチャートである。
【図7】特許文献2に開示されている静電写真式装置に使用するのに適した監視システムにおけるカートリッジのEEPROMを説明する図である。
【符号の説明】
10 本発明におけるカートリッジとホストを含むシステム
20 カートリッジ
21 記憶素子
22 CPU
23 EEPROM
24 RAM
25 ROM
26 第1カウンタ
27 第2カウンタ
28 Aコードメモリ
29 Bコードメモリ
30 ホスト
35、35’ 制御装置
Claims (5)
- 電子写真式プリンタの交換可能なカートリッジの不正監視システムであって、該カートリッジは、取り外し不可能に取り付けられた少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ、第2カウンタ、Aコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリとからなる記憶素子を有し、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となし、また、
(3)前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となし、さらに、
(4)前記Aコードメモリに記憶された値に前記記憶素子内に記憶されている暗号化された所定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(5)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられているホストに送信し、
(6)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶されている値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となす、
ようになされていることを特徴とする交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム。 - 前記ホストが、電子写真式プリンタ又は専用書換装置の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム。
- 前記演算部は、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えることを特徴とする請求項1に記載の交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム。
- 少なくともデータの演算を行う演算部と、EEPROMからなる第1カウンタ、第2カウンタ、Aコードメモリ及び外部からアクセスできないBコードメモリとからなる交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム用の記憶素子であって、
前記第1カウンタは最新累積印刷量を記憶するためのメモリであり、
前記第2カウンタは第1カウンタの累積印刷量が更新される際の更新前の累積印刷量を記憶する通常は外部からのアクセスが不可能なメモリであり、
前記演算部は、
(1)正常に印刷がなされる毎に前記第1カウンタの最新累積印刷量を更新し、
(2)前記第1カウンタのデータが書き換えられた後に、あるいはその後の印刷に先立って、前記第1カウンタ及び第2カウンタのデータの大小を比較し、前記第1カウンタのデータが前記第2カウンタのデータに達していないときは以降のプリント操作をできない状態となすようになし、また、
(3)前記第1カウンタの最新累積印字量が予め前記記憶素子に記憶された最大印刷量と等しいかそれよりも大きい場合には、それ以降のプリント操作をできない状態となすようになし、さらに、
(4)前記Aコードメモリに記憶された値に暗号化された一定の演算処理を行って得られた値を前記Bコードメモリに記憶し、
(5)前記Aコードメモリに記憶された値を前記カートリッジが取り付けられるホストに送信し、
(6)前記ホストから受信した前記Aコードメモリに記憶された値に基づいた信号値が前記Bコードメモリに記憶された値に等しい場合にのみ前記記憶素子の第1及び第2カウンタのデータを任意の値に書換可能となす、
ことができるようになされていることを特徴とする交換可能なプリンタカートリッジの不正監視システム用の記憶素子。 - 前記演算部は、前記ホストからAコードメモリに記憶された値に基づいた信号値を受信する毎に、前記Aコードメモリに記憶された値を別の値に書き換えるようになされていることを特徴とする請求項4に記載の記憶素子。
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