JP2004126135A - 画像処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3ラインCCD等、各色成分の画像が互いにずれて入力される場合に、各色成分毎にその有効領域外となる部分に所定のデータを設定することで、画像端部における画質劣化を抑制し、メモリ節約に寄与する。
【解決手段】位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置であって、
各色成分の有効画像領域外となる部分には、無効区間値レジスタ604にセットしたデータで置き換え出力させれる。
【選択図】 図6
【解決手段】位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置であって、
各色成分の有効画像領域外となる部分には、無効区間値レジスタ604にセットしたデータで置き換え出力させれる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各色成分のデータが互いにオフセットを有しているカラー画像を処理する画像処理装置及びその制御方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式のデジタルカラー複写機やプリンタ、更にはその両方の機能に加え、FAX等の機能を備えたマルチファンクションプリンタがオフィスにおけるドキュメントの出力装置の主流になりつつある。
【0003】
このような装置には、ネットワークに接続されて複数のユーザーからの大量の文書データを高速に処理できることと同時に、高い印字品質が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなデジタルカラー複写機やマルチファンクションプリンタにおける画像処理は非常に複雑であり、各々の処理のための回路規模は巨大なものとなる。また、これら様々な処理をパイプライン的に、処理によっては並列して行っているためにこれらの位相合わせや各モジュール間の周波数変換のために一時的に画像データを保持しておくためのメモリ容量も大きな物となっており、コストを引き上げる要因となっている。このため、上記の一時的に画像データを保持しておくためのメモリはできる限り共用化してシステム全体の容量を小さくするのが望ましい。
【0005】
リーダー部には、RGB各色成分毎のラインセンサ(3ラインCCD)を用いて読取る。通常、この各色成分のラインセンサは、リーダ部の機械的移動方向(副走査方向)に適当な間隔で設けられているので、読取られたR、G、Bの各色成分の画像は、読取部の移動速度、並びに、各CCD間の距離(オフセット)に応じた遅延(副走査方向の位相差とも言う)が発生する。画像処理上、上記の各色成分の画像データを揃える処理は、初期段階で行うのが理想的であるが、その一方で、ずれたままでも行える処理を最初に済ませことができれば、全体としてのメモリ容量を節約することが可能である。
【0006】
一方、画像処理する際には、一般に、その処理が有効となる区間を示す信号がイネーブル状態になっているとき、各種画像処理がアクティブになるようにしている。従って、各色成分がずれたまま画像処理(勿論、最終的にはその遅延を揃えることになる)を行う為には、すべての色成分を包含する有効区間信号を生成することが必要になり、このような構成にした場合、各色成分の画像データの先頭或いは/及び後端には有効区間外の無意味なデータが付加されることになる。画像端部で正確な処理を行うことができないと言う問題が生じる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、3ラインCCD等、各色成分の画像が互いにずれて入力される場合に、各色成分毎にその有効領域外となる部分に所定のデータを設定することで、画像端部における画質劣化を抑制し、メモリ節約に寄与することを可能ならしめる画像処理装置及び方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0009】
位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置であって、
各色成分の有効画像領域外に対する値を設定する設定手段と、
各色成分の非有効区間のデータを、前記設定手段によって設定された設定値に置き換える変換手段とを備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0011】
実施形態では、レーザビーム方式のカラーマルチファンクションプリンタに適用する場合について説明する。
【0012】
図1は本装置の概略構成と、本装置とネットワークとの接続関係を示している。
【0013】
リーダ部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。
【0014】
プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット310と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット320と、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット330とで構成される。
【0015】
制御装置110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続され、さらにネットワーク400を介して、ホストコンピュータ401,402と接続されている。
【0016】
制御装置110は、リーダ部200を制御して、原稿の画像データを読込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力してコピー機能、リーダ部200から読取った画像データを、コードデータに変換し、ネットワーク400を介してホストコンピュータへ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータからネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0017】
操作部150は、制御装置110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力システムを操作するためのユーザI/F(各種スイッチや液用表示器等の表示部を備える)を提供する。
【0018】
図2は、実施形態における装置の具体的な断面構成図である。
【0019】
リーダ部200の原稿給送ユニット250は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213を図示矢印(副走査方向という)の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(3ラインCCD)218へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0020】
222はリーダ画像処理回路部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナ画像処理部140を介して制御装置110へと出力するところである。
【0021】
352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタ画像処理部145を介して制御装置110から送られる画像信号をレーザードライバへと出力するところである。
【0022】
プリンタ部300のレーザドライバ317はレーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じてパルス幅変調された駆動信号でレーザ発光部313、314、315、316を発光させる。このレーザ光はミラー340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351によって感光ドラム325、326、327、328に照射され、感光ドラム325、326、327、328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321、322、323、324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のトナーによって、潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは、用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0023】
用紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排出され、排紙ユニット370は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行う。
【0024】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0025】
<リーダ画像処理部の説明>
図4はリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【0026】
このリーダ画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218に読み取られて電気信号に変換される(CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化又は、フィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)は画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのディジタル信号に変換される。そして、RGB信号はシェーディング部402で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、制御装置110へと出力される。
【0027】
<制御装置の説明>
制御装置110の機能を、図3に示すブロック図をもとに説明する。
【0028】
メインコントローラ111は、主にCPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路とから構成される。
【0029】
CPU112とバスコントローラ113は制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROM I/F115を経由して読込んだプログラムに基いて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0030】
DRAM116はDRAM I/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0031】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118はI/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0032】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM136はGraphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。Graphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0033】
Network Contorller121はI/F122によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0034】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。
【0035】
I/O制御部126には、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ127が2チャンネル装備されており、I/Oバス128によって外部I/F回路140,145に接続されている。
【0036】
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
【0037】
操作部150は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F132を介してCPU112に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F520から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0038】
リアルタイムクロックモジュール133は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池134によってバックアップされている。
【0039】
E−IDEインタフェース161は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込む動作を行う。
【0040】
コネクタ142と147は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143,148)とビデオI/F(144,149)とから構成される。
【0041】
スキャナ画像処理部140は、コネクタ142を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス141に出力する機能も有する。
【0042】
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0043】
プリンタ画像処理部145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、また、プリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス146に出力する機能も有する。
【0044】
DRAM116上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
【0045】
<スキャナ画像処理部の説明>
スキャナ画像処理部140についての詳細な説明を行う。図5はスキャナ画像処理部140の構成を示すブロック図である。以下、図を参照しながら各ブロックの説明を行う。
【0046】
[周波数変換&有効区間データ生成部の説明]
前記リーダ部200から、コネクタ142を介して送られるRGB各8ビットの画像信号は周波数変換&有効区間データ生成部501に入力される。
【0047】
図6は周波数変換&有効区間データ生成部501の内部ブロック図である。周波数変換&有効区間データ生成部501はリーダ部からの画像信号を受信する入力モジュール601、次段に対して画像信号を出力する出力モジュール602、周波数変換を行う際に一時的に1ライン分のRGB画像データを保持するためのラインメモリ603で構成される。また、出力モジュール602には、外部から設定される無効区間値レジスタ604及び無効区間ライン数レジスタ605が設けられている。
【0048】
以下、その動作について説明する。
【0049】
先ず、前提として、実施形態におけるCCD218は3ラインCCD(それぞれR、G、Bの順に配置され、各色成分の輝度信号を検出する)で構成され、それらが副走査方向に互いに等しい距離だけ隔てた位置を読取るものとする。また、原稿を等倍複写する際の光学ユニット213の移動速度をVとしたとき、G成分のデータはR成分のデータより2ライン遅延して入力され、B成分のデータはG成分の2ライン遅れて入力される。
【0050】
上記条件下において、例えば原稿を2倍に拡大複写する場合、各ラインセンサの受光素子の並び方向(主走査)については線形補間を行うことで画素数を2倍にする。一方、副走査方向については、光学ユニット213の副走査方向への移動速度をV/2にすること、読取りライン数を2倍にする。このとき、G成分のデータはR成分よりも4ライン遅延して入力されることになり、B成分はG成分よりも4ライン遅延して入力される。つまり、遅延ライン数は、光学ユニット213の移動速度に依存することになる。
【0051】
実際、複写時には、ユーザは任意の倍率が設定できるわけであるから、上記条件の下での変倍率と遅延ライン数との対応関係は次のようになる。
【0052】
変倍率 遅延ライン数
50% 1
51% 1.02
52% 1.04
:
100% 2
101% 2.02
102% 2.04
:
125% 2.5
:
150% 3
:
200% 4
:
因に、光学ユニット213の移動速度は「V/変倍率」となる。つまり、変倍率が200%の場合には、V/2となり、等倍時の1/2の速度で光学ユニット213を移動させることになる。
【0053】
さて、変倍倍率の設定が行われ、実際に複写を開始させると、上記のメインコントローラ111は、出力モジュール602の無効区間値レジスタ604に&hFF(&hは16進数を示す)、無効区間ライン数レジスタ605にその時の変倍率に対応する遅延ライン数の「整数」部分をセットする。例えば、変倍率が125%である場合には、遅延ライン数は「2.5」であるので「2」をセットする(整数値にする理由は後述)。
【0054】
この結果、出力モジュール605は、先頭のRデータの最初のラインのデータを出力から、無効区間ライン数レジスタ605にセットされたライン数に至るまでG成分のデータとして&hFF(G成分の最大輝度)を出力する。同様に、B成分はその倍の区間だけ&hFFを出力するように動作する。
【0055】
また、1枚の原稿の後端を一番最後に読取られるのはB成分である、B成分の最終ラインを読取ったとき、既に、R、G成分のデータは読取りが完了してから数ライン過ぎていることになる。
【0056】
なお、実施形態では、少なくとも1つの色成分のCCDが有効領域にある場合、原稿画像の副走査読み取りが有効であることを示すvenb信号を出力することで、画像処理回路が機能するようにした。
【0057】
上記動作を概念的に示したのが、図7である。なお、図示でのR、G、Bそれぞれの有効画像領域が主走査方向にずれているように見えるが、これは便宜的なものであり、着目する点は副走査方向のずれである。
【0058】
図示の如く、副走査イネーブル信号venbはRGBの3コンポーネントに対して共通であるので、位相がずれたRGB全色をカバーするものであり、後述する周波数変換&有効区間データ生成部501における補正処理が有効であることを示す信号として用いられる。
【0059】
実施形態では、各色成分における無効区間は「白」すなわちR=G=B=FFhとしたが、背景の色によっては別の値を設定した方がよい場合も有る。
【0060】
図8は、図7の概念を、時間軸で示したものである。各色成分の無効区間長は無効区間ライン数レジスタ605に依存したものであり、その無効区間におけるデータは無効区間値レジスタ604に設定されたデータ値(実施形態では&hFF)となる。
【0061】
出力モジュール602内の無効区間ライン数レジスタ605に設定する値を整数とする理由は以下の通りである。説明を簡単なものとするため、変倍率が125%、すなわち、遅延ライン数が2.5の場合について説明する。
【0062】
この条件において、原稿の或る位置(その副走査方向の位置を仮にA点という)をR成分用CCDで読取っとき、G成分用CCDはそこから2.5ラインずれた位置を読取っていることになる。R、G、Bの各ラインCCDの読取りタイミングは共通であるので、上記の意味は、上記A点の位置に2番目のG成分用のCCDが位置するタイミングは、R成分用のCCDが読取ってから2.5ライン後と言うこともできる。しかしながら、読取るタイミングは各CCDで同じタイミングであるので、2.5ライン後にG成分のデータを読取ることはできず、2ライン後のデータと3ライン後の2ライン分のデータを補間して、その中間位置にある2.5ライン後のデータを生成せざるを得ない。かかる理由で、変倍率が125%、すなわち、遅延ライン数が2.5の場合には、その「2.5」の整数値を無効区間ライン数レジスタ605にセットするようにし、2ライン以降を有効となるようにした。なお、B成分は、R−G成分間の2倍となるだけであるので、説明するまでもないであろう。
【0063】
[ライン間遅延&MTF補正部の説明]
ライン間遅延&MTF補正部502では、入力される画像信号に対して読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、読取速度によって変化したMTFを補正する。
【0064】
ただし、本実施形態におけるライン間遅延&んMTF補正部502では、遅延ライン数の小数点以下の補正を行う。遅延ライン数の整数部分の調整は、後続するライン遅延調整部504で行うようにした。
【0065】
遅延ライン数の小数点は、結局のところ2つのラインの重み付けによって調整できるので、例えば、図11に示す回路で実現できる。
【0066】
図示において、1101乃至1104はラインメモリであって、それぞれ1主走査ライン分のデータを記憶するFIFOで構成する。R成分は基準となる色成分であるのでスルーとした。また、G成分とB成分に関する構成は同じであるので、以下ではG成分のライン遅延数の小数点以下の調整について説明する。
【0067】
G成分のデータはラインメモリ1103に格納され、その最初に入力されたデータはラインメモリ1104に入力される。つまり、ラインメモリ1103及びラインメモリ1104から出力されるデータは、隣接する2ラインの主走査方向に対して同一位置のデータとなる。今、変倍率が125%について考察すると、その遅延ライン数は2.5であり、小数点以下のみを着目すると0.5となる。従って、2つのラインのデータのちょうど中間位置のデータを生成すれば良いことになる。そこで、乗算器1105、1106に入力する一方の乗算値g1、g2として「0.5」を設定し、それぞれのデータに乗算させる。そして、それぞれの乗算結果を加算器1107で加算することで、遅延ライン数の小数点に関するデータの生成が行われる。
【0068】
変倍率が例えば101%である場合には、先に示した関係より、遅延ライン数は「2.02」であるので、g1=1−0.02=0.98、g2=0.02をセットすることになる(ラインメモリ1102はラインメモリ1101より時間的に前のデータであるから)。100%、すなわち、等倍であればg1=0、g2=1となる。
【0069】
また、B成分の調整であるが、基本的にG成分と同じである。ただし、B成分のR成分からの遅延量は、G成分のR成分からの遅延量の2倍になっている点である。
【0070】
以上のようにして、遅延ライン数の小数点以下の調整が行われる。
【0071】
以上のようにして読取位置の遅延ライン数の微小部分(小数点以下)の調整されたデジタル信号はライン遅延調整部504に入力される。またこれらのうちGコンポーネントの信号は文字判定部503にも入力される。
【0072】
<文字判定部の説明>
文字判定部503は各画素が文字や細線等の文字線画像を構成するか、または、階調を有する写真/グラフィック画像を構成するかを判定する機能を有する。処理の詳細についてはここでは説明を省略するが大略としては、フィルタ処理によるエッジ判定と網点部判定を行ない、それらの結果を合成して文字線領域を判定する。この結果、文字線画像と判定された画素に対しては1ビットの文字信号MJが“1”として出力される(文字線画以外では“0”)。このMJ信号は後述する空間フィルタ部505とメインコントローラ111に送られる。
【0073】
<ライン遅延調整部の説明>
ライン遅延調整部504は前述のように、遅延ライン数の小数点部分が調整されたデータを入力し、RGBの各データのライン遅延数の整数部分のタイミングを揃える処理を行う。その具体的な構成は、例えば図12に示すようなもので実現できる。
【0074】
実施形態では、RGBの各データは、R、G、Bの順に読取られれるので(この順に限らないのは勿論である)、Bを基準にし、R、Gを遅延させることになる。そこで、図示に示すように、R、G成分について多ライン分遅延させるため複数のラインメモリ1201乃至1203、1205乃至1207を用意し、セレクタ1204、1208に、遅延ライン数の整数部分に応じた選択信号SelーR、Sel−G(メインコントローラ111からの信号)を与えることで、入力されるデータを選択するようにした。
【0075】
なお、MJ信号についても、同様の回路構成で同期を取ることができるのは容易に理解できよう。
【0076】
以上の結果、ライン遅延調整部504により、図9に示す如く、RGBの各コンポーネントの位相が揃い、また副走査の有効区間を示すイネーブル信号Venbは有効画像領域と一致したものとして次モジュールである空間フィルタ部505に送る。
【0077】
<空間フィルタ部の説明>
空間フィルタ部505は予め設定された空間フィルタ係数に基づいて、入力されるRGBの画像信号に対してエッジ強調等のフィルタ処理を行う。前記フィルタ係数は文字線画像用と写真画像用で異なるものが用意されており、前記文字信号MJによりいずれかが選択される。
【0078】
上記フィルタ処理されたRGB画像信号はメインコントローラ111に入力される。
【0079】
<プリンタ画像処理部の説明>
次に、図3のプリンタ画像処理部145の詳細な説明を行う。図10はプリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0080】
メインコントローラ111から、プリンタバス146を介して送られる画像信号は、RGB画像信号、前記文字信号MJ、また、現在入力している画像信号がスキャナからのコピーモードであるのかPDLからのプリンタモードであるのかを示すモード信号MODを有する。該MOD信号はメインコントローラ111で生成され、プリンタモードの時に“1”となる。またプリンタモード時には文字信号MJもメインコントローラで生成され、RGB画像信号と共に送られる。ここで、文字信号MJ、モード信号MODをまとめて属性信号(アトリビュート信号)ATRと呼ぶ。
【0081】
以下、プリンタ画像処理部145内の各ブロックの説明を行なう。
【0082】
<下地除去部の説明>
1001は下地除去部である。ここでは入力されるRGB信号から原稿中の最も明るい色を検出し、それが白色になるように原稿の下地レベルを設定する。本処理は前記MOD信号=“1”(プリンタモード)の時には行われない。
【0083】
<色空間変換部の説明>
次の色空間変換部1002ではRGBの画像信号をプリンタの現像材の色であるシアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの4つのプロセス色に変換する。色空間変換部1002での処理は、まず受け取った画像データ1画素ごとに対して、下記の式で表される3×3のマトリクス演算を施す。
【0084】
【数1】
【0085】
上式において、R、G、B入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。
【0086】
上式の演算によって、例えばRGB色空間からYuv色空間への変換など、各種の色空間変換を行うことができる。
【0087】
次に、マトリクス演算後のデータに対して、LUT(ルック・アップ・テーブル)による変換を行う。これによって、非線形の変換をも行うことができる。ここでスルーのテーブルを設定することにより、実質的にLUT変換を行わないこともできる。
【0088】
上記演算の係数及びLUTの変換テーブルは例えばSRAMを用いて予め複数の印字モード(「コピーモード・写真」、「コピーモード・黒文字」、「プリンタモード・写真」、「プリンタモード・色文字」等)用の値を設定しておき、前記属性信号に応じて各モードに対応したテーブルに切り替えながらCMYK各8ビットの画像信号に色空間変換を行う。
【0089】
<γ補正部の説明>
γ補正部1003は入力するCMYK各色の画像信号をプリンタ部の出力特性に合わせて補正し、濃度やカラーバランスの調整を行う機能を有する。
【0090】
<疑似中間調処理部の説明>
疑似中間調処理部1004はCMYK各8ビットの画像信号各色毎に疑似中間調処理を施し、プリンタ部のパルス幅変調部の入力ビット長であるCMYK各4ビットの信号に変換する機能を有する。
【0091】
疑似中間調処理は画像モードに合わせて異なる3種類の処理を持つ。すなわち、
・「コピーモード・文字」及び「プリンタモード・文字」:多値誤差拡散
・「コピーモード・写真」:多値ディザ1
・「プリンタモード・写真」:多値ディザ2
(多値ディザ1と2ではスクリーンサイズ及び形状が異なる)
のように設定されている。内部ではこれらの処理が同時に行われており、前記属性信号ATRに応じて画素毎にいずれかが選択され、出力される。以上のようにして画像モードに応じて最適な階調性と解像度の処理が選択される。
【0092】
<エッジスムージング処理部の説明>
前記疑似中間調処理されたCMYK各4ビットの画像信号及び属性信号はエッジスムージング処理部1005に入力される。
【0093】
エッジスムージング処理部1005ではCMYKの各コンポーネント毎にウィンドウ処理によるパターンマッチングを用い、所定のパターンにヒットした場合にエッジを滑らかにするようなデータに変換する。
【0094】
図6に戻り、上記説明した変換処理がCMYKそれぞれの色毎行われ、変換された画像情報はコネクタ147を介してプリンタ部300に送られ、既述のカラー電子写真記録が行われる。
【0095】
以上説明したように、スムージング時のパターンマッチングに文字信号を使用することによって文字線画のエッジに対して効果的なスムージング処理を行うことができる。
【0096】
また、上記説明では感光ドラムをCMYKそれぞれのプロセス毎に独立して持つ4ドラム、レーザー方式のプリントエンジンの場合について説明したが、これに限ることなく、1つの感光ドラムで色を切り替えながら4回転してカラー画像を得る1ドラム式のカラーレーザビームプリンタやLEDプリンタ、液晶シャッタ式プリンタ、更にはインクジェット方式のプリンタ等、他の方式の記録装置にも本発明を適用することができる。
【0097】
なお、上記実施形態におけるライン間遅延&MTF補正部502では、Rを基準にし、それより遅れて入力されるG、B成分の遅延ライン数の小数部分の調整を行うべく、2ライン間の補間処理を行った。
【0098】
しかしながら、文字判定部503等では、G成分を基準にして判定して文字線画の判定を行っているから、このG成分のデータが補間によって生成されているととすると誤判定の要因にもなる。そこで、ライン間遅延&MTF補正部502では、G成分を基準にすることが望ましい。すなわち、G成分より先行するR成分、遅れてくるB成分を補間対象にするのである。この結果、G成分は生のデータとなり、文字線画判定のための信号として精度を高めることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、3ラインCCD等、各色成分の画像が互いにずれて入力される場合に、各色成分毎にその有効領域外となる部分に所定のデータを設定することで、画像端部における画質劣化を抑制し、メモリ節約に寄与することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかわる画像処理システムの全体構成図である。
【図2】実施形態における装置の断面構成図である。
【図3】実施形態における制御装置110のブロック図である。
【図4】実施形態におけるリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態におけるスキャナ画像処理部140の構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態における周波数変換&有効区間データ生成部501の内部ブロック図である。
【図7】RGB入力画像の模式図である。
【図8】実施形態における周波数変換&有効区間データ生成部501で処理された画像データのタイミングを示す図である。
【図9】実施形態におけるライン調整部504で調整された後の画像データのタイミングチャートである。
【図10】実施形態におけるプリンタ画像処理部145の構成を示すブロック図である。
【図11】ライン間遅延&MTF補正部502における遅延ライン数の小数部分の調整に係る構成を示す図である。
【図12】ライン遅延調整部504の構成を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は各色成分のデータが互いにオフセットを有しているカラー画像を処理する画像処理装置及びその制御方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式のデジタルカラー複写機やプリンタ、更にはその両方の機能に加え、FAX等の機能を備えたマルチファンクションプリンタがオフィスにおけるドキュメントの出力装置の主流になりつつある。
【0003】
このような装置には、ネットワークに接続されて複数のユーザーからの大量の文書データを高速に処理できることと同時に、高い印字品質が求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなデジタルカラー複写機やマルチファンクションプリンタにおける画像処理は非常に複雑であり、各々の処理のための回路規模は巨大なものとなる。また、これら様々な処理をパイプライン的に、処理によっては並列して行っているためにこれらの位相合わせや各モジュール間の周波数変換のために一時的に画像データを保持しておくためのメモリ容量も大きな物となっており、コストを引き上げる要因となっている。このため、上記の一時的に画像データを保持しておくためのメモリはできる限り共用化してシステム全体の容量を小さくするのが望ましい。
【0005】
リーダー部には、RGB各色成分毎のラインセンサ(3ラインCCD)を用いて読取る。通常、この各色成分のラインセンサは、リーダ部の機械的移動方向(副走査方向)に適当な間隔で設けられているので、読取られたR、G、Bの各色成分の画像は、読取部の移動速度、並びに、各CCD間の距離(オフセット)に応じた遅延(副走査方向の位相差とも言う)が発生する。画像処理上、上記の各色成分の画像データを揃える処理は、初期段階で行うのが理想的であるが、その一方で、ずれたままでも行える処理を最初に済ませことができれば、全体としてのメモリ容量を節約することが可能である。
【0006】
一方、画像処理する際には、一般に、その処理が有効となる区間を示す信号がイネーブル状態になっているとき、各種画像処理がアクティブになるようにしている。従って、各色成分がずれたまま画像処理(勿論、最終的にはその遅延を揃えることになる)を行う為には、すべての色成分を包含する有効区間信号を生成することが必要になり、このような構成にした場合、各色成分の画像データの先頭或いは/及び後端には有効区間外の無意味なデータが付加されることになる。画像端部で正確な処理を行うことができないと言う問題が生じる。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、3ラインCCD等、各色成分の画像が互いにずれて入力される場合に、各色成分毎にその有効領域外となる部分に所定のデータを設定することで、画像端部における画質劣化を抑制し、メモリ節約に寄与することを可能ならしめる画像処理装置及び方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため、例えば本発明の画像処理装置は以下の構成を備える。
【0009】
位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置であって、
各色成分の有効画像領域外に対する値を設定する設定手段と、
各色成分の非有効区間のデータを、前記設定手段によって設定された設定値に置き換える変換手段とを備える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0011】
実施形態では、レーザビーム方式のカラーマルチファンクションプリンタに適用する場合について説明する。
【0012】
図1は本装置の概略構成と、本装置とネットワークとの接続関係を示している。
【0013】
リーダ部(画像入力装置)200は、原稿画像を光学的に読み取り、画像データに変換する。リーダ部200は、原稿を読取るための機能を持つスキャナユニット210と、原稿用紙を搬送するための機能を持つ原稿給紙ユニット250とで構成される。
【0014】
プリンタ部(画像出力装置)300は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。プリンタ部300は、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット310と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット320と、印字された記録紙をソート、ステイプルして機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット330とで構成される。
【0015】
制御装置110は、リーダ部200、プリンタ部300と電気的に接続され、さらにネットワーク400を介して、ホストコンピュータ401,402と接続されている。
【0016】
制御装置110は、リーダ部200を制御して、原稿の画像データを読込み、プリンタ部300を制御して画像データを記録用紙に出力してコピー機能、リーダ部200から読取った画像データを、コードデータに変換し、ネットワーク400を介してホストコンピュータへ送信するスキャナ機能、ホストコンピュータからネットワーク400を介して受信したコードデータを画像データに変換し、プリンタ部300に出力するプリンタ機能を提供する。
【0017】
操作部150は、制御装置110に接続され、液晶タッチパネルで構成され、画像入出力システムを操作するためのユーザI/F(各種スイッチや液用表示器等の表示部を備える)を提供する。
【0018】
図2は、実施形態における装置の具体的な断面構成図である。
【0019】
リーダ部200の原稿給送ユニット250は原稿を先頭順に1枚ずつプラテンガラス211上へ給送し、原稿の読み取り動作終了後、プラテンガラス211上の原稿を排出するものである。原稿がプラテンガラス211上に搬送されると、ランプ212を点灯し、そして光学ユニット213を図示矢印(副走査方向という)の移動を開始させて、原稿を露光走査する。この時の原稿からの反射光は、ミラー214、215、216及びレンズ217によってCCDイメージセンサ(3ラインCCD)218へ導かれる。このように、走査された原稿の画像はCCD218によって読み取られる。
【0020】
222はリーダ画像処理回路部であり、CCD218から出力される画像データに所定の処理を施し、スキャナ画像処理部140を介して制御装置110へと出力するところである。
【0021】
352はプリンタ画像処理回路部であり、プリンタ画像処理部145を介して制御装置110から送られる画像信号をレーザードライバへと出力するところである。
【0022】
プリンタ部300のレーザドライバ317はレーザ発光部313、314、315、316を駆動するものであり、プリンタ画像処理部352から出力された画像データに応じてパルス幅変調された駆動信号でレーザ発光部313、314、315、316を発光させる。このレーザ光はミラー340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351によって感光ドラム325、326、327、328に照射され、感光ドラム325、326、327、328にはレーザ光に応じた潜像が形成される。321、322、323、324は、それぞれブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のトナーによって、潜像を現像するための現像器であり、現像された各色のトナーは、用紙に転写されフルカラーのプリントアウトがなされる。
【0023】
用紙カセット360、361及び手差しトレイ362のいずれかより、レーザ光の照射開始と同期したタイミングで給紙された用紙は、レジストローラ333を経て、転写ベルト334上に吸着され、搬送される。そして、感光ドラム325、326、327、328に付着された現像剤を記録紙に転写する。現像剤の乗った記録紙は定着部335に搬送され、定着部335の熱と圧力により現像剤は記像紙に定着される。定着部335を通過した記録紙は排出ローラ336によって排出され、排紙ユニット370は排出された記録紙を束ねて記録紙の仕分けをしたり、仕分けされた記録紙のステイプルを行う。
【0024】
また、両面記録が設定されている場合は、排出ローラ336のところまで記録紙を搬送した後、排出ローラ336の回転方向を逆転させ、フラッパ337によって再給紙搬送路338へ導く。再給紙搬送路338へ導かれた記録紙は上述したタイミングで転写ベルト334へ給紙される。
【0025】
<リーダ画像処理部の説明>
図4はリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【0026】
このリーダ画像処理部222では、プラテンガラス211上の原稿はCCD218に読み取られて電気信号に変換される(CCD218はカラーセンサの場合、RGBのカラーフィルタが1ラインCCD上にRGB順にインラインに乗ったものでも、3ラインCCDで、それぞれRフィルタ・Gフィルタ・BフィルタをそれぞれのCCDごとに並べたものでも構わないし、フィルタがオンチップ化又は、フィルタがCCDと別構成になったものでも構わない)。そして、その電気信号(アナログ画像信号)は画像処理部222に入力され、クランプ&Amp.&S/H&A/D部401でサンプルホールド(S/H)され、アナログ画像信号のダークレベルを基準電位にクランプし、所定量に増幅され(上記処理順番は表記順とは限らない)、A/D変換されて、例えばRGB各8ビットのディジタル信号に変換される。そして、RGB信号はシェーディング部402で、シェーディング補正及び黒補正が施された後、制御装置110へと出力される。
【0027】
<制御装置の説明>
制御装置110の機能を、図3に示すブロック図をもとに説明する。
【0028】
メインコントローラ111は、主にCPU112と、バスコントローラ113、各種I/Fコントローラ回路とから構成される。
【0029】
CPU112とバスコントローラ113は制御装置110全体の動作を制御するものであり、CPU112はROM114からROM I/F115を経由して読込んだプログラムに基いて動作する。また、ホストコンピュータから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ113は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
【0030】
DRAM116はDRAM I/F117によってメインコントローラ111と接続されており、CPU112が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
【0031】
Codec118は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM119はCodec118の一時的なワーク領域として使用される。Codec118はI/F120を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0032】
Graphic Processor135は、DRAM116に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM136はGraphic Processor135の一時的なワーク領域として使用される。Graphic Processor135はI/F137を介してメインコントローラ111と接続され、DRAM116との間のデータの転送は、バスコントローラ113によって制御されDMA転送される。
【0033】
Network Contorller121はI/F122によってメインコントローラ111と接続され、コネクタ122によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
【0034】
汎用高速バス125には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ124とI/O制御部126とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。
【0035】
I/O制御部126には、リーダ部200、プリンタ部300の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ127が2チャンネル装備されており、I/Oバス128によって外部I/F回路140,145に接続されている。
【0036】
パネルI/F132は、LCDコントローラ131に接続され、操作部150上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/F130とから構成される。
【0037】
操作部150は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F132を介してCPU112に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F520から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0038】
リアルタイムクロックモジュール133は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池134によってバックアップされている。
【0039】
E−IDEインタフェース161は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施形態においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ160を接続し、ハードディスク162へ画像データを記憶させたり、ハードディスク162から画像データを読み込む動作を行う。
【0040】
コネクタ142と147は、それぞれリーダ部200とプリンタ部300とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(143,148)とビデオI/F(144,149)とから構成される。
【0041】
スキャナ画像処理部140は、コネクタ142を介してリーダ部200と接続され、また、スキャナバス141によってメインコントローラ111と接続されており、リーダ部200から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有し、さらに、リーダ部200から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス141に出力する機能も有する。
【0042】
スキャナバス141からDRAM116へのデータ転送は、バスコントローラ113によって制御される。
【0043】
プリンタ画像処理部145は、コネクタ147を介してプリンタ部300と接続され、また、プリンタバス146によってメインコントローラ111と接続されており、メインコントローラ111から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部300へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部300から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス146に出力する機能も有する。
【0044】
DRAM116上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部への転送は、バスコントローラ113によって制御され、プリンタバス146、ビデオI/F149を経由して、プリンタ部300へDMA転送される。
【0045】
<スキャナ画像処理部の説明>
スキャナ画像処理部140についての詳細な説明を行う。図5はスキャナ画像処理部140の構成を示すブロック図である。以下、図を参照しながら各ブロックの説明を行う。
【0046】
[周波数変換&有効区間データ生成部の説明]
前記リーダ部200から、コネクタ142を介して送られるRGB各8ビットの画像信号は周波数変換&有効区間データ生成部501に入力される。
【0047】
図6は周波数変換&有効区間データ生成部501の内部ブロック図である。周波数変換&有効区間データ生成部501はリーダ部からの画像信号を受信する入力モジュール601、次段に対して画像信号を出力する出力モジュール602、周波数変換を行う際に一時的に1ライン分のRGB画像データを保持するためのラインメモリ603で構成される。また、出力モジュール602には、外部から設定される無効区間値レジスタ604及び無効区間ライン数レジスタ605が設けられている。
【0048】
以下、その動作について説明する。
【0049】
先ず、前提として、実施形態におけるCCD218は3ラインCCD(それぞれR、G、Bの順に配置され、各色成分の輝度信号を検出する)で構成され、それらが副走査方向に互いに等しい距離だけ隔てた位置を読取るものとする。また、原稿を等倍複写する際の光学ユニット213の移動速度をVとしたとき、G成分のデータはR成分のデータより2ライン遅延して入力され、B成分のデータはG成分の2ライン遅れて入力される。
【0050】
上記条件下において、例えば原稿を2倍に拡大複写する場合、各ラインセンサの受光素子の並び方向(主走査)については線形補間を行うことで画素数を2倍にする。一方、副走査方向については、光学ユニット213の副走査方向への移動速度をV/2にすること、読取りライン数を2倍にする。このとき、G成分のデータはR成分よりも4ライン遅延して入力されることになり、B成分はG成分よりも4ライン遅延して入力される。つまり、遅延ライン数は、光学ユニット213の移動速度に依存することになる。
【0051】
実際、複写時には、ユーザは任意の倍率が設定できるわけであるから、上記条件の下での変倍率と遅延ライン数との対応関係は次のようになる。
【0052】
変倍率 遅延ライン数
50% 1
51% 1.02
52% 1.04
:
100% 2
101% 2.02
102% 2.04
:
125% 2.5
:
150% 3
:
200% 4
:
因に、光学ユニット213の移動速度は「V/変倍率」となる。つまり、変倍率が200%の場合には、V/2となり、等倍時の1/2の速度で光学ユニット213を移動させることになる。
【0053】
さて、変倍倍率の設定が行われ、実際に複写を開始させると、上記のメインコントローラ111は、出力モジュール602の無効区間値レジスタ604に&hFF(&hは16進数を示す)、無効区間ライン数レジスタ605にその時の変倍率に対応する遅延ライン数の「整数」部分をセットする。例えば、変倍率が125%である場合には、遅延ライン数は「2.5」であるので「2」をセットする(整数値にする理由は後述)。
【0054】
この結果、出力モジュール605は、先頭のRデータの最初のラインのデータを出力から、無効区間ライン数レジスタ605にセットされたライン数に至るまでG成分のデータとして&hFF(G成分の最大輝度)を出力する。同様に、B成分はその倍の区間だけ&hFFを出力するように動作する。
【0055】
また、1枚の原稿の後端を一番最後に読取られるのはB成分である、B成分の最終ラインを読取ったとき、既に、R、G成分のデータは読取りが完了してから数ライン過ぎていることになる。
【0056】
なお、実施形態では、少なくとも1つの色成分のCCDが有効領域にある場合、原稿画像の副走査読み取りが有効であることを示すvenb信号を出力することで、画像処理回路が機能するようにした。
【0057】
上記動作を概念的に示したのが、図7である。なお、図示でのR、G、Bそれぞれの有効画像領域が主走査方向にずれているように見えるが、これは便宜的なものであり、着目する点は副走査方向のずれである。
【0058】
図示の如く、副走査イネーブル信号venbはRGBの3コンポーネントに対して共通であるので、位相がずれたRGB全色をカバーするものであり、後述する周波数変換&有効区間データ生成部501における補正処理が有効であることを示す信号として用いられる。
【0059】
実施形態では、各色成分における無効区間は「白」すなわちR=G=B=FFhとしたが、背景の色によっては別の値を設定した方がよい場合も有る。
【0060】
図8は、図7の概念を、時間軸で示したものである。各色成分の無効区間長は無効区間ライン数レジスタ605に依存したものであり、その無効区間におけるデータは無効区間値レジスタ604に設定されたデータ値(実施形態では&hFF)となる。
【0061】
出力モジュール602内の無効区間ライン数レジスタ605に設定する値を整数とする理由は以下の通りである。説明を簡単なものとするため、変倍率が125%、すなわち、遅延ライン数が2.5の場合について説明する。
【0062】
この条件において、原稿の或る位置(その副走査方向の位置を仮にA点という)をR成分用CCDで読取っとき、G成分用CCDはそこから2.5ラインずれた位置を読取っていることになる。R、G、Bの各ラインCCDの読取りタイミングは共通であるので、上記の意味は、上記A点の位置に2番目のG成分用のCCDが位置するタイミングは、R成分用のCCDが読取ってから2.5ライン後と言うこともできる。しかしながら、読取るタイミングは各CCDで同じタイミングであるので、2.5ライン後にG成分のデータを読取ることはできず、2ライン後のデータと3ライン後の2ライン分のデータを補間して、その中間位置にある2.5ライン後のデータを生成せざるを得ない。かかる理由で、変倍率が125%、すなわち、遅延ライン数が2.5の場合には、その「2.5」の整数値を無効区間ライン数レジスタ605にセットするようにし、2ライン以降を有効となるようにした。なお、B成分は、R−G成分間の2倍となるだけであるので、説明するまでもないであろう。
【0063】
[ライン間遅延&MTF補正部の説明]
ライン間遅延&MTF補正部502では、入力される画像信号に対して読取速度に応じてライン毎の遅延量を調整し、読取速度によって変化したMTFを補正する。
【0064】
ただし、本実施形態におけるライン間遅延&んMTF補正部502では、遅延ライン数の小数点以下の補正を行う。遅延ライン数の整数部分の調整は、後続するライン遅延調整部504で行うようにした。
【0065】
遅延ライン数の小数点は、結局のところ2つのラインの重み付けによって調整できるので、例えば、図11に示す回路で実現できる。
【0066】
図示において、1101乃至1104はラインメモリであって、それぞれ1主走査ライン分のデータを記憶するFIFOで構成する。R成分は基準となる色成分であるのでスルーとした。また、G成分とB成分に関する構成は同じであるので、以下ではG成分のライン遅延数の小数点以下の調整について説明する。
【0067】
G成分のデータはラインメモリ1103に格納され、その最初に入力されたデータはラインメモリ1104に入力される。つまり、ラインメモリ1103及びラインメモリ1104から出力されるデータは、隣接する2ラインの主走査方向に対して同一位置のデータとなる。今、変倍率が125%について考察すると、その遅延ライン数は2.5であり、小数点以下のみを着目すると0.5となる。従って、2つのラインのデータのちょうど中間位置のデータを生成すれば良いことになる。そこで、乗算器1105、1106に入力する一方の乗算値g1、g2として「0.5」を設定し、それぞれのデータに乗算させる。そして、それぞれの乗算結果を加算器1107で加算することで、遅延ライン数の小数点に関するデータの生成が行われる。
【0068】
変倍率が例えば101%である場合には、先に示した関係より、遅延ライン数は「2.02」であるので、g1=1−0.02=0.98、g2=0.02をセットすることになる(ラインメモリ1102はラインメモリ1101より時間的に前のデータであるから)。100%、すなわち、等倍であればg1=0、g2=1となる。
【0069】
また、B成分の調整であるが、基本的にG成分と同じである。ただし、B成分のR成分からの遅延量は、G成分のR成分からの遅延量の2倍になっている点である。
【0070】
以上のようにして、遅延ライン数の小数点以下の調整が行われる。
【0071】
以上のようにして読取位置の遅延ライン数の微小部分(小数点以下)の調整されたデジタル信号はライン遅延調整部504に入力される。またこれらのうちGコンポーネントの信号は文字判定部503にも入力される。
【0072】
<文字判定部の説明>
文字判定部503は各画素が文字や細線等の文字線画像を構成するか、または、階調を有する写真/グラフィック画像を構成するかを判定する機能を有する。処理の詳細についてはここでは説明を省略するが大略としては、フィルタ処理によるエッジ判定と網点部判定を行ない、それらの結果を合成して文字線領域を判定する。この結果、文字線画像と判定された画素に対しては1ビットの文字信号MJが“1”として出力される(文字線画以外では“0”)。このMJ信号は後述する空間フィルタ部505とメインコントローラ111に送られる。
【0073】
<ライン遅延調整部の説明>
ライン遅延調整部504は前述のように、遅延ライン数の小数点部分が調整されたデータを入力し、RGBの各データのライン遅延数の整数部分のタイミングを揃える処理を行う。その具体的な構成は、例えば図12に示すようなもので実現できる。
【0074】
実施形態では、RGBの各データは、R、G、Bの順に読取られれるので(この順に限らないのは勿論である)、Bを基準にし、R、Gを遅延させることになる。そこで、図示に示すように、R、G成分について多ライン分遅延させるため複数のラインメモリ1201乃至1203、1205乃至1207を用意し、セレクタ1204、1208に、遅延ライン数の整数部分に応じた選択信号SelーR、Sel−G(メインコントローラ111からの信号)を与えることで、入力されるデータを選択するようにした。
【0075】
なお、MJ信号についても、同様の回路構成で同期を取ることができるのは容易に理解できよう。
【0076】
以上の結果、ライン遅延調整部504により、図9に示す如く、RGBの各コンポーネントの位相が揃い、また副走査の有効区間を示すイネーブル信号Venbは有効画像領域と一致したものとして次モジュールである空間フィルタ部505に送る。
【0077】
<空間フィルタ部の説明>
空間フィルタ部505は予め設定された空間フィルタ係数に基づいて、入力されるRGBの画像信号に対してエッジ強調等のフィルタ処理を行う。前記フィルタ係数は文字線画像用と写真画像用で異なるものが用意されており、前記文字信号MJによりいずれかが選択される。
【0078】
上記フィルタ処理されたRGB画像信号はメインコントローラ111に入力される。
【0079】
<プリンタ画像処理部の説明>
次に、図3のプリンタ画像処理部145の詳細な説明を行う。図10はプリンタI/F145の画像処理を担う部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【0080】
メインコントローラ111から、プリンタバス146を介して送られる画像信号は、RGB画像信号、前記文字信号MJ、また、現在入力している画像信号がスキャナからのコピーモードであるのかPDLからのプリンタモードであるのかを示すモード信号MODを有する。該MOD信号はメインコントローラ111で生成され、プリンタモードの時に“1”となる。またプリンタモード時には文字信号MJもメインコントローラで生成され、RGB画像信号と共に送られる。ここで、文字信号MJ、モード信号MODをまとめて属性信号(アトリビュート信号)ATRと呼ぶ。
【0081】
以下、プリンタ画像処理部145内の各ブロックの説明を行なう。
【0082】
<下地除去部の説明>
1001は下地除去部である。ここでは入力されるRGB信号から原稿中の最も明るい色を検出し、それが白色になるように原稿の下地レベルを設定する。本処理は前記MOD信号=“1”(プリンタモード)の時には行われない。
【0083】
<色空間変換部の説明>
次の色空間変換部1002ではRGBの画像信号をプリンタの現像材の色であるシアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの4つのプロセス色に変換する。色空間変換部1002での処理は、まず受け取った画像データ1画素ごとに対して、下記の式で表される3×3のマトリクス演算を施す。
【0084】
【数1】
【0085】
上式において、R、G、B入力、X、Y、Zが出力、a11、a12、a13、a21、a22、a23、a31、a32、a33、b1、b2、b3、c1、c2、c3がそれぞれ係数である。
【0086】
上式の演算によって、例えばRGB色空間からYuv色空間への変換など、各種の色空間変換を行うことができる。
【0087】
次に、マトリクス演算後のデータに対して、LUT(ルック・アップ・テーブル)による変換を行う。これによって、非線形の変換をも行うことができる。ここでスルーのテーブルを設定することにより、実質的にLUT変換を行わないこともできる。
【0088】
上記演算の係数及びLUTの変換テーブルは例えばSRAMを用いて予め複数の印字モード(「コピーモード・写真」、「コピーモード・黒文字」、「プリンタモード・写真」、「プリンタモード・色文字」等)用の値を設定しておき、前記属性信号に応じて各モードに対応したテーブルに切り替えながらCMYK各8ビットの画像信号に色空間変換を行う。
【0089】
<γ補正部の説明>
γ補正部1003は入力するCMYK各色の画像信号をプリンタ部の出力特性に合わせて補正し、濃度やカラーバランスの調整を行う機能を有する。
【0090】
<疑似中間調処理部の説明>
疑似中間調処理部1004はCMYK各8ビットの画像信号各色毎に疑似中間調処理を施し、プリンタ部のパルス幅変調部の入力ビット長であるCMYK各4ビットの信号に変換する機能を有する。
【0091】
疑似中間調処理は画像モードに合わせて異なる3種類の処理を持つ。すなわち、
・「コピーモード・文字」及び「プリンタモード・文字」:多値誤差拡散
・「コピーモード・写真」:多値ディザ1
・「プリンタモード・写真」:多値ディザ2
(多値ディザ1と2ではスクリーンサイズ及び形状が異なる)
のように設定されている。内部ではこれらの処理が同時に行われており、前記属性信号ATRに応じて画素毎にいずれかが選択され、出力される。以上のようにして画像モードに応じて最適な階調性と解像度の処理が選択される。
【0092】
<エッジスムージング処理部の説明>
前記疑似中間調処理されたCMYK各4ビットの画像信号及び属性信号はエッジスムージング処理部1005に入力される。
【0093】
エッジスムージング処理部1005ではCMYKの各コンポーネント毎にウィンドウ処理によるパターンマッチングを用い、所定のパターンにヒットした場合にエッジを滑らかにするようなデータに変換する。
【0094】
図6に戻り、上記説明した変換処理がCMYKそれぞれの色毎行われ、変換された画像情報はコネクタ147を介してプリンタ部300に送られ、既述のカラー電子写真記録が行われる。
【0095】
以上説明したように、スムージング時のパターンマッチングに文字信号を使用することによって文字線画のエッジに対して効果的なスムージング処理を行うことができる。
【0096】
また、上記説明では感光ドラムをCMYKそれぞれのプロセス毎に独立して持つ4ドラム、レーザー方式のプリントエンジンの場合について説明したが、これに限ることなく、1つの感光ドラムで色を切り替えながら4回転してカラー画像を得る1ドラム式のカラーレーザビームプリンタやLEDプリンタ、液晶シャッタ式プリンタ、更にはインクジェット方式のプリンタ等、他の方式の記録装置にも本発明を適用することができる。
【0097】
なお、上記実施形態におけるライン間遅延&MTF補正部502では、Rを基準にし、それより遅れて入力されるG、B成分の遅延ライン数の小数部分の調整を行うべく、2ライン間の補間処理を行った。
【0098】
しかしながら、文字判定部503等では、G成分を基準にして判定して文字線画の判定を行っているから、このG成分のデータが補間によって生成されているととすると誤判定の要因にもなる。そこで、ライン間遅延&MTF補正部502では、G成分を基準にすることが望ましい。すなわち、G成分より先行するR成分、遅れてくるB成分を補間対象にするのである。この結果、G成分は生のデータとなり、文字線画判定のための信号として精度を高めることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、3ラインCCD等、各色成分の画像が互いにずれて入力される場合に、各色成分毎にその有効領域外となる部分に所定のデータを設定することで、画像端部における画質劣化を抑制し、メモリ節約に寄与することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかわる画像処理システムの全体構成図である。
【図2】実施形態における装置の断面構成図である。
【図3】実施形態における制御装置110のブロック図である。
【図4】実施形態におけるリーダ画像処理部222の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態におけるスキャナ画像処理部140の構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態における周波数変換&有効区間データ生成部501の内部ブロック図である。
【図7】RGB入力画像の模式図である。
【図8】実施形態における周波数変換&有効区間データ生成部501で処理された画像データのタイミングを示す図である。
【図9】実施形態におけるライン調整部504で調整された後の画像データのタイミングチャートである。
【図10】実施形態におけるプリンタ画像処理部145の構成を示すブロック図である。
【図11】ライン間遅延&MTF補正部502における遅延ライン数の小数部分の調整に係る構成を示す図である。
【図12】ライン遅延調整部504の構成を示す図である。
Claims (4)
- 位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置であって、
各色成分の有効画像領域外に対する値を設定する設定手段と、
各色成分の非有効区間のデータを、前記設定手段によって設定された設定値に置き換える変換手段と
を備えることを特徴とする画像記録装置。 - 前記各色成分の全有効領域を包含する有効信号を生成し、後段の処理ブロックに対して送出する有効信号生成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
- 位相のずれた各色成分の画像データを入力し、所定の記録媒体上に可視画像を形成する画像処理装置の制御方法であって、
各色成分の有効画像領域外に対する値を設定する設定工程と、
各色成分の非有効区間のデータを、前記設定工程によって設定された設定値に置き換える変換工程と
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - 前記各色成分の全有効領域を包含する有効信号を生成し、後段の処理ブロックに対して送出する有効信号生成工程を備えることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置の制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2002288882A JP2004126135A (ja) | 2002-10-01 | 2002-10-01 | 画像処理装置及びその制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014220697A (ja) * | 2013-05-09 | 2014-11-20 | 株式会社リコー | 画像形成装置、画像形成方法および印刷物の製造方法 |
-
2002
- 2002-10-01 JP JP2002288882A patent/JP2004126135A/ja not_active Withdrawn
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