JP2004124875A - 液体吐出装置およびこれを備えた機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブの塑性変形を防止して液体吐出量を安定させることができる液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】チューブ3上をボール4が転動してチューブ3内の液体を吐出させる液体吐出装置1において、ボール4を押圧しながら転動させるロータ5を蓋部材22に取り付ける。ロータ5の回転中心にピン24を係合させて蓋部材22および基部21の回転軸方向の位置を規定する。ピン24の係合を外すと、蓋部材22とともにボール4からロータ5の回転軸方向に離間し、ボール4の押圧力が除去されて、チューブ3の圧閉が解除される。使用しない時はチューブ3の圧閉を解除すれば、チューブの塑性変形を防止できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出装置およびこれを備えた機器に関する。より詳しくは、チューブを圧閉することによってチューブ内部の液体を吐出する液体吐出装置およびこの液体吐出装置を備えた機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より液体吐出装置としては、内部に液体が流通するチューブの一部を圧閉してチューブ内の液体を吐出させるものがある(例えば特許文献1)。これは、複数の押圧体をチューブに沿って配置し、この押圧体で順次チューブを押圧して圧閉することによってチューブ内の液体を順次送るものである。また、近年では押圧体としてボールを用い、チューブ上を転動させることによってチューブを順次圧閉して液体を吐出させるものも開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−110712号公報 (第4頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのようにチューブを順次圧閉していく液体吐出装置では、押圧体がチューブに沿って配置されているため、運転を停止している間であっても押圧体がチューブの少なくとも一部を常に圧閉することになる。特に工場で組み立てた後ユーザが使用を開始するまでの間はチューブの一部にのみ長期間力が加わっている。その結果チューブが塑性変形してチューブの容量が変化してしまい、液体吐出装置の吐出量に誤差が生じる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、チューブの塑性変形を防止し、液体吐出量を安定させることができる液体吐出装置およびこの液体吐出装置を備えた機器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体吐出装置は、内部に液体が流通するチューブと、このチューブの一部を圧閉する押圧体と、この押圧体をチューブ側に押圧する押圧部材と、この押圧部材を駆動する駆動機構とを備えた液体吐出装置において、押圧部材は、押圧体への押圧方向と反対方向に離間可能に設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、押圧体を押圧する押圧部材が押圧体から離間可能に設けられているので、離間状態では押圧体への押圧力が除去され、チューブの圧閉が解除される。これにより、液体吐出装置を使用しない時には押圧体がチューブを圧閉しないように設定することが可能となり、チューブの塑性変形が防止される。よって、液体吐出装置の液体吐出量が安定する。
【0007】
本発明では、チューブが配置された基部と、この基部の開口を塞ぐ蓋部材とを備え、押圧部材は蓋部材に支持されており、蓋部材および押圧部材は、基部に対して押圧体への押圧方向と反対方向に離間可能に設けられていることが望ましい。
この発明によれば、押圧部材が蓋部材に支持されているので、蓋部材を基部に対して離間させれば同時に押圧部材が押圧体から離間してチューブの圧閉が解除される。よって液体吐出装置の外部からチューブの圧閉解除操作が可能となり、操作が容易となる。また、チューブの圧閉が解除された状態では基部と蓋部材とが離間しているので、チューブの圧閉解除状態が外部から確認容易となり、これによりチューブの圧閉を解除した状態で液体吐出装置を駆動するなどの操作ミスが防止される。
【0008】
本発明では、基部および蓋部材が互いに近接した位置を維持する近接位置保持手段を備えていることが望ましい。
この発明によれば、近接位置保持手段によって基部および蓋部材の近接位置が規定される。したがって、押圧部材が蓋部材に支持されている時には押圧体への押圧力が安定し、液体吐出量が安定する。
【0009】
本発明では、近接位置保持手段は、先端側が軸方向に分割されかつ先端に基部または蓋部材と係合する係合部を備えた割ピン、基部および蓋部材に螺合されるねじ、および軸方向に所定値以上の力がかかると係合が外れるカプラのいずれかであることが望ましい。
この発明によれば、近接位置保持手段の形状を適切に設定しているので、基部および蓋部材を係合あるいは螺合させる操作により近接位置が簡単に維持される。また、これらの近接位置保持手段を外すと蓋部材が基部から離間するので、蓋部材に支持された押圧部材が押圧体の押圧を解除し、チューブの圧閉を解除する。よって、近接位置保持手段を操作することによって押圧体の押圧、つまりチューブの圧閉の解除が簡単になる。これにより、液体吐出装置の使用前の準備あるいは使用後の片づけが容易となり、操作時間の短縮となる。
【0010】
本発明では、基部および蓋部材は、互いの近接距離が調整可能に設けられていることが望ましい。
この発明によれば、基部と蓋部材との近接距離が調節可能なので、押圧部材とチューブとの距離、つまり、チューブの圧閉量が調整可能となる。チューブの圧閉量を調整することにより液体流量が調整されるので、液体吐出装置の汎用性が向上する。また、液体流量の微調整が可能となり、液体吐出装置の取扱性が向上する。
【0011】
本発明では、基部および蓋部材の近接離間方向に直交する方向の位置を規定する位置決め手段を備えていることが望ましい。
この発明によれば、位置決め手段が基部および蓋部材の近接離間方向に直交する方向の位置を規定している。このため、液体吐出装置を駆動した際にも基部と蓋部材とが当該方向に相対的に移動するのを防止するので、押圧部材と押圧体との位置がずれることなく液体吐出装置が良好に動作し、液体吐出性能が安定する。
【0012】
本発明では、基部および蓋部材が互いに所定距離以上離間するのを防止する離間防止手段を備えていることが望ましい。
この発明によれば、離間防止手段は基部および蓋部材が所定距離以上離間するのを防止する。よって、基部および蓋部材が離間した時に内部のチューブや押圧体、押圧部材の相対位置がずれることがなく、再びこれらを近接した時にも内部の部材が所定位置に確実に配置される。
【0013】
本発明では、蓋部材および基部を互いが近接する方向に付勢するばねと、蓋部材と基部との間に着脱可能に設けられるとともに、蓋部材と基部とが離間して形成された隙間を保持するスペーサとを備えていることが望ましい。
この発明によれば、蓋部材および基部の間にはスペーサが介装されており、押圧部材の押圧力が除去されてチューブの圧閉が解除されている。液体吐出装置を使用する際にはこのスペーサを外せば、ばね力によって基部と蓋部材とが互いに近接し、押圧部材が押圧体を押圧することによりチューブが圧閉されて使用可能状態となる。スペーサの着脱でチューブの圧閉解除操作が可能となるので、操作が容易になる。
また、この発明ではスペーサを介装されている状態ではチューブの圧閉が解除された状態なので、スペーサがチューブの圧閉状態を確認する確認手段ともなり、液体吐出装置の操作ミスが防止される。そして、スペーサを介装させた状態が通常状態となるので、使用する時にのみスペーサを外す作業が発生し、液体吐出装置の管理が確実である。
【0014】
本発明では、駆動機構は圧電素子の振動によって押圧部材を駆動する振動体であり、圧電素子への配線は、押圧部材が押圧体を押圧してチューブを圧閉する配置においてのみ導通されることが望ましい。
この発明によれば、押圧部材が押圧体を押圧してチューブが圧閉された状態の時にのみ圧電素子への配線が導通されるので、押圧部材が所定位置に配置された時のみ液体吐出装置の駆動が可能となる。よって、チューブを押圧しないまま駆動するなどの操作ミスが防止される。また、駆動機構が圧電素子を備えた振動体で構成されているので、液体吐出装置の薄型化が促進される。
【0015】
本発明の機器は、前述の液体吐出装置を例えば点滴機器などの医療用機器や、芳香発生装置など、液体を吐出する様々な機器に用いていることが望ましい。
この発明によれば、本発明の液体吐出装置を用いて種々の機器を構成しているので、前述のような効果が得られ、チューブの塑性変形が防止され、液体吐出量が安定する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態以降で、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
【0017】
〔第一実施形態〕
図1には、第一実施形態にかかる液体吐出装置1の平面図が、また図2には液体吐出装置1の側断面図が示されている。
これらの図1および図2において、液体吐出装置1は、内部に液体が流通するチューブ3と、このチューブ3を押圧する押圧体としてのボール4と、このボール4をチューブ3上で転動させる押圧部材としてのロータ5(図2)と、ロータ5を回転駆動する駆動機構6と、ボール4の転動軌跡を規定するリテーナ7とを備えている。また、これらの構成部品、つまりチューブ3の一部、ボール4、ロータ5、駆動機構6、およびリテーナ7は、ケース部材2に収納されている。
ケース部材2は、チューブ3が配置される基部21と、基部21の開口部分を覆う蓋部材22(図2)とを備えている。基部21には外周近傍に複数箇所(本実施形態では四箇所)の孔213A,213B,213C,213Dが形成されている。これらの孔213A,213B,213C,213Dのうち、対角線上の孔213A,213Dは、孔213B,213Cよりも径が大きく形成されている。ここで、孔213Aおよび孔213Dは同じ構造であり、また孔213Bおよび孔213Cは同じ構造なので、図2を用いて孔213Aと孔213Bとについて説明する。蓋部材22には、孔213A,213Bの位置に対応する位置に互いに同じ径寸法の孔221A,221Bが形成されている。これらの孔213A,213Bおよび孔221A,221Bには、蓋部材22を基部21に対して固定する位置決めピン23A,23Bが貫通している。位置決めピン23A,23Bは同形状で、三つの異なる径の円柱状部分、すなわち大径部231A,231Bと、中径部232A,232Bと、小径部233A,233Bとを備えて構成されている。大径部231A,231Bは、蓋部材の孔221A,221Bに嵌合する寸法となっており、これによって位置決めピン23A,23Bが蓋部材22の孔221A,221Bに固定されている。中径部232Bは、孔213Bに嵌合する寸法となっており、これによって位置決めピン23Bは基部21に固定されている。一方、中径部232Aは、孔213Aとの間に所定隙間を有している。小径部233A,233Bは、孔213A,213Bより小さい径寸法となっており、これらの孔213A,213Bに所定隙間を有して挿入されている。
このような構造によれば、位置決めピン23A,23B,23C,23Dのうち、対角線上の二箇所の位置決めピン23B,23Cが基部21および蓋部材22の両方に嵌合されている。これにより、蓋部材22および基部21のボール4が押圧される方向に直交する方向(つまり基部21および蓋部材22の接触面の面内方向)の位置が規定され、これらの相対的な位置のずれが防止されている。したがって、これら二つの位置決めピン23B,23Cが本発明における位置決め手段となっている。ここで、基部21および蓋部材22の両方に嵌合する位置決めピン23は少なくとも二箇所設けられていればよい。また、基部21の蓋部材22に接触する面とは反対側の面には、孔213A,213B,213C,213Dと同軸上に凹状部214(図2では214A,214B)が形成されている。この凹状部214は孔213よりも径が大きく、よって段差を有して形成されている。さらに、基部21において蓋部材22に対向する面の孔213B,213C近傍の端部には切欠215が形成されている。この切欠215により、基部21および蓋部材22が接触した時に両者の間に隙間が形成されている。
【0018】
基部21の蓋部材22に対向する面の略中央には、チューブ3が配置されるチューブガイド溝211が形成されている。このチューブガイド溝211は、円弧状部分と、この円弧状部分の両端から基部21の端部に向かって互いに平行に形成された二つの直線部分とを備えている。直線部分の途中には、基部21の断面方向に貫通する孔211Bが形成され、この孔211Bの側面から基部21の裏面に沿って溝211Aが基部21の端部まで形成されている。
チューブ3は、ケース部材2の外部から溝211Aに沿って配置され、孔211Bにおいてケース部材2内部に入る。そしてチューブ3は、チューブガイド溝211に沿って配置され、もう一方の孔211Bおよび溝211Aを通って再び外部へ配置されている。二つの溝211Aには、チューブ3がチューブガイド溝211に沿ってたるみなく張設されるように、ストッパ212がそれぞれ取り付けられている。一方のストッパ212Aは溝211Aに固定され、かつ内周部分にチューブ3を固定している。また、他方のストッパ212Bは、溝211Aに固定された円筒状部材とチューブ3が固定された円筒状部材とがねじによって螺合されている。これらの円筒状部材のねじ込み量を調整することでチューブ3が適切な張力でチューブガイド溝211に配置されている。なお、チューブ3の材料は、シリコーンゴム、ポリウレタン、その他の弾性材料が採用できる。また、チューブ3をチューブガイド溝211に配置する際には、まずストッパ212をチューブ3に固定する。その後、ストッパ212を孔211Bに通して溝211Aに固定し、二つのストッパ212間のチューブ3をチューブ溝211に沿って配置すればよい。
ボール4は、複数(本実施形態では二つ)設けられ、チューブガイド溝211の円弧状部分に沿って等間隔、つまり本実施形態では180°間隔でチューブ3のチューブガイド溝211に当接される側とは反対側に配置されている。
【0019】
ロータ5は、環状に形成されており、ステンレス鋼や、鉄、アルミニウム、その他の材料で構成されている。なおロータ5の材料は、耐摩耗性を考慮して鉄で構成された部品にニッケルリンの無電解メッキを施して硬化処理を行ったものを採用してもよい。このロータ5の内周側にはデルリンやポリテトラフルオロエチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene, PTFE)などの低摩擦係数の材料で構成された環状のブッシュ51が圧入されている。ブッシュ51は、蓋部材22に固定されたロータ軸25に回転可能に支持されている。ロータ軸25は段付円筒状に形成され、その大径部分が蓋部材22においてチューブガイド溝211の円弧状部分の中心位置に対応する位置に圧入されている。ロータ軸25の小径部分はロータ5のブッシュ51を貫通しており、内周にはねじ部251が形成されている。このねじ部251には、段付円筒状のロータ押さえ部材252が、小径部分外周に形成されたねじによって螺合されて固定されている。この時、ロータ5のブッシュ51は、回転軸方向の一端がロータ軸25の大径部分に、また他端がロータ押さえ部材252の大径部分に当接されている。これにより、ロータ5はロータ軸25の軸方向にずれが防止され、ブッシュ51を滑り軸受としてロータ軸25を中心に摺動かつ回転可能に支持されている。
また、ロータ軸25の内周には、ロータ押さえ部材252の小径部分端部から所定間隔を有して断面略三角形状のツメ部253が形成されている。このツメ部253には、基部21に形成された孔215およびロータ押さえ部材252を貫通した近接位置保持手段としてのピン24が係合されている。ピン24の外径は孔215の内径よりも小さく形成されており、このためピン24は孔215に摺動可能に貫通されている。また、ピン24の基端側は、孔215よりも径が大きく形成され、孔215の端部に係止されている。ピン24は、先端側に四つの柱状に分割された柱状部241と、この柱状部241の先端に形成された係合部としてのツメ部242とを備えた、いわゆる四つ割ピンである。ツメ部242は、断面略三角形状でロータ軸25のツメ部253と係合している。これにより、ピン24は、基部21と蓋部材22とを近接させた位置で維持している。
ロータ5のボール4に対向する面には押圧ゴム52が設けられ、ボール4に当接されている。また、ロータ5の側面には凹部53が形成されている。ここで、ロータ5とチューブガイド溝211との距離は、ボール4の直径とチューブ3の直径との和より小さく設定されている。これによって、ボール4はロータ5の押圧ゴム52でチューブ3側に押し付けられ、チューブ3がチューブガイド溝211の形状に沿って押しつぶされるようになっている。さらに、当該距離をボール4の直径とチューブ3の肉厚の合計との和より小さく設定すれば、チューブ3を完全に押しつぶすことができる。
【0020】
図3には、液体吐出装置1の駆動機構6を拡大した側断面図が示されている。この図3および図1,図2において、駆動機構6は、圧電素子612の振動によって振動する振動体61と、この振動体61を支持する腕部62とを備えた、いわゆる圧電アクチュエータである。また、駆動機構6は、振動体61の圧電素子612に所定周波数の電圧を印加することにより振動体61を振動させる印加装置(図示せず)を備えている。
振動体61は、略矩形平板状に形成された補強板611と、この補強板611の表裏両面に設けられた平板状の圧電素子612とを備えている。補強板611は、ステンレス鋼、その他の材料から構成され、略矩形状に形成されている。また、補強板611の対角線上の長さ方向両端には、凸部613が一体的に形成されている。凸部613の一方は、ロータ5の凹部53に当接され、凸部613の先端がロータ5の半径方向に対して傾斜するように配置されている。補強板611の長手方向略中央には、補強板611の長手方向に直交するように取付部611A,611Bが一体的に形成されている。
圧電素子612は、補強板611の両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子612の材料は、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム等の各種のものを用いることができる。また、圧電素子612の両面には、ニッケルメッキ層および金メッキ層などが形成され、対角線上の長さ方向両端に溝を設けることで電極が形成されている。これらの電極は、圧電素子612に所定周波数の電圧を印加する印加装置(図示せず)に電気的に接続されている。
腕部62は、補強板611をロータ5側に付勢する腕部本体621と、補強板611および腕部本体621を支持する支持板622とを備えている。補強板611の取付部611Aは、腕部本体621を介して支持板622にねじ624およびねじ625によって二箇所で固定されている。また取付部611Bは、腕部本体621と同じ厚さのスペーサを介して支持板622にねじ623によって固定されている。そして、腕部本体621および支持板622は、蓋部材22にねじ626で回転可能に固定されている。腕部本体621には、補強板611が支持された側とは反対側の一端に略U字形の弾性部627が一体的に形成されている。この弾性部627は先端が係止部材628によって蓋部材22に係止されている。この弾性部627は、ねじ626を中心に振動体61を付勢しており、これによって振動体61の凸部613はロータ5の凹部53に適切な付勢力で押し付けられている。
【0021】
リテーナ7は、ロータ5と基部21との間に設けられ、リング状に形成されている。リテーナ7の内周側は基部21に環状に設けられた突起26に当接されることで平面方向のずれが防止されている。リテーナ7には周囲に沿って複数箇所(本実施形態では六箇所)のボール保持部71が等間隔に形成されている。これらのボール保持部71のうち、対向する二つにボール4が配置されている。また、リテーナ7の外周には、凸部72が形成されており、リテーナ7の側面にはこの凸部72の通過を検出する回転検出手段73が設けられている。なお、ボール4は、三つあるいは六つ設けられていてもよい。ボール4が三つ設けられた場合には、六つのボール保持部71にボール4を一つおきに配置して互いの間隔が120°となるようにすればよい。
【0022】
このような液体吐出装置1は、次のように動作する。
まず、図示しない印加装置によって圧電素子612に電圧を印加すると、振動体61が縦振動と屈曲振動を組み合わせた楕円軌道を描く。この楕円軌道の一部で凸部613がロータ5の側面を押すことにより、ロータ5が図1の矢印R方向に回転する。この動作を適当な振動数で繰り返すことにより、ロータ5を所望の回転数で回転させる。
ロータ5が回転すると、押圧ゴム52に押圧されているボール4は摩擦によってチューブ3を押しつぶしながら転動する。これによって、チューブ3内の二つのボール4に挟まれた液体が移動する。一方のボール4がチューブガイド溝211の円弧状部分の端部まで移動すると、チューブ3は直線部分に沿ってケース部材2の端部に向かい、一方ボール4は押圧ゴム52とともにロータ軸25を中心に回転を続けるので、チューブ3の押圧が解除される。この状態で、もう一方のボール4が転動しながら液体を円弧状部分に沿って押し出し、これによってチューブ3から液体が吐出される。一方のボール4はその間に再び円弧状部分上に配置され、チューブ3を押しつぶして、もう一方のボール4とで挟まれた液体を移動させる。これを繰り返すことによってチューブ3内の液体を連続で吐出させる。
ボール4は、その転動にともなってボール保持部71を押し、これによってリテーナ7が回転する。この際、回転検出手段73はリテーナ7の凸部72の通過を検知し、ボール4の回転速度(回転数)を検知する。
【0023】
液体吐出装置1を使用しない時には、チューブ3の圧閉を解除する。
図4には、液体吐出装置1のチューブ3の圧閉解除状態を示す側断面図が示されている。チューブ3の圧閉を解除する場合には、ピン24のツメ部242を適当な治具や手などで互いにすぼめてツメ部253との係合を外す。すると、チューブ3および押圧ゴム52の弾性力により蓋部材22が基部21から離間する。ロータ5および駆動機構6は蓋部材22に取り付けられているので、蓋部材22とともに基部21から離間し、これにより、ボール4のチューブ3に対する押圧力が解除される。よって、チューブ3の圧閉が解除される。なお、例えば位置決めピン23B,23Cの基部21への嵌合が強く、チューブ3および押圧ゴム52の弾性力で蓋部材22が基部21から離間しない場合には、ツメ部253の係合を外した状態で手などで操作して蓋部材22を基部21から離間させればよい。この時、切欠215に爪やドライバなどをあてて蓋部材22と基部とを離間させると簡単に離間させることができる。
この時、位置決めピン23A,23B,23C,23Dの端部が凹状部214A,214B,214C,214Dと孔213A,213B,213C,213Dとの段差部分に当接されるので、蓋部材22および基部21が所定距離だけ離間する。この所定距離は、位置決めピン23A,23B,23C,23Dの長さや凹状部214A,214B,214C,214Dの深さを適宜設定することで調整される。これにより、ボール4はリテーナ7のボール保持部71やチューブガイド溝211、ロータ5の押圧ゴム52から外れず、所定範囲内に保持される。よって、この位置決めピン23は、本実施形態において蓋部材22および基部21が所定距離以上離間するのを防止する離間防止手段として機能している。また、ピン24は、孔215に摺動自在に貫通しているので、液体吐出装置1の振動などによってピン24がさらに基部21側へ移動した場合には、ツメ部242がツメ部253とロータ押さえ部材252との間に係合され、孔215から抜けることがない。
液体吐出装置1を使用する時には、蓋部材22およびピン24を互いに押してツメ部242をツメ部253に係合させれば、ロータ5がボール4を押圧し、ボール4がチューブ3を圧閉する。この時、位置決めピン23B,23Cは孔213B,213Cと嵌合して蓋部材22および基部21の平面方向の位置を規定するので、ロータ5、ボール4およびチューブ3の相対位置がずれることがない。
【0024】
したがって、このような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) ロータ5がボール4への押圧方向とは反対方向に離間可能に設けられているので、液体吐出装置1を使用しない時にはピン24の係合を外すことによってロータ5をボール4から離間させることができる。これによりチューブ3の圧閉を解除できるので、長期間使用しない場合でもチューブ3の塑性変形を防止できる。また、チューブ3の塑性変形を防止できるので、液体吐出装置1の液体の吐出量を安定させることができる。
また、ロータ5がロータ軸25の軸方向に離間するので、チューブ3を圧閉する時にロータ5を回転させる必要がない。よって、駆動機構6はチューブ3が圧閉された状態でロータ5を回転させるだけの駆動力を備えていればよいので、駆動力を小さくでき省力化を促進できる。反対に、小さい駆動機構6を積むことができ、液体吐出装置1の小型化を促進できる。
【0025】
(2) ロータ5が蓋部材22に支持されているので、蓋部材22を基部21から離間させればロータ5も離間し、チューブ3の圧閉を解除できる。よって、ケース部材2の外部から容易に圧閉解除操作を行うことができる。また、チューブ3の圧閉を解除した時には基部21と蓋部材22との間に隙間が形成されているので、チューブ3の圧閉状態を簡単に確認することができ、操作ミスを防止できる。
【0026】
(3) 蓋部材22と基部21とがピン24の係合によってロータ軸25の軸方向に固定されているので、ピン24の係合を外すことによって簡単にチューブ3の圧閉を解除できる。また、簡単な構造で実現できる。
【0027】
(4) 位置決めピン23B,23Cが蓋部材22および基部21の平面方向の位置を規定しているので、液体吐出装置1を駆動した時にも蓋部材22が基部21に対して回転してしまうのを防止できる。これにより、ロータ軸25の位置が基部21に対して規定されるので、ロータ5の回転中心がずれることなく駆動できる。つまり、ロータ5とボール4との相対位置、およびボール4とチューブ3との相対位置がずれないので、液体吐出性能を安定させることができる。
また、蓋部材22を基部21に対して離間させた時に位置決めピン23A,23B,23C,23Dが凹状部214A,214B,214C,214Dに当接されるので、蓋部材22および基部21が所定距離以上は離間しない。よって、チューブ3の圧閉を解除した状態でもボール4がボール保持部71や押圧ゴム52から外れるのを防止できる。そして、蓋部材22および基部21を再び近接させた時にもボール4を所定位置に配置でき、確実かつ良好にチューブ3を圧閉できる。
【0028】
(5) 駆動機構6が圧電素子612を備えた振動体61なので、液体吐出装置1の薄型化が促進できる。
【0029】
(6) 駆動機構6がロータ5とともに蓋部材22に取り付けられているので、蓋部材22を基部21から離間させても、凸部613とロータ5の凹部53との係合が外れることがない。よって、液体吐出装置1の誤動作や動作不良を防止でき、常に確実かつ良好にロータ5を駆動できる。
【0030】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態におけるチューブの圧閉解除機構の構成が異なるものである。
図5には、第二実施形態にかかる液体吐出装置1の側断面図が示されている。この図5において、ピン24は単なる円柱状部材で、孔215に螺合されている。また、四箇所の凹状部214(図5では凹状部214A,214Bのみ図示)には、ばね234(図5ではばね234A,234Bのみ図示)がそれぞれ設けられている。これらのばね234は、一端が凹状部214と孔213との段差部分に当接され、他端が位置決めピン23の端部に当接されている。このばね234のばね力により、基部21は蓋部材22に適切な付勢力で押し付けられている。
このような液体吐出装置1において、チューブ3の圧閉を解除する場合には、蓋部材22をばね234のばね力に抗して基部21から離間させる。
図6には、液体吐出装置1のチューブ3の圧閉解除状態を示す平面図が、また、図7には、その側面図が示されている。これらの図6および図7において、蓋部材22および基部21の間の隙間には、スペーサ8が介装されている。スペーサ8は略コ字型に形成され、基端側にケース部材2の一辺に介装される基端部81とこの基端部81の両端に略直角に突出するように形成された両端部82とを備えている。基端部81と両端部82との境目には略U字形の切欠83が形成されている。この切欠83により基端部81の両端には弾性を有する弾性部831が形成されている。また、基端部81両端の両端部82とは反対側には、略三角形状のつまみ部84が形成されている。ここで、スペーサ8の厚さは、蓋部材22および基部21の間にスペーサ8が介装された時に、ボール4がボール保持部71や押圧ゴム52、チューブガイド溝211から外れない程度の厚さに設定されている。このようなスペーサ8のつまみ部84をつまんで互いを近接させると、弾性部831の弾性力によって当該部分が撓み、両端部82の先端側が互いに離間する。この状態で、蓋部材22および基部21の間の一辺に基端部81を介装する。その後、つまみ部84を離せば両端部82が両端の二辺の隙間に介装される。
図8には、液体吐出装置1のチューブ3の圧閉解除状態を示す側断面図が示されている。この図8の状態では、蓋部材22および基部21が所定間隔を有して離間し、ロータ5がボール4から離間するので、チューブ3の圧閉が解除される。液体吐出装置1を使用する場合には、つまみ部84をつまんでまず両端部82を外し、その後スペーサ8を基端部81に垂直に引いてケース部材2から外す。するとばね234のばね力によって基部21が蓋部材22に押し付けられて接触し、ロータ5がボール4を押圧し、そしてボール4がチューブ3を圧閉して使用可能状態となる。
【0031】
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(4)、(5)および(6)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(7) スペーサ8の着脱によってチューブ3の圧閉解除および圧閉が操作できるので、簡単に操作できる。また、通常スペーサ8を介装させた状態で液体吐出装置1を保管し、使用したい時にのみスペーサ8を外すので、スペーサ8がチューブ3の圧閉状態を確認する確認手段ともなり、操作ミスを防止できる。そして、スペーサ8を介装させた状態が通常状態となるので、使用する時にのみスペーサ8を外す作業が発生し、液体吐出装置を確実に管理できる。また、スペーサ8が介装されているので、蓋部材22の自重をスペーサ8で受けることができ、チューブ3にかかる押圧力をより一層軽減することができる。
【0032】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、第一実施形態における振動体が内側からロータに当接されているものである。
図9には、第三実施形態にかかる液体吐出装置1の平面図が、また図10にはその側断面図が示されている。これらの図9および図10において、ケース部材2は平面円形に形成されている。蓋部材22の外周および基部21の内周には互いに螺合するねじ部27A,27Bが形成されている。また、ねじ部27Aにはナット27Cが螺合され、ダブルナットの構造となっている。ロータ5は環状に形成され、内周には凹部53が形成されている。ロータ5の外周は、蓋部材22の内周に回転可能に支持されており、基部21に対向する面においてボール4が当接されている。駆動機構6は、ロータ5の内周に配置され、凸部613が凹部53に当接されている。
このような液体吐出装置1では、蓋部材22および基部21のねじ部27A,27Bのねじ込み量を少なくすれば、蓋部材22が基部21に対して離間し、チューブ3の圧閉が解除される。液体吐出装置1を使用する場合には、ねじ部27A,27Bのねじ込み量を多くすれば、蓋部材22が基部21に近接し、ボール4がチューブ3を圧閉する。
また、ねじ部27A,27Bのねじ込み量を調節すれば、蓋部材22と基部21との近接距離が調節される。これにより、ボール4のチューブ3に対する押圧量、つまりチューブ3の圧閉量が調節され、液体の吐出流量が調整される。
【0033】
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(2)、(5)および(6)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(8) 蓋部材22および基部21に互いに係合するねじ部27A,27Bが形成されているので、蓋部材22を基部21に対して回転させるだけでチューブ3の圧閉を簡単に解除できる。また、ねじ部27A,27Bのねじ込み量によって蓋部材22および基部21の近接距離が調節できる。よって、ボール4とチューブガイド溝211との距離、すなわちチューブ3の圧閉量を調整でき、液体の吐出量を簡単に調整できる。
【0034】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、ピン24は、第一実施形態では四つの柱状部241を有する四つ割ピンであったが、柱状部241の数は限定されない。つまり、二つ割や、三つ割のピンを使用しても同様の効果を得ることができる。また、柱状部241を有する割ピンに限らず、ピン24を所定の力以上で係合が外れる、いわゆるカプラのような構造にしてもよい。
図11には、カプラ構造のピン24の拡大断面図が示されている。このようなピン24では、図11(A)に示されるように、外周に溝243を形成する。ロータ軸25内周の溝243に対応する位置に複数個のボール254を設け、内周方向にばねなどで付勢する。このような構成のピン24では、ピン24を蓋部材22側から押すあるいは基部21側から引くと、ボール254の付勢力に抗してボール254と溝243との係合が外れ、図11(B)に示されるように蓋部材22が基部21から離間する。このような構造のピンでも、簡単にチューブ3の圧閉を解除することができる。
あるいは、図12には、ねじ構造のピン24の拡大断面図が示されているが、図12(A)に示されるように、ピン24の中心にねじ部244を形成し、このねじ部244に、バタフライねじ245を螺合させてもよい。このようなバタフライねじ245では、蓋部材22から突出したつまみ部分をピン24に対してねじれば、図12(B)に示されるように蓋部材22が基部21に対して離間する。バタフライねじ245のピン24に対するねじ込み量によって蓋部材22および基部21の離間距離やチューブ3の圧閉量を調整できる。このように、ピン24は各実施形態に示されたものに限定されず、蓋部材22および基部21の近接位置を維持するものであれば構造は任意である。
また、ピン24は、各実施形態においてロータ5の回転中心に設けられていたが、これに限らず任意の場所に設けられていてよい。つまり、例えばロータ軸25には蓋部材22あるいは基部21に対して軸方向に摺動可能な軸を挿通させ、第一実施形態のような四つ割のピンをロータ5の周囲に一つあるいは複数個設ける。このような構造でも、ピン24を外すことによって蓋部材22を基部21から離間させてチューブ3の圧閉状態を解除できるので、本発明の目的を達成できる。
【0035】
蓋部材22および基部21は第三実施形態ではねじ部27A,27Bのねじ込み量によって近接距離が調節可能となっていたが、このような構成に限らない。例えば前述のバタフライねじ245でねじ込み量を調節してもよい。これらの場合には、ねじ込み量によって近接距離を連続的に調節でき、液体の吐出流量を簡単に微調整できる。あるいは、第二実施形態において蓋部材22と基部21との間にスペーサを介装すれば、スペーサの厚みあるいは枚数を調節することによって蓋部材22および基部21の近接距離を多段階に調節できる。
【0036】
位置決め手段は、基部21に形成された孔213と二箇所で嵌合する位置決めピン23A,23Bであったが、これに限らず例えばねじ止めや、その他の任意の固定手段が採用できる。要するに、位置決め手段は、蓋部材および基部の近接離間方向に直交する方向の位置が規定できるものであれば構造は任意である。あるいは、ロータ軸25中心に係合されたピン24が蓋部材22および基部21の近接離間方向に直交する方向の位置を規定する機能を兼ね備えた構造となっていてもよい。
スペーサ8は、第二実施形態にのみ設けられていたが、第一実施形態の液体吐出装置1にも採用できる。特に、蓋部材22やロータ5の重量が大きくなり、チューブ3の圧閉解除状態でチューブ3にかかる自重が大きくなってしまう場合では、これらの自重をスペーサ8が受けるので、長期間不使用であってもチューブ3の塑性変形を良好に防止できる。
【0037】
ロータ5は、各実施形態では蓋部材22に支持され、蓋部材22を基部21から離間させることによってロータ5をボール4から離間させていたが、このような構造に限らない。例えば、基部21および蓋部材22は固定されて、ケース部材2の内部においてロータ5のみがボール4から回転軸方向に離間可能に設けられていてもよい。この場合には、例えばロータ5の回転軸を蓋部材22の外部へ突出させ、この回転軸の突出部分と蓋部材22との間にばねを介装するなどしてロータ5をボール4側に付勢しておく。チューブ3の圧閉状態を解除する時には、ロータ5の回転軸を付勢力に抗して引き、スペーサを介装するなどしてロータ5をボール4から離間した状態で保持すればよい。要するに、ロータ5はボール4への押圧方向と反対方向に離間可能に設けられていればよい。
また、ロータ5のロータ軸25との接続部分は各実施形態においてブッシュ51であったが、これに限らず例えばベアリングであってもよい。ただし、低摩擦係数の材料で構成されたブッシュ51を使用すれば、ベアリングを用いた場合に比べて、ロータ5の軸方向の移動量を小さくすることができる。
押圧体は、各実施形態においてボール4であったが、これらに限らない。例えば、ブロック状の押圧体をチューブに沿って複数配置して、カム機構によって押圧体を順次チューブ側へ押圧することによってチューブを圧閉する構造であってもよい。この場合には、カム機構を押圧体とともにチューブから離間する方向に移動可能に構成すればよい。
【0038】
駆動機構6は、各実施形態において圧電素子612を用いた振動体61であったが、これに限らず電磁モータや超音波モータなど、各種モータや、その他任意の駆動機構が採用できる。
また、各実施形態において圧電素子612は印加装置に電気的に常に接続していたが、これに限らず圧電素子612と印加装置との間に接続・切断可能な接点などを設けて、この接点に圧電素子612への配線と、印加装置からの配線をそれぞれ接続する。蓋部材22および基部21が近接してチューブ3が圧閉状態になった時にのみ接点が接続して圧電素子612の配線が導通されるように構成してもよい。このように構成すれば、チューブ3が圧閉解除状態にある時には圧電素子612に電圧が印加されず、駆動機構6が駆動しないので、操作ミスを防止できる。
【0039】
チューブ3の配置は各実施形態において略U字形であったが、これに限らずL字形、P字形、直線など任意の配置が採用できる。また、圧電素子612の電極の配置は、対角線上両端を略矩形状に切り欠いて、略Z字形となっていたが、これに限らない。例えば凸部613を補強板611の幅方向中央に設けて、圧電素子612の電極を長手方向に沿った中心線に対して線対称に設ける。このような電極の配置であれば、電圧を印加する電極を長手方向に沿った中心線に対して線対称に切り替えれば、凸部613が逆向きの楕円軌道を描くので、ロータ5を逆回転させることができる。
【0040】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0041】
【発明の効果】
このような本発明によれば、押圧部材を押圧体に対して離間可能に設けたので、液体吐出装置を使用しない時には押圧体がチューブを圧閉するのを解除でき、チューブの塑性変形を防止して、簡単な構造で液体吐出量を安定させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる液体吐出装置を示す平面図。
【図2】本発明の第一実施形態にかかる液体吐出装置を示す側断面図。
【図3】本発明の第一実施形態にかかる駆動機構を示す側断面図。
【図4】本発明の第一実施形態にかかるチューブの圧閉解除状態を示す図。
【図5】本発明の第二実施形態にかかる液体吐出装置を示す側断面図。
【図6】本発明の第二実施形態にかかる液体吐出装置を示す平面図。
【図7】本発明の第二実施形態にかかるスペーサの介装状態を示す側面図。
【図8】本発明の第二実施形態にかかるチューブの圧閉解除状態を示す図。
【図9】本発明の第三実施形態にかかる液体吐出装置を示す平面図。
【図10】本発明の第三実施形態にかかるチューブの圧閉解除状態を示す図。
【図11】本発明の液体吐出装置の変形例を示す図。
【図12】本発明の液体吐出装置の別の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…液体吐出装置、2…ケース部材、3…チューブ、4…ボール(押圧体)、5…ロータ(押圧部材)、6…駆動機構、7…リテーナ、8…スペーサ、21…基部、22…蓋部材、23…位置決めピン(位置決め手段、離間防止手段)、24…ピン(近接位置保持手段)、52…押圧ゴム、61…振動体、62…腕部、234…ばね、242…ツメ部(係合部)、612…圧電素子。

Claims (10)

  1. 内部に液体が流通するチューブと、このチューブの一部を圧閉する押圧体と、この押圧体を前記チューブ側に押圧する押圧部材と、この押圧部材を駆動する駆動機構とを備えた液体吐出装置において、前記押圧部材は、前記押圧体への押圧方向と反対方向に離間可能に設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置において、前記チューブが配置された基部と、この基部の開口を塞ぐ蓋部材とを備え、前記押圧部材は前記蓋部材に支持されており、前記蓋部材および前記押圧部材は、前記基部に対して前記押圧体への押圧方向と反対方向に離間可能に設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項2に記載の液体吐出装置において、前記基部および前記蓋部材が互いに近接した位置を維持する近接位置保持手段を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液体吐出装置において、前記近接位置保持手段は、先端側が軸方向に分割されかつ先端に前記基部または前記蓋部材と係合する係合部を備えた割ピン、前記基部および前記蓋部材に螺合されるねじ、および軸方向に所定値以上の力がかかると係合が外れるカプラのいずれかであることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記基部および前記蓋部材は、互いの近接距離が調整可能に設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記基部および前記蓋部材の近接離間方向に直交する方向の位置を規定する位置決め手段を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  7. 請求項2から請求項6のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記基部および前記蓋部材が互いに所定距離以上離間するのを防止する離間防止手段を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  8. 請求項2から請求項7のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記蓋部材および前記基部を互いが近接する方向に付勢するばねと、前記蓋部材と前記基部との間に着脱可能に設けられるとともに、前記蓋部材と前記基部とが離間して形成された隙間を保持するスペーサとを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の液体吐出装置において、前記駆動機構は圧電素子の振動によって前記押圧部材を駆動する振動体であり、前記圧電素子への配線は、前記押圧部材が前記押圧体を押圧して前記チューブを圧閉する配置においてのみ導通されることを特徴とする液体吐出装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の液体吐出装置を用いた機器。
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