JP2003049784A - チューブポンプ - Google Patents

チューブポンプ

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JP2003049784A
JP2003049784A JP2001238482A JP2001238482A JP2003049784A JP 2003049784 A JP2003049784 A JP 2003049784A JP 2001238482 A JP2001238482 A JP 2001238482A JP 2001238482 A JP2001238482 A JP 2001238482A JP 2003049784 A JP2003049784 A JP 2003049784A
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tube
tube pump
vibrating body
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Osamu Miyazawa
修 宮澤
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で、小型化に有利なチューブポンプ
を提供すること。 【解決手段】本発明のチューブポンプ1Aは、チューブ
100を装着する溝20を有する本体2と、本体2に対
し回転可能に設置されたロータ5と、ロータ5の外周面
に螺旋状に設けられ、チューブ100を圧閉する圧閉部
54と、振動体6と、振動体6が当接する被駆動体4
と、被駆動体4の回転をロータ5に伝達する回転力伝達
機構(変速機)3とを備えている。振動体6は、電極と
圧電素子と補強板とを積層してなるもので、圧電素子に
交流電圧が印加されると、圧電素子の伸縮により、長手
方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。被駆動体4
は、振動体6が伸長するときに凸部66から摩擦力(押
圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)により
回転駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューブポンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】弾性を有するチューブをしごくことによ
り、チューブ内の液体を送液するチューブポンプが知ら
れており、例えば医療機器、プリンタ等において広く用
いられている。
【0003】このチューブポンプは、通常、モータで回
転駆動されるロータと、ロータに設置された複数のロー
ラとを有し、このローラがロータの外周に沿って円弧状
に配置されたチューブ(ポンプチューブ)を圧閉しつつ
ロータが回転して、送液を行うようになっている。
【0004】しかしながら、従来のチューブポンプで
は、ロータを駆動するモータが大きいために、小型化が
困難であるという問題がある。また、モータの電磁ノイ
ズが他の機器に影響を及ぼすおそれがあるという問題も
ある。
【0005】また、従来のチューブポンプでは、チュー
ブを少なくとも180°以上の角度で円弧状に湾曲させ
てループ状に配置する必要があるため、その曲率を小さ
くするとチューブが潰れるので小型化が困難であった。
また、チューブへの液体の流入部と流出部とが接近する
ようになるなど、チューブの配置に制約を受ける。その
ため、装置の大型化を招き、さらに、流体回路の設計上
の自由度が阻害されるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、簡単
な構造で、小型化に有利なチューブポンプを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0008】(1) 弾性を有するチューブを装着する
装着部を有する本体と、前記本体に対し前記チューブの
長手方向とほぼ平行な方向の回転軸を中心に回転可能に
設置されたロータと、前記ロータの外周面に螺旋状に設
けられ、前記チューブの一部を圧閉する圧閉部と、前記
ロータと連動する被駆動体と、前記被駆動体に当接して
設けられ、圧電素子を備えた少なくとも1つの振動体と
を有し、前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加
することにより振動し、この振動により、前記被駆動体
に力を繰り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これによ
り前記ロータを回転させることを特徴とするチューブポ
ンプ。
【0009】(2) 前記被駆動体は、回転力伝達機構
を介して前記ロータを回転する上記(1)に記載のチュ
ーブポンプ。
【0010】(3) 前記回転力伝達機構は、変速機で
ある上記(2)に記載のチューブポンプ。
【0011】(4) 前記被駆動体は、前記ロータに一
体化または固着されている上記(1)に記載のチューブ
ポンプ。
【0012】(5) 前記被駆動体に溝が設けられてお
り、前記振動体は、前記溝の内面に当接する上記(1)
ないし(4)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0013】(6) 前記振動体は、長い方向と短い方
向とを有する形状をなしている上記(1)ないし(5)
のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0014】(7) 前記振動体の長手方向の端部付近
が前記被駆動体に当接する上記(6)に記載のチューブ
ポンプ。
【0015】(8) 前記振動体は、板状をなしている
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のチューブポ
ンプ。
【0016】(9) 前記振動体は、略長方形状をなし
ている上記(8)に記載のチューブポンプ。
【0017】(10) 前記振動体から突出して設けら
れた腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持さ
れている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載のチ
ューブポンプ。
【0018】(11) 前記圧閉部は、前記ロータに対
し固定的に設けられている上記(1)ないし(10)の
いずれかに記載のチューブポンプ。
【0019】(12) 前記圧閉部は、前記ロータの半
径方向から前記チューブを圧閉する上記(1)ないし
(11)のいずれかに記載のチューブポンプ。
【0020】(13) 前記圧閉部は、前記ロータの外
周に対し360°以上の範囲に設置されている上記
(1)ないし(12)のいずれかに記載のチューブポン
プ。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のチューブポンプを
添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明す
る。
【0022】図1は、本発明のチューブポンプの実施形
態を示す部分断面側面図、図2は、図1中のX−X線矢
視図、図3は、図1および図2に示すチューブポンプに
おける振動体の斜視図、図4は、図1および図2に示す
チューブポンプにおける振動体が屈曲振動する様子を示
す平面図、図5は、図1および図2に示すチューブポン
プにおける振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面
図である。なお、図1は、チューブの縦断面図を示して
いる。また、以下の説明では、図1中(図6中)の右側
を「基端」、左側を「先端」と言う。
【0023】図1および図2に示すチューブポンプ1A
は、本体2と、本体2に対し回転可能に設置されたロー
タ5と、ロータ5の外周面に設けられた圧閉部54と、
振動体6と、振動体6の振動により回転駆動する被駆動
体4と、被駆動体4の回転をロータ5に伝達する回転力
伝達機構3とを備えている。以下、各部の構成について
説明する。
【0024】本体2には、弾性を有するチューブ100
を装着する装着部として、直線状の溝20が設けられて
いる。これにより、チューブ100は、直線状に配置さ
れる。
【0025】チューブ100は、弾性(復元性)を有し
ており、後述する圧閉部54に押圧されることによりそ
の内部が閉塞した状態となり、この押圧が解除される
と、元の状態に戻る。
【0026】ロータ5は、ドラム状をなし、溝20に設
置されたチューブ100の長手方向とほぼ平行な方向の
回転軸51を中心として本体2に対し回転可能に支持さ
れている。この場合、回転軸51は、ロータ5に固着さ
れており、その両端部がそれぞれ軸受け52および53
により回転可能に支持されている。
【0027】ロータ5の外周面には、当該外周面より突
出し、溝20に設置されたチューブ100の一部を圧閉
(直接または間接的に圧閉)する圧閉部54が設けられ
ている。この圧閉部54は、ロータ5の外周面に螺旋状
に設けられており、またその断面形状は、丸みを帯びて
いる。この圧閉部54により、チューブ100をロータ
5の半径方向から圧閉する。
【0028】この圧閉部54は、チューブ100をより
確実に圧閉することができるように、ロータ5に対し少
なくとも半径方向は固定的に設けられているのが好まし
い。ただし、ロータ5に対し例えばバネ等の弾性部材を
介して設置されていてもよい。
【0029】また、圧閉部54の少なくとも一部を可動
にし、送液動作開始前(待機中)は、圧閉部54の可動
部分がチューブ100から逃げた位置にあり、チューブ
100はいずれの箇所でも圧閉されていないが、振動体
6が作動して送液動作が開始すると、前記圧閉部54の
可動部分が所定位置に移動してチューブ100の圧閉を
開始するような構成としてもよい。このような構成とす
ることにより、ポンプの非稼動時に、チューブ100の
つぶれ、劣化等が防止され、チューブ100を保護する
ことができる。
【0030】また、圧閉部54は、ロータ5の外周に対
し360°以上(1周以上)の範囲に設置されているの
が好ましい。これにより、ロータ5の回転位置にかかわ
らず、チューブ100は、常に1箇所以上で圧閉部54
により圧閉されていることとなり、チューブ100内の
流体の逆流等を防止することができる。
【0031】なお、図示の構成では、1本(1条)の圧
閉部54がロータ5の外周面に螺旋状に設けられている
が、これに限らず、複数本の圧閉部がロータ5の外周面
に螺旋状に設けられていてもよい。
【0032】なお、図示の構成では、圧閉部54がドラ
ム状のロータ5の外周面に設けられているが、圧閉部5
4を螺旋状に配置できる構成であれば、ロータ5は、必
ずしもドラム状である必要はない。
【0033】図1に示すように、ロータ5と溝20に設
置されたチューブ100との間には、変形可能な(可撓
性を有する)薄板7が設置されており、チューブ100
は、この薄板7を介して圧閉部54により圧閉される。
この薄板7を用いることにより、圧閉部54とチューブ
100とが直接擦れあうことがなく、チューブ100の
移動やねじれが防止され、よって、円滑な送液が可能と
なる。また、チューブ100の劣化も防止することがで
きる。
【0034】圧閉部54や薄板7の構成材料としては、
比較的摩擦係数が低いものが好ましく、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))のよう
なフッ素系樹脂、ステンレス鋼のような金属材料が挙げ
られる。特に、ステンレス鋼等の金属材料を用いる場
合、摩擦低減のための表面処理を施したものが好まし
い。
【0035】また、本体2には、後述する振動体6の振
動により回転駆動する被駆動体(ホイール)4が設置さ
れている。この被駆動体4は、ロータ5と連動する。す
なわち、被駆動体4の回転力は、後述する変速機(回転
力伝達機構3)を介してロータ5に伝達される。
【0036】被駆動体4は、円盤状をなしており、中心
部に回転軸43を有している。そして、この回転軸43
の両端部がそれぞれ軸受け44および45にて回転可能
に支持されている。
【0037】被駆動体4の外周面には、後述する振動体
6が当接しており、振動体6が振動すると、振動体6か
ら摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて図2中の時計回り
に回転駆動する。
【0038】被駆動体4の外周には、周方向に沿って溝
41が形成されており、振動体6は、溝41の内面(凹
面)42に当接している。これにより、振動体6の被駆
動体4に対する当接位置が被駆動体4の厚さ方向(図1
中の横方向)にずれるのを防止することができる。ま
た、溝41(内面42)の断面は、円弧状をなしてお
り、これにより、振動体6の被駆動体4に対する当接位
置が図1中の横方向に多少ずれた場合であっても、振動
体6と被駆動体4との接触状態が維持され、駆動力をロ
スすることがない。
【0039】図2に示すように、本体2には、ロータ5
を回転駆動するための振動体6が設置されている。この
振動体6は、通常のモータ等と比べ、小型(薄型)であ
る。本発明では、この振動体6を用いてロータ5を回転
駆動することにより、チューブポンプ1A全体の小型化
を図ることができる。以下、振動体6について説明す
る。
【0040】図3に示すように、振動体6は、ほぼ、長
方形の板状をなしている。振動体6は、図3中の上側か
ら板状の電極61と、板状の圧電素子62と、補強板6
3と、板状の圧電素子64と、板状の電極65とをこの
順に積層して構成されている。なお、図3では、厚さ方
向を誇張して示している。
【0041】圧電素子62、64は、それぞれ、長方形
状をなし、電圧(交流)を印加することにより、その長
手方向に伸長・収縮する。圧電素子62、64の構成材
料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸
鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリ
ウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリ
デン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各
種のものを用いることができる。
【0042】これらの圧電素子62、64は、補強板6
3の両面にそれぞれ固着されている。補強板63は、振
動体6全体を補強する機能を有しており、振動体6が過
振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板6
3の構成材料としては、特に限定されないが、例えばス
テンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チ
タンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属
材料であるのが好ましい。
【0043】この補強板63は、圧電素子62、64よ
りも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。
これにより、振動体6を高い効率で振動させることがで
きる。
【0044】補強板63は、圧電素子62、64に対す
る共通の電極としての機能をも有している。すなわち、
圧電素子62には、電極61と補強板63とによって交
流電圧が印加され、圧電素子64には、電極65と補強
板63とによって交流電圧が印加される。
【0045】圧電素子62、64は、交流電圧が印加さ
れると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、補
強板63も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧
電素子62、64に交流電圧を印加すると、振動体6
は、図3中の矢印で示すように、長手方向に微小な振幅
で振動(縦振動)する。
【0046】補強板63の図3中の右端部には、凸部6
6が一体的に形成されている。図1および図2に示すよ
うに、振動体6は、凸部66が被駆動体4に当接するよ
うに設置されている。
【0047】この凸部66は、補強板63の幅方向中央
(中心線69)からずれた位置(図示の構成では角部)
に設けられている。また、図示の構成では、反対側の
(対角線上にある)角部には、凸部66と対称的に同様
の凸部67が設けられている。この凸部67は、図示の
構成では使用されていない。
【0048】また、補強板63の長手方向ほぼ中央から
は、腕部68が長手方向とほぼ垂直な方向に突出するよ
うに設けられている。腕部68の先端部には、ボルト
(ピン)8が挿入する孔681が形成されている。
【0049】このような振動体6は、被駆動体4にその
外周側から(被駆動体4の半径方向から)当接するよう
に設置されている。また、振動体6は、被駆動体4とほ
ぼ平行な姿勢で設置されている(図2参照)。
【0050】振動体6は、腕部68の孔681の近傍に
おいて、ボルト8により、本体2の側板21に固定され
ている。すなわち、振動体6は、腕部68によって支持
されている。これにより、振動体6は自由に振動するこ
とができ、比較的大きい振幅で振動する。また、振動体
6は、腕部68の弾性によって、凸部66が被駆動体4
(内面42)に圧接された状態で設置されている。
【0051】凸部66が被駆動体4に当接した状態で、
圧電素子62、64に交流電圧を印加して振動体6を振
動させると、被駆動体4は、振動体6が伸長するときに
凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの
摩擦力(押圧力)によって、被駆動体4が図2中の時計
方向に回転する。
【0052】また、本実施形態では、振動体6の面内振
動を被駆動体4の回転(面内回転)に直接変換するの
で、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、被駆動
体4およびこれに連動するロータ5を高い効率で回転駆
動することができる。
【0053】また、本実施形態では、凸部66が被駆動
体4に及ぼす摩擦力(押圧力)の方向は、回転軸43に
対しほぼ垂直な方向であるため、被駆動体4が傾斜する
ようなことがなく、被駆動体4がより円滑かつ確実に回
転する。
【0054】また、振動体6は、通常のモータのように
磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押
圧力)によって被駆動体4を駆動することから、駆動力
が高い。このため、ロータ5を十分なトルクで回転する
ことができる。
【0055】圧電素子62、64に印加する交流電圧の
周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振
動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。こ
れにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率でロ
ータ5を回転駆動することができる。
【0056】前述したように、振動体6は、主に、その
長手方向に縦振動するが、縦振動と屈曲振動とを共振さ
せ、凸部66を楕円振動させることがより好ましい。こ
れにより、より高い効率でロータ5を回転駆動すること
ができる。以下、この点について説明する。
【0057】図4に示すように、振動体6がロータ5を
回転駆動するとき、凸部66は、ロータ5から図4中の
矢印Aで示すような反力を受ける。本実施形態では、凸
部66が振動体6の中心線69からずれた位置に設けら
れていることから、振動体6は、この反力によって、図
4に示すように面内方向に屈曲するように変形、振動す
る。なお、図4では、振動体6の変形を誇張して示して
いる。
【0058】印加電圧の周波数、振動板6の形状・大き
さ、凸部66の位置などを適宜選択することにより、こ
の屈曲振動の周波数を縦振動の周波数と同程度にするこ
とができる。このようにすると、振動体6の縦振動と屈
曲振動とが共振し、振幅がより大きくなるとともに、凸
部66は、図5中の一点鎖線で示すように、ほぼ楕円に
沿って変位(楕円振動)する。
【0059】これにより、振動体6の1回の振幅におい
て、凸部66が被駆動体4を回転方向(時計方向)に送
るときには、凸部66が被駆動体4により強い力で圧接
され、凸部66が戻るときには、被駆動体4との摩擦力
を低減または消滅させることができるため、振動体6の
振動を被駆動体4の回転により高い効率で変換すること
ができる。
【0060】本発明では、装置の小型化を図ることがで
きる利点の他に、ロータ5を回転するのに通常のモータ
を用いないことから、通常のモータのような電磁ノイズ
が全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に
影響を及ぼすことがない、という利点もある。
【0061】また、ロータ5を回転していないとき(ロ
ータ5の停止状態)には、凸部66と被駆動体4との摩
擦力により、ロータ5が回転するのが防止される(ロー
タ5の保持トルクが高い)。よって、チューブ100内
の液体の圧力等により、ロータ5が不本意に逆回転する
ようなことがなく、チューブ100内の液体の逆流を防
止することもできる。
【0062】被駆動体4の回転力は、回転力伝達機構3
を介してロータ5に伝達され、ロータ5を回転させる。
本実施形態では、回転力伝達機構3は、変速機(特に減
速機)で構成されている。この変速機は、互いに噛合す
る小歯車31と大歯車32との歯車列で構成される。
【0063】小歯車31は、被駆動体4の先端側に固着
され、被駆動体4と一体的かつ同心的に回転する。
【0064】一方、大歯車32は、ロータ5の回転軸5
1の基端部に固着され、ロータ5と一体的かつ同心的に
回転する。
【0065】なお、変速機(減速機)の変速率は、特に
限定されないが、例えば2〜300倍程度とすることが
できる。
【0066】振動体6の振動により被駆動体4が回転駆
動すると、その回転力は、小歯車31および大歯車32
を介して回転軸51に伝達され、ロータ5が図2中反時
計回りに回転する。これにより、ロータ5に設けられた
圧閉部54が、薄板7を介してチューブ100を圧閉し
つつ先端側から基端側に向けてしごくように作動する。
その結果、チューブ100内において、図1中の矢印で
示すように、先端側から基端側に向かう流れが生じ、送
液がなされる。
【0067】図示の構成では、被駆動体4とロータ5と
が逆方向に回転するが、歯車の数を選択すること等によ
り被駆動体4とロータ5とが同方向に回転するようにす
ることもできる。
【0068】本実施形態では、回転力伝達機構3を介し
てロータ5を駆動することにより、振動体6の設置箇所
の自由度を高めることができる。また、回転力伝達機構
3で回転速度を変速することにより、ロータ5を所望の
速さで回転させることができ、送液速度を調節すること
ができる。特に、回転力伝達機構3で回転速度を減速す
る場合には、振動体6の駆動力が小さくて済むので、振
動体6をより小型化することができる。
【0069】なお、回転力伝達機構3としては、図示の
ような歯車列に限らず、例えば、プーリー、ベルト、チ
ェーン等を用いた巻き掛け伝動機構によるものであって
もよい。また、ベベルギア(傘歯車)、ウォームギア等
を用いて被駆動体4とロータ5の回転軸方向を変換する
ようなものであってもよい。
【0070】以上のような本発明のチューブポンプ1A
では、チューブ100の圧閉する部分(領域)を直線状
に配置することができる。そのため、従来のチューブポ
ンプのように、チューブを180°以上の角度で円弧状
に湾曲させてループ状に配置する必要がなく、チューブ
100を含む流体回路の設計の自由度が広いという利点
がある。
【0071】図6は、本発明のチューブポンプの他の実
施形態を示す部分断面側面図である。以下、図6に示す
実施形態について、前記実施形態との相違点を説明し、
同様の事項については、その説明を省略する。
【0072】図6に示すチューブポンプ1Bは、被駆動
体4がロータ5に一体化または固着されており、前述し
たような回転力伝達機構3を介さずにロータ5を回転す
るものである。
【0073】すなわち、ロータ5の基端面には、円盤状
(または円柱状)の被駆動体4が固着され、該被駆動体
4は、ロータ5と一体的かつ同心的に回転する。
【0074】被駆動体4の外周には、周方向に沿って溝
41が形成されている。この溝41の内面(凹面)42
に、前記と同様の振動体6がその凸部66にて当接して
いる。
【0075】このような構成のチューブポンプ1Bで
は、回転力伝達機構3を有さないので、前記チューブポ
ンプ1Aに比べ、より小型化することができる。
【0076】また、チューブポンプ1Bでは、振動体6
は、ロータ5の半径方向から被駆動体4に当接している
が、これに限らず、ロータ5の回転軸方向から当接して
もよい。例えば、振動体6の凸部66がロータ5の端面
(基端面または先端面)の外周部付近に当接して、ロー
タ5を駆動回転するような構成であってもよい。
【0077】なお、本発明のチューブポンプにおいて、
薄板7は、なくてもよい。この場合、チューブ100の
外表面と圧閉部54の表面の両方または一方に低摩擦材
料の被覆を施したり、潤滑剤を用いたりすることによっ
て、チューブ100と圧閉部54との摩擦を低減するこ
とが好ましい。
【0078】前記低摩擦材料としては、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(テフロン)のようなフッ素系樹
脂等が挙げられる。また、潤滑剤としては、例えば、グ
リス、シリコンオイル等が挙げられる。
【0079】本発明では、チューブ100の内径は、細
いものから太いものまでいかなるものでもよく、例えば
内径0.1〜20mm程度のものを使用することがで
き、特に、内径0.2〜2.0mm程度の細径のチュー
ブを使用するチューブポンプに好適である。
【0080】また、本発明のチューブポンプの吐出量
(流量)は、特に限定されず、例えば、10mL/分以
下のものとすることができるが、本発明は、特に吐出量
が0.01〜0.5mL/分程度の微量の送液ポンプに
好適である。
【0081】また、本発明は、図示の実施形態に限定さ
れるものではなく、チューブポンプを構成する各部は、
同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換するこ
とができる。
【0082】例えば、本発明では、振動体の形状、構造
は、図示の構成に限らず、被駆動体を駆動することがで
きるものであればいかなるものでもよい。例えば、圧電
素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、被駆動
体と当接する部分に向かって幅が漸減するような形状の
ものなどであってもよい。
【0083】また、振動体への通電状態(振動体の振動
形態)を変更することなどにより、ロータを正・逆両方
向に回転させることができるようなもの(送液方向を切
り換えられるもの)であってもよい。
【0084】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、振
動体を用いてロータを回転させることにより、チューブ
ポンプ全体の小型化を図ることができる。
【0085】また、構造を簡素化することができ、製造
コストを低減することができる。また、通常のモータを
用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても
僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止す
ることができる。
【0086】また、本発明では、チューブの圧閉する部
分を直線状に配置することができるので、チューブの長
さが長くなることが防止され、チューブを含む流体回路
の設計の自由度が広い。
【0087】また、チューブ内の液体が不本意に逆流す
るのを防止することができる。また、被駆動体をロータ
に一体化または固着した場合には、さらに小型化を図る
ことができるとともに、極めて簡素な構造にすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブポンプの実施形態を示す部分
断面側面図である。
【図2】図1中のX−X線矢視図である。
【図3】図1および図2に示すチューブポンプにおける
振動体の斜視図である。
【図4】図1および図2に示すチューブポンプにおける
振動体が屈曲振動する様子を示す平面図である。
【図5】図1および図2に示すチューブポンプにおける
振動体の凸部が楕円運動する様子を示す平面図である。
【図6】本発明のチューブポンプの他の実施形態を示す
部分断面側面図である。
【符号の説明】
1A チューブポンプ 1B チューブポンプ 2 本体 20 溝 21 側板 3 回転力伝達機構 31 小歯車 32 大歯車 4 被駆動体 41 溝 42 内面 43 回転軸 44 軸受け 45 軸受け 5 ロータ 51 回転軸 52 軸受け 53 軸受け 54 圧閉部 6 振動体 61 電極 62 圧電素子 63 補強板 64 圧電素子 65 電極 66 凸部 67 凸部 68 腕部 681 孔 69 中心線 7 薄板 8 ボルト 100 チューブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04C 15/00 B41J 3/04 102Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性を有するチューブを装着する装着部
    を有する本体と、 前記本体に対し前記チューブの長手方向とほぼ平行な方
    向の回転軸を中心に回転可能に設置されたロータと、 前記ロータの外周面に螺旋状に設けられ、前記チューブ
    の一部を圧閉する圧閉部と、 前記ロータと連動する被駆動体と、 前記被駆動体に当接して設けられ、圧電素子を備えた少
    なくとも1つの振動体とを有し、 前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加すること
    により振動し、この振動により、前記被駆動体に力を繰
    り返し加えて前記被駆動体を駆動し、これにより前記ロ
    ータを回転させることを特徴とするチューブポンプ。
  2. 【請求項2】 前記被駆動体は、回転力伝達機構を介し
    て前記ロータを回転する請求項1に記載のチューブポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記回転力伝達機構は、変速機である請
    求項2に記載のチューブポンプ。
  4. 【請求項4】 前記被駆動体は、前記ロータに一体化ま
    たは固着されている請求項1に記載のチューブポンプ。
  5. 【請求項5】 前記被駆動体に溝が設けられており、前
    記振動体は、前記溝の内面に当接する請求項1ないし4
    のいずれかに記載のチューブポンプ。
  6. 【請求項6】 前記振動体は、長い方向と短い方向とを
    有する形状をなしている請求項1ないし5のいずれかに
    記載のチューブポンプ。
  7. 【請求項7】 前記振動体の長手方向の端部付近が前記
    被駆動体に当接する請求項6に記載のチューブポンプ。
  8. 【請求項8】 前記振動体は、板状をなしている請求項
    1ないし7のいずれかに記載のチューブポンプ。
  9. 【請求項9】 前記振動体は、略長方形状をなしている
    請求項8に記載のチューブポンプ。
  10. 【請求項10】 前記振動体から突出して設けられた腕
    部を有し、前記振動体は、前記腕部により支持されてい
    る請求項1ないし9のいずれかに記載のチューブポン
    プ。
  11. 【請求項11】 前記圧閉部は、前記ロータに対し固定
    的に設けられている請求項1ないし10のいずれかに記
    載のチューブポンプ。
  12. 【請求項12】 前記圧閉部は、前記ロータの半径方向
    から前記チューブを圧閉する請求項1ないし11のいず
    れかに記載のチューブポンプ。
  13. 【請求項13】 前記圧閉部は、前記ロータの外周に対
    し360°以上の範囲に設置されている請求項1ないし
    12のいずれかに記載のチューブポンプ。
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