JP2003301783A - 液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出装置

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JP2003301783A
JP2003301783A JP2002286440A JP2002286440A JP2003301783A JP 2003301783 A JP2003301783 A JP 2003301783A JP 2002286440 A JP2002286440 A JP 2002286440A JP 2002286440 A JP2002286440 A JP 2002286440A JP 2003301783 A JP2003301783 A JP 2003301783A
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Japan
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ball
tube
retainer
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rotor
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JP2002286440A
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Osamu Takahashi
理 高橋
Masatoshi Mogi
正俊 茂木
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を向上でき、小型化することができ、
さらに、組立が容易である液体吐出装置、吐出量に生じ
る誤差を低減できる液体吐出装置、また、作業性を向上
させることができる液体吐出装置、さらにこれらの液体
吐出装置を備えた機器を提供すること。 【解決手段】 液体吐出装置1Aは、弾性を有するチュ
ーブ100がチューブガイド溝211Aに設置された基
部2Aを備える。基部2Aには、リテーナ4Aが回転可
能に設けられ、リテーナ4Aには、複数のボール5が転
動可能に取り付けられている。チューブガイド溝211
Aのチューブ100に当接する面211の断面形状は、
ボール5と同心円の円弧形状に形成されている。リテー
ナ4Aに保持されたボール5はロータ3Aの回転に伴い
チューブ100の一部を圧閉しながらチューブ100上
を転動し、チューブ100内部の液体を吐出する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、チューブの一部を
順次圧閉してしごくことにより、チューブ内の液体を順
次押し出す液体吐出装置に関する。 【0002】 【背景技術】従来から、弾性を有するチューブを順次圧
閉することによりチューブ内部の液体を吐出する液体吐
出装置(チューブポンプ)が知られている。例えば、特
開2000−110712号公報に示すように、チュー
ブに沿って配置された複数のチューブ押圧体をカム軸に
より押し出し、チューブを順次押しつぶすことにより、
チューブ内部の流体を送る液体吐出装置がある。この液
体吐出装置のカム軸は輪列を介してゼンマイによって駆
動されている。また、特開平5−69558号公報に示
すように、加圧コロを圧縮バネで付勢し、これによりチ
ューブを順次押しつぶすタイプの液体吐出装置もある。
さらに、チューブを円弧形状あるいは半円形状に配置
し、円柱状のローラでチューブの上面を圧閉する構造の
液体吐出装置もある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の液体
吐出装置では、以下のような問題がある。カム軸で複数
のチューブ押圧体を押し出す液体吐出装置においては、
カム軸とチューブ押圧体との間で摩擦が生じるため、エ
ネルギーの損失が大きくなり、かつ、摩擦によりカム軸
やチューブ押圧体が摩耗し、耐久性を高くすることがで
きないという問題がある。特に、この液体吐出装置で
は、カム軸の回転運動をチューブ押圧体のチューブに対
する進退運動に変換しており、かつ、チューブをチュー
ブ押圧体で押しつぶすためには大きな力を加えなければ
ならないため、カム軸とチューブ押圧体との間で摩擦が
生じ、摩耗が発生してしまうという問題点があった。 【0004】また、チューブ押圧体は、最低3個、より
スムーズな吐出のためには、8個程度の多数のチューブ
押圧体が必要であり、多数のチューブ押圧体とカム軸と
の間で摩擦が生じるため、カム軸を駆動させ、チューブ
押圧体でチューブを押しつぶすためには、大きな力が必
要となり、大きなモータ等を設けなければならないの
で、液体吐出装置の小型化を図ることが困難であった。 【0005】加圧コロを用いる液体吐出装置において
も、加圧コロとチューブとの接触面積が大きく、チュー
ブを押しつぶすのに大きな力を要するため、加圧コロの
駆動には大きなモータが必要となり、液体吐出装置の小
型化を図ることができなかった。また、加圧コロを回転
可能に取り付けるためには、コロ軸受け等をガイドロー
ラに予め固定する等のサブアセンブルが必要であり、こ
のため、液体吐出装置が大型化し、コストも高くなると
いう問題があった。さらに、加圧コロとチューブとの接
触面積が大きく、大きな摩擦が発生するため、長期間、
液体吐出装置を使用すると摩擦による摩耗が生じ液体吐
出装置の耐久性を高くすることができなかった。 【0006】さらに、円柱状のローラでチューブ上を圧
閉する液体吐出装置においても、ローラとチューブとの
接触面積が大きいためローラの駆動に大きなモータが必
要である。また、ローラの内側面(チューブの描く円弧
形状あるいは半円形状の中心側の面)と外側面とで移動
速度が異なり、滑りが生じるため、摩擦ロスが生じてし
まう。そこで、ローラを円錐形状とすることが考えられ
る。この円錐形状のローラ(円錐ローラ)を使用する場
合には、円錐ローラの設置方向を考慮する必要がある。
例えば、チューブを円形形状に配置する場合、円錐ロー
ラの回転軸をチューブの円形形状の中心側に向けて配置
する必要がある。また、この円錐ローラを使用する場
合、チューブを充分に圧閉するためには、チューブが設
置された面と、ローラのチューブを圧閉する面とを平行
になるようにしなければならない。組立等のバラツキが
生じてしまうと、この平行を保つことが困難となり、圧
閉が不安定になってしまうことがある。従って、円錐ロ
ーラを使用する場合には、設置方向を考慮し、組立を正
確に行わなければならないため、組立に手間を要する。
以上のように、従来の液体吐出装置は、耐久性を向上さ
せ、小型化し、組立を容易にすることが困難であるとい
う第一の課題があった。 【0007】また、チューブを順次圧閉してゆく液体吐
出装置では、運転を停止している間であっても、チュー
ブの少なくとも一部を常に圧閉することとなる。特に、
工場で組み立てた後ユーザが使用を開始するまでの間
は、チューブの一部にのみ長期間力が加わっている。そ
の結果、チューブが塑性変形してチューブの容量が変化
してしまい、ユーザが使用を開始しても液体吐出装置の
吐出量に誤差が生じる可能性があり、吐出量に生じる誤
差を低減することが困難であるという第二の課題があっ
た。 【0008】さらに、チューブがボールによってしごか
れる(ボールがチューブを圧閉した状態で、チューブ上
を移動する)ことでチューブが伸びたり、チューブの弾
性が低下したりして、流量がばらつくことがある。特
に、使用開始直後の初期段階では、自然長に近かったチ
ューブがしごかれる際に引っ張られ、チューブ内径が変
化し、流量の誤差が大きなものとなりやすい。従って、
流量を正確に管理する場合には、慣らし運転を行う必要
があり、作業性を向上させることが困難であるという第
三の課題があった。 【0009】本発明の第一の目的は、耐久性を向上で
き、小型化することができ、さらに、組立が容易である
液体吐出装置を提供することにある。また、本発明の第
二の目的は、第一の目的を達成し、かつ、吐出量に生じ
る誤差を低減できる液体吐出装置を提供することにあ
る。さらに、本発明の第三の目的は、作業性を向上させ
ることができる液体吐出装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明の液体吐出装置
は、弾性を有するチューブが設置される基部を有する液
体吐出装置であって、前記チューブの一部を圧閉しなが
らチューブ上を転動するボールと、このボールを転動さ
せる駆動機構と、前記ボールを前記チューブに押し付け
て前記チューブの一部を圧閉する押圧部材とを備え、前
記駆動機構は、前記押圧部材の外周端面に動力を伝達す
ることを特徴とする。ここで、ボールがチューブ上を転
動するとは、チューブに沿ってかつチューブに接触しな
がらボールが回転しつつ移動することを意味し、必ずし
もチューブの上面を転動するものだけでなく、チューブ
の側面や下面を転動するものも含む概念である。また、
ボールは一つであってもよく、複数個であってもよい。
さらに、液体吐出装置は、ボールを回転可能に保持する
リテーナを有しているものであってもよく、また、この
ようなリテーナを備えていないものであってもよい。 【0011】この構成の本発明では、ボールによってチ
ューブの一部が圧閉されており、ボールとチューブとの
接触面積は小さいため、加圧コロ、チューブ押圧体、ロ
ーラを用いた場合に比べて、大きな摩擦が発生しない。
また、ボール自身が転がりながらチューブ上を移動する
こととなるため、ボール自身が回転しない場合に比べ摩
擦が生じにくい。従って、ボールとチューブ間の摩擦に
よるボール及びチューブの劣化が生じにくく、液体吐出
装置の耐久性を向上させることができる。さらに、大き
な摩擦が発生しないため、ボールを駆動するモータ等を
小型化でき、液体吐出装置の小型化を図ることができ
る。 【0012】また、従来の円錐ローラを使用する液体吐
出装置では、円錐ローラの配置方向を考慮する必要があ
ったが、本発明のボールを使用する液体吐出装置におい
ては、ボールの配置方向を考慮する必要がないので、よ
り組立を容易にすることができる。さらに、ボールを使
用する場合には、チューブに対するボールの大きさや、
ボールの設置位置を適宜設定すれば、チューブを略完全
に圧閉することができる。例えば、チューブの孔の径に
比べてボールの径が充分に大きい場合には、チューブを
略完全に圧閉することが可能である。また、チューブの
孔の径の中心にボールの中心点をあわせてボールを移動
すれば、略完全にチューブを圧閉することができる。従
って、円錐ローラを使用する場合のように、組立等のバ
ラツキにより圧閉が不安定になってしまうことがないた
め、組立も厳密に行う必要がないので、組立が容易であ
る。また、本発明のボールは、従来からあるベアリング
用のボール等を使用することができ、円錐形状のローラ
を製造する場合に比べ、製造コストがかからない。この
発明によれば、駆動機構を駆動させると、押圧部材が移
動する。ボールは、押圧部材でチューブに押し付けられ
ているから、これらのボールは、押圧部材の移動によっ
て回転力を与えられてチューブ上を転動し、チューブの
一部を圧閉しながら移動してゆく。さらに、押圧部材の
外周端面に動力を伝達する駆動機構が設けられているの
で、駆動機構を駆動させると、押圧部材が移動する。ボ
ールは、押圧部材でチューブに押し付けられているか
ら、これらのボールは、押圧部材の移動によって回転力
を与えられてチューブ上を転動し、チューブの一部を圧
閉しながら移動してゆく。押圧部材の回転軸に動力を伝
達する場合に比べ、液体吐出装置の厚みを薄くできる。
なお、駆動機構としては、例えば、ウォームギアを取り
付けたモータ、圧電素子を備えた振動体等の駆動装置、
およびこれら駆動装置の駆動を伝達する輪列等の構成が
挙げられる。 【0013】この際、前記基部には前記チューブを設置
するためのチューブガイド溝が形成されており、前記チ
ューブガイド溝のうち前記チューブに当接する面の断面
形状の中心部が窪んで形成されていることが好ましい。
本発明では、図40に示すように、平坦な基部上にチュ
ーブを設置し、チューブを挟んで基部の反対側からボー
ルでチューブを圧閉してもよい。ただし、この場合、チ
ューブの径に対し、ボールの径が小さすぎた場合、チュ
ーブの肉厚や弾性とボールを押しつける力の関係が適切
でない場合、ボールとチューブの位置が適切でない場合
等には、チューブの軸方向(チューブの長手方向)に直
交する方向(チューブの幅方向)においては、加圧コロ
やチューブ押圧体を用いた場合のように、チューブの幅
方向全体を均一に押圧することはできない。すなわち、
ボールの球面と基部との間隔が一定ではないため、チュ
ーブの幅方向においてボールの中心位置に合った中心軸
部分が最も押圧されるのに対し、チューブの両端部は殆
ど押圧されることがない。このため、チューブの孔を完
全に潰すことは難しく、チューブの孔を完全に潰せない
と、液体吐出装置の吐出量の精度も低下してしまうこと
になる。また、チューブの孔を完全に潰すためには、チ
ューブを押圧するために大きな力が必要となり、チュー
ブへの負荷が増加してしまうことになる。従って、ボー
ルの径とチューブの径との関係やボールの位置を充分に
考慮する必要がある。 【0014】これに対し、チューブに当接する面の断面
の中心部を窪んで形成すれば、平坦な基部上にチューブ
を設置しボールでチューブを圧閉する場合に比べ、ボー
ルの球面と基部との間隔のバラツキが小さく、チューブ
を押圧した際に、チューブがチューブガイド溝の形状に
沿って変形してチューブ全体を略均一に押圧できる。従
って、ボールの径とチューブの径との関係を充分に考慮
しなくても、チューブの両端部も押圧することができ、
液体吐出装置の吐出量も高精度にすることができる。そ
の上、チューブの中心がチューブガイド溝の窪みでへこ
めば、ボールにおけるチューブの孔の中心軸方向に直交
する方向の位置も自動的に案内される。そのため、ボー
ルをチューブの孔の中心軸に沿って移動案内することが
でき、チューブを略完全に圧閉することが可能となり、
液体吐出装置の吐出量も高精度にすることができる。 【0015】さらに、前記チューブガイド溝のうち前記
チューブに当接する面の断面形状は前記ボールと同心円
の円弧形状、または、前記円弧形状を直線的に近似した
形状であることが好ましい。チューブガイド溝のチュー
ブに当接する面の断面形状がボールと同心円の円弧形状
であれば、単にチューブに当接する面の断面の中心部を
窪ませて形成した場合に比べ、チューブが設置される基
部とボールとの間隔がより一層、一定になり、チューブ
をボールで圧閉する際に、チューブ全体を均一に押圧で
きるので、チューブの孔をより小さな力で略完全に潰す
ことができ、液体吐出装置の吐出量の精度をより向上さ
せることができる。 【0016】また、チューブガイド溝のチューブに当接
する面の断面形状を、円弧形状を直線的に近似した形状
としてもチューブは弾性を有しているため、チューブを
ボールで圧閉する際、チューブは円弧状に湾曲し、チュ
ーブガイド溝のチューブに当接する面の断面形状を円弧
形状に形成した場合と同じく、チューブの孔を略完全に
潰すことができる。さらに、チューブガイド溝のチュー
ブに当接する面の断面形状を円弧状を直線的に近似した
形状とすれば、この断面形状を円弧状に形成する場合に
比べ、チューブガイド溝の加工が容易となる。 【0017】さらに、本発明では、ボールを使用し、チ
ューブガイド溝のうちチューブに当接する面の断面形状
はボールと同心円の円弧形状、または、円弧形状を直線
的に近似した形状としているため、肉厚にバラツキがあ
るチューブを使用しても略完全にチューブを潰すことが
でき、吐出量を正確なものとすることができる。 【0018】この際、前記円弧形状の半径をR、前記ボ
ールの半径をr、前記チューブの厚さ寸法をTとした場
合、 【0019】 【数1】R−2T≦r 【0020】であることが好ましく、なかでも 【0021】 【数2】R−2T≦r<R−T 【0022】であることが特に好ましい。ボールの半径
rがR−2Tよりも小さい場合には、チューブを略完全
に圧閉することが困難となる。一方、ボールの半径rが
R−Tよりも大きい場合には、チューブの孔の中心付近
が潰れにくくなり、孔の中心付近まで潰すには、より大
きな力でチューブを変形させる必要がある。そのため、
ボールがチューブ上を転動すると、チューブに大きな負
荷がかかってしまう。本発明では、ボールの半径rをR
−2T以上、R−T未満としたため、このような問題が
生じることがない。なお、具体的なボールの半径rの寸
法設定は、上記数3の条件に加えてチューブの弾性変
形、チューブの材質等に応じて設定すればよい。 【0023】さらに、前記ボールと前記チューブの摩擦
係数は、前記チューブガイド溝と前記チューブの摩擦係
数よりも小さいことが好ましい。ボール・チューブ間の
摩擦係数がチューブガイド溝・チューブ間の摩擦係数よ
りも大きい場合には、ボールの転動に伴い、チューブが
チューブガイド溝を動いてしまう虞がある。これに対
し、本発明では、ボール・チューブ間の摩擦係数がチュ
ーブガイド溝・チューブ間の摩擦係数よりも小さいた
め、このような問題は発生せず、チューブを所定位置に
保持したまま、ボールを転動させることができる。 【0024】さらに、前記ボールを挟んで前記チューブ
の反対側には押圧部材が設けられ、前記ボールは押圧部
材に当接しながら転動することで、押圧部材に押圧され
て、前記チューブの一部を圧閉するように構成されてい
ることが好ましい。ここで、押圧部材としては、例え
ば、円盤状のロータや、リング板状のものなどが利用で
きる。このような押圧部材が設けられていれば、チュー
ブからボールに加わる反発力を押圧部材で受けてボール
によってチューブを確実に押し潰して液体を吐出するこ
とができる。 【0025】この際、前記チューブに沿って移動可能な
リテーナを有し、前記リテーナには前記ボールを転動可
能に保持するボール保持部が形成されていることが好ま
しい。ボールをリテーナに保持させることで、ボールが
転動する際に、ボールが所定位置からずれてしまうこと
がなくなるため、吐出精度を高めることができる。ボー
ルを複数個設ける場合には、各ボール間を等間隔に保つ
ことができ、吐出量を一定にすることができる。 【0026】さらに、本発明の液体吐出装置は、前記リ
テーナに外力を加えることで、前記リテーナ及び前記リ
テーナに取り付けられたボールの設置位置が移動し、前
記ボールの前記チューブへの圧閉が解除可能に構成され
ていることが好ましい。液体吐出装置が、リテーナに外
力を加えることで、ボールの設置位置が移動し、ボール
のチューブへの圧閉が解除される構造、例えば、リテー
ナの中心にトラック状(楕円形状)の穴を形成し、また
は、図41に示すように、リテーナの内周側を打ち抜
き、リテーナの中心と、内周とをばねで結合し、リテー
ナの回転軸に直交する方向に力を加えることで、リテー
ナがずれて、ボールがチューブ上から外れる構造とすれ
ば、液体吐出装置を長期間使用しない場合や、液体吐出
装置の使用を開始するまでの間のチューブの変形を防ぐ
ことができる。これにより、吐出量に生じる誤差を低減
でき、本発明の第二の目的を達成することができる。な
お、ボールは、チューブへの当接面が球状であるので、
チューブから完全に外さなくても、ボールの中心位置を
チューブの中心からずらすだけでもチューブの圧閉を解
除できる。このため、外力によるボールの移動量も加圧
コロなどを用いる場合に比べて、非常に小さくでき、容
易に行うことができる。 【0027】ここで、本発明の液体吐出装置は、前記ボ
ールが、前記基部上でかつ前記チューブ上から外れた初
期位置に配置されており、前記ボールをチューブ上に転
動可能に保持するボール保持部と、前記初期位置から前
記ボールを前記ボール保持部に導入する導入手段と、前
記ボール保持部に導入されたボールを前記初期位置に戻
す導出手段とを備えていることが好ましい。液体吐出装
置が複数のボールを有している場合、全てのボールが初
期位置に配置されていてもよく、また、複数個あるボー
ルのうち少なくとも一つのボールが初期位置に配置され
ていてもよい。また、ボール保持部は、例えば、リテー
ナを有するものである場合には、リテーナに形成されて
いるものであってもよく、また、押圧部材を有するもの
である場合には、押圧部材に形成されていてもよい。ボ
ールはチューブ上から外れた初期位置に配置されてお
り、導入手段によりボール保持部に導入される。従っ
て、初期状態では、チューブを圧閉していないため、チ
ューブが塑性変形しにくく、吐出量に生じる誤差を低減
でき、本発明の第二の目的を達成することができる。ま
た、液体吐出装置は、導出手段を備えているので、使用
した後、ボールをボール保持部から初期位置に戻し、ボ
ールをチューブ上から外すことができ、使用後において
も、チューブの塑性変形を防止でき、吐出量に生じる誤
差を低減できる。 【0028】液体吐出装置は、少なくとも第一のボール
及び第二のボールを含む2つ以上のボールと、前記基部
に対して回転可能に設けられて前記各ボールをチューブ
側に押圧する押圧部材及び前記基部に対して回転可能に
設けられたリテーナのうちの少なくとも何れか一方を備
え、前記押圧部材の前記チューブ側の面及び前記リテー
ナのうちの少なくとも何れか一方には、第一のボールが
転動可能に取り付けられるボール取付部と、前記第二の
ボールが移動可能に設置されるボールガイド溝が形成さ
れ、前記ボールガイド溝の正回転方向先端側の端部は、
前記端部に第二のボールがあるときは、この第二のボー
ルを前記ボール取付部の第一のボールとともに初期位置
に配置可能に前記ボール取付部に近接して設けられ、前
記ボールガイド溝の正回転方向後端側の端部は、前記ボ
ール保持部であるものであってもよい。ここで、液体吐
出装置は、リテーナを有さず、押圧部材のみを有してい
るものであってもよく、また、リテーナのみを有してい
るものであってもよい。さらに押圧部材及びリテーナの
双方を有していてもよい。リテーナ及び押圧部材の双方
を有する場合には、押圧部材にボール取付部や、ボール
ガイド溝は形成されていなくてもよい。 【0029】この構成の発明では、押圧部材またはリテ
ーナが正回転すると、ボール取付部に保持された第一の
ボールがチューブ上に導入されて転動する。第二のボー
ルは、ボールガイド溝を移動し、ボール保持部であるボ
ールガイド溝の正回転方向側の後端部に当接する。この
正回転方向側の後端部に転動可能に保持されて、チュー
ブ上に導入されて転動することとなる。使用後において
は、押圧部材またはリテーナを逆回転させる。すると、
ボール取付部に保持された第一のボールが初期位置に戻
る。第二のボールは、ボール保持部であるボールガイド
溝の正回転方向側の後端部から離れ、ボールガイド溝を
移動し、正回転方向側の先端部に保持されて初期位置に
戻ることとなる。従って、ボールガイド溝がボールを初
期位置からボール保持部へ導入する導入手段となり、ま
たこのボールガイド溝が、ボールをボール保持部から初
期位置へ戻す導出手段となる。 【0030】このような構成の本発明によれば、初期状
態においては、少なくとも第一のボール及び第二のボー
ルは、チューブ上にないため、チューブの塑性変形を防
止できる。また、使用後は、押圧部材またはリテーナを
逆回転することで、ボールを初期位置に戻すことが可能
であるため、工場で組み立てた後、ユーザが使用するま
での間のみならず、一度使用した後においてもチューブ
の塑性変形を防ぐことが可能である。従って、このよう
に塑性変形を防ぐことができるので、吐出量に生じる誤
差を低減でき、本発明の第二の目的を達成することがで
きる。 【0031】また、液体吐出装置をリテーナを有するも
のとすれば、ボールがチューブ上を転動する際、第一の
ボールと第二のボールとの間隔を正確に保持することが
できる。また、ボールはリテーナに保持されるので、例
え、液体吐出装置の使用中に衝撃が加わってしまった場
合でも、ボールがチューブ上から外れてしまうこともな
い。 【0032】また、本発明の液体吐出装置は、ボールを
前記チューブ上に転動可能に保持するボール保持部が形
成されたリテーナと、ボールを前記チューブに押し付け
て前記チューブの一部を圧閉する押圧部材と、この押圧
部材を前記チューブに沿って移動させる駆動機構とを備
え、前記初期位置は、前記ボール保持部が通る軌道上か
ら外れた位置であり、前記ボールのうち少なくとも1つ
は、前記初期位置に配置された導入ボールとされ、前記
導入手段は、前記導入ボールを前記初期位置から前記ボ
ール保持部に導入するものであってもよい。導入手段に
より、ボール保持部に導入された導入ボールは、リテー
ナの移動に伴い、チューブ上に導かれ、転動することと
なる。 【0033】少なくとも1つのボールを導入ボールとし
てリテーナのボール保持部が通る軌道上から外れた初期
位置に配置し、この初期位置からボール保持部に導入し
たので、初期状態では、導入ボールはチューブを圧閉し
ない。従って、チューブに変形癖がつくのを防止して、
吐出量に生じる誤差を低減でき、これにより、本発明の
第二の目的を達成することができる。特に、液体吐出装
置を製造後ユーザが使用を開始するまでの間は長期間と
なりやすいため、効果的である。なお、ボールが2個以
上の場合は、導入ボール以外のボールをボール保持部が
通る軌道上のチューブを圧閉しない位置に初期配置して
組み立てておけば、チューブの全長に亘って変形癖がつ
くのを防止できる。 【0034】この際、前記導入ボールを前記ボール保持
部から前記初期位置に戻す導出手段を備え、前記リテー
ナは、前記基部に対して略平行に設けられた平板材とさ
れ、かつその外周端面は平面視で前記チューブと前記導
入ボールの初期位置との間を通り、前記ボール保持部
は、前記リテーナを前記外周端面から前記チューブ上の
位置まで切り欠いて形成され、初期位置にある前記導入
ボールが前記リテーナの移動方向に交差する方向から導
入されるとともに、この導入された導入ボールを前記リ
テーナの移動方向に保持し、前記導出手段は、前記ボー
ル保持部に形成され前記リテーナを逆移動させた際に、
前記導入ボールを初期位置に誘導する初期位置誘導面を
有していることが好ましい。 【0035】この発明によれば、ボール保持部に初期位
置誘導面が形成されているため、ユーザが使用した後、
リテーナを逆移動させるだけで、チューブ上から導入ボ
ールを外すことができるので、使用後においてもチュー
ブに変形癖がつくのを防止して、吐出量に生じる誤差を
低減できる。 【0036】さらに、前記基部には初期位置に設置され
た導入ボールを前記チューブガイド溝に設置されたチュ
ーブ上まで導くボール導入溝が形成されており、前記ボ
ール導入溝の底面の断面中心部は前記押圧部材側に突出
していることが好ましい。 【0037】ここで、ボール導入溝の底面とは、導入ボ
ールが転動する面のことをいう。ボール導入溝の底面の
形状を中心部が押圧部材側に突出した形状とすること
で、使用開始時には、ボール保持部に導入された導入ボ
ールは、ボール導入溝の奥側(ボール導入溝の前記断面
中心部を挟んで初期位置と反対側)に入り、ボール導入
溝の奥側の面を転動することとなる。一方、使用後、リ
テーナを逆移動させた場合には、導入ボールは、ボール
保持部の初期位置誘導面により誘導されて、ボール導入
溝の外側の面を通って初期位置に戻ることとなる。従っ
て、このようにボール導入溝の断面の中心部を突出さ
せ、導入時は、導入ボールがボール導入溝の奥側の面を
転動するようにし、初期位置に戻す際には、ボール導入
溝の外側の面を転動するような構造とすることで、導入
ボールの導入及び初期位置への戻りを正確に行うことが
できるようになる。 【0038】前記リテーナは、前記基部に対して略平行
に設けられた平板材とされ、かつその外周端面は平面視
で前記チューブと前記導入ボールの初期位置との間を通
り、前記ボール保持部は、前記リテーナを前記外周端面
から前記チューブ上の位置まで切り欠いて形成され、初
期位置にある前記導入ボールが前記リテーナの移動方向
に交差する方向から導入されるとともに、この導入され
た導入ボールを前記リテーナの移動方向に保持し、前記
導入手段は、前記基部に設けられ初期位置にある前記導
入ボールを前記リテーナの外周端面に付勢する付勢手段
を備えているものであってもよい。 【0039】この発明によれば、ボール保持部が導入ボ
ール初期位置に到達するまでは、導入ボールは付勢手段
によってリテーナの外周端面に付勢されているが、ボー
ル保持部がボール初期位置に到達すると、導入ボール
は、付勢手段によってボール保持部に押し込まれ、この
ボール保持部に保持されながらチューブ上を移動する。
したがって、容易に導入ボールをボール保持部に導入で
きる。 【0040】この際、前記導入ボールを前記ボール保持
部から前記初期位置に戻す導出手段を備え、この導出手
段は、前記リテーナのボール保持部に設けられ、前記導
入ボールを前記リテーナの外周方向に付勢する外周方向
付勢手段を有していることが好ましい。ここで、リテー
ナの外周方向とは、ボール保持部への導入ボールの導入
方向と反対方向のことである。また、外周方向付勢手段
は、前記付勢手段よりも付勢力が弱いものであることが
望ましい。チューブガイド溝の深さ寸法を深くすれば、
外周方向付勢手段を設けても、ボール保持部に導入され
た導入ボールは、チューブガイド溝の側面に押し当てら
れて、チューブガイド溝から外れてしまうことはない。
また、初期位置には付勢手段が設けられているので、こ
の付勢手段により導入ボールが付勢され、液体吐出装置
の使用中に初期位置に戻ってしまうことはない。液体吐
出装置使用後、リテーナを逆移動し、所定の位置まで戻
した後、付勢手段の付勢を解除すれば、外周方向付勢手
段の付勢力により、導入ボールをボール保持部から確実
に初期位置に戻すことができる。従って、使用後におい
てもチューブに変形癖がつくのを防止できる。 【0041】さらに、前記導入手段は、前記基部に設け
られ前記導入ボールが上を通って初期位置から前記ボー
ル保持部の軌道の高さに至るスロープを備えていること
が望ましい。この発明によれば、付勢手段で導入ボール
をボール保持部に押し込む際、導入ボールが初期位置か
らボール保持部の軌道の高さに円滑に移動できる。特
に、導入ボール初期位置とチューブ上部との間に段差が
生じる場合に有効である。 【0042】また、この際、前記導入手段は、前記リテ
ーナのボール保持部に前記導入ボールが導入される範囲
で前記押圧部材から前記チューブ上部までの距離を前記
導入ボールの高さより大きく設定する案内手段を備えて
いることが望ましい。この発明によれば、導入ボールを
リテーナのボール保持部に導入する際に、導入ボールが
押圧部材に接触しないから、押圧部材によって力を加え
られることがないうえに、導入ボールが初期位置からチ
ューブ上部までの段差を小さくできるから、導入ボール
を円滑に導入することができる。その結果、付勢手段の
導入ボールに加える付勢力を低く設定できるから、付勢
手段が導入ボールをボール保持部に押し込んだ後にリテ
ーナの外周端面に当接する場合でも、リテーナの移動に
与える負荷を軽減できる。また、案内手段を、基部に設
けられてチューブが設置されるチューブガイド溝で構成
すれば、チューブガイド溝の深さを調整するだけで押圧
部材からチューブ上部までの距離を容易に調整できる。 【0043】さらに、前記付勢手段は、先端側で前記導
入ボールを付勢する板ばねとされ、この板ばねと、前記
リテーナの外周端面に所定間隔で設けられた形状変化部
と、前記板ばね先端側が前記リテーナの形状変化部に接
触して振れる動作を検出する検出部とを含んで構成され
た検出手段を備えていることが望ましい。この発明によ
れば、リテーナに所定間隔で設けられた形状変化部に板
ばねの先端側が接触して振れる動作を検出することによ
りリテーナの移動距離を容易に算出することができる。
例えば、検出部を、板ばね先端が振れる範囲内で板ばね
と導通可能に形成すれば、検出部の導通状態を検出する
だけで容易にリテーナの移動距離を算出できる。また、
板ばねで付勢手段と検出手段とを兼用したので、液体吐
出装置の部品点数、コスト、組み立て工数を低減でき
る。 【0044】また、前記チューブは、略円弧状に配置さ
れ、前記リテーナおよび前記押圧部材は、円盤状に形成
されて前記基部に対して回転可能に設けられ、前記付勢
手段は、前記リテーナの外周側に設けられていることが
望ましい。この発明によれば、付勢手段を配置するスペ
ースを大きく確保できるから、液体吐出装置を容易に製
造できる。 【0045】以上のような、液体吐出装置では、前記導
入手段は、前記リテーナのうち前記ボール保持部近傍で
かつ前記リテーナの移動方向と反対側に突出して形成さ
れ、前記リテーナの移動に伴って前記導入ボールの初期
位置を通ることにより前記導入ボールを引っ掛けて運搬
する運搬手段を備えていることが望ましい。この発明に
よれば、初期位置にある導入ボールは、運搬手段により
引っ掛けられてボール保持部に導入され、リテーナとと
もに移動する。したがって、導入ボールを確実にボール
保持部に導入できる。 【0046】この際、前記導入手段は、前記基部の前記
導入ボールの初期位置より前記ボール保持部の移動方向
側に前記リテーナに向かって突出して設けられた誘導手
段を備え、この誘導手段は、前記基部上を前記リテーナ
とともに移動する前記導入ボールが当接することによっ
て、この導入ボールを前記ボール保持部の通る軌道側に
誘導する誘導面を有していることが望ましい。この発明
によれば、導入ボールは、誘導手段の誘導面に当接して
ボール保持部の通る軌道側に誘導されることにより、ボ
ール保持部に向かって移動することになる。したがっ
て、導入ボールを確実にボール保持部に導入することが
できる。 【0047】この際、前記導入ボールを前記ボール保持
部から前記初期位置に戻す導出手段を備え、前記導出手
段は、前記基部の前記導入ボールの初期位置を挟んで前
記誘導面と反対側の部分に形成され前記導入ボールを初
期位置に誘導する初期位置誘導面を有していることが好
ましい。基部に初期位置誘導面を形成することで、液体
吐出装置を使用した後、リテーナを逆移動させて導入ボ
ールを初期位置に戻す際にスムーズに戻すことが可能と
なる。 【0048】この際、前記駆動機構は、圧電素子を備え
た振動体を前記押圧部材に当接させた状態で前記圧電素
子に電圧を印加することによって、前記振動体を振動さ
せて前記押圧部材を連続的に駆動させることが望まし
い。この発明によれば、圧電素子に電圧を印加するだけ
で、振動体を振動させて押圧部材を回転できるから、モ
ータとウォームギアを用いる場合に比べ、低速で運転で
きる。 【0049】本発明の液体吐出装置は、前記第三の目的
を鑑みて構成されたものであり、弾性を有するチューブ
が設置される基部を有する液体吐出装置であって、前記
チューブの一部を圧閉する圧閉部を備え、前記チューブ
に張力をかける引張機構または圧縮力をかける圧縮機構
が設けられていることを特徴とする。引張機構または圧
縮機構を設けることで、チューブにかかる力を一定にす
ることができ、チューブの内径の変化を防止できる。従
って、慣らし運転等が不要となり、作業性の向上を図る
ことができ、本発明の第三の目的を達成できる。 【0050】この際、前記引張機構または圧縮機構は、
前記チューブにかかる力を調整する調整機能を有するこ
とが好ましい。チューブにかかる力を調整する機能を設
けることで、チューブの内径を変化させて流量を微調整
することができる。従って、液体吐出装置の部品寸法
や、組立精度のバラツキによる吐出量のバラツキを補正
することも可能となる。 【0051】さらに、前記調整機能は、温度に応じて前
記チューブにかかる力を調整する機能であることが好ま
しい。温度に応じてチューブにかかる力を調整する機能
を有するものとすれば、チューブ内の液体の温度変化
や、液体吐出装置が設置された部屋の温度変化等による
チューブの径の変化を防止できる。そのため、使用環境
や使用する液体に応じて、その都度チューブの径の調整
を行う必要がなくなり、手間を省くことができる。 【0052】本発明の機器は、以上のような液体吐出装
置を備えることを特徴とする。本発明の機器は、上述し
た液体吐出装置を備えているため、液体吐出装置と同様
の作用・効果を奏することができる。 【0053】 【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、本発明の
第1実施形態を図1から図3に基づいて説明する。図1
は本発明の第1実施形態の液体吐出装置1Aを示す平面
図、図2は図1における断面図であり、図3は図1およ
び図2に示す液体吐出装置におけるチューブ100及チ
ューブガイド溝211Aの断面図である。また、以下の
説明では、図2中の上側を液体吐出装置1Aにおける
「上側」、下側を「下側」と言う。 【0054】図1及び図2に示す液体吐出装置1Aは、
チューブ100が設置される基部2Aと、基部2Aに対
し回転可能に設置され、ボール5が取り付けられたリテ
ーナ4Aと、リテーナ4Aの上部に設けられ、ボール5
をチューブ100に押圧するための押圧部材としてのロ
ータ3Aと、ロータ3Aを回転駆動する駆動機構6を有
している。チューブ100は弾性を有する樹脂、例え
ば、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂で形成さ
れている。 【0055】基部2Aはチューブ100を設置するため
のチューブガイド溝211Aが形成された基部本体21
Aと、基部本体21Aから上方に向かって立設された壁
部22とを備えている。基部2Aの壁部22の上部に
は、リテーナ4Aやロータ3A等を覆うカバー8が設け
られており、基部2Aとカバー8とでリテーナ4Aやロ
ータ3A等を収納するための空間が形成されている。 【0056】基部本体21Aには、平面円形状の円形溝
210Aが設けられ、この円形溝210Aに連通し、基
部2Aの外部に通じる直線状の溝213,213’が二
本並行に形成されている。なお、溝213,213’
は、円形溝210Aのリテーナ4Aの回転軸を挟んだ位
置(180度間隔で対向する位置)に連通されている。
円形溝210Aのうち、溝213,213’側の半円部
分には、チューブ100は配置されておらず、ボール5
を案内するためのボール案内溝214となっている。円
形溝210Aの溝213,213’側でない半円部分と
溝213,213’に沿って、チューブ100が略U字
形に装着される。すなわち、円形溝210Aのうちボー
ル案内溝214でない円弧部分と、溝213,213’
とでチューブガイド溝211Aが構成されている。 【0057】図3に示すように、チューブガイド溝21
1Aのうちチューブ100に当接する当接面211(チ
ューブガイド溝211Aの底面)の断面形状はボール5
と同心円の円弧形状に形成されている。この当接面21
1の円弧形状の半径をR、ボール5の半径をr、チュー
ブ100の厚さ寸法をTとした場合、これらの関係は 【0058】 【数3】R−2T≦r 【0059】であることが好ましく、中でも、 【0060】 【数4】R−2T≦r<R−T 【0061】であることが好ましい。例えば、当接面2
11の円弧形状の半径R=1.3mm、ボール5の半径
r=0.8mm、チューブ100の厚さ寸法T=0.2
5mm(外径1.0mm、内径0.5mm)である。ま
た、ボール5とチューブ100との摩擦係数は、チュー
ブガイド溝211Aとチューブ100との摩擦係数より
も小さくなっている。これは、チューブ100とボール
5との接触面積が小さいこと、ボール5がチューブ10
0に対して転がり摩擦となることによるものである。 【0062】図1及び図2に戻って、基部本体21Aの
中心部分には軸部7を設置するための軸孔212が形成
されている。また、基部本体21Aの軸孔212の上部
には基部本体21Aの上面よりも上方に突出する突出部
215が形成されている。さらに、基部本体21Aの軸
孔212側の下端部には軸孔212よりも内径の大きい
段部216が形成されている。 【0063】軸部7は円筒状の軸部本体71と、軸部本
体71の下端側に設けられた円形状のフランジ部72
と、軸部本体71の外周面に装着されたボールベアリン
グ75とを有している。軸部本体71の内部は中空状に
なっており、その上端側には、雌ねじが形成されてい
る。ボールベアリング75は、内側の軸受が軸部本体7
1上端側に螺合されたねじ74で軸部本体71に固定さ
れ、外側のジャーナルが軸部7の中心軸を中心として内
側部分に対して回転自在とされている。フランジ部72
は、大径部721と、その上部に設けられ、大径部72
1よりも内径の小さい小径部722とから形成されてい
る。フランジ部72の大径部721の先端部は、基部本
体21Aの段部216に嵌め込まれる。これにより、基
部2Aに対する軸部7の取付位置(特に高さ位置)が決
められる。 【0064】略円盤状のリテーナ4Aの中心部分には、
軸孔41Aが形成されており、軸部7の軸部本体71が
ボールベアリング75を介して挿入されている。これに
よりリテーナ4Aは、軸部7つまりは基部2Aに対して
回転自在に取り付けられている。リテーナ4Aには、ボ
ール保持部(ボール取付孔)43Aが形成されており、
チューブ100を上方から圧閉するボール5が3個転動
可能に取り付けられている。それぞれのボール5の軸孔
41Aからの距離は等しく、隣り合うボール5間の距離
は等間隔、例えば、120度間隔となっている。このボ
ール5はチューブ100を圧閉しながらチューブ100
上を転動するものである。なお、リテーナ4Aを基部2
Aの上部に設置すると、リテーナ4Aが基部2Aの突出
部215に当接し、リテーナ4Aの基部2Aに対する高
さ位置が決められる。 【0065】ロータ3Aは、略円盤状のロータ本体31
Aと、ロータ本体31Aの外周部に、例えば圧入により
固着された円環状のリング32とを有している。ロータ
本体31Aの下面には円環状の凹部312が形成されて
いる。この凹部312は、リテーナ4Aのボール保持部
43Aに対応する位置に設けられており、凹部312部
分にはボール5の上側が配置されてボール5の上面が当
接している。これにより、ボール5はチューブ100の
弾性力で上方(ロータ3A側)に付勢されても、その力
はボール5を介してロータ3Aで支持されることにな
る。つまり、ボール5はロータ3Aによってチューブ1
00を押圧している。また、ロータ本体31Aの中心部
分には、リテーナ4Aと同様の軸孔313が設けられ、
この軸孔313には軸部7の軸部本体71がボールベア
リング75を介して挿入される。 【0066】ボールベアリング75は、軸部7のねじ孔
にねじを螺合することで、軸部7に固定されている。こ
れにより、ロータ3Aが、基部本体21Aに対し所定の
高さ位置に取り付けられる。すなわち、ボール5と当接
面211との間隔寸法Lはチューブ100の厚さ寸法T
の2倍、または、それよりも僅かに小さい寸法となるよ
うにロータ3Aが設置される。例えば、0.9×2T<
L≦2Tであればよい。寸法Lが0.9×2T以下であ
る場合には、チューブ100を圧閉しすぎてしまい、チ
ューブ100に過剰な力がかかり、チューブ100とボ
ール5との間で大きな摩擦が生じてしまうため好ましく
ない。また、寸法Lが2Tよりも大きくなってしまう
と、チューブ100を略完全に潰すことができなくなっ
てしまうため、液体吐出装置1Aの吐出量の精度が低下
してしまう。このため、寸法Lが厚さ寸法Tの略2倍と
なるように設定すればよい。 【0067】ロータ3Aのリング32の外周面には、周
方向に沿って断面円弧状の当接溝321が形成されてお
り、この当接溝321に駆動機構6の振動体61が当接
している。駆動機構6は、圧電素子を有して略矩形平板
状に形成された振動体61と、振動体61を支持する腕
部63と、振動体61の圧電素子に所定周波数の交流電
圧を印加することにより振動体61を振動させる印加装
置(図示省略)とを備えている。腕部63には、ねじ孔が
形成されている。このねじ孔には、振動体61の止めね
じが挿入され、この止めねじは基部2Aに螺合される。
これにより、振動体61が基部2Aに取り付けられるこ
ととなる。振動体61は、直方形の板状の電極610
と、板状の圧電素子611と、電極としても機能する補
強板612と、板状の圧電素子611と、板状の電極6
10とをこの順に積層して構成されている。補強板61
2の端部には、凸部62が一体に形成されている。振動
体61の厚さは、ロータ3Aの厚さよりも薄いものとな
っている。 【0068】圧電素子611は、電圧を印加することに
より、その長手方向に伸長・収縮し、これに伴って補強
板612も繰り返し振動する。圧電素子611の構成材
料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸
鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリ
ウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリ
デン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各
種のものを用いることができる。凸部62がリング32
に当接した状態で、振動体61の圧電素子611に交流
電圧を印加して振動体61を振動させると、リング32
は、振動体61が伸長するときに凸部62から摩擦力
(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)に
よって、ロータ3Aが図1中の矢印S方向に回転する。 【0069】ロータ3Aの回転に伴ってボール5は転が
りながら移動する。このボール5の移動に伴いリテーナ
4Aも回転する。ボール5がチューブ100上に移動す
ると、ボール5によってチューブ100が押圧されて圧
閉される。ボール5は、ロータ3Aの回転に伴い、チュ
ーブ100上を転動し、チューブ100の圧閉位置を順
次移動させる。これにより、チューブ100内の液体は
各ボール5で圧閉された部分で区画されながら、その圧
閉位置の移動に伴いチューブ100内を移動する。各ボ
ール5は、リテーナ4Aにより、120度間隔で保持さ
れているので、チューブガイド溝211Aにおいて18
0度の範囲で形成された円弧部分に配置されたチューブ
100上には、必ず2つのボール5が位置する状態が生
じる。これにより、2つのボール5で圧閉された空間部
分つまり所定の容積内に液体が閉じこめられ、液体は容
積計量されることになる。 【0070】そして、ロータ3Aの回転方向前方の1つ
目のボール5がチューブ100上から外れてチューブ1
00の圧閉を解除すると、2つのボール5間に閉じこめ
られていた液体が溝213’に配置されたチューブ10
0を通して吐出される。この際、3つ目のボール5はチ
ューブガイド溝211Aの円弧部分に移動して、チュー
ブ100を圧閉し、2つ目のボール5と3つ目のボール
5との間に液体が閉じこめられながら移送される。以上
の動作の繰り返しにより、チューブ100を通して液体
が順次押出される。なお、単位時間当たりの吐出量は、
チューブ100の直径、ボール5やチューブ100円弧
部の半径(長さ)、ロータ3Aの回転速度により設定さ
れる。特に、ロータ3Aの回転速度は、振動体61の圧
電素子611への電力制御で容易に調整可能であるた
め、ある程度の範囲での吐出量の調整は、振動体61の
振動速度つまりロータ3Aの回転速度で調整すればよ
い。 【0071】本発明の第1実施形態によれば以下の効果
を奏することができる。 (1-1) 液体吐出装置1Aは、ボール5によりチューブ1
00の一部を圧閉しているため、ボール5とチューブ1
00との接触面積は小さく、大きな摩擦が発生しない。
また、ボール5自身が略転がりながらチューブ100上
を移動することとなるため、ボール5自身が回転しない
場合に比べ摩擦が生じにくい。従って、ボール5とチュ
ーブ100間の摩擦によるボール5及びチューブ100
の劣化が生じにくく、液体吐出装置1Aの耐久性を向上
させることができる。 【0072】(1-2) また、従来の円錐ローラを使用する
液体吐出装置では、ローラの設置方向を考慮する必要が
ある。例えば、チューブを円形形状に配置する場合、ロ
ーラの回転軸をチューブの円形形状の中心側に向けて配
置する必要がある。これに対し、本実施形態のようにボ
ール5を使用する液体吐出装置1Aにおいては、ボール
5の配置方向を考慮する必要がないので、組立を容易に
することができる。 【0073】(1-3) さらに、円錐ローラを使用する場
合、チューブをより確実に圧閉させるには、ローラのチ
ューブを押圧する面と、チューブが配置された面とが平
行になるようにローラを配置する必要があり、組立のバ
ラツキにより圧閉が不安定となることがあった。そのた
め、組立をバラツキが生じないように正確に行わなけれ
ばならなかった。これに対し、本実施形態では、ボール
5を使用し、さらに、チューブガイド溝211Aのうち
チューブ100に当接する当接面211の断面形状をボ
ール5と同心円の円弧形状に形成したため、チューブ1
00をボール5で圧閉する際、ボール5に接しているチ
ューブ100の上面及びチューブガイド溝211Aの当
接面211に接しているチューブ100の下面は、ボー
ル5の形状に沿って円弧状に湾曲し、チューブ100の
孔を確実にかつ均一に潰すことが可能である。従って、
組立等のバラツキにより圧閉が不安定になってしまうこ
とがなく、組立も容易に行うことができる。 【0074】(1-4) チューブガイド溝211Aの当接面
211の断面形状をボール5と同心円の円弧形状に形成
したため、チューブ100の中心がチューブガイド溝2
11Aの当接面211に沿ってへこむので、ボール5の
チューブ100の孔の中心軸方向に直交する方向の位置
が自動的に案内される。そのため、ボール5をチューブ
100の孔の中心軸に沿って転動させることができ、チ
ューブ100を確実に圧閉することが可能となる。従っ
て、液体吐出装置1Aの吐出量も高精度にすることがで
きる。 【0075】(1-5) また、チューブガイド溝211Aの
うちチューブ100に当接する当接面211の断面形状
をボール5と同心円の円弧形状に形成したため、ボール
5の径とチューブ100の径との関係を厳密に考慮しな
くても、液体吐出装置1Aの吐出量を一定にすることが
でき、精度の高い液体吐出装置1Aとすることができ
る。 【0076】(1-6) さらに、ボール5は、従来からある
ベアリング用のボール等を使用することができ、円錐ロ
ーラを製造する場合に比べ、製造コストがかからない 【0077】(1-7) ボール5の半径rがR−2Tよりも
小さい場合には、チューブ100をより確実に圧閉する
ことが困難となる。一方、ボール5の半径rがR−Tよ
りも大きい場合には、チューブ100の孔の中心付近が
潰れにくくなり、孔の中心付近まで潰すには、より大き
な力でチューブ100を変形させる必要がある。そのた
め、ボールがチューブ上を転動すると、チューブに大き
な負荷がかかってしまう。本実施形態では、ボール5の
半径rをR−2T以上、R−T未満としたため、このよ
うな問題が生じることがない。 【0078】(1-8) ボール5・チューブ100間の摩擦
係数がチューブガイド溝211A・チューブ100間の
摩擦係数よりも大きい場合には、ボール5の転動に伴
い、チューブ100がチューブガイド溝211Aを動い
てしまう虞がある。これに対し、本実施形態では、ボー
ル5・チューブ100間の摩擦係数がチューブガイド溝
211A・チューブ100間の摩擦係数よりも小さいた
め、このような問題は発生せず、チューブ100を所定
位置に保持したまま、ボール5を転動させることができ
る。 【0079】(1-9) 液体吐出装置1Aでは、ボール5と
チューブ100との接触面積は小さく、さらに、ボール
5は、チューブ100やボール案内溝214及びロータ
3Aに対して転がり摩擦になるため、摩擦損失も大幅に
低減できる。そのため、ロータ3Aを駆動するのに必要
なトルクを軽減することができ、駆動源である振動体6
1を小型化し、これにより、液体吐出装置1Aの小型化
を図ることができる。 【0080】(1-10) ボール5をロータ本体31Aによ
ってチューブ100側に押圧しているので、ボール5を
介してチューブ100に大きな押圧力を加えることがで
き、ボール5によりチューブ100を確実に圧閉するこ
とができる。 【0081】(1-11) さらに、ロータ本体31Aの下面
には凹部312を形成し、この凹部312にボール5を
配置してボール5を押圧することとしたため、ボール5
をガイドすることができる。さらに、凹部312を形成
したことにより、リング32の高さ寸法として、当接溝
321を形成可能な高さ寸法を確保しながら、ロータ本
体31A全体の厚さ寸法を抑えることができ、液体吐出
装置1Aを薄型化することができる。 【0082】(1-12) 本実施形態では、ロータ3Aによ
り、ボール5を押圧し、かつ、ボール5を転動させたた
め、ボール5を押圧する部材と、ボール5を転動させる
部材とを別体とする場合に比べ、部材点数の削減を図る
ことができる。 【0083】(1-13) ロータ3Aによりボール5を押圧
する構造としたため、リテーナ4Aはボール5を転動可
能に保持するだけでよく、リテーナ4Aのみでボール5
を保持しかつチューブ100に対して押圧させる場合に
比べ、リテーナ4Aの構造が簡略にでき、製造も容易に
なってコストも低減できる。 【0084】(1-14) ロータ3Aの駆動源を、圧電素子
611に交流電圧を印加により振動する振動体61とし
たため、振動体61の振動をロータ3Aの回転に直接変
換することができ、変換に伴うエネルギー損失を少なく
でき、ロータ3Aを高い効率で回転駆動することができ
る。 【0085】(1-15) ロータ3Aが振動体61によって
直接駆動されるため、変速機構等が不要となり、液体吐
出装置1Aの小型化を図ることができる。また、これに
より製造コストも低減することができる。 【0086】(1-16) ロータ3Aを回転するのに通常の
モータを用いないことから、通常のモータのような電磁
ノイズが全くないか、あってもわずかであるので周辺の
機器に影響を及ぼすことがないという利点がある。 【0087】(1-17) ロータ3Aのリング32の外周に
は断面円弧状の当接溝321が形成されており、振動体
61の凸部62をこの当接溝321部分に当接させてい
るので、振動体61の当接部分は当接溝321でガイド
され、リング32に対する当接位置がずれて外れてしま
うことを防止することができる。その上、当接溝321
は断面円弧状であり、振動体61のリング32に対する
当接位置が上下に多少ずれた場合であっても、振動体6
1とリング32との接触状態が維持され、駆動力をロス
することがない。 【0088】(1-18) ロータ3Aを回転駆動していない
ときには、凸部62がリング32に押圧されており、両
者間の摩擦力により、ロータ3Aが回転するのが防止さ
れる。よって、チューブ100内の液体の圧力等によ
り、ロータ3Aが不本意に逆回転するようなことがな
く、チューブ100内の液体の逆流を防止することもで
きる。 【0089】(1-19) 振動体61の厚さは、ロータ3A
の厚さよりも薄いものとなっており、これにより、液体
吐出装置1Aの薄型化を図ることができる。 【0090】(1-20) 駆動機構6でロータ3Aの外周端
面に動力を伝達したので、ロータ3Aの回転軸に動力を
伝達する場合に比べ、液体吐出装置1Aの厚みを薄くで
きる。 【0091】(1-21) 駆動機構6を、振動体61で構成
したので、圧電素子622に電圧を印加するだけで振動
体61を振動させてロータ3Aを回転できるから、モー
タとウォームギアを用いる場合に比べ、低速で運転でき
る。 【0092】(1-22) 液体吐出装置1Aを組み立てるに
あたっては、基部2Aのチューブガイド溝211Aにチ
ューブ100を装着し、その上部にリテーナ4Aを取り
付け、このリテーナ4Aにボール5を保持させて、さら
にその上部にロータ3Aを取り付ければよく、一方向か
ら部品を組み付けて組み立てることができ、組み立て作
業を容易にすることができるとともに、組立作業の自動
化も容易に行うことができ、生産性も向上できる。特
に、リテーナ4Aとボール5とを予めサブアセンブルす
る必要がないため、組立工程を簡略化できて、生産性を
より向上できる。 【0093】[第2実施形態]次に本発明の第2実施形
態について、図4及び図5を参照して説明する。なお、
以下の各実施形態および変形例において、前記第1実施
形態と同一もしくは同様の構成部品については、同一の
符号を用い、説明を省略あるいは簡略する。図4及び図
5に示す液体吐出装置1Bは、基部2Bのチューブガイ
ド溝211B及びロータ3B、リテーナ4Bの構造が第
1実施形態の液体吐出装置1Aの基部2A及びリテーナ
4Aの構造と異なるものとなっている。基部2Bの基部
本体21Bにはチューブガイド溝211Bが設けられて
いる。また、壁部22の溝213,213’間には、取
手操作用の溝221が形成されている。さらに、チュー
ブガイド溝211Bにおいて、溝221に対し軸部7を
挟んだ反対側の位置には、ボール5の収納溝217が形
成されている。この収納溝217は、チューブガイド溝
211Bの側面から軸部7に向かってボール5の1個分
の凹形状が形成されている。また、収納溝217の深さ
は、チューブガイド溝211Bよりもチューブ100の
厚さ寸法分浅く形成され、ボール5のみが収納可能に形
成されている。 【0094】同様に、円形溝210Aと溝213,21
3’との交差部分においても、図4に示すように、ボー
ル案内溝214を形成する壁部22が切り欠かれ、通
常、図4の2点鎖線で示す位置にあるボール5を、実線
の位置まで移動可能に構成されている。 【0095】また、リテーナ4Bの軸孔41Bは楕円形
状に形成されている。同様に、ロータ3Bのロータ本体
31Bの軸孔313Bも楕円形状に形成されている。リ
テーナ4Bの一部にはリテーナ4Bの円周外に突出した
取手部42Bが設けられ、この取手部42Bは溝221
に配置されている。ここで、リテーナ4Bの取手部42
Bを矢印T方向(軸部7の軸部本体71に直交する方
向)に引っ張ると、リテーナ4B及びボール5の設置位
置が矢印T方向に移動し、チューブ100上に完全に乗
っていたボール5は、収納溝217に移動してチューブ
100上面から外れる。これにより、ボール5のチュー
ブ100への圧閉が解除される。 【0096】また、他の2つのボール5は、元々1部分
しかチューブ100上に配置されておらず、チューブ1
00も円周状に形成され、ボール5も球面とされている
ので、チューブ100を殆ど圧閉していない。そして、
リテーナ4Bのスライド移動によっても、ボール5はチ
ューブ100の延長方向に移動するだけであり、ボール
5およびチューブ100間の位置関係は殆ど同一である
ため、このボール5によってもチューブ100は圧閉さ
れず、リテーナ4Bを引き出すことで、ボール5による
チューブ100の圧閉を解除することができる。 【0097】なお、リテーナ4Bを引き出すには、取手
部42Bを溝221部分に位置させなければならない。
このためには、例えば、振動体61の駆動を制御できる
スイッチを設け、溝221から取手部42Bが見えるま
で振動体61を駆動し、ロータ3Bの回転に伴ってボー
ル5を回転させながら移動させることで、リテーナ4B
を回転させたり、取手部42Bの位置つまりはリテーナ
4Bの回転角度を検出できるセンサを設け、自動的に取
手部42Bが溝221の位置で停止する制御モードを設
定すればよい。 【0098】一方、液体吐出装置1Bを使用する際に
は、取手部42Bを押し込むことで、リテーナ4B及び
ボール5が所定位置に設置される。この時、取手部42
Bはロータ3Bの下方に位置しており、ロータ3Bの円
周外には殆ど突出しないため、基部2Bの壁部22等に
ぶつかったりすることなく、リテーナ4Bは回転する。
この際、ボール5は、チューブガイド溝211Bやボー
ル案内溝214でガイドされており、図4に示す位置に
ならない限り、スライド移動できないので、リテーナ4
Bの軸孔41Bが長孔であっても、リテーナ4Bはスム
ーズに回転する。さらに、チューブガイド溝211Bの
当接面211が、円弧状に形成されており、ボール5が
当接しているチューブ100上面もボール5に沿って湾
曲されているので、取手部42Bを引っ張るといったよ
うな大きな力が加わらない限り、ボール5はチューブ1
00によっても案内されてチューブ100に沿って転動
する。 【0099】このような第2実施形態によれば、第1実
施形態と同様の効果を奏することができる他、以下の効
果を奏することができる。 (2-1) リテーナ4Bの取手部42Bを引っ張ることで、
ボール5がチューブ100の上面から外れるため、ボー
ル5のチューブ100への圧閉を解除することができ
る。このため、液体吐出装置1Bを使用しない場合や液
体吐出装置1Bの使用を開始するまでの間には、リテー
ナ4Bをスライド移動させることで、チューブ100の
変形を防止でき、長期間にわたって、チューブ100を
圧閉した場合のように、チューブ100の劣化が促進さ
れることがなく、液体吐出装置1Bの耐久性を向上する
ことができる。また、チューブ100の変形を防止でき
るので、吐出量に生じる誤差を低減できる。 【0100】(2-2) リテーナ4Bやロータ3Bの軸孔を
長孔に形成し、かつリテーナ4Bに取手部42Bを形成
するだけでスライド可能に構成できるので、非常に簡単
な構造にでき、コストの増加も抑えることができる。 【0101】(2-3) また、取手部42Bが溝221に位
置する状態でなければ、リテーナ4Bをスライドさせる
ことはできず、かつ取手部42Bを押し込めば、チュー
ブ100に乗り上げたボール5はチューブ100上面が
湾曲されていることで自動的に所定の位置に戻るため、
液体吐出装置1Bの利用者が簡単な操作でリテーナ4B
の出し入れを行うことができる。 【0102】[第3実施形態]次に本発明の第3実施形
態について、図6を参照して説明する。図6は、第3実
施形態の液体吐出装置1Cを模式的に示した図であり、
液体吐出装置1Cは、チューブ100を略90度に屈曲
して配置し、ボール5を4個使用している点で前記実施
形態の液体吐出装置1A、1Bと異なっている。軸部
(図示略)からボール5までの距離は、前記実施形態の
軸部7からボール5までの距離よりも小さいものとなっ
ている。 【0103】従って、第3実施形態によれば、第1実施
形態と同様の効果を奏することができる他、以下の効果
を奏することができる。 (3-1) 吐出量の小さな液体を確実に吐出することができ
る。すなわち、液体の吐出量を小さくしたい場合、前記
実施形態において、ボール5の移動距離つまりは軸から
の半径を小さくすることが考えられるが、チューブ10
0をU字形に配置した時のチューブ100の屈曲角度が
非常に小さくなり、チューブ100が折れ曲がって、チ
ューブ100の孔が塞がれてしまい、液体を確実に吐出
できなくなる可能性がある。これに対し、本実施形態の
ようにチューブ100の屈曲角度を90度とすれば、軸
部からボール5までの距離を小さくしても、チューブ1
00の孔がつぶれてしまうことがなく、少量の液体を確
実に吐出することができる。 【0104】(3-2) また、回転軸からボール5までの半
径が小さければ、ボール5を駆動してチューブ100を
圧閉するためのトルクを小さくできる。このため、ロー
タ3Aを駆動する振動体61やモータ等の駆動手段の出
力を小さくでき、駆動手段つまりは液体吐出装置1Cを
小型化することができる。 【0105】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態について、図7から図10を参照して説明する。前
記各実施形態の液体吐出装置1A〜1Cは、リテーナ4
A,4Bを有するものとしたが、本実施形態の液体吐出
装置1Dは、リテーナを有していない。図7及び図8に
示すように、液体吐出装置1Dは、第一のボール5A、
第二のボール5Bの二つのボールを有している。なお、
第一のボール5A、第二のボール5Bは前記実施形態の
ボール5と同じものである。 【0106】基部本体21Dには、平面円形状の円形溝
210Dが設けられている。第1実施形態と同様に、こ
の円形溝210Dに連通し、基部2Dの外部に通じる直
線状の溝213,213’が二本並行に形成されてい
る。円形溝210Dのうち、溝213,213’側の半
円部分には、チューブ100は配置されておらず、円形
溝210Dの溝213,213’側でない半円部分と溝
213,213’に沿って、チューブ100が略U字形
に装着される。従って、円形溝210Dの溝213,2
13’側でない半円部分と溝213,213’とでチュ
ーブガイド溝211Dを形成している。なお、このチュ
ーブガイド溝211Dは、前記実施形態のチューブガイ
ド溝211A,211Bと同様に、その断面形状が円弧
形状となっている。 【0107】また、基部2Dの円形溝210Dには、図
9に示すようにボール設置部234Dが形成されてい
る。さらに、チューブガイド溝211Dのうち、ボール
設置部234Dの両サイドの部分の底面215Dは、そ
の底面215Dに配置されたチューブ100の上面がボ
ール設置部234Dの上面と略同じ高さになるように形
成されている。また、チューブガイド溝211Dの底面
215D以外の底面216Dは、底面215Dよりもチ
ューブ100の半径の約1/2だけ高くなっている。そ
のため、チューブ100は、第一のボール5Aまたは第
二のボール5Bとチューブガイド溝211Dの底面21
6Dとで圧閉されることとなる。 【0108】ボール設置部234Dは、チューブ100
が配置されていない、つまりチューブ100上から外れ
ているため、第一のボール5A及び第二のボール5Bの
初期位置となる。ボール設置部234Dの第二のボール
5Bが設置される部分には窪み部236が形成されてお
り、窪み部236から後述するロータ本体31Dのボー
ルガイド溝315Dまでの高さ寸法は第二のボール5B
の直径よりも大きくなっている。 【0109】再度、図7及び図8を参照して説明する
と、ロータ3Dのロータ本体31Dのチューブ100側
の面には、ボール取付部である凹部312Dと、ボール
ガイド溝315Dとが形成されている。凹部312D
は、第一のボール5Aを転動可能に保持する。凹部31
2Dは、第一のボール5Aを一個のみ保持できるような
大きさ形状である。凹部312Dは、円形溝210Dに
対応した位置に形成されており、初期状態においては、
ボール設置部234Dの上方に位置している。従って、
凹部312Dに保持された第一のボール5Aは、ボール
設置部234D上に配置される。 【0110】ボールガイド溝315Dは、円形溝210
Dに沿って形成されている。つまり、ロータ3Dの回転
中心を中心とする円弧状に形成されている。このボール
ガイド溝315Dには、第二のボール5Bが移動可能に
設置される。ボールガイド溝315Dの正回転方向先端
側の端部(正回転方向先端部)は、凹部312Dに近接
しており、初期状態において、ボール設置部234Dの
窪み部236の上方に位置している。従って、初期状態
において、正回転方向先端部に設置された第二のボール
5Bはボール設置部234Dの窪み部236上に配置さ
れることとなる(図9参照)。正回転方向後端側の端部
(正回転方向後端部)は、凹部312Dと軸孔313を
挟んで180°反対側に位置している。初期状態におい
ては、回転方向後端部は円形溝210Dに設置されたチ
ューブ100の上方に位置している(図9参照)。 【0111】このような凹部312D及びボールガイド
溝315Dは、ロータ本体31Dの回転により円形溝2
10D上を動くこととなる。また、ロータ本体31Dの
外周縁には、平面方向に突出した凸部316D,316
D’が形成されている。この凸部316D,316D’
は、後述する回転検出手段28Dを構成する。凸部31
6Dは、凸部316D’と、軸孔313を挟んで180
°反対側に形成されている。 【0112】さらに、駆動機構6Dの腕部63Dの構造
は前記実施形態の駆動機構6の腕部63とは異なってい
る。図7に示すように、腕部63Dは、振動体61の補
強板612の略中央を支持する腕本体631と、基部2
Dに取り付けられ腕本体631を支持する腕支持部63
2とを備えている。腕支持部632は、基部2Dに設け
られたピン633に挿入され、このピン633を中心と
して回転可能とされている。腕本体631は、腕支持部
632にねじで取り付けられ、ピン633と反対側の端
部で補強板621の長さ方向略中央を支持するものであ
る。ばね部材64は、腕部63Dをロータ3D側に付勢
することによりピン633を中心として回転させて、腕
部63Dで支持された振動体61の凸部62を当接溝3
21に当接させる。 【0113】また、本実施形態の液体吐出装置1Dは、
ロータ3Dの回転を検出する回転検出手段28Dを備え
ている。この回転検出手段28Dは、前述した凸部31
6Dと、板ばね251と、検出部281とを備えてい
る。検出部281は、基部本体21Dから上方に向かっ
て突出して設けられ、板ばね251先端が接触して導通
状態となることにより、ロータ3Dの回転数を検出する
ものである。すなわち、検出部281は、板ばね251
の先端がロータ本体31Dの凸部316Dを除く部分に
当接している場合には、板ばね251と接触状態にな
り、板ばね251の先端が凸部361Dによってロータ
本体31Dの外側に向かって押された場合には、板ばね
251と非接触状態となるような位置に配置されてい
る。したがって、板ばね251の先端は、ロータ3Dが
半周回転する度に、凸部361Dで押されて先端が振れ
て非接触状態となるから、ロータ3Dの回転を半周毎に
検出することができる。 【0114】このような液体吐出装置1Dにおいて、液
体は次の様にして吐出される。図9に示すように、初期
状態では、第一のボール5A及び第二のボール5Bは、
ボール設置部234Dに配置されている。ロータ3Dを
正回転(図7矢印S方向)させると、凹部312Dに保
持された第一のボール5Aはチューブ100上を転動す
ることとなる。一方、第二のボール5Bは窪み部236
に設置されているため、ロータ3Dが回転しても、空回
りする程度であり、窪み部236から動かない。さら
に、ロータ3Dが正回転すると、図10に示すように、
第二のボール5Bは、ボールガイド溝315Dの正回転
方向後端部に当接し、この正回転方向後端部に保持され
てチューブ100上を転動することとなる。従って、ボ
ールガイド溝315Dの正回転方向後端部は、第二のボ
ール5Bを転動可能に保持するボール保持部となる。以
上の様にして、第一のボール5Aと第二のボール5Bが
チューブを圧閉し、所定量の液体を吐出することとな
る。 【0115】一方、液体吐出装置1Dを使用した後は、
ロータ3Dを逆回転する。この場合、凹部312Dに保
持された第一のボール5Aは、ロータ3Dの逆回転に伴
い、初期位置に向かって転動する。第二のボール5B
は、正回転方向先端部から離れ、ボールガイド溝315
Dの正回転方向先端部が当接するまでは、その場に留ま
る。さらにロータ3Dが回転すると、ボールガイド溝3
15Dの正回転方向先端部が第二のボール5Bに当接
し、正回転方向先端部に押されることにより、初期位置
に導かれる。以上より、本実施形態では、ロータ3Dの
ボールガイド溝315Dが、第二のボール5Bを初期位
置からボール保持部であるボールガイド溝315Dの正
回転方向後端部に導入するための導入手段となり、ま
た、このボールガイド溝315Dが、第二のボール5B
をボール保持部であるボールガイド溝315Dの正回転
方向後端部から初期位置に戻すための導出手段となる。 【0116】従って、第4実施形態によれば、第1実施
形態の(1-1)〜(1-10)、(1-12)、(1-14)〜(1-21)の効果
を奏することができる他、以下の効果を奏することがで
きる。 (4-1) 初期状態においては、第一のボール5A及び第二
のボール5Bは、チューブ100上になく、チューブ1
00を圧閉しないため、チューブ100の塑性変形を防
止できる。また、使用後は、ロータ3Dを逆回転するだ
けで、ボール5A,5Bを初期位置に容易に戻すことが
できるので、工場で組み立てた後、ユーザが使用するま
での間のみならず、一度使用した後においてもチューブ
100の塑性変形を防ぐことが可能である。従って、こ
のようにチューブ100の塑性変形を防ぐことができる
ので、吐出量に生じる誤差を低減できる。 【0117】(4-2) ボール設置部234Dに窪み部23
6を形成しない場合、ロータ3Dを正回転させた際、正
回転方向端部が第二のボール5Bに当接する前に、第二
のボールがボール設置部234D上を動いてしまう虞が
あり、さらには、ボール設置部234Dからチューブ1
00上に転がり落ちてしまう虞もある。また、ロータ3
Dを逆回転し、第一のボール5A及び第二のボール5B
を初期位置に戻す際にも、第二のボール5Bがボール設
置部234Dから転がり落ちてしまう可能性がある。こ
れに対し、本実施形態では、窪み部236を形成したた
め、ロータ3Dを回転させた際に、ボールガイド溝31
5Dの正回転方向後端部が第二のボール5Bに当接する
まで第二のボール5Bが移動してしまうことがない。従
って、液体吐出装置1Dの吐出量を正確なものとするこ
とができる。また、ロータ3Dを逆回転した際にも、第
二のボール5Bは、窪み部236に留まるため、ボール
設置部234Dから落ちてしまうことがない。 【0118】(4-3) 本実施形態では、ロータ本体31D
にボール5A,5Bを保持させており、リテーナが不要
であるため、部材点数の削減を図ることができる。 【0119】(4-4) 検出手段28Dを板ばね251と、
凸部316D,316D’と、検出部281とを含んで
構成したので、検出部281でロータ本体31Dに所定
間隔で設けられた凸部316D,316D’を検出する
ことによりロータ本体31Dの回転数を容易に算出する
ことができる。さらに、ロータ本体31Dにボール5
A,5Bを保持する凹部312D、ボールガイド溝31
5Dを形成したので、ロータ本体31Dに対してボール
5A,5Bが滑って移動しないということもなく、ロー
タ本体31Dの回転に伴い確実にボール5A,5Bを移
動することができる。このため、ロータ本体31Dの回
転量(回転数)を検出することで、ボール5A,5Bの
移動量つまり液体の吐出量を正確に把握することがで
き、吐出量の制御を高精度に行うことができる。 【0120】(4-5) 検出部281を板ばね251先端が
振れる範囲内で板ばね251と導通可能に形成したの
で、この検出部281の導通状態を検出するだけで容易
にロータ3Dの回転数を算出できる。 【0121】(4-6) ボール設置部234Dの上面と、底
面215Dに設置されたチューブ100の上面とを略同
じ高さとしたので、第一のボール5A,第二のボール5
Bがチューブ100上に乗る際に、大きな負荷の変動が
生じない。従って、ロータ3Dの回転をスムーズに行う
ことができる。 【0122】[第5実施形態]次に、第5実施形態につ
いて、図11を参照して説明する。第4実施形態では、
リテーナを設けず、ロータ本体31Dのチューブ100
側の面に凹部312D等を形成し、第一及び第二のボー
ル5A,5Bを転動させていた。本実施形態の液体吐出
装置1Eは、リテーナ4Eを有し、リテーナ4Eで第一
及び第二のボール5A,5Bを保持しつつ転動させる点
で第4実施形態と異なっている。 【0123】リテーナ4Eは、その表裏面を貫通して形
成されたボール取付部43Eと、ボールガイド溝48E
とが形成されている。ボール取付部43Eは、第一のボ
ール5Aよりも僅かに大きな寸法であり、第一のボール
5Aを転動可能に保持している。ボール取付部43E
は、円形溝210Dに対応した位置に形成されている。
ボール取付部43Eは、初期状態においては、ボール設
置部234Dの上方に位置している。従って、ボール取
付部43Eに保持された第一のボール5Aは、初期状態
においてボール設置部234D上に配置される。 【0124】ボールガイド溝48Eは、円形溝210D
に沿って形成されている。つまり、リテーナ4Eの回転
中心を中心とする円弧状に形成されている。このボール
ガイド溝48Eには、第二のボール5Bが移動可能に設
置されている。ボールガイド溝48Eの正回転方向先端
側の端部(正回転方向先端部)は、ボール取付部43E
に近接しており、初期状態において、ボール設置部23
4Dの窪み部236の上方に位置している。従って、初
期状態において、ボールガイド溝48Eの正回転方向先
端部側に配置された第二のボール5Bは、ボール設置部
234Dの窪み部236上に配置されることとなる。正
回転方向後端側の端部(正回転方向後端部)は、ボール
取付部43Eと軸孔41Aを挟んで180°反対側に位
置している。初期状態において、回転方向後端部は円形
溝210Dに設置されたチューブ100の上方に位置し
ている。このようなボール取付部43E及びボールガイ
ド溝48Eは、ロータ本体31Aの回転により、円形溝
210D上を動くこととなる。 【0125】また、リテーナ4Eの外周縁には、平面方
向に突出した凸部44E,44E’が形成されており、
この凸部44E,44E’により、リテーナ4Eの回転
数を検出するようになっている。凸部44Eと凸部44
E’は、軸部7を挟んで180°反対側に形成されてい
る。この凸部44E,44E’と、板ばね251と、検
出部281とで回転検出手段28Eを構成している。 【0126】このような液体吐出装置1Eにおいては、
液体は次の様にして吐出される。第4実施形態と同様、
初期状態においては、第一のボール5A及び第二のボー
ル5Bは、ボール設置部234Dに配置されている。ロ
ータ3Dを駆動させると、リテーナ4Eの正回転に伴っ
て(矢印S方向)、ボール取付部43Eに保持された第
一のボール5Aはチューブ100上を転動することとな
る。一方、第二のボール5Bは窪み部(図示略)に設置
されているため、リテーナ4Eが回転しても、窪み部か
ら動かない。さらに、リテーナ4Eが回転すると、第二
のボール5Bは、ボールガイド溝48Eの正回転方向後
端部に当接し、正回転方向後端部に保持されてチューブ
100上を転動することとなる。従って、ボールガイド
溝48Eの正回転方向後端部は第二のボール5Bを保持
するボール保持部となる。以上の様にして、第一のボー
ル5Aと第二のボール5Bがチューブを圧閉し、所定量
の液体を吐出することとなる。一方、液体吐出装置1E
を使用した後は、第4実施形態と同様に、ロータ3Dを
逆回転させて、第一のボール5A及び第二のボール5B
を初期位置に戻す。従って、本実施形態では、リテーナ
4Eのボールガイド溝48Eは、第二のボール5Bを初
期位置からボール保持部である正回転方向後端部に導入
するための導入手段となり、また、このボールガイド溝
48Eが、第二のボール5Bをボール保持部である正回
転方向後端部から初期位置に戻すための導出手段とな
る。 【0127】従って、第5実施形態によれば、第1実施
形態の(1-1)〜(1-22)、第4実施形態の(4-2),(4-6)の効
果を奏することができる他、以下の効果を奏することが
できる。 (5-1) 初期状態においては、第一のボール5A及び第二
のボール5Bは、チューブ100上にないため、チュー
ブ100の塑性変形を防止できる。また、使用後は、リ
テーナ4Eを逆回転することで、ボール5A,5Bを初
期位置に戻すことが可能であるため、工場で組み立てた
後、ユーザが使用するまでの間のみならず、一度使用し
た後においてもチューブ100の塑性変形を防ぐことが
可能である。従って、このようにチューブ100の塑性
変形を防ぐことができるので、吐出量に生じる誤差を低
減できる。 【0128】(5-2) 検出手段28Eを板ばね251と、
凸部44E,44E’と、検出部281とを含んで構成
したので、検出部281でリテーナ4Eに所定間隔で設
けられた凸部44E,44Eを検出することによりリテ
ーナ4Eの回転数を容易に算出することができる。さら
に、回転数の検出は検出部281の導通を検出するだけ
でよいので、検出が容易である。 【0129】(5-3) 本実施形態では、リテーナ4Eにボ
ール5A,5Bを保持させたため、ボール5A,5B間
の距離を正確に保つことができ、液体の吐出量を正確な
ものとすることができる。その上、リテーナ4Eは、ボ
ール5A,5Bと一体的に回転するため、リテーナ4E
の回転に伴いボール5A,5Bを確実に移動することが
できる。このため、リテーナ4Eの回転量(回転数)を
検出することで、ボール5A,5Bの移動量つまり液体
の吐出量を正確に把握することができ、吐出量の制御を
高精度に行うことができる。 【0130】[第6実施形態]次に、本発明の第6実施
形態について、図12から図18を参照して説明する。
本実施形態の液体吐出装置1Fは、第1から第3実施形
態と同様、ロータ3F及びリテーナ4Fを有している。
図12及び図13に示すように、リテーナ4Fは、円盤
状であって、軸部7を中心として基部2Fに対し略平行
にかつ回転可能に設けられ、かつ、その外周端面は平面
視でチューブ100と後述する導入ボール5Fの初期位
置との間を通るようになっている。 【0131】リテーナ4Fは、その外周端面に、ボール
5F,5F’を保持するための2つのボール保持部43
F,43F’と、このボール保持部43F,43F’近
傍に設けられた引掛部44F,44F’とを有してい
る。なお、ボール5F,5F’は第1実施形態のボール
5と同じものである。ボール保持部43F,43F’
は、軸孔41Aを挟んで互いに180度反対側の位置に
設けられている。また、これらボール保持部43F,4
3F’は、軸孔41Aから等距離、つまり、リテーナ4
Fの回転に伴ってチューブガイド溝211Fの円形溝2
10F上を常に通る位置に設けられている。リテーナ4
Fの軸孔41Aにボールベアリング75に固定されたロ
ータ3Fの軸部分が遊嵌されており、この状態で、リテ
ーナ4Fの下面が基部2Fの突出部215上に載置され
る。これにより、リテーナ4Fは、基部2Fに対して回
転可能となっている。ボール5F,5F’は、ボール保
持部43Fに保持される導入ボール5Fとボール保持部
43F’に保持されるボール5F’との2種類があり、
このうち、導入ボール5Fは、基部本体21F上の後述
する導入ボール配置溝24Fに初期配置され、この導入
ボール配置溝24Fからボール保持部43Fに導入され
るものである。 【0132】ボール保持部43Fは、リテーナ4Fの外
周端面をチューブ100上の位置まで略U字形状に切り
欠いて形成されている。これにより、初期配置された導
入ボール5Fがリテーナ4Fの回転方向と交差方向(リ
テーナ4Fの半径方向)から出入り可能とされるととも
に、この導入ボール5Fをリテーナ4Fの切り欠かれた
部分の端面で転動可能に保持するものである。なお、ボ
ール保持部43Fの切欠きは、リテーナ4Fの回転とと
もに導入ボール5Fを徐々に奥(リテーナ4Fの回転中
心)に向かって移動させるため、リテーナ4Fの回転方
向に向かって角度を付けて形成されている。 【0133】ボール保持部43F’は、リテーナ4Fの
チューブ100上の位置をボール5F’より僅かに大き
な大きさで切り欠いて形成されている。これにより、ボ
ール5F’をリテーナ4Fの切り欠かれた部分の端面で
リテーナ4Fの回転方向に押すことによって転動可能に
保持するものである。なお、ボール保持部43F’は、
ボール保持部43Fと異なり、ボール5F’がリテーナ
4Fの回転方向と交差方向に出入り可能とされていな
い。 【0134】引掛部44F,44F’は、それぞれリテ
ーナ4Fの回転方向と反対側の部分に外周方向に突出し
て形成されている。これら引掛部44Fおよび引掛部4
4F’も、軸孔41Aを挟んで互いに180度反対側の
位置に設けられている。引掛部44F,44F’のう
ち、運搬手段としての引掛部44Fは、リテーナ4Fの
回転に伴って導入ボール5Fの初期位置を通ることによ
り、初期位置にある導入ボール5Fを引っ掛けて運搬す
るものである。 【0135】ロータ3Fは、略円盤状のロータ本体31
Fと、ロータ本体31Fの外周部に、例えば圧入により
固着された円環状のリング32とを有している。ロータ
本体31Fの下面には、リテーナ4Fのボール保持部4
3F,43F’の上部に相当する位置に円環状の凹部3
12が形成されており、この凹部312には、ボール5
F,5F’との摩擦力を増大させるためにシリコンゴム
等の弾性部材314が装着されている。以上のロータ3
Fは、凹部312に装着された弾性部材314で、リテ
ーナ4Fのボール保持部43F,43F’に保持された
ボール5F,5F’を上方から押圧して、チューブ10
0を圧閉するとともに、ロータ3Fの回転によってボー
ル5F,5F’に回転力を与えてチューブ100上を転
動させて圧閉位置を移動させるものである。また、本実
施形態の液体吐出装置1Fは、第4実施形態と同様の駆
動機構6Dを備えている。 【0136】次に、図14および図15を参照しなが
ら、ロータ3Fの下面からのチューブガイド溝211F
の深さを説明する。図14は、円形溝210Fに沿って
外側から見た展開断面図である。また、図17は、図1
2のXVII−XVII方向の断面図であり、図18は、図12
のXVIII−XVIII方向の断面図である。なお、以下の説明
において、D4〜D1はロータ3Fの弾性部材314か
らの深さであって、D4>D3>D2>D1である。ま
た、以下の説明において、チューブ100のうち、溝2
13の基部2F外部側をチューブ100の「基端側」と
し、溝213’の基部2F外部側をチューブ100の
「先端側」とする。 【0137】チューブガイド溝211Fは、チューブ1
00の基端側から先端側に向かって、チューブ100を
ボール5F,5F’で押圧しない非押圧範囲231と、
チューブ100をボール5F,5F’で押圧する押圧範
囲232と、チューブ100をボール5F,5F’で押
圧しない非押圧範囲233とを順に備えている。 【0138】非押圧範囲231は、基部2Fの外部に通
じる溝213と、円形溝210Fのうち溝213’との
接続部分とで構成されている。非押圧範囲231では、
チューブ100の基端側から先端側に向かうに従って、
深さD3から深さD2まで浅くなっている。押圧範囲2
32は、円形溝210Fのうち180度以上の円弧部分
で構成されている。押圧範囲232では、深さD2とな
っている。この押圧範囲232のチューブガイド溝21
1Fの当接面211の断面形状は、図13及び図16に
示すように、ボール5F,5F’と同心円状の円弧状を
直線的に近似した形状となっている。当接面211を直
線近似する際には、通常は、図16に示すように、3本
の直線で近似すればよく、基部2F上面に平行な平坦面
の両側の傾斜面の交差角度θは約135度程度にすれば
よい。また、この場合、円弧を近似した形状の半径R
は、例えば、R=1.25mmである。 【0139】非押圧範囲233は、円形溝210Fのう
ち所定長さL1を有する部分と、溝213’とで構成さ
れている。非押圧範囲233では、チューブ100の基
端側から先端側に向かうに従って、深さD2から深さD
4まで連続的に深くなった後、深さD3まで連続的に浅
くなっている。また、円形溝210Fのうち、チューブ
ガイド溝211Fを構成しない部分つまり二本の溝21
3,213’とで挟まれた短い円弧状の部分は、ボール
案内範囲234とされ、このボール案内範囲234で
は、深さD1となっている。 【0140】深さD2では、チューブガイド溝211F
に配置されたチューブ100上をボール5F,5F’が
通ると、ロータ3Fに押圧されたボール5F,5F’
が、チューブ100を押しつぶして圧閉した状態になる
ものである。なお、深さD2を小さくすると、ボール5
F,5F’がチューブ100を圧閉しすぎてしまい、チ
ューブ100とボール5F,5F’との間で大きな摩擦
が生じ、ボール5F,5F’が円滑に転動しないため好
ましくない。一方、深さD2を大きくすると、チューブ
100を完全に圧閉することができなくなってしまうた
め、チューブ100からの液体吐出量の精度が低下して
しまう。 【0141】深さD3では、チューブガイド溝211F
に配置されたチューブ100上をボール5F,5F’が
通ると、ボール5F,5F’が、ロータ3Fで回転力を
加えられながら、チューブ100を押しつぶさずにその
上を転動する状態になるものである。この際、深さD3
の部分に配置されたチューブ100の上部までの深さ
は、深さD1に等しくなる。 【0142】深さD4では、ロータ3Fの弾性部材31
4からチューブ100上部までの距離がボール5F,5
F’の高さより大きくなっている。したがって、ボール
5F,5F’が、ロータ3Fに接触せずにチューブ10
0上にあるため、リテーナ4Fで側面を押されながら転
動するものである。すなわち、チューブガイド溝211
Fにおいて、非押圧範囲233の深さD4の部分の18
0度反対側は押圧範囲232となっている。したがっ
て、深さD4の部分をボール5Fが通るときには、押圧
範囲232をボール5F’が通る。このボール5F’
は、ロータ3Fで回転力を加えられているとともに、リ
テーナ4Fのボール保持部43F’を押圧してリテーナ
4Fを回転させ、ボール保持部43Fでボール5Fを押
圧する。この動作は、深さD4の部分をボール5Bが通
る場合も同様である。 【0143】また、基部本体21Fには、導入ボール5
Fが初期配置される導入ボール配置溝24Fと、この導
入ボール配置溝24Fに配置された導入ボール5Fをリ
テーナ4Fの外周端面に付勢する付勢手段25と、付勢
手段25の動作を検出する検出手段28Fと、導入ボー
ル5Fをリテーナ4Fのボール保持部43Fに誘導する
誘導手段としての誘導突起26とが設けられている。 【0144】導入ボール配置溝24Fは、平面視で、非
押圧範囲233の深さD4の部分(以降、ボール導入範
囲235と呼ぶ)に近接し、かつリテーナ4Fのボール
保持部43Fが通る軌道上から外れた位置に形成されて
いる。導入ボール配置溝24Fは、図17にも示すよう
に、導入ボール5Fが載置される平坦部241と、平坦
部241からボール導入範囲235に向かって上るスロ
ープ242とを備えている。つまり、平坦部241にあ
る導入ボール5Fは、スロープ242の上を通ってボー
ル保持部43Fの軌道の高さに至る。 【0145】付勢手段25は、基部本体21Fに設けら
れ先端側で導入ボール5Fを付勢する板ばね251を有
し、この板ばね251は、以下のように動作する。ま
ず、リテーナ4Fのボール保持部43Fがボール導入範
囲235に到達するまでは、導入ボール配置溝24Fに
配置された導入ボール5Fは、板ばね251の先端側で
付勢されてリテーナ4Fの外周端面に当接している。 【0146】次に、リテーナ4Fのボール保持部43F
がボール導入範囲235に到達すると、導入ボール5F
は、リテーナ4Fの引掛部44Fで引っ掛けられてリテ
ーナ4Fとともに回転する。この状態では、導入ボール
5Fは、ボール保持部43Fに保持されていないが、ボ
ール保持部43F近傍に位置している。 【0147】その後、導入ボール5Fは、板ばね251
で付勢されてリテーナ4Fのボール保持部43Fに押し
込まれる。このとき、導入ボール5Fは、導入ボール配
置溝24Fの平坦部241からスロープ242を通っ
て、リテーナ4Fのボール保持部43Fの軌道の高さに
到達する。その後、板ばね251は、リテーナ4Fの外
周端面に直接当接した状態となる。 【0148】なお、板ばね251は、導入ボール5Fを
付勢してリテーナ4Fのボール保持部43Fに押し込む
のに十分なばね力を有するが、リテーナ4Fの回転を極
力妨げないように寸法、材質、角度、および基部本体2
1Fにおける位置が設定されている。 【0149】検出手段28Fは、板ばね251と、リテ
ーナ4Fの形状変化部としての引掛部44F,44F’
と、板ばね251先端がリテーナ4Fの引掛部44F,
44F’に接触して振れる動作を検出する検出部281
とを含んで構成されている。検出部281は、基部本体
21Fから上方に向かって突出して設けられ、板ばね2
51先端が接触して導通状態となることにより、リテー
ナ4Fの回転数を検出するものである。すなわち、検出
部281は、板ばね251の先端がリテーナ4Fの引掛
部44F,44F’を除く部分に当接している場合に
は、板ばね251と接触状態になり、板ばね251の先
端が引掛部44F,44F’によってリテーナ4Fの外
側に向かって押された場合には、板ばね251と非接触
状態となるような位置に配置されている。したがって、
板ばね251の先端は、リテーナ4Fが半周回転する度
に、引掛部44F,44F’で押されて先端が振れて非
接触状態となるから、付勢手段25によれば、リテーナ
4Fの回転を半周毎に検出することができる。 【0150】誘導突起26は、図18にも示すように、
基部本体21Fの導入ボール5Fの初期位置、つまり導
入ボール配置溝24Fよリテーナ4Fの回転方向側に、
基部本体21Fから上方に向かって突出して設けられて
いる。この誘導突起26は、軸部7側に平面視でリテー
ナ4Fのボール保持部43F,43F’の軌道に対して
傾斜した誘導面261を備え、導入ボール5Fはリテー
ナ4Fの回転とともに誘導面261に当接しながら基部
本体21F上を移動するようになっている。この誘導面
261は、引掛部44Fによって引っ掛けられて運搬さ
れる導入ボール5Fを、引掛部44Fの通る軌道側から
ボール保持部43Fの通る軌道側に誘導して、リテーナ
4Fのボール保持部43Fに導入するものである。 【0151】以上の付勢手段25、導入ボール配置溝2
4Fのスロープ242、案内手段としてのチューブガイ
ド溝211F、運搬手段としてのリテーナ4Fの引掛部
44F、及び誘導突起26により導入手段29が構成さ
れている。 【0152】次に、本実施形態の動作について、図12
および図19を参照しながら、ステップ0から4の順に
説明する。 [ステップ0(初期状態)]ステップ0では、図12に示
すように、リテーナ4Fは、ボール保持部43F’でボ
ール5F’を保持しながら、このボール5F’をボール
案内範囲234に配置した状態で停止している。一方、
リテーナ4Fのボール保持部43Fは押圧範囲232に
あるが、導入ボール5Fが導入されていない状態となっ
ている。したがって、ボール5F,5F’が共にチュー
ブ100を圧閉していない。なお、導入ボール5Fは、
導入ボール配置溝24Fに配置され、板ばね251によ
って付勢されてリテーナ4Fの外周端面に当接してい
る。 【0153】[ステップ1]次に、駆動機構6Dの振動
体61に所定周波数の交流電圧を印加すると、振動体6
1の押圧力によって、ロータ3Fが図12中矢印Sの方
向に連続的に回転する。すると、ロータ3Fによって押
圧され、ボール保持部43F’に保持されているボール
5F’は、転動してボール案内範囲234から非押圧範
囲231を通って押圧範囲232に移動して、チューブ
100を圧閉して液体をチューブ100先端から吐出さ
せながら進んでゆく。このとき、リテーナ4Fのボール
保持部43Fは、依然として導入ボール5Fが導入され
ていない状態である。 【0154】[ステップ2]続いて、リテーナ4Fのボ
ール保持部43Fがボール導入範囲235に到達する
と、導入ボール5Fは、リテーナ4Fの引掛部44Fに
よって引っ掛けられてリテーナ4Fの回転方向に進む。
同時に、導入ボール5Fは、板ばね251によって付勢
されてボール保持部43Fに押し込まれながら、リテー
ナ4Fの回転方向に移動する。すると、導入ボール5F
は、誘導突起26の誘導面261に当接して、引掛部4
4Fの通る軌道側からボール保持部43Fの通る軌道側
に誘導されることにより、ボール保持部43Fに向かっ
て移動する。これにより、導入ボール5Fは、リテーナ
4Fのボール保持部43Fに導入される。 【0155】ボール導入範囲235でリテーナ4Fのボ
ール保持部43Fに導入されたボールは、ボール保持部
43Fに保持されてはいるが、非押圧範囲233にある
ため、チューブ100を圧閉することはなく、ボール5
F’のみが、押圧範囲232を移動しながらチューブ1
00を圧閉して、チューブ100先端から液体を吐出さ
せている。 【0156】[ステップ3]その後、図19に示すよう
に、導入ボール5Fが非押圧範囲233からボール案内
範囲234および非押圧範囲231を通って、押圧範囲
232の始点に到達しても、ボール5F’は、まだ押圧
範囲232の終点に到達していない。そのため、各ボー
ル5F,5F’は、チューブ100内の液体を圧閉して
区画することとなり、チューブ100内の液体は圧閉位
置の移動に伴いチューブ100内を移動する。なお、各
ボール5F,5F’で圧閉された部分よりチューブ10
0先端側にある液体は、まだボール5F’によってチュ
ーブ100先端から押し出されている。 【0157】[ステップ4]次に、ボール5F’が押圧
範囲232から非押圧範囲233に到達してチューブ1
00の圧閉を解除すると、2つのボール5F,5F’間
に閉じこめられていた液体が、今度はボール5Fによっ
てチューブ100先端から吐出される。 【0158】以上の動作を繰り返すことにより、ボール
5F,5F’は、チューブ100上を圧閉しながら転動
して、チューブ100先端から交互に液体を吐出させ
る。このとき、各ボール5F,5F’は、リテーナ4F
により180度間隔で保持されているので、2つのボー
ル5F,5F’は、押圧範囲232内においてチューブ
100を一度は区画することになる。よって、圧閉され
たチューブ100内の空間の容積を計算することによ
り、収容された液体を計量できる。 【0159】なお、吐出量は、チューブ100の内径、
ボール5F,5F’やチューブガイド溝211Fの円形溝
210Fの半径、ロータ3Fの回転速度により設定され
る。特に、ロータ3Fの回転速度は、駆動機構6Dの圧
電素子611への電圧を制御することにより容易に調整
可能である。 【0160】また、液体吐出装置1Fは、製造工程およ
び検査工程を経て出荷されて、ユーザが使用することに
なる。そのため、検査工程完了後は、初期状態に戻す必
要がある。さらに、ユーザが使用した後、長期間使用を
中断する際等にも、初期状態に戻すことが好ましい。こ
の場合、以下方法で初期状態に戻す。まず、リテーナ4
Fを正回転または逆回転させて、ボール保持部43Fを
ボール導入範囲235に位置させる。次に、例えば、基
部2F側面に設けた孔からピンを差し込んで板ばね25
1を撓ませて、導入ボール5Fをボール保持部43Fか
ら導入ボール配置溝24Fに移動させる。この状態で、
リテーナ4Fを僅かに逆転させる。続いて、差し込んだ
ピンを抜くと、板ばね251は導入ボール5Fをリテー
ナ4Fの外周端面に付勢した状態となり、導入ボール5
Fは初期位置に再び配置される。さらに、リテーナ4F
を逆転させて、ボール5F’をボール案内範囲234に
再び配置する。従って、ピンが導入ボール5Fをボール
保持部43Fから初期位置に戻す導出手段となる。 【0161】なお、液体吐出装置1Fを初期状態に戻す
際、板ばね251を撓ませるためにピンを用いたが、基
部本体21Fの板ばね251先端近傍に回転可能なカム
を設け、このカムを回転させることによって板ばね25
1を撓ませてもよい。 【0162】本発明の第6実施形態によれば、第1実施
形態の(1-1)〜(1-8)、(1-10)〜(1-21)の効果を奏するこ
とができる他、以下の効果を奏することができる。 (6-1) 2つのボールのうち1つのボールを導入ボール5
Fとしてリテーナ4Fのボール保持部43Fが通る軌道
上から外れた導入ボール配置溝24Fに初期配置し、こ
の初期位置からボール保持部43Fに導入した。これに
より、初期状態では、導入ボール5Fはチューブ100
を圧閉しないため、チューブ100に変形癖がつくのを
防止して、吐出量に生じる誤差を低減できる。 【0163】(6-2) 円形溝210Fにボール案内範囲2
34を設け、このボール案内範囲234にボール5F’
を初期配置したので、ボール5F’もチューブ100を
圧閉しないため、チューブ100に変形癖がつくのを防
止して、吐出量に生じる誤差を低減できる。 【0164】(6-3) リテーナ4Fの外周端面からチュー
ブ100上の位置まで切り欠くことによりボール保持部
43Fを形成し、初期位置にある導入ボール5Fをリテ
ーナ4Fの外周端面に付勢する付勢手段25を設けた。
これにより、ボール保持部43Fがボール導入範囲23
5に到達するまでは、導入ボール5Fは付勢手段25に
よってリテーナ4Fの外周端面に付勢されているが、ボ
ール保持部43Fがボール導入範囲235に到達する
と、付勢手段25によって、導入ボール5Aをボール保
持部43Aに押し込むことができ、このボール保持部4
3Fで保持しながらチューブ100上を移動させること
ができる。したがって、容易に導入ボール5Fをボール
保持部43Fに導入できる。 【0165】(6-4) 導入ボール配置溝24Fにスロープ
242を設けたので、付勢手段25で導入ボール5Aを
ボール保持部43Fに押し込む際、導入ボール5Fが平
坦部241からボール保持部43Fの軌道の高さに円滑
に移動できる。 【0166】(6-5) チューブガイド溝211Fの深さを
調整してボール導入範囲235を設けたので、導入ボー
ル5Fをリテーナ4Fのボール保持部43Fに導入する
際に、導入ボール5Fがロータ3Fの弾性部材314に
接触しないから、ロータ3Fによって力を加えられるこ
とがないうえに、導入ボール5Fが導入ボール配置溝2
4Fからチューブ100上部までの段差を小さくでき、
導入ボール5Aを円滑に導入することができる。その結
果、付勢手段25の導入ボール5Fに加える付勢力を低
く設定できるから、付勢手段25が導入ボール5Fをボ
ール保持部43Fに押し込んだ後にリテーナ4Fの外周
面に当接しても、リテーナ4Fの回転に与える負荷を軽
減できる。 【0167】(6-6) リテーナ4Fに引掛部44Fを設け
たので、導入ボール配置溝24Fにある導入ボール5F
は、引掛部44FによってリテーナFとともに移動す
る。この状態では、導入ボール5Fは、ボール保持部4
3Fに保持されていないが、このボール保持部43F近
傍に位置しており、その後、付勢手段25によって付勢
されてボール保持部43Fに移動する。したがって、導
入ボール5Fを確実にボール保持部に導入できる。 【0168】(6-7) 誘導突起26を設けたので、導入ボ
ール配置溝24Fにある導入ボール5Fは、付勢手段2
5によってリテーナ4Fの回転方向に交差する方向から
ボール保持部43Fに押し込まれる一方、リテーナ4F
とともに回転する。そのため、導入ボール5Fは、誘導
突起26の誘導面261に当接してボール保持部43F
の通る軌道側に誘導されることにより、ボール保持部4
3Fに向かって移動することになる。したがって、導入
ボール5Fを確実にボール保持部43Fに導入すること
ができる。 【0169】(6-8) 検出手段28Fを板ばね251と、
引掛部44F,44F’と、検出部281とを含んで構
成したので、検出部281でリテーナ4Fに所定間隔で
設けられた引掛部44F,44F’を検出することによ
りリテーナ4Fの回転数を容易に算出することができ
る。 【0170】(6-9) 検出部281を板ばね251先端が
振れる範囲内で板ばね251と導通可能に形成したの
で、この検出部281の導通状態を検出するだけで容易
にリテーナ4Fの回転数を算出できる。 【0171】(6-10) 板ばね251で付勢手段25と検
出手段28Fと兼用したので、液体吐出装置1Fの部品
点数、コスト、組み立て工数を低減できる。 【0172】(6-11) 引掛部44Fで運搬手段と検出手
段28Fとを兼用したので、液体吐出装置1Fの部品点
数、コスト、組み立て工数を低減できる。 【0173】(6-12) 検出手段28Fを構成する引掛部
44F,44F’をボール保持部43F,43F’近傍
に設けたので、検出手段28Fでボール保持部43F,
43F’の位置を容易に検出できる。 【0174】(6-13) 付勢手段25をリテーナ4Fの外
周側に設けたので、付勢手段25を配置するスペースを
大きく確保できるから、液体吐出装置1Fを容易に製造
できる。 【0175】(6-14) 液体吐出装置1Fを検査完了後
や、使用後に初期状態に戻すことができるので、出荷後
ユーザが使用を開始するまでの間や、再度使用するまで
の間にチューブ100に変形癖がつくのを防止できる。 【0176】(6-15) チューブガイド溝211Fの押圧
範囲232の当接面211の断面形状を円弧状を直線的
に近似した形状としたが、チューブ100は弾性を有し
ているため、チューブ100は円弧状に湾曲し、第1実
施形態のように、当接面211の断面形状を円弧形状に
形成した場合と同じく、チューブ100の孔を確実に潰
すことができる。さらに、当接面211の断面形状を円
弧状を直線的に近似した形状とすれば、この断面を円弧
状に形成する場合に比べ、加工が容易となる。 【0177】[第7実施形態]次に本発明の第7実施形
態について、図20および図21を参照して説明する。
図20に示す液体吐出装置1Gは、チューブ100が設
置されるチューブガイド溝211G、リテーナ4G、駆
動機構6G、付勢手段25Gおよび検出手段28Gの構
造が第6実施形態と異なる。 【0178】基部2Gの基部本体21Gには、リテーナ
4Gが収容されるリテーナ凹部27と、リテーナ凹部2
7に連通し導入ボール5Fが初期配置される導入ボール
配置溝24Gが形成されている。リテーナ凹部27は、
円形状のリテーナ凹部底面271と、このリテーナ凹部
底面271を囲むリテーナ凹部壁面272とを備えてい
る。 【0179】円形溝210Fは、リテーナ凹部底面27
1に形成され、溝213,213’は、円形溝210F
のうち中心を挟んで180度反対側の部分から外部に向
かって延びている。溝213と、円形溝210Fのうち
溝213から溝213’までの半周部分と、溝213’
とで、略U字形状のチューブガイド溝211Gを構成し
ている。 【0180】次に、図21を参照しながら、ロータ3F
の下面からのチューブガイド溝211Gの深さを説明す
る。図21は、円形溝210Fに沿って外側から見た展
開断面図である。チューブガイド溝211Gは、第6実
施形態における押圧範囲232と同様の構成であるが、
円形溝210Fのうち、チューブガイド溝211Gを構
成しない部分、つまり溝213と溝213’とで挟まれ
た半周部分は、ボール案内範囲234Gとされている。
ボール案内範囲234Gでは、ロータ3Fの回転方向に
従って、深さD1から深さD5まで連続的に深くなった
後、再び深さD1まで連続的に浅くなっている。なお、
深さD5は、第1実施形態で述べた深さD4の部分にチ
ューブ100が配置された場合におけるチューブ100
上部までの深さに等しい。 【0181】図20に戻って、リテーナ4Gは、円盤状
であって、基部本体21Gのリテーナ凹部27内に設け
られ、その外周端面はリテーナ凹部27のリテーナ凹部
壁面272で囲まれている。リテーナ4Gは、2つのボ
ール保持部45G,45G’と、2つの切欠き部46
G,46G’とを備え、ボール保持部45G,45G’
は、軸孔41Aを挟んで互いに180度反対側の位置に
設けられ、切欠き部46G,46G’は、各ボール保持
部45G,45G’同士の間に設けられている。 【0182】ボール保持部45G,45G’は、第6実
施形態におけるボール保持部43Fと同様の構造となっ
ているが、ボール保持部43Fと異なり、角度を付けて
形成されていない。そのため、リテーナ4Gが回転する
と、ボール保持部45G,45G’に保持されたボール
5G,5G’は遠心力で飛び出そうとするが、リテーナ
凹部27のリテーナ凹部壁面272によって飛び出さな
いようになっている。 【0183】駆動機構6Gは、振動体61の振動をロー
タ3Fに伝達する伝達機構15を備えている。伝達機構
15は、振動体61によって与えられた回転速度を減速
してロータ3Fに伝達するものであって、基部2Gに回
転自在に支持され、外径の大きい大径部151と、外径
の小さい小径部152とを備え、これら大径部151お
よび小径部152は一体に形成されている。大径部15
1は、円盤状であって、その外周端面は第1実施形態に
おけるロータ3Fのリング32と同様の断面構造を有し
ており、外周端面に振動体61の凸部62が当接されて
いる。小径部152は、摩擦車であって、外周端面でロ
ータ3Fのリング32に当接している。 【0184】以上の駆動機構6Gは、印加装置(図示省
略)で振動体61の圧電素子611に所定周波数の交流
電圧を印加すると、振動体61が振動し、凸部62で伝
達機構15の大径部151に押圧力を加えて大径部15
1を回転させる。同時に、小径部152も回転するか
ら、小径部152に当接したロータ3Fは図20中の矢
印S方向に回転する。 【0185】導入ボール配置溝24Gは、平面視で、ボ
ール案内範囲234Gの深さD5の部分(以降、ボール
導入範囲235Gと呼ぶ)に近接している。導入ボール
配置溝24Gは、開口243でリテーナ凹部27に連通
し、矩形状の平坦部241と、この平坦部241を囲む
凹部壁面245とを含んで構成され、導入ボール5Gを
リテーナ4Gの外周端面に付勢する付勢手段25Gが設
けられている。 【0186】付勢手段25Gは、開口243と反対側の
凹部壁面245に設けられたスプリング253と、この
スプリング先端に設けられた押圧片254と、開口24
3に突出して設けられたストッパ255とを備えてい
る。 【0187】ここで、付勢手段25Gは、以下のように
動作する。まず、リテーナ4Gのボール保持部45Gが
ボール導入範囲235Gに到達するまでは、導入ボール
配置溝24Gに配置された導入ボール5Gは、押圧片2
54で付勢されてリテーナ4Gの外周端面に当接してい
る。 【0188】次に、リテーナ4Gのボール保持部45G
がボール導入範囲235Gに到達すると、押圧片254
で導入ボール5Gを付勢してリテーナ4Gのボール保持
部45Gに押し込む。押圧片254は、導入ボール5G
を押し込んだ後、ストッパ255に係合して停止し、リ
テーナ4Gの外周端面を付勢しない状態となる。 【0189】検出手段28Gは、板ばね251Gと、リ
テーナ4Gの形状変化部としての2つの切欠き部46
G,46G’と、板ばね251先端がリテーナ4Gの切
欠き部46G,46G’に接触して振れる動作を検出す
る検出部281とを含んで構成されている。板ばね25
1Gは、切欠き部46G,46G’に嵌合する略U字形
状の突起を先端に備えている。 【0190】次に、本実施形態の動作について、ステッ
プ0から4の順に説明する。 [ステップ0(初期状態)]ステップ0では、図20に示
すように、リテーナ4Gは、ボール保持部45G’でボ
ール5G’を保持しながら、このボール5G’をボール
案内範囲234のうちボール導入範囲235Gよりもリ
テーナ4Gの回転方向側に配置した状態で停止してい
る。一方、リテーナ4Gのボール保持部45Gは押圧範
囲232にあるが、導入ボール5Gは導入されていない
状態となっている。したがって、ボール5G,5G’が
共にチューブ100を圧閉していない。なお、導入ボー
ル5G、導入ボール配置溝24Gに配置され、付勢手段
25Gによって付勢されてリテーナ4Gの外周端面に当
接している。 【0191】[ステップ1]次に、駆動機構6Gの振動
体61に所定周波数の交流電圧を印加すると、振動体6
1の押圧力によって、ロータ3Fが図20中矢印Sの方
向に連続的に回転する。すると、ロータ3Fによって押
圧されているボール5G’は、転動してボール案内範囲
234Gから押圧範囲232に移動して、チューブ10
0を圧閉して液体をチューブ100先端から吐出させな
がら進んでゆく。このとき、リテーナ4Gのボール保持
部45Gは、依然として導入ボール5Gが導入されてい
ない状態である。 【0192】[ステップ2]続いて、リテーナ4Gのボ
ール保持部45Gがボール導入範囲235Gに到達する
と、導入ボール5Gは、付勢手段25Gによって付勢さ
れてボール保持部45Gに押し込まれる。ボール導入範
囲235Gでリテーナ4Gのボール保持部45Gに導入
されたボールは、ボール保持部45Gに保持されてはい
るが、ボール案内範囲234Gにあるため、チューブ1
00を圧閉することはなく、ボール5G’のみが、押圧
範囲232を移動しながらチューブ100を圧閉して、
チューブ100先端から液体を吐出させている。その後
のステップ3およびステップ4は、第6実施形態と同様
である。 【0193】このような第7実施形態によれば、第1実
施形態の(1-1)〜(1-8)、(1-10)〜(1-16)、(1-19)、(1-2
1)の効果、第6実施形態の(6-1)〜(6-3)、(6-5)、(6-
8)、(6-13)〜(6-15)の効果の他、以下の効果を奏するこ
とができる。 (7-1) 付勢手段25Gにストッパ255を設けたので、
押圧片254は、導入ボール5Aを押し込んだ後、スト
ッパ255に係合して停止し、リテーナ4Gの外周端面
を付勢して負荷をかけることがないから、リテーナ4G
を円滑に回転させることができる。 【0194】(7-2) 凸部62で押圧力を加えるために最
適な振動体61の振動数は270kHz〜300kHz
であるが、駆動機構6Gに伝達機構15を設けたので、
伝達機構15の大径部151周長と小径部152周長の
比率を適宜調整することにより、振動体61に印可する
電圧を変化させることなくロータ3Fの回転速度を自在
に調整して、液体の吐出量を調整できる。 【0195】[第8実施形態]図22に示す液体吐出装
置1Hは、チューブ100が設置されるチューブガイド
溝211H、リテーナ4H、付勢手段25Hの構造が第
6実施形態と異なる。 【0196】溝213,213’は、円形溝210Fの
一点から外部に向かって互いに反対方向に延びている。
溝213と、円形溝210F全周と、溝213’とで、
チューブガイド溝211Hを構成している。ロータ3F
の下面からのチューブガイド溝211Hの深さは、第6
実施形態における押圧範囲232と同じである。 【0197】リテーナ4Hは、その内周側端部にボール
5を保持するための1つのボール保持部47を有し、ロ
ータ3Fとともに回転可能とされている。なお、リテー
ナ4Hをロータ3Fと一体化し、ロータ3Fの下面にボ
ール保持部47を形成してもよい。 【0198】ボール保持部47は、リテーナ4Hの回転
に伴ってチューブガイド溝211Hの円形溝210F上
を常に通る位置に設けられている。ボール保持部47
は、第1実施形態におけるボール保持部43Fと同様の
構造となっているが、ボール保持部43Fと異なり、角
度を付けて形成されていない。ロータ3Fおよびリテー
ナ4Hが回転すると、ボール保持部47に保持されたボ
ール5は遠心力で飛び出そうとするが、ボール保持部4
7の切欠きによって飛び出さないようになっている。 【0199】ボール5としては、ボール保持部47に保
持される導入ボール5のみであり、この導入ボール5
は、基部本体21H上の後述する導入ボール配置溝24
Hに初期配置されている。 【0200】基部本体21Hには、導入ボール5が初期
配置される導入ボール配置溝24Hと、この導入ボール
配置溝24Hに配置された導入ボール5をリテーナ4H
の内周側端面に付勢する付勢手段25Hとが設けられて
いる。付勢手段25Hは、リテーナ4Hの内周側に位置
し、板ばね251を有している。 【0201】このような第8実施形態によれば、第1実
施形態の(1-1)〜(1-8)、(1-10)〜(1-21)の効果、第6実
施形態の(6-1)、(6-3)、(6-4)、(6-14)〜(6-15)の効果
の他、以下の効果を奏することができる。 (8-1) リテーナ4Hの内周側端部にボール保持部47を
設け、付勢手段25Hをリテーナ4Hの内周側に設けた
ので、リテーナ4Hの外側に配置する部品を極力低減で
きるから、液体吐出装置1Hを小型化できる。 【0202】[第9実施形態]図23に示す液体吐出装
置1Iは、第6実施形態の液体吐出装置1Fとリテーナ
4Iと、基部本体21Iの構造が異なっている。リテー
ナ4Iの導入ボール5Fを保持するボール保持部43I
には、外周方向付勢手段430Iが取り付けられてい
る。この外周方向付勢手段430Iは、ボール保持部4
3Iに保持された導入ボール5Fをリテーナ4Iの外周
方向(導入ボール5Fのボール保持部43Iへの導入方
向と反対方向)に付勢するものである。この外周方向付
勢手段430Iの付勢力は、板ばね251のばね力より
も小さいものとなっている。また、本実施形態では、板
ばね251の先端部は、基部本体21Iの外周側に突出
している。 【0203】基部本体21Iの導入ボール配置溝24F
のロータ3Fの正回転方向側の面と反対側の側面には、
第一の初期位置誘導面219Iが形成されている。この
第一の初期位置誘導面219Iは、導入ボール5Fの初
期位置を挟んで誘導面261に対向する位置となってい
る。第一の初期位置誘導面219Iは、リテーナ4Iの
逆回転方向に傾斜した面となっている。 【0204】第6実施形態と同様に、リテーナ4Iのボ
ール保持部43Iがボール導入範囲235に到達する
と、導入ボール5Fは、リテーナ4Iの引掛部44Fに
引っ掛けられて、リテーナ4Iのボール保持部43Iに
導入される。ボール保持部43Iの外周方向付勢手段4
30Iの付勢力は、板ばね251のばね力よりも小さい
ので、導入ボール5Fはボール保持部43Iに保持され
る。ボール保持部43Iに保持された導入ボール5F
は、外周方向付勢手段430Iに付勢されて、チューブ
ガイド溝211Fの側面に当接しながら転動するため、
チューブ100上から外れてしまうことはない。 【0205】液体吐出装置1Iを使用した後は、リテー
ナ4Iを逆回転させる。ボール保持部43Iに保持され
た導入ボール5Fが、導入ボール配置溝24F付近まで
戻ってきた際に、ユーザが指で、板ばね251をリテー
ナ4Iから遠ざかる方向に撓ませる。すると、導入ボー
ル5Fは、外周方向付勢手段430Iにより付勢され、
ボール保持部43Iから外れる。ボール5Fは、第一の
初期位置誘導面291Iに誘導されて、導入ボール配置
溝24F内へ戻る。すなわち、第一の初期位置誘導面2
91Iと、外周方向付勢手段430Iとで導入ボール5
Fをボール保持部43Iから初期位置に戻す導出手段を
構成することとなる。板ばね251の撓みを解除する
と、ボール5Fは、板ばね251によりリテーナ4Iの
外周面に押し付けられる。このような第9実施形態によ
れば、第6実施形態と同様の効果を奏することができる
他、以下の効果を奏することができる。 【0206】(9-1) リテーナ4Iのボール保持部43I
には、外周方向付勢手段430Iが設けられているた
め、液体吐出装置1I使用後、リテーナ4Iを逆回転さ
せ、所定の位置まで戻した後、板ばね251の付勢を解
除すれば、外周方向付勢手段430Iの付勢力により、
導入ボール5Fを確実にかつスムーズに初期位置に戻す
ことができる。従って、液体吐出装置1I使用後、チュ
ーブ100の圧閉を解除できるので、チューブ100に
変形癖がつくのを防止して、吐出量に生じる誤差を低減
できる。さらに、板ばね251は、ボール5Fをリテー
ナ4Iのボール保持部43Iに導入するための付勢手段
25と、リテーナ4Iの回転を検出する検出手段28F
と、外周方向付勢手段430Iがボール5Fを初期位置
に戻すことを許容あるいは禁止する手段を兼用している
ので、液体吐出装置1Fの部品点数、コスト、組み立て
工数を低減できる。 【0207】(9-2) また、導入ボール配置溝24Fに
は、第一の初期位置誘導面291Iが形成されているの
で、外周方向付勢手段430Iによりボール保持部43
Iから押し出されたボール5Fを初期位置までスムーズ
に戻すことができる。 【0208】[第10実施形態]図24から図28を用
いて本発明の第10実施形態を説明する。液体吐出装置
1Jは、リテーナ4Jの構造が第6実施形態の液体吐出
装置1Fと異なっている。図24及び図25に示すよう
に、リテーナ4Jは、第6実施形態のボール保持部43
Fと略同様に切り欠かれたボール保持部43Jと、この
ボール保持部43Jと軸孔41Aを挟んで180°反対
側に形成されたボール保持部43J’とを有している。
ボール保持部43Jには、保持されるボール5Fの正回
転方向側の面からリテーナ4Jの外周面まで連続して形
成され、かつその外周面に対しボール5F側が軸部7方
向に向かって傾斜した第二の初期位置誘導面431J
(図26参照)が形成されており、この点で、第6実施
形態のボール保持部43Fと異なっている。ボール保持
部43J’は、ボール保持部43Jと異なり、切り欠か
れた構造とはなっておらず、円形の穴形状とされてい
る。初期状態において、ボール保持部43J’は、溝2
31,231’の間に位置し、ボール保持部43J’に
保持されたボール5F’はチューブ100上に設置され
ていない。 【0209】また、リテーナ4Jの引掛部44Fと軸孔
41Aを挟んで180°反対側には、突起44Jが形成
されている。この突起44Jの突出寸法は、引掛部44
Fの突出寸法と略同じである。また、リテーナ4Jの引
掛部44Fと、突起44Jとの間には大突起44J’が
形成されている。この大突起44J’の突出寸法は、引
掛部44Fの突出寸法よりも大きくなっている。 【0210】基部本体21Jには、板ばね251が設け
られているが、この板ばね251は、導入ボール5Fを
付勢するものではなく、リテーナ4Jの回転検出のみに
使用される。また、基部本体21Jには、板ばね251
の先端部を挟むように検出部281J,281J’が形
成されている。基部本体21Jの外周側に位置する検出
部281Jは、初期状態を検出するためのものである。
初期状態では、リテーナ4Jの大突起44J’が板ばね
251に当接し、板ばね251と検出部281Jとが接
触状態となる。これにより、初期状態が検出される。リ
テーナ4Jが正回転すると、大突起44J’と板ばね2
51とが接触しなくなり、検出部281J’に、板ばね
251が接触して導通状態となる。さらに、リテーナ4
Jが正回転すると、図25に示すように、リテーナ4J
の突起44Jまたは引掛部44Fが板ばね251に接触
し、板ばね251が検出部281Jから外れる。これに
より、板ばね251と検出部281Jとが非接触状態と
なることでリテーナ4Jの回転数を検出するようになっ
ている。 【0211】基部本体21Jの溝231,231’の間
の部分には、導入ボール配置溝24Jが形成されてい
る。図26に示すように、この導入ボール配置溝24J
のロータ3F正回転方向側の面は、ボール保持部43J
の軌道側に傾斜したボール案内面243Jとなってい
る。また、導入ボール配置溝24Jには、第一の初期位
置誘導面219Iが形成されている。なお、本実施形態
では、スロープ242は形成されていない。 【0212】また、基部本体21Jには円形溝210J
が形成されている。この円形溝210Jは、第一実施形
態の円形溝210Aと略同様の構造であるが、第一実施
形態とボール案内溝214Jの構造が異なっている。ボ
ール案内溝214Jのうち、導入ボール配置溝24J
と、溝231との間の部分は、ボール導入溝237とな
っている。図27及び図28も参照して、ボール導入溝
237について説明する。ここで、図27は、図26の
XXVII−XXVII方向の断面図である。また、図28は、図
26のXXVIII−XXVIII方向の断面図である。図27に示
すように、ボール導入溝237は、円形溝210Jの径
方向の断面における底面中心部がロータ3F側に突出し
ており、中心部から軸部7側に傾斜する傾斜面Zと、中
心部から基部本体21Jの外周側に向かって傾斜する傾
斜面Yとを有している。また、図28に示すように、ボ
ール導入溝237は、平坦部分と、チューブ100に向
かって昇り傾斜を有する傾斜部分とを有し、これらは交
互に形成されている。 【0213】このような液体吐出装置1Jの導入ボール
5Fは、次の様にしてチューブ100上に導入される。
ロータ3Fを正回転(図24の矢印S方向)させて、リ
テーナ4Jのボール保持部43Fを導入ボール配置溝2
4J付近に到達させると、導入ボール5Fは、リテーナ
4Jの引掛部44Fによって引っ掛けられてリテーナ4
Jの回転方向に進む。同時に、ボール保持部43Jの切
欠きは、リテーナ4Jの回転方向に向かって角度を付け
て形成されているため、ボール5Fは、ボール保持部4
3Jの奥側に誘導される。また、導入ボール5Fは、ボ
ール案内面243Jに接することによっても、ボール保
持部43Jの奥側に誘導される。ボール保持部43Jに
誘導されたボール5Fは、図28の平坦部分a−aにさ
しかかる。さらに、リテーナ4Jが正回転すると、図2
8の傾斜部分b―bにさしかかる。導入ボール5Fは、
ボール保持部43Jの奥側にあるため、ボール導入溝2
37の奥側(軸部7側)の傾斜面Zを転動する。さら
に、リテーナ4Jが正回転するとボール5Fは、図28
の平坦部分c−cを転動する。さらに、斜面部分d―d
を登り、チューブ100上に至る。 【0214】使用後においては、ロータ3Fを逆回転す
る。逆回転時には、導入ボール5Fは、ボール保持部4
3Jの第二の初期位置誘導面431Jに押されて、ボー
ル導入溝237の外側の傾斜面Yを転動する。導入ボー
ル配置溝24J付近までくると、導入ボール5Fは、第
一の初期位置誘導面219Iに導かれて導入ボール配置
溝24Jに戻る。従って、第一の初期位置誘導面219
Iと、第二の初期位置誘導面431Jとで、導入ボール
5Fを初期位置に戻すための導出手段を構成することと
なる。なお、リテーナ4Jの逆回転に伴い、ボール5
F’はボール保持部43J’により、溝231,23
1’間の初期位置に戻される。 【0215】本発明の第10実施形態によれば、第1実
施形態の(1-1)〜(1-21)の効果、第6実施形態の(6-1)、
(6-2)、(6-6)、( 6-8)、 (6-9)、(6-11)、(6-12)、(6-1
4)の効果を奏することができる他、以下の効果を奏する
ことができる。 (10-1) 導入ボール配置溝24Jに、(ロータ3Fの正
回転方向後方側から前方側に向かうにしたがって軸部7
に近づくように傾斜された)軸部7側に傾斜したボール
案内面243Jを形成したため、リテーナ4Jの引掛部
44Fによって引っ掛けられた導入ボール5Fは、ボー
ル案内面243Jにより、ボール保持部43Jの奥側に
誘導される。従って、導入ボール5Fをボール保持部4
3Jへ導入するための付勢手段等が不要となり、部材点
数の削減を図ることができる。 【0216】(10-2) また、リテーナ4Jが正回転した
際、導入ボール5Fは、ボール保持部43Jの切欠や、
ボール案内面243Jにより、ボール保持部43Jの奥
側に誘導されるため、導入ボール5Fがボール導入溝2
37の奥側(軸部7側)の傾斜面Zを転動する。従っ
て、リテーナ4Jの正回転時には、導入ボール5Fは傾
斜面Zの作用でボール導入溝237の中心側に付勢さ
れ、ボール導入溝237から外れてしまうことがない。
一方、リテーナ4Jが逆回転している時は、リテーナ4
Jの第二の初期位置誘導面431Jにより、導入ボール
5Fは、外側の傾斜面Yを転動する。そのため、円形溝
210Jの外周側に形成されている導入ボール配置溝2
4Jにスムーズに導入ボール5Fを戻すことができる。 【0217】(10-3) さらに、導入ボール配置溝24J
には、第一の初期位置誘導面219Iが形成されている
ので、導入ボール5Fは、これらの誘導面に導かれスム
ーズに導入ボール配置溝24Jに戻る。従って、ユーザ
が使用した後も、ロータ3Fを逆回転するだけで、チュ
ーブ100の圧閉を解除することができ、チューブ10
0に変形癖がつくのを防止して、吐出量に生じる誤差を
低減できる。 【0218】(10-4) リテーナに初期位置を検出するた
めの大突起44J’が形成されていない場合には、ロー
タ3Fを逆回転して初期位置に戻す際に、導入ボール5
Fが初期位置に戻った後も、過剰に逆回転させてしまう
虞がある。しかし、本実施形態では、リテーナ4Jに、
初期位置を検出するための大突起44J’を形成し、初
期位置を検出できるようにしたため、ロータ3Fを過剰
に逆回転させてしまうことがない。 【0219】[第11実施形態]図29を用いて本発明
の第11実施形態を説明する。本実施形態の液体吐出装
置1Kは、溝213K,213’Kに配置されたチュー
ブ100の先端側及び基端側にストッパ9Kが取り付け
られている。他は、第6実施形態の液体吐出装置1Fと
同様である。このストッパ9Kは、チューブ100と同
様の材料、例えば、テトラフルオロエチレン等のフッ素
系樹脂で構成されている。ストッパ9Kは、図30
(A)に示すように切込みが形成されているものであっ
てもよく、図30(B)に示すように、切込みが形成さ
れていないリング状のものであってもよい。いずれのス
トッパ9Kもチューブ100に圧入や接着等によってチ
ューブ100に対して移動不能に取り付けられている。
図29に示すように、溝213K,213’Kには、こ
のストッパ9Kを嵌め込む彫り込み部10が形成されて
いる。そして、チューブ100における各ストッパ9K
間の距離を適切に設定することで、各ストッパ9Kを彫
り込み部10に嵌め込むと、チューブ100に対して所
定の張力が加わり、チューブ100は撓むことなく張設
されるように設定されている。 【0220】ボール5F,5F’がチューブ100上を
転動すると、チューブ100が引っ張られるが、ストッ
パ9Kが彫り込み部10に嵌め込まれているため、チュ
ーブ100にボール5F,5F’により引っ張られる方
向と反対方向の張力がかかる構造となっている。すなわ
ち、ストッパ9Kと、彫り込み部10とでチューブ10
0に張力をかける引張機構を構成している。 【0221】本発明の第11実施形態によれば、第6実
施形態と同様の効果を奏することができる他、以下の効
果を奏することができる。 (11-1) 通常、液体吐出装置の使用開始直後は、ボール
5F,5F’がチューブ100上を転動することによ
り、チューブ100が引っ張られ、初期的にチューブ1
00が伸びたり、弾性が落ちたりして、チューブ100
の内径が変化してしまう。これにより、吐出量がばらつ
くため、吐出量を正確に管理する必要がある場合には、
慣らし運転をする必要がある。これに対し、本実施形態
では、彫り込み部10を形成し、チューブ100の先端
側、基端側に取り付けられたストッパ9Kを嵌め込んだ
ため、チューブ100に対して所定の初期張力を加える
ことができる。このため、チューブ100がボール5
F,5F’の転動で動いたり、チューブ100の内径が
変化することを防止できる。従って、初期の流量変動も
抑えることができ、これにより慣らし運転等が不要とな
り、作業性の向上を図ることができる。 【0222】(11-2) 溝213K,213’Kに彫り込
み部10を形成し、この彫り込み部10には、ストッパ
9Kが嵌め込まれるため、チューブ100はストッパ9
Kにより所定位置に固定されることとなる。従って、チ
ューブ100上をボール5Fが転動しても、チューブ1
00がチューブガイド溝211F内を動いてしまうこと
がない。従って、チューブ100の設置位置がずれてし
まうことによる液体吐出装置1Kの吐出量の誤差を防止
できる。 【0223】(11-3) チューブ100にストッパ9Kを
一体的に形成してもよいが、この場合チューブ100の
製造に手間を要する。これに対し、本実施形態では、ス
トッパ9Kは、チューブ100と別体であるため、チュ
ーブ100の製造を容易なものとすることができる。 【0224】[第12実施形態]図31を用いて本発明
の第12実施形態を説明する。図31には液体吐出装置
1Lの要部を示す。この液体吐出装置1Lは、基部本体
21Lの溝213L’側の部分が基部本体21Lの外周
方向に突出し、突出部分10Lとなっている。この突出
部分10Lには、ネジが刻接され、ナット11がねじ込
まれている。チューブ100の基端側に取り付けられた
ストッパ9Kは、基部本体21Lの外周側の側面に度決
めされている。一方、チューブ100の先端側に取り付
けられたストッパ9Kは、突出部分にネジまれたナット
11に度決めされている。ストッパ9Kは、ナット11
により取り付け位置を調整できる。従って、ナット11
を調整することで、チューブ100にかかる力を調整す
ることが可能となる。 【0225】本発明の第12実施形態によれば、第11
実施形態と同様の効果を奏することができる他、以下の
効果を奏することができる。 (12-1) ナット11を調整することで、チューブ100
にかかる力を調整することが可能であるため、チューブ
100を設置後にチューブ100の内径を変化させて流
量を微調整することができる。従って、液体吐出装置1
Lの部品寸法や、組立精度のバラツキによる吐出量のバ
ラツキを補正することも可能となる。また、チューブ1
00に対するストッパ9K、ナット11の取付位置精度
がそれほど高くなくても、後からチューブ100に加わ
る力を調整できるので、チューブ100、ストッパ9
K、ナット11の取付作業も簡単に行うことができる。 【0226】(12-2) チューブ100にかかる力を調整
できるため、チューブ100をボール5F,5F’が最
も効率よく転動できる状態とすることができる。従っ
て、最小限の力でロータ3Fを回転させることができ、
駆動機構6Dの電源を小さくすることができる。そのた
め、液体吐出装置1Lの小型化を図ることができる。 【0227】[第13実施形態]図32を用いて本発明
の第13実施形態を説明する。図32には液体吐出装置
1Mの要部を示す。この液体吐出装置1Mのチューブ1
00の基端側にはストッパ9Kが取り付けられており、
前記実施形態と同様に、基部本体21Fの外周側の側面
に度決めされている。一方、チューブ100の先端側に
は、形状記憶合金製のスプリング12を介してストッパ
9Kが取り付けられている。このスプリング12は、チ
ューブ100の温度により、伸びたり、縮んだりするも
のである。なお、スプリング12ではなく、図33に示
すような、例えば、種類の異なる二枚の金属を積層した
バイメタル製の板ばね12’を使用してもよい。 【0228】本発明の第13実施形態によれば、第12
実施形態と同様の効果を奏することができる他、以下の
効果を奏することができる。 (13-1) チューブ100の寸法は、液体の温度や、液体
吐出装置1Lが設置された部屋の温度等により変化して
しまうことがある。本実施形態では、スプリング12
が、チューブ100等の温度により、伸びたり、縮んだ
りするため、この伸縮に伴い、ストッパ9Kの位置が移
動し、チューブ100にかかる張力が自動的に調整され
る。このため、スプリング12や板ばね12’の温度変
化に対する伸縮量をチューブ100の伸縮量に応じて設
定しておけば、温度が変化してもチューブ100の径を
一定に保つことができ、安定した流量を確保できる。ま
た、スプリング12は、温度に応じて自動的に伸縮する
ため、液体の温度等に応じてそのつどチューブ100の
径の調整を手動で行う必要がなく、手間を省くことがで
きるとともに、調整し忘れることもなく、確実に調整で
きる。 【0229】[第14実施形態]図34を用いて本発明
の第14実施形態を説明する。図34には液体吐出装置
1Mの要部を示す。溝213Nはチューブ100の径寸
法よりも幅広い寸法の幅広部10Nと、溝213Nのチ
ューブ100の基端側の部分はチューブ100と略同じ
寸法の幅狭部11Nとから形成されている。チューブ1
00の基端側に取り付けられたストッパ9Kは溝213
Nの幅広部10N内に設置され、幅広部10Nと幅狭部
11Nとの境目に度決めされている。溝213’Nは、
溝213’とこの溝213’に連通した彫り込み部10
N’とを有する。彫り込み部10N’には、チューブ1
00の先端側に取り付けられたストッパ9Kと、形状記
憶合金製のスプリング12とが設置されている。スプリ
ング12のチューブ100への取付位置は、ストッパ9
Kの取付位置よりも先端側となっている。 【0230】従って、第14実施形態によれば、以下の
効果を奏することができる。 (14-1) チューブ100の基端側に取り付けられたスト
ッパ9Kは幅広部10Nと幅狭部11Nとの境目に度決
めされており、チューブ100の先端側に取り付けられ
たストッパ9Kは、スプリング12により彫り込み部1
0N’内に固定されている。従って、チューブ100の
基端側及び先端側が基部本体21Fの外周側に向かって
引っ張られるようなことがあっても、チューブ100の
設置位置がずれてしまうことがない。 【0231】(14-2) 液体吐出装置1Nでは、チューブ
100内の液体の温度等の変化により、チューブ100
の径が大きくなってしまう場合がある。この場合、スプ
リング12が伸縮するため、チューブ100に圧縮力が
かかり、チューブ100の径の変化が防止される。 【0232】以上のような液体吐出装置1A〜1Nは、
次のような装置に組み込んで使用することができる。 [液体吐出装置を組み込んだ機器1]例えば、図35に
示すように、液体吐出装置1A〜1Nをプリンタ500
に組み込み、インクを吸い取るものとして使用すること
が可能である。プリンタ500は、ガイドレール505
上を移動し、紙504にインクを吐出するプリンタヘッ
ド501を有している。液体吐出装置1A〜1Nのチュ
ーブ100の一端側(吸込側)には、回動可能に配置さ
れかつバネで付勢されているチューブヘッド502が取
り付けられている。プリンタヘッド501が待機位置
(図示の位置)に戻ると、チューブヘッド502は前記
バネの付勢力に抗して回転し、チューブヘッド502に
取付られた衝撃吸収パッド502Aが、プリンタヘッド
501のノズル先端に密着する。一方、チューブ100
の他端側(吐出側)には、インク吸収パッド503が設
置されている。 【0233】このようなプリンタ500において、液体
吐出装置1A〜1Nは、次のような場合に、待機位置に
あるプリンタヘッド501のインク噴出ノズルからイン
クや空気を吸い出すために用いられる。すなわち、新品
のインクカートリッジを装着した際に、カートリッジの
インクタンクからノズルまでインクを引いてくる際に用
いられる。また、プリンタ500を再使用する前に、粘
度が高くなっている等のノズル部分等に残って劣化した
インクを、液体吐出装置1A〜1Nで吸引し、チューブ
100の先端側からインク吸収パッド503へ吐出する
場合にも利用される。これにより、粘度が増してノズル
から紙までの飛び方や飛び出すインク量が変化して画質
が低下することを防止できる。また、液体吐出装置1A
〜1Nを、ノズルやヘッド501内のインク流路やカー
トリッジからヘッド501までのチューブ等に発生した
気泡をインクと共に吸引し、インク吸収パッド503へ
吐出することに使用してもよい。 【0234】このように、プリンタ500に組み込まれ
るポンプとして、本発明の液体吐出装置1A〜1Nを用
いれば、以下の効果を奏することができる。すなわち、
本発明の液体吐出装置1A〜1Nは、薄型でかつ小型の
ポンプであるため、設置スペースを小さくでき、プリン
ターをより小型化、薄型化することができる。また、劣
化したり気泡が混入したインクをノズルから効率的に排
出することができ、高画質の印刷を安定して行うことが
できる。 【0235】[液体吐出装置を組み込んだ機器2]図3
6には、液体吐出装置1A〜1Nが組み込まれた添加剤
吐出装置600が示されている。この添加剤吐出装置6
00は、例えばガソリン等に添加剤を混合するものであ
る。液体吐出装置1A〜1Nのチューブ100の基端側
(吸引側)は添加剤タンク601に接続されている。一
方、チューブ100の先端側(吐出側)は、燃料インジ
ェクター602に接続される。この燃料インジェクター
602には、燃料ポンプ603を介して燃料タンク60
4から燃料となるガソリンが送り込まれる。添加剤は、
液体吐出装置1A〜1Nにより、ガソリンに混入され
る。この添加剤が添加されたガソリンは、エンジン70
0に送り込まれる。なお、液体吐出装置1A〜1Nの駆
動機構として、DCモータ605により駆動可能なウォ
ームギア606をロータ側面に切った歯形と組み合わせ
たものや、ロータに重ねてDCモータ605で駆動され
る歯車を配置したものを使用することができる。これに
より、バッテリー等の電力を電圧変換のみでモータ60
5の駆動に利用でき、電気機械変換素子を利用する場合
の様に駆動回路を必要としないので、安価なものとする
ことができる。このように、添加剤吐出装置600に液
体吐出装置1A〜1Nを組み込むことで、空燃比、アク
セル開度、排出ガス濃度、温度等に応じてモータ605
の駆動を制御することで、添加剤の混入量を正確にかつ
細かく制御できるため、最適な状態でエンジンを駆動す
ることができる。また、本発明の液体吐出装置1A〜1
Nは薄型化できるので、設置スペースも小さくできてエ
ンジン回りにも容易に組み込むことができる。 【0236】[液体吐出装置を組み込んだ機器3]本発
明は、熱搬送流体で満たされたチューブで吸熱器および
放熱器を結び、その間に本発明の液体吐出装置1A〜1
Nを設けて熱搬送流体を循環させて熱を伝える熱移動シ
ステムに用いることもできる。図37には、この熱移動
システムの一例として、エンジン排熱を利用した保温用
グローブシステム800が示されている。この保温用グ
ローブシステム800は、例えば、自動二輪車等のエン
ジンシリンダ周辺に吸熱機801を装着し、暖まった熱
搬送流体を液体吐出装置1A〜1Nでグローブ802内
の放熱器に送るものである。放熱器に送られた熱搬送流
体は、再び吸熱機801に戻る。液体吐出装置1A〜1
Nのチューブ100の基端側は吸熱機801に連結さ
れ、先端側は、放熱器に接続されている。液体吐出装置
1A〜1Nの駆動機構として、DCモータ803により
駆動可能なウォームギア804等を使用することができ
る。また、駆動機構の電源としては、専用の電池を用い
てもよいが、自動二輪車等のバッテリーを使用すること
もできる。なお、吸熱器は、液冷エンジンのウォーター
ジャケットを利用し、熱搬送流体はエンジン用のラジエ
ター液としてもよい。また、熱搬送流体が流れるフレキ
シブルなチューブをエンジン外周に巻き回して吸熱器と
してもよい。さらに、放熱器としては、グローブの外皮
と内装間にフレキシブルチューブを巻き回したものなど
が利用できる。 【0237】液体吐出装置1A〜1Nを用いたことで、
次のような効果を奏することができる。エンジンの排熱
を利用してグローブ802を暖めることができるので、
エネルギーの再利用を図ることができる。また、グロー
ブ802を暖めるのに必要な新たなエネルギ源としては
液体吐出装置1A〜1Nを回す電力のみでよく、省エネ
ルギー化を図ることができる。さらに、熱電線に電流を
流すタイプの保温用グローブシステムに比べ、必要な電
力が少ないので発電機やバッテリーの容量を小さくする
ことができる。 【0238】[液体吐出装置を組み込んだ機器4]図3
8には、熱移動システムの他の例として、IC冷却シス
テム用の液体吐出装置1A〜1Nが組み込まれたパソコ
ン900が示されている。液体吐出装置1A〜1Nのチ
ューブ100の一端側はラジエータ901に接続されて
いる。チューブ100の他端側はIC周辺に配置される
とともに、その先端はラジエータ901に接続されてい
る。ラジエータ901で冷やされた液体は、チューブ1
00の一端側から他端側に流れる。他端側には、ICが
配置されているため、チューブ100内の液体はICの
熱を吸熱し、ラジエータ901に送り込まれる。チュー
ブ100は、IC付近では熱伝導率を向上させるために
金属製が好ましく、吸熱面積を増やすための吸熱フィン
があるとさらに好ましい。このため、チューブ100
は、IC付近では、アルミや銅、それらの合金などの熱
伝導率が高く管状(フィン付き等)に加工しやすい材料
で構成されていることが好ましい。また、使用場所や冷
却対象によっては、熱伝導効率が低くても、取り回しの
しやすさを考慮して樹脂製等のパイプやチューブを用い
てもよい。さらに、以上のような金属製や樹脂製のチュ
ーブと液体吐出装置1A〜1N内の弾性を持った樹脂製
のチューブとを継ぎ合わせてチューブ100を構成して
もよい。放熱器であるラジエータ901は、パソコン背
面等の放熱ファン近傍に配置し、ファンの風がラジエー
タ901部分を流れることで効率的に放熱できるように
されている。なお、チューブ100は、IC周辺に直接
配置してもよいが、図38に示すように、基板の素子実
装面の裏側に配置してもよい。液体吐出装置1A〜1N
の駆動機構として、DCモータ902により駆動可能な
ウォームギア903を使用することができる。この際、
IC部分の温度に応じて作動するサーモスタットで液体
吐出装置1A〜1Nの駆動・停止を制御すれば、IC部
分の温度を効果的に一定に保持できる。 【0239】液体吐出装置1A〜1Nを用いたことで、
次のような効果を奏することができる。液体吐出装置1
A〜1Nにより、ラジエータ901で冷やされた液体を
循環させ、ICを冷却することができるので、パソコン
900のシステムが安定し、高密度な実装や、処理の高
速化が可能となる。 【0240】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、
前記各実施形態では、ボール5はチューブ100の上面
からチューブ100を圧閉するものとしたが、図39に
示すように、チューブ100を基部2Pの壁部22の側
面に設置し、リテーナ4Pの側面でボール5を保持し、
チューブ100の側面側からボール5を押しつけて圧閉
してもよい。この場合、押圧部材3Pは、ボール5を挟
んでチューブ100の反対側に配置される。このように
すれば、チューブ100はリテーナ4Pの外周側に配置
されるため、前記各実施形態に比べて、液体吐出装置の
平面面積は大きくなるが、高さ寸法を小さくできるた
め、液体吐出装置の薄型化を図ることができる。 【0241】また、前記各実施形態では、ロータ3A〜
3Fにより、ボール5〜5F’を押圧していたが、ボー
ルを押圧するものとしては、これに限らず、例えばボー
ルに回転軸を設け、この回転軸を用いてボールを押圧
し、チューブを圧閉する構造としてもよい。 【0242】また、第1から5実施形態では、チューブ
ガイド溝211A,211B,211Dのうちチューブ
100に当接する当接面211の断面形状はボール5〜
5Bと同心円の円弧形状に形成されているとしたが、こ
れに限らず、第6実施形態のように円弧形状を直線的に
近似した形状としてもよい。さらに、チューブガイド溝
211A,211B,211Dのうちチューブ100に
当接する当接面の断面の中心部を単に窪ませて、例え
ば、断面三角形状に形成してもよい。この場合、断面の
中心部からボール5までの距離と、断面の端部からボー
ル5までの距離とが多少異なる場合があるが、チューブ
100を押圧した際に、チューブ100がチューブガイ
ド溝211A,211B,211Dの形状に沿って、変
形するため、チューブ100に当接する当接面が平坦な
場合に比べて、チューブ100の両端部も押圧すること
ができ、液体吐出装置の吐出量の精度がよいものとする
ことができる。 【0243】また、図40に示すように、チューブガイ
ド溝のうちチューブ100に当接する当接面を平坦な面
としてもよい。ただし、この場合、チューブ100の幅
方向中心部分のみが圧閉され、幅方向の両端部分は空間
が残ってしまう可能性があり、チューブ100の孔を略
完全に潰すことは難しい。この残存空間はおおよそ一定
しているので、第1〜第14実施形態の液体吐出装置に
比べると吐出量の精度が低くなるが、ある程度の精度で
は液体を吐出することができる。従って、それほど高い
精度が要求されない場合には、利用することもできる。
また、前記各実施形態では、チューブガイド溝211A
〜211Fがなくてもチューブ100が設置できるよう
であれば、基部2A〜21Lにチューブガイド溝211
A〜211Fを設けなくてもよいが、図40の場合を含
め、チューブガイド溝211A〜211Fを設けたほう
が、チューブ100を所定の位置に容易に設置できる利
点がある。 【0244】また、第2実施形態では、リテーナ4Bを
楕円形状の軸孔41Bが形成された構造としたが、これ
に限らず、図41に示すような構造としてもよい。この
液体吐出装置1B’のリテーナ4B’は、内周側が打ち
抜かれており、ボール保持部が形成されたリング部41
B’と、ボールベアリング75を介して軸部7が挿入さ
れる中心部42B’とを有している。中心部42B’と
リング部41B’とは、ばね43B’で連結されてい
る。この場合、リテーナ4B’を矢印T方向に引っ張る
と、ばね43B’が変形し、リテーナ4Bのリング部4
1B’の位置をずらすことができる。これにより、ボー
ル5によるチューブ100への圧閉を解除することがで
きる。なお、リテーナ4B’は、例えば、プラスチック
やステンレス板等で構成されていることが好ましい。 【0245】第2実施形態において、液体吐出装置1B
をリテーナ4Bの取手部42Bを引っ張ることで、ボー
ル5がチューブ100の上面から外れ、ボール5のチュ
ーブ100への圧閉が解除される構造としたが、軸部7
のねじをゆるめて、ボール5を押圧しているロータ3B
を浮き上がらせて、ボール5のチューブ100への圧閉
を解除してもよい。ただし、このようにすると、液体吐
出装置1Bの使用時に、ねじ締めを行わなければなら
ず、使用者に適切なねじ締めを期待することは難しい。
このため、ロータ3Bの高さ位置が異なり、ボール5を
押圧する圧力が変わってしまい、液体の吐出量が変化し
てしまうという問題が生じるおそれがある。しかし、第
2実施形態のような構造とすれば、ロータ3Bの高さ位
置は変わることなく、ボール5のチューブ100への圧
閉が解除されるため、使い勝手のよい液体吐出装置1B
とすることができる。 【0246】本発明では、液体吐出装置はいかなる大き
さのものでもよいが、例えば、軸部7のフランジ部72
の大径部721の直径が8mm、円形溝210A〜210
Jの内周の描く円の直径が9mm、円形溝210A〜21
0Jの外周の描く円の直径が9mm、リテーナ4A〜4J
の直径が14mm、チューブ100の外径が1mm、内径
(孔径)が0.5mm(従って、チューブ100の厚さ寸
法T=0.25mmとなる)、ボール5〜5F’の径が
1.6mm程度のものが好ましい。 【0247】また、ボールの数は、前記各実施形態で用
いた数には限られず、任意に決められてよい。ただし、
第4及び5実施形態では、ボールは2個以上である必要
がある。 【0248】また、第4実施形態では、凹部312Dと
ボールガイド溝315Dを形成したが、凹部312Dを
形成せずに、ボールガイド溝を2つ形成してもよい。た
だし、この場合、ロータ3Dを逆回転させた際、ボール
5Aをボールガイド溝の回転方向先端部から回転方向後
端部に移動させるための部材を別途設ける必要がある。
また、ボールガイド溝を2つ形成する場合には、ロータ
3Dの加工量が増え、作成に手間がかかるという問題も
ある。これに対し、第4実施形態では、凹部312Dを
形成したため、ボール5Aを初期位置に戻すための部材
を別途設ける必要がなく、部材点数の削減を図ることが
できる。また、凹部312Dとしたため、加工量が少な
くて済み、ロータ3Dの作成にも手間を要しない。な
お、第5実施形態も同様にボールガイド溝48Eを2つ
形成してもよい。 【0249】また、第6から10実施形態では、付勢手
段25,25G,25Hでリテーナ4F,4G,4H、
4Iの外周端面に導入ボールを付勢したが、これに限ら
ず、リテーナ4F,4G,4H、4Iのボール保持部4
3F,45G,47H、43Iがボール導入範囲23
5,235Gに到達すると同時に、導入ボール5Aを押
圧してボール保持部43F,45G,47H、43Iに
導入する構成としてもよい。 【0250】また、第6実施形態では、導入ボール配置
溝24Fにスロープ242を設けたが、導入ボール5A
が初期配置される平坦部241とボール導入範囲235
のチューブ100上部との間に段差がない場合や、僅か
な段差である場合には、必ずしもスロープ242を設け
る必要はない。 【0251】また、第6,7実施形態では、チューブガ
イド溝211F,211Gによってボール導入範囲23
5,235Gでロータ3Fの下面からチューブ100上
部までの距離を導入ボール5Fの高さより大きく設定し
たが、これに限らず、導入ボール5Fがリテーナ4F,
4Gのボール保持部43F,45Gに導入可能であれ
ば、ロータ3Fの下面からチューブ上部までの距離を任
意の寸法としてよい。ただ、導入ボール5Fの高さより
小さくする場合には、導入ボール5Fを付勢する付勢手
段25,25Gのばね力を大きくする必要がある。 【0252】また、第6実施形態では、引掛部44F,
44F’を設けたが、この形状、構造は、図示の構成に
限らず、導入ボール5Fの大きさ、リテーナ4Fの回転
速度、材質等を考慮して適宜決められてよい。また、第
6実施形態では、誘導面261を有する誘導突起26を
設けたが、この誘導面261のボール保持部43F,4
3F’の軌道に対する角度は、リテーナ4Fの回転速
度、導入ボール5F表面と誘導面261との摩擦抵抗等
によって適宜決定されてよい。 【0253】また、第6実施形態では、形状変化部とし
てリテーナの引掛部44F,44F’を用いて検出手段
28Fを構成したが、これに限らず、第7実施形態のよ
うに形状変化部として切欠き部46G,46G’を用い
てもよく、要するに、リテーナ4Fの円弧状の外周端面
に対して形状が変化していればよい。 【0254】第10実施形態では、ボール導入溝237
を傾斜面Zと傾斜面Yとを備えるものとしたが、傾斜面
とせず、平坦面とし、単に断面の中心部が突出したもの
(断面凸形状)であってもよい。この場合であっても、
導入ボールは正回転時には、奥側の面を通り、逆回転時
には、基部本体の外周側の面を通ることとなるので、ス
ムーズにボールをチューブ上にのせ、また、初期位置に
戻すことが可能となる。さらに、断面の中心部が突出し
ていなくてもよい。この場合であっても、リテーナ4J
が正回転する際には、ボール保持部44Jの切欠及びボ
ール案内面243Jにより、ボール保持部44Jの奥側
に誘導されるので、導入ボール5Fを確実に保持するこ
とができる。また、リテーナ4Jを逆回転させた際に
は、ボール保持部43Jの第二の初期位置誘導面431
J及び第一の初期位置誘導面219Iにより導入ボール
5Fを初期位置に戻すことは可能である。また、第10
実施形態において、第6実施形態と同様に、誘導突起2
6を形成し、誘導面261により、導入ボール5Fをボ
ール保持部43Jに誘導してもよい。このようにすれ
ば、より確実に導入ボール5Fをボール保持部43Jに
導入することができる。 【0255】また、前記各実施形態では、ボール・チュ
ーブ間の摩擦係数がチューブガイド溝・チューブ間の摩
擦係数よりも小さいとしたが、摩擦係数は同程度であっ
てもよく、また、チューブガイド溝・チューブ間の摩擦
係数のほうが小さくてもかまわない。この場合、第12
〜14実施形態のようにストッパを設けることにより、
チューブがチューブガイド溝から動いてしまうことを防
止できる。 【0256】また、前記各実施形態では、ロータ3A〜
3Fの外周端面に動力を伝達したが、これに限らず、ロ
ータの軸部に動力を伝達する構成としてもよい。 【0257】さらに、第1〜6及び8〜14実施形態で
は、駆動機構6,6Dの振動体61で直接ロータを回転
させたが、これに限らず、液体吐出装置の負荷と駆動源
の能力によっては、第7実施形態のように輪列からなる
伝達機構15を設けてもよい。 【0258】また、前記各実施形態では、軸部7にボー
ルベアリング75を設けたが、これに限らず、潤滑性の
高いブシュを用いてベアリングを構成してもよい。この
ようにすれば、ベアリング自体の上下方向のガタによる
ロータの押圧力のばらつきを低減できる。 【0259】さらに、第11〜14実施形態では、ボー
ル5F,5F’を用いて、チューブ100を圧閉するも
のとしたが、図42の液体吐出装置1Qのように、円錐
ローラ5Qを用いてチューブ100を圧閉してもよい。
この場合、ボールを用いる場合に比べて、チューブ10
0には大きな摩擦力がかかる。しかし、ストッパ9Kに
よりチューブ100は固定されているため、チューブ1
00がずれたり、チューブ100が引っ張られることで
チューブの内径が変化したりすることを防止できる。な
お、液体吐出装置1Qにおいて、回転検出を行うために
は、ロータ3Qに、ロータ3Dのように凸部316D,
316D’を形成すればよい。 【0260】また、液体吐出装置は前述したような機器
500〜900に限らず、医療用点滴、他薬剤注入装置
などにも使用でき、微少量を長時間に渡って注入する際
に携帯可能な小型の装置等に使用することができる。 【0261】 【発明の効果】このような本発明によれば耐久性を向上
でき、小型化することができ、さらに、組立が容易であ
る液体吐出装置を提供することができるという第一の効
果がある。また、第一の効果を奏するとともに、吐出量
に生じる誤差を低減できる液体吐出装置を提供できると
いう第二の効果がある。さらに、作業性を向上させるこ
とができる液体吐出装置を提供できるという第三の効果
がある。また、以上のような液体吐出装置を備えた機器
を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施形態の液体吐出装置を示す平
面図である。 【図2】図1の断面図である。 【図3】前記液体吐出装置のチューブ及びチューブガイ
ド溝の断面図である。 【図4】本発明の第2実施形態の液体吐出装置を示す平
面図である。 【図5】図4のV−V方向の断面図である。 【図6】本発明の第3実施形態にかかる液体吐出装置を
示す模式図である 【図7】本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置を示
す平面図である。 【図8】図7の断面図である。 【図9】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側か
ら見た展開断面図である。 【図10】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側
から見た展開断面図である。 【図11】本発明の第5実施形態にかかる液体吐出装置
を示す平面図である 【図12】本発明の第6実施形態にかかる液体吐出装置
を示す平面図である。 【図13】図12の断面図である。 【図14】前記実施形態にかかる基部の平面図である。 【図15】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側
から見た展開断面図である。 【図16】前記実施形態のチューブガイド溝の断面図で
ある。 【図17】図12のXVII−XVII断面図である。 【図18】図12のXVIII−XVIII断面図である。 【図19】前記実施形態に係る液体吐出装置の動作を説
明するための平面図である。 【図20】本発明の第7実施形態に係る液体吐出装置を
示す平面図である。 【図21】前記実施形態に係るチューブに沿って外側か
ら見た展開断面図である。 【図22】本発明の第8実施形態に係る液体吐出装置を
示す平面図である。 【図23】本発明の第9実施形態に係る液体吐出装置の
要部を示す平面図である。 【図24】本発明の第10実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図25】本発明の第10実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図26】前記実施形態の要部を示す平面図である。 【図27】図26のXXVII−XXVII方向の断面図である。 【図28】図26のXXVIII−XXVIII方向の断面図であ
る。 【図29】本発明の第11実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図30】前記実施形態のストッパを示す斜視図であ
る。 【図31】本発明の第12実施形態に係る液体吐出装置
の要部示す平面図である。 【図32】本発明の第13実施形態に係る液体吐出装置
の要部を示す平面図である。 【図33】前記実施形態において、他のストッパを使用
した平面図である。 【図34】本発明の第14実施形態に係る液体吐出装置
の要部を示す平面図である。 【図35】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えたプリンタを示す図である。 【図36】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えた添加剤吐出装置を示す図である。 【図37】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えた保温用グローブシステムを示す図である。 【図38】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えたパソコンを示す図である。 【図39】本発明の変形例を示す断面図である。 【図40】本発明の変形例を示す断面図である。 【図41】本発明の変形例にかかる液体吐出装置を示す
平面図である。 【図42】本発明の変形例にかかる液体吐出装置を示す
平面図である。 【符号の説明】 1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1
I,1K,1L,1M,1N,1Q…液体吐出装置、
2A,2B,2D,2F,2G,2P…基部、3A,3
B,3D,3F,3P,3Q…押圧部材(ロータ)、
4A,4B,4E,4F,4G,4H,4I,4J,4
P…リテーナ、 5,5A,5B,5F,5F’,5
G,5G’…ボール、5Q…円錐ローラ、 6,6D,
6G…駆動機構、 61…振動体、 9K…ストッパ、
12…スプリング、 25,25G,25H…付勢手
段、 26…誘導突起、 28D,28E,28F…回
転検出手段、29…導入手段、 43A,43F,43
F’,43H,43I,43J,45G,45G’,4
7…ボール保持部、 43E…ボール取付部、44E,
44E’…凸部、 44’J…大突起、44J…突起、
44F,44F’…引掛部、 48E,315D…ボー
ルガイド溝、61…振動体、 100…チューブ、 2
11A,211B,211D,211F,211G,2
11H…チューブガイド溝、 211…当接面、 21
9I…初期位置誘導面、 237…ボール導入溝、 2
42…スロープ、 261…誘導面、 281,281
J,281J’…検出部、 291I…初期位置誘導
面、 312D…凹部、 316D,316D’…凸
部、 430I…外周方向付勢手段、 431J…初期
位置誘導面、 500…プリンタ、 600…添加剤吐
出装置、 800…保温用グローブシステム、 900
…パソコン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成14年9月30日(2002.9.3
0) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0182 【補正方法】変更 【補正内容】 【0182】ボール保持部45G,45G’は、第6実
施形態におけるボール保持部43Fと同様の構造となっ
ているが、ボール保持部43Fと異なり、角度を付けて
形成されていない。そのため、リテーナ4Gが回転する
と、ボール保持部45G,45G’に保持されたボール
,5’は遠心力で飛び出そうとするが、リテーナ
凹部27のリテーナ凹部壁面272によって飛び出さな
いようになっている。 【手続補正2】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0185 【補正方法】変更 【補正内容】 【0185】導入ボール配置溝24Gは、平面視で、ボ
ール案内範囲234Gの深さD5の部分(以降、ボール
導入範囲235Gと呼ぶ)に近接している。導入ボール
配置溝24Gは、開口243でリテーナ凹部27に連通
し、矩形状の平坦部241と、この平坦部241を囲む
凹部壁面245とを含んで構成され、導入ボール5
リテーナ4Gの外周端面に付勢する付勢手段25Gが設
けられている。 【手続補正3】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0187 【補正方法】変更 【補正内容】 【0187】ここで、付勢手段25Gは、以下のように
動作する。まず、リテーナ4Gのボール保持部45Gが
ボール導入範囲235Gに到達するまでは、導入ボール
配置溝24Gに配置された導入ボール5は、押圧片2
54で付勢されてリテーナ4Gの外周端面に当接してい
る。 【手続補正4】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0188 【補正方法】変更 【補正内容】 【0188】次に、リテーナ4Gのボール保持部45G
がボール導入範囲235Gに到達すると、押圧片254
で導入ボール5を付勢してリテーナ4Gのボール保持
部45Gに押し込む。押圧片254は、導入ボール5
を押し込んだ後、ストッパ255に係合して停止し、リ
テーナ4Gの外周端面を付勢しない状態となる。 【手続補正5】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0190 【補正方法】変更 【補正内容】 【0190】次に、本実施形態の動作について、ステッ
プ0から4の順に説明する。 [ステップ0(初期状態)]ステップ0では、図20に示
すように、リテーナ4Gは、ボール保持部45G’でボ
ール5’を保持しながら、このボール5’をボール
案内範囲234のうちボール導入範囲235Gよりもリ
テーナ4Gの回転方向側に配置した状態で停止してい
る。一方、リテーナ4Gのボール保持部45Gは押圧範
囲232にあるが、導入ボール5は導入されていない
状態となっている。したがって、ボール5,5’が
共にチューブ100を圧閉していない。なお、導入ボー
ル5、導入ボール配置溝24Gに配置され、付勢手段
25Gによって付勢されてリテーナ4Gの外周端面に当
接している。 【手続補正6】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0191 【補正方法】変更 【補正内容】 【0191】[ステップ1]次に、駆動機構6Gの振動
体61に所定周波数の交流電圧を印加すると、振動体6
1の押圧力によって、ロータ3Fが図20中矢印Sの方
向に連続的に回転する。すると、ロータ3Fによって押
圧されているボール5’は、転動してボール案内範囲
234Gから押圧範囲232に移動して、チューブ10
0を圧閉して液体をチューブ100先端から吐出させな
がら進んでゆく。このとき、リテーナ4Gのボール保持
部45Gは、依然として導入ボール5が導入されてい
ない状態である。 【手続補正7】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】0192 【補正方法】変更 【補正内容】 【0192】[ステップ2]続いて、リテーナ4Gのボ
ール保持部45Gがボール導入範囲235Gに到達する
と、導入ボール5は、付勢手段25Gによって付勢さ
れてボール保持部45Gに押し込まれる。ボール導入範
囲235Gでリテーナ4Gのボール保持部45Gに導入
されたボールは、ボール保持部45Gに保持されてはい
るが、ボール案内範囲234Gにあるため、チューブ1
00を圧閉することはなく、ボール5’のみが、押圧
範囲232を移動しながらチューブ100を圧閉して、
チューブ100先端から液体を吐出させている。その後
のステップ3およびステップ4は、第6実施形態と同様
である。 【手続補正8】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】図面の簡単な説明 【補正方法】変更 【補正内容】 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施形態の液体吐出装置を示す平
面図である。 【図2】図1の断面図である。 【図3】前記液体吐出装置のチューブ及びチューブガイ
ド溝の断面図である。 【図4】本発明の第2実施形態の液体吐出装置を示す平
面図である。 【図5】図4のV−V方向の断面図である。 【図6】本発明の第3実施形態にかかる液体吐出装置を
示す模式図である 【図7】本発明の第4実施形態に係る液体吐出装置を示
す平面図である。 【図8】図7の断面図である。 【図9】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側か
ら見た展開断面図である。 【図10】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側
から見た展開断面図である。 【図11】本発明の第5実施形態にかかる液体吐出装置
を示す平面図である 【図12】本発明の第6実施形態にかかる液体吐出装置
を示す平面図である。 【図13】図12の断面図である。 【図14】前記実施形態にかかる基部の平面図である。 【図15】前記実施形態にかかるチューブに沿って外側
から見た展開断面図である。 【図16】前記実施形態のチューブガイド溝の断面図で
ある。 【図17】図12のXVII−XVII断面図である。 【図18】図12のXVIII−XVIII断面図である。 【図19】前記実施形態に係る液体吐出装置の動作を説
明するための平面図である。 【図20】本発明の第7実施形態に係る液体吐出装置を
示す平面図である。 【図21】前記実施形態に係るチューブに沿って外側か
ら見た展開断面図である。 【図22】本発明の第8実施形態に係る液体吐出装置を
示す平面図である。 【図23】本発明の第9実施形態に係る液体吐出装置の
要部を示す平面図である。 【図24】本発明の第10実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図25】本発明の第10実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図26】前記実施形態の要部を示す平面図である。 【図27】図26のXXVII−XXVII方向の断面図である。 【図28】図26のXXVIII−XXVIII方向の断面図であ
る。 【図29】本発明の第11実施形態に係る液体吐出装置
を示す平面図である。 【図30】前記実施形態のストッパを示す斜視図であ
る。 【図31】本発明の第12実施形態に係る液体吐出装置
の要部示す平面図である。 【図32】本発明の第13実施形態に係る液体吐出装置
の要部を示す平面図である。 【図33】前記実施形態において、他のストッパを使用
した平面図である。 【図34】本発明の第14実施形態に係る液体吐出装置
の要部を示す平面図である。 【図35】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えたプリンタを示す図である。 【図36】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えた添加剤吐出装置を示す図である。 【図37】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えた保温用グローブシステムを示す図である。 【図38】第1から第14実施形態の何れかの液体吐出
装置を備えたパソコンを示す図である。 【図39】本発明の変形例を示す断面図である。 【図40】本発明の変形例を示す断面図である。 【図41】本発明の変形例にかかる液体吐出装置を示す
平面図である。 【図42】本発明の変形例にかかる液体吐出装置を示す
平面図である。 【符号の説明】 1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1
I,1K,1L,1M,1N,1Q…液体吐出装置、
2A,2B,2D,2F,2G,2P…基部、3A,3
B,3D,3F,3P,3Q…押圧部材(ロータ)、
4A,4B,4E,4F,4G,4H,4I,4J,4
P…リテーナ、 5,5A,5B,5F,5F’…ボー
ル、5Q…円錐ローラ、 6,6D,6G…駆動機構、
61…振動体、 9K…ストッパ、 12…スプリン
グ、 25,25G,25H…付勢手段、 26…誘導
突起、 28D,28E,28F…回転検出手段、29
…導入手段、 43A,43F,43F’,43H,4
3I,43J,45G,45G’,47…ボール保持
部、 43E…ボール取付部、44E,44E’…凸
部、 44’J…大突起、44J…突起、44F,44
F’…引掛部、 48E,315D…ボールガイド溝、
61…振動体、 100…チューブ、 211A,21
1B,211D,211F,211G,211H…チュ
ーブガイド溝、211…当接面、 219I…初期位置
誘導面、 237…ボール導入溝、242…スロープ、
261…誘導面、 281,281J,281J’…
検出部、 291I…初期位置誘導面、 312D…凹
部、 316D,316D’…凸部、 430I…外周
方向付勢手段、 431J…初期位置誘導面、 500
…プリンタ、 600…添加剤吐出装置、 800…保
温用グローブシステム、 900…パソコン 【手続補正9】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】図12 【補正方法】変更 【補正内容】 【図12】 【手続補正10】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】図21 【補正方法】変更 【補正内容】 【図21】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 2/18 B41J 3/04 102R 2/185

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 弾性を有するチューブが設置される基部
    を有する液体吐出装置であって、前記チューブの一部を
    圧閉しながらチューブ上を転動するボールと、このボー
    ルを転動させる駆動機構と、前記ボールをチューブに押
    し付けて前記チューブの一部を圧閉する押圧部材とを備
    え、 前記駆動機構は、前記押圧部材の外周端面に動力を伝達
    することを特徴とする液体吐出装置。
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