JP2004297920A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固着状態が発生した場合であっても、これを回避して再び移動可能な状態に復帰することができる小型の駆動装置を提供する。
【解決手段】電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子15と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動摩擦部材17と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合する係合部材11とを備え、前記係合部材11に対し、前記電気機械変換素子15によって与えられる前記係合部材11への推力と同じ方向に、その変位により発生した補助推力を加える補助推力手段20、21b、22とを備え、動作終了時に前記係合部材を前記補助推力手段21b、22による補助推力を受けることができる所定位置に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置に関し、詳しくは、圧電素子などの電気機械変換素子を用いた駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、圧電素子の伸縮を利用し、移動体を移動させる駆動装置が存在している。図6に圧電素子を固定したタイプの圧電素子を用いたリニア型の駆動装置の例を示す。図6に示した駆動装置は、圧電素子15の伸縮方向一端がフレーム16の固定壁21に固定され、他端に駆動摩擦部材17が固定される。駆動摩擦部材17には、係合部材11が摩擦係合されており、係合部材11は、駆動摩擦部材17に沿って移動することができる。係合部材11はスライダー14と、駆動摩擦部材17との摩擦を起こさせる摩擦部材13と、摩擦部材13をスライダー14に押し付ける板バネ12とから構成される。駆動摩擦部材17は、その軸方向に移動することができるように、フレーム16に設けられた小孔18,19に挿入され支持される。
【0003】
図7に図6の駆動装置の駆動原理を示す。この駆動装置10の圧電素子15に、例えば、図1(b)に示すような緩やかな立ち上がり(A−B間)と急激な立下り部分(B−C間)を有する鋸歯状波形の駆動電圧を印加すると、まず、図7(a2)に示すように、圧電素子15が緩やかにその厚み方向に伸び変位し、圧電素子に固定されている駆動摩擦部材17が操出方向に移動する。これに伴って、駆動摩擦部材17に摩擦結合した係合部材11は駆動摩擦部材17とともに移動する。
【0004】
一方、駆動パルスの急激な立下り部分(B−C間)では、圧電素子15は急速に厚み方向に縮み変位し、圧電素子に結合する駆動摩擦部材17も急速に戻り方向へ変位する。このとき、図7(a3)に示すように、係合部材11は駆動摩擦部材17との摩擦に打ち勝って実質的にその位置に留まり移動しない。結果として、(a1)に示す初期状態よりも伸びと縮みとの移動量の差分だけ係合部材11が右方向へ移動する。
【0005】
このような摩擦を介して駆動力を発生する駆動装置は、長期間、特に高温環境下に放置すると、駆動摩擦部材と係合部材との接触部分が固着する現象が発生する。そして、この固着強度が、駆動力の推力を上回れば駆動装置は起動することができなくなる。この固着状態を回避するために、駆動装置の推力を十分高くしておけばよさそうであるが、駆動装置の低コスト、小型化を進めるためにはデメリットが大きい。
【0006】
一方、リニア型の駆動装置の他に回転型の駆動装置にも同様に固着の問題が発生する。この固着の問題を解決するために、それぞれのタイプの駆動装置について種々の技術が開示されている。
【0007】
例えば、特開平10−191664号公報(特許文献1)には、固着現象が湿度変動に起因して発生することから、ケーシング内に吸湿手段を設けて湿気による影響を受けないようにして固着現象を防止しようとする回転型の駆動装置が開示されている。しかし、この吸湿手段を設けると駆動装置のコストアップ及び大型化につながるという問題がある。また吸湿手段を所定期間ごとに交換する必要があり、管理作業に手間を要する。
【0008】
また、特開平11−136971号公報(特許文献2)には、固着現象が駆動摩擦部材と係合部材との移動により生じる磨耗粉の付着、堆積に起因するものであるとし、相対運動部材20を運動領域と停止時接触面とに分け、停止時には停止時接触面に移動させることにより、磨耗粉の付着、堆積を起こさないように構成されたリニア型の駆動装置が開示されている。しかし、この駆動装置は、装置運動部材に停止時接触面を設ける必要があることから、駆動装置が全体として大型化するという問題があった。
【0009】
さらに、特開平11−318091号公報(特許文献3)には、振動体及び接触体が所定位置関係にあるときに、これら振動体及び接触体の圧接力を振動体及び接触体の圧接力を、振動体及び接触体が所定位置関係以外の位置関係にあるときの圧接力よりも小さくしたり解除したりすることにより、固着現象の発生を回避あるいは軽減することができる回転型の駆動装置が開示されている。
【0010】
しかし、この駆動装置は、接触体が所定の角度に位置したときに、振動体に対して移動体を持ち上げる方向に板バネを用いて接触体を付勢することにより圧接力を軽減するものである。この装置は、振動体に接触する回転型の駆動装置独自の構成を利用したものであるので、圧接力を軽減するための機構を別途設ける必要があり構成が複雑になる。また、駆動摩擦部材に所定の圧力で摩擦係合している係合部材を駆動摩擦部材に沿って移動させるリニア型の駆動装置には直接用いることができない。
【0011】
また、上記のいずれの特許文献に開示されている駆動装置も、固着状態を発生させないように構成されたものであり、固着状態がひとたび発生してしまうと、上記のいずれの駆動装置であっても係合部材を再び起動可能な状態に復帰させることは困難である。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−191664号公報
【特許文献2】
特開平11−136971号公報
【特許文献3】
特開平11−318091号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、長期間の放置により生じる固着の問題を回避することをその主な目的とし、特に、固着状態が発生した場合であっても、これを回避して再び移動可能な状態に復帰することができる小型の駆動装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の駆動装置を提供する。
【0015】
駆動装置は、電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記駆動摩擦部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動ユニットと、前記係合部材に対し、前記電気機械変換素子によって与えられる前記係合部材への推力と同じ方向に、その変位により発生した補助推力を加える補助推力手段と、動作終了時に前記係合部材を前記補助推力手段による補助推力を受けることができる所定位置に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段とを備える。
【0016】
上記構成の発明は、特に小型の駆動装置においては、固着現象は次のような特徴を有することに着目したものである。すなわち、固着強度が電気機械変換素子の推力を上回り、起動不能な状態になった場合でも、外力などにより一端係合部材が移動すれば、そのあとは通常の起動が可能となる。つまり、高温高湿下に放置されて発生する固着は、係合部材の移動により主原因が取り去られる可逆的な現象と考えられる。
【0017】
上記構成において、駆動装置に推力を補助する補助推力手段を設ける。補助推力手段は、変位することにより係合部材に対して補助推力を発生させるものである。制御手段は、通常の係合部材の駆動時の余裕のある推力を利用して駆動終了時に補助推力手段によって与えられる推力をチャージした状態にある所定位置に係合部材を停止する。
【0018】
上記構成によれば、長期間不使用による固着時には、所定位置にある係合部材に対し補助推力手段によって与えられる補助推力を用いて、駆動装置の起動を確保することができる。
【0019】
したがって、係合部材が固着して起動不能な状態になった場合でも、電気機械変換素子の推力を大きくすることなく、制御手段によって終了時に移動停止される所定位置において、補助推力手段による補助推力を用いて係合部材を移動させることができ、固着状態を解消することができる。
【0020】
本発明の駆動装置は、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0021】
好ましくは、前記補助推力手段は、前記駆動摩擦部材と前記係合部材との間の静止摩擦力より小さい付勢力で前記係合部材を付勢する第1の付勢手段である。
【0022】
上記構成において、第1の付勢手段としては、その変位により付勢力を発生するバネやゴムなどの弾性体等を好適に用いることができる。また、制御手段によって、終了時には、通常の係合部材の駆動時の余裕のある推力を利用して第1の付勢手段が付勢力を発生するような位置まで係合部材を移動させることにより、ひとたび固着が発生した場合であっても、第1の付勢手段による付勢力が推力として加わるため、係合部材を移動させることができる。
【0023】
好ましくは、駆動装置は、前記制御手段により所定位置に移動される前記係合部材の進行方向一端に接合する接合部材と、前記係合部材の移動摩擦力より小さい支持力で前記駆動摩擦部材を支持する支持部材とをさらに備え、前記補助推力手段は、前記電気機械変換素子の他端側に固定され、終了時における前記駆動ユニットを支持部材により前記駆動摩擦部材が支持される支持力より小さい付勢力で前記電気機械変換素子を付勢する第2の付勢手段である。
【0024】
上記構成において、接合部材は、動作終了時において所定位置に移動される係合部材の進行方向一端に接合するため、当該接合部材に接合した係合部材はその方向に移動することができなくなる。また、支持部材は、前記係合部材の移動摩擦力よりも小さい支持力で駆動摩擦部材を支持しているため、接合部材に係合部材が接触した状態でさらに電気機械変換素子が伸縮駆動すると、係合部材の移動しようとする推力の反力によって、駆動ユニット全体が係合部材の移動しようとする方向と反対方向に移動する。その状態において、第2の付勢手段は、電気機械変換素子の他端に固定されているので、駆動ユニットの移動に伴い、変位を及ぼして駆動ユニットを元に戻そうとする方向に付勢力を生ずる。なお、第2の付勢手段は、電気機械変換素子の他端に直接接触するように固定されていてもよいし、ウェイトなどの他の部材を介して間接的に固定されていてもよい。
【0025】
接合部材に接合した係合部材は、第2の付勢手段による駆動ユニットを元の位置に戻そうとする付勢力を受けて、反対方向の力を係合部材から受けることとなる。この力は、固着した係合部材を移動させるための補助推力として機能し、例えば、次回起動時において、電気機械変換素子から与えられる推力と協働して固着した係合部材を移動させる。
【0026】
また、本発明は、電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記駆動摩擦部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動ユニットと、動作終了時に前記係合部材を所定位置に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段と、前記制御手段により所定位置に移動された前記係合部材の進行方向一端に接合する接合部材と、前記駆動摩擦部材を支持する支持部材と、前記電気機械変換素子の伸縮方向他端に接し、前記駆動摩擦部材と前記支持部材との間の静止摩擦力より大きい力で前記伸縮方向に熱変形する熱変形手段を有する駆動装置を提供する。
【0027】
上記構成において、接合部材は、所定位置に移動される係合部材の進行方向一端に接合するため、当該接合部材に接合した係合部材はその方向に移動することができなくなる。また、支持部材は、バイメタルや形状記憶材料などの熱変形手段の変形力よりも小さい力で駆動摩擦部材を支持している。したがって、接合部材に突き当たっている係合部材と同じ方向に熱変形手段が変形することにより、駆動ユニットをその方向に移動使用とする力が働く。なお、熱変換手段は、電気機械変換素子に駆動パルスを印加することにより発生する熱を受けて変形するように構成することが好ましい。
【0028】
接合部材に接合した係合部材は、熱変形手段による駆動ユニットを移動させる力を受けて、反対方向の力を係合部材から受けることとなる。この力は、固着した係合部材を移動させるための補助推力として機能し、電気機械変換素子から与えられる推力と協働して固着した係合部材を移動させる。
【0029】
また、上記各構成において、接合部材と支持部材とを共用することもでき、例えば、支持部材の一部に係合部材が接合するように構成することもできる。
【0030】
また、本発明は、電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動軸と、前記駆動軸に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記係合部材を前記駆動軸の軸方向に相対移動させる駆動装置であって、前記駆動軸の一部分が細径部を有しており、動作終了時に前記係合部材を前記駆動軸の細径部に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする、駆動装置を提供する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態に係る駆動装置について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は本発明の第1実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる駆動装置10aは、図6に示した従来の駆動装置と基本的構造を共通にするものである。すなわち、圧電素子15の伸縮方向一端がフレーム16の固定壁21に固定され、他端に駆動摩擦部材17が固定される。駆動摩擦部材17には、係合部材11が摩擦係合されており、係合部材11は、駆動摩擦部材17に沿って移動することができる。駆動摩擦部材17は、フレーム16に設けられている2つの固定壁によって、その軸方向に移動可能に支持される。フレーム16の1つの固定壁20には、駆動摩擦部材17の軸方向に伸縮する補助バネ22が配置されている。
【0033】
係合部材11は、図示しない駆動回路から駆動パルスが印加されることによって、圧電素子15に振動が加えられることにより、駆動摩擦部材17に沿って移動する。
【0034】
駆動装置10aは、駆動装置10aが搭載されている装置の主電源がオフとなった場合など、終了状態となったときは、図示しない制御装置によって、矢印50に示すように、固定壁20の方向に移動するように制御されている。係合部材11が固定壁20に近づくように移動すると、補助バネ22と係合部材11が接触し、さらに係合部材が移動することにより、移動時に有する推力によって補助バネ22がチャージされる。制御装置は、駆動摩擦部材17のストロークの末端である所定位置まで係合部材11が移動すると、圧電素子15への駆動パルスの印加を停止し、係合部材を当該所定位置に保持したまま終了する。
【0035】
駆動装置10aが搭載されている装置の主電源がオンになった場合など、起動時は、係合部材11は図1からみて左方向に移動することとなる。この場合は、圧電素子15による駆動パルスによる振動に加えて、補助バネ22による付勢力により、図1からみて左方向に力が加えられて、係合部材が押出される。したがって、終了状態で長期間の放置によって、係合部材11と駆動摩擦部材17との間に固着が生じた場合であっても、補助バネ22によって付与される付勢力により、係合部材11が移動することができる。
【0036】
図2に本発明の第2実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる駆動装置10bは、第1実施形態にかかる駆動装置と基本的構造を共通にするものであるので、主に異なる点について説明する。
【0037】
圧電素子15は、伸縮方向の一方を駆動摩擦部材17に固定されているが、他方はウェイト21aに固定されている。ウェイト21aは、圧電素子の伸縮振動時に、その変位を駆動摩擦部材17に及ぼすことができる程度の重量を有するものであることが必要である。ウェイト21aの圧電素子15と接触していない側の他端には、板バネ21bが設けられており、この板バネはフレーム16に固定されている。
【0038】
また、フレームの2つの固定壁は、駆動摩擦部材17を比較的弱い力で支持しており、駆動摩擦部材17はこれらの固定壁に対してその軸方向に移動することができるように構成されている。
【0039】
駆動装置10bは、駆動装置10bが搭載されている装置の主電源がオフとなった場合など、終了状態となったときは、図示しない制御装置によって、矢印51に示すように、固定壁20の方向に移動するように制御されている(図2(a)参照)。
【0040】
制御装置(図示なし)により圧電素子15に駆動パルスが印可されると、係合部材11が矢印51の方向へ移動し続け、最終的に固定壁20に接合する。この状態では、係合部材11は、図2(a)に示すように、これ以上右方向に移動することはできないため、さらに圧電素子15に駆動パルスが印加されることにより、駆動摩擦部材17、圧電素子15、ウェイト21aが一体として、矢印52に示すように移動する力が働く。
【0041】
係合部材11の動摩擦力が駆動摩擦部材と固定壁との間の摩擦力よりも大きい場合は、駆動摩擦部材17、圧電素子15、ウェイト21aが一体として(以下、駆動ユニットという。)、矢印52に示すように移動し、これによって、板バネ21bが矢印53に示すように変形され、矢印53とは反対方向に戻ろうとする力が働く。制御装置は、駆動装置10bがこの状態となったときに駆動パルスの印加を停止し、係合部材を当該所定位置に保持したまま終了する。
【0042】
駆動装置10bが搭載されている装置の主電源がオンになった場合など、起動時は、係合部材11は図2からみて左方向(矢印52の方向)に移動することとなる。接合部材11に接合した固定壁20は、板バネ21bによる駆動ユニットを元の位置に戻そうとする力を受けて、矢印52の方向の力を受ける。この力は、駆動摩擦部材17との間で固着した係合部材11を移動させるための補助推力として機能し、圧電素子11から与えられる推力と協働して係合部材11を移動させる。
【0043】
図3は本発明の第1実施形態にかかる駆動装置を搭載した装置の概略構成を示す図である。本適用例では、第2レンズ32を移動させるための手段として、圧電素子35を利用した駆動装置を使用している。
【0044】
鏡胴30は、固定部材36に固定された圧電素子35とその伸縮方向他端に接続された駆動摩擦部材37とを備える。駆動摩擦部材37には係合部材31が設けられており、係合部材31と第1ステージ32とが固定されている。駆動摩擦部材は、固定部材40によって保持される。
【0045】
第1ステージ32はさらに、駆動摩擦部材37と平行に設けられたガイド41に沿って移動する第1移動部材33と連結し、装置30内に両持ちで保持されている。係合部材31には、主動ピン31aが設けられており、カム部材39の第1カム溝43に嵌合している。
【0046】
ガイド41には、第2移動部材34がその軸方向に移動可能に設けられている。第2移動部材34には、第2ステージ38が設けられており、第2移動部材34の移動に伴って移動する。また、第2移動部材34には、従動ピン34aが設けられており、カム部材39の第2カム溝44に嵌合している。
【0047】
したがって、係合部材31が駆動摩擦部材37に沿って移動すると、カム部材39が、その軸を中心として回転駆動し、従動ピン34aを介して第2移動部材34をガイド41に沿って移動させる。
【0048】
ガイド41の第1移動部材と第2移動部材との間の領域には、バネ42が設けられており、両者を遠ざける方向に付勢する。第1移動部材33と第2移動部材34との位置関係は、カム部材39に設けられたカム溝43、44の形状によるが、駆動に不可欠な溝43、44とピン31a,34aとのガタにより第1移動部材33と第2移動部材34との間に誤差を生じる。この誤差を解消するために、第1移動部材33と第2移動部材34との間にバネを配置し、片寄せ状態を作っている。
【0049】
本装置30は、図示しない制御装置によって、バネ42が圧縮された位置で駆動装置終了動作が行われるようにすることで、次回起動時にバネ42の補助力を利用することができる。
【0050】
なお、本装置30に用いられている駆動装置の推力は20gfであり、第1ステージの静止摩擦力は40gfである。通常の駆動状態での最大負荷は10gf、固着状態から脱出するのに必要な推力は最大30gf程度必要である。したがって起動補助のバネ42は10gfでチャージされればよく、通常の駆動推力の余力を用い、駆動装置終了動作時にバネ42をチャージする。静止摩擦力がバネの力より大きいので、第1ステージはその位置に留まる。次回起動時は、バネ42のチャージがリリースされる方向にステージを駆動する。一端起動すれば、上述の通り、固着前と同様の推力での駆動が可能となる。
【0051】
図4は、本発明の第3実施形態にかかる駆動装置の概略構成図である。本実施形態にかかる駆動装置10cは、第2実施形態にかかる駆動装置10bと基本的構造を共通にするものであるので、主に異なる点について説明する。
【0052】
本実施形態にかかる駆動装置10cは、ウェイト21cの圧電素子15と接触していない側の他端には、バイメタル21dが設けられており、このバイメタル21dはフレーム16に固定されている。
【0053】
駆動装置10cは、駆動装置10cが搭載されている装置の主電源がオフとなった場合など、終了状態となったときは、図示しない制御装置によって、固定壁20の方向に移動し、固定壁20に接合した時点で終了するように制御されている(図4(a)参照)。
【0054】
次回起動時には、係合部材11には図4に示す左側に移動させようとする推力が働くが、駆動摩擦部材17と係合部材11との間で固着が生じた場合は、移動することができない。この状態で圧電素子15に電力を供給しつづけると、圧電素子15の内部抵抗成分により圧電素子15が発熱する。この熱は、ウェイト21cを介し、バイメタル21dに伝達され、図4(b)のように、バイメタル21dが矢印53に示す方向に変形する。
【0055】
バイメタル21dが変形しようとする力が、駆動摩擦部材と固定壁との間の摩擦力よりも大きい場合は、駆動摩擦部材17、圧電素子15、ウェイト21cに(以下、駆動ユニットという。)、矢印54に示すように移動しようとする力が働く。接合部材11に接合した固定壁20は、この力を受けて矢印54と反対方向の力を受ける。この力は、駆動摩擦部材17との間で固着した係合部材11を移動させるための補助推力として機能し、圧電素子11から与えられる推力と協働して係合部材11を移動させる。
【0056】
なお、本実施形態では、熱を受けて変形する材料としてバイメタルを用いたが、熱により大きく変形する素材であれば同様の効果を得ることができる。ここで、「大きく変形」とは、物質に熱を加えることによる熱膨張よりも顕著な変形を意味し、例えば、形状記憶合金や線膨張係数の高い樹脂材料や、膨張率の異なる樹脂材料を貼り合せたもの等を用いることができる。また、圧電素子から発生する熱を利用する代わりに、図示しない駆動回路の抵抗やトランジスタなどの発熱成分と近傍に配置することで、これらの熱を利用して変形させるような構成としてもよい。
【0057】
図5に本発明の第4実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図である。本実施形態にかかる駆動装置10dは、第1実施形態にかかる駆動装置と基本的構造を共通にするものであるので、主に異なる点について説明する。
【0058】
本実施形態にかかる駆動装置の駆動摩擦部材17は、その先端部分17aがテーパー状に細く構成されている。また、フレーム16には、センサ16aが設けられており、係合部材11に固定された切片11aと協働して係合部材11の位置を検出する。
【0059】
係合部材は、終了時にそのストローク終端においてテーパー状に細くなった細径部17aに達する。通常の駆動においては、係合部材は、センサ16aで規制されるストローク内を移動するように制御されているが、電源オフなどの終了動作時には、図示しない制御装置により細径部で停止するように制御される。
【0060】
このように終了時の停止位置を制御することにより、停止時の係合部材11と駆動摩擦部材17との間の摩擦力を小さくすることにより、両者間の固着を回避することができる。
【0061】
本実施形態にかかる駆動装置では、摩擦力を小さくするために、別に新たな機構を設ける必要がなく、駆動摩擦部材に細径部を設けるという簡単な構成で固着を防止することができる。また、必要に応じて、上記各実施形態1乃至3の構成と組み合わせた駆動装置とすることもできる。
【0062】
以上説明したように、本発明にかかる駆動装置は、簡単な構成で高温高湿環境に長期間放置された場合の駆動装置の固着現象を回避することができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図であり、(a)は終了動作時、(b)は次回起動時の状態を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる駆動装置を搭載した装置の概略構成を示す図であり、(a)は内部構成図、(b)は外観斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態にかかる駆動装置の概略構成図であり、(a)は終了動作時、(b)は次回起動時の状態を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態にかかる駆動装置の概略構成を示す図である。
【図6】従来の圧電素子を固定したタイプの圧電素子を用いたリニア型の駆動装置の一例を示す図である。
【図7】図6の駆動装置の駆動原理を示す図であり、(a)は駆動装置の動きを説明する図であり、(b)は圧電素子に印加される駆動パルスの波形の例である。
【符号の説明】
10a〜10d 駆動装置
11 係合部材
12 板バネ
13 摩擦部材
14 スライダー
15 圧電素子
16 フレーム
17 駆動摩擦部材
18,19 小孔
20,21 固定壁
30 駆動装置を搭載した装置

Claims (6)

  1. 電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記駆動摩擦部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動ユニットと、
    前記係合部材に対し、前記電気機械変換素子によって与えられる前記係合部材への推力と同じ方向に、その変位により発生した補助推力を加える補助推力手段と、
    動作終了時に前記係合部材を前記補助推力手段による補助推力を受けることができる所定位置に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記補助推力手段は、前記駆動摩擦部材と前記係合部材との間の静止摩擦力より小さい付勢力で前記係合部材を付勢する第1の付勢手段であることを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記制御手段により所定位置に移動された前記係合部材の進行方向一端に接合する接合部材と、
    前記係合部材の移動摩擦力より小さい支持力で前記駆動摩擦部材を支持する支持部材と、をさらに備え、
    前記補助推力手段は、前記電気機械変換素子の他端側に固定され、終了時における前記駆動ユニットを支持部材により前記駆動摩擦部材が支持される支持力より小さい付勢力で前記電気機械変換素子を付勢する第2の付勢手段であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. 電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動摩擦部材と、前記駆動摩擦部材に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記駆動摩擦部材と前記係合部材とを相対移動させる駆動ユニットと、
    動作終了時に前記係合部材を所定位置に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段と、
    前記制御手段により所定位置に移動された前記係合部材の進行方向一端に接合する接合部材と、
    前記駆動摩擦部材を支持する支持部材と、
    前記電気機械変換素子の伸縮方向他端に接し、前記駆動摩擦部材と前記支持部材との間の静止摩擦力より大きい力で前記伸縮方向に熱変形する熱変形手段を有することを特徴とする、駆動装置。
  5. 前記接合部材は、前記支持部材と共通に構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の駆動装置。
  6. 電圧が印加されると伸縮する電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の伸縮方向一端に固定された駆動軸と、前記駆動軸に摩擦力で係合する係合部材とを備え、前記電気機械変換素子を伸縮させることで、前記係合部材を前記駆動軸の軸方向に相対移動させる駆動装置であって、
    前記駆動軸の一部分が細径部を有しており、
    動作終了時に前記係合部材を前記駆動軸の細径部に移動させてから停止するように前記係合部材の位置制御を行う制御手段を備えていることを特徴とする、駆動装置。
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