JP2004124707A - ハイブリッドコンプレッサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン停止時の冷房機能を確保しつつ、安価で且つ、圧縮機の小型化を可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提供する。
【解決手段】走行中に一時停車した時に、エンジン10が停止される車両に適用されるハイブリッドコンプレッサ装置において、プーリ110、モータ120、圧縮機130の各回転軸111、121、131は、それぞれ独立して回転可能とし、各回転軸111、121、131は、変速機構としての遊星歯車150を構成するサンギヤ151、プラネタリーキャリヤ152、リングギヤ153のいずれかに対応して連結され、制御装置160によって、モータ120の回転数を調整して、プーリ110の回転数に対して圧縮機130の回転数を増減させるようにする。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行運転中に一時停車した時にエンジンを停止させるいわゆるアイドルストップ車両に搭載される冷凍サイクル装置に適用して好適なハイブリッドコンプレッサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省燃費の観点よりいわゆるアイドルストップ車両が市場に投入される例が有る。この車両においては、走行運転中一時停車した時にエンジンを停止させるようにしているため、エンジンの駆動力を受けて作動する冷凍サイクル装置内の圧縮機はエンジン停止中は共に停止することになり、冷凍サイクル装置として機能しないことになる。
【0003】
この解決策として、エンジンの回転が伝達されるプーリと圧縮機とを電磁クラッチを介して連結させ、更に圧縮機の反プーリ側の回転軸にモータを連結させたハイブリッドコンプレッサを用いたものが知られている(例えば、特許文献1)。これにより、エンジン停止時には、電磁クラッチを切断して、モータによって圧縮機を作動させることができ、エンジンの作動、停止にかかわらず冷凍サイクル装置の冷房機能を果たすようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−130323号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、エンジン駆動時および停止時に圧縮機の駆動源をエンジンあるいはモータに切換える電磁クラッチを必要としており、コスト的に高いものとなっている。また、両駆動源を使い分けて圧縮機を作動させるようにしているので、圧縮機の容量、体格はいずれかの駆動源の動力範囲で冷凍サイクル装置の最大熱負荷を満足するように決定されることになる。特に、エンジンを主体として駆動される圧縮機にとっては、例えば夏場の始動直後の急速冷房時(クールダウン時)の負荷が最大熱負荷となり、これに見合った容量、体格の設定がなされ、ひいては圧縮機の大型化を招いている。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に鑑み、エンジン停止時の冷房機能を確保しつつ、安価で且つ、圧縮機の小型化を可能とするハイブリッドコンプレッサ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0008】
請求項1に記載の発明では、走行中に一時停車した時に、エンジン(10)が停止される車両に適用されるものであって、エンジン(10)によって回転駆動されるプーリ(110)と、電源(20)の電力を受けて回転駆動すると共に、制御装置(160)によってその回転数が制御されるモータ(120)と、冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)とを有し、プーリ(110)およびモータ(120)の駆動力によって圧縮機(130)が作動されるハイブリッドコンプレッサ装置において、プーリ(110)、モータ(120)、圧縮機(130)の各回転軸(111、121、131)は、それぞれ独立して回転可能であり、各回転軸(111、121、131)は、他の回転軸(111、121、131)に対して回転数を可変して伝達する変速機構(150)に連結され、制御装置(160)は、モータ(120)の回転数を調整して、プーリ(110)の回転数に対して、圧縮機(130)の回転数を増減させるようにしたことを特徴としている。
【0009】
これにより、プーリ(110)の回転数に対して圧縮機(130)の回転数を増減させることで、圧縮機(130)の時間当たりの吐出量を可変可能とすることができる。クールダウン時のように冷凍サイクル装置(200)の熱負荷が最大となる時には、圧縮機(130)の回転数をプーリ(110)の回転数よりも上げることで吐出量を従来技術のものよりも増大できるので、予め圧縮機(130)の体格、吐出容量を小型に設定できる。また逆に、圧縮機(130)の回転数をプーリ(110)の回転数よりも下げることで圧縮機(130)の吐出量を減少でき、クールダウン後の通常走行時における冷凍サイクル装置(200)の熱負荷に応じた対応ができる。
【0010】
更に、アイドルストップによってエンジン(10)が停止し、プーリ(110)の回転数がゼロになった場合も、モータ(120)を作動させることで圧縮機(130)の作動が可能となるので、従来技術のように電磁クラッチを必要とせずに安価にアイドルストップ時の冷房機能の継続ができる。
【0011】
請求項2に記載の発明のように、変速機構(150)としては遊星歯車(150)を用いるのが好適であり、各回転軸(111、121、131)は、遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して連結されるようにすると良い。
【0012】
請求項3に記載の発明では、圧縮機(130)の回転軸(131)は、プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結されるようにしたことを特徴としている。
【0013】
これにより、遊星歯車(150)の各ギヤ、キャリヤ(151、152、153)の構成上より、圧縮機(130)の回転軸(131)の駆動力は、プーリ(110)の回転軸(111)の駆動力、およびモータ(120)の回転軸(121)の駆動力の両者を足し合わせたものとすることができるので、プーリ(110)のエネルギーにモータ(120)のエネルギーを加えた形で圧縮機(130)を作動させることができ、エンジン(10)の負荷が軽減できる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、プーリ(110)の回転軸(111)は、サンギヤ(151)に対応して連結され、モータ(120)の回転軸(121)は、リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしたことを特徴としている。
【0015】
これにより、各回転軸(111、121、131)と各ギヤ、キャリヤ(151、152、153)との連結が構造的にシンプルに形成でき、ハイブリッドコンプレサとして安価にすることができる。
【0016】
また、請求項1に記載の発明における作用効果にて説明したように、本発明においては圧縮機(130)の吐出量の可変が可能となることから、請求項5に記載の発明のように、固定容量型の圧縮機(130)で充分対応が可能であり、更に安価にすることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明では、プーリ(110)の回転軸(111)は、プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、モータ(120)の回転軸(121)は、サンギヤ(151)に対応して連結され、圧縮機(130)の回転軸(131)は、リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしたことを特徴としている。
【0018】
これにより、モータ(120)に対する圧縮機(130)の減速比を大きく取ることができるので、高回転、低トルク型のモータ(120)での対応を可能として小型で安価にすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、モータ(120)は、ロータ部(120a)外周に永久磁石(122)が配置されるSPモータ(120)であって、変速機構(150)は、ロータ部(120a)の内周側に収容されるようにしたことを特徴としている。
【0020】
これにより、ロータ部(120a)のスペースを有効に活用して、変速機構(150)を設置できるので、ハイブリッドコンプレッサ(101)として小型なものにすることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、プーリ(110)の回転軸(111)には、制御装置(160)によってエンジン(10)の駆動力が断続される断続手段(170)と、断続手段(170)の変速機構(150)側に配置され、プーリ(110)の回転方向にのみプーリ(110)の回転軸(111)の回転を許容する第1の一方向クラッチ(180)とが設けられ、制御装置(160)は、エンジン(10)が作動している時に、断続手段(170)を切断し、モータ(120)をプーリ(110)の回転方向とは逆回転方向に駆動させて、圧縮機(130)を作動させるようにしたことを特徴としている。
【0022】
これにより、プーリ(110)の回転軸(111)は、モータ(120)の駆動に伴い逆回転方向に作動しようとするが第1の一方向クラッチ(180)によってロックされるので、モータ(120)の駆動力を圧縮機(130)に伝達して圧縮機(130)を作動させることがでる。即ち、請求項6に記載の発明における作用効果に加えて、エンジン(10)作動時においても電源(20)の電力を用いてモータ(120)によって圧縮機(130)を作動させることが可能となり、エンジン(10)の稼働率を低減して燃費性能を向上することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明では、プーリ(110)の回転軸(111)は、プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、モータ(120)の回転軸(131)には、プーリ(110)の回転方向に対して逆回転方向にのみ回転を許容する第2の一方向クラッチ(190)が設けられたことを特徴としている。
【0024】
これにより、プーリ(110)の駆動力がモータ(120)に伝達される際に、モータ回転軸(121)はプーリ(110)と同一の回転方向に作動しようとするが第2の一方向クラッチ(190)によってロックされるので、この駆動力は圧縮機(130)のみに伝達されることになる。即ち、発電のためのモータ(120)への駆動力を不要としてエンジン(10)の負荷を低減して燃費性能を向上することができる。また、モータ(120)の発電作用が無くなるので、発電に関わる制御が不要となる。更には、圧縮機(130)の作動回転数を可変させるためにモータ(120)に電力を供給する必要が無くなり、電源(20)の消費を軽減できる。
【0025】
そして、請求項9に記載の発明において、請求項10に記載の発明のように、モータ(120)の回転軸(121)は、サンギヤ(151)に対応して連結され、圧縮機(130)の回転軸(131)は、リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしてやれば、モータ(120)に対する圧縮機(130)の減速比を大きく取ることができるので、高回転、低トルク型のモータ(120)での対応を可能として小型で安価にすることができる。
【0026】
請求項11に記載の発明では、モータ(120)停止時に、モータ(120)の回転軸(121)を拘束可能とするロック機構(190)を設け、制御装置(160)は、モータ(120)を停止し、プーリ(110)の駆動力によって圧縮機(130)が作動されている時に、圧縮機(130)に連結される変速機構(150)の構成部材(153)が回転することによって生ずるモータ(120)の洩れ磁束変動を、モータ(120)のコイル(123a)の誘起電圧変化として検出することを特徴としている。
【0027】
通常、モータ(120)によって圧縮機(130)が作動される場合は、圧縮機(130)にロック等の異常があるとモータ(120)の電流値でその異常を検出可能となるが、モータ(120)が非作動時においてはその検出ができず、新たに他の検出手段が必要となる。ここでは、圧縮機(130)がロック等の異常を起こした場合、構成部材(153)の回転が低下するあるいはゼロとなり、誘起電圧変化が小さくなるので、他の特別な検出手段を必要とせずに誘起電圧変化を活用して圧縮機(120)の異常検出が可能となる。
【0028】
そして、洩れ磁束変動は、請求項12に記載の発明のように、構成部材(153)に設けられ、モータ(120)の永久磁石(122)の内径側で凹凸状を成す少なくとも1組の凹凸部(153a、153b)によって生ずるようにすることで容易に対応が可能である。
【0029】
これは、請求項13に記載の発明のように、変速機構(150)が遊星歯車(150)であり、構成部材(153)を遊星歯車(150)のリングギヤ(153)とすれば、モータ(120)の永久磁石(122)の内径側に近接して設定可能なリングギヤ(153)の外周部に凹凸部(153a、153b)を設けることで容易に対応できる。
【0030】
また、請求項14に記載の発明のように、プーリ(110)の回転軸(111)は、プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、モータ(120)の回転軸(121)は、サンギヤ(151)に対応して連結されるようにしてやれば、モータ(120)に対する圧縮機(130)の減速比を大きく取ることができるので、高回転、低トルク型のモータ(120)での対応を可能として小型で安価にすることができる。
【0031】
更に、請求項15に記載の発明では、プーリ(110)の回転軸(111)には、制御装置(160)によってエンジン(10)の駆動力が断続される断続手段(170)が設けられ、制御装置(160)は、検出した誘起電圧変化の大きさが所定値よりも小さい場合に、断続手段(170)を切断するようにしたことを特徴としている。
【0032】
これにより、圧縮機(130)にロック等の異常があると判断され、エンジン(10)に過大な負荷がかかることが回避できるので、エンジン(10)を保護することができる。
【0033】
請求項16に記載の発明のように、対象とする車両は、走行用モータを有し、走行中であっても所定の走行条件に応じてエンジン(10)が停止されるモードを含む車両としても良い。
【0034】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図5に示し、まず、具体的な構成について図1〜図3を用いて説明する。
【0036】
ハイブリッドコンプレッサ装置100は、走行運転中一時停車した時にエンジン10が停止されるいわゆるアイドルストップ車両に搭載される冷凍サイクル装置200に適用されるものとしており、ハイブリッドコンプレッサ101と制御装置160とから成る。
【0037】
冷凍サイクル装置200は、周知の冷凍サイクルを形成するものであり、後述するハイブリッドコンプレッサ101を構成する圧縮機130が配設されている。圧縮機130は、この冷凍サイクル内の冷媒を高温高圧に圧縮するものであり、以下、圧縮された冷媒を凝縮液化する凝縮器210、液化された冷媒を断熱膨張させる膨張弁220、膨張した冷媒を蒸発させ、その蒸発潜熱により自身を通過する空気を冷却する蒸発器230が冷媒配管240によって順次接続され閉回路を形成している。尚、蒸発器230の空気流れ下流側には、冷凍サイクル装置200の熱負荷を把握する代表値として、冷却された空気温度(蒸発器後方空気温度Te)を検出するための蒸発器温度センサ231が設けられている。
【0038】
ハイブリッドコンプレッサ101は、主にプーリ110、ハウジング140内に収容されるモータ120および圧縮機130とから成る。更に具体的な構成について、図2を用いて説明すると、プーリ110は中心部にプーリ回転軸111が設けられ、エンドハウジング142に設けられた軸受け112、113によって回転可能に支持され、エンジン10の駆動力がベルト11を介して伝達され回転駆動するようにしている。
【0039】
また、モータ120は、後述する遊星歯車150を構成するリングギヤ153の外周に固定されてロータ部を形成するマグネット122と、ハウジング140の内周面に固定されたステータ123とから成る。このモータ120においては、マグネット122、即ちリングギヤ153の中心部に架空上のものと成るモータ回転軸(一点鎖線)121を有している。そして、電源としてのバッテリ20からの電力がステータ123に供給されることによりマグネット122は回転駆動される。
【0040】
更に、圧縮機130は、ここでは1回転当りの吐出容量が所定値として設定されている固定容量型圧縮機、更に具体的には周知のスクロール式圧縮機としており、ハウジング140に固定される固定スクロール136と、圧縮機回転軸131の先端に設けられた偏心シャフト134によって公転する可動スクロール135とを有している。圧縮機回転軸131は仕切り板141に設けられた軸受け132によって回転可能に支持されている。そして、ハウジング140に設けられた吸入口143から吸入されて、仕切り板141に設けられた連通孔144を流通する冷媒を圧縮室137で圧縮し、吐出室138を経て吐出口139から吐出するようにしている。因みに、吸入される冷媒がモータ120に触れることにより、このモータ120に対する冷却効果を与え、モータ120の耐久性を向上させるようにしている。
【0041】
本発明においては、後述するように冷凍サイクル装置200の熱負荷に応じて、プーリ110とモータ120との併用作動によって圧縮機130を作動させるようにしており、圧縮機130の容量、体格は、単体状態で最大熱負荷時に必要とされる容量、体格よりも小さいもの(従来技術設定の1/2〜1/3程度)として予め設定している。
【0042】
そして、本発明の特徴として、上記プーリ110、モータ120、圧縮機130の各回転軸111、121、131が、ハウジング140内に設けられた変速機構としての遊星歯車150に連結される構成としている。遊星歯車150は、周知のものであって、図3に示すように、中心部に設けられたサンギヤ151と、サンギヤ151の外周で自転しつつ公転するピニオンギヤ152aに連結されるプラネタリーキャリヤ152と、ピニオンギヤ152aの更に外周に設けられたリング状のリングギヤ153とから成る。遊星歯車150の回転駆動時における各ギヤ、キャリヤ151、152、153の駆動トルクは、プラネタリーキャリヤトルク=サンギヤトルク+リングギヤトルクの関係となる。
【0043】
ここでは、プーリ回転軸111は、サンギヤ151に連結され、モータ回転軸121(架空上の一点鎖線)は上記説明のようにリングギヤ153に連結され、圧縮機回転軸131は、プラネタリーキャリヤ152に連結されるようにしている。
【0044】
一方、制御装置160は、A/C要求信号、蒸発器温度センサ231の温度信号、エンジン回転数信号等が入力されて、これらの信号に基づいて上記モータ120の作動を制御するものとしている。具体的には、バッテリ20からの電力を可変して、モータ120の作動回転数を可変させる。
【0045】
また、制御装置160は、図4(a)に示す制御特性に基づいて、冷凍サイクル装置200の熱負荷に対応する圧縮機130の冷媒吐出量を決定し、図4(b)に示す制御特性図に基づいて、この吐出量を確保するための圧縮機130の回転数を決定する。因みに、吐出量は圧縮機130の1回転当りの吐出容量に回転数を乗じて得られる時間当たりの吐出量であり、回転数が増加するに従って吐出量も増加する。更には図5に示す遊星歯車150における共線図に基づいて、プーリ110の回転数と圧縮機130の回転数とからモータ120の回転数を決定する(共線図に基づく詳細作動については後述する)。
【0046】
次に、上記構成に基づく作動について説明する。本発明におけるハイブリッドコンプレッサ101は、プーリ110の回転駆動力によって圧縮機130が作動される中で、モータ120の回転数を制御装置160によって調整することによって、遊星歯車150を介して、圧縮機130の作動回転数をプーリ110の回転数に対して増減させるようにしている。
【0047】
図5は、遊星歯車150にそれぞれ連結されたプーリ110、モータ120、圧縮機130の回転数の関係を示す共線図である。共線図は、周知のように横軸に各ギヤ、キャリヤ(左からサンギヤ151、プラネタリーキャリヤ152、リングギヤ153)の座標位置が示され、各座標位置には、上記したようにそれぞれのギヤ、キャリヤ151、152、153に連結されるプーリ110、圧縮機130、モータ120が対応している。また、横軸座標の間隔はサンギヤ151とリングギヤ153とのギヤ比λによって決定される。ここではギヤ比λを0.5と設定している。そして、縦軸には、各ギヤ、キャリヤ151、152、153の回転数が示され、各回転数は3者が直線で結ばれる関係となる。
【0048】
制御装置160は、エンジン10の回転数信号からプーリ比を用いてプーリ110の回転数を算出する。そして、冷凍サイクル装置200の熱負荷から必要とされる圧縮機130の吐出量を確保するための圧縮機130の回転数を決定する(上記した図4(a)(b))。そして、共線図上においてプーリ回転数と圧縮機回転数とから直線で結ばれるモータ120の回転数を決定し、その回転数でモータ120を作動させる。
【0049】
更に、冷凍サイクル装置200の熱負荷の違いや車両の走行状態の違いにおけるモータ120の制御について図5を用いて具体的に説明する。
【0050】
冷凍サイクル装置200の熱負荷が最大となるクールダウン時においては、図5(ア)に示すように、モータ回転数を高くすることによって、圧縮機回転数をプーリ回転数よりも高くして吐出量を増大させ、高負荷での対応を可能としている。
【0051】
クールダウン終了後の通常走行時においては、上記のような吐出量は不要であり、図5(イ)に示すように、モータ120の回転数を下げることにより、圧縮機回転数をプーリ回転数よりも低くして通常走行時に必要とされる吐出量まで減少させる。
【0052】
更に、熱負荷が下がって、吐出量が過剰になれば、図5(ウ)に示すように、モータ120の作動を逆回転側に作動させ(実際には圧縮機130に連結されるプラネタリーキャリヤ152から力を受けて逆回転方向に回転し発電作用となる)、圧縮機130の回転数をゼロにして、吐出量をゼロにする。ここでは、従来技術のような電磁クラッチを用いずともモータ回転数の調整で吐出量ゼロの設定が可能である。
【0053】
また、高速走行時においては、図5(エ)に示すように、モータ回転数を逆回転側に作動させることで、圧縮機回転数を図5(イ)の場合と同様に保持して、通常走行時の熱負荷と同等の吐出量を確保して冷房を継続する。尚、図5(ウ)(エ)の場合においては、モータ120の逆回転作動により発電作用を伴うので、バッテリ20への充電が可能である。
【0054】
一方、アイドルストップ車両として停車中にエンジン10が停止した場合、即ちプーリ回転数がゼロになった場合は、図5(オ)に示すように、モータ回転数を中間レベルで作動させることにより、圧縮機回転数を図5(イ)の場合と同等に保持して吐出量を確保して冷凍サイクル装置200の作動を継続する。
【0055】
以上の構成および作動説明より、本発明における作用効果について説明する。まず、モータ120の回転数を調整することでプーリ110の回転数に対して圧縮機130の回転数を増減させ、圧縮機130の吐出量を可変可能とすることができる。クールダウン時のように冷凍サイクル装置200の熱負荷が最大時には、圧縮機130の回転数をプーリ110の回転数よりも上げることで吐出量を従来技術のものよりも増大できるので、予め圧縮機130の体格、吐出容量を小型に設定できる。また逆に、圧縮機130の回転数をプーリ110の回転数よりも下げることで圧縮機130の吐出量を減少でき、クールダウン後の通常走行時における冷凍サイクル装置200の熱負荷に応じた対応ができる。
【0056】
更に、アイドルストップによってエンジン10が停止し、プーリ110の回転数がゼロになった場合も、モータ120を作動させることで圧縮機130の作動が可能となるので、従来技術のように電磁クラッチを必要とせずに安価にアイドルストップ時の冷房機能の継続ができる。
【0057】
尚、圧縮機回転軸131をプラネタリーキャリヤ152に連結するようにしているので遊星歯車150の各ギヤ、キャリヤ151、152、153の構成上より、圧縮機回転軸131の駆動力は、プーリ回転軸111の駆動力、およびモータ回転軸121の駆動力の両者を足し合わせたものとすることができるので、プーリ110のエネルギーにモータ120のエネルギーを加えた形で圧縮機130を作動させることができ、エンジン10の負荷が軽減できる。
【0058】
更には、プーリ回転軸111をサンギヤ151に、モータ回転軸121をリングギヤ153に連結するようにしているので、各回転軸111、121、131と各ギヤ、キャリヤ151、152、153との連結が構造的にシンプルに形成でき、ハイブリッドコンプレサ101として安価にすることができる。
【0059】
尚、本発明においてはモータ120の回転数の調整によって圧縮機130の吐出量の可変が可能となることから、固定容量型の圧縮機130で充分対応が可能であり、更に安価にすることができる。
【0060】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6、図7に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、遊星歯車150をモータ120のロータ部120a内に収容し、各回転軸111、121、131と遊星歯車150との連結を変更すると共に、電磁クラッチ170、一方向クラッチ(第1の一方向クラッチ)180を追加したものとしている。
【0061】
ここではモータ120は、ロータ部120aとして外周部にマグネット(永久磁石)122が設けられるいわゆるSPモ−タ(Surface Permanent−magnet Motor)としている。そして、ロータ部120aの内周側のスペースを活用して遊星歯車150を収容している。
【0062】
また、遊星歯車150の各ギヤ、キャリヤ151、152、153と各回転軸111、121、131との連結を以下のようにしている。即ち、プーリ回転軸111をプラネタリーキャリヤ152に連結し、モータ回転軸121、即ちロータ部120aをサンギヤ151に連結し、圧縮機回転軸131をリングギヤ153に連結している。尚、ロータ部120aおよびリングギヤ153とプーリ回転軸111とは、軸受け114によって互いに独立して回転可能としている。
【0063】
更に、プーリ回転軸111には電磁クラッチ170および一方向クラッチ180を設けるようにしている。電磁クラッチ170は、エンジン10の駆動力を断続する断続手段を成すもので、コイル171とハブ172とから成り、ハブ172はプーリ回転軸111に固定されている。周知のようにコイル171に通電することによってハブ172がプーリ110に吸着し(クラッチON)、プーリ回転軸111はプーリ110と共に回転駆動する。また、コイル171への通電を遮断するとハブ172およびプーリ回転軸111はプーリ110から離れる(クラッチOFF)。この電磁クラッチ170の断続は、制御装置160によって行われる。
【0064】
一方向クラッチ180は、電磁クラッチ170に対して、プーリ軸111の遊星歯車150側に配置されて、ハウジング140に固定されている。そして、一方向クラッチ180は、プーリ回転軸111のプーリ110回転方向のみの回転駆動を許容し、逆回転方向の回転駆動を阻止する。
【0065】
次に、上記構成に基づく作動について図7を用いて説明する。まず、最も圧縮機能力が必要とされるクールダウン時においては、電磁クラッチ170はONされ、プーリ110の駆動力はプーリ回転軸111から遊星歯車150を介して圧縮機回転軸131に伝達され、圧縮機130は作動される。(一方向クラッチ180は空転する。)この時、図7(カ)に示すように、モータ120をプーリ110の回転方向とは逆回転方向に作動させることにより、圧縮機回転数をプーリ回転数よりも高くして吐出量を増大させる。尚、モータ回転数を上げるように作動させてやると、圧縮機回転数は上昇する。
【0066】
クールダウンの後の通常冷房時においては、電磁クラッチ170をONの状態として主にプーリ110の駆動力でモータ120および圧縮機130を作動させる。(一方向クラッチ180は空転する。)この時、モータ120と圧縮機130とでは圧縮機130の方が圧縮仕事を行っている分作動トルクが大きいため、図7(キ)に示すように、プーリ回転数に対して、圧縮機130は低回転側となり吐出量を減少させる。一方、モータ120は、プーリ回転数に対して高回転側で発電機として作動することになり、バッテリ20への充電を可能とする。尚、モータ回転数を下げるように作動させてやると、圧縮機回転数は上昇する。
【0067】
更に、エンジン10が停止された場合は、電磁クラッチ170がOFFされ、モータ120の駆動力によって圧縮機130が作動される。この時は、図7(ク)に示すように、モータ120を逆回転方向に駆動させることで、プーリ回転軸111が同様に逆回転方向に作動しようとし、一方向クラッチ180によってロックされ、モータ120の駆動力は圧縮機130に伝達される。ここではモータ回転数を増減することで圧縮機回転数は増減する。
【0068】
尚、エンジン10が作動中であっても、電磁クラッチ170をOFFすることで、上記エンジン10停止時と同様にモータ120を逆回転方向に駆動させることによって、圧縮機130を作動させることができる。
【0069】
以上のように、本実施形態ではモータ120をSPモータとしているので、ロータ部120aのスペースを有効に活用して遊星歯車150を設置でき、ハイブリッドコンプレッサ101として小型なものにすることができる。
【0070】
また、各回転軸111、121、131をそれぞれ遊星歯車150のプラネタリーキャリヤ152、サンギヤ151、リングギヤ153に連結するようにしているので、モータ120に対する圧縮機130の減速比を大きく取ることができ、高回転、低トルク型のモータ120での対応を可能として小型で安価にすることができる。
【0071】
更には、コスト面では上記第1実施形態よりも高くなるものの、電磁クラッチ170と一方向クラッチ180とを設けるようにしているので、冷凍サイクル装置200の熱負荷が低く、バッテリ20の容量が十分に確保されていれば、エンジン10作動時においてもバッテリ20の電力を用いてモータ120によって圧縮機130を作動させて対応することが可能となり、エンジン10の稼働率を低減して燃費性能を向上することができる。
【0072】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図8、図9に示す。第3実施形態は、上記第2実施形態に対して、もう一つの一方向クラッチ(第2の一方向クラッチ)190を追加したものである。
【0073】
ここではモータ回転軸121に、プーリ110の回転方向に対して逆回転方向のみ回転を許容する一方向クラッチ190を設けている。具体的には、モータ120のロータ部120aとハウジング140との間に一方向クラッチ190を設けるようにしている。
【0074】
このハイブリッドコンプレッサ101の作動は、上記第2実施形態におけるクールダウン時、クールダウン後の通常冷房時、エンジン10停止時、エンジン10作動時のうち、クールダウン後の通常冷房時の作動が異なる。
【0075】
即ち、上記第2実施形態では図9(キ)(これは図7(キ)と同一)に示すように、プーリ110の駆動力によってモータ120および圧縮機130が作動されていたものに対して、ここでは図9(ケ)で示すように、一方向クラッチ190によってモータ120はプーリ110の回転方向に対してはロックされ、停止状態(回転数はゼロ)となる。これに伴いプーリ110の駆動力はすべて圧縮機130に伝達され、プーリ回転数に対して増速されて作動する。
【0076】
これにより、発電のためのモータ120への駆動力を不要としてエンジン10の負荷を低減して燃費性能を向上することができる。また、モータ120の発電作用が無くなるので、発電に関わる制御が不要となる。更には、圧縮機130の作動回転数を可変させるためにモータ120に電力を供給する必要が無くなり、バッテリ20の消費を軽減できる。
【0077】
尚、モータ回転軸121と圧縮機回転軸131との遊星歯車150に対する連結は互いの位置を入れ替えても同様の効果を得ることができる。
【0078】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態を図10〜図13に示す。第4実施形態は、上記第3実施形態に対して、圧縮機130の異常作動検出機能およびエンジン10への保護機能を持たせたものである。
【0079】
構成としては、上記第3実施形態(図8)に対して、圧縮機回転軸131が連結されるリングギヤ153の外周部に、図10に示すように、凹部150aおよび凸部150b(以下、凹凸部150a、150b)を設けたものとしている。尚、ここではリングギヤ153は、本発明の変速機構の構成部材に対応する。
【0080】
図11に示すように、モータ120のロータ部120aとステータ123との間には磁束が回っている。しかし微量ではあるがロータ部120aの内径側とステータ123の外径側に磁束が洩れる。この洩れ磁束が発生している状態で凹凸部150a、150bが形成されたリングギヤ153が回転すると、凹凸部150a、150bが通過するたびにロータ部120aの内径側において磁気抵抗が変化することになり、ステータ123内部の磁束変化が発生する。するとステータ123のコイル123aの両端には以下の数式1で示す誘起電圧Vが発生する。
【0081】
【数1】
V=N×dφ/dt
ここで、Nはコイル123aの巻数、φは磁束、tは時間である。
【0082】
図12はFEM解析によるコイル123aの両端の電圧変動計算結果を示すものであり、圧縮機130の回転数が2000rpmという低い状態(作動時における下限値レベル)でも制御装置160で検出可能な電圧変動が得られている。
【0083】
次に、この誘起電圧Vを検出してエンジン10を保護するための制御について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS401でA/CがONか否か(A/C要求信号があるか否か)を判定し、ONであればステップS402でエンジン10が運転状態にあるか否かを判定する。尚、ステップS401で否と判定すれば、このフローは終了し、スタートから繰り返す。
【0084】
ステップS402でエンジン10が運転状態にあると判定すると、ステップS403でモータ120単独で圧縮機130を作動させる必要があるか否かを判定する。これは、冷凍サイクル装置200の熱負荷を基に判定基準を設けており、熱負荷を高い順からクールダウン時、通常時、低負荷時に分けた時に、クールダウン時はエンジン10とモータ120での駆動、通常時はエンジン10単独駆動、低負荷時はモータ120単独駆動と対応するようにしている。
【0085】
ステップS403で否、即ち熱負荷が高くモータ120での単独駆動ではないと判定すると、ステップS404で待機状態(ここでは圧縮機130の回転数が上昇安定するまでの0.5秒としている)を維持して、ステップS405で電磁クラッチ170をONさせる。
【0086】
更に、ステップS406でエンジン10単独で圧縮機130を作動させる必要があるか否かを判定する。つまり上記のように熱負荷が通常時レベルにあり、エンジン10での単独駆動要と判定すると、ステップS407でモータ120を停止し、エンジン10の駆動力によって圧縮機130を作動させる。尚、モータ120の停止は、上記第3実施形態で説明したように(図9)、一方向クラッチ190(本発明のロック機構に対応する)により、モータ回転軸121がロックされ停止状態となった時に、更にモータ120への通電を停止させることを意味する。
【0087】
そして、ステータ123のコイル123aに発生する誘起電圧変化の大きさが予め定めた基準値(所定値)以上あるか否かを判定し、否の場合(誘起電圧変化量が基準値よりも小さい場合)は、リングギヤ153に連結された圧縮機130が本来の回転数で作動していないことになり、ステップS409で電磁クラッチ170をOFFにする。尚、ステップS408で誘起電圧変化量が基準値以上あれば、圧縮機130は正常に作動しており、そのままエンジン10による駆動が継続される。
【0088】
一方、ステップS402でエンジン10が停止状態と判定し、ステップS403でモータ120での単独駆動要であると判定すると、ステップS410で電磁クラッチ170をOFFにし、ステップS411でモータ120をONし、圧縮機130を作動させる。この時、ステップS412で圧縮機130の作動異常について、モータ120に供給される電流値によって検出を行う。また、ステップS406でエンジン10での単独駆動ではないと判定すると、ステップS411でモータ120をONし、エンジン10とモータ120とで圧縮機を作動させ、ステップS412でモータ120の電流値よる異常検出を行う。
【0089】
通常、モータ120によって圧縮機130が作動される場合は、圧縮機130にロック等の異常があるとモータ120の電流値でその異常を検出可能となるが(ステップS412)、モータ120が非作動時(ステップS407)においてはその検出ができず、新たに他の検出手段が必要となる。ここでは、圧縮機130がロック等の異常を起こした場合、連結されたリングギヤ153の回転が低下するあるいはゼロとなり、誘起電圧変化が小さくなるので、他の特別な検出手段を必要とせずに誘起電圧変化を活用して圧縮機120の異常検出が可能となる。
【0090】
また、圧縮機回転軸131をリングギヤ153に連結し、このリングギヤ153の外周部に凹凸部153a、153bを設けるようにしているので、この凹凸部153a、153bをモータ120の永久磁石122の内径側に近接させて、容易に誘起電圧変化の検出を可能としている。
【0091】
更に、検出した誘起電圧変化量が基準値より小さい場合、即ち圧縮機130のロック等の異常があった場合に、電磁クラッチ170をOFFにするようにしているので、エンジン10に過大な負荷がかかることが回避でき、エンジン10を保護することができる。
【0092】
尚、本第4実施形態において、遊星歯車150と各回転軸121、131の連結方法、および凹凸部150a、150bの形成方法を図14に示すようにしても良い。即ち、モータ回転軸121をリングギヤ153に連結し、圧縮機回転軸131をサンギヤ151に連結する。そして、圧縮機回転軸131にロータ131aを形成し、ロータ131aの外周側が永久磁石122(ロータ部120a)の内径側に位置するようにして、ここに凹凸部150a、150bを設ける訳である。この場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
【0093】
(その他の実施形態)
上記第1〜第4実施形態では変速機構として遊星歯車150を適用するものとして説明したが、遊星歯車150に代えて遊星ローラやディファレンシャルギヤ等としても良い。
【0094】
また、遊星歯車150の各ギヤ、キャリヤ151、152、153とプーリ110、モータ120、圧縮機130の各回転軸111、121、131との連結は、上記第1〜第4実施形態に限定されること無く、他の組み合わせとしても良い。とりわけ、プーリ110の駆動トルクとモータ120の駆動トルクとを足し合わせた形で圧縮機130に伝達できるものとして、上記第1実施形態に対して、サンギヤ151にモータ回転軸121、プラネタリーキャリヤ152に圧縮機回転軸131、リングギヤ153にプーリ回転軸111を連結するようにしても良い。
【0095】
また、圧縮機130は、固定容量型のものの中でもスクロール式のものに限らず、ピストン式やスルーベーン式のもの等としても良い。尚、コスト面では固定容量型のものが好適である旨を説明したが、これに代えて可変容量型のものとしても良く、これによれば、更に吐出量の可変幅を拡大できる。
【0096】
更に、対象とする車両としては、走行用モータを有し、走行中においても所定の走行条件に応じてエンジン10が停止されるいわゆるハイブリッド車両としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を冷凍サイクル装置に適用した全体構成を示す模式図である。
【図2】図1における第1実施形態のハイブリッドコンプレッサを示す断面図である。
【図3】図2におけるA方向から見た場合の遊星歯車を示す正面図である。
【図4】(a)は熱負荷に対する圧縮機吐出量を示す制御特性図、(b)は圧縮機回転数に対する圧縮機吐出量を示す制御特性図である。
【図5】プーリ、圧縮機、モータの作動回転数を示す共線図である。
【図6】第2実施形態におけるハイブリッドコンプレッサを示す断面図である。
【図7】第2実施形態におけるプーリ、圧縮機、モータの作動回転数を示す共線図である。
【図8】第3実施形態におけるハイブリッドコンプレッサを示す断面図である。
【図9】第3実施形態におけるプーリ、圧縮機、モータの作動回転数を示す共線図である。
【図10】第4実施形態における遊星歯車の凹凸部を示す正面図である。
【図11】モータ部における磁束および洩れ磁束を模式的に示す拡大図である。
【図12】時間に対する誘起電圧変化を示すグラフである。
【図13】誘起電圧変化の検出およびエンジン保護のための制御を示すフローチャートである。
【図14】第4実施形態におけるハイブリッドコンプレッサの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 エンジン
20 バッテリ(電源)
100 ハイブリッドコンプレッサ装置
110 プーリ
111 プーリ回転軸
120 モータ
120a ロータ部
121 モータ回転軸
122 マグネット(永久磁石)
123a コイル
130 圧縮機
131 圧縮機回転軸
150 遊星歯車(変速機構)
150a 凹部
150b 凸部
151 サンギヤ
152 プラネタリーキャリヤ
153 リングギヤ
160 制御装置
170 電磁クラッチ(断続手段)
180 一方向クラッチ(第1の一方向クラッチ)
190 一方向クラッチ(第2の一方向クラッチ、ロック機構)
200 冷凍サイクル装置

Claims (16)

  1. 走行中に一時停車した時に、エンジン(10)が停止される車両に適用されるものであって、
    前記エンジン(10)によって回転駆動されるプーリ(110)と、
    電源(20)の電力を受けて回転駆動すると共に、制御装置(160)によってその回転数が制御されるモータ(120)と、
    冷凍サイクル装置(200)内の冷媒を圧縮する圧縮機(130)とを有し、
    前記プーリ(110)および前記モータ(120)の駆動力によって前記圧縮機(130)が作動されるハイブリッドコンプレッサ装置において、
    前記プーリ(110)、前記モータ(120)、前記圧縮機(130)の各回転軸(111、121、131)は、それぞれ独立して回転可能であり、
    前記各回転軸(111、121、131)は、他の前記回転軸(111、121、131)に対して回転数を可変して伝達する変速機構(150)に連結され、
    前記制御装置(160)は、前記モータ(120)の回転数を調整して、前記プーリ(110)の回転数に対して、前記圧縮機(130)の回転数を増減させるようにしたことを特徴とするハイブリッドコンプレッサ装置。
  2. 前記変速機構(150)は、遊星歯車(150)であり、
    前記各回転軸(111、121、131)は、前記遊星歯車(150)を構成するサンギヤ(151)、プラネタリーキャリヤ(152)、リングギヤ(153)のいずれかに対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  3. 前記圧縮機(130)の回転軸(131)は、前記プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  4. 前記プーリ(110)の回転軸(111)は、前記サンギヤ(151)に対応して連結され、
    前記モータ(120)の回転軸(121)は、前記リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  5. 前記圧縮機(130)は、一回転当りの吐出容量が所定値に設定されている固定容量型圧縮機(130)としたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  6. 前記プーリ(110)の回転軸(111)は、前記プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、
    前記モータ(120)の回転軸(121)は、前記サンギヤ(151)に対応して連結され、
    前記圧縮機(130)の回転軸(131)は、前記リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  7. 前記モータ(120)は、ロータ部(120a)外周に永久磁石(122)が配置されるSPモータ(120)であって、
    前記変速機構(150)は、前記ロータ部(120a)の内周側に収容されるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  8. 前記プーリ(110)の回転軸(111)には、前記制御装置(160)によって前記エンジン(10)の駆動力が断続される断続手段(170)と、
    前記断続手段(170)の前記変速機構(150)側に配置され、前記プーリ(110)の回転方向にのみ前記プーリ(110)の回転軸(111)の回転を許容する第1の一方向クラッチ(180)とが設けられ、
    前記制御装置(160)は、前記エンジン(10)が作動している時に、前記断続手段(170)を切断し、前記モータ(120)を前記プーリ(110)の回転方向とは逆回転方向に駆動させて、前記圧縮機(130)を作動させるようにしたことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  9. 前記プーリ(110)の回転軸(111)は、前記プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、
    前記モータ(120)の回転軸(131)には、前記プーリ(110)の回転方向に対して逆回転方向にのみ回転を許容する第2の一方向クラッチ(190)が設けられたことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  10. 前記モータ(120)の回転軸(121)は、前記サンギヤ(151)に対応して連結され、
    前記圧縮機(130)の回転軸(131)は、前記リングギヤ(153)に対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  11. 前記モータ(120)停止時に、前記モータ(120)の回転軸(121)を拘束可能とするロック機構(190)を設け、
    前記制御装置(160)は、前記モータ(120)を停止し、前記プーリ(110)の駆動力によって前記圧縮機(130)が作動されている時に、前記圧縮機(130)に連結される前記変速機構(150)の構成部材(153)が回転することによって生ずる前記モータ(120)の洩れ磁束変動を、前記モータ(120)のコイル(123a)の誘起電圧変化として検出することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  12. 前記洩れ磁束変動は、前記構成部材(153)に設けられ、前記モータ(120)の永久磁石(122)の内径側で凹凸状を成す少なくとも1組の凹凸部(153a、153b)によって生ずるようにしたことを特徴とする請求項11に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  13. 前記変速機構(150)は、遊星歯車(150)であり、前記構成部材(153)は、前記遊星歯車(150)のリングギヤ(153)としたことを特徴とする請求項12に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  14. 前記プーリ(110)の回転軸(111)は、前記プラネタリーキャリヤ(152)に対応して連結され、
    前記モータ(120)の回転軸(121)は、前記サンギヤ(151)に対応して連結されるようにしたことを特徴とする請求項13に記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  15. 前記プーリ(110)の回転軸(111)には、前記制御装置(160)によって前記エンジン(10)の駆動力が断続される断続手段(170)が設けられ、
    前記制御装置(160)は、検出した前記誘起電圧変化の大きさが所定値よりも小さい場合に、前記断続手段(170)を切断するようにしたことを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
  16. 前記車両は、走行用モータを有し、走行中であっても所定の走行条件に応じて前記エンジン(10)が停止されるモードを含むことを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載のハイブリッドコンプレッサ装置。
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