JP2019002319A - ハイブリッド圧縮機 - Google Patents

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博匡 島口
Hirotada Shimaguchi
博匡 島口
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Abstract

【課題】軸受の構成を簡素化し、小型化をはかることができるハイブリッド圧縮機を提供する。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機本体と、外歯歯車で構成された第1の太陽歯車と、外歯歯車で構成された第2の太陽歯車と、遊星キャリヤと、外歯歯車で構成された第1の遊星歯車と外歯歯車で構成され第2の遊星歯車とがお互いに一体化して構成された第1・第2の遊星歯車とを備えて構成されており、前記圧縮機本体が稼働するための回転力を、回転数を変えて前記圧縮機本体に与える遊星歯車機構とを有し、前記第1の太陽歯車と前記第1の遊星歯車とが噛み合っており、前記第2の太陽歯車と前記第2の遊星歯車とが噛み合っているハイブリッド圧縮機である。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド圧縮機に係り、特に、遊星歯車機構を用いて圧縮機本体を稼働させ冷媒を圧縮するものに関する。
従来、エンジンによって回転駆動されるプーリと、回転数が制御されるモータと、冷媒を圧縮する圧縮機(圧縮機本体)とを有し、プーリおよびモータの駆動力によって圧縮機本体が作動するハイブリッドコンプレッサ装置(ハイブリッド圧縮機)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この従来のハイブリッド圧縮機では、プーリ、モータ、圧縮機の各回転軸が回転可能であり、各回転軸が遊星歯車機構に連結されており、プーリの回転数に対して、モータの回転数を調整することで、圧縮機の回転数を増減させるようになっている。
特許3922448号公報
ところで、従来のハイブリッド圧縮機では、遊星歯車機構が、内側が中空になっている内歯歯車と、中空の遊星キャリヤとを備えているので、軸受の構成が複雑になり、ハイブリッド圧縮機が大きくなってしまという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸受の構成を簡素化し、小型化をはかることができるハイブリッド圧縮機を提供することを目的とする。
本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機本体と、外歯歯車で構成された第1の太陽歯車と、外歯歯車で構成された第2の太陽歯車と、遊星キャリヤと、外歯歯車で構成された第1の遊星歯車と外歯歯車で構成され第2の遊星歯車とがお互いに一体化して構成された第1・第2の遊星歯車とを備えて構成されており、前記圧縮機本体が稼働するための回転力を、回転数を変えて前記圧縮機本体に与える遊星歯車機構とを有し、前記第1の太陽歯車と前記第1の遊星歯車とが噛み合っており、前記第2の太陽歯車と前記第2の遊星歯車とが噛み合っているハイブリッド圧縮機である。
本発明によれば、軸受の構成を簡素化し、小型化をはかることができるハイブリッド圧縮機を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係るハイブリッド圧縮機の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るハイブリッド圧縮機に設けられる遊星歯車機構の斜視図である。 本発明の実施形態に係るハイブリッド圧縮機の遊星歯車機構の遊星キャリヤに設けられる潤滑油排出孔の位置を示す図である。
本発明の実施形態に係るハイブリッド圧縮機(インバータ一体型ハイブリッドコンプレッサ)1は、たとえば、車両に搭載されて使用されるものであり、車両のエアーコンディショナに使用される冷媒を圧縮するものであり、図1で示すように、冷媒を圧縮する圧縮機本体3と圧縮機本体3を駆動するための圧縮機駆動部5とを備えて構成されている。
ここで、説明の便宜のために、ハイブリッド圧縮機1における所定の一方向を前後方向(軸方向)とし、この前後方向に対して直交する方向を径方向とする。
圧縮機本体3と圧縮機駆動部5とは、圧縮機駆動部5が前側に位置し、圧縮機本体3が後側に位置して、お互いが接して一体化している。圧縮機駆動部5は、筐体(駆動部筐体)7を備えており、圧縮機本体3は、筐体(圧縮機筐体)9を備えている。
圧縮機駆動部5は、動力伝達部11とインバータ13と遊星歯車機構15とモータ17とを備えて構成されている。
動力伝達部11は、駆動部筐体7の前端部に設けられており、インバータ13は、駆動部筐体7の内部であって動力伝達部11の後方で動力伝達部11の隣に配置されている。遊星歯車機構15は、駆動部筐体7の内部であってインバータ13の後方でインバータ13の隣に配置されている。モータ17は、駆動部筐体7の内部であって遊星歯車機構15の後方で遊星歯車機構15の隣に配置されている。
遊星歯車機構15の第1の太陽歯車(第1の回転力入力部)21には、動力伝達部11からの回転力が入力されるようになっている。モータ17は、インバータにより回転数を変えて回転子(ロータ)19が回転するようになっている。また、遊星歯車機構15の遊星キャリヤ(第2の回転力入力部)23に回転力が入力されるようになっている。
圧縮機本体3は、駆動部筐体7の後方でモータ17の隣に配置されており、遊星歯車機構の第2の太陽歯車(回転力出力部)25の回転力によって駆動するようになっている。
遊星歯車機構15を用いることで、動力伝達部11で入力される回転数が変化しても、モータ17で入力される回転数を変えれば、圧縮機本体3に入力する回転力の回転数を変更しまたは一定に保つことができるようになっている。
なお、すでに理解されるように、ハイブリッド圧縮機1では、前後方向で、前側から後側に向かって動力伝達部11とインバータ13と遊星歯車機構15とモータ17と圧縮機本体3とがこの順にならんで配置されている。
圧縮機本体3は、圧縮機駆動部5によって駆動して冷媒を圧縮する冷媒圧縮部27と、圧縮された冷媒が吐出される吐出室29と冷媒潤滑油分離機31とを構成されている。
冷媒には、若干の量の潤滑油111が混じっている。冷媒圧縮部27で圧縮された潤滑油111を含む冷媒は、吐出室29に入り、冷媒潤滑油分離機31で冷媒と潤滑油111とに分離される。これにより、吐出室29の下部には、潤滑油111Aが溜まっており、吐出室29の上部には、圧縮された冷媒が存在している。
吐出室29の上部の圧縮された冷媒は、図示しない冷媒吐出口から吐出され、空調に使用された後、図示しない冷媒入口から、詳しくは後述する歯車・モータ収容室33に戻ってくるようになっている。そして再び、冷媒圧縮部27で圧縮されるようになっている。
動力伝達部11は、たとえば車両のエンジンからの回転力を伝達するもの(回転力を遊星歯車機構15へ入力するもの)であり、たとえばプーリ35と、第1の回転軸部材(駆動部側回転部材)37とを備えて構成されている。プーリ35は電磁クラッチ41を介して第1の回転軸部材37と連結されており、プーリ35と第1の回転軸部材37は、それぞれが駆動部筐体7に回転自在に支持されている。
なお、プーリ35の回転力は、電磁クラッチ41を介して第1の回転軸部材37に伝達されるようになっており、電磁クラッチ41がオンしているときに、回転力が伝達され、電磁クラッチ41がオフのときには、回転力が伝達されないようになっている。
第1の回転軸部材37とプーリ35の中心軸C1は、ハイブリッド圧縮機1の中央部を通って前後方向に延びている。第1の回転軸部材37とプーリ35とは、これらの中心軸C1を回転中心にして回転するようになっている。
さらに説明すると、第1の回転軸部材37の前端部は、駆動部筐体7の外部で駆動部筐体7の前端から前方に突出している。この突出している第1の回転軸部材37の前端部に電磁クラッチ41が設けられている。
また、第1の回転軸部材37は、前後方向で駆動部筐体7の中央部まで延びており、第1の回転軸部材37の後端部は、駆動部筐体7内に入り込んでいる。この駆動部筐体7内に入り込んでいる第1の回転軸部材37の部位がベアリング39を介して駆動部筐体7に支持されていることで、第1の回転軸部材37とプーリ35とが、駆動部筐体7に対して回転自在になっている。
インバータ13は、駆動部筐体7内の空間(気密性を備えたインバータ収容室)43内に設けられている。インバータ13が設けられているインバータ収容室43は、第1の回転軸部材37の径方向で第1の回転軸部材37の外側に形成されている。なお、第1の回転軸部材37は、前後方向でインバータ13よりも後方に僅かに突出している。
遊星歯車機構15は、第1の原動節(第1の回転力入力部)を形成している第1の太陽歯車21と、従動節(回転力出力部)を形成している第2の太陽歯車25と、第1の遊星歯車45と、第2の遊星歯車47と、第2の原動節(第2の回転力入力部)を形成している遊星キャリヤ23とを備えて構成されている。第1の太陽歯車21、第2の太陽歯車25、各遊星歯車45、47は、それぞれが外歯歯車で構成されている。
第1の太陽歯車21は、この中心軸が第1の回転軸部材37の回転中心軸C1と一致するようにして、第1の回転軸部材37の後端部(インバータ13よりも僅かに後方に突出している部位)に一体的に設けられている。
第1の遊星歯車45と第2の遊星歯車47とは、お互いの中心軸C2が一致し第2の遊星歯車47が第1の遊星歯車45の後側に位置するようにして一体化している。第1の遊星歯車45と第2の遊星歯車47とが一体化しているものを第1・第2の遊星歯車49とすると、第1・第2の遊星歯車49は複数(たとえば3つ)設けられている(図2参照)。
第1・第2の遊星歯車49のそれぞれは、第1の太陽歯車21(第2の太陽歯車25)の外側に配置されており、第1の太陽歯車21(第2の太陽歯車25)の円周を当分配する位置(たとえば3等分する位置)で、第1の遊星歯車45のそれぞれが第1の太陽歯車21に噛合している。第2の遊星歯車47は、前後方向で、第1の太陽歯車21よりも後側に位置している。
また、第1・第2の遊星歯車49のそれぞれは、前後方向に延びている中心軸C2を回転中心にして回転(自転)するように、遊星キャリヤ23にベアリング51を介して回転自在に支持されている。遊星キャリヤ23は、第1の太陽歯車21の回転中心軸C1と同じ軸を回転中心にして回転するように、ベアリング53を介して駆動部筐体7に支持されている。
圧縮機本体3では、圧縮機本体3の前端から第2の回転軸部材(圧縮機側回転部材)55が前方に所定の長さ突出している。第2の回転軸部材55は、駆動部筐体7に一体的に設けられている圧縮機筐体9に、軸受け部57を介して回転自在に支持されている。
ハイブリッド圧縮機1では、第2の回転軸部材55の前端と、第1の回転軸部材37の後端とは前後方向で僅かに離れている。また、第2の回転軸部材55の中心軸は、第1の回転軸部材37の回転中心軸C1と一致している。
第2の回転軸部材55の前端部には、複数の第2の遊星歯車47に囲まれるようにして、第2の太陽歯車25が一体的に設けられており、第2の太陽歯車25は、第2の遊星歯車47と噛合している。第2の太陽歯車25の中心軸は、第1の回転軸部材37の回転中心軸C1と一致している。
遊星キャリヤ23は、第1・第2の遊星歯車49や第2の太陽歯車25よりも後方に突出している。ただし、遊星キャリヤ23の後端は、圧縮機本体3よりも前側に位置している。遊星キャリヤ23の後方突出部(第1・第2の遊星歯車49や第2の太陽歯車25よりも後方に突出している部位)59は、第2の回転軸部材55の径方向で、第2の回転軸部材55の外側に位置し、第2の回転軸部材55から離れている。
遊星キャリヤ23の後方突出部59の外周には、モータ17の回転子19が一体的に設けられている。駆動部筐体7の内部であってモータ17の回転子19の外側には、モータ17の固定子(ステータ)61が一体的に設けられている。また、第2の回転軸部材55には、冷媒圧縮部27を構成している冷媒圧縮部の回転子63が一体的に設けられている。
そして、車両の原動機でプーリ35を介して回転する第1の回転軸部材37の回転速度(回転数;回転角速度)と、インバータ13で駆動されているモータ17によって回転する遊星キャリヤ23の回転速度(回転数;回転角速度)とに応じた回転速度(回転数;回転角速度)で、第2の回転軸部材55が回転し、第2の回転軸部材55の回転で回転子63が回転し、圧縮機本体3での冷媒の圧縮がなされるようになっている。
このとき、第1・第2の遊星歯車49は、この中心軸C2を回転中心にして自転するとともに、第1の回転軸部材37の回転中心軸C1を回転中心にして公転するようになっている。また、上述したように、第1の回転軸部材37の回転速度と、遊星キャリヤ23の回転速度とが変更されることで、第2の回転軸部材55の回転数が変化するようになっている。
ところで、圧縮機本体3を駆動する圧縮機駆動部5は、上述したように、駆動部筐体7を備えており、駆動部筐体7には、インバータ13が収容されているインバータ収容室43が設けられている。動力伝達部11は、上述したように、第1の回転軸部材37を備えている。そして、第1の回転軸部材37が、前後方向に延びてインバータ収容室43のたとえば中央部を貫通している。
なお、インバータ収容室43が第1の回転軸部材37を囲む環状に形成されておらず、「C」字状等の一部が途切れた形状に形成されていてもよい。この場合であっても、第1の回転軸部材37が、前後方向に延びてインバータ収容室43を貫通しているものとする。
駆動部筐体7には、遊星歯車機構15とモータ17とが収容されている歯車・モータ収容室33が設けられている。歯車・モータ収容室33は、インバータ収容室43に隣接しインバータ収容室とは遮断されている。歯車・モータ収容室33も気密性を備えている。
駆動部筐体7内には、気密端子65が設けられている。気密端子65は、モータ17を駆動するために、インバータ13とモータ17とをつないでおり、インバータ収容室43と歯車・モータ収容室33とを隔てている隔壁67を貫通して、インバータ収容室43内から歯車・モータ収容室33内に通っている(延びている)。
また、気密端子65の歯車・モータ収容室33内の部位は、前後方向で遊星歯車機構15の前側部位とオーバーラップしており、遊星歯車機構15よりも径方向で外側に配置されている。
駆動部筐体7は、外殻部71と、隔壁(隔壁部)67と、小径突出部73と、後方蓋部75と前方蓋部77を備えて構成されている。
外殻部71は、たとえば、この中心軸が第1の回転軸部材37の中心軸C1とほぼ一致している円筒状に形成されている。隔壁67は、厚さ方向が前後方向になるようにして、外殻部71の内側で、外殻部71の前側に設けられている。
小径突出部73は、外径が外殻部71の内径よりも小さい円筒状に形成されており、中心軸が第1の回転軸部材37の中心軸C1とほぼ一致しており、隔壁67から前方および後方に突出している。小径突出部73の前端は、外殻部71の前端や前方蓋部77よりも前方に位置しており、小径突出部73の後端は、隔壁67よりも僅かに後方に位置している。外殻部71と隔壁67と小径突出部73とは一体成形されている。
なお、外殻部71、隔壁67、小径突出部73が一体成形ではなく、これらの少なくともいずれかの部位が別部品で構成されており、組立によって、外殻部71と隔壁67と小径突出部73とが一体化している構成であってもよい。
前方蓋部77は円板状に形成されており、厚さ方向が前後方向になり、外殻部71前端の開口部を塞ぐようにして外殻部71に一体的に設けられている。なお、前方蓋部77の中央には、円形状の貫通孔79が設けられており、この貫通孔79を小径突出部73が気密性を備えて貫通している。
そして、小径突出部73内を、第1の回転軸部材37が貫通している。参照符号81で示すものは、歯車・モータ収容室33から冷媒が漏れることを防止するシール材である。
また、小径突出部73の外側が、外殻部71と小径突出部73と隔壁67と前方蓋部77とで囲まれたインバータ収容室43になっている。これにより、インバータ収容室43と第1の回転軸部材37が貫通している部位とはそれぞれが気密性を備えている。
後方蓋部75は、円板状に形成されており、厚さ方向が前後方向になり、外殻部71後端の開口部を塞ぐようにして外殻部71に一体的に設けられているとともに、圧縮機筐体9の一部(フロントサイドブロック)を構成している。
圧縮機筐体9は、有底円筒状の本体部85を備えており、円筒の内径や外径の値が外殻部71と同程度になっており、円筒の開口部が前方に位置し、底部が後方に位置し、円筒の中心軸が第1の回転軸部材37の中心軸C1と一致し、前端が後方蓋部75に密着するようにして、駆動部筐体7に一体的に設けられている。
圧縮機筐体9は、円板状に形成されているリヤサイドブロック87を備えている。リヤサイドブロック87は、厚さ方向が前後方向になるようにして、前後方向では本体部85の中間部で本体部85内に一体的に設けられている。圧縮機筐体9内では、リヤサイドブロック87の前側が冷媒圧縮部27になっており、リヤサイドブロック87の後側が吐出室29になっている。
また、後方蓋部(フロントサイドブロック)75の中央には、円形状の貫通孔83が設けられており、リヤサイドブロック87の中央にも、円形状の貫通孔89が設けられており、これらの貫通孔83、89を第2の回転軸部材55が貫通しているとともに、各貫通孔83、89は、第2の回転軸部材55の軸受部57を構成している。
なお、ハイブリッド圧縮機1では、隔壁67よりも前側に位置しているインバータ収容室43は冷媒が存在しない空間になっており、隔壁67よりも後側に位置している歯車・モータ収容室33や圧縮機本体3内の空間は冷媒が存在する空間になっている。
また、インバータ収容室43の一部(たとえば中央部)は前方向に凹んでいる。そして、歯車・モータ収容室33の突出部位(前方向に突出している中央部)91に、遊星歯車機構15の前端部が入り込んでいる。突出部位91は、前後方向でインバータ収容室43の上記凹んでいる部位に対応している部位である。
さらに説明すると、インバータ収容室43と歯車・モータ収容室33とを仕切っている隔壁67が、この中央部(中心軸C1のまわり)でインバータ収容室43側(前側)に突出していることで、歯車・モータ収容室33の一部(第1の回転軸部材37や遊星歯車機構15の周りの部位)が前方向に突出している。なお、前方向に突出している歯車・モータ収容室33の部位91の周りは、インバータ収容室43になっている。
歯車・モータ収容室33の前方向に突出部位(歯車・モータ収容室の前方部位)91に、遊星歯車機構15の前端部が入り込んでいることで、前後方向で、遊星歯車機構15の前端部とインバータ収容室43の後方部位(インバータ13)とがオーバーラップしている。
遊星歯車機構15は、前述したように、動力伝達部11に設けられ動力伝達部11から伝達された回転力で回転する第1の太陽歯車21と、第1の遊星歯車45とこの第1の遊星歯車45と一体化している第2の遊星歯車47とを備えて構成されており第1の遊星歯車45が第1の太陽歯車21と噛み合いっている第1・第2遊星歯車49と、第1・第2遊星歯車49を回転自在に支持している遊星キャリヤ23と、第2の遊星歯車47と噛み合っている第2の太陽歯車25とを備えて構成されている。
また、モータ17の回転子19が、遊星キャリヤ23に一体的に設けられている(モータ17が遊星キャリヤ23を回転させるようになっている)。
モータ17は、遊星キャリヤ23に一体的に設けられた回転子19の他に、固定子(ステータ)61とを備えて構成されている。固定子61は、回転子19の外周であって、駆動部筐体7(外殻部71)の内側で駆動部筐体7に一体的に設けられている。
また、固定子61は、ステータコア(固定子のコア)93とこのステータコア93に巻かれているコイル(巻き線)95とを備えて構成されている。
ステータコア93の歯部は、複数設けられており、それぞれが、外殻部71の内壁から中央側へ突出しており、外殻部71内周を等分配するように配置されている。
コイル95は、各ステータコア93の歯部のそれぞれに巻かれている。これにより、コイル95にはコイルエンド97が形成されている。コイルエンド97は、ステータコア93よりも前方および後方に突出している。
このコイルエンド97のうちで、前方に突出しているコイルエンド97Aの内側に遊星歯車機構15の一部が配置されていることで、コイルエンド97Aと遊星歯車機構15の一部とが前後方向でオーバーラップしている。
さらに説明すると、遊星キャリヤ23は、円筒状に形成され前側に位置している大径部99と、円筒状に形成され後側に位置している小径部101とを備えて構成されている。大径部99の中心軸と小径部101の中心軸とはお互いが一致しているとともに、これらの中心軸は、第1の回転軸部材37の回転中心軸C1と一致している。そして、大径部99と小径部101とは、ベアリング53を介して、駆動部筐体7に支持されており、中心軸C1を回転中心にして回転するようになっている。
モータ17の回転子19の外径は大径部99の外径とほぼ等しくなっており、回転子19は、小径部101の前方であって小径部101の外周に一体的に設けられている。モータ17の固定子61の内径は、回転子19の外径や大径部99の外径よりも僅かに大きくなっている。
そして、固定子61の内側に、大径部99の後方部位と、回転子19とが位置している。さらに説明すると、前後方向で、大径部99の後方部位と前方向に突出しているコイルエンド97Aとが同じところに位置しており、回転子19とステータコア93とがほぼ同じところに位置している。
なお、大径部99の前方部位は、歯車・モータ収容室33の前方向に突出している部位91内に入っている。
また、遊星キャリヤ23の圧縮機本体3側(後側)のベアリング53(53A)の少なくとも一部が、圧縮機本体3側(後側)へ突出しているコイルエンド97(97B)の内側に配置されている。これにより、コイルエンド97(97B)とベアリング53(53A)の少なくとも一部が、動力伝達部11とインバータ13と遊星歯車機構15とモータ17と圧縮機本体3とがならんでいる方向(前後方向)でオーバーラップしている。
ところで、前述したように、遊星歯車機構15では、第1の回転軸部材37に一体的に設けられている第1の太陽歯車21が第1の回転力入力部を形成しており、モータ17の回転子19が設けられている遊星キャリヤ23が第2の回転力入力部を形成しており、第2の回転軸部材(圧縮機本体3の回転力入力軸部材)55に一体的に設けられている第2の太陽歯車25が回転力出力部を形成している。
そして、第1の太陽歯車21の回転数、遊星キャリヤ23の回転数を適宜変更することで、第2の太陽歯車25(圧縮機本体3の回転力入力軸部材55;冷媒圧縮部27の回転子63)の回転数を変更することができるようになっている。
すなわち、遊星歯車機構15が、圧縮機本体3が稼働するための回転力を、回転数を変えて圧縮機本体3に与えるように構成されている。
また、遊星歯車機構15では、第1の太陽歯車21の歯数と第2の太陽歯車25の歯数との差(差の絶対値)が、遊星キャリヤ23の腕の本数(回転軸部材37、55の回転中心軸C1を中心とする円の円周を等分配する位置に配置されている第1・第2の遊星歯車49の個数)と等しくなっている。
遊星歯車機構15では、第1の太陽歯車21の歯数が第2の太陽歯車25の歯数よりも少なくなっている。また、太陽歯車21、25の歯先円の直径が、遊星キャリヤ23の内径よりも小さくなっている。なお、逆に、第1の太陽歯車21の歯数が第2の太陽歯車25の歯数より多くなっていてもよい。
詳しく説明すると、遊星キャリヤ23は、上述した円筒状の大径部99と円筒状の小径部101の他に前側円板状部位103と後側円板状部位105とを備えて構成されている。前側円板状部位103はこの厚さ方向が前後方向になるようにして、大径部99前端の円形状の開口部を塞いでいる。ただし、前側円板状部位103の中央には、円形状の貫通孔(ベアリング53の外輪が嵌っている貫通孔)が形成されている。
後側円板状部位105はこの厚さ方向が前後方向になるようにして、大径部99と小径部101との間に設けられている。すなわち、後側円板状部位105の外周は、大径部99後端の円形状の開口部の全周に接合されており、後側円板状部位105の内周は、小径部101前端の円形状の外周の全周に接合されている。
これにより、遊星キャリヤ23は、前後方向で内径(外径)が変化している円筒状に形成されている。つまり、前側円板状部103では内径が小さく、大径部99では内径が大きく、小径部101では内径が小さい円筒状に形成されている。
そして、第1の太陽歯車21の歯先円の直径や第2の太陽歯車25の歯先円の直径が、前側円板状部103の内径や小径部101の内径よりもわずかに小さくなっている。なお、大径部99と後側円板状部位105と小径部101とは一体成形されている。
さらに説明すると、遊星キャリヤ23は、前端部がベアリング53を介して駆動部筐体7(隔壁67より後方の小径突出部73)に回転自在に支持されており、後端部がベアリング53を介して後方蓋部75に回転自在に支持されている。
第1・第2の遊星歯車49は、遊星歯車軸部材107にベアリング51を介して回転自在に支持されており、遊星歯車軸部材107の前端部は、前側円板状部位103に一体的に設けられており、遊星歯車軸部材107の後端部は、後側円板状部位105に一体的に設けられている。
また、前述したように、モータ17と遊星歯車機構15とは、モータ収容空間(歯車・モータ収容室)33内に設置されている。そして、遊星歯車機構15が、モータ17の回転数の変更に応じ、圧縮機本体3(圧縮機側回転部材55)に回転数を変えて回転力を与えるようになっている。
歯車・モータ収容室33内には、たとえば、遊星キャリヤ23の一部で構成されたケース109が設けられている。ケース109は、遊星歯車機構15の歯車21、25、45、47を囲んでおり、遊星歯車機構15の歯車21、25、49を潤滑するための潤滑油111の油溜まり部113がケース109(遊星キャリヤ23)の内部に形成されている。
油溜まり部113には、圧縮機本体3により圧力が上昇した潤滑油111が、減圧されて供給されるように構成されている。たとえば、油溜まり部113に供給される潤滑油111は、圧縮機本体3の軸受け部57に供給された後に、軸受け部57の間隙を通って絞られ減圧されている。
また、圧縮機本体3から油溜まり部113に供給される潤滑油111の油供給路の一部は、圧縮機本体3の回転軸部材(第2の回転軸部材)55内に形成されている。
より詳しく説明すると、圧縮機本体3の吐出室29の下部に溜まっている高圧の潤滑油111Aは、圧縮機筐体9に設けられている図示しない経路(圧縮機筐体9に設けられた孔)を通って、軸受け部57(57A、57B)のリング状の溝115(115A、115B)に供給される。
そこで、前側のリング状の溝115Aに供給された潤滑油111は、軸受け部57Aにおける第2の回転軸部材55と後方蓋部75の間のごく僅かな隙間を通って、絞られつつリング状の溝115Aの前側に流れてくる。
第2の回転軸部材55には、潤滑油111の油供給路の一部を形成している貫通孔117と貫通孔119とが設けられている。貫通孔117は、第2の回転軸部材55の径方向では、第2の回転軸部材55の外周の所定の部位から第2の回転軸部材55の径方向に第2の回転軸部材55の中心軸C1まで延びており、前後方向では、軸受け部57Aの前端とリング状の溝115Aとの間に位置している。
貫通孔119は、第2の回転軸部材55の中心軸C1に沿って、第2の回転軸部材55の前端から貫通孔117のところまで延びており、貫通孔117につながっている。
そして、リング状の溝115Aに供給されて、リング状の溝115Aの前側に流れてきた潤滑油(絞られて減圧された潤滑油)111が、貫通孔117と貫通孔119とを通って、遊星キャリヤ23内の油溜まり部113に供給されるようになっている。
なお、貫通孔117を設けることに代えてもしくは加えて、図1に二点鎖線L1で示すように、貫通孔119を第2の回転軸部材55の後端まで延長し、後側のリング状の溝115Bに供給された潤滑油111を、軸受部57Bにおける第2の回転部材55とリヤサイドブロック87の間のごく僅かな隙間で減圧して、第2の回転軸部材55の後端から遊星キャリヤ23内の油溜まり部113に供給してもよい。
また、遊星歯車機構15の遊星キャリヤ23には、油溜まり部113の潤滑油111を、油溜まり部113(遊星キャリヤ23)の外部であって歯車・モータ収容室33内へ排出する潤滑油排出孔121が設けられている。
また、たとえば、第1・第2の遊星歯車49では、第1の遊星歯車45の歯先円直径の値と第2の遊星歯車47の歯先円直径の値とはお互いが異なっており、第1の遊星歯車45の歯元円直径の値と第2の遊星歯車47の歯元円直径の値とはお互いが異なっている。
次に、潤滑油排出孔121の位置について説明する。
潤滑油排出孔121は、次に示す位置で、たとえば、遊星キャリヤ23の前側円板状部位103に設けられている。
潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C1から遊星歯車45、47の自転中心C2までの距離の値と歯先円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯先円の半径の値との和の値よりも小さくなっている。
ここで、潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離は、遊星キャリヤ23の回転中心C1から、遊星キャリヤ23の回転中心C1から最も離れている潤滑油排出孔121の部位との間の距離である。
たとえば、潤滑油排出孔121が円柱状に形成されている場合を例に掲げて、図3を参照しつつ説明する。
潤滑油排出孔121(図3に参照符号P1で示す孔)の中心軸は前後方向(図3の紙面に直交する方向)に延びており、前側円板状部103を前後方向に貫通している。前後方向で見ると、潤滑油排出孔121は円形状に形成されている。
この場合、潤滑油排出孔121(P1)の中心と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離D1と潤滑油排出孔121の半径(d/2)の値との和(D1+d/2)の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C1から遊星歯車の自転中心C2までの距離D2の値と歯先円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯先円の半径D3の値との和(D2+D3)の値よりも小さくなっている(D1+d/2<D2+D3)。
なお、潤滑油排出孔121が、次に示す位置で、たとえば、前側円板状部位103に設けられていてもよい。
潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C1から遊星歯車45、47の自転中心C2までの距離の値と歯元円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯元円の半径の値との和の値よりも大きくなっていてもよい。
この場合も、潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離は、遊星キャリヤ23の回転中心C1から、遊星キャリヤ23の回転中心C1から最も離れている潤滑油排出孔121の部位との間の距離である。
たとえば、潤滑油排出孔121が円柱状に形成されている場合を例に掲げて、図3を参照しつつ説明する。
潤滑油排出孔121(図3に参照符号P2で示す孔)の中心軸は前後方向に延びており、前側円板状部103を前後方向に貫通している。前後方向で見ると、潤滑油排出孔121は円形状に形成されている。
この場合、潤滑油排出孔121(P2)の中心と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離D4の値と潤滑油排出孔121の半径(d/2)の値との和(D4+d/2)の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C1から遊星歯車の自転中心C2までの距離D2の値と歯元円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯元円の半径D5の値との和の値(D2+D5)よりも大きくなっている(D4+d/2>D2+D5)。
なお、潤滑油排出孔121(P1)の位置を、遊星キャリヤ23の回転中心C1からさらに離れた位置(P11やP12で示す位置)にしてもよい。また、潤滑油排出孔121(P2)の位置を、遊星キャリヤ23の回転中心C1からさらに離れた位置(P22で示す位置)にしてもよい。
また、潤滑油排出孔121が、P12とP2とで示す位置の間の任意の位置に設けられているもよいし、さらに、潤滑油排出孔121が、P1とP2とで示す位置の間の任意の位置に設けられていてもよい。
また、上記説明では、歯先円や歯元円の直径の値が小さいほうの遊星歯車に基づいて、潤滑油排出孔121を決めているが、歯元先や歯元円の直径の値が大きいほうの遊星歯車に基づいて、潤滑油排出孔121を決めてもよい。
次に、ハイブリッド圧縮機1の動作について説明する。
プーリ35によって第1の回転軸部材37(第1の太陽歯車21)が回転し、モータ17によって遊星キャリヤ23が回転していることで、第1・第2の遊星歯車49が自転するとともに公転し、第2の太陽歯車25(第2の回転軸部材55)が回転する。
第2の回転軸部材55の回転によって、冷媒圧縮部27での冷媒(僅かに潤滑油111を含む)が圧縮され、この圧縮された冷媒と潤滑油111が吐出室29に入り、吐出室29で冷媒と潤滑油111が分離される。
そして、冷媒は、空調に使用された後、歯車・モータ収容室33に戻ってくる。また、潤滑油111Aは、軸受け部57等の潤滑に使用されるとともに、油溜まり部113に溜まって、各歯車21、25、49等の潤滑に使用される。
潤滑油排出孔121から歯車・モータ収容室33に排出された潤滑油は、戻ってきた冷媒とともに、冷媒圧縮部27に送られ、再び圧縮等される。
なお、プーリ35(第1の回転軸部材37)の回転数が変化した場合や、エアコンでの冷房の要求度が変化した場合には、モータ107によって遊星キャリヤ23の回転数を変えることで、第2の回転軸部材55の回転数を変えて対応する。
ハイブリッド圧縮機1によれば、前後方向で、前側から後側に向かって動力伝達部11とインバータ13と遊星歯車機構15とモータ17と圧縮機本体3とが順にならんで配置されているので、筐体7内にインバータ13を収めてあっても、径方向の寸法が大きくなることが抑えられ、小型化をはかることができる。これにより、車載するときに必要なスペースが小さくなり、車載が容易になる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、隔壁67を境にして、ハイブリッド圧縮機1の後側が冷媒の入る空間になっており、前側が冷媒が入らない空間になっているので、構成が簡素化されており、組立性が向上している。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、インバータ収容室43が歯車・モータ収容室33に隔壁67だけを間にして隣接しているので、インバータ収容室43内(インバータ13)を歯車・モータ収容室33内の低温の冷媒で効率良く冷却することができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、動力伝達部11の第1の回転軸部材37がインバータ収容室43を貫通しているので、インバータ収容室43の円環状(ドーナツ)状の部位の面積(インバータ収容室43内と歯車・モータ収容室33とを直接隔てている隔壁67の面積)を大きくとることができ、インバータ収容室43内(インバータ13)の放熱が歯車・モータ収容室33内の冷媒によって促進される。
なお、インバータ収容室43が上述したように「C」字状等の一部が途切れた形状に形成されている場合であっても、インバータ収容室43内と歯車・モータ収容室33とを直接隔てている隔壁67の面積を大きくとることができ、インバータ13の放熱が促進される。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、気密端子65が、前後方向で遊星歯車機構15とオーバーラップして、インバータ収容室43内から歯車・モータ収容室33内に通っているので、気密端子65をオーバーラップさせない場合に比べて、ハイブリッド圧縮機1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、歯車・モータ収容室33の突出部位91に遊星歯車機構15の前端部が入り込んでいるので、インバータ収容室43内と歯車・モータ収容室33とを隔てている隔壁67を平板状に形成した構成に比べて、ハイブリッド圧縮機1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、遊星歯車機構15が、第1の太陽歯車21と第2の太陽歯車25と第1・第2の遊星歯車49と遊星キャリヤ23とで構成されており、各歯車21、25、49の総てが外歯歯車になっており、遊星歯車が噛合する内歯歯車が遊星歯車の外側に設けられていないので、ハイブリッド圧縮機1の径方向の寸法を小さくすることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、モータ17の回転子19が遊星機構15の径方向の最も外側にある遊星キャリヤ23に設けられており、遊星キャリヤ23に回転力を与えるように構成されているので、遊星歯車機構15の構成が簡素化されており、インバータ13とモータ17との接続が容易になっている。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、モータ17のコイルエンド97Aの内側に遊星歯車機構15の一部が配置されていることで、コイルエンド97Aと遊星歯車機構15の一部とがオーバーラップしているので、コイルエンドと遊星歯車機構とをオーバーラップさせない構成に比べて、ハイブリッド圧縮機1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、遊星歯車機構15を構成する各太陽歯車21、25と各遊星歯車45、47とが外歯歯車になっているので、軸受の構成が簡素化され、径方向の寸法を小さくすることで小型化をはかることができる。これにより、車載するときに必要なスペースが小さくなり、車載が容易になる。また、内歯歯車を用いていないことで、遊星歯車機構15を構成する各歯車21、25、45、47の製造が容易になる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、第1の太陽歯車21の歯数と第2の太陽歯車25の歯数との差が、遊星キャリヤ23の腕の本数(第1・第2の遊星歯車49の個数)と等しくなっているので、モータ17の回転軸(回転子19)が発するトルクを小さくしてモータ17を小型化しても、遊星歯車機構15や圧縮機本体3を稼働させることができる。
すなわち、モータ17の回転子19の回転数の変化量に対する圧縮機本体3の回転力入力軸(第2の回転軸部材)55の回転数の変化量を少なくすることができる。これにより、高回転低トルクのモータ17を採用して、圧縮機本体3の回転力入力軸55の回転数を変えることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1では、第1の太陽歯車21の回転数が第2の太陽歯車25の回転数よりも高い状態で使用されることが多いのであるが、第1の太陽歯車21の歯数が、第2の太陽歯車25の歯数よりも少なくなっているので、エンジンの常用回転時における遊星歯車49の回転速度を小さくすることができ、歯車21、25、45、47の耐久性を向上させることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、各太陽歯車21、25の歯先円の直径が、遊星キャリヤ23の内径よりも小さくなっているので、キャリヤユニット(遊星キャリヤ23、第1・第2の遊星歯車49等)を組み立てた後に、第1の太陽歯車21が設置された第1の回転軸部材37を前側からキャリヤユニットに差し込むことができ、また、第2の太陽歯車25が設置された第2の回転軸部材55を後側からキャリヤユニットに差し込むことができ、組立が容易になる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、径方向の寸法が歯車・モータ収容室33の内径よりも小さい筒状のケース109が遊星歯車機構15の歯車21、25、45、47を囲んでおり、遊星歯車機構15の歯車の潤滑に使用される潤滑油111の油溜まり部113を形成しているので、モータ収容空間33内での潤滑油111の径方向外側への拡散が防止され、従来よりも少ない潤滑油で軸受および遊星歯車機構15の歯車21、25、45、47の潤滑を的確にすることができ、信頼性を確保することができる。
また、歯車・モータ収容室33内に封入される潤滑油111を少なくすることによって、コスト低減をはかることができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、油溜まり部113に圧縮機本体3により圧力が上昇した潤滑油111が供給されるので、遊星歯車機構15の歯車21、25、45、47を潤滑するための潤滑油供給部を別途設ける必要がなくなり、ハイブリッド圧縮機1の構成が簡素化される。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、油溜まり部113に供給される潤滑油111の減圧が、圧縮機本体3の軸受け部57で絞られることでされているので、潤滑油111の圧力を下げる減圧部を別途設ける必要がなくなり、簡素な構成で減圧されたほどよい圧力の潤滑油111を、遊星歯車機構15に供給することができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、油溜まり部113に供給される潤滑油111の油供給路の一部(貫通孔117、119)が圧縮機本体3の回転軸部材55内に形成されているので、油供給路の構成が簡素化されている。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、遊星歯車機構15の遊星キャリヤ23が、油溜まり部113を形成しているので、構成を簡素化することができるともに、遊星キャリヤ23の回転で発生する遠心力によって潤滑油111が重力の影響を受けなくなり、遊星歯車機構15の歯車21、25、45、47を的確に潤滑することができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、遊星歯車機構15の遊星キャリヤ23に、油溜まり部113の潤滑油111を排出する潤滑油排出孔121が設けられているので、油溜まり部113おける潤滑油111の量を適正化することができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離(D1+d/2)の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C1から遊星歯車49の自転中心C2までの距離D2の値と歯先円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯先円の半径D3の値との和の値よりも小さくなっているので、油溜まり部113における潤滑油111の下限量を適正化することができる。
また、ハイブリッド圧縮機1によれば、潤滑油排出孔121と遊星キャリヤ23の回転中心C1との間の距離(D4+d/2)の値が、遊星キャリヤ23の回転中心C2から遊星歯車49の自転中心C2までの距離D2の値と歯元円の直径の値が小さいほうの遊星歯車の歯元円の半径D5の値との和の値よりも大きくなっているので、油溜まり部113おける潤滑油111の上限量を適正化することができる。
1 ハイブリッド圧縮機
3 圧縮機本体
15 遊星歯車機構
17 モータ
19 モータの回転子
21 第1の太陽歯車
25 第2の太陽歯車
23 遊星キャリヤ
45 第1の遊星歯車
47 第2の遊星歯車
49 第1・第2の遊星歯車

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機本体と、
    外歯歯車で構成された第1の太陽歯車と、外歯歯車で構成された第2の太陽歯車と、遊星キャリヤと、外歯歯車で構成された第1の遊星歯車と外歯歯車で構成され第2の遊星歯車とがお互いに一体化して構成された第1・第2の遊星歯車とを備えて構成されており、前記圧縮機本体が稼働するための回転力を、回転数を変えて前記圧縮機本体に与える遊星歯車機構と、
    を有し、前記第1の太陽歯車と前記第1の遊星歯車とが噛み合っており、前記第2の太陽歯車と前記第2の遊星歯車とが噛み合っていることを特徴とするハイブリッド圧縮機。
  2. 請求項1に記載のハイブリッド圧縮機において、
    モータを備えており、
    前記モータの回転子が前記遊星キャリヤに設けられていることを特徴とするハイブリッド圧縮機。
  3. 請求項2に記載のハイブリッド圧縮機において、
    前記第1の太陽歯車の歯数と前記第2の太陽歯車の歯数との差が、前記遊星キャリヤの腕の本数と等しくなっていることを特徴とするハイブリッド圧縮機。
  4. 請求項2または請求項3に記載のハイブリッド圧縮機において、
    前記第2の太陽歯車が、前記圧縮機本体の圧縮機側回転部材に設けられており、
    前記第1の太陽歯車が、前記動力伝達部の駆動部側回転部材に設けられており、
    前記第1の太陽歯車の歯数が前記第2の太陽歯車の歯数よりも少なくなっていることを特徴とするハイブリッド圧縮機。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッド圧縮機において、
    前記太陽歯車の歯先円の直径が、前記遊星キャリヤの内径よりも小さくなっていることを特徴とするハイブリッド圧縮機。
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