JP2004124033A - 非凝集性赤外線遮蔽材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、薄膜形成材料中に分散させたときに、完全に単一粒子として分散させることができる赤外線遮蔽粒子を提供することおよび該赤外線遮蔽粒子の化学的安定性と反射率を飛躍的に改善すること、さらにそれらを用いた各種の複合体を提供する。
【解決手段】本発明に係る赤外線遮蔽粒子は、ITOやAZOなどの透明導電性超微粒子表面を1個体ずつシリカ超薄膜形成して用いた。又、その他に鉄やアルミニウム原子が結晶格子面に沿って規則的に配位するプラズマ合成酸化チタン超微粒子であって該粒子を250℃で30分加熱して結晶格子中に挿入されたFeやAlなどの金属面の原子に酸素を吸収させ低次酸化状態を形成させ上記の方法によってシリカ膜を形成させた。それらの粒子を有機化合物または/および純水中に完全分散させて透明度の高い赤外線遮蔽材料を得た。
【解決手段】本発明に係る赤外線遮蔽粒子は、ITOやAZOなどの透明導電性超微粒子表面を1個体ずつシリカ超薄膜形成して用いた。又、その他に鉄やアルミニウム原子が結晶格子面に沿って規則的に配位するプラズマ合成酸化チタン超微粒子であって該粒子を250℃で30分加熱して結晶格子中に挿入されたFeやAlなどの金属面の原子に酸素を吸収させ低次酸化状態を形成させ上記の方法によってシリカ膜を形成させた。それらの粒子を有機化合物または/および純水中に完全分散させて透明度の高い赤外線遮蔽材料を得た。
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、非凝集赤外線遮蔽材料に関し、多くの赤外線遮蔽複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線、特に熱赤外線は、導電性材料による光吸収によって解決せられていることが多い。
しかるに、導電性材料は、分散が非常に困難である。つまり、液中のゼータ電位がpH=6.0において0mVに近いため、単体粒子に分散させることは非常に困難である。
【0003】
そのため、界面活性剤等を用いて粒子表面に分散型官能基を付与する技術が開発されているが十分な技術とは言えない。
【0004】
又、導電性超微粒子のうち、アンチモン、スズが含まれるAZOや酸化スズもしくはITOは毒性があるため、リサイクルを想定したマテリアルバランスでは、AZOや酸化スズは比較的安値ではあるにもかかわらず使用できなかった。
【0005】
さらに群青は赤外線反射材料として優れた特性を有しているが、水に溶解するため表面を何らかの膜で保護しなくては使えなかった。
【0006】
又、赤色226号染料は有機化合物であり、水には界面活性剤を利用しなければ分散できなかった。さらに強い赤色を呈するため単一色としての利用は特別な場合を除いて困難であった。
【0007】
従って、前記のような素材を同時に混合使用するとき、2時凝集が発生して使用は困難になる。又、凝集すると色が部分的に強く発生するためまだら状となり透明な赤外線遮蔽材料は開発されなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑み、特に赤外線遮蔽効果を有する超微粒子表面に分散性と光反射面を付与できるアモルファスシリカ超薄膜を単体粒子に形成することを目的としている。
【0009】
この膜圧を操作することにより、粒子表面に分散性の高いシラノール基を形成でき、なおかつ同時に混合使用し、色調を調節できる混合系を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はすでに特願2001−145679および特願2001−145667を出願しさらに、国際出願としてPCT/JP02/03400およびPCT/JP02/03401により基本技術を出願し本発明の基本特許である単分散超薄膜で包接された微粒子を開発した。
これらの発明によって、シリカなどの単分散性超薄膜は、核体超微粒子との境界面に0.5〜5nmの超薄膜、必要に応じて30〜40nmの膜厚でコーティングされてなる。さらにその表面がプラズマ処理され、薄膜中の有機官能基が分解切断されることにより、高エネルギー型のシロキサン結合シリカ膜が形成せられる。そのため該薄膜表面はシラノール基が結合することにより、粒子間で負の対抗電位が発生して単分散状態を得ている。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の単分散超薄膜で包接された微粒子においては、上記高純度シリカ超薄膜の上位に、他の無機酸化物薄膜、たとえばジルコニア、酸化チタンなどを重ねてプラズマ成膜するものである。
【0012】
本発明の核体をなす化合物が、非常に湿度に鋭敏な劣化反応を示す場合には、成膜材料中に水は作用できないため、無水エタノールや加水分解を防御する炭化水素系有機溶剤で、成膜材料を希釈溶解せしめたのち、すみやかにドライガスバランスさせたグローブボックスや真空チャンバー中でそれらを急激にジェット噴射などの方法でミキシングさせ、成膜の前駆体を形成せしめたのち、乾燥して、ループ状配管をもつプラズマ装置か高速ミキサー中に導入したプラズマを照射させ、当該有機金属化合物機能基を切断除去させ、同時に同空間中で縦新幅を40μm以上もつ超音波ホーンに成膜処理中の微粒子を激突させて凝集体を爆裂させ完全な単分散超薄膜で包接された微粒子を得るものである。
【0013】
さらに本発明で得た単分散超薄膜で包接された微粒子を、各種の目的で使用される中間体あるいは完成組成物に混合分散するのに、できる限り不必要な添加剤を除去し、また、必要に応じて縦振幅が30μm以上ある超音波ホモジナイザーによって前記の多機能性を有する液状単分散体を製造し、最終製品製造工程へ導入することが望ましい。
【0014】
さらに有機溶剤や、ポリマーと粒子の凝集を解除することにより、5〜300nmの超微粒子を含有する接着剤を開発し、より透明なフィルムやコーティング剤、粘着材料又は/及びそれらを構造体中に有してなる車輌たとえば自動車や航空機ウィンドウ、大型ガラス、その他映像機器として、赤外線を発するプラズマディスプレイなどを提供することを目的としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実態の形態と実施例について説明するが、本発明はこれらの説明に限定されない。
【0016】
(本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料の説明)
本発明の非凝集性赤外線遮蔽素材のうち、透明導電性超微粒子はITOとAZOを用いた。又、その他の粒子としては、鉄が結晶格子面に沿って規則的に配位するプラズマ合成酸化チタンは、生成した粒子を250℃で30分加熱して結晶格子中に挿入されたFeやAlなどの金属面の原子に酸素を吸収させ低次酸化状態を形成している。
【0017】
次に、本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料の製造方法について述べる。
前記の粒子群のうち、吸収するとその効果や構造が失われるものとして、透明導電性超微粒子と群青があげられる。そのため、水を用いないで成膜する方法として前記の本発明者の先発明を用いて、エチルシリケートを無水エタノールに溶解させたのち対象となる粒子に噴霧・吸着固定し乾燥後に100メートルないし大気圧プラズマを該粒子に作用させエトキシ基を切断除去し、アモルファスのSiO4構造体を粒子界面に析出・成膜する方法をとった。
【0018】
この時の成膜条件は下記の通りである。
(A)TEOS又は/及び金属アルコキシド100部
無水エタノール0〜100部
TEOSを無水エタノールに等量以下溶解させる。これを(B)とする。
粉体 100部
シリカ 4〜10部
(B)として 28.6〜35.7部
(B)を粉体に噴霧し、これを(C)とする。
【0019】
(C)を密閉ポロプロピレン容器に入れ40℃で48時間熱処理したのち、大気中に曝露し、24時間放置するその後(C)を乾燥器中で55℃で4時間加熱したのち、大気圧プラズマチャンバーに投入し、粉体をヘリウムガスにのせてループ状ガラス管内を循環させながらチャンバー内で放電を発生させて5〜10分間処理した。
【0020】
前記(A)において、目的に応じてTEOSの他にチタネート化合物、ジルコネート化合物、タングステン化合物など金属化合物の溶解液、又はこれらの混合物を用いることができる。たとえばディジタルカメラの解像度改善には現在シリカ・酸化チタン積層膜が数10層くり返しCVDで成膜されているが、本発明では、上記化合物中にさらにフタロシアニン、群青、赤色202号などの赤外線しゃへい超微粒子であって、本発明表面被覆された高分散性粒子を成膜材料中に混合使用することも可能である。これは、基板上にスピンコート、ロールコート、噴霧、ディッピングなど通常考えられる表面処理方法が容易にとることができる。
【0021】
さらに、前記表面処理層が1〜数nmの膜厚のとき、赤外線反射効率を高めるため、数層のコーティングを行なうことができる。例えば、粒子表面に高屈折率のジルコニア層をテトラブトキシジルコネートやネオアルコキシジルコネート化合物(IPA希釈溶液)を用いて極めて薄く膜形成したのち、より低屈折率のシリカ層をさらにその上位に均質に1〜10nm密着成膜を試みた。特にテトラブトキシジルコネートは加水分解し易いため、プラズマ空間中でなければ酸化物薄膜は形成できない。このようにして得られた本発明の粒子は、1〜3層又は必要に応じてn層多層膜形成粒子となる。
【0022】
次に上記のような方法で処理された赤外線しゃへい粒子を有機化合物に均質に混合する方法と試験方法について述べる。
上記記載の粒子は、できるだけ最外層にシリカ層を有してなることが望ましく、これら水、イソプロピルアルコール、エタノール、MEK、Nメチルピロリドンなどの極性媒質に縦振幅が30ミクロンに設定された超音波ホモジナイザーで1〜5分間完全に分散した後静置し初性的又は2次的に生成した凝集体を沈降させ除去したのち、液中固型分濃度を精密に測定する。その後、濃度調整を行いこれを(D)とする。
【0023】
上記の(D)を、必要に応じて非極性溶剤中に再分散したのち、これの一定固型分量を有機溶着剤又は/及びポリマーやエラストマー中に混合して本発明の赤外線遮蔽材料を前記ホモジナイザーによってさらに高精度に分散させる。この混合段階及び溶剤分散時における粒子の状態や粒子表面に形成した膜の詳細な態分析は少なくとも完全に管理されコンタミネーションの発生しない300KVの透過型電子顕微鏡とEDXによって常に追跡しながら品質管理した。
【0024】
その結果、ほぼ完全な分散体の製造条件が少なくとも30万倍以上(モニター画像上では数100万倍以上)の高倍率において正確に補えることができた。特に粒子径が20〜50nmの有機色素やゾルゲル法が大きな問題を持っている事が判明した。すなわち、有機化合物を核体となすときには無水エタノールなどの全ての溶剤は使わないほうが凝集しないことが明らかとなった。
【0025】
さらに、上記のような極性溶剤中へ混合した本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料を、有機接着剤中に混合する際、特に有機溶剤の組合せが凝集を誘発するため、できる限り予備的に基礎データを入手しておく必要がある。又、エマルションの場合には、粒子表面がマイナスの荷電状態でなければ急激に沈殿を生ずるため、少なくとも最表面にはアモルファスシリカ膜を、望ましくは2nm〜5nm程度形成する必要がある。ただし、膜圧が厚すぎると加熱状態に熱応力を生みシリカの結晶化を早めることもありうるため十分に注意しなければならない。この時のシラノール又はシリカの生成についてはFTIRやESCAを用いて即座に分析評価した。
【0026】
この評価を終了し合格した本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料は、合成水晶ウエハー、ガラス板、ウエハー、ポリエステルシート又はフィルム、ポリビニルブチラール粘着膜、印刷物、プラズマディスプレイ放電要素部品、化粧品、包装材料、記録材料などに陥られる複合体の表面又は/及び基体内部に混合又はコーティングして使用されるため、それら複合体の成型物に、該粒子をどの程度配合するか、あるいは該粒子のサイズ及び形状がどのようなものが本目的に望ましいのか、紫外線〜赤外線まで同時に測定できる光スペクトロメーターを用いて、各段階の数水準のサンプルについて透過率、吸光度及び積分球を用いた反射率を測定した。特に、ウィンドー関連部材においては。可視の透過率が低いと製品開発できないため、場合においては必要最低限の分散剤を混合使用することも行ったほか、消胞剤の検討もした。
【0027】
次に、本発明の非凝集状赤外線遮蔽材の詳細な実施例について説明する。
【本発明の詳細な実施例】
(1)プラズマディスプレイ用赤外線遮蔽材の実施例
プラズマディスプレイ放電管内でプラズマ発生させるネオンにより、リモートコントロール機能に悪影響を与える赤外線が励起されるため、プラズマディスプレイ用窓材は、反射防止膜、ノングレア膜と赤外線反射膜が必要となっている。そのため、透明度の高いポリエステルシート表面又は反射面に対して、上記目的の膜を形成する技術が熱望されている。
又、着色はきわめて不都合であるため、各種赤外線遮蔽材からアルミニウムをドーピングした平均粒子径が50nmのプラズマ合成酸化チタレナノ粒子を用いた。この粒子はプラズマ合成後に250℃で30分仮焼し、赤外部吸光度バックグラウンドを高めてあり、同時に可視光線から300nmまでの赤外線を遮蔽するものである。また、通常金属粒子を出発原料に用いたときに生成される粒子は、平均粒径100〜200nmであるのに対し、本発明の本目的の粒子は、イソプロピルチタネートとトリエチルアルミネートを混合した液体をアルゴン・酸素プラズマ中に吹き込み10,000K〜8000Kの温度領域で原料を原始状にしたのち、ほぼ同時に酸化し、アルミニウムをセグリゲート(分別晶出)相として酸化チタン結晶例えばルチルの面欠陥として2又は4週期毎に析出したもので、面状のバンドギャップを有している。そのため、可視光線の吸収はかなり低く抑えられるが紫外線と赤外線の遮蔽に有効である。
【0028】
この粒子を用いて、その表面に2nmの膜厚のシリカ層を形成させた。この方法は、本発明者が先に出願した前記の発明のうちおだやかな自己加水分解性単分散薄膜形成材料、およびそれらで被覆された単分散顔料とそれらを配合した化粧料の発明(特願2001−145667)に従って次のような配合で行なった。
(1) エチルシリケート 14.28g
(2) 半導体級超純水 15.72g
(3)アルミニウム3%ドーピング酸化チタン 96.00g
(1)を(2)と超音波ホモジナイザーを用いて均質にエマルション化したのち、これを(3)に噴霧し、ビニル袋中に投入、密閉して48時間40度で過熱した。そののち、粉体を取り出し、50〜60℃で48時間乾燥させて、TEOSを完全に分解しアモルファスシリカを粒子表面に均質に成膜した。これを300KVの高分解能TEMで観察し、凝集がないこと及び膜形成が均質にできていることを確認した。
【0029】
次にこの粒子を超純水中に20重量%投入し縦振幅が30ミクロンである超音波ホーンを有しているホモジナイザーを用いて完全に分散したのち、プラスチックトレー中に投入し24時間静置し上澄分散液を回収し、さらにこの一部をとって前記TEMで再度観察した。その結果、2,3個体が加水分解工程でコアレッセンスしたものを除いてほぼ単分散状態であることが判明した。
【0030】
そのため、先にとった上澄分散液を精密に秤量したのち、105℃で時間加熱し、固形分量を測定したところ固形分は18.0%であった。しかるに、赤外線しゃへい材の量は、18.0×0.96=17.28%であった。さらにこの分散体を三井武田ケミカル(株)製水系ポリウレタンエマルション(固形分30%)に次の配合処方で混合し、先のホモジナイザーで再度超音波処理した。
(配合例1)
a,本発明の分散体 7.23部
(固形分17.28%) (固形分1.25部)
b,水系ポリエマルション 100部
(固形分30%) (固形分30部)
上記aをbに混合し、ポリエステル表面にオーバーコートするポリウレタン膜として4μm成膜した。この膜中での本発明のアルミドープ酸化チタン比率は4%であった。
(配合例2)
c,本発明の分散体 15.10部
(固形分17.28%) (固形分2.61部)
d,水系ポリウレタンエマルション 100部
(固形分30%) (固形分30部)
上記cをdに混合し、ポリエステル裏面にバックコートするポリウレタン膜として4μm成膜した。この膜中での本発明のアルミドープ酸化チタン比率は8%であった。
【0031】
(透過型電子顕微鏡観察結果)
上記配合例1及び2で得た分散サンプルについて、ポリウレタンエマルションを希釈したのち、TEM試料メッシュにのせて分散状態を直接観察した。この結果は次の通りである。
配合例1:多少粒子間凝集が認められるがほぼ均質に本発明の粒子が分散していた。しかしまだ全体を粒子がカバーしている状況ではなかった。
配合例2:ほぼ粒子が全体をカバーしているが、ところどころ粒子の抜けた部分があった。これを防ぐには膜厚を数ミクロン程度にする必要があるが、失透の恐れがある。
そのため、配合例2に対して改良を加えた。すなわち、熱プラズマ合成シリカ超微小(平均粒子径200nm)を配合剤に対し固形分外割比で3%加えた。
これを再度本発明で用いる超音波分散装置で5分間処理をした。
その結果、TEM像は極めて良好な状況となった。これを配合例2−Bとした。そのため配合例1にも同様にシリカ超微粒子を固形分比で3%加え再分散し、それを配合例1−Aとした。
【0032】
(改良された配合例1−A及び2−Bによる膜の形成と評価結果)
上記の2例の配合例をポリエステルシート表面に密着成膜した。ここでポリエステルシートは、253.7nm及び184.9nmの5列の紫外線放電管によって1m/分の速度で表面のぬれ性を高めるとともに酸化層を形成しポリウレタンの密着性を高めた。キュアー温度は90℃2分間とした。その結果、透明度の高いポリウレタン膜が完成した。これの切片を紫外〜赤外線スペクトロメーターで特性分析した。
【0033】
(本発明の実施例の光分析結果)
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によって赤外線を反射したり吸収する超微粒子に特有な表面状態の不安定性は、極めて安定かつ高分散な状態に改善された。また、複数の色調の材料を混合することが容易となり、従来使用できなかった用途や対象物に対して無理することなく塗膜形成できるようになった。さらに透明度を上昇させるため、必要量の材料を透過型電子顕微鏡を用いて直接観察法により状態を把握するため、配合条件の検証が見極め易く、同時にFTIRやUV−可視光線スペクトル分析を行なうことによって最も望ましい処方を完成することができる。特に、透明導電性超微粒子であるITOは非常に高価であるため、自動車のフロントガラス用接着フィルム用には使用しにくいが、現状では使わざるを得ない状態にあった。又、これらITO粒子は、コアレッセンスによる2次凝集体が多く生成しており歩留まりも悪かった。したがって、使用可能な歩留まりから判断すると単価が¥300/gにも達することがあった。
これに対し、本発明の技術を用いれば、原料を別に安価に選択することができ、発色も改善できるため出発原料の単価を¥50〜¥180/gに抑えることができる。又、安定な状態を維持できるので、製造ラインでのトラブルが低下する。
従って本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料は単に安全性や物性を高めるばかりでなく生産上社会にも大きく貢献するもので意義が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤色226号染料のシリカコート粉末のエタノール分散液中の染料の分散状態を表すTEM像である。本分散には分散助剤は使用していない。分散は純水のみにより、超音波ホモジナイザーのみを使用した。
【発明の属する利用分野】
本発明は、非凝集赤外線遮蔽材料に関し、多くの赤外線遮蔽複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤外線、特に熱赤外線は、導電性材料による光吸収によって解決せられていることが多い。
しかるに、導電性材料は、分散が非常に困難である。つまり、液中のゼータ電位がpH=6.0において0mVに近いため、単体粒子に分散させることは非常に困難である。
【0003】
そのため、界面活性剤等を用いて粒子表面に分散型官能基を付与する技術が開発されているが十分な技術とは言えない。
【0004】
又、導電性超微粒子のうち、アンチモン、スズが含まれるAZOや酸化スズもしくはITOは毒性があるため、リサイクルを想定したマテリアルバランスでは、AZOや酸化スズは比較的安値ではあるにもかかわらず使用できなかった。
【0005】
さらに群青は赤外線反射材料として優れた特性を有しているが、水に溶解するため表面を何らかの膜で保護しなくては使えなかった。
【0006】
又、赤色226号染料は有機化合物であり、水には界面活性剤を利用しなければ分散できなかった。さらに強い赤色を呈するため単一色としての利用は特別な場合を除いて困難であった。
【0007】
従って、前記のような素材を同時に混合使用するとき、2時凝集が発生して使用は困難になる。又、凝集すると色が部分的に強く発生するためまだら状となり透明な赤外線遮蔽材料は開発されなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の事情に鑑み、特に赤外線遮蔽効果を有する超微粒子表面に分散性と光反射面を付与できるアモルファスシリカ超薄膜を単体粒子に形成することを目的としている。
【0009】
この膜圧を操作することにより、粒子表面に分散性の高いシラノール基を形成でき、なおかつ同時に混合使用し、色調を調節できる混合系を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者はすでに特願2001−145679および特願2001−145667を出願しさらに、国際出願としてPCT/JP02/03400およびPCT/JP02/03401により基本技術を出願し本発明の基本特許である単分散超薄膜で包接された微粒子を開発した。
これらの発明によって、シリカなどの単分散性超薄膜は、核体超微粒子との境界面に0.5〜5nmの超薄膜、必要に応じて30〜40nmの膜厚でコーティングされてなる。さらにその表面がプラズマ処理され、薄膜中の有機官能基が分解切断されることにより、高エネルギー型のシロキサン結合シリカ膜が形成せられる。そのため該薄膜表面はシラノール基が結合することにより、粒子間で負の対抗電位が発生して単分散状態を得ている。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の単分散超薄膜で包接された微粒子においては、上記高純度シリカ超薄膜の上位に、他の無機酸化物薄膜、たとえばジルコニア、酸化チタンなどを重ねてプラズマ成膜するものである。
【0012】
本発明の核体をなす化合物が、非常に湿度に鋭敏な劣化反応を示す場合には、成膜材料中に水は作用できないため、無水エタノールや加水分解を防御する炭化水素系有機溶剤で、成膜材料を希釈溶解せしめたのち、すみやかにドライガスバランスさせたグローブボックスや真空チャンバー中でそれらを急激にジェット噴射などの方法でミキシングさせ、成膜の前駆体を形成せしめたのち、乾燥して、ループ状配管をもつプラズマ装置か高速ミキサー中に導入したプラズマを照射させ、当該有機金属化合物機能基を切断除去させ、同時に同空間中で縦新幅を40μm以上もつ超音波ホーンに成膜処理中の微粒子を激突させて凝集体を爆裂させ完全な単分散超薄膜で包接された微粒子を得るものである。
【0013】
さらに本発明で得た単分散超薄膜で包接された微粒子を、各種の目的で使用される中間体あるいは完成組成物に混合分散するのに、できる限り不必要な添加剤を除去し、また、必要に応じて縦振幅が30μm以上ある超音波ホモジナイザーによって前記の多機能性を有する液状単分散体を製造し、最終製品製造工程へ導入することが望ましい。
【0014】
さらに有機溶剤や、ポリマーと粒子の凝集を解除することにより、5〜300nmの超微粒子を含有する接着剤を開発し、より透明なフィルムやコーティング剤、粘着材料又は/及びそれらを構造体中に有してなる車輌たとえば自動車や航空機ウィンドウ、大型ガラス、その他映像機器として、赤外線を発するプラズマディスプレイなどを提供することを目的としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実態の形態と実施例について説明するが、本発明はこれらの説明に限定されない。
【0016】
(本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料の説明)
本発明の非凝集性赤外線遮蔽素材のうち、透明導電性超微粒子はITOとAZOを用いた。又、その他の粒子としては、鉄が結晶格子面に沿って規則的に配位するプラズマ合成酸化チタンは、生成した粒子を250℃で30分加熱して結晶格子中に挿入されたFeやAlなどの金属面の原子に酸素を吸収させ低次酸化状態を形成している。
【0017】
次に、本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料の製造方法について述べる。
前記の粒子群のうち、吸収するとその効果や構造が失われるものとして、透明導電性超微粒子と群青があげられる。そのため、水を用いないで成膜する方法として前記の本発明者の先発明を用いて、エチルシリケートを無水エタノールに溶解させたのち対象となる粒子に噴霧・吸着固定し乾燥後に100メートルないし大気圧プラズマを該粒子に作用させエトキシ基を切断除去し、アモルファスのSiO4構造体を粒子界面に析出・成膜する方法をとった。
【0018】
この時の成膜条件は下記の通りである。
(A)TEOS又は/及び金属アルコキシド100部
無水エタノール0〜100部
TEOSを無水エタノールに等量以下溶解させる。これを(B)とする。
粉体 100部
シリカ 4〜10部
(B)として 28.6〜35.7部
(B)を粉体に噴霧し、これを(C)とする。
【0019】
(C)を密閉ポロプロピレン容器に入れ40℃で48時間熱処理したのち、大気中に曝露し、24時間放置するその後(C)を乾燥器中で55℃で4時間加熱したのち、大気圧プラズマチャンバーに投入し、粉体をヘリウムガスにのせてループ状ガラス管内を循環させながらチャンバー内で放電を発生させて5〜10分間処理した。
【0020】
前記(A)において、目的に応じてTEOSの他にチタネート化合物、ジルコネート化合物、タングステン化合物など金属化合物の溶解液、又はこれらの混合物を用いることができる。たとえばディジタルカメラの解像度改善には現在シリカ・酸化チタン積層膜が数10層くり返しCVDで成膜されているが、本発明では、上記化合物中にさらにフタロシアニン、群青、赤色202号などの赤外線しゃへい超微粒子であって、本発明表面被覆された高分散性粒子を成膜材料中に混合使用することも可能である。これは、基板上にスピンコート、ロールコート、噴霧、ディッピングなど通常考えられる表面処理方法が容易にとることができる。
【0021】
さらに、前記表面処理層が1〜数nmの膜厚のとき、赤外線反射効率を高めるため、数層のコーティングを行なうことができる。例えば、粒子表面に高屈折率のジルコニア層をテトラブトキシジルコネートやネオアルコキシジルコネート化合物(IPA希釈溶液)を用いて極めて薄く膜形成したのち、より低屈折率のシリカ層をさらにその上位に均質に1〜10nm密着成膜を試みた。特にテトラブトキシジルコネートは加水分解し易いため、プラズマ空間中でなければ酸化物薄膜は形成できない。このようにして得られた本発明の粒子は、1〜3層又は必要に応じてn層多層膜形成粒子となる。
【0022】
次に上記のような方法で処理された赤外線しゃへい粒子を有機化合物に均質に混合する方法と試験方法について述べる。
上記記載の粒子は、できるだけ最外層にシリカ層を有してなることが望ましく、これら水、イソプロピルアルコール、エタノール、MEK、Nメチルピロリドンなどの極性媒質に縦振幅が30ミクロンに設定された超音波ホモジナイザーで1〜5分間完全に分散した後静置し初性的又は2次的に生成した凝集体を沈降させ除去したのち、液中固型分濃度を精密に測定する。その後、濃度調整を行いこれを(D)とする。
【0023】
上記の(D)を、必要に応じて非極性溶剤中に再分散したのち、これの一定固型分量を有機溶着剤又は/及びポリマーやエラストマー中に混合して本発明の赤外線遮蔽材料を前記ホモジナイザーによってさらに高精度に分散させる。この混合段階及び溶剤分散時における粒子の状態や粒子表面に形成した膜の詳細な態分析は少なくとも完全に管理されコンタミネーションの発生しない300KVの透過型電子顕微鏡とEDXによって常に追跡しながら品質管理した。
【0024】
その結果、ほぼ完全な分散体の製造条件が少なくとも30万倍以上(モニター画像上では数100万倍以上)の高倍率において正確に補えることができた。特に粒子径が20〜50nmの有機色素やゾルゲル法が大きな問題を持っている事が判明した。すなわち、有機化合物を核体となすときには無水エタノールなどの全ての溶剤は使わないほうが凝集しないことが明らかとなった。
【0025】
さらに、上記のような極性溶剤中へ混合した本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料を、有機接着剤中に混合する際、特に有機溶剤の組合せが凝集を誘発するため、できる限り予備的に基礎データを入手しておく必要がある。又、エマルションの場合には、粒子表面がマイナスの荷電状態でなければ急激に沈殿を生ずるため、少なくとも最表面にはアモルファスシリカ膜を、望ましくは2nm〜5nm程度形成する必要がある。ただし、膜圧が厚すぎると加熱状態に熱応力を生みシリカの結晶化を早めることもありうるため十分に注意しなければならない。この時のシラノール又はシリカの生成についてはFTIRやESCAを用いて即座に分析評価した。
【0026】
この評価を終了し合格した本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料は、合成水晶ウエハー、ガラス板、ウエハー、ポリエステルシート又はフィルム、ポリビニルブチラール粘着膜、印刷物、プラズマディスプレイ放電要素部品、化粧品、包装材料、記録材料などに陥られる複合体の表面又は/及び基体内部に混合又はコーティングして使用されるため、それら複合体の成型物に、該粒子をどの程度配合するか、あるいは該粒子のサイズ及び形状がどのようなものが本目的に望ましいのか、紫外線〜赤外線まで同時に測定できる光スペクトロメーターを用いて、各段階の数水準のサンプルについて透過率、吸光度及び積分球を用いた反射率を測定した。特に、ウィンドー関連部材においては。可視の透過率が低いと製品開発できないため、場合においては必要最低限の分散剤を混合使用することも行ったほか、消胞剤の検討もした。
【0027】
次に、本発明の非凝集状赤外線遮蔽材の詳細な実施例について説明する。
【本発明の詳細な実施例】
(1)プラズマディスプレイ用赤外線遮蔽材の実施例
プラズマディスプレイ放電管内でプラズマ発生させるネオンにより、リモートコントロール機能に悪影響を与える赤外線が励起されるため、プラズマディスプレイ用窓材は、反射防止膜、ノングレア膜と赤外線反射膜が必要となっている。そのため、透明度の高いポリエステルシート表面又は反射面に対して、上記目的の膜を形成する技術が熱望されている。
又、着色はきわめて不都合であるため、各種赤外線遮蔽材からアルミニウムをドーピングした平均粒子径が50nmのプラズマ合成酸化チタレナノ粒子を用いた。この粒子はプラズマ合成後に250℃で30分仮焼し、赤外部吸光度バックグラウンドを高めてあり、同時に可視光線から300nmまでの赤外線を遮蔽するものである。また、通常金属粒子を出発原料に用いたときに生成される粒子は、平均粒径100〜200nmであるのに対し、本発明の本目的の粒子は、イソプロピルチタネートとトリエチルアルミネートを混合した液体をアルゴン・酸素プラズマ中に吹き込み10,000K〜8000Kの温度領域で原料を原始状にしたのち、ほぼ同時に酸化し、アルミニウムをセグリゲート(分別晶出)相として酸化チタン結晶例えばルチルの面欠陥として2又は4週期毎に析出したもので、面状のバンドギャップを有している。そのため、可視光線の吸収はかなり低く抑えられるが紫外線と赤外線の遮蔽に有効である。
【0028】
この粒子を用いて、その表面に2nmの膜厚のシリカ層を形成させた。この方法は、本発明者が先に出願した前記の発明のうちおだやかな自己加水分解性単分散薄膜形成材料、およびそれらで被覆された単分散顔料とそれらを配合した化粧料の発明(特願2001−145667)に従って次のような配合で行なった。
(1) エチルシリケート 14.28g
(2) 半導体級超純水 15.72g
(3)アルミニウム3%ドーピング酸化チタン 96.00g
(1)を(2)と超音波ホモジナイザーを用いて均質にエマルション化したのち、これを(3)に噴霧し、ビニル袋中に投入、密閉して48時間40度で過熱した。そののち、粉体を取り出し、50〜60℃で48時間乾燥させて、TEOSを完全に分解しアモルファスシリカを粒子表面に均質に成膜した。これを300KVの高分解能TEMで観察し、凝集がないこと及び膜形成が均質にできていることを確認した。
【0029】
次にこの粒子を超純水中に20重量%投入し縦振幅が30ミクロンである超音波ホーンを有しているホモジナイザーを用いて完全に分散したのち、プラスチックトレー中に投入し24時間静置し上澄分散液を回収し、さらにこの一部をとって前記TEMで再度観察した。その結果、2,3個体が加水分解工程でコアレッセンスしたものを除いてほぼ単分散状態であることが判明した。
【0030】
そのため、先にとった上澄分散液を精密に秤量したのち、105℃で時間加熱し、固形分量を測定したところ固形分は18.0%であった。しかるに、赤外線しゃへい材の量は、18.0×0.96=17.28%であった。さらにこの分散体を三井武田ケミカル(株)製水系ポリウレタンエマルション(固形分30%)に次の配合処方で混合し、先のホモジナイザーで再度超音波処理した。
(配合例1)
a,本発明の分散体 7.23部
(固形分17.28%) (固形分1.25部)
b,水系ポリエマルション 100部
(固形分30%) (固形分30部)
上記aをbに混合し、ポリエステル表面にオーバーコートするポリウレタン膜として4μm成膜した。この膜中での本発明のアルミドープ酸化チタン比率は4%であった。
(配合例2)
c,本発明の分散体 15.10部
(固形分17.28%) (固形分2.61部)
d,水系ポリウレタンエマルション 100部
(固形分30%) (固形分30部)
上記cをdに混合し、ポリエステル裏面にバックコートするポリウレタン膜として4μm成膜した。この膜中での本発明のアルミドープ酸化チタン比率は8%であった。
【0031】
(透過型電子顕微鏡観察結果)
上記配合例1及び2で得た分散サンプルについて、ポリウレタンエマルションを希釈したのち、TEM試料メッシュにのせて分散状態を直接観察した。この結果は次の通りである。
配合例1:多少粒子間凝集が認められるがほぼ均質に本発明の粒子が分散していた。しかしまだ全体を粒子がカバーしている状況ではなかった。
配合例2:ほぼ粒子が全体をカバーしているが、ところどころ粒子の抜けた部分があった。これを防ぐには膜厚を数ミクロン程度にする必要があるが、失透の恐れがある。
そのため、配合例2に対して改良を加えた。すなわち、熱プラズマ合成シリカ超微小(平均粒子径200nm)を配合剤に対し固形分外割比で3%加えた。
これを再度本発明で用いる超音波分散装置で5分間処理をした。
その結果、TEM像は極めて良好な状況となった。これを配合例2−Bとした。そのため配合例1にも同様にシリカ超微粒子を固形分比で3%加え再分散し、それを配合例1−Aとした。
【0032】
(改良された配合例1−A及び2−Bによる膜の形成と評価結果)
上記の2例の配合例をポリエステルシート表面に密着成膜した。ここでポリエステルシートは、253.7nm及び184.9nmの5列の紫外線放電管によって1m/分の速度で表面のぬれ性を高めるとともに酸化層を形成しポリウレタンの密着性を高めた。キュアー温度は90℃2分間とした。その結果、透明度の高いポリウレタン膜が完成した。これの切片を紫外〜赤外線スペクトロメーターで特性分析した。
【0033】
(本発明の実施例の光分析結果)
【0034】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によって赤外線を反射したり吸収する超微粒子に特有な表面状態の不安定性は、極めて安定かつ高分散な状態に改善された。また、複数の色調の材料を混合することが容易となり、従来使用できなかった用途や対象物に対して無理することなく塗膜形成できるようになった。さらに透明度を上昇させるため、必要量の材料を透過型電子顕微鏡を用いて直接観察法により状態を把握するため、配合条件の検証が見極め易く、同時にFTIRやUV−可視光線スペクトル分析を行なうことによって最も望ましい処方を完成することができる。特に、透明導電性超微粒子であるITOは非常に高価であるため、自動車のフロントガラス用接着フィルム用には使用しにくいが、現状では使わざるを得ない状態にあった。又、これらITO粒子は、コアレッセンスによる2次凝集体が多く生成しており歩留まりも悪かった。したがって、使用可能な歩留まりから判断すると単価が¥300/gにも達することがあった。
これに対し、本発明の技術を用いれば、原料を別に安価に選択することができ、発色も改善できるため出発原料の単価を¥50〜¥180/gに抑えることができる。又、安定な状態を維持できるので、製造ラインでのトラブルが低下する。
従って本発明の非凝集性赤外線遮蔽材料は単に安全性や物性を高めるばかりでなく生産上社会にも大きく貢献するもので意義が大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤色226号染料のシリカコート粉末のエタノール分散液中の染料の分散状態を表すTEM像である。本分散には分散助剤は使用していない。分散は純水のみにより、超音波ホモジナイザーのみを使用した。
Claims (4)
- 透明導電性超微粒子、金属ドープ酸化チタン超微粒子、群青、赤色226号染料のうち少なくとも1種をシリカ超薄膜で完全に被覆し、粒子表面に生ずる静電力によって強く負に帯電させ均質に分散させるとともに、赤外線反射面を各単体粒子表面に生じせしめてなることを特徴とする非凝集性赤外線遮蔽材料。
- 請求項1記載の透明導電性超微粒子が少なくとも150nm以下の粒子径であり、酸化インジウム・酸化スズ(ITO)、酸化アンチモン・酸化スズ(ATO)、酸化チタン(TixOy)、酸化亜鉛・酸化アルミナ(AZO)又はこれらに相当するとみなされる超微粒子の群れから選択され表面に数nm以下のシリカ超薄膜が形成されてなることを特徴とする非凝集性赤外線遮蔽材料。
- 請求項1及び記載の非凝集性赤外線遮蔽材料が、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、エポキシ、ポリイミド、メチルシリケート、金属アルコキシドから選択される接着剤又は/及び粘着剤中に均質に分散され透明な膜をなすことを特徴とする赤外線遮蔽体。
- 請求項3を搭載したことを特徴とする赤外線遮蔽ウィンドウ又は/及び車輌、プラズマディスプレイ、ディジタルカメラ用フィルター、航空機ガラスから選択される赤外線遮蔽体。
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