JP2004123800A - タイヤ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光による褪色が抑制され、且つ、低い電気抵抗値と優れた耐摩耗性及び引張強さとを有しているタイヤ組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】シリカ粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆シリカ粒子表面の少なくとも1部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合シリカ粒子粉末と、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれる一種または二種以上の無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆無機粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合粒子粉末とを含有するタイヤ組成物からなる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光による褪色が抑制され、且つ、低い電気抵抗値と優れた耐摩耗性及び引張強さとを有しているタイヤ組成物を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
自動車用タイヤには、走行安全性の面から、湿潤路面におけるタイヤのグリップ性、耐摩耗性及び破断強度が高いことが要求されている。また、近年、省エネルギー、省資源の面から、自動車用タイヤの転がり抵抗を小さくして燃料消費を軽減する、いわゆる低燃費タイヤの開発が盛んに行われている。
【0003】
更に、自動車用タイヤは、電気抵抗値が高い場合、静電破壊による放電によってラジオなどの電子機器へのノイズを発生させたり、自動車に発生した静電気が帯電して、給油中等にスパークして引火する危険性があるため、電気抵抗値が低いことが強く要求されている。
【0004】
従来、タイヤ等のゴム組成物には、補強、耐摩耗性向上及び電気抵抗値低減を目的として、カーボンブラックが配合されている。しかしながら、カーボンブラックを配合したタイヤは転がり抵抗が大きく、従って、自動車の燃料消費も大きくなることが知られている。
【0005】
そこで、カーボンブラックに比べてタイヤの転がり抵抗を低減することのできるシリカ粒子粉末をタイヤ等のゴム補強用充填材として配合することが提案されており、既に実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
また、タイヤの各種性能を更に向上させる目的で、アルミナ、アルミノシリケート、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム及び炭酸カルシウム等をタイヤ等のゴム補強用充填材として配合することが提案されており、既に実用化されている(例えば、特許文献2乃至5参照。)。
【0007】
更に、ゴム組成物中への分散性改善を目的として、シリカ粒子、水酸化アルミニウム及びアルミナを有機ケイ素化合物等で表面処理したゴム用充填剤や酸化カルシウムを高級脂肪酸、混合脂肪酸又はプロセスオイルで処理したゴム用充填剤を配合したトレッド用ゴム組成物が提案されている(例えば、特許文献6乃至9参照。)。
【0008】
また、充填補強材として前記シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム及び炭酸カルシウム等を用いた場合、該粒子粉末が非導電性であることによって、タイヤの電気抵抗値が高くなる。そこで、シリカ粒子粉末と共に、カーボンブラック粒子粉末等の導電性粒子粉末を複合化することも行われており、既に実用化されている(例えば、特許文献10乃至13参照)。
【0009】
更に、自動車のタイヤは一般に黒色であり、視覚性の面から黒色度が高く、光による褪色が抑制されることが強く要求されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平3−239737号公報(第4頁)
【特許文献2】
特開平9−328576号公報(第4−5頁)
【特許文献3】
特開2000−119400号公報(第9頁)
【特許文献4】
特開2001−335664号公報(第2−3頁)
【特許文献5】
特開2002−12706号公報(第4頁)
【特許文献6】
特開2000−204196号公報(第3−4頁)
【特許文献7】
特開2000−230081号公報(第4頁)
【特許文献8】
特開平8−245838号公報(第3−4頁)
【特許文献9】
特開平4−224839号公報(第2頁)
【特許文献10】
特開昭52−93452号公報(第2−6頁)
【特許文献11】
特許第3160552号公報等(第2−3頁)
【特許文献12】
特開2000−281833号公報(第3頁)
【特許文献13】
特許第2788212号公報(第3−4頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
光による褪色が抑制され、且つ、低い電気抵抗値と優れた耐摩耗性及び引張強さを有しているタイヤ組成物は、現在最も要求されているところであるが、このような諸特性を有するタイヤ組成物は、未だ得られていない。
【0012】
即ち、前出特許文献1記載のトレッドタイヤ組成物は、有機リチウム化合物によりスチレンとブタジエンとを共重合して得られるスチレン−ブタジエン共重合体を30重量部以上含有するブレンドゴム100重量部に対して、シリカ粒子粉末10〜150重量部とカーボンブラック0〜100重量部とからなるゴム組成物に関するものであるが、上記シリカ粒子粉末のゴム組成物中への分散が不均一であるため、優れた耐摩耗性と引張強さを得ることが困難であるとともに、カーボンブラックもまた、シリカ粒子粉末によって分散が妨げられるため、電気抵抗値を低くすることが困難であった。
【0013】
また、前出特許文献2乃至5には、シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、水酸化アルミニウム、酸化カルシウム等をタイヤ組成物の充填剤として用いる殊が記載されているが、当該各充填剤は粒子表面に水酸基を有しているため親水性であり、タイヤ用に一般的に用いられているゴムとは相溶性が低く、タイヤ等のゴム組成物中への均一な分散が困難であった。
【0014】
前出特許文献6乃至9には、シリカ、水酸化アルミニウム粒子、アルミナ、酸化カルシウムを有機ケイ素化合物、高級脂肪酸、混合脂肪酸又はプロセスオイルで処理したゴム用充填剤を配合したタイヤのトレッド用ゴム組成物が記載されているが、表面処理した各充填剤のゴム中での分散性は改善できるが、各充填材の体積固有抵抗値は依然高いままであり、得られるタイヤのトレッド用ゴム組成物の電気抵抗値を低減することは困難であった。
【0015】
前出特許文献10及び11には、いずれも粒子表面にカーボンブラックが被覆されたシリカ粒子又は該表面被覆シリカ粒子粉末を充填材として含むゴム組成物が記載されているが、いずれも、有機物を熱分解することによりシリカ表面にカーボンブラック層を形成しているため、後出比較例に示す通り、芯粒子表面へのカーボンブラックの付着強度が弱く、ゴム組成物中に練込んだ場合、カーボンブラックが脱離して芯粒子表面が露出してしまうため、ゴム組成物中への分散が不均一となり、耐摩耗性及び引張強さが低下する。
【0016】
前出特許文献12及び13には、シリカで表面処理をしたカーボンブラックを含むタイヤトレッド用ゴム組成物が記載されているが、カーボンブラック表面へのシリカの付着強度が弱いため、ゴム組成物中に練込んだ場合、シリカがカーボンブラック表面から脱離してしまい、均一な分散を妨げられる。
【0017】
そこで、本発明は、光による褪色が抑制され、且つ、低い電気抵抗値と優れた耐摩耗性及び引張強さとを有しているタイヤ組成物を得ることを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0019】
即ち、本発明は、シリカ粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆シリカ粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合シリカ粒子粉末と、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれる一種または二種以上の無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆無機粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合粒子粉末とを含有することを特徴とするタイヤ組成物である(本発明1)。
【0020】
また、本発明は、糊剤が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンである本発明1のタイヤ組成物である(本発明2)。
【0021】
また、本発明は、カーボンブラックの付着量がシリカ粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であると共に、カーボンブラックの付着量が無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部である本発明1のタイヤ組成物である(本発明3)。
【0022】
また、本発明は、本発明1乃至本発明3のいずれかのシリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とするタイヤ組成物である(本発明4)。
【0023】
また、本発明は、本発明1乃至本発明4のいずれかの黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子表面が、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はカップリング剤によって被覆されていることを特徴とするタイヤ組成物である(本発明5)。
【0024】
本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通りである。
【0025】
本発明に係るタイヤ組成物は、シリカ粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆シリカ粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合シリカ粒子粉末と、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれる一種または二種以上の無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆無機粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合粒子粉末とを含有している。
【0026】
本発明におけるシリカ粒子粉末としては、無水ケイ酸、含水ケイ酸、無水ケイ酸塩及び含水ケイ酸塩等のホワイトカーボンや、シリカゲルのような、シリカを主成分としている物質であれば、いずれをも用いることができる。得られる複合シリカ粒子粉末のタイヤ組成物中における分散性を考慮すれば、無水ケイ酸及び含水ケイ酸が好ましい。
【0027】
本発明における無機粒子としては、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれる一種または二種以上を用いることができる。得られる黒色複合粒子粉末のタイヤ組成物中における分散性を考慮すれば、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び酸化亜鉛が好ましい。
【0028】
シリカ粒子及び無機粒子の粒子形状は、球状、粒状、不定形、針状及び板状等のいずれの形状であってもよい。得られる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末のタイヤ組成物中における分散性を考慮すれば、球状粒子又は粒状粒子が好ましい。
【0029】
シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が0.001〜20.0μm、好ましくは0.002〜15.0μm、より好ましくは0.003〜10.0μmである。
【0030】
平均粒子径が20.0μmを超える場合には、得られる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末が粗大粒子となってタイヤ組成物中における均一性が低下するため、タイヤ組成物の強度を向上させることが困難となる。0.001μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすくなるため、シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0031】
シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の幾何標準偏差値は2.00以下が好ましく、より好ましくは1.50以下、最も好ましくは1.40以下である。幾何標準偏差値が2.00を超える場合には、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻害されるため、シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0032】
シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末のBET比表面積値は0.05m/g以上が好ましい。BET比表面積値が0.05m/g未満の場合には、シリカ粒子粉末及び無機粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末が粗大粒子となってタイヤ組成物中における均一性が低下するため、タイヤ組成物の強度を向上させることが困難となる。タイヤ組成物中における均一性を考慮すると、BET比表面積値は0.1m/g以上がより好ましく、最も好ましくは0.2m/g以上である。粒子表面への糊剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、その上限値は500m/gが好ましく、より好ましくは450m/g、最も好ましくは400m/gである。
【0033】
本発明におけるシリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の表面活性度は、後述する評価方法において、通常5%以上である。得られる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の表面活性度を考慮すれば、芯粒子であるシリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の表面活性度はできる限り低い方が好ましく、好ましくは4.5%以下、より好ましくは4.0%以下である。
【0034】
本発明におけるシリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の隠蔽力は、1000cm/g未満が好ましい。得られる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の黒色度を考慮すれば、隠蔽力は800cm/g以下がより好ましく、更に好ましくは600cm/g以下、最も好ましくは300cm/g以下である。
【0035】
シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の体積固有抵抗値は、通常1.0×10Ω・cm以上である。
【0036】
本発明における糊剤としては、シリカ粒子粉末及び無機粒子の粒子表面へカーボンブラックを付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上である。シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面へのカーボンブラックの付着強度を考慮すれば、より好ましくはアルコキシシラン又はポリシロキサンである。
【0037】
本発明における有機ケイ素化合物としては、化1で表わされるアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、化2で表わされるポリシロキサン、化3で表わされる変成ポリシロキサン、化4で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに化5で表されるフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物又はこれらの混合物を用いることができる。
【0038】
【化1】
Figure 2004123800
【0039】
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0040】
シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面へのカーボンブラックの付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましく、最も好ましくはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物である。
【0041】
【化2】
Figure 2004123800
【0042】
【化3】
Figure 2004123800
【0043】
【化4】
Figure 2004123800
【0044】
シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面へのカーボンブラックの付着強度を考慮すると、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンが好ましい。
【0045】
【化5】
Figure 2004123800
【0046】
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0047】
シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面へのカーボンブラックの付着強度を考慮すると、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が好ましく、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物が最も好ましい。
【0048】
カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0049】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0050】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0051】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0052】
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0053】
糊剤の被覆量は、糊剤被覆シリカ粒子粉末及び/又は糊剤被覆無機粒子粉末に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0054】
0.01重量%未満の場合には、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末100重量部に対して1重量部以上のカーボンブラックを付着させることが困難である。15.0重量%を超える場合には、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末100重量部に対してカーボンブラックを1〜500重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0055】
カーボンブラックの付着量は、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末各々100重量部に対して1〜500重量部であり、好ましくは30〜400重量部、より好ましくは50〜300重量部である。
【0056】
1重量部未満の場合には、カーボンブラックの付着量が不十分であり、十分に体積固有抵抗値を低減できないとともに、十分な黒色度を有する黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末を得ることが困難である。500重量部を超える場合には、十分な黒色度及び体積固有抵抗値を有する黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末が得られるが、カーボンブラックの付着量が多いためカーボンブラックが脱離しやすくなり、その結果、タイヤ組成物中への分散性が低下する。
【0057】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子であるシリカ粒子及び無機粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0058】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が0.001〜20.0μm、好ましくは0.002〜15.0μm、より好ましくは0.003〜10.0μmである。
【0059】
平均粒子径が20.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、タイヤ組成物中における均一性が低下し、タイヤ組成物の強度を向上させることが困難となる。0.001μm未満の場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすくなるため、タイヤ組成物中における分散が困難となる。
【0060】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の幾何標準偏差値は2.00以下が好ましく、より好ましくは1.50以下、最も好ましくは1.40以下である。幾何標準偏差値が2.00を超える場合には、存在する粗大粒子によってタイヤ組成物中への均一な分散が阻害され、タイヤの機械的強度が低下するため好ましくない。黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の粒子径の幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0061】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末のBET比表面積値は0.05〜500m/gが好ましく、より好ましくは0.1〜450m/g、最も好ましくは0.2〜400m/gである。BET比表面積値が0.05m/g未満の場合には、粒子が粗大であるか、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、タイヤ組成物中における均一性が低下するため、タイヤ組成物の強度を向上させることが困難となる。BET比表面積値が500m/gを超える場合には、粒子の微細化による分子間力の増大により凝集を起こしやすいため、タイヤ組成物中への分散性が低下する。
【0062】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の黒色度は、L値が22.0以下が好ましく、より好ましくは21.0以下、最も好ましくは20.0以下である。L値が22.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が優れているとは言い難い。
【0063】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の表面活性度は、後述する評価方法において、2.0%以下が好ましく、より好ましくは1.8%以下、更により好ましくは1.6%以下である。表面活性度が2.0%を超える場合には、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の表面活性が高すぎるため、タイヤ組成物中に含有されているゴム等を劣化させ、得られるタイヤ組成物の機械的強度を低下させるため好ましくない。
【0064】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の体積固有抵抗値は、1.0×10Ω・cm未満が好ましく、より好ましくは5.0×10Ω・cm以下、最も好ましくは1.0×10Ω・cm以下である。体積固有抵抗値が1.0×10Ω・cm以上の場合は、得られるタイヤ組成物の体積固有抵抗値を十分に低減することが困難となる。体積固有抵抗値の下限値は1.0×10Ω・cm程度である。
【0065】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法において、ΔE値で5.0以下が好ましく、より好ましくは4.0以下である。
【0066】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末のカーボンブラックの脱離率は20%以下が好ましく、より好ましくは15%以下である。カーボンブラックの脱離率が20%を超える場合には、脱離したカーボンブラックによりタイヤ組成物中での均一な分散が阻害される場合がある。
【0067】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末は、必要により、シリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面をあらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよく、中間被覆物で被覆しない場合に比べ、シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面からのカーボンブラックの脱離率をより低減することができるとともに、得られるタイヤ組成物の機械的強度も向上する。
【0068】
中間被覆物による被覆量は、中間被覆物で被覆されたシリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末に対してAl換算、SiO換算又はAl換算量とSiO換算量との総和で0.01〜20重量%が好ましい。
【0069】
0.01重量%未満である場合には、カーボンブラックの脱離率の低減効果が得られない。0.01〜20重量%の被覆量により、カーボンブラックの脱離率低減効果が十分に得られるので、20重量%を超えて必要以上に被覆する意味がない。
【0070】
シリカ粒子又は無機粒子の粒子表面が、中間被覆物で被覆されている黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末は、中間被覆物で被覆されていない黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、体積固有抵抗値、黒色度及び耐光性を有している。また、カーボンブラックの脱離率は中間被覆物で被覆することによって向上し、脱離率は15%以下が好ましく、より好ましくは10%以下である。
【0071】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末は、必要により、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子表面を、更に、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤によって被覆しておいてもよく、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤によって被覆しない場合に比べ、タイヤ組成物中における分散性が向上するとともに、タイヤ組成物の機械的強度も向上する。
【0072】
本発明における脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を用いることができ、炭素数12〜22のものが好ましい。
【0073】
本発明における脂肪酸金属塩としては、飽和又は不飽和の脂肪酸と金属との塩類を用いることができ、炭素数12〜18の脂肪酸とマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、鉛、スズ等の金属との塩類を用いることが好ましい。タイヤ組成物中における黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末分散性を考慮すれば、ステアリン酸のアルカリ土類金属塩又はステアリン酸亜鉛が好ましい。
【0074】
本発明におけるシランカップリング剤としては、ゴムの配合用に一般的に用いられているものを用いることができ、たとえば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)テトラスルフェン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフェン、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフェンがあげられる。
【0075】
タイヤ組成物中での補強効果を考慮すれば、ゴムの炭素−炭素二重結合と反応可能なポリスルフィド、メルカプト基、エポキシ基等の官能基をもつものが好ましく、具体的には、ポリスルフィドをもつものとしては、ビス−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)テトラスルフェン、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフェン、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフェン等があり、メルカプト基をもつものとしては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等があり、エポキシ基をもつものとしては、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0076】
脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤の被覆量は、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤被覆黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末に対してC換算で0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜7.5重量%、最も好ましくは0.3〜5.0重量%である。
【0077】
0.1重量%未満の場合には、タイヤ組成物中における分散性改善効果が得られない。10.0重量%を超える場合には、タイヤ組成物中における分散性改善効果が飽和するため、必要以上に被覆する意味がない。
【0078】
粒子表面を、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤によって被覆されている黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末は、粒子表面を脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤によって被覆されていない黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末とほぼ同程度の粒子サイズ、BET比表面積値、体積固有抵抗値、黒色度、耐光性及びカーボンブラックの脱離率を有しているとともに、若干低い表面活性度を有している。
【0079】
次に、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末を含有する本発明に係るタイヤ組成物について述べる。
【0080】
本発明1乃至本発明3に係るタイヤ組成物は、分散状態は4又は5が好ましく、より好ましくは5であり、耐摩耗性は相対値で105以上が好ましく、より好ましくは107以上であり、体積固有抵抗値は8.0×10Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは3.0×10Ω・cm以下であり、引張強さは24.0MPa以上が好ましく、より好ましくは24.5MPa以上であり、耐光性はΔE値で4.5以下が好ましく、より好ましくは4.0以下であり、最も好ましくは3.5以下である。
【0081】
本発明4に係るタイヤ組成物は、分散状態は好ましくは5であり、耐摩耗性は107以上が好ましく、より好ましくは109以上であり、体積固有抵抗値は8.0×10Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは3.0×10Ω・cm以下であり、引張強さは24.5MPa以上が好ましく、より好ましくは25.0MPa以上であり、耐光性はΔE値で4.0以下が好ましく、より好ましくは3.5以下であり、最も好ましくは3.0以下である。
【0082】
本発明5に係るタイヤ組成物は、分散状態は好ましくは5であり、耐摩耗性は107以上が好ましく、より好ましくは109以上であり、体積固有抵抗値は8.0×10Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは3.0×10Ω・cm以下であり、引張強さは24.5MPa以上が好ましく、より好ましくは25.0MPa以上であり、耐光性はΔE値で4.0以下が好ましく、より好ましくは3.5以下であり、最も好ましくは3.0以下である。
【0083】
本発明に係るタイヤ組成物中における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して黒色複合シリカ粒子粉末と黒色複合粒子粉末との総和で10〜200重量部の範囲であり、好ましくは15〜150重量部、更に好ましくは20〜100重量部である。前記配合量が10重量部未満の場合には、得られるタイヤ組成物の電気抵抗値を低減することが困難となる。200重量部を超える場合には、耐摩耗性及び引張り強度が低下するとともに、タイヤ組成物製造時におけるハンドリング性が低下する。
【0084】
本発明に係るタイヤ組成物中における黒色複合シリカ粒子粉末の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して5〜195重量部の範囲で使用することができ、好ましくは10〜145重量部、更に好ましくは15〜95重量部である。5重量部未満の場合には、得られるタイヤ組成物の耐摩耗性及び引張り強度を改善することが困難となる。
【0085】
本発明に係るタイヤ組成物中における黒色複合粒子粉末の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して5〜95重量部の範囲で使用することができ、好ましくは5〜70重量部、更に好ましくは5〜45重量部である。95重量部を超える場合には、得られるタイヤ組成物の耐摩耗性及び引張り強度を低下させる場合がある。
【0086】
本発明に係るタイヤ組成物中における黒色複合シリカ粒子粉末と黒色複合粒子粉末との配合割合は、黒色複合シリカ粒子粉末と黒色複合粒子粉末との重量比で1:9〜9:1が好ましく、より好ましくは2:8〜8:2である。
【0087】
本発明に係るタイヤ組成物における構成基材としては、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末と周知のゴムとともに、必要により、タイヤ組成物において通常使用される加硫剤、加硫促進剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤等の各種添加剤が配合される。
【0088】
ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム及びその混合物等を使用することができる。ゴムの主成分として、天然ゴム(NR)又はポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムを含むことが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0089】
次に、本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の製造法について述べる。
【0090】
本発明における黒色複合シリカ粒子粉末は、シリカ粒子粉末と糊剤とを混合し、粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆されたシリカ粒子粉末とカーボンブラックとを混合することによって得ることができる。黒色複合粒子粉末は、無機粒子粉末と糊剤とを混合し、粒子表面を糊剤によって被覆し、次いで、糊剤によって被覆された無機粒子粉末とカーボンブラックとを混合することによって得ることができる。また、シリカ粒子粉末と無機粒子粉末とをあらかじめ混合しておき、次いで、該混合粒子粉末と糊剤とを混合し、粒子表面を糊剤によって被覆し、更に、糊剤によって被覆された混合粒子粉末とカーボンブラックとを混合することによっても得ることができる。
【0091】
シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末への糊剤による被覆は、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末と糊剤とを機械的に混合攪拌したり、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末に糊剤成分を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した糊剤は、ほぼ全量がシリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面に被覆される。
【0092】
糊剤を均一にシリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面に被覆するためには、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末の凝集をあらかじめ粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0093】
シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末と糊剤との混合攪拌、前記カーボンブラックと粒子表面に糊剤が被覆されているシリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0094】
上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0095】
混合撹拌時における条件は、シリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面に糊剤ができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0096】
糊剤の添加量は、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末100重量部に対して0.01〜50重量部が好ましい。0.01重量部未満の場合には、黒色度を改良できる程度にカーボンブラックを十分付着させることが困難である。50重量部の添加によって、カーボンブラックを十分付着させることができるので、必要以上に添加する意味がない。
【0097】
シリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面に糊剤を被覆した後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して糊剤が被覆された粒子表面にカーボンブラックを付着させる。必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0098】
カーボンブラックは、少量ずつ時間をかけながら、殊に5〜120分程度をかけて添加するのが好ましい。
【0099】
混合攪拌時における条件は、カーボンブラックが均一に付着するように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200Kg/cm)、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150Kg/cm)、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100Kg/cm)、処理時間は5〜300分、好ましくは10〜240分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpm、好ましくは5〜1000rpm、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0100】
本発明において使用するカーボンブラックは、市販のファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック及びサーマルブラック等を使用することができ、具体的には、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、MA100、MA7、#1000、#2400B、#30、MA77、MA8、#650、MA11、#50、#52、#45、#2200B、MA600等(商品名:三菱化学株式会社(製))シースト9H、シースト7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シーストFM等(商品名、東海カーボン株式会社(製))、Raven 1250、Raven 860、Raven1000、Raven 1190ULTRA(商品名:コロンビヤン・ケミカルズ・カンパニー(製))、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD(商品名:ケッチェンブラック・インターナショナル株式会社(製))、BLACK PEARLS−L、BLACK PEARLS 1000、BLACK PEARLS 4630、VULCAN XC72、REGAL 660、REGAL 400(商品名:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク(製))、FW−200、FW−17、FW−18(商品名:デグサ・ジャパン(製))等が使用できる。
【0101】
カーボンブラックの添加量は、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部である。1重量部未満の場合には、カーボンブラックの付着量が不十分であり、高い黒色度を有する黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末を得ることが困難である。500重量部を超える場合には、十分な黒色度は得られるが、カーボンブラックの付着量が多くなるため粒子表面からカーボンブラックが脱離しやすくなり、その結果、タイヤ組成物中への分散性が低下する可能性がある。
【0102】
乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜150℃が好ましく、より好ましくは60〜120℃であり、処理時間は、10分〜12時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
【0103】
シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末は、必要により、糊剤の混合撹拌に先立って、あらかじめ、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。
【0104】
中間被覆物による被覆は、シリカ粒子粉末及び/又は無機粒子粉末を分散して得られる水懸濁液に、アルミニウム化合物、ケイ素化合物又は当該両化合物を添加して混合攪拌することにより、又は、必要により、混合攪拌後にpH値を調整することにより、前記シリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面を、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物で被覆し、次いで、濾別、水洗、乾燥、粉砕する。必要により、更に、脱気・圧密処理等を施してもよい。
【0105】
アルミニウム化合物としては、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩や、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸アルカリ塩等が使用できる。
【0106】
ケイ素化合物としては、3号水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等が使用できる。
【0107】
本発明5に係るタイヤ組成物に用いられる黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末は、上記で得られた黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子表面を、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤によって被覆することによって得ることができる。
【0108】
黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤による被覆は、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末と脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤とを加熱しながら機械的に混合攪拌すればよい。
【0109】
脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤の添加量は、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましい。0.1〜100重量部の添加量により、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末のタイヤ組成物中への分散性をより改善することができる。
【0110】
加熱温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上、最も好ましくは60℃以上であり、その上限値は、被覆する脂肪酸、脂肪酸金属塩及びカップリング剤の融点もしくは沸点である。
【0111】
本発明に係るタイヤ組成物は、上記ゴム、黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末とともに、必要により各種添加剤とをバンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー等を用いて従来の方法で混練りした後、120〜180℃で加硫することによって得ることができる。
【0112】
黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末は、シリカ粒子粉末と無機粒子粉末とをあらかじめ混合しておくことによって得られた黒色複合シリカ粒子粉末及び/黒色複合粒子粉末の混合黒色粒子を添加してもよいし、黒色複合シリカ粒子粉末と黒色複合粒子粉末の各々の所定量をあらかじめ混合したものを添加してもよいし、別々に添加してもよい。
【0113】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0114】
シリカ粒子粉末、無機粒子粉末、カーボンブラック、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の各粒子粉末の平均粒子径は、電子顕微鏡写真を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真に示される粒子約350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0115】
粒子の粒度分布は、下記の方法により求めた幾何標準偏差値で示した。
【0116】
即ち、上記拡大写真に示される粒子径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%における粒子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子径の粒度分布が優れていることを意味する。
【0117】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0118】
シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面に存在するAl量及びSi量は、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0119】
シリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面に被覆されている糊剤の被覆量、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末に付着しているカーボンブラックの付着量及び黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子表面に被覆されている脂肪酸、脂肪酸金属塩又はシランカップリング剤の量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定することにより求めた。
【0120】
黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末に付着しているカーボンブラックの脱離率(%)は、下記の方法により求めた値で示した。カーボンブラックの脱離率が0%に近いほど、粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0121】
黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末3gとエタノール40mlを50mlの沈降管に入れ、20分間超音波分散を行った後、120分静置し、比重差によって黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。次いで、この黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末に再度エタノール40mlを加え、更に20分間超音波分散を行った後120分静置し、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末と脱離したカーボンブラックを分離した。この黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末を100℃で1時間乾燥させ、前述の「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて炭素量を測定し、下記数1に従って求めた値をカーボンブラックの脱離率(%)とした。
【0122】
【数1】
カーボンブラックの脱離率(%)={(Wa−We)/Wa}×100
Wa:黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
We:脱離テスト後の黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末のカーボンブラック付着量
【0123】
シリカ粒子粉末、無機粒子粉末、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の各粒子粉末の表面活性度は、下記に示した残存溶剤量を測定することによって評価した。
【0124】
まず、試料粉末1gと溶剤(MEK)10gを秤り取り、試料粉末を溶剤中に3時間浸漬した後、24時間風乾し、更に、60℃で24時間乾燥し、乾燥後の試料粉末のカーボン量を「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定し、残存カーボン量を定量して求めた。残存カーボン量が少ないほど溶剤の残存が少なく、粉体の表面活性が抑制されていることを示す。
【0125】
カーボンブラック、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の黒色度は、試料0.5gとヒマシ油0.7mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗料片について、多光源分光測色計「MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8729に定めるところに従って表色指数L値で示した。ここでL値は、明度を表わし、L値が小さいほど黒色度が優れていることを示す。
【0126】
シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の隠蔽力は、下記に示す方法に従って作製した原色エナメルを用いて、JIS K 5101 8.2のクリプトメーター法に従って得られた値で示した。
【0127】
原色エナメルの作製:
上記試料粉体10gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー6gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで45分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
【0128】
黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の耐光性は、上記に示す方法に従って作製した原色エナメルを冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成することによって得られた測定用試料片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13」(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した。紫外線が照射された部分と、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分との色相(L値、a値、b値)を多光源分光測色計「MSC−IS−2D」(スガ試験機株式会社製)を用いてそれぞれ測定し、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、下記数2に従って算出したΔE値によって耐光性を示した。
【0129】
【数2】
ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)+(Δb値)1/2
ΔL値: 比較する試料の紫外線照射有無のL値の差
Δa値: 比較する試料の紫外線照射有無のa値の差
Δb値: 比較する試料の紫外線照射有無のb値の差
【0130】
シリカ粒子粉末、無機粒子粉末、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末及びタイヤ組成物の各体積固有抵抗値は、下記の方法で被測定試料を作製した試料の抵抗値を測定することにより求めた。
【0131】
シリカ粒子粉末、無機粒子粉末、黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の場合、試料粒子粉末0.5gを測り取り、KBr錠剤成形器(株式会社島津製作所)を用いて、1.372×10Pa(140Kg/cm)の圧力で加圧成形を行い、円柱状の被測定試料を作製した。また、タイヤ組成物の場合、後述する処法によって作製した樹脂プレートを打ち抜いて、円柱状の被測定試料を作製した。
【0132】
次いで、被測定試料を温度25℃、相対湿度60%環境下に12時間以上暴露した後、この被測定試料をステンレス電極の間にセットし、ホイートストンブリッジ(TYPE2768 横河北辰電気株式会社製)で15Vの電圧を印加して抵抗値R(Ω)を測定した。
【0133】
次いで、被測定(円柱状)試料の上面の面積A(cm)と厚みt(cm)を測定し、下記数3にそれぞれの測定値を挿入して、体積固有抵抗値(Ω・cm)を求めた。
【0134】
【数3】
体積固有抵抗値(Ω・cm)=R×(A/t
【0135】
タイヤ組成物の耐光性は、後述する処法によって作製した樹脂プレートの半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13」(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで2時間連続照射した後、紫外線が照射された部分と金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、上記数2に従って算出したΔE値によって耐光性を示した。
【0136】
タイヤ組成物中への分散性は、得られたタイヤ組成物表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価した。5が最も分散状態が良いことを示す。
【0137】
1:  1cm当たりに50個以上
2:  1cm当たりに10個以上50個未満
3:  1cm当たりに5個以上10個未満
4:  1cm当たりに1個以上5個未満
5:  未分散物認められず
【0138】
タイヤ組成物の耐摩耗性は、ランボーン摩耗試験機を用いて、荷重4.5kg、スリップ率50%の条件下、JIS K 6264に従って摩耗損失量を測定し、後出比較例1のタイヤ組成物の値を100として摩耗損失量を指数として示した。該摩耗損失量の指数が大きいほど、耐摩耗性が良好であることを示す。
【0139】
タイヤ組成物の引張強さは、JIS K 6301に従って測定を行った。
【0140】
<黒色複合シリカ粒子粉末の製造>
シリカ粒子粉末(粒子形状:球状、平均粒子径0.021μm、幾何標準偏差値1.21、BET比表面積値196.2m/g、表面活性度7.8%、隠蔽力6cm/g、体積固有抵抗値3.3×10Ω・cm)7.0kgに、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123:GE東芝シリコーン株式会社製)175gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0141】
次に、カーボンブラック微粒子粉末(粒子形状:粒状、粒子径0.022μm、BET比表面積値134.0m/g、黒色度L値16.6)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で90分間混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン被覆にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間乾燥を行い、黒色複合シリカ粒子粉末を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0142】
得られた黒色複合シリカ粒子粉末は、粒子径が0.025μmの粒状粒子であった。幾何標準偏差値は1.22、BET比表面積値は125.4m/gであり、体積固有抵抗値は6.9×10Ω・cm、黒色度L値は17.1、表面活性度は1.1%、耐光性ΔE値は2.4、カーボンブラックの脱離率は7.8%であり、メチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量は、C換算で0.16重量%であった。付着しているカーボンブラック量はC換算で49.37重量%(シリカ粒子粉末100重量部に対して100重量部に相当する)であった。電子顕微鏡写真の観察結果より、カーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がメチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0143】
<黒色複合粒子粉末の製造>
アルミナ粒子粉末(粒子形状:粒状、平均粒子径0.101μm、幾何標準偏差値1.36、BET比表面積値13.8m/g、表面活性度8.6%、隠蔽力110cm/m、体積固有抵抗値4.1×10Ω・cm)7.0kgに、フェニルトリエトキシシラン(商品名:TSL8178:GE東芝シリコーン株式会社製)140gを、エッジランナーを稼動させながらアルミナ粒子粉末に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0144】
次に、カーボンブラック(粒子形状:粒状、平均粒子径0.022μm、BET比表面積値134.0m/g、黒色度L値16.6)7.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で90分間混合攪拌を行い、フェニルトリエトキシシラン被覆にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間乾燥を行い、黒色複合粒子粉末を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0145】
得られた黒色複合粒子粉末は、平均粒子径が0.103μmの粒状粒子であった。幾何標準偏差値は1.37、BET比表面積値は16.3m/gであり、体積固有抵抗値は6.2×10Ω・cm、黒色度L値は16.7、表面活性度は1.0%、耐光性ΔE値は1.8、カーボンブラックの脱離率は7.8%であり、フェニルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量は、C換算で0.71重量%であった。付着しているカーボンブラック量はC換算で49.06重量%(アルミナ粒子粉末100重量部に対して100重量部に相当する)であった。電子顕微鏡写真の観察結果より、カーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量がフェニルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物被覆に付着していることが認められた。
【0146】
<タイヤ組成物の製造>
下記に示す配合割合にてタイヤ組成物を常法に従ってバンバリーミキサー及び練りロール機で混合混練して調製した。
【0147】
スチレン−ブタジエン共重合体            100.0重量部、
黒色複合シリカ粒子粉末                30.0重量部、
黒色複合粒子粉末                   15.0重量部、
亜鉛華                         2.5重量部、
ステアリン酸                      2.0重量部、
老化防止剤                       2.0重量部、
ワックス                        1.0重量部、
硫黄                          1.8重量部、
加硫促進剤                       0.8重量部。
【0148】
得られたタイヤ組成物を160℃で20分間プレス加硫して試験片を調製し、各種試験を行った。
【0149】
得られたタイヤ組成物の耐摩耗性は118、電気抵抗値は1.2×10Ω・cm、引張強さは25.5MPa、耐光性ΔE値は2.9であり、タイヤ組成物中における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の分散性は5であった。
【0150】
【作用】
本発明において最も重要な点は、シリカ粒子表面に糊剤を介してカーボンブラックを付着させた黒色複合シリカ粒子粉末と、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれた1種または2種以上の無機粒子の粒子表面に糊剤を介してカーボンブラックを付着させた黒色複合粒子粉末を含有しているタイヤ組成物は、光による褪色が抑制され、且つ、低い電気抵抗値とより優れた耐摩耗性及び引張強さとを有しているという事実である。
【0151】
本発明に係るタイヤ組成物の光による褪色が抑制されている理由について、本発明者は、表面活性の高いシリカ粒子及び無機粒子の粒子表面を糊剤及びカーボンブラックによって被覆することにより、シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の表面活性が低減し、該粒子粉末の表面活性によるタイヤ組成物中のゴムの劣化等が抑制されたためと考えている。
【0152】
本発明に係るタイヤ組成物が従来のタイヤ組成物に比べて電気抵抗値が低い理由について、本発明者は次のように考えている。
【0153】
一般に、タイヤ組成物中には、導電性を有するカーボンブラックと非導電性であるシリカ粒子粉末又は無機粒子粉末が配合されている。タイヤ組成物中に配合されているシリカ粒子粉末又は無機粒子粉末は、粒子表面に水酸基を有しているために親水性であり、タイヤ用に一般的に用いられているゴムとは相溶性が低く、また、前記水酸基同士の相互作用により粒子同士が凝集する傾向にある。そのため、シリカ粒子粉末又は無機粒子粉末のタイヤ組成物中への均一な分散が困難であるとともに、カーボンブラックの分散までもが阻害され、電気抵抗値を十分に低減することが困難であった。また、カーボンブラック自体も、微粒子であることに起因して、通常は凝集体として挙動するため、効果的な電気抵抗値の低減が困難であった。
【0154】
しかしながら、本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末は、非導電性粒子粉末であるシリカ粒子及び無機粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させたことによって導電性を有しているとともに、シリカ粒子及び無機粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させる際に糊剤を介することによって、粒子表面から脱離するカーボンブラック量を抑制することができるため、より効果的にタイヤ組成物の電気抵抗値を低減することができる。また、芯粒子であるシリカ粒子及び無機粒子の粒子表面にカーボンブラックが存在することによって疎水化されるため、ゴム成分との相溶性が向上し、タイヤ組成物中における分散性が向上する。更に、本発明における黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の場合は、カーボンブラックが添加時の粒子形状及び粒子サイズを維持しておらず、芯粒子よりもはるかに微細化された状態で芯粒子の粒子表面に付着層を形成しているため、導電性粒子としてより効果的に機能する。
【0155】
本発明に係るタイヤ組成物が、優れた耐摩耗性及び引張強さを有している理由について、本発明者は次のように考えている。
【0156】
従来、カーボンブラックとシリカ粒子粉末のそれぞれの長所を発現させるために、シリカ粒子粉末をカーボンブラックで表面被覆することが試みられている。しかしながら、これらは後出比較例に示す通り、いずれもカーボンブラックの付着強度が弱く、タイヤ組成物中でシリカ粒子表面からカーボンブラックが脱離し均一な分散を阻害するため、効果的に機能を発現させることが困難であった。また、前述した通り、カーボンブラック自体が、微粒子であることに起因して、通常は凝集体として挙動するため、タイヤ組成物の機械的強度を効果的に改善することは困難であった。
【0157】
本発明に係るタイヤ組成物中に含有される黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末は、いずれも芯粒子表面に糊剤を介してカーボンブラックを付着させているため、カーボンブラックの脱離量が低減されており、また、タイヤ組成物中への分散性も優れている。また、粒度の揃ったシリカ粒子粉末及び無機粒子粉末とカーボンブラックとが一体となって挙動することから、これらの相乗効果によって、それぞれの粒子粉末が有する補強効果及び耐摩耗性が十分に発揮されたためと思われる。
【0158】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
【0159】
芯粒子1〜8:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する各種シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末を用意した。
【0160】
【表1】
Figure 2004123800
【0161】
芯粒子9:
芯粒子1の凝集が解きほぐされたシリカ粒子粉末20kgと水150lとを用いて、シリカ粒子粉末を含むスラリーを得た。得られたシリカ粒子粉末を含む分散スラリーのpH値を、水酸化ナトリウム水溶液を用いて10.5に調整し、次いで、該スラリーに水を加えスラリー濃度を98g/lに調整した。このスラリー150lを加熱して60℃とし、このスラリー中に1.0mol/lのNaAlO溶液2722ml(シリカ粒子粉末に対してAl換算で0.5重量%に相当する)を加え、30分間保持した後、酢酸を用いてpH値を7.5に調整した。この状態で30分間保持した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕して粒子表面がアルミニウムの水酸化物により被覆されているシリカ粒子粉末を得た。
【0162】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済シリカ粒子粉末の諸特性を表3に示す。
【0163】
芯粒子10〜13:
芯粒子粉末の種類、中間被覆物の種類及び量を種々変化させた以外は、前記芯粒子9と同様にして粒子表面が中間被覆物で被覆されているシリカ粒子粉末及び無機粒子粉末を得た。
【0164】
このときの製造条件を表2に、得られた表面処理済シリカ粒子粉末及び無機粒子粉末の諸特性を表3に示す。尚、表面処理工程における被覆物の種類のSはシリカの酸化物もしくは水酸化物、Aはアルミニウムの水酸化物を表わす。
【0165】
【表2】
Figure 2004123800
【0166】
【表3】
Figure 2004123800
【0167】
芯粒子14:
芯粒子1のシリカ粒子粉末10kgと芯粒子4のアルミナ粒子粉末10kgとを、エッジランナーを用いてあらかじめ混合することで、シリカ粒子粉末とアルミナ粒子粉末の混合粒子粉末を得た。
【0168】
芯粒子15〜20:
芯粒子粉末の種類及び配合量を種々変化させた以外は、前記芯粒子14と同様にしてシリカ粒子粉末と無機粒子粉末があらかじめ混合されている混合粒子粉末を得た。
【0169】
このときの製造条件を表4に示す。
【0170】
【表4】
Figure 2004123800
【0171】
製造例1〜20、比較製造例1〜9:
芯粒子の種類、糊剤添加の有無、種類及び添加量、糊剤による被覆工程におけるエッジランナーによる処理条件、カーボンブラックの種類及び添加量、カーボンブラックの付着工程におけるエッジランナーによる処理条件を種々変えた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合無機粒子粉末を得た。製造例1〜20の各実施例で得られた黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合無機粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、カーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量が糊剤被覆シリカ粒子又は無機粒子の粒子表面に付着していることが認められた。
【0172】
使用したカーボンブラックA乃至Cの諸特性を表5に示す。
【0173】
【表5】
Figure 2004123800
【0174】
このときの処理条件を表6及び表7に、得られた黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合無機粒子粉末の諸特性を表8及び表9に示す。
【0175】
比較例10(特許第3160552号公報 実施例1の追試実験):
芯粒子1のシリカ粒子粉末を用い、回転式連続加熱炉中で、系内を十分に窒素置換し酸素濃度を0.3容量%以下にした後、窒素ガスとともにプロパンガスを10:1(窒素ガス/プロパンガス)の体積混合比率で流しながら、系内を900℃に熱し、プロパンガスを熱分解して、該シリカ粒子粉末の粒子表面にカーボン層を形成した。カーボン層の被覆量は、シリカ粒子粉末100重量部に対して20重量部であった。
【0176】
得られた黒色シリカ粒子粉末の諸特性を表9に示す。
【0177】
比較例11(特許第3160552号公報 実施例2の追試実験):
芯粒子4のアルミナ粒子粉末を用い、回転式連続加熱炉中で、系内を十分に窒素置換し酸素濃度を0.3容量%以下にした後、窒素ガスとともにプロパンガスを10:1(窒素ガス/プロパンガス)の体積混合比率で流しながら、系内を1000℃に熱し、プロパンガスを熱分解して、該アルミナ粒子粉末の粒子表面にカーボン層を形成した。カーボン層の被覆量は、アルミナ粒子粉末100重量部に対して25重量部であった。
【0178】
得られた黒色アルミナ粒子粉末の諸特性を表9に示す。
【0179】
【表6】
Figure 2004123800
【0180】
【表7】
Figure 2004123800
【0181】
【表8】
Figure 2004123800
【0182】
【表9】
Figure 2004123800
【0183】
製造例21:
製造例1の黒色複合シリカ粒子粉末2kgにステアリン酸カルシウム20gを添加し、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌しながら30分かけて120℃まで昇温し、この状態で45分間保持した後、更に30分かけて室温まで冷却することによって表面被覆黒色複合シリカ粒子粉末を得た。
【0184】
このときの製造条件を表10に、得られた表面被覆黒色複合シリカ粒子粉末の諸特性を表11に示す。
【0185】
製造例22〜28:
黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の種類及び脂肪酸、脂肪酸金属塩及びカップリング剤の種類及び被覆量、ヘンシェルミキサーによる被覆工程における混練温度及び混練時間を種々変化させた以外は、実施例21と同様にして粒子表面が被覆物で被覆されている黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末を得た。
【0186】
このときの製造条件を表10に、得られた表面被覆黒色複合シリカ粒子粉末及び黒色複合粒子粉末の諸特性を表11に示す。
【0187】
【表10】
Figure 2004123800
【0188】
【表11】
Figure 2004123800
【0189】
実施例1〜19、比較例1〜9:
充填材料及び亜鉛華の種類及び配合量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にしてタイヤ組成物を得た。
【0190】
このときの製造条件を表12に、得られたタイヤ組成物の諸特性を表13に示す。
【0191】
【表12】
Figure 2004123800
【0192】
【表13】
Figure 2004123800
【0193】
【発明の効果】
本発明に係るタイヤ組成物は、光による褪色が抑制されており、且つ、低い電気抵抗値とより優れた耐摩耗性及び引張強さとを有しているので、タイヤ組成物として好適である。

Claims (5)

  1. シリカ粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆シリカ粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合シリカ粒子粉末と、アルミナ、水和アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミノケイ酸塩、クレー、タルク、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硫酸バリウム及び酸化亜鉛から選ばれる一種または二種以上の無機粒子の粒子表面が糊剤によって被覆されていると共に、該糊剤被覆無機粒子表面の少なくとも一部にカーボンブラックが付着している平均粒子径が0.001〜20.0μmの黒色複合粒子粉末とを含有することを特徴とするタイヤ組成物。
  2. 糊剤が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はポリシロキサンである請求項1記載のタイヤ組成物。
  3. カーボンブラックの付着量がシリカ粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部であると共に、カーボンブラックの付着量が無機粒子粉末100重量部に対して1〜500重量部である請求項1記載のタイヤ組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシリカ粒子及び/又は無機粒子の粒子表面が、あらかじめアルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも一種からなる中間被覆物によって被覆されていることを特徴とするタイヤ組成物。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の黒色複合シリカ粒子粉末及び/又は黒色複合粒子粉末の粒子表面が、脂肪酸、脂肪酸金属塩又はカップリング剤によって被覆されていることを特徴とするタイヤ組成物。
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