JP3633201B2 - 水酸化アルミニウム、その製造方法およびこれを用いてなるタイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

水酸化アルミニウム、その製造方法およびこれを用いてなるタイヤトレッド用ゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水酸化アルミニウム粉末、その製造方法およびこれを用いてなるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。詳しくはゴム用充填剤を主用途として、その他、塗料、合成樹脂、接着剤、製紙用填料等の充填剤、更には製紙塗工用等の種々の用途に適用可能な水酸化アルミニウム、その製造方法およびこれを用いてなるタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム補強用充填剤としては、カーボンブラックが一般的に用いられている。カーボンブラックを充填したゴムをタイヤトレッドに用いた場合、転がり抵抗が増加、すなわち60℃、tanδが増加し、燃費効率が低下する問題が生じる。
一方、自動車の性能向上に伴い、タイヤに要求されるグリップ性能もより厳しいものになりつつある。これらの問題を解決するための従来技術として、シリカ(ホワイトカーボン)を充填することが知られている。
しかし、シリカ配合では転がり抵抗の低減効果およびグリップ性能が充分ではないこと、ゴム/ホワイトカーボン混練の作業性に難があり生産性の低下につながる等の問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、タイヤトレッド用ゴムに充填した場合に、充分なグリップ性能と転がり抵抗低減効果を付与しつつ、混練加工時の加工性、生産性の向上が可能である充填剤を提供するにある。
【0004】
かかる事情下に鑑み、本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の中心粒子径、特定の比表面積および特定の細孔径分布を有する水酸化アルミニウムを用いる場合には、上記目的を全て満足するゴム用充填剤等になり得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、中心粒子径(二次粒子径)が0.1μm〜8μm、BET比表面積が30m/g以上であり、かつ細孔径分布が5nm〜100nmに極大値をもつ水酸化アルミニウムを提供するにある。
【0006】
さらに本発明は、一方もしくは双方がアルミニウムイオンを含有する塩基性溶液と酸性溶液を、高速回転剪断撹拌下に混合・中和し、得られた中和反応物を洗浄後、フラッシュ乾燥機、熱風移送型乾燥機もしくは真空乾燥機を用いて乾燥させることを特徴とする水酸化アルミニウムの製造方法を提供するものである。
【0007】
加えて、本発明はゴム成分に100重量部に対し、中心粒子径(二次粒子径)が0.1μm〜8μm、BET比表面積が30m/g以上であり、かつ細孔径分布が5nm〜100nmに極大値をもつ水酸化アルミニウムを10〜200重量部の割合で含有することを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の水酸化アルミニウムのBET比表面積は約30m/g以上が必須であり、好ましくは約30m/g〜約500m/g、より好ましくは約50m/g〜約350m/gである。水酸化アルミニウムのBET比表面積が30m/g未満の場合には本発明が目的とする転がり抵抗の低減効果やグリップ性能等を満足するゴムへの補強効果(以下、単にゴムへの補強効果と記す)の発現が見られず、他方水酸化アルミニウムのBET比表面積は高いほどゴムに対する補強効果は大きいものの、350m/gを越える場合には分散性が悪化し、充填ゴムの補強効果は低下する。
【0009】
また、本発明の水酸化アルミニウムでは、その細孔径分布の極大値が約5〜約100nm、好ましくは約8〜約80nmの範囲にある。ここで細孔径分布の極大値とは水銀圧入法もしくはN吸着法で測定した指数細孔容積分布チャートにおける極大値をいう。細孔径が上記範囲外の場合には所望とするゴムの補強効果は得られない。
【0010】
本発明の水酸化アルミニウムの中心粒子径(二次粒子径)は約0.1μm〜約8μm、好ましくは約0.1μm〜約5μmの範囲である。本発明に於いて中心粒子径の測定は、SA−CP3形遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所製)を用い、測定モード:遠心沈降、回転モード:加速回転(240rpm/min)で測定した。測定液は測定対象である水酸化アルミニウムを0.2重量%ヘキサメタリン酸ソーダ懸濁液に懸濁し、10minに亘り超音波分散処理を施し測定に供した。
また、本発明の水酸化アルミニウムの一次粒子径は約10nm〜約100nmの範囲である。一次粒子径の測定はフィールドエミッション型走査電子顕微鏡(FE−SEM、型式:S−4500、メーカー:日立製作所)を用いた。
【0011】
一方、本発明の水酸化アルミニウムは、必要に応じて各種表面処理剤により処理してもよい。表面処理剤は、本発明の水酸化アルミニウムをゴム等の樹脂マトリックスと混合する際の分散性向上や水酸化アルミニウム/樹脂界面の接着性向上等のために非常に有効な手段である。適用する表面処理剤は公知の有機系処理剤や無機系分散剤が使用される。より具体的には、各種カップリング剤、脂肪酸金属塩、脂肪酸、アルコール類等が挙げられる。
【0012】
本発明の水酸化アルミニウムは、塩基性溶液と酸性溶液のどちらか一方もしくは双方がアルミニウムイオンを含有する系に於いて、両者を高速回転剪断撹拌下に混合・中和し、得られた中和反応物を濾過・洗浄後、フラッシュ乾燥機、熱風移送型乾燥機もしくは真空乾燥機を用いて乾燥させることで得られる。
【0013】
本発明において高速回転剪断撹拌とは、ホモミクサー、ホモジナイザー等で総称される撹拌機、すなわち高速回転する特殊形状のタービンまたはローターとその外周部に回転部から、2mm以下のクリアランスを隔てて設置されたステーターまたはスクリーンから構成されており、周速約1m/sec〜約40m/secで高速回転するタービン(ローター)とステーター(スクリーン)の間で生じる剪断力、圧力変動、キャビテーション、衝突力、ポテンシャルコア等の機械エネルギーによる撹拌である。
【0014】
このような高速回転剪断撹拌機としてはT.K.ホモミクサー、T.K.ホモミックラインフロー(以上、特殊機化工業株式会社製)、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)、ポリトロンホモジナイザー、メガトロンホモジナイザー(KINEMATICA製)、スープラトン(月島機械株式会社製)等の機種が挙げられる。
【0015】
これらの高速回転剪断撹拌機の条件については高速回転するタービン(ローター)の周速をx m/sec、タービン(ローター)とステータス(スクリーン)のクリアランスをy mmとすると x/y×10sec−1でその速度勾配を表すことができる。
本発明に於いては約1000sec−1以上の速度勾配を生じる高剪断撹拌条件が必要である。速度勾配が約1000sec−1未満であると、塩基性溶液と酸性溶液の2液の混合及び生成した水酸化アルミニウム粒子含有スラリーの機械的分散効果が不十分であり、粗大凝集粒の発生が起こりやすくなる。
【0016】
塩基性溶液と酸性溶液の中和反応は、その反応速度が速いために水酸化アルミニウムが瞬時に析出する。そのため、該中和反応をスクリュー型に代表される低速、中速回転撹拌機による撹拌条件下で行う場合には、粗大凝集粒の発生が避けられないのに対し、高速回転剪断撹拌下に塩基性溶液と酸性溶液の中和反応を行う場合には二液の均一混合が速やかに行われるため、塩基性溶液/酸性溶液の局所的不均一に基づく粗大粒子の発生が低減され、超微細粒水酸化アルミニウムが得られる。
【0017】
該反応で使用する装置としてはバッチ装置や連続反応装置がある。さらに該中和装置を用いる場合の液添加順序、添加に要する時間等はなんら限定されるものではない。
バッチ装置は、反応容器としてタンクを用い、該タンク内に高速回転剪断撹拌装置を設置したものが一般的である。該装置を用いる場合は反応容器内に予めアルミン酸アルカリ液または酸性溶液を注入し、該高速回転剪断撹拌下それぞれ酸性溶液または塩基性溶溶液を滴下する方法や、反応容器内に予め水等の分散媒を注入しておき、該溶液を該高速回転剪断撹拌下、塩基性溶液と酸性溶液を同時に添加することも可能である。後者の場合、予め反応容器内に注入する液を所定のpHに調節し、該pH値を維持しつつ塩基性溶液、酸性溶液を添加する方法もとられる。さらに連続装置としてはタンク連続型、パイプライン連続型などがある。タンク連続型とは高速回転剪断装置を具備したタンクを装備したものであり、塩基性溶液と酸性溶液をタンク内に連続的に供給し、排出口から析出した水酸化アルミニウムを反応後の溶液と共に取り出す方法が採られる。また、パイプライン連続は高速回転剪断撹拌機をラインに組み込んだものであり、該ラインに塩基性溶液、酸性溶液を連続的に供給する方法である。
【0018】
本発明に於いて、高速回転剪断撹拌下での反応温度を約0℃〜約50℃、好ましくは約0℃〜約30℃に保つことが望ましい。アルミン酸ソーダの中和反応では、その反応温度が高くなれば結晶成長が著しく促進され1次径の大きな粒子が得られる。このため、反応温度が50℃より高くなると1次粒子が成長した比表面積の低い水酸化アルミニウムが生成する傾向示す。
【0019】
本発明の実施に於いて、中和反応での中和の程度は特に限定されず、酸性溶液過剰条件、もしくは中性条件、塩基性溶液過剰条件の何れの条件でも調製可能である。該中和条件は中和析出する水酸化アルミニウムの物性を制御するために選択される。
【0020】
該中和反応で使用する塩基性溶液の種類については特に限定されない。
塩基性溶液の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等、アルミニウムイオンを含む塩基性溶液としてはアルミン酸ソーダ、アルミン酸カリウム等が挙げられる。
【0021】
使用する塩基性溶液の濃度については特に限定されないが、例えば、アルミン酸ソーダ溶液を用いる場合は、液中アルミ濃度はAlO 換算で好ましくは約5g/l〜約400g/l、より好ましくは約15g/l〜250g/l、また液中ソーダモル濃度/液中アルミナモル濃度であらわされるモル比が約1.0〜約10、好ましくは1.4〜約8の範囲である。
アルミン酸アルカリ液濃度が高い場合は粒子成長速度が速く、凝集成長が促進されやすい環境にあるため、高分散でありかつ粗粒を含まない粒子を得ることが困難な傾向にある。一方、アルミン酸アルカリ液の濃度が希薄な場合は析出する水酸化アルミニウムの重量が少なく、生産性が低下する傾向にある。
【0022】
アルミン酸アルカリ液としてはアルミン酸ソーダ、アルミン酸カリウム等が挙げられるが、通常ボーキサイトからアルミナを得るバイヤー法により汎用されているアルミン酸ソーダ溶液が、入手容易性並びに経済性の点より使用される。
【0023】
一方、酸性溶液は特に限定されるものではなく、無機酸または有機酸等が用いられる。無機酸としては硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、ほう酸等、また有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸、シュウ酸等のジカルボン酸、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。
また、酸性溶液にアルミニウムイオンを含有するものとしては、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム等の無機塩、さらには酢酸アルミニウム等の有機塩が用いられる。
【0024】
上記方法により、塩基性溶液と酸性溶液を攪拌、混合、中和処理すれば、中和反応物として水酸化アルミニウムが析出する。本発明に於いては、次いで濾過等により固液分離し、得られた水酸化アルミニウムを洗浄後、フラッシュ乾燥機、熱風移送型乾燥機もしくは真空乾燥機を用いて乾燥させる。
一般的に乾燥機はその機構により次の8種類に分類される[(1)材料静置型乾燥機、(2)材料移送型乾燥機、(3)材料撹拌型乾燥機、(4)熱風移送型乾燥機、(5)円筒乾燥機、(6)赤外線乾燥機、(7)真空乾燥機、 (8)高周波乾燥機](化学工学便覧、丸善)。フラッシュ乾燥機については従来の乾燥機の枠には入らないフラッシュ蒸発(自己蒸発)を利用した乾燥機である。
【0025】
本発明におけるフラッシュ乾燥機とは、大気圧における沸点以上に加熱した液体を噴出孔から圧力噴射することにより液体が蒸発され固体粒子を得る構造の乾燥機である。
【0026】
また本発明における熱風移送型乾燥機とは、高温の熱風中でスラリー等の含液粉末を乾燥する乾燥機をいう。詳しくは、流動層乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機などが該当する。流動層乾燥機としてはスラリードライヤー、コンダクションフロー(共に株式会社大川原製作所製)、媒体流動乾燥機(株式会社奈良機械製作所製)、気流乾燥機としてはフラッシュジェットドライヤー(株式会社栗本鉄工所製、株式会社セイシン企業製)、噴霧乾燥機としてはスプレードライヤー(株式会社坂本技研製、株式会社奈良機械製作所製、大川原化工機株式会社製 )、モービルマイナ(ニロ株式会社)などが挙げられる。
【0027】
さらに真空乾燥機は被乾燥材料を真空雰囲気下で必要に応じて冷却または加熱して乾燥させる機器である。真空乾燥機としてはMZプロセッサー、ベルマックス(共に株式会社大川原製作所製)、真空回転乾燥機(株式会社徳寿工作所製)、バキュームタンブルドライヤー(株式会社楠木機械製作所製)などがある。
【0028】
また本発明では、必要に応じて中和反応後、熟成を行うことができる。熟成処理は水酸化アルミニウムの結晶形、粒子形態を調整可能とするもので、処理後の水酸化アルミニウムは樹脂充填剤として分散性や補強性の改良効果が見られる。熟成方法は特に制限されるものではなく、中和析出後そのまま熟成を行う方法、中和析出後固液分離し必要に応じて該固液分離物を洗浄後、別途調製した液に浸漬する方法等が挙げられる。熟成条件については、常圧で温度を種々変更する方法、加圧下で行う方法等がある。一般的には常圧下、約0℃〜約60℃で約30分〜約1週間攪拌保持すればよい。
【0029】
本発明に於いて、高速回転剪断撹拌下での混合時、水溶性高分子を共存させることも可能である。該水溶性高分子は析出した水酸化アルミニウム粒子表面に吸着して粒子同士を反発させ、分散効果を与える。使用される水溶性高分子としては酸性〜中性溶液系では主にポリアクリルエステル系等、中性〜塩基性溶液系では主にポリアクリルアミド系等が用いられる。
【0030】
さらに本発明では、必要に応じて得られた水酸化アルミニウムを粉砕処理してもよい。この場合には凝集粒子を一次粒子近傍まで解砕し得るので、さらなる分散性改良効果を得ることができる。粉砕方法は公知の粉砕機器を用い実施すればよく、湿式粉砕では湿式タワーミル(株式会社クボタ製)、アペックスミル(コトブキ技研工業株式会社製)、マイクロス(株式会社奈良機械製作所製)、ダイノーミル(株式会社シンマルエンタープライゼズ製)等、乾式ミルとしてはジェットミル(株式会社セイシン企業、日本ニューマチック工業株式会社、日曹エンジニアリング株式会社製)、カレントジェットミル(日清エンジニアリング株式会社製)、カウンタージェットミル(ホソカワミクロン株式会社)、コントラプレックス(ホソカワミクロン株式会社製)、或いはピンミル、振動ミル、ボールミル等も使用可能である。
【0031】
本発明の水酸化アルミニウムはタイヤトレッド用ゴム組成物として好適に用いられる。タイヤトレッド用ゴム組成物として使用されるゴム成分は当該分野で公知のものであればよく、スチレン−ブタジエンゴムを主体とし、この他シス−1,4ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、天然ゴム等も使用可能である。ゴム成分に対する水酸化アルミニウムの添加量は原料であるゴム成分、或いは他の無機充填剤との併用により一義的ではないが、通常、ゴム成分100重量部に対し約10〜約200重量部の範囲で使用される。本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物としては水酸化アルミニウム以外に、更に必要に応じてカーボンブラック、シリカ、タルク、クレー等の無機充填剤、プロセスオイル、シランカップリング剤、加硫剤、老化防止剤等を配合することができる。
このようにして得られたタイヤトレッド用ゴム組成物は、グリップ力の向上、転がり抵抗の低減が可能であり、加えてゴム/コンパウンド混練時のミキサートルクもシリカ配合と比較して低く、ハンドリング性も優れている。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明の特定の中心粒子径、比表面積、特定の細孔径分布を持つ水酸化アルミニウムは、タイヤ用トレッドゴムに充填した場合、グリップ性能の向上、転がり抵抗の低減が可能であるだけでなく、ゴム/水酸化アルミニウム混練時の粘度が低下し加工性、生産性が向上するとの効果を有するもので、その工業的利用価値は頗る大である。
【0033】
【実施例】
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本発明において粉体物性、樹脂充填組成物の物性は以下の手法にて測定した。
【0034】
比表面積:流動式比表面積自動測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:フローソーブII 2300PC−1A))により測定した。
結晶形:粉末X線回折装置(理学電機工業株式会社製、商品名;フロソープII 2300PC−1A)により測定した。
細孔径:3.2nm未満の値はN吸着法、3.2nm以上は水銀圧入法(カンタクロム社製 オートスキャン33)で測定した。
【0035】
(ゴム充填組成物の物性測定方法)
グリップ力:JIS K−6394に準拠し、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.25%、昇温速度2℃/分の条件で測定することによりtanδ温度分散曲線を得て、該分散曲線の0℃におけるtanδを求めた。そして比較例1で得たゴム充填組成物の測定値を100として相対比較した値をグリップ力として表示した。指数は小さいほど優れたグリップ力を示す。
転がり抵抗:JIS K−6394に準拠し、上記測定条件で得られたtanδ温度分散曲線の60℃におけるtanδを求めた。そして比較例1で得たゴム充填組成物の測定値を100として相対比較した値を指数表示した。指数が低いほど転がり抵抗が少ないことを示す。
加工性:ゴム/水酸化アルミニウム組成物の作製において、混練終了直前の混練トルクを読みとり、その値を加工性として評価した。比較例1で得たゴム充填組成物の測定値を100として相対比較し指数表示した。指数が小さいほど加工性が良好なことを示す。
【0036】
実施例1
(水酸化アルミニウム製造)
バッフル付きステンレス槽に塩基性溶液としてアルミン酸ソーダ溶液〔ソーダ濃度:NaO換算で125g/l、ソーダ/アルミナ(NaO/Al)モル比:1.55〕1リットルを氷冷しながらホモミクサー(特殊機化工業株式会社製、商品名:T.K.ホモジェッターM型)を用い、速度勾配11000sec−1の条件で撹拌下、酸性溶液として硫酸アルミニウム水溶液(アルミ濃度:Al換算で5.3wt%)600mlを約3分間で添加し中和反応を行った。この後15分間撹拌を続け、水酸化アルミニウムスラリーを得た。該中和反応間の最高到達温度は15℃であった。
このようにして得た水酸化アルミニウムスラリーを遠心分離して固形分のみを回収し、2リットルの脱イオン水中に懸濁させ再び固液分離する工程を7回繰り返し、総計約14リットルの脱イオン水で洗浄を行った。洗浄後の湿潤ケークを再び水中に分散させ、ケーク濃度6%に調製した後、スプレードライヤー(ニロ社製、商品名:モービルマイナ型)にて乾燥温度:ドライヤー入口温度250℃、出口温度100℃、アトマイザー圧:1.2kg/cmの条件で乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉末を得た。得られた水酸化アルミニウム粉末の粉体物性を表1に示す。
【0037】
実施例2
実施例1の方法に於いて、中和に供する原料を、アルミン酸ソーダ溶液(ソーダ濃度:NaO換算で125g/l、ソーダ/アルミナモル比:1.55)533mlと硫酸アルミニウム水溶液(アルミ濃度:Al換算で3.2wt%)880mlに代えた他は全く同様の方法で実施し、水酸化アルミニウム粉末を得た。得られた水酸化アルミニウム粉末の粉体物性を表1に示す。
【0038】
実施例3
実施例1に於いて中和反応後15分間に亘り速度勾配11000sec−1の条条件で攪拌を行った後、さらに2時間氷冷下で速度勾配3300sec−1にて攪拌を継続し熟成を行った。熟成後の温度は8℃であった。得られた水酸化アルミニウムスラリーは再び実施例1の記載の方法で洗浄、乾燥を行い、水酸化アルミニウム粉末を得た。この水酸化アルミニウム粉末の粉体物性を表1に示す。
【0039】
実施例4
(ゴム/水酸化アルミニウム組成物の作製)
SBR(スチレン含量/ブタジエン中のビニル含量=30/50(wt%/%)、アロマオイル37.5重量部、ML1+4 100℃=55、製造時添加したSiClに起因する約60wt%の分岐成分を含有した溶液重合スチレンブタジエンゴム)137.5重量部、水酸化アルミニウム(上記実施例1〜3で得た各々のもの)78.4重量部、アロマオイル(共同石油株式会社製、商品名:X−140)10.1重量部、シランカップリング剤(デグサ社製、商品名:X−50S)12.8重量部を、予め110℃に温度設定したラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製、型式:30−C150、ミキサータイプ:B−75)に、この順に投入し、ブレード回転数80rpmで3分間混練した後、ブレード回転数を100rpmまで上げさらに2分間混練し、ゴム/水酸化アルミニウム組成物を得た。
さらに該組成物を160℃で45分間プレス加硫し、得られた加硫物について加硫物物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0040】
(比較例1)
実施例4に於いて、水酸化アルミニウムに替え、ホワイトカーボン(デグッサ社製、商品名:Ultrasil VN3 GR)を用いた他は実施例4と全く同一方法でゴム/ホワイトカーボンよりなる組成物を得た。
さらに該組成物を160℃で45分間プレス加硫し、得られた加硫物について加硫物物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
(比較例2)
実施例4のゴム/水酸化アルミニウム組成物の作成時、水酸化アルミニウムとして市販の水酸化アルミニウム(商品名:C−301、住友化学工業株式会社製)を用いた他は実施例4と全く同一方法でゴム/水酸化アルミニウムよりなる組成物を得た。さらに該組成物を160℃で45分間プレス加硫し、得られた加硫物について加硫物物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003633201

Claims (10)

  1. 中心粒子径(二次粒子径)が0.1μm〜8μm、BET比表面積が30m2/g以上であり、かつ細孔径分布が5nm〜100nmに極大値をもつ水酸化アルミニウム。
  2. 表面処理を施したことを特徴とする請求項1記載の水酸化アルミニウム。
  3. 一方もしくは双方がアルミニウムイオンを含有する塩基性溶液と酸性溶液を、1000sec-1以上の勾配速度を生ずる高速回転剪断撹拌下に混合・中和し、得られた中和反応物を洗浄後、フラッシュ乾燥機、熱風移送型乾燥機もしくは真空乾燥機を用いて乾燥させることを特徴とする、中心粒子径(二次粒子径)が0.1μm〜8μm、BET比表面積が30m2/g以上であり、かつ細孔径分布が5nm〜100nmに極大値をもつ水酸化アルミニウムの製造方法。
  4. 塩基性溶液がアルミン酸アルカリ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニアの水溶液であることを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  5. 酸性溶液が硫酸アルミニウム、硫酸、塩酸または酢酸であることを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  6. 高速回転剪断撹拌下での混合・中和時、水溶性高分子を共存させることを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  7. 高速回転剪断撹拌下での混合・中和時、反応温度を0℃〜50℃の範囲に設定することを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  8. 中和反応後得られた水酸化アルミニウムを熟成することを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  9. 高速回転撹拌下での混合・中和後から乾燥を行うまでのいずれかの段階で得られた中和反応生成物を粉砕処理することを特徴とする請求項3記載の水酸化アルミニウムの製造方法。
  10. ゴム成分100重量部に対し、中心粒子径(二次粒子径)が0.1μm〜8μm、BET比表面積が30m2/g以上であり、かつ細孔径分布が5nm〜100nmに極大値を持つ水酸化アルミニウムを10〜200重量部の割合で含有してなるタイヤトレッド用ゴム組成物。
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