JP2004122047A - 籾摺機の摺落物風選装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】摺落部(A)の後側に上昇気流により風選する選別風路(B)を設けたもので、脱ぷロ−ル(1)の下方に摺落物を受ける振動移送板(3)を設け、該振動移送板(3)を後部下がりに緩傾斜し前部を支点(4)にして上下に振動させることにより摺落物を後送して選別風路(B)に供給する。その際に振動移送板(3)の後端部よりも上手がわに反射板(2)に衝撃した摺落物のうち後方に向け飛散するものを振動移送板(3)上に落下させる規制板(5)を垂設するとよく、また、振動移送板(3)の後端部から篩い線を突設し、その篩い線を選別風路(B)内に突出させてもよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摺落部の後側に上昇気流により摺落物を風選する選別風路を設けた形態の籾摺機における摺落物風選装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のように、摺落部の後側に上昇気流により摺落物を風選する選別風路を設けた形態の籾摺機において、従来、脱ぷロ−ルの下方に脱ぷロ−ルからの摺落物を受ける揺動移送板を設け、その揺動移送板上の摺落物を揺動移送板自体の揺動運動と圧風唐箕による風力との併用によって後送し、上昇気流を吹き上げる選別風路に供給して風選するようにしたものや、揺動移送板を固定にして圧風唐箕の風力により後送し選別風路に供給しているものがある。(例えば、特許文献1参照)
また、この揺動移送板を振動移送板にし振動移送板自体により後送し選別風路に供給している。(例えば、特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平7−236858号公報(第2頁右欄第29行〜第37行、第4頁左欄第34行〜第40行と、図1、図2、図13、および、第3頁右欄第22行〜第28行と図7)。
【特許文献2】
実用新案登録第2580246号公報(第3頁左欄第10行〜第11行と、図2、図3)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら
【従来の技術】の項に記載するところの、脱ぷロ−ルの下方に設けられて摺落物を受ける揺動移送板や振動移送板によって後送し選別風路に供給するものでは、この揺動移送板や振動移送板によって受けられた摺落物は後送される際に幅方向への拡散作用が弱く層の厚さが均等にならないから、選別風路における風選作用が有効に行われない難点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、摺落部の後側に上昇気流により摺落物を風選する選別風路を設けたもので、脱ぷロ−ルの下方に、反射板に衝撃した摺落物を受ける後部下がりに緩傾斜し前部を支点にして上下に振動する振動移送板を設け、該振動移送板により摺落物を前記選別風路に供給する構成にしたところの簡単な手段により、振動移送板の上下振動を積極的にし摺落物に対して上方へのあおり作用を旺盛にすることにより、後送する摺落物の幅方向への拡散作用を有効ならしめて層を均等にしながら籾殻と塵埃類を浮上させ停滞させることなく円滑に後送し、選別風路に供給された摺落物の風選作用を効果的に行わせるのである。
【0006】
そして、その際に、振動移送板の後端部よりも上手がわに反射板に衝撃した摺落物のうち後方に向け飛散するものを振動移送板上に落下させる規制板を垂設すると、脱ぷロ−ルからの摺落物の乱反射を防止して整然と選別風路に供給され、また、振動移送板の後端部から篩い線を突設し、該篩い線を選別風路内に突出させるようにすることにより、摺落物中の籾殻と塵埃類が玄米・籾と分離し玄米・籾の上がわから選別風路に供給され風選作用が向上するのである。
【0007】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、この発明による籾摺機の摺落物風選装置に関して実施例図を参照し具体的に説明する。
【0008】
この籾摺機は、図3〜図5に示すように、摺落部(A)の後側に摺落部(A)からの摺落物を風選する選別風路(B)を設け、その選別風路(B)の後側に選別風路(B)を通過した混合米を選別する混合米選別部(C)を配置し、選別風路(B)の側部と混合米選別部(C)の後側にそれぞれ立設する混合米昇降機(D)と玄米昇降機(E)とを一体的に組成して構成されている。
【0009】
摺落部(A)は図1〜図3のように、籾タンク(7)・一対の脱ぷロ−ル(1)・反射板(2)・振動移送板(3)等から成り、脱ぷロ−ル(1)により籾タンク(7)内の籾を摺落し反射板(2)に衝撃した摺落物を振動移送板(3)で受けて後送し摺落物供給樋(8)を介して選別風路(B)に供給するのである。
【0010】
この振動移送板(3)は、脱ぷロ−ル(1)の下方にあって後部下がりに緩傾斜し前部を支点(4)にして上下に振動可能に構成され、その振動運動の駆動力は振動移送板(3)の裏面下に設けるカム機構(9)により行わせている。
【0011】
また、振動移送板(3)には前記の反射板(2)が支持金(10)を介して移送面(3a)と間隔をあけ後部下がりにして振動移送板(3)に一体的に斜設され、該振動移送板(3)の後端部よりも上手がわには下端部を前向きに折曲した規制板(5)を垂設している。
【0012】
これにより、摺落部(A)では、籾タンク(7)内の籾は一対の脱ぷロ−ル(1)により摺落され、その摺落物は反射板(2)に衝撃して飛散し振動移送板(3)で受けられ後送されて後端部から落下し摺落物供給樋(8)を介して選別風路(B)に供給され風選される。
【0013】
このとき、反射板(2)に衝撃した摺落物はこの反射板(2)が後部下がりに斜設されているために主として後方に向けて飛散し、その後方に向けて飛散するものは規制板(5)に衝当して逆に前方がわに向け落下して振動移送板(3)で受けられるようになる。
【0014】
そして、この受けられた摺落物は振動移送板(3)上を後送されるのであるが、振動移送板(3)の積極的な上下の振動運動により摺落物は上方へのあおり作用を受けて後部下がりに緩傾斜姿勢の振動移送板(3)の幅方向に拡散し層の厚さを均等にして摺落物のなかの籾殻と塵埃類を浮上させ玄米と籾を下層にして停滞させることなく順次選別風路(B)に供給される。
【0015】
次に、選別風路(B)と混合米選別部(C)および混合米昇降機(D)と玄米昇降機(E)について図3により記載する。
【0016】
選別風路(B)は摺落部(A)の後側に縦方向に長く形設され、上部に設置した吸引排塵ファン(11)の吸入がわに連通し、下方から上昇気流を吹き上げて摺落物供給樋(8)を介して供給されてくる摺落物を風選する。また、(12)は吸引排塵ファン(11)の排塵筒、(13)は選別風路(B)の下部に横設する混合米集合樋、(14)は選別風路(B)の背後に設けた粃集合樋であって、選別風路(B)での風選作用により籾殻と塵埃類は吸引排塵ファン(11)に吸引され排塵筒(12)から機外に排出され、混合米と粃はそれぞれ混合米集合樋(13)と粃集合樋(14)に落入する。
【0017】
混合米選別部(C)は、数段積み重ねてリンク(15)により支承し揺動する選別盤(16)・・・により混合米を玄米と籾に選別するもので、各段の選別盤(16)に混合米を配分し供給する均分樋(17)が一体的に附設されている。
【0018】
(18)(19)は選別盤(16)の流出がわで揺上がわと揺下がわとにそれぞれ設けた玄米仕切板と籾仕切板、(20)は玄米仕切板(18)の揺上がわから流出し選別された玄米を取り出す玄米流穀樋、(21)は下端を前記の混合米集合樋(13)に接続する混合米循環樋で、玄米仕切板(18)と籾仕切板(19の間から流出する混合米を混合米集合樋(13)に返し、籾仕切板(19)の揺下がわから流出する籾は籾スロワ−により籾タンク(7)に還元する。また、玄米流穀樋(20)と混合米循環樋(21)との接続部には落下口(22)を開口し、その落下口(22)に切換弁(23)が設けられて開閉可能にしている。
【0019】
混合米昇降機(D)は、機体の他側がわで選別風路(B)の側部に立設し混合米ホッパ−(24)が附設されて、前記混合米集合樋(13)内の混合米を揚上し混合米ホッパ−(24)に混合米を溜めながら均分樋(17)に落下して混合米選別部(C)に供給し玄米と籾に選別する。
【0020】
玄米昇降機(E)は機体の一側がわにおける混合米選別部(C)の後側に立設されて、下部に開設する流入口(25)と前記落下口(22)を取出流路(26)により連通して選別された玄米を機外に取り出すのである。
【0021】
尚、切換弁(23)を切換えて落下口(22)を閉じれば玄米流穀樋(20)を流下するものは混合米循環樋(21)に受継がれ混合米集合樋(13)に返される。
【0022】
そして、前記混合米循環樋(21)の下側の空間には吸引式の玄米風選ファン(27)を設置し、その吸入がわを前記取出流路(26)を介して機壁に開口する外気吸入口(28)と連通し、玄米風選ファン(27)の排風がわは混合米循環樋(21)を貫通して選別風路(B)がわに向け排風させ、玄米が落下口(22)から取出流路(26)に落入するとき風選して玄米を仕上げ風選するようにしている。
【0023】
また、図6に示したものは、前述せる摺落部(A)における振動移送板(3)の後端部から篩い線(6)を突設し、その篩い線(6)を前記摺落物供給樋(8)内を通して選別風路(B)内に突出させたもので、篩い線(6)の線条と線条の間隔は玄米と籾の穀粒が通過する程度の小間隔にしてある。
【0024】
そうすると、振動移送板(3)によって幅方向に拡がり層の厚さを均等にした状態で玄米と籾とから浮上した籾殻と塵埃類は篩い線(6)に受継がれ玄米・籾とから分離して篩い線(6)上から選別風路(B)に供給され、篩い線(6)の上下振動も加わって選別風路(B)を吹き上げる上昇気流にのり吸引排塵ファン(11)に吸引されて機外に排出されるのである。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次に記載するような効果を奏する。
【0026】
即ち、摺落部の後側に上昇気流により摺落物を風選する選別風路を設けたもので、脱ぷロ−ルの下方に、反射板に衝撃した摺落物を受ける後部下がりに緩傾斜し前部を支点にして上下に振動する振動移送板を設け、該振動移送板により摺落物を前記選別風路に供給する構成にしたことにより、簡単な手段によって振動移送板の上下振動を積極的にし摺落物に対する上方へのあおり作用を旺盛にして、後送する摺落物の幅方向への拡散作用を有効ならしめ層を均等にしながら籾殻と塵埃類を浮上させ停滞させることなく円滑に後送し選別風路に供給するので摺落物の風選作用を効果的に行わせるのである。
【0027】
またその際に、振動移送板の後端部よりも上手がわに反射板に衝撃した摺落物のうち後方に向け飛散するものを振動移送板上に落下させる規制板を垂設すれば、脱ぷロ−ルからの摺落物の乱反射を防止して振動移送板上から整然と選別風路に供給できる。
【0028】
更に、振動移送板の後端部から篩い線を突設し、該篩い線を選別風路内に突出させるようにすることにより、摺落物中の籾殻と塵埃類が玄米・籾と分離し玄米・籾の上がわから選別風路に供給され篩い線の上下振動も加わって選別風路内での風選作用を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】摺落部の拡大側面図である。
【図2】同拡大平面図である。
【図3】籾摺機全体の内部を示す側面図である。
【図4】籾摺機全体の外観側面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】振動移送板の他の実施例のものを示す側面図である。
【符号の説明】
A 摺落部
B 選別風路
1 脱ぷロ−ル
2 反射板
3 振動移送板
4 支点
5 規制板
6 篩い線
Claims (3)
- 摺落部(A)の後側に上昇気流により摺落物を風選する選別風路(B)を設けたもので、脱ぷロ−ル(1)の下方に、反射板(2)に衝撃した摺落物を受ける後部下がりに緩傾斜し前部を支点(4)にして上下に振動する振動移送板(3)を設け、該振動移送板(3)により摺落物を前記選別風路(B)に供給する構成にしたことを特徴とする籾摺機の摺落物風選装置。
- 振動移送板(3)の後端部よりも上手がわに反射板(2)に衝撃した摺落物のうち後方に向け飛散するものを振動移送板(3)上に落下させる規制板(5)を垂設したことを特徴とする請求項1記載の籾摺機の摺落物風選装置。
- 振動移送板(3)の後端部から篩い線(6)を突設し、該篩い線(6)を選別風路(B)内に突出させたことを特徴とする請求項1記載の籾摺機の摺落物風選装置。
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