JP2004119852A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルカメラは、内部機構が組み込まれた機器本体3と、プレート状に形成されたフロントカバー5とから構成される。機器本体3の前面に設けられた凹部11には、シート成形により、透明な樹脂を用いて、装飾紙4と一体に成形されたフロントカバー5が嵌め込まれ、透明なフロントカバー5を通して、装飾紙4の前面に印刷された装飾パターン4aが露呈される。このように構成されることによって、デジタルカメラの外観デザインを変更する場合には、装飾紙4に印刷する装飾パターン4aだけを変更すれば良いので、金型の再設計や、樹脂材料などの変更を行うことなく、ローコストかつ容易に外観デザインの変更を行うことができる。さらに、フロントカバー5が透明であることから、外観的高級感を出すことができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカメラ等の電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種電子機器は、本体ケースとこの本体ケースを塞ぐ蓋部材等のように、複数の外装部材の組み合わせで外観が形成されているものが多い。これは、電子回路が多用されているカメラや、電子スチルカメラ等にもあてはまる。これらのカメラでは、各種撮影機能部品が組み込まれたカメラ本体の前面と背面とを覆う前面カバーと背面カバーとが、外装部材として用いられている。
【0003】
ところで、電子機器を各国へ輸出する場合、各国ごとに生産ラインが用意され、電子機器の外観を構成している外装部材には、各国ごとに異なったデザインが施される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外装部材に施される文字や模様などの装飾パターンが数種類に及ぶ電子機器を製造したりする場合には、種類ごとに金型を製作したり、異なる樹脂で成形したり、異なる塗装を施すようにしていたため、製作コストや製作にかかる時間の増加につながっていた。
【0005】
また、従来の製造では、急な出荷量の増加や、様々なトラブルに備えて、外装部材はある程度余分に作っておく必要があったため、結果として、その余分に作っておいたものが使われなかった場合、不必要な時間とコストを費やしたことになるため大きな不利益となっていた。
【0006】
さらに、従来の外装構造では、装飾パターンが外装部材の表面で加工されていたのでユーザーの使用状態によって文字や模様が剥離することがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、電子機器の外装構造を工夫することで製造効率を向上させ、さらに、外装部材に施される模様や文字などの装飾の劣化を防ぐことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、内部機構が組み込まれた機器本体の前面に、透明な樹脂によりプレート状に成形されたフロントカバーを装着し、さらに、フロントカバーの裏面には文字や模様などの装飾パターンを施し、透明なフロントカバーを通して装飾パターンを見ることができるように構成している。また、装飾パターンをシート状の装飾紙に施し、この装飾紙がフロントカバーの裏面に固着されるように、装飾紙をフロントカバーと一体に成形した。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したデジタルカメラ2の外観を示す斜視図であり、図2は、デジタルカメラ2の前面の構成を示す分解斜視図である。デジタルカメラ2は、機器本体3と、後述するシートインサート成形(以下、シート成形と記す)により成形されるプレート状のフロントカバー5とから構成されている。
【0010】
機器本体3は、その前面に、ズーム機能をもった撮影レンズ6、対物用ファインダ窓7、ストロボ発光窓8が、上面には、レリーズボタン9が、図示しないが、背面にはキー操作部、ファインダ接眼窓、LCDが設けられている。
【0011】
機器本体3の前面の周縁にはフロントキャビネット10が形成されている。また、機器本体3の前面には、フロントキャビネット10によって、周囲よりも一段凹となっている凹部11が設けられており、この凹部11に、プレート状に形成されたフロントカバー5が嵌め込まれる。また、凹部11には、フロントカバー5の裏面に形成されている爪部5aが係合する溝部3bが形成されている。
【0012】
図3は、フロントカバー5とフロントカバー5の裏面に固着される装飾紙4の構成を示す背面側分解斜視図である。フロントカバー5は、透明な樹脂によりプレート状に形成されている。また、中央部にレンズ露呈開口5b、レンズ露呈開口5bの斜め上方に対物用ファインダ窓露呈開口5c、及びストロボ発光窓露呈開口5dが形成されており、それぞれ、撮影レンズ6、対物用ファインダ窓7、ストロボ発光窓8を露呈させる。
【0013】
フロントカバー5と一体になって成形されるシート状の装飾紙4の前面には、外観デザインを綺麗にするための様々な模様や、製品企業名を表すロゴなどの装飾パターン4aがカラー印刷されており、透明なフロントカバー5を通して、装飾紙4の前面に印刷された装飾パターン4aが露呈される。また、装飾紙4の前面には熱により溶融する接着剤が塗布されている。
【0014】
さらに、装飾紙4には、フロントカバー5に形成されたレンズ露呈開口5b、対物用ファインダ窓露呈開口5c、ストロボ発光窓露呈開口5dのそれぞれに対応した開口4b,4c,4dが予め形成されている。また、シート成形された際に、フロントカバー5に形成されている爪部5aが装飾紙4から突出するように、装飾紙4には、爪部5aに対応する位置に開口4eが予め形成されている。
【0015】
図4は、シート成形されるフロントカバー5の製造の手順を示した説明図である。シート成形は、シート状の部品と樹脂とを一体化するように成形する射出成形方法であり、シート成形に用いられるシート成形金型は、射出成形機の固定側に設置され中央部に射出孔12aを備えた固定金型12と、射出成形機の移動側に設置され固定金型12と嵌合可能な可動金型13と、可動金型13に取り付けられたスライドコア14とから構成される。フロントカバーの裏面の爪部5aは、可動金型13とスライドコア14とで構成される溝部18により成形される。
【0016】
固定金型12と可動金型13との間にはシート状の装飾紙4がセットされる。その際、装飾紙に形成されている開口4eが溝部18に、開口4bが凸部19に対応するように装飾紙4を配置する。
【0017】
次に本実施形態の作用の説明を行う。フロントカバー5をシート成形によって製造する際には、図4(A)のように、固定金型12と可動金型13との間に、装飾紙4がセットされる。このとき、開口4eが溝部18に、開口4bが凸部19に、それぞれ対応する位置に保持される。
【0018】
次に、図4(B)のように、型締め後、溶融した透明樹脂20を射出孔12aより射出すると、透明樹脂20が固定金型12と可動金型13とで形成される成形空間いっぱいに充填される。それと同時に固定金型12と可動金型13の間で狭持されていた装飾紙4が、透明樹脂20の射出圧力により透明樹脂20とともに可動金型13及びスライドコア14に押し付けられる。この時、溶融した透明樹脂20の熱により、装飾紙4の前面に塗布した接着剤が熱溶融し、装飾紙4がフロントカバー5の裏面に固着される。一定時間経過後、溶融した透明樹脂20が固化すると、図4(C)のように、装飾紙4と一体に成形されたフロントカバー5が取り出される。
【0019】
フロントカバー5の周縁近傍から突出している装飾紙4の不要部分4fをカッターでトリミングした後、フロントカバー5は、図2に示すように、機器本体3の前面に設けられた凹部11に嵌め込まれる。フロントカバー5と機器本体3は、フロントカバー5の裏面に形成された爪部5aと機器本体3の前面に形成された溝部3bによって爪結合される。
【0020】
フロントカバー5は透明樹脂で成形されているので、装飾紙4の前面に施された装飾パターン4aは、フロントカバー5を通して露呈される。デジタルカメラ2の外観デザインを変更するときには、例えば、カラー印刷機を用いて装飾紙4の装飾パターン4aの内容を変更すればよい。このように構成することで、金型の機種ごとの製作や再設計、樹脂材料などの変更を行うことなく、ローコストかつ容易に外観デザインの変更を行うことができる。また、フロントカバー5が透明であることから、装飾紙4の前面に施された装飾パターン4aが引き立って見え、外観的高級感を出すことができる。
【0021】
また、デジタルカメラ2を世界各国に輸出する場合、どの国においてもデザインが共通な部分である機器本体3を輸出先に関係なく量産しておき、製造工程の最後で、上述したシート成形を行い、各国によって異なる装飾パターン4aが施されたプレート状のフロントカバー5を機器本体3の前面に取り付けるようにすれば、国ごとに生産ラインを分けずに製造することができ、今まで以上に製造効率を高めることができる。また、急な出荷先の変更に伴うデザイン変更があった場合においても、カラー印刷機を用いて装飾紙4に施される装飾パターン4aの内容を変えるだけで済むので、従来のように過剰在庫品を抱えることなく迅速に対応することができる。
【0022】
さらに、装飾紙4の前面に施された装飾パターン4aを、透明なフロントカバー5を通して表示させることで、従来のようなユーザーの使用状態によって引き起こされるフロントカバーの表面に施された装飾パターンの剥離をなくすことができる。
【0023】
また、同様にして、透明なフロントカバー5の裏面に塗装を施した場合、このフロントカバー5の裏面が、機器本体3の前面に対面するように、フロントカバー5を機器本体3の凹部11に取り付けることによって、従来のようなユーザーの使用状態によって起こる塗装の剥離も防ぐことができる。
【0024】
上記実施形態では、装飾パターン4aが施された装飾紙4を、シート成形を行うことによってフロントカバー5の裏面に固着させたが、装飾パターン4aだけがフロントカバー5の裏面に転写されるようにしても良い。装飾紙4を、成形される際に樹脂と一体化しないようなフイルムなどで形成し、この装飾紙4上に剥離可能にした装飾パターン4aを設け、装飾パターン4aの表面にだけ、フロントカバー5の裏面に接着するための接着剤を塗布する。このように構成することによって、成形される際には、装飾パターン4aだけをフロントカバー5の裏面に転写することができる。
【0025】
上記実施形態においては、フロントカバー5を機器本体3の前面に取り付けたが、これに限ることなく、機器本体3表面のいずれの箇所においても、フロントカバー5と同様な構成をしたカバーを取り付けることは可能である。
【0026】
また、フロントカバー5と機器本体3を爪結合させたが、フロントカバー5と機器本体3との結合方法については、接着剤による結合や溶接など様々な結合方法が考えられる。装飾カバーの材質、形状、大きさ、厚さなどを考慮し、適当な結合方法を選べば良い。
【0027】
上記実施形態では、デジタルカメラを用いたが、デジタルカメラ以外の電子機器においても、本発明を適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の電子機器は、透明な樹脂を用いて、プレート状のフロントカバーを成形し、その裏面に装飾パターンを施した装飾紙を固着させたので、カラー印刷機を用いて装飾パターンの内容を変更するだけで容易に外観デザインの異なる機種を作ることができる。これにより、出荷先の急な変更に伴う外観デザインの変更にも、過剰在庫を抱えることなく迅速に対応することができる。また、透明なフロントカバーの裏面に装飾が施され、その装飾が透明なフロントカバーを通して表示されるので、ユーザーの使用状態によって起こる装飾の剥離をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラを示す外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルカメラの前面周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図3】シート成形された装飾カバーと装飾紙との構成を示す背面側分解斜視図である。
【図4】フロントカバーの製造の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
3 機器本体
4a 装飾パターン
5 フロントカバー
Claims (2)
- 内部機構が組み込まれた機器本体の前面にフロントカバーが装着された電子機器において、
前記フロントカバーを、透明な樹脂によりプレート状に成形するとともに、前記フロントカバーの裏面に装飾パターンを施したことを特徴とする電子機器。 - 前記装飾パターンをシート状の装飾紙に施し、前記装飾紙が前記フロントカバーの裏面に固着されるように、装飾紙をフロントカバーと一体に成形したことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283840A JP2004119852A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002283840A JP2004119852A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004119852A true JP2004119852A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32277591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002283840A Pending JP2004119852A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | 電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004119852A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007025004A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Sony Corp | 画像表示装置 |
GB2589064B (en) * | 2019-10-23 | 2024-06-19 | Texecom Ltd | Covers for safety/security devices |
-
2002
- 2002-09-27 JP JP2002283840A patent/JP2004119852A/ja active Pending
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JP2007025004A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Sony Corp | 画像表示装置 |
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