JP2004119120A - デバイスの製造方法 - Google Patents

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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

【課題】基板上に棒状部材を固定するデバイスの好適な製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、基板上に固定された、基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、棒状部材の互いに離間する複数箇所を基板に対して固定する工程;前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、基板と棒状部材との間に間隙を形成する工程もしくは基板と棒状部材との間の間隙を広げる工程;および前記間隙が形成されている状態で、基板に対して流体を吹き付ける工程もしくは基板の洗浄を行う工程を有する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デバイスの製造方法に関するものであり、特に、基板上に棒状部材を固定するデバイスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。
【0003】
このうち冷陰極素子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出型素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下MIM型と記す)、などが知られている。
【0004】
表面伝導型放出素子としては、たとえば、M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290,(1965)や、後述する他の例が知られている。
【0005】
表面伝導型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:”Thin Solid Films”,9,317(1972)]や、In/SnO薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:”IEEE Trans.ED Conf.”,519(1975)]や、カ−ボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0006】
これらの表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例として、図4に前述のM.Hartwellらによる素子の平面図を示す。同図において、3001は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3004に後述の通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは0.5〜1[mm],Wは0.1[mm]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0007】
M.Hartwellらによる素子をはじめとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的であった。すなわち、通電フォ−ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレ−トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記通電フォ−ミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が行われる。
【0008】
また、FE型の例は、たとえば、W.P.Dyke&W.W.Dolan,”Field emission”,Advance in Electron Physics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Spindt,”Physical properties of thin−film field emission cathodes with molybdenum cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)などが知られている。
【0009】
FE型の素子構成の典型的な例として、図5に前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示す。同図において、3010は基板で、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ−ン、3013は絶縁層、3014はゲ−ト電極である。本素子は、エミッタコ−ン3012とゲ−ト電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ−ン3012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
【0010】
また、FE型の他の素子構成として、図5のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲ−ト電極を配置した例もある。
【0011】
また、MIM型の例としては、たとえば、C.A.Mead,”Operation of tunnel−emission Devices,J.Appl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図6に示す。同図は断面図であり、図において、3020は基板で、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ100オングストロ−ム程度の薄い絶縁層、3023は厚さ80〜300オングストロ−ム程度の金属よりなる上電極である。
【0012】
MIM型においては、上電極3023と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0013】
上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒ−タ−を必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ−タ−の加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。
【0014】
このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行われてきている。
【0015】
たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人による特許文献1において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。
【0016】
また、表面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビ−ム源、等が研究されている。
【0017】
特に、画像表示装置への応用としては、たとえば本出願人による特許文献2や特許文献3や特許文献4の各公報において開示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビ−ムの照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0018】
また、FE型を多数個ならべて駆動する方法は、たとえば本出願人によるUSP4,904,895号公報に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、たとえば、R.Meyerらにより報告された平板型表示装置が知られている[R.Meyer:”Recent Developmenton Microtips Display at LETI”,Tech.Digest of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]。
【0019】
また、MIM型を多数個並べて画像表示装置に応用した例は、たとえば本出願人による特許文献5に開示されている。
【0020】
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。
【0021】
図7は平面型の画像表示装置をなす表示パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0022】
図中、3115はリアプレート、3116は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレート3115、側壁3116およびフュースプレート3117により、表示パネルの内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)を形成している。
【0023】
リアプレート3115には基板3111が固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子3112が、n×m個形成されている。(n、mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。)また、前記n×m個の冷陰極素子3112は、図7に示すとおり、m本の行方向配線3114とn本の列方向配線3113により配線されている。これら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線3114および列方向配線3113によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3114と列方向配線3113の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0024】
フェースプレート3117の下面には、蛍光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤(R)、緑(G)、育(B)の3原色の蛍光体(不図示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をなす上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあり、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の面には、Al等からなるメタルバック3119が形成されている。
【0025】
Dx1〜DxmおよびDy1〜DynおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線3114と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線3113と、Hvはメタルバック3119と各々電気的に接続している。
【0026】
また、上記気密容器の内部は10のマイナス4乗Pa程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示面積が大きくなるにしたがい、気密容器内部と外部の気圧差によるリアプレート3115およびフェースプレート3117の変形あるいは破壊を防止する手段が必要となる。リアプレート3115およびフェースプレート3117を厚くすることによる方法は、画像表示装置の重量を増加させるのみならず、斜め方向から見たときに画像のゆがみや視差を生ずる。これに対し、図7においては、比較的薄いガラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体(スペーサあるいはリブと呼ばれる)3120aが設けられている。スペーサ3120aは両端に取り付けられたコマ3120bを介して基板3111に固定され、この際スペーサ3120aは長手方向に対して数MPa程度の張力を持たせることにより直線状態を形成する。このようにして、マルチビーム電子源が形成された基板3111と蛍光膜3118が形成されたフェースプレート3116間は通常サブミリメートルないし数ミリメートルに保たれ、前述したように気密容器内部は高真空に保持されている。
【0027】
以上説明した表示パネルを用いた画像表示装置は、容器外端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加すると、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それと同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じて数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記放出された電子を加速し、フェースプレート3117の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をなす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0028】
【特許文献1】
特開昭64−31332号公報
【特許文献2】
USP5,066,883号公報
【特許文献3】
特開平2−257551号公報
【特許文献4】
特開平4−28137号公報
【特許文献5】
特開平3−55738号公報
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上記表示パネルは、基板と、基板に固定された棒状部材である構造支持体を有するデバイスである。本発明は、例えばこの表示パネルのように基板上に棒状部材を固定するデバイスの好適な製造方法を提供することを課題とする。
【0030】
デバイスの製造過程で、基板上に棒状部材を固定した状態で流体を吹き付ける工程を行うことがある。流体の吹き付けは何らかの加工を行うためであったり、不要物を吹き飛ばす洗浄を行うためであったりする。このような流体吹き付けの工程を好適に行うことができるデバイスの製造方法を提供することも本発明の目的である。
【0031】
また、デバイスの製造過程で、基板上に棒状部材を固定した状態で洗浄を行うことがある。この洗浄工程を好適に行うことができるデバイスの製造方法を提供することも本発明の目的である。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明により、基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間に間隙を形成する工程と、
前記間隙が形成されている状態で前記基板に対して流体を吹き付ける工程と
を有することを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0033】
この方法において、前記基板を撓ませることによって前記間隙を形成することができる。
【0034】
本発明により、基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
前記基板を撓ませて、前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間の間隙を広げる工程と、
前記間隙が広がった状態で前記基板に対して流体を吹き付ける工程と
を有することを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0035】
本発明により、基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間に間隙を形成する工程と、
前記間隙が形成されている状態で前記基板の洗浄を行う工程と
を有することを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0036】
本発明により、基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
前記基板を撓ませて、前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間の間隙を広げる工程と、
前記間隙が広がった状態で前記基板の洗浄を行う工程と
を有することを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0037】
本発明により、基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
前記棒状部材を前記基板に対して固定する工程と、
前記棒状部材が固定された基板に対して流体を吹き付ける工程と
を有しており、
前記流体を吹き付ける工程は、流体を吹き出す吹き出し口の前記基板面を含む平面への正射影が前記棒状部材もしくはその長手方向に伸ばした仮想線で区切られる該平面の2つの領域にまたがる位置に前記吹き出し口を配置させた状態で、前記吹き出し口から前記棒状部材に向けて前記流体を吹き付ける工程であることを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0038】
この流体を吹き付ける工程において、前記棒状部材に対して沿う方向に吹きだし口もしくは前記基板を移動させながら前記流体を吹き付けることが好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
デバイスの一例として、図7に示したような表示パネルを挙げることができ、この場合、構造支持部材3120aが基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材である。
【0040】
気体の吹き付けは洗浄の目的以外の加工工程としても採用することができる。
【0041】
洗浄工程としては気体を吹き付けるものに限らず、液体を流したり、液体に浸漬することによる洗浄工程を採用しても良い。
【0042】
棒状部材の固定箇所は、例えば両端に2箇所としてもよいが、必ずしも両端である必要はなく、また3箇所以上としてもよい。固定箇所が例えば3箇所ある場合、隣り合う2箇所にはさまれる領域は2つある。このとき、この2つの領域のうちのいずれか一つのみにおいて基板と棒状部材との間に間隙を形成、あるいは間隙を広げることもできるが、2つの領域の全てにおいて上記間隙を形成あるいは間隙を広げることもできる。
【0043】
【実施例】
以下、前述の画像表示装置の表示パネルを例に、本発明について説明する。
【0044】
因みに、前述の画像表示装置にかかる従来技術には以下のような要改善点があった。
【0045】
すなわち、前述のように、冷陰極素子3112からの放出電子を加速するためにマルチビーム電子源とフェースプレート3117との間には数百V以上の高電圧(即ち1kV/mm以上の高電界)が印加される。そのため、冷陰極素子3112、行方向配線3114、列方向配線3113等を含む、基板3111上とフェースプレート3117の間での真空放電が懸念されている。
【0046】
真空放電の原因としては、基板3111及びフェースプレート3117上の突起、ゴミの付着、ガスの吸着等が考えられる。これらの放電は、画像表示中に突発的に起こり、画像を乱すだけでなく、放電個所近傍の冷陰極素子3112を著しく劣化させ、その後の表示が正常にできなくなる可能性もある。この解決手段の一つとして基板3111及びフェースプレート3117を組立て前の部材段階において、純水等の液体を用いたウエット洗浄と、空気や窒素などの気体を吹き付けることにより物理的に付着物を除去するエアーブローが一般的に用いられる。清浄度を得ようとする対象物が複雑な構造を有する場合ウエット洗浄を用いることが一般的であるが、構成部材への化学的な影響を考慮するとウエット洗浄は容易には行なえない。
【0047】
一方エアーブローによる異物除去では化学的な影響を受けにくいメリットがある反面、スペーサー3120aと行方向配線3114との接触面、及びスペーサー3120aと基板3111との近傍付近のような流体に対して障害物となりうる構造を有する場合、十分な清浄度が得にくい。
【0048】
本発明はこのような障害物がある場合においても良好な洗浄を行うことを可能とし、画像表示時の放電を防止し、良好な表示画像を得ることを可能とする。
【0049】
〔実施例1〕
本実施例の画像形成装置の表示パネルの製造方法では、電子ビーム源を形成したリアプレートと電子ビームの照射により発光する蛍光体を形成したフェイスプレート、及び耐大気圧構造としての構造支持部材を備え、且つ前記構造支持部材は前記リアプレート、及び前記フェイスプレートのどちらか一方もしくは両方の基板上にその長手方向が該基板面と平行になるように載置された棒状部材により構成された画像形成装置の表示パネルの製造方法において、製造段階において気体を吹き付ける工程を有し、この工程で、前記構造支持部材を配した前記リアプレート、もしくは前記フェイスプレートに対して前記構造支持部材の長手方向に対して平行に気体を吹き付ける。この表示パネルは前記スペーサーを前記リアプレートの画像領域外にて両端もしくは片側を固定した構造であり、画像領域内では固定されていない。電子ビーム源は、冷陰極素子であり、表面伝導型放出素子である。
【0050】
図1は画像表示装置の表示パネルの概略構造(基板上に行方向配線、列方向配線、冷陰極素子、コマおよびスペーサを設けた段階)をスペーサー3120aの長手方向に垂直な方向から示した図である。スペーサー3120a及びコマ3120bを組み付けた基板3111を基板ステージ3211に載置する。スペーサ−3120aは基板に対して1個以上存在し、本実施例では20本を25mm間隔にて配置した基板を用いた。エアーブローを目的としたノズル3200は吹き出し口形状は多種多様であるが、本実施例ではスリット形状をもつノズルを用いた。スリット以外では丸型や長方形等の形状をもつノズルを用いても良い。あるいはスリットに替えて例えば開口が円形の小ノズルが複数個配列したノズルを用いることもできる。
【0051】
図2に示すようにノズル3200をスペーサー3120aの長手方向に対して略直交に、かつ図1に示すよう基板3111表面から所定距離dに配置する。この後スペーサー3120aの長手方向に対して直交する基板3110のどちらか一方の任意の基板端よりエアーブローを開始する。エアーの吹き出し方向は本実施例では図1の矢印1に図示する通り、スペーサーの長手方向に直交するように行ったが矢印2、矢印3のように傾斜をつけて吹き出しても良い。
【0052】
棒状部材であるスペーサは複数設けているが、ここで図2の最下部に有る一つのスペーサに着目する。ノズル3200の基板面への正射影は該一つのスペーサの長手方向の両側(図面上側と下側)の領域にまたがっている。ここでノズル3200からエアーを吹き出すと該一つのスペーサの長手方向の両側にエアーが吹き付けられるため、一方側からのみエアーを吹き付けるのに対してスペーサの基板面内方向での動きを抑制することができる。またスペーサの一方側からのみエアーを吹き付けた場合、該スペーサでエアーブローが妨げられて該スペーサのエアーブローされる側と反対の側には優れた吹き付けが行いにくくなる傾向があるという点で不利だが、上記のようにスペーサーの両側にエアーを吹き付ければこのような現象を回避でき、極めて優れた吹きつけを行うことだできる。なお本実施例においてはいずれのスペーサに対してもその長手方向の両側の領域にノズル3200の正射影がまたがるようにしているので、特に効果的な構成となっている。
【0053】
次いで図1及び図2の矢印4に図示する通りノズル3200をスペーサー3120aの長手方向に対して略並行に移動し基板3110のもう一方の基板端までブローを行う工程を実施する。本実施例ではノズルを移動することにより基板全体に対してエアーブローを行ったが、ノズル3200を固定して基板3111を移動してもかまわない。また、基板3111及びノズル3200の両方を移動しても良い。
【0054】
なお、以上述べた構成においてはノズルはその基板面への正射影がスペーサで区切られる2つの領域に直接またがるようにしたが、スペーサの直上から離したところにノズルを配してもよい。その場合は、基板面を含む平面への該ノズルの正射影を考え、スペーサの長手方向に伸ばした仮想線で区切られる該平面の2つの領域に該正射影がまたがるようにノズルを配置すればよい。この構成は例えば図2において、ノズルをスペーサの長手方向の並行に動かしスペーサの直上からはなれた位置に配置して、スペーサに向けてエアーを吹き付ける構成に該当する。
【0055】
このような工程経て製造された画像表示装置は、スペーサー3120aによってエアーブローを遮られること無く基板3111に付着した異物を除去した放電がない良好な表示画像を得ることができた。
【0056】
〔実施例2〕
ここでは、リアプレートとフェイスプレート及び耐大気圧構造としての構造支持部材を長手方向に張力を負荷した状態にて前記構造支持部材の両端をリアプレートもしくはフェイスプレートに対して固定した画像形成装置の表示パネルの製造方法において、気体を吹き付ける際に前記基板に対して前記構造支持部材を上側に配してみた場合に前記基板を一定の曲率もしくは局所的に大きな曲率をもった凹型に変形させる方法を示す。リアプレートを一定の曲率もしくは局所的に異なる曲率を有するステージに真空吸着することによって基板を凹型に変形させることができ、あるいは、リアプレートを一定の曲率もしくは局所的に異なる曲率を有するステージに機械的に加圧固定することにより基板を凹型に変形させることができる。リアプレートを凹型に変形した後、スペーサーを固定した面を上面もしくは下面とした状態にてエアーブローして異物を好適に除去することができる。
【0057】
本発明によれば、スペーサーを組み付けたリアプレート、もしくはフェイスプレートを凹形に湾曲した形状に変形させることによりスペーサーとリアプレート基板の間に間隔を作り出すことにより前記スペーサーと前記基板間に挟まった異物をエアーブローにより除去可能とし放電のない画像表示装置を製作することが可能となる。
【0058】
用いた表示パネル(基板上に行方向配線、列方向配線、冷陰極素子、コマおよびスペーサを設けた段階)は実施例1と同様のものである。リアプレート基板の湾曲形状について図3を用いて具体的に説明する。
【0059】
スペーサー組立て済みのリアプレートを基板変形用湾曲ステージ3211’に図3のようにセットする。ステージへの固定方法は真空吸着を用いた。湾曲する際の基板3111の曲率半径は一定、もしくは局所的に異なる曲率半径を持っていてもかまわない。本実施例に用いた湾曲ステージは一定の曲率にて作製されており、その曲率半径の最小値はリアプレートのガラス部材により異なる。これは部材の材質や板厚、表面状態により破壊応力が異なるためであり本実施例では板厚2.8mmにおいて数十Mpa程度の破壊応力であるガラス基板を用いた。この際の好ましい最小曲率半径は次の式1にて求められる。この計算式は曲率半径が局所的に異なる実施形態においても同じである。
【0060】
【数1】
Figure 2004119120
【0061】
本実施例では上記式1を用いて計算すると最小曲率半径は3mであった。
【0062】
また、最大曲率半径は除去対象となる異物の粒径と基板サイズによって決めることができる。対象異物粒径はこれまでの調査により100μm以下であり、このためスペーサーと基板間に挟まった異物を除去可能とするには対象異物粒径以上である100μm以上の間隔であれば良く好ましい最大曲率半径は次の式2によって求められる。
【0063】
【数2】
Figure 2004119120
【0064】
本実施例では基板3111の湾曲する側の辺の基板サイズ(b)を1000mmにて行った。このため最大曲率半径は1250mとなり、先に求めた最小曲率半径と合わせて以下の範囲の曲率半径ρを用いることが好ましい。
【0065】
【数3】
Figure 2004119120
【0066】
このようにして求められた曲率半径に湾曲させた基板3111に対してエアーブローを行い付着異物除去を行った。エアーブロー方法は実施例1と同様とした。
【0067】
このような工程を経て製造された表示パネルを有する画像表示装置により、放電がない良好な表示画像を得る事ができた。
【0068】
以上本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はここで述べた具体的な実施形態に限るものではない。例えば基板に対して張力を用いてワイヤーを張った弦楽器のような形態をもつデバイスに対して実施しても有効である。このような形態をもつデバイスとしては、例えばマイクロマシンデバイスのような分野において利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による部材段階での基板構成を示す模式的側面図。
【図2】本発明の実施例1による部材段階での基板構成を示す模式的上面図。
【図3】本発明の実施例2による部材段階での基板構成を示す模式的側面図。
【図4】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示す模式図。
【図5】従来知られたFE型素子の一例を示す模式図。
【図6】従来知られたMIM型素子の一例を示す模式図。
【図7】画像表示装置の表示パネルの一部を切り欠いて示した斜視図。
【符号の説明】
1 エアー吹き出し方向
2 エアー吹き出し方向
3 エアー吹き出し方向
4 ノズル移動方向
3001 基板
3004 導電性薄膜
3005 電子放出部
3010 基板
3011 導電材料
3012 エミッタコーン
3013 絶縁層
3014 ゲート電極
3020 基板
3021 下電極
3022 絶縁層
3023 上電極
3111 基板
3112 冷陰極素子
3113 列方向配線
3114 行方向配線
3115 リアプレート
3116 側壁
3117 フェースプレート
3118 蛍光膜
3119 メタルバック
3120a 構造支持体
3120b コマ
3200 ノズル
3211 基板ステージ
3211’ 湾曲基板ステージ
Dx、Dy、Hv 電気接続用端子

Claims (7)

  1. 基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
    前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
    前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間に間隙を形成する工程と、
    前記間隙が形成されている状態で前記基板に対して流体を吹き付ける工程と
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
  2. 前記基板を撓ませることによって前記間隙を形成する請求項1に記載のデバイスの製造方法。
  3. 基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
    前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
    前記基板を撓ませて、前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間の間隙を広げる工程と、
    前記間隙が広がった状態で前記基板に対して流体を吹き付ける工程と
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
  4. 基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
    前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
    前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間に間隙を形成する工程と、
    前記間隙が形成されている状態で前記基板の洗浄を行う工程と
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
  5. 基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
    前記棒状部材の互いに離間する複数箇所を前記基板に対して固定する工程と、
    前記基板を撓ませて、前記複数箇所のうちの隣り合う2箇所にはさまれる領域において、前記基板と前記棒状部材との間の間隙を広げる工程と、
    前記間隙が広がった状態で前記基板の洗浄を行う工程と
    を有することを特徴とするデバイスの製造方法。
  6. 基板と、該基板上に固定された、該基板の面内方向と平行な長手方向を持つ棒状部材とを有するデバイスの製造方法であって、
    前記棒状部材を前記基板に対して固定する工程と、
    前記棒状部材が固定された基板に対して流体を吹き付ける工程と
    を有しており、
    前記流体を吹き付ける工程は、流体を吹き出す吹き出し口の前記基板面を含む平面への正射影が前記棒状部材もしくはその長手方向に伸ばした仮想線で区切られる該平面の2つの領域にまたがる位置に前記吹き出し口を配置させた状態で、前記吹き出し口から前記棒状部材に向けて前記流体を吹き付ける工程であることを特徴とするデバイスの製造方法。
  7. 前記流体を吹き付ける工程において、前記棒状部材に対して沿う方向に吹きだし口もしくは前記基板を移動させながら前記流体を吹き付ける請求項6に記載のデバイスの製造方法。
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