JP2003217483A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003217483A
JP2003217483A JP2002018498A JP2002018498A JP2003217483A JP 2003217483 A JP2003217483 A JP 2003217483A JP 2002018498 A JP2002018498 A JP 2002018498A JP 2002018498 A JP2002018498 A JP 2002018498A JP 2003217483 A JP2003217483 A JP 2003217483A
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image forming
forming apparatus
insulating portion
foreign matter
anode
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JP2002018498A
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Koji Yamazaki
康二 山▲崎▼
Hisafumi Azuma
尚史 東
Taro Hiroike
太郎 廣池
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩留まりよく良好な耐圧が実現され、また製
造後に耐圧が低下しない画像形成装置を提供する。 【解決手段】 電子源基板とアノード基板が支持枠を挟
んで対向配置されている。アノード基板31や電子源基
板41に付着していた異物が電界の印加により移動す
る。電界の印加により移動された異物が絶縁部33に付
着する。絶縁部33は、表面の凹凸により、異物と広い
面積で接触し、異物を固着させる。また、凹凸の粗さが
位置により異なっていることにより、絶縁部33は様々
な大きさの異物と広い面積で接触し、固着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源であるカソ
ードと、電子源から放出された電子によって発光するア
ノードとを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アノードとカソードを有する平板
型画像形成装置に関して広く研究開発がなされている。
これに使用される電子源は、例えば、電界放出素子や表
面伝導型電子放出素子などにより構成される。
【0003】前者の電界放出素子を用いた一例として、
米国特許第4,884,010号に提案されたものがあ
る。また、後者の表面伝導型電子放出素子を用いた一例
として、米国特許第5,066,883号に提案された
ものがある。
【0004】これらは電子源の構造や駆動方法等に違い
があるが、複数の電子放出素子で構成された電子源より
なるカソードと、それに近接したアノードとを有すると
いう共通の特徴がある。このカソードとアノードとの距
離は、概ね、数百μm〜数mm程度である。
【0005】ここで注意すべき点は、カソードや結線等
のための配線と、電子を引き付けるためのアノード電極
が近接しているため、大きな静電容量が生ずる点であ
る。アノードには、通常電子を引き付けるために数キロ
ボルト〜数十キロボルトの高い正電位が印加される。そ
のために、アノードとカソードの両電極間には多大な電
荷が蓄積されることになる。なお、本明細書では、アノ
ードの形成された基板をアノード基板と称し、アノード
の形成された基板に対向する電子源の形成された基板を
カソード基板と称することにする。
【0006】このように狭い電極間に大きな電位差が与
えられた状況、すなわち強電界の状況下では、アノード
基板とカソード基板の間に異常放電が生じることがあ
る。ここでいう異常放電とは、画像形成装置の本来の駆
動に関わる、電子源から放出される正規のあるいは予想
しうる、ある意味で定常的な放出電流ではなく、アノー
ドとカソードの短絡を生ずるような大電流を伴う放電で
ある。
【0007】この異常放電は、カソード基板とアノード
基板の間の真空度が不十分な場合や、異常電場をもたら
すような電極形状の問題がある場合などに生じると考え
られる。アノード基板とカソード基板の間の静電容量の
大きさにもよるが、異常放電が生じると電流集中に起因
して電極等が損傷することがある。そして、ひどい場合
には、異常放電部に配線を介して接続されている素子
が、真空中のアーク放電により破壊されることがある。
アーク放電は、それによりもたらされる大電流によって
生じる大きなジュール熱で異常放電部の素子を破壊す
る。また、アーク放電は、蒸発させた粒子が他の素子や
配線に付着して短絡を起させる。また、カソードならび
に結線のための配線の電位が、電流集中により不安定と
なり、その結果、配線を介して接続された素子が損傷す
ることもある。
【0008】また、この異常放電によって、さらに二次
的な異常放電が生じることもある。この二次的な異常放
電については不明な点が多いが、その原因のひとつとし
て、吸蔵ガスあるいは電極金属の蒸気が放出され、電極
間の真空度が局所的に悪化することにより生じるものと
推測される。さらに、この二次的な異常放電が連鎖的に
生じることがあり、最初の異常放電によるダメージがな
くても、連鎖的な異常放電により結果的に非常に大きな
ダメージが素子等に与えられることがある。
【0009】真空中の放電を抑制して高電界の印加を可
能にする試みとして、「コンディショニング」と呼ばれ
る処理を基板等に施す方法が一般的に知られている。一
般的なコンディショニングの方法の例として、陽陰極表
面の状態を変化させるために、予め画像形成装置を使用
に供する前に、高真空中で電極間に高電界を印加する、
あるいは、低圧の水素ガス中でグロー放電を行わせる処
理を施す方法などが知られている。例えば、「電気学会
大学講座 高電圧工学 第二次改訂版」(財団法人電気
学会編,オーム社1981年11月10日発行)の39
ページ11〜12行には、真空放電に関して、火花放電
の開始電圧を上昇させる手段が記載されている。なお、
本明細書の異常放電は、この火花放電を含んだものであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】アノード基板およびカ
ソード基板を有する平板型画像形成装置においては、画
素欠陥等の原因となる異常放電を生じなくすること、あ
るいは生じにくくすることが重要である。特に、アノー
ド基板やカソード基板に導電性異物が付着していると異
常放電が生じやすいので、これを除去することが肝要で
ある。
【0011】アノード基板やカソード基板の導電性異物
を除去する方法の一例として、製造工程中に、アノード
基板とカソード基板の間に電界を印加して異物を除去す
るコンディショニング法が考えられる。しかし、コンデ
ィショニングを行う時期にもよるが、この方法では、製
造工程中にアノード基板とカソード基板間に電界を印加
することにより異常放電が生じ素子等にダメージを与え
ることがある。
【0012】このようなダメージはその後の製造工程に
影響を及ぼし、また、結果的に画素欠陥が起こることも
ある。また、最初の異常放電では素子に致命的なダメー
ジがなくても、先に述べた二次的な異常放電により、素
子等にダメージを与える可能性もある。
【0013】また、導電性異物を除去する他の一般的な
方法として、エアブローや除電ブローなどによる方法が
ある。ブローを行う方法では、ブローによって舞った異
物が再び基板上に付着することがある。したがって、異
物が再び基板に付着しないような工夫が必要である。
【0014】導電性異物を除去する、さらに他の一般的
な方法として、異物をバキュームする方法がある。しか
し、異物が帯電して基板に付着している場合などには、
基板へ接触せず、吸引により異物を除去するのは非常に
困難である。
【0015】そのため、本発明者らは、これまでアノー
ド基板やカソード基板に電界を掛けて異物を除去するコ
ンディショニング方法を提案してきた。この方法によっ
て、基板の耐圧は向上し、その基板を用いて作製された
画像形成装置の耐圧も向上した。
【0016】しかし、コンディショニング工程から、ア
ノード基板とカソード基板を組み合わせて封着する工程
までの間にも異物が付着することがある。このときに付
着した異物によって画像形成装置の耐圧が低下すること
があった。また、アノード基板とカソード基板を封着す
る工程で、基板の一部が剥離して異物化し、この異物に
より画像形成装置の耐圧が低下することがあった。その
ため、この方法では画像形成装置の製造歩留まりが上が
らなかった。
【0017】そこでさらに、本発明者らは画像形成装置
を封着した後に、アノード基板とカソード基板の間に電
界を掛けることにより異物を電界領域から排除できるこ
とを確認した。電界領域とは、画像形成装置の駆動によ
り電界がかかる領域である。この方法によって、本発明
者らは画像形成装置の製造歩留まりを上げることに成功
した。
【0018】しかし、画像形成装置内で電界領域から排
除された異物が、装置の移動や大きな振動などによって
再び電界領域に戻る可能性があった。そのため、製造後
に画像形成装置の耐圧が低下する恐れがあった。
【0019】本発明の目的は、歩留まりよく良好な耐圧
が実現され、また製造後に耐圧が低下しない画像形成装
置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の画像形成装置は、電子放出素子を有する電
子源基板と、前記電子放出素子から放出される電子の照
射によって発光する発光部材と該発光部材に高電圧を印
加するアノードを有するアノード基板とが支持枠を挟ん
で対向配置された画像形成装置において、前記電子源基
板と前記アノード基板の間の、前記アノードの電位を規
定するアノード電極より外側かつ前記支持枠より内側の
位置に、表面に凹凸を有する絶縁部が設けられている。
【0021】したがって、電界領域の外側に凹凸を有す
る絶縁部があるので、電界の印加によって移動された異
物が絶縁部と広い面積で接触し、異物は十分な束縛力で
絶縁部に固着され、電界領域に戻ることがない。
【0022】なお、前記絶縁部の表面の凹凸の粗さが、
前記電極から前記支持枠に向かって変化していることが
好ましい。
【0023】したがって、絶縁部の表面の凹凸の粗さが
位置によって異なるので、様々な大きさの異物が、広い
面積で絶縁部に接触することが可能であり、様々な大き
さの異物が十分な拘束力で絶縁部に固着される。
【0024】また、前記絶縁部の表面の算術平均粗さ
が、前記アノード電極から前記支持枠に向かって大きく
なっていることが好ましい。
【0025】したがって、絶縁部の表面の粗さがアノー
ド電極から遠いほど大きくなっているので、大きな異物
ほど電界領域から遠くに固着され、万一、絶縁部に固着
された異物が離れても電界領域に戻りにくい。
【0026】また、前記絶縁部の前記アノード電極に近
い部分の表面が鏡面であってもよい。
【0027】したがって、絶縁部のアノード電極に近い
鏡面の部分は、異物の大きさに関わらず、多くの異物を
固着させる。
【0028】また、前記絶縁部の前記支持枠に近い部分
の表面の算術平均粗さが100μmであることが好まし
い。
【0029】したがって、絶縁部の表面の凹凸が細かい
部分から算術平均粗さ100μm程度の粗い部分まであ
るので、一般的な画像形成装置において、除去されるべ
きであるが、発見されにくく、また剥がれにくいとされ
る100μm以下の大きさの異物が良好に凹凸に固着さ
れる。
【0030】また、前記アノード電極の周囲にガード電
極を有してもよい。
【0031】また、前記絶縁部が前記ガード電極のさら
に外側に設けられていることが好ましい。
【0032】したがって、絶縁部がガード電極の外側に
あるので、ガード電極より外側に異物が固着され、電界
領域に戻りにくい。
【0033】また、前記ガード電極が、前記電子源基板
内で規定される電位の中で最も低い電位に規定されるこ
とが好ましい。
【0034】したがって、ガード電極の電位が最も低く
なるので、ガード電極の外側には強い電界がかからず、
異物を絶縁部に良好に固着させることができる。
【0035】また、前記ガード電極が接地電位に規定さ
れていてもよい。
【0036】また、前記絶縁部が前記アノード基板に設
けられていてよく、また、前記絶縁部が前記電子源基板
に設けられていてよく、さらにまた、前記絶縁部が前記
アノード基板および前記電子源基板の双方に設けられて
いてよい。
【0037】したがって、絶縁部はアノード基板に設け
ても電子源基板に設けてもよいので、画像形成装置の構
成や製造方法に応じて都合のよい方に設けることができ
る。
【0038】また、前記支持枠の内面に凹凸があること
が好ましい。
【0039】したがって、支持枠内面にも凹凸があるの
で、画像形成装置を立てた状態で異物を除去したとき
に、支持枠内面に到達した異物を固着させ、電界領域に
戻させず、画像形成装置を立てた状態で異物を除去する
ことができる。
【0040】また、前記絶縁部の表面の凹凸が誘電体ペ
ーストをスクリーン印刷して作成されたものであってよ
く、また、前記絶縁部が凹凸を有する金型により作成さ
れたものであってもよい。
【0041】また、前記アノード基板と前記電子源基板
の間に補強用のスペーサを有し、該スペーサが行方向配
線または列方向配線のいずれかに平行に配置され、前記
絶縁部が少なくとも前記スペーサの長手方向と垂直な辺
に設けられていることが好ましい。
【0042】したがって、補強用のスペーサを備えた画
像形成装置において、異物の移動がスペーサに阻害され
ず、かつスペーサに異物が付着しないように画像形成装
置を立てた状態で異物を除去できる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図面
を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、
放電を伴うことなく導電性異物を電界領域から排除し、
その異物が再び電界領域に戻らないように保てる構造を
有する。電界領域とは、画像形成装置の駆動により電界
がかかる領域であり、ここに異物があると異常放電の原
因となる。
【0044】図1は、10-5Paの雰囲気中における、
平坦な電極基板上に付着した球体の導電性異物のサイズ
と、異物の移動開始電界および放電開始電界の関係を示
すグラフである。図1では、放電開始電界が実線で示さ
れ、移動開始電界が破線で示されている。ここでサイズ
とは、球体の導電性異物の半径である。
【0045】図1の実線を参照すると、異物のサイズが
50μm程度の場合、5kV/mm程度の電界で放電が
始まることがわかる。したがって、駆動時に5kV/m
m程度の電界が生じる画像形成装置では、50μm以上
の導電性異物は、放電の要因となるため、除去しておく
必要があることを示している。例えば、アノードとカソ
ードの間隔が2mmで、駆動時にアノードに10kVの
電圧が印加される一般的な画像形成装置では、5kV/
mmの電界が生じるので、50μm以上の異物は除去し
ておく必要がある。
【0046】しかし、表示装置内およびその構成部材、
具体的にはフェースプレートやリアプレート等に付着し
た約100μm以下の異物は発見されにくく、また剥が
れにくい。これは、異物に働くファンデルワールス力等
による付着力が、異物に働く重力を上回るためと考えら
れる。よって、5kV/mm程度の高電界を印加する画
像形成装置において、50〜100μm程度の異物は、
除去が必須でありながら、その発見および除去がなかな
か困難である。そこで、本発明者らは、このような異物
の除去方法として、電界を印加することで異物を移動さ
せることができることに着目した。
【0047】図2は、電界の印加によって異物を移動さ
せる方法について説明するための図である。図2に示さ
れるように、電位差V、間隔dの電極201,202間
に導入された直径φの導電性粒子203である異物に
は、式(1)で示される電荷qが誘起される。
【0048】
【数1】
【0049】ここでεは媒質の誘電率、E(=V/d)
はギャップdと印加電圧Vで決まる電界強度、rは異物
の半径である。異物が誘電体の場合にも、帯電等により
最大qの電荷(表面電荷)が蓄えられる。
【0050】電荷qには、式(2)で示されるクーロン
力Fが作用するため、このクーロン力Fが、束縛力(フ
ァンデルワールス力や接触帯電によるクーロン力等)お
よび重力等を合成した力より大きくなると、異物は対向
電極へ向かって移動し始める。
【0051】
【数2】
【0052】ここで、αは異物の存在による平等電界か
らのずれを表す電界補正係数であり、α=0.8〜1で
ある。例えば、図1の破線を参照すると、半径r=10
0μmの銅球は、E=400V/mm程度の電界で移動
し始める。この移動開始電界は、真空放電が発生する電
界よりも十分に低い値である。そして、異物は、対向電
極へ到達すると、そこで電荷交換を行い、散乱されて下
側の電極へ向かって運動する。その際、異物は、電極面
で等方的に散乱を受けるため、ある時間後には電界領域
外へ除去されることが確認されている。電界領域とは、
画像形成装置の駆動により電界がかかる領域である。
【0053】そこで、電界領域外へ移動した異物が再び
電界領域内へ混入しないように、アノード基板あるいは
カソード基板に形成された電極の外側に、異物を固着さ
せるための凹凸を有する絶縁面を形成しておき、その絶
縁面により異物をトラップする。ここで、トラップと
は、異物を捕らえて保持することであり、固着もこれと
同意である。
【0054】異物は、電位の規定された電極より外側の
ように、束縛力より勝るクーロン力が作用するような電
界がかからない領域に移動し、付着すると、振動などの
他の外力が加わらなければ、束縛力によってその場所に
保たれる。特に、固着した場所が絶縁面であれば、異物
が導電性でも電荷交換できず帯電しにくいため、クーロ
ン力が大きくならず、より確実に固着される。
【0055】一般に、ファンデルワールス力などの束縛
力は、接触面積に応じて決まることが知られている。し
たがって、接触面積が広がれば、異物は、より強い束縛
力によって固着されることとなる。絶縁面が理想的な鏡
面である場合、多くの異物は大きさに関わらずそこにト
ラップされるが、異物によっては接触面積が小さく、十
分な束縛力を得られず、トラップされないものがある。
【0056】そこで、絶縁面に適度な凹凸を持たせるこ
とによって接触面積を増し、束縛力を増加させると、異
物は良好にトラップされる。特に、100μm以下の異
物をトラップするためには、凹凸の粗さも算術平均粗さ
Ra100μm以下であることが好ましい。そして、様
々なサイズの異物に対して接触面積を広げるために、算
術平均粗さが小さく凹凸が細かい粗面から算術平均粗さ
Ra100μm程度の粗さまで変化させることが好まし
い。この場合、異物と絶縁面が、接触面積的に好ましく
ない組み合わせで付着することがあるが、その状態で十
分に固着すれば何ら問題ない。また、その状態で十分に
固着しない場合には異物は移動し、いずれ十分な束縛力
が得られる場所で止まり固着する。
【0057】また、念のため、大きな異物ほど画像表示
領域から遠い位置に固着させることが望ましい。そのた
め、より外周に近く、電界領域から遠いほど凹凸の粗さ
を大きくすることが好ましい。
【0058】以上のことを考慮して構成された、本実施
形態の画像形成装置について説明する。
【0059】図3は、本実施形態の画像形成装置を模式
的に示した平面図である。図4は、図3のA−A′断面
図である。図3および図4を参照すると、本実施形態の
画像形成装置は、アノード基板31、メタルバック3
2、絶縁部33、支持枠34、電子源基板41およびX
方向配線42を有している。
【0060】アノード基板31と電子源基板41が支持
枠34を挟んで封着されている。メタルバック32は、
画像形成装置の内部でアノード基板31の中央に設けら
れたアノード電極である。X方向配線42は、画像形成
装置の内部で電子源基板41に設けられている。画像形
成装置の内部でメタルバック32の外側では、電子源基
板41側に絶縁部33が設けられている。絶縁部33は
表面に凹凸を有している。
【0061】万一、画像形成装置の製造プロセス中に、
画像形成装置内部、特に、電界の生じる画像表示領域す
なわちメタルバック32の領域内に導電性異物が混入し
た場合、その導電性異物が100μm程度のサイズなら
ば、400V/mm程度以上の電界をかければ導電性異
物を画像表示領域外に移動させることができる。また、
アノード−カソード間にかける電界が4kV/mm以下
であれば、放電を起さずに導電性異物を画像表示領域外
に移動させることができる。
【0062】また、本実施形態の画像形成装置では、メ
タルバック32より外側にある絶縁部33に、その絶縁
部33の束縛力により異物が固着され、再び画像表示領
域へ戻るのが防止される。一般に、ファンデルワールス
力等の束縛力は接触面積に応じて決まることが知られて
いる。したがって、導電性異物と絶縁部33との接触面
積を広げることにより、より強い力で導電性異物を固着
させることができる。
【0063】絶縁部33の表面が理想的な鏡面である場
合、多くの異物はそこにトラップされるが、異物によっ
ては接触面積が小さく、十分な束縛力を得られない。絶
縁面33の凹凸は、接触面積を増し、束縛力を増加させ
るためのものである。
【0064】図5は、絶縁部33の表面における導電性
異物の付着の状況を示す図である。例えば、図5(A)
に示されるように、細かい凹凸を有する表面上に、その
凹凸の算術平均粗さよりも大きな異物aが付着しても、
接触面積は増さず付着力も弱い。また、凹凸の算術平均
粗さと同等なサイズの異物bが付着すると、接触面積が
増し、付着力も強くなる。一方、図5(B)に示される
ように、粗い凹凸を有する表面上に、小さな異物bが付
着しても、接触面積は増さず付着力も弱い。また、凹凸
の算術平均粗さと同等なサイズの異物aが付着すると、
接触面積が増し、付着力も強くなる。
【0065】したがって、100μm程度の異物に着目
すると、絶縁部33の表面には算術平均粗さRa100
μm程度の凹凸があることが好ましく、また、サイズが
100μm以下の様々なサイズの異物に対して接触面積
を広げるためには、算術平均粗さの小さい凹凸から算術
平均粗さRa100μm程度の凹凸まで、絶縁部33の
表面の粗さ変化させることが好ましい。この場合、図5
に示されたように、異物が絶縁面33の接触面積的に好
ましくない場所に付着することがありうるが、その状態
で固着するのなら何ら問題ない。また、異物がその場所
で固着しなくても、そこから移動し十分な束縛力が得ら
れる場所で止まり固着する。
【0066】図6は、絶縁部33の表面の粗さの変化を
模式的に示した図である。なお、図6は図1のA−A’
断面に相当する。念のため、大きな異物ほど画像表示領
域から遠い位置に固着させるために、図6に示されるよ
うに、画像形成装置の外周に近い場所にいくほど凹凸を
粗くしてある。
【0067】本発明は、メタルバックの外周にガード電
極を有する構成の画像形成装置にも有効である。
【0068】図7は、本発明の他の実施形態の画像形成
装置の断面図である。図7の画像形成装置は、メタルバ
ック32の外周において、アノード基板31にガード電
極71を有している。絶縁部33は、ガード電極71よ
りもさらに外側に設けられている。
【0069】ガード電極71の電位をGND電位または
電子源基板41における最も低い電位にすると、ガード
電極71より外側には強い電界がかからず、異物を絶縁
部33に固着させやすい。
【0070】また、本発明の絶縁部はアノード基板上に
設けられていてもよい。
【0071】図8は、本発明のさらに他の実施形態の画
像形成装置の断面図である。図8の画像形成装置では、
絶縁部33がアノード基板31上に設けられており、先
に述べたと同様に異物を画像表示領域外にトラップする
ことができる。
【0072】さらに、本発明の絶縁部アノード基板およ
び電子源基板の双方に設けられていてもよい。この場
合、異物が画像表示領域外により良好にトラップするこ
とができる。
【0073】また、支持枠の内面に凹凸が形成されてい
てもよい。画像形成装置を立てた状態で異物の除去を行
うと、異物が重力方向に移動しやすいので、異物除去プ
ロセスの時間短縮が図れる。このとき異物は支持枠内面
まで到達しやすい。そのため、支持枠の内面に凹凸があ
れば、支持枠内面にそのまま異物を固着させることがで
き、効果的である。
【0074】図9は、本発明のさらに他の実施形態の画
像形成装置の断面図である。図9の画像形成装置では、
絶縁部がアノード基板31および電子源基板41の双方
に設けられており、また、指示枠34の内面に凹凸が形
成されている。
【0075】図9の画像形成装置においては、立てた状
態で異物除去を行うと、異物を画像表示領域外に短時間
で移動させ、また、より良好にトリップすることができ
る。
【0076】画像形成装置には耐大気圧構造の補強用に
矩形平板スペーサが、その長手方向が行方向配線または
列方向配線に平行になるように配置される場合がある。
矩形平板スペーサが配置された画像形成装置を立てて異
物除去を行う場合、重力方向とスペーサの長手方向を平
行にするのが望ましい。異物除去プロセス中に異物の移
動が矩形平板スペーサに妨げられることを避けるだけで
なく、異物が矩形平板スペーサの表面へ付着するのを防
ぐためでもある。この場合、絶縁部は、少なくとも異物
除去プロセス中下方になる一辺に形成されていればよ
い。また、アノード基板、電子源基板および支持枠内面
の全てに凹凸を有する絶縁面があってもよい。
【0077】図10は、本発明のさらに他の実施形態の
画像形成装置の構成を示す平面図である。図10の画像
形成装置には、複数の矩形平板スペーサ101がX方向
に平行に設けられている。また、図10の画像形成装置
では4辺全てに絶縁部33がある。
【0078】次に、本発明の一実施形態の画像形成装置
の表示パネルの構成と製造方法について説明する。
【0079】図11は、本発明を適用した画像形成装置
の表示パネルの斜視図である。図11では、内部構造を
示すために表示パネルの一部が切り欠かれている。
【0080】図11を参照すると、リアプレート11
5、側壁(支持枠)116およびフェースプレート11
7で気密容器が形成されている。この気密容器により真
空が維持される。
【0081】気密容器の製造方法について説明する。
【0082】リアプレート115、側壁116およびフ
ェースプレート117から気密容器を組み立てるにあた
っては、これら各部材の接合部分に十分な強度と気密性
を保持させる必要がある。そのため、例えばフリットガ
ラスを接合部分に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より部材同士を封着する。
【0083】なお、図11の気密容器の内部は10-4
a程度の真空にされるので大気圧や不意の衝撃などによ
って気密容器が破壊されるのを防止するために、スペー
サ120が設けられている。
【0084】図11を参照すると、気密容器内に電子源
基板111が設けられている。
【0085】電子源基板111について説明する。
【0086】電子源基板111は、複数の冷陰極素子1
12が配列されて構成される。
【0087】冷陰極素子の配列の一例として、冷陰極素
子を並列に配置し、個々の素子の両端を配線で接続した
はしご型配置がある。以下、冷陰極素子がはしご型配置
された電子源基板をはしご型配置電子源基板と称する。
なお、はしご型配置電子源基板を有する画像形成装置で
は、例陰極素子からの電子の飛翔を制御する制御電極
(グリッド電極)(不図示)が必要である。
【0088】また、例陰極素子の配列の他の例として、
冷陰極素子の一対の電極をX方向配線およびY方向配線
にそれぞれ接続した単純マトリクス配置がある。以下、
例陰極素子がマトリクス配置された電子源基板をマトリ
クス型配置電子源基板と称する。
【0089】電子源基板111はN×M個の画素数分の
例陰極素子112を有し、リアプレート115に固定さ
れている。N、Mは2以上の正の整数である。Nが行方
向の画素数であり、Mが列方向の画素数である。例え
ば、高品位テレビジョンでは、N=3000、M=10
00以上とすることが望ましい。各冷陰極素子112
は、M本の行方向配線113およびN本の列方向配線1
14に単純マトリクス配線されている。このようにして
電子源基板111、冷陰極素子112、行方向配線11
3および列方向配線114で構成される部分はマルチ電
子ビ−ム源と称される。
【0090】本発明の画像表示装置に用いられるマルチ
電子ビ−ム源は、冷陰極素子を単純マトリクス配置もし
くは、はしご型配置したものであればよく、冷陰極素子
の材料や形状あるいは製法によって制限されることはな
い。したがって、本発明の画像表示装置には、例えば、
表面伝導型放出素子やFE型、あるいはMIM型などの
冷陰極素子が用いられてよい。
【0091】一例として、冷陰極素子として表面伝導型
放出素子を単純マトリクス配置したマルチ電子ビ−ム源
の構造について説明する。
【0092】図12は、図11の表示パネルに用いられ
たマルチ電子ビ−ム源の平面図である。図13は、図1
2のB−B′における断面図である。
【0093】図12を参照すると、電子源基板111上
には、表面伝導型放出素子が配列され、これらの素子は
行方向配線113と列方向配線114により単純マトリ
クス状に配線されている。行方向配線113と列方向配
線114の交差する部分には絶縁層(不図示)が形成さ
れており、電極間は電気的な絶縁が保たれている。
【0094】なお、このような構造のマルチ電子ビーム
源は、予め電子源基板111上に行方向配線113、列
方向配線114、電極間絶縁層(不図示)および表面伝
導型放出素子の素子電極131,132と導電性薄膜1
33とを形成した後、行方向配線113および列方向配
線114を介して各素子に給電して通電フォ−ミング処
理により電子放出部134を形成し、さらに通電活性化
処理により薄膜135を形成することにより製造され
る。通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作られた導
電性薄膜133に通電して、その一部を適宜に破壊、変
形もしくは変質させ、電子放出をするのに適した構造に
変化させる処理である。また、通電活性化処理とは、通
電フォーミング処理により形成された電子放出部134
に適宜の条件で通電して、その近傍に炭素もしくは炭素
化合物を堆積させる処理である。
【0095】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レ−ト115にマルチ電子ビ−ム源の電子源基板111
を固定する構成としたが、電子源基板111に十分な強
度があれば、電子源基板111をリアプレートとしても
用い、リアプレート115を省いてもよい。
【0096】スペーサ120は、電子源基板111上の
行方向配線113および列方向配線114と、フェース
プレート117内面のメタルバック119との間に印加
される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有する必要があ
る。また、スペーサ120はその表面への帯電を防止す
る程度の導電性を有する必要がある。
【0097】気密容器の内部を排気して真空にするに
は、気密容器を製造した後、不図示の排気管に真空ポン
プを接続し、気密容器内を10-5Pa程度の真空度まで
排気する。そして、その後に排気管を封止する。このと
き、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前
あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッタ−膜
(不図示)を形成する。ゲッタ−膜とは、例えばBaを
主成分とするゲッタ−材料をヒ−タ−もしくは高周波加
熱により加熱し、蒸着して形成した膜である。このゲッ
タ−膜の吸着作用により気密容器内は10-3〜10-5
aの真空度に維持される。
【0098】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置において、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜D
ynを通じて各冷陰極素子112に所定の電圧が印加さ
れると、各冷陰極素子112から電子が放出される。そ
れと同時に、メタルバック119に容器外端子Hvを通
じて数百V〜数kVの高圧が印加され、各冷陰極素子1
12から放出された電子が加速されてフェースプレート
117の内面に衝突する。これにより、蛍光膜118を
なす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示され
る。
【0099】通常、冷陰極素子112が表面伝導型放出
素子の場合、印加電圧は12〜16V程度であり、メタ
ルバック119と冷陰極素子112との距離dは0.1
mm〜8mm程度であり、メタルバック119と冷陰極
素子112間の電圧は0.1〜20kV程度である。
【0100】
【実施例】本発明の具体的な実施例について説明する。 (第1の実施例)図3および図4を用いて第1の実施例
について説明する。第1の実施例の画像形成装置は、ア
ノード基板31、メタルバック32、絶縁部33、支持
枠34、電子源基板41およびX方向配線42を有して
いる。
【0101】第1の実施例においては、メタルバック3
2の領域の外側でかつ支持枠34の内側の電子源基板4
1上に凹凸を有する絶縁部33を設けた。絶縁部33
は、2mm幅の絶縁体を2重にした構造とした。絶縁部
33は、その表面の凹凸を内側が細かく、外側が粗く作
成した。
【0102】表面に凹凸を有する絶縁部33を有する第
1の実施例の画像形成装置において、画像形成装置を水
平に寝かせたままアノード電圧1kVを1時間継続して
印加することによって、導電性異物の除去を試みた。こ
のとき、およそ100μm程度の大きさの異物がメタル
バック32の領域の外側へ飛び出し、絶縁部33の上で
停止したことが確認された。この状態で第1の実施例の
画像形成装置を垂直に立たところ、絶縁部33にある異
物は移動しなかった。また、画像形成装置に少々の振動
を与えても絶縁部33の異物は移動しなかった。
【0103】以上のようにして製造された第1の実施例
の画像形成装置において、電子源を駆動せずにアノード
に10kVの高電圧を300時間継続して印加したとこ
ろ、異常放電は見られなかった。
【0104】その後、アノード電圧8kVにて、電子源
基板41のX方向配線42およびY方向配線(不図示)
に接続されたドライバーユニット(不図示)を駆動する
ことにより、画像を表示させ、画素欠陥の有無を調査し
た。
【0105】調査の結果、画素欠陥は見つからなかっ
た。これは、本発明の静電クリーニングによるコンディ
ショニングの工程で素子等にダメージを与えていないこ
とを示している。さらに、様々な画像を表示させながら
300時間の耐久試験を行った。
【0106】耐久試験の結果、異常放電を一度も生じる
ことはなく、良好な画像が維持された。これは、画像形
成装置における異物による異常放電が本発明による静電
クリーニングで抑制されたことを示している。
【0107】材質や形状にもよるが、通常、100μm
程度の導電性異物がギャップ1.6mmの電界中に置か
れると、10kV以下で放電が生じるため、本発明が有
効であることが確認された。 (第2の実施例)第2の実施例が第1の実施例と異なる
のは、予め凹凸を持った絶縁部材をリアプレート基板上
に貼り付けることにより絶縁部33を作成したことであ
る。なお、第2の実施例の画像形成装置の構成は図3と
同様である。絶縁部材にはリアプレート基板と同じソー
ダライムガラスを用い、熱膨張率の差による剥離を防い
でいる。接着にはガラスフリット(不図示)を用いた。
【0108】絶縁部材の凹凸は、予め凹凸のつけられた
金型によって部材を形成すると同時に作製した。凹凸の
粗さは2層であるが部材としては一体で形成した。絶縁
部材の幅は6mmとし、内側3mmに約10μm、外側
3mmに約100μmの粗さの凹凸を作製した。
【0109】第2の実施例では、リアプレート基板に絶
縁部33を形成する第1の実施例より、簡単かつ確実に
凹凸を形成することができ、また粗さの制御もしやすく
なった。 (第3の実施例)第3の実施例が第2の実施例と異なる
のは、図6に示されたように、絶縁部材の表面に鏡面の
部分を設け、内側から外側へ徐々に凹凸を粗くしたこと
である。絶縁部材の幅は5mmとし、表面形状を内側か
ら、鏡面、算術平均粗さRa=10μmの凹凸、30μ
mの凹凸、60μmの凹凸そして100μmの凹凸の順
に各1mmの幅で形成した。
【0110】絶縁部材の形成には第2の実施例と同様に
金型を用いた。第3の実施例では、絶縁部の鏡面の部分
に多くの異物が大きさに関わらずトラップされ、そこに
トラップされない異物もその大きさに応じて広い面積で
接触できる部分にトラップされるので、第2の実施例よ
りも、様々なサイズの異物に対して有効になり、異物を
トラップする効果が増した。
【0111】通常、30μm程度の導電性異物がギャッ
プ1.6mm中に混入していた場合、アノード電位10
kV程度で放電が生じるが、第3の実施例による画像形
成装置は、電子源を駆動せずにアノードに12kVの高
電圧を300時間継続して印加したが、異常放電は見ら
れなかった。 (第4の実施例)第4の実施例が第1の実施例と異なる
のは、図7に示されたように、アノード基板31上でメ
タルバック領域の外側にガード電極71を有することで
ある。
【0112】絶縁部33は電子源基板41上でガード電
極71の対向する位置よりも外側で、かつ支持枠34の
内側に形成されている。第4の実施例では、異物除去プ
ロセス時に、ガード電極71を一旦アノード電位(1k
V)に規定し、確実に異物をガード電極71の外側へ移
動させるようにした。
【0113】異物を除去するプロセスの後に、より高い
アノード電圧を印加する場合には、ガード電極71をG
ND電位に規定し、絶縁部33上の異物に強い電界が掛
からないようにした。これにより第1の実施例よりも異
物に作用するクーロン力が減り、異物を絶縁部33に確
実に固着させることができた。 (第5の実施例)第5の実施例が第4の実施例と異なる
のは、図8に示すように、凹凸を有する絶縁部33をア
ノード基板31上に作製したことである。絶縁面33
は、アノード基板31上、ガード電極71の外側、かつ
支持枠34の内側に形成した。
【0114】第5の実施例は、絶縁部の形成位置の汎用
性を示している。すなわち、アノード基板31または電
子源基板41の構成や製法によって、そのどちらに絶縁
部33を形成するか任意に選択できることを示してい
る。第5の実施例の効果は、第1および第4の実施例と
同等である。 (第6の実施例)第6の実施例は、図9に示されたよう
に、凹凸を有する絶縁部33をアノード基板31および
電子源基板41に形成し、支持枠34の表面にも凹凸を
つけた。アノード基板31および電子源基板41には、
第3の実施例と同様に、凹凸の粗さを変化させた絶縁部
材をガラスフリットにて貼り付けることによって絶縁部
33を形成した。また、支持枠内面には、部材時にサン
ドブラストすることによって、算術平均粗さRa100
μmの粗さの凹凸を形成した。サンドブラストは、部材
を複数個束ねてブラストする面を広げてから行った。ま
た、異物除去プロセスは、図10に示されたように、ス
ペーサ101に垂直な辺が下側に来るように画像形成装
置を垂直に立てた状態で行った。
【0115】なお、ここでスペーサ101は行方向配線
(不図示)と平行である。また、行方向配線は図中X軸
と平行に、列方向配線はY軸と平行である。
【0116】第6の実施例においては、重力によって、
異物の移動方向に指向性を持たせ、かつその移動を早め
ることができた。第4の実施例においては、異物除去プ
ロセスに1時間かけていたところ、第6の実施例におい
ては10分間とした。
【0117】このとき、アノード基板31または電子源
基板41にしか絶縁部33がないと、異物が非弾性散乱
した場合に跳ねて絶縁面に付着しないことが考えられる
ため、支持枠34内面にも凹凸を設けた。それにより、
異物を支持枠34内面に固着させることができ、より確
実に画像領域外に異物をトラップしておくことができ
た。
【0118】第6の画像形成装置において、電子源を駆
動せずにアノードに12kVの高電圧を300時間継続
して印加したが、異常放電は見られなかった。
【0119】なお、第6の実施例においては、メタルバ
ック32の全周囲に渡って凹凸を配置したが、異物除去
プロセス時に下方になる任意の一辺のみに配置してもよ
い。
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、電界領域の外側凹凸を
有する絶縁部があるので、電界の印加によって移動され
た異物が絶縁部と広い面積で接触し、異物は十分な束縛
力で絶縁部に固着されるので、電界領域に戻ることがな
く、画像形成装置の耐圧が低下しない。
【0121】また、絶縁部の表面の凹凸の粗さが位置に
よって異なるので、様々な大きさの異物が、広い面積で
絶縁部に接触することが可能であり、様々な大きさの異
物が十分な拘束力で絶縁部に固着される。
【0122】また、絶縁部の表面の粗さがアノード電極
から遠いほど大きくなっているので、大きな異物ほど電
界領域から遠くに固着され、万一、絶縁部に固着された
異物が離れても電界領域に戻りにくく、耐圧の低下が生
じにくい。
【0123】また、絶縁部のアノード電極に近い鏡面の
部分は、異物の大きさに関わらず、多くの異物を固着さ
せるので、絶縁部に固着されない異物が残りにくい。
【0124】また、絶縁部の表面の凹凸が細かい部分か
ら算術平均粗さ100μm程度の粗い部分まであるの
で、一般的な画像形成装置において、除去されるべきで
あるが、発見されにくく、また剥がれにくいとされる1
00μm以下の大きさの異物が良好に凹凸に固着され、
一般的な画像形成装置において耐圧の低下が生じにく
い。
【0125】また、ガード電極が絶縁部の外側にあるの
で、ガード電極より外側に異物が固着される、電界領域
に戻りにくい。
【0126】また、ガード電極の電位が最も低くなるの
で、ガード電極の外側には強い電界がかからず、異物を
絶縁部に良好に固着させることができる。
【0127】また、絶縁部はアノード基板に設けても電
子源基板に設けてもよいので、画像形成装置の構成や製
造方法に応じて都合のよい方に設けることができ、画像
形成装置の構成や製造方法を制限することがない。
【0128】また、支持枠内面にも凹凸があるので、画
像形成装置を立てた状態で異物を除去したときに、支持
枠内面に到達した異物を固着させ、電界領域に戻させ
ず、画像形成装置を立てた状態で異物を除去することが
できるので、重力を利用して異物除去プロセスの時間短
縮が可能である。
【0129】また、補強用のスペーサを備えた画像形成
装置において、異物の移動がスペーサに阻害されず、か
つスペーサに異物が付着しないように画像形成装置を立
てた状態で異物を除去できるので、スペーサを備えた画
像形成装置において重力を利用して、異物除去のプロセ
スの時間短縮が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】10-5Paの雰囲気中における、平坦な電極基
板上に付着した球体の導電性異物のサイズと、異物の移
動開始電界および放電開始電界の関係を示すグラフであ
る。
【図2】電界の印加によって異物を移動させる方法につ
いて説明するための図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置を模式的に示した平
面図である。
【図4】図3のA−A′断面図である。
【図5】絶縁部の表面における導電性異物の付着の状況
を示す図である。
【図6】絶縁部の表面の粗さの変化を模式的に示した図
である。
【図7】本発明の他の実施形態の画像形成装置の断面図
である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態の画像形成装置の
断面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態の画像形成装置の
断面図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態の画像形成装置
の構成を示す平面図である。
【図11】本発明を適用した画像形成装置の表示パネル
の斜視図である。
【図12】図11の表示パネルに用いられたマルチ電子
ビ−ム源の平面図である。
【図13】図12のB−B′における断面図である。
【符号の説明】
201,202 電極 203 導電性粒子 31 アノード基板 32 メタルバック 33 絶縁部 34 支持枠 41 電子源基板 42 X方向配線 71 ガード電極 101 矩形平板スペーサ 111 電子源基板 112 冷陰極素子 113 行方向配線 114 列方向配線 115 リアプレート 116 支持枠 117 フェースプレート 118 傾向膜 119 メタルバック 120 スペーサ 131,132 素子電極 133 導電性薄膜 134 電子放出部 135 薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣池 太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C036 EE09 EE10 EF01 EF06 EG12 EG20 EG30 EH06

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子を有する電子源基板と、前
    記電子放出素子から放出される電子の照射によって発光
    する発光部材と該発光部材に高電圧を印加するアノード
    を有するアノード基板とが支持枠を挟んで対向配置され
    た画像形成装置において、 前記電子源基板と前記アノード基板の間の、前記アノー
    ドの電位を規定するアノード電極より外側かつ前記支持
    枠より内側の位置に、表面に凹凸を有する絶縁部が設け
    られていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像形成装置において、 前記絶縁部の表面の凹凸の粗さが、前記電極から前記支
    持枠に向かって変化していることを特徴とする画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像形成装置において、 前記絶縁部の表面の算術平均粗さが、前記アノード電極
    から前記支持枠に向かって大きくなっていることを特徴
    とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の画像形成装置において、 前記絶縁部の前記アノード電極に近い部分の表面が鏡面
    であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の画像形成装置に
    おいて、 前記絶縁部の前記支持枠に近い部分の表面の算術平均粗
    さが100μmであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の画
    像形成装置において、 前記アノード電極の周囲にガード電極を有することを特
    徴する画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の画像形成装置において、 前記絶縁部が前記ガード電極のさらに外側に設けられて
    いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の画像形成装置に
    おいて、 前記ガード電極が、前記電子源基板内で規定される電位
    の中で最も低い電位に規定されることを特徴とする画像
    形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の画
    像形成装置において、 前記ガード電極が接地電位に規定されることを特徴とす
    る画像形成装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    画像形成装置において、 前記絶縁部が前記アノード基板に設けられていることを
    特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    画像形成装置において、 前記絶縁部が前記電子源基板に設けられていることを特
    徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    画像形成装置において、 前記絶縁部が前記アノード基板および前記電子源基板の
    双方に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の画像形成装置において、 前記支持枠の内面に凹凸があることを特徴とする画像形
    成装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の画像形成装置において、 前記絶縁部の表面の凹凸が誘電体ペーストをスクリーン
    印刷して作成されたものであることを特徴とする画像形
    成装置。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の画像形成装置において、 前記絶縁部が凹凸を有する金型により作成されたもので
    あることを特徴とする画像形成装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載
    の画像形成装置において、 前記アノード基板と前記電子源基板の間に補強用のスペ
    ーサを有し、該スペーサが行方向配線または列方向配線
    のいずれかに平行に配置され、前記絶縁部が少なくとも
    前記スペーサの長手方向と垂直な辺に設けられているこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009218183A (ja) * 2008-03-13 2009-09-24 Sony Corp アノードパネルの製造方法
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