JP2004119024A - ショートアーク型放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極先端から陽極先端面に向かって放射される光を積極的に利用して光の利用効率をアップさせたショートアーク型放電ランプを提供すること。
【解決手段】内部に陽極30と陰極20が対向配置した発光部11と、この発光部11の両側に伸びる封止部12よりなり、前記陽極30は前記陰極20に対向する先端に凹球面部31を有し、前記陰極20は概略円錐形状をしており、かつ、当該陰極20の先端は陰極20と陽極30を結ぶ中心軸上であって、前記凹球面部31の曲率半径の1/2の位置から曲率中心までに位置することを特徴とする。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はショートアーク型放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶の製造、その他微細加工の分野でフォトリソグラフィの光源としてショート型放電ランプが使われる。この放電ランプは、例えば波長365nmの光を効率良く放射するもので、発光物質として水銀が封入されるとともに、始動用ガスとしてアルゴンやクリプトンなどの希ガスが封入される。
【0003】
一般に、ショートアーク型放電ランプを点灯すると、陽極は陰極から放射される電子の衝突によって高温化する。そして、タングステンを構成する材料が蒸発することで発光管の内壁面に付着して黒化させる。
【0004】
このようなタングステンの蒸発を防止するために、陽極の先端形状を工夫する技術が、例えば、特開平10−283988号などで紹介されている。
図3は特開平10−283988号に開示される電極構造を表す。陰極20と陽極30は先端同士が対向配置しており、陽極30の先端には凹部31’が形成される。この凹部31’は、陰極20の先端位置21aからの距離が、いずれの位置においても等しくなるよう形成されており、具体的には、先端位置21aから凹部31’の表面上の任意の位置P0までの距離X0と、同じく先端位置21aから凹部31’の表面上の他の任意の位置P1までの距離X1が等しいということである。
このような構造によって、凹部31’内部において電流密度を分散することができ、タングステンの蒸発防止に有効に作用することが説明されている。
【0005】
しかし、上記陽極構造はタンステンの蒸発防止という点では効果があるかもしれないが、陽極の凹部表面から反射された光が、再び、陰極先端を照射することになり、このため、放射光の利用効率が良くないばかりか、陰極先端を加熱溶融するということになりかねない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−283988号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、陰極先端近傍から陽極先端面に向かって放射される光を積極的に利用して光の利用効率をアップさせたショートアーク型放電ランプを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係るショートアーク型放電ランプは、陽極と陰極が対向配置した発光部と、この発光部の両側に伸びる封止部よりなり、前記陽極は、前記陰極に対向する先端に球面形状の凹部(凹球面部)を有し、前記陰極は概略円錐形状をしており、かつ、当該陰極の先端は、陰極と陽極を結ぶ中心軸上であって、前記凹球面部の曲率半径の1/2から曲率中心までに位置することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係るショートアーク型放電ランプは、陽極と陰極が対向配置した発光部と、この発光部の両側に伸びる封止部よりなり、前記陽極は、前記陰極に対向する先端に放物形状の凹部(放物面部)を有し、前記陰極は概略円錐形状をしており、かつ、当該陰極の先端は、陰極と陽極の中心軸上であって、前記放物面部の焦点から焦点距離の2倍までに位置することを特徴とする。
【0010】
また、前記凹球面部、前記放物面部、及び/又は前記陰極の側面(円錐面)は、鏡面加工されていることを特徴する。
このように、本発明に係るショートアーク型放電ランプは、陽極の先端に凹球面部、あるいは放物面部を有し、陰極を概略円錐形状にするとともに、この陰極の先端が凹球面部の曲率あるいは放物面部の焦点との関係で所定の位置に配置することを特徴としている。
このため、陰極先端(その近傍を含む)に形成されるアーク輝点からの放射光については、陽極先端面に直射した反射光を陰極の円錐面で反射させることができる。
この陰極円錐面の反射光を利用することで、光の利用率があがり、同じ電気入力であっても、照射面の照度や露光面の照度を高めることが可能となる。
【0011】
ここで、従来から、液晶やDMD素子を使用した電子映像機器の光源であるショートアーク型キセノンランプは、投影映像をより明るくすることが市場の要求であり、ランプとしては、キセノンの封入ガス圧を高くすることで、ランプ効率を数%向上する、あるいは、ランプの発光長を短くすることで光学系の利用率を数%向上することにより、投影映像を明るくしてきた。また、半導体や液晶の製造,その他微細加工の分野でフォトリソグラフィーの光源としてショートアーク型高圧水銀灯が使用されているが、ショートアーク型高圧水銀灯においても水銀の圧力を増やすことで、紫外放射の効率を数%向上する、あるいはランプの発光長を短くすることで光学系の利用率を数%向上する等により露光面の紫外放射照度を向上してきた。
その一方で、キセノンの封入ガス圧や水銀ガス圧をこれ以上アップすることは、ランプに使用されている石英ガラスの破壊強度限界に近づくので簡単ではない。また、発光長を短くすることは、電極材料として使用されているタングステンの耐熱性の面からはなはだ困難である。本願発明の上記構成は、石英ガラスの強度限界やタングステンの耐熱限界に無関係に、ランプの発光部から放射される光を効率良く光学系に取りこむ新しい手段を提供するものである。
また、1960代ごろ使用されていたカーボンアークランプでは、陽極先端に凹状の概円球面部を形成する構造が存在していた。これは予備放電によって形成するものであるが、当該カーボンアークランプは凹状の概円球面部(陽極火杭との呼ばれていた)近傍で強く発光するため、この発光を直接利用するために概円球面部を形成していた。一方、本願発明に係る上記陽極構造は、陰極近傍に形成されるアーク輝点を再び陰極斜面で反射させるために、陽極に凹部を形成するものであり、そのための最適位置関係を規定することを特徴とするものであり、上記カーボンアークの技術とは全く相違している。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明に係るショートアーク型放電ランプの一実施例を表す。
放電ランプ10は、例えば石英ガラスからなる発光部11とこの発光部から両端に伸びるロッド状の封止部12から構成されている。発光部11には陰極20と陽極30が、例えば5.0mmの間隙をもって対向配置しており、陰極先端にアーク輝点Pが形成される。
発光部11は球形、あるいは封止部12の管軸方向(図面の左右方向)に細長く伸びる紡錘形であり、その形態には限定されない。
【0013】
陰極20は、例えばトリウムタングステンよりなるロッド状であって、先端に向かうに従って細くなる概略円錐形に形成されている。
陽極30は、例えばタングステンからなり、陰極と同様に先端に向かうに従ってその外径が小さくなるように円錐台状に形成され、先端にはアーク輝点近傍の放射を陰極円錐部に向かって反射させるために凹部31が形成されている。
【0014】
発光部12内には、ショートアーク型キセノンランプではキセノンガスが封入される。その封入圧は室温で10〜25atmの範囲のものであって、例えば25atmであって、定常点灯時の内圧が70atm程度になる。また、ショートアーク型高圧水銀ランプにおいては、ランプ内容積当たりの水銀封入量は、例えば3〜50mg/ccの範囲のものであって、例えば5mg/ccである。また、始動用ガスとして。アルゴン、クリプトンなどの希ガスが封入され、その封入圧は0.5〜5atmであって、例えば4atmである。水銀と希ガスの定常点灯時の総内圧は20atm程度になる。
【0015】
陰極20と陽極30の後端は各々封止部12内に伸びている。電極は、図示のように先端の太径部(先端ヘッド)と後端の軸部から構成するものや、同一径の軸部が封止部から先端まで伸びる形態であってもかまわない。
封止部12の構造は、モリブデン箔を使う構造や、いわゆる段継シール構造などを採用することができる。封止部12の外端には口金13が接続され、さらに外部リード14が突出する。この外部リード14に給電装置が接続して電流供給が行なわれる。
【0016】
図2は、本発明に係るショートアーク型放電ランプの陰極20と陽極30の先端拡大構造を表す。
陰極20は概略円錐形状の先端斜面部(テーパ部)21とそれに続く円柱状の胴部22から形成される。陽極30は先端面に凹部31aを有する円錐台形状の先端部31とそれに続く円柱状の胴部32から形成される。なお、図においては陰極20の胴部22及び陽極30の胴部32は、封止部側に向かって伸びる後端部分は割愛しており、これらを支持する軸部も省略している。
【0017】
陽極30の先端面に形成された凹部31aは、陰極20内部に曲率中心Cを有する球面構造で形成される。すなわち、図2に示す平面構造においては、凹部31aの先端形状は曲率中心Cを中心とした円の一部として描かれるものであり、現実の立体構造においても凹部31aの先端表面上に存在する全ての位置は曲率中心Cから等しい距離となる。
この点において、図3に示した従来の陽極構造が陰極の先端位置(円錐の最先端)21aを中心とした球面構造である点で両者は大きく相違している。
なお、曲率中心Cの位置は、電極軸上であって陰極先端21aから後端に向かうところに存在するが、陽極の平坦面から陰極先端までの距離Lに凹部の深さHを足した距離の2倍(2×(L+H))を限界とする。この理由については後述する。
【0018】
このような構造により、アーク輝点Pからの放射光は、その一部が陽極先端の凹部31aに向かって放射する。そして、凹部31aで反射した光は陰極の先端円錐部21の円錐面21bで反射して、放電ランプの外部に配置した反射ミラーやその他の光学素子で補足することで、光の利用効率を高めることができる。
なお、アーク輝点Pの近傍からの放射光のうち、陽極の先端面を直射しない光は、直接、反射ミラーなどで補足され有効利用されることはいうまでもない。
【0019】
また、陽極先端の凹部31aあるいは陰極円錐部21の円錐面21bは、反射効率を上げるために鏡面加工することが望ましい。この鏡面加工は、具体的には、バフ研磨や電界研磨などで行なわれる。
【0020】
ここで、放電ランプについて数値例をあげると、電極間距離Lは3〜12mmであって、例えば4mm、陽極の凹部31aから曲率中心までの距離は3〜27mmであって、例えば4.2mmである。
また、陽極の凹部31aの大きさは、直径Dが3〜10mmであって、例えば4mm、深さHが0.1〜1.5mmであって、例えば0.2mmである。
陰極の胴部22の外径は8〜15mmであって、例えば10mm、陰極の先端の円錐角は30〜80°であって、例えば60°である。放電ランプ10は、例えば、定格電圧30V、定格電力2000Wで点灯される。
【0021】
図4は放電ランプ10と反射ミラー40を示す。反射ミラー40は、例えば放物ミラーであって、頂部開口41に放電ランプ10の一端が配置して、前方開口42に放電ランプ10の他端が位置している。アーク輝点Pは反射ミラー40の焦点に位置しており、アーク輝点Pからの放射光E1,E2は放物ミラー40によって反射され、図示略の集光レンズやインテグレータレンズを介して利用される。なお、インテグレータレンズの各セルの寸法は、電極間に形成されるアーク像よりも少し大きいことが好ましい。
ここで、放物ミラー40で取り込み可能な角度範囲は、放物ミラー40の前方開口方向に向かう光E1と頂部方向に向かう光E2の範囲内であり、図示の角度範囲で表すとΘ1とΘ2の範囲となる。この角度範囲は、通常、放電ランプや反射ミラーの現実的、かつ実用的な大きさから制約されるものであって、具体的にはΘ1は40°以下、Θ2は45°以下となる。
従って、本発明において、陰極先端円錐部の円錐面で反射させる光についても、当該角度範囲内に反射させることで有効に活用することが可能となる。
なお、反射ミラー40について、一例をあげると、硬質ガラス製であって、前方開口径200mmである。また、内面には波長選択用のチタニヤやシリカなどからなる蒸着膜が形成されている。反射ミラー40は、放物ミラーに限られず、楕円ミラーなどを採用することもできる。
なお、放電ランプ10と反射ミラー40の配置については、図示のように反射ミラー40の前方開口42側に陽極が位置する場合に限定されず、反射ミラー40の前方開口42側に陰極が位置する配置であってもかまわない。
【0022】
ここで、放射光E1については、電極間距離Lと陽極先端の直径値から別の制約も受ける。
図5に基いて説明すると、放射光E1が陽極30で遮光されることなく、反射ミラーで取り組まれるためには、「電極間距離L×tan(90−40)≧陽極径D1×0.5」を満たす必要がある。この式は、陽極径D1≦2.38×電極間距離Lとなり、アーク輝点Pの大きさなどを考慮すると、実用的には、「D1≦2L」の関係を満たすことが望ましい。
【0023】
次に、陽極30の凹部先端面が球面形状(凹球面)の場合における陰極先端との位置関係について説明する。
図6は、陽極先端の凹部表面、球面の中心C及び焦点fの位置を表したものである。繰り返しになるが、凹部の球面形状は焦点Cを中心に描かれるものであり、凹部表面上の全ての位置は中心Cから等しい距離に位置している。また、焦点fは中心Cから凹部表面までの距離の1/2に相当する。
【0024】
(a)はアーク輝点P、すなわち陰極先端が、焦点fより凹部表面に近い側に位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Eaは凹部表面で発散するように反射する。この場合、反射光のうち一部は図4に示す反射ミラーで補足することができるかもしれないが、一般には頂部開口から抜けるなど多くの光は利用できず、実用的にも利用できないと考えられる。
つまり、この位置関係にあるときは、陽極の凹部表面からの反射光は利用できないことになる。
【0025】
(b)はアーク輝点P、すなわち陰極先端の位置が、焦点fに一致している。この場合、アーク輝点Pからの放射光は図示Eb1、Eb2のようになる。このうち、光軸に近い放射光Eb1は、凹部表面において光軸とほぼ平行に反射され、光軸から離れた放射光Eb2は光軸に集光されるよう反射する。
つまり、この位置関係にあるときは、陽極の凹部表面からの反射光は陰極に形成された先端斜面によって反射させ利用できる。
【0026】
(c)はアーク輝点P、すなわち陰極先端が、焦点fと曲率中心Cの間に位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Ecは、凹部表面で反射して光軸に向かって集光する。
つまり、この位置関係にあるときは、陽極の凹部表面からの反射光は陰極に形成された先端斜面によって反射させ利用できる。
【0027】
(d)はアーク輝点P、すなわち陰極先端の位置が、球面の曲率中心Cに位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Edは、凹部表面で反射して、再び陰極先端に向かって集光する。
つまり、この位置関係にあるときは、従来技術(図3)で説明した構造に相当し、陽極の凹部表面からの反射光は利用できないばかりか、陰極先端を損耗させるという不具合を生じさせる。
【0028】
(e)はアーク輝点P、すなわち陰極先端の位置が、球面の曲率中心Cより遠いところに位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Eeは、凹部表面で反射しても陰極先端斜面で反射することができず、電極間の空隙などを通過してしまう。さらに、一般的には(a)と同様に反射ミラーでも補足することも困難であり、陽極の凹部表面からの反射光は利用することはできない。
【0029】
以上の内容から明らかなように、陽極の先端に球形状の凹部(凹球面部)が形成され、陰極は概略円錐形状の構造において、この先端が凹球面部の曲率半径1/2の位置(f)から曲率中心の位置(C)までに存在させることで、凹球面部からの反射光を陰極斜面で反射させることができ、これにより当該反射光を利用することが可能となる。
なお、陰極先端の位置は、凹球面部の曲率半径1/2の位置(f)を含まず曲率中心の位置(C)までの範囲(曲率中心(C)の位置は含まない)ことが好ましく、また、より好ましくは曲率半径1/2の位置(f)から3/4の位置に存在させることが望ましい。
【0030】
次に、陽極30の凹部が放物面形状(回転放物面形状)の場合における陰極先端との位置関係について説明する。
図7は、陽極先端の凹部の表面、焦点fとアーク輝点Pの位置を表したものである。頂点Oは凹部の放物面と電極軸との交点を表しており、凹部の放物形状は焦点をfとする回転放物面である。
【0031】
(a)はアーク輝点P、すなわち陰極先端が、焦点fより頂点O側(凹部表面)に位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Eaは凹部表面で発散する方向に反射する。この場合、一般的、実用的には図4に示す反射ミラーでは補足することができない。
つまり、この位置関係にあるときは、凹部表面からの反射光は利用できないことになる。
【0032】
(b)はアーク輝点P、すなわち陰極先端の位置が、焦点fに一致している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Ebは凹部で平行光となって反射する。
つまり、この位置関係にあるときは、凹部表面からの反射光は陰極斜面よって反射させ利用できる。
【0033】
(c)はアーク輝点P、すなわち陰極先端が、焦点fより凹部表面から遠いところに位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Ecは凹部表面で反射して軸に集光する。
つまり、この位置関係にあるときは、凹部表面からの反射光は陰極斜面で反射させて利用することができる。また、陰極先端は焦点fの2倍までであれば効率的に利用でき、具体的には1.5倍までであれば十分である。
【0034】
(d)はアーク輝点P、すなわち陰極先端が、焦点fより凹部表面からはるかに遠いところに位置している。この場合、アーク輝点Pからの放射光Edは凹部で反射するが、そのほとんどは陰極テーパで利用することができない。
【0035】
すなわち、陽極先端の凹部表面が放物面形状(回転放物面形状)であって、陰極は概略円錐形状の場合に、陰極の先端は陰極と陽極を結ぶ中心軸上であって、放物面の焦点から焦点距離の1.5倍までに位置することが必要となる。
【0036】
なお、陰極について、「概略円錐形状」と称しているが、これは完全な円錐形状だけでなく、先端に微小な面積の平面を有する円錐台形状も含む意味である。
【0037】
次に、本発明に係るショートアーク型放電ランプを光利用率について実験を行った。
放電ランプは、図1、図2に示す構造のものであって、図4に示す放物ミラーと集光レンズ、インテグレータレンズを使って実験を行った。
放電ランプは発光長と定格入力が異なるA〜Dの4種類のキセノンショートアークランプを使った。ランプAは電極間距離3mmで定格入力1000W、ランプBは電極間距離3.5mmで定格入力1600W、ランプCは電極間距離が4mmで定格入力2000W、ランプDは電極間距離5mmで定格入力3000Wである。
図8に実験結果を示す。効果については、ランプA〜Dの各々について、陽極先端に凹部(凹球面部)を設けないものと比較した光量の向上割合について記録している。なお、図におけるL、Hは図2に示すように、Lは陽極平坦面から陰極先端までの距離であり、Hは陽極凹部の深さであり、rは(L+H)の2倍の値であり、Dは凹部の直径を表す。
実験結果から、ランプA〜Dのいずれも1.5%以上の照度アップが達成されており、電極間距離Lと凹部深さHの合計値の2倍までの曲率半径を持つ凹部を陽極先端面に形成することで極めて高い技術的効果を発揮をしていることがわかる。このことは、電子映像機器の光源が数%の照度アップが求められるからである。
図8から電極間距離が長くなるにつれ、光の利用率が徐々に下がっていることが分かる。陰極輝点近傍の光が陽極凹面に到達する、あるいは陽極凹面の反射光が陰極の円錐面に到達するまでに途中のプラズマのその一部が吸収されるからと推測される。このため電極間距離は12mm以下が望ましい。
【0038】
なお、上記実施例はキセノンガスを発光物質としたキセノンランプについて説明したが、水銀を主発光物質とする水銀ランプや、水銀以外の金属を主発光物質として封入したメタルハライドランプについても本発明の構造を適用することができる。
【0039】
以上説明したように本発明に係るショートアーク型放電ランプは、陽極の先端に凹球面部、あるいは凹放物面部を有し、陰極を概略円錐形状にするとともに、この陰極の先端が凹球面部の曲率あるいは凹放物面部の焦点との関係で所定の位置に配置することを特徴として、陰極先端に形成されるアーク輝点からの放射光については、直接、反射ミラーなどに取り込まれる光のみならず、陽極先端に直射した放射光についても、その反射光を陰極の円錐部の円錐面で反射させることで有効利用することができる。
これにより、光の利用効率が大きくあがり、同じ電気入力であっても放射強度を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るショートアーク型放電ランプの概略全体構成を示す。
【図2】陰極、陽極の拡大図を示す。
【図3】陰極、陽極の拡大図を示す。
【図4】ショートアーク型放電ランプと反射ミラーの組み合わせを示す。
【図5】陰極、陽極の拡大図を示す。
【図6】陽極の先端形状と陰極先端の位置関係を説明するための図を示す。
【図7】陽極の先端形状と陰極先端の位置関係を説明するための図を示す。
【図8】この発明の実験結果を示す。
【符号の説明】
10 放電ランプ
11 発光部
12 封止部
13 口金
14 外部リード
20 陰極
21 陰極の先端円錐部
22 陰極の胴部
30 陽極
31 陽極の先端凹部
32 陽極の胴部
40 反射ミラー

Claims (4)

  1. 陽極と陰極が対向配置した発光部と、この発光部の両側に伸びる封止部よりなるショートアーク型放電ランプにおいて、
    前記陽極は、前記陰極に対向する先端に凹球面部を有し、
    前記陰極は概略円錐形状をしており、かつ、当該陰極の先端は陰極と陽極を結ぶ中心軸上であって、前記凹球面部の曲率半径の1/2から曲率中心までに位置することを特徴とするショートアーク型放電ランプ。
  2. 陽極と陰極が対向配置した発光部と、この発光部の両側に伸びる封止部よりなるショートアーク型放電ランプにおいて、
    前記陽極は、前記陰極に対向する先端に放物面部を有し、
    前記陰極は概略円錐形状をしており、かつ、当該陰極の先端は陰極と陽極を結ぶ中心軸上であって、前記放物面部の焦点から焦点距離の2倍までに位置することを特徴とするショートアーク型放電ランプ。
  3. 前記凹球面部及び/又は前記陰極の円錐面は、鏡面加工されていることを特徴する請求項1に記載のショートアーク型放電ランプ。
  4. 前記放物面部及び/又は前記陰極の円錐面は、鏡面加工されていることを特徴する請求項2に記載のショートアーク型放電ランプ。
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