JP2011014248A - ショートアーク型放電ランプ用の陽極およびショートアーク型放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、陽極の消耗を抑制することができる放電ランプを提供することを目的とする。
【解決手段】 陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成されたショートアーク型放電ランプ用の陽極であって、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成されたショートアーク型放電ランプ用の陽極であって、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
紫外線を半導体基板に向けて照射することによって微細な回路パターンを形成する露光装置用の光源として使用されるショートアーク型放電ランプ用の陽極およびショートアーク型放電ランプに関する。
従来のショートアーク型の放電ランプは、中央部が膨出した石英ガラス製の発光管と、この発光管の膨出部の内部に対向して配置された陽極および陰極等を備えて構成されるものが知られている。この放電ランプに通電すると、陰極から放出された電子がランプ内の気体と衝突して荷電粒子を生成する。それらの荷電粒子が、衝突を繰り返して発光管の内部に封入した水銀等がプラズマ状態になり、陽極に流通して両極間にアークが形成されるようになっている。
放電ランプを点灯すると、陰極から放出された電子の衝突によりアークが形成され、陽極は、そのアーク柱の中の電子が衝突することによって加熱されて高温になり、蒸発、消耗する。さらに、電子の衝突によって陽極が消耗すると、蒸発したタングステンが発光管の内壁に付着して内壁面を黒化させる。そして、放電ランプを長時間使用すると、陽極の先端部の消耗が進行すると共に、放電ランプの放射強度が順次低下し、この放射強度の低下が使用限度を超えた場合は、放電ランプを新品のものに交換する必要があった。
そこで、陽極が放電ランプの点灯時に温度上昇することを抑制することにより、陽極の消耗と発光管の内壁面の黒化の進行を遅らせる対策が、従来より様々に検討されている。
例えば、特許文献1によれば、陽極の先端部を除く側面に炭化タングステン(WC)と炭化タンタル(TaC)とタングステン(W)からなる混合物を焼結して多孔質層が形成され、これにより、多孔質層と母材の密着性が良いので陽極の温度上昇を適切に抑制することが可能になり、陽極の消耗と発光管の内壁面の黒化を少なくして、放電ランプの寿命を延長することができる、とされている。
しかしながら、前記の陽極構造は、三種類の高融点物質、すなわち炭化タングステン、炭化タンタルおよびタングステンの混合物を陽極の表面に焼結するため陽極構造が複雑になることに加え、製造工程が複雑になるため陽極の製造に長時間を要する、という問題があった。
特許文献2、3および4のそれぞれに示す陽極43は、図5(A)に示すように、陰極42に対向する陽極先端部に凹部43Aが設けられ、この凹部43Aは、陰極42から放出される電子を受け止める点で発生する電界の強さを近づけるように形成されている。これら文献によれば、陽極表面での電流密度分布が分散されるようにして、陽極の消耗を少なくして放電ランプの寿命を延長することができる、と言われている。
しかしながら、上記の図5(A)に示す陽極構造は、後述するように(0031参照)、凹部43Aのエッジ部431Aに引き寄せられる電流の割合が小さいことにより、陽極中心付近への電流の局所的な集中を十分に抑制することができないため、電極の消耗を十分に抑制することができない、という問題があった。
特許文献5に示すショートアーク型の放電ランプは、上記したように、陽極の陰極に対向する先端に凹部を設け、かつ、陰極の先端を凹部との関係で所定の場所に配置している。同文献によれば、アーク輝点からの放射光を陽極の凹部によって反射させ、さらに凹部で反射した光を陰極の先端円錐部で反射させることによって、放電ランプにおける光の利用効率を高めることができる、と言われている。
しかしながら、同文献の陽極構造は、特許文献2ないし4に開示される陽極と同様に、陽極に形成された凹部のエッジ部に引き寄せられる電流の割合が小さいことにより、陽極中心付近への電流の局所的な集中を十分に抑制することができないため、電極の消耗を十分に抑制することができない、という問題があった。
さらに、特許文献6に示すショートアーク型の放電ランプは、図5(B)に示すように、陽極43の先端部の平坦面において、その中心から電極間距離の40%を超える位置に、輪帯凹部43Bが設けられている。同文献によれば、陽極43の先端部の平坦面にカルデラ状のへこみが発生する場合であっても、マイグレーションによって移動した電極構成物質を、事前に陽極43の先端部の平坦面に形成した輪帯凹部43Bに堆積させることにより、陽極の先端部の平坦面が変形することを防止することができる、と言われている。
しかしながら、同文献の陽極構造は、図5(B)に示すように、内周側の角部Bの電界の強度が、外周側の角部Aの電界の強度よりも高いため、内周側の角部Bの内側領域に電流が集中する。この角部Bに流入したエネルギーは、陽極径方向外側への流出が輪帯凹部43Bにより阻害され、輪帯凹部43Bに取り囲まれた中央部431Bにおける軸方向へのみ伝導される。したがって、実質的にエネルギーの流出経路が狭められたことになるので、中央部431Bの温度が他の領域の温度よりも高くなる。これにより、陽極の中央部分が蒸発し易くなる結果、放電ランプの照度維持率が低下するといった問題があった。
このように、上記した従来の各放電ランプによれば、陽極の消耗を抑制することは困難であった。
本発明は、上記の問題に鑑み、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、陽極の消耗を抑制することができる放電ランプを提供することを目的とする。
ショートアーク型放電ランプにおいては、放電ランプが備える陽極および陰極の間に電圧を印加することによって、陰極先端部から電子が陽極に向けて放出されて、陽極と陰極の間にアークが形成される。当該放電ランプの分野においては、原則として、陽極中心軸に近付くにつれて電界強度が高いことにより、陽極中心方向に電子が引き付けられるため、陽極中心軸付近のアークの電流密度が高いことが知られている。
そのため、従来の放電ランプにおいては、放電ランプの点灯時間が経過するにつれて、アークの電流密度の高い陽極の中心軸付近の部位が消耗して、陽極の中心軸付近の部位に凹みが形成されるものと考えられる。
そのため、従来の放電ランプにおいては、放電ランプの点灯時間が経過するにつれて、アークの電流密度の高い陽極の中心軸付近の部位が消耗して、陽極の中心軸付近の部位に凹みが形成されるものと考えられる。
本発明者は、前記した陽極の凹みという問題について鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
(1)陽極中心軸から径方向外方に離間した箇所に電流密度の比較的高い領域を作り出し、これにより、陽極中心軸の付近の電流密度が従来よりも低減されるようにすれば、陽極の消耗の抑制に繋がる。
(2)電流密度が陽極中心軸に近付くにつれて高くなるようにして、電流密度を陽極が消耗しない程度に高くすることにより、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度を得ることができる。
本発明は、これらの知見に基づき、次のようにして前記課題を解決する。
(1)陽極中心軸から径方向外方に離間した箇所に電流密度の比較的高い領域を作り出し、これにより、陽極中心軸の付近の電流密度が従来よりも低減されるようにすれば、陽極の消耗の抑制に繋がる。
(2)電流密度が陽極中心軸に近付くにつれて高くなるようにして、電流密度を陽極が消耗しない程度に高くすることにより、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度を得ることができる。
本発明は、これらの知見に基づき、次のようにして前記課題を解決する。
請求項1の発明は、陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成されたショートアーク型放電ランプ用の陽極であって、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成された陽極と、陰極とが、発光管の内部に対向して配置されたショートアーク型放電ランプにおいて、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とする。
本発明の陽極は、陽極先端面よりも内方側に平坦に形成された陽極内底面と、陽極中心軸の径方向外方に離間して周方向に形成された環状角部とを有する凹部を備えるので、陰極と陽極の間に形成されるアーク中の電子が、陽極内底面と環状角部のそれぞれに分散して集中するようになり、したがって、陽極中心軸付近の電流密度が陽極が消耗しない程度に高い状態になるため、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、陽極の消耗を抑制して放電ランプの寿命を延長することができる。
図1は、本発明のショートアーク型の放電ランプの構成の概略を示す断面図である。図2は、陰極および陽極の先端部を拡大して示す部分拡大図である。
放電ランプ10は、略球状に形成された発光部11と発光部11の両端のそれぞれに連続する直管状の封止部12Aおよび12Bとで構成される発光管1を備えている。発光管1は、例えば石英ガラスによって一体的に形成されている。封止部12Aおよび12Bには、それぞれ円筒形状を有する給電用の口金13Aおよび13Bが装着されている。
発光管1の内部に形成された放電空間Sには、陰極2と陽極3とが、陽極中心軸X上において互いに対向して配置されると共に発光物質が封入されている。
発光物質は、室温で0.5MPa以上のキセノンガス若しくはアルゴンガスと、1mg/cc以上の水銀が封入されている。なお、発光物質として、これらの希ガスおよび水銀のうち、いずれか一方のみが封入されていても良い。
放電ランプ10は、略球状に形成された発光部11と発光部11の両端のそれぞれに連続する直管状の封止部12Aおよび12Bとで構成される発光管1を備えている。発光管1は、例えば石英ガラスによって一体的に形成されている。封止部12Aおよび12Bには、それぞれ円筒形状を有する給電用の口金13Aおよび13Bが装着されている。
発光管1の内部に形成された放電空間Sには、陰極2と陽極3とが、陽極中心軸X上において互いに対向して配置されると共に発光物質が封入されている。
発光物質は、室温で0.5MPa以上のキセノンガス若しくはアルゴンガスと、1mg/cc以上の水銀が封入されている。なお、発光物質として、これらの希ガスおよび水銀のうち、いずれか一方のみが封入されていても良い。
陰極2は、封止部12Aに保持されると共に放電空間Sに臨出する円柱状の胴部2Aと、胴部2Aの先端に続いて先端に向かうに従って次第に外径が細くなる円錐状に形成された先端部2Bとが、例えばタングステンによって一体的に形成されている。
陽極3は、円柱状の胴部3Bと、胴部3Bの先端側と基端側のそれぞれに続いて形成される円錐台部3Aおよび3Cとが、例えばタングステンによって一体的に形成されている。基端側の円錐台部3Cには、胴部3Bよりも小径のロッド状のリード部(不図示)が一体的に続いており、リード部が封止部12Bに保持されている。
図2は、図1に示すA部を拡大して示す部分拡大図である。図2(A)は、陽極中心軸Xを含む断面図である。図2(B)は、図2(A)に示す矢印Bの方向から陽極先端面を見た正面図である。
円錐台部3Aは、図2に示すように、先端部に平坦な陽極先端面3Dが形成されると共に、陽極中心軸Xを含むようにして陽極先端面3Dに凹部30が形成されている。
凹部30は、陽極中心軸Xを含む断面が矩形状であり、即ち円柱形状を有する。なお、凹部30は、円柱形状に限らず、回転円錐台形状であっても良い。
円錐台部3Aは、図2に示すように、先端部に平坦な陽極先端面3Dが形成されると共に、陽極中心軸Xを含むようにして陽極先端面3Dに凹部30が形成されている。
凹部30は、陽極中心軸Xを含む断面が矩形状であり、即ち円柱形状を有する。なお、凹部30は、円柱形状に限らず、回転円錐台形状であっても良い。
凹部30は、陽極先端面3Dから陽極3の内方側に向けて陥没することにより、陽極先端面3Dに続いて円周方向に形成される陽極内壁面30Aと、陽極先端面3Dよりも内方側(陰極2の先端部2Bから遠ざかる側)に位置して、陽極中心軸Xに対して垂直方向に広がり、かつ、平坦な円形に形成された陽極内底面30Bと、陽極先端面3Dおよび陽極内壁面30Aの境界において、円周方向にわたって形成される環状角部30Cとで構成される。環状角部30Cは、陽極中心軸Xから径方向に離間して形成されている。
本発明の放電ランプは、陰極2と陽極3との間に高電圧を印加すると、陰極2と陽極3との間にアークが形成される。
陽極3においては、上記した放電ランプの原則(段落0016参照)に従い、陽極中心軸Xに近付くにつれて電界強度が高くなるが、陽極中心軸Xから径方向外方に離間した位置に環状角部30Cを備えるため、当該位置においても電界強度が高い状態になる。
つまり、陽極3は、陽極中心軸X近辺の電界強度および環状角部30Cの電界強度の双方が高い状態になることによって、陰極2から発した電子が陽極中心軸X近辺および環状角部30Cのそれぞれに分散して引き付けられるため、陽極中心軸X近辺に引き付けられる電子の量が低減される。
陽極3においては、上記した放電ランプの原則(段落0016参照)に従い、陽極中心軸Xに近付くにつれて電界強度が高くなるが、陽極中心軸Xから径方向外方に離間した位置に環状角部30Cを備えるため、当該位置においても電界強度が高い状態になる。
つまり、陽極3は、陽極中心軸X近辺の電界強度および環状角部30Cの電界強度の双方が高い状態になることによって、陰極2から発した電子が陽極中心軸X近辺および環状角部30Cのそれぞれに分散して引き付けられるため、陽極中心軸X近辺に引き付けられる電子の量が低減される。
さらに、陽極3は、陽極先端面3Dよりも陽極の内方側に陽極内底面30Bを備え、陽極内底面30Bが平坦に形成され、陽極内底面30Bでは、上記した放電ランプの原則(段落0016参照)に従い、陽極中心軸X近辺の電流密度が高い状態になる。
換言すれば、陽極3は、陽極内底面30Bと環状角部30Cの双方を備えることにより、陰極2から発した電子の一部が陽極中心軸Xの径方向外方に位置する環状角部30Cに引き付けられ、環状角部30Cに引き付けられなかった余の電子が陽極内底面30Bの陽極中心軸X近辺に集まって、陽極中心軸X近辺の電流密度が陽極が消耗しない程度に高くなる。
図3は、図2に示す陽極を備える本発明の放電ランプと、図5(A)に示す陽極を備える従来の放電ランプとのそれぞれについて、アーク中の電界強度分布のシュミレーション結果を示す。図3の縦軸は電界強度、横軸は陽極中心軸Xからの距離を示す。図3の実線は本発明の陽極の電界強度、破線は従来の陽極(図5(A)に図示)の電界強度を示す。
図3に実線で示すように、本発明の陽極は、電界強度の鋭いピークが陽極中心軸Xの周辺の、凹部30の環状角部30Cに対応する位置に表れており、環状角部30Cにアーク中の電子が集中する様子が推察される。したがって、本発明の陽極は、環状角部30Cに引き寄せられる電流の割合が大きくなると推測される。
一方、従来の陽極(図5(A)に図示)は、このようなピークは見られないことから、凹部43Aのエッジ部431Aに引き寄せられる電流の割合が小さいと推測される。
一方、従来の陽極(図5(A)に図示)は、このようなピークは見られないことから、凹部43Aのエッジ部431Aに引き寄せられる電流の割合が小さいと推測される。
このように、本発明の陽極3を備える放電ランプは、陽極中心軸Xの径方向外方に離間するように形成された環状角部30Cを有することにより、陽極中心軸X近傍と環状角部30Cとの双方に電流が分散されるので、陽極中心軸X近傍への局所的な電流の集中が緩和され、しかも、陽極内底面30Bを有することにより、陽極中心軸X近辺の電流密度が陽極が消耗しない程度に適度に高くなる。
したがって、本発明の陽極3を備える放電ランプは、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、従来の陽極を備える放電ランプに比べ、陽極の消耗を確実に抑制することができる。
したがって、本発明の陽極3を備える放電ランプは、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、従来の陽極を備える放電ランプに比べ、陽極の消耗を確実に抑制することができる。
なお、陽極3に設けられた凹部30の深さH(陽極先端面3Dと陽極内底面30Bとの距離)は、放電ランプの仕様に応じて適宜決定されるが、0.1mm〜0.5mmの範囲であることが好ましい。
凹部30の深さHが0.1mm未満であると、環状角部30Cにおける電界強度が高くならないので、陰極2から発した電子を十分に引き付けることができないので、陽極の消耗を抑制することができない。
また、凹部30の深さHが0.5mmを超えると、陰極2と陽極3との間の距離が長くなって放電ランプのランプ電圧が上昇し、これにより、ランプ電流が低下するため(この種の放電ランプは、定電力の点灯用電源で点灯することが一般的であるから、ランプ電圧およびランプ電流のいずれか一方が上昇すれば、他方は低下する)、放射輝度が低下する。これに加え、凹部30の深さHが0.5mmを超えると、アークが径方向に広がるために、集光効率が低下して、露光装置等の露光面照度が低下する。
また、凹部30の深さHが0.5mmを超えると、陰極2と陽極3との間の距離が長くなって放電ランプのランプ電圧が上昇し、これにより、ランプ電流が低下するため(この種の放電ランプは、定電力の点灯用電源で点灯することが一般的であるから、ランプ電圧およびランプ電流のいずれか一方が上昇すれば、他方は低下する)、放射輝度が低下する。これに加え、凹部30の深さHが0.5mmを超えると、アークが径方向に広がるために、集光効率が低下して、露光装置等の露光面照度が低下する。
以下に本発明の効果を確認するために行った実験およびその実験の結果について説明する。
実験を行うにあたり、本発明、比較例1、比較例2の放電ランプを図1に示す構成に従ってそれぞれ作製した。各放電ランプの詳細は、以下のとおりである。
実験を行うにあたり、本発明、比較例1、比較例2の放電ランプを図1に示す構成に従ってそれぞれ作製した。各放電ランプの詳細は、以下のとおりである。
<本発明の放電ランプ>
(ランプ)
・電極間距離 :10mm
・水銀封入量 :25mg/cc
・希ガス封入量 :0.15MPa
・入力電力 :10kW
(陽極)
・凹部あり
・凹部(30)の直径D :5mm
・凹部(30)の深さH :0.4mm
・陽極内底面(30B)の形状:平坦
(ランプ)
・電極間距離 :10mm
・水銀封入量 :25mg/cc
・希ガス封入量 :0.15MPa
・入力電力 :10kW
(陽極)
・凹部あり
・凹部(30)の直径D :5mm
・凹部(30)の深さH :0.4mm
・陽極内底面(30B)の形状:平坦
<比較例1の放電ランプ>
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
凹部なし
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
凹部なし
<比較例2の放電ランプ>
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
・凹部あり
・凹部(43A)の直径D :5mm
・凹部(43A)の深さH :0.4mm
・陽極内底面の形状 :球面 (図5(A)に図示)
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
・凹部あり
・凹部(43A)の直径D :5mm
・凹部(43A)の深さH :0.4mm
・陽極内底面の形状 :球面 (図5(A)に図示)
<比較例3の放電ランプ>
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
・凹部あり:輪帯凹部
・輪帯凹部(43Bの角部A側)の直径D :5mm
・輪帯凹部(43B)の幅(角部AB間の距離) :1mm
・輪帯凹部(43B)の深さH :0.4mm
・陽極輪帯凹部の形状 :輪帯状溝 (図5(B)に図示)
(ランプ)
本発明の放電ランプと同じ
(陽極)
・凹部あり:輪帯凹部
・輪帯凹部(43Bの角部A側)の直径D :5mm
・輪帯凹部(43B)の幅(角部AB間の距離) :1mm
・輪帯凹部(43B)の深さH :0.4mm
・陽極輪帯凹部の形状 :輪帯状溝 (図5(B)に図示)
上記の各放電ランプを定電力の点灯用電源を用いて点灯させ、各放電ランプの放射照度維持率を測定した。その結果を図4に示す。図4の縦軸は放射照度維持率、横軸は点灯時間を示す。
放射照度維持率は陽極の消耗に密接に関係している。つまり、放射照度維持率が高いことは、陽極の消耗が抑制されたことを示す。
図4に示すように、点灯開始から800時間経過後の放射照度維持率は、本発明の放電ランプが95%、比較例1の放電ランプが84%、比較例2の放電ランプが92%、比較例3の放電ランプが86%、であることが確認された。
上記の結果から、本発明の放電ランプは、比較例1、比較例2および比較例3の放電ランプに比べて、陽極の消耗を抑制することができることが確認された。
図4に示すように、点灯開始から800時間経過後の放射照度維持率は、本発明の放電ランプが95%、比較例1の放電ランプが84%、比較例2の放電ランプが92%、比較例3の放電ランプが86%、であることが確認された。
上記の結果から、本発明の放電ランプは、比較例1、比較例2および比較例3の放電ランプに比べて、陽極の消耗を抑制することができることが確認された。
以上のように、本発明の陽極3によれば、陽極先端面3Dよりも内方側に位置し、平坦に形成された陽極内底面30Bと、陽極中心軸Xから径方向外方に離間して周方向に形成された環状角部30Cとを有する凹部30を備えるので、陰極2と陽極3の間に形成されるアーク中の電子が、陽極内底面30Bと環状角部30Cのそれぞれに分散して集中する。したがって、陽極中心軸X付近の電流密度が、陽極が消耗しない程度に高い状態になるため、従来の放電ランプの輝度と同等の輝度が得られるものでありながら、陽極の消耗を抑制して放電ランプ10の寿命を延長することができる。
10 放電ランプ
1 発光管
11 発光部
12A、12B 封止部
13A、13B 口金
2 陰極
2A 胴部
2B 先端部
3 陽極
3A 円錐台部
3B 胴部
3C 円錐台部
3D 陽極先端面
30 凹部
30A 陽極内壁面
30B 陽極内底面
30C 環状角部
1 発光管
11 発光部
12A、12B 封止部
13A、13B 口金
2 陰極
2A 胴部
2B 先端部
3 陽極
3A 円錐台部
3B 胴部
3C 円錐台部
3D 陽極先端面
30 凹部
30A 陽極内壁面
30B 陽極内底面
30C 環状角部
Claims (2)
- 陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成されたショートアーク型放電ランプ用の陽極であって、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とするショートアーク型放電ランプ用の陽極。 - 陽極先端面の陽極中心軸上に凹部が形成された陽極と、陰極とが、発光管の内部に対向して配置されたショートアーク型放電ランプにおいて、
前記陽極は、前記陽極先端面から内方側に向けて陥没して周方向に形成された陽極内壁面と、前記陽極内壁面に続いて前記陽極先端面よりも内方側に形成された平坦な陽極内底面と、前記陽極内壁面および前記陽極先端面の境界において周方向に形成され、陽極中心軸から径方向外方に離間した環状角部とを備えることを特徴とするショートアーク型放電ランプ。
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