JP2017069078A - 放電ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】陽極から放射される熱を利用して陰極の昇温を図り、陰極に担持された電子放出に寄与する電子放射性物質の枯渇を防止し、安定したアーク放電を実現する。【解決手段】放電容器2と、所定間隔を隔て先端部を相対向させて放電容器内に配置された陰極3と陽極4とを備え、陽極に、動作時に当該陽極に発生する熱により陰極を昇温させる熱放射用の溝部31を設ける。熱放射用の溝部には、陽極に発生する熱を、陰極に向けて放射する指向性が付与されている。【選択図】図5

Description

本発明は、ショートアーク型の放電ランプなど、特定波長の光を放射する放電ランプに関する。
従来、アーク放電により光を放射するようにした放電ランプとして、ショートアーク型の放電ランプが用いられている。ショートアーク型の放電ランプは、希ガスや水銀、金属のハロゲン化合物などを封入した放電容器内に、陽極と陰極とを近接させた状態で保持し、陽極と陰極との間に電圧を印加することによりアーク放電を発生させ、紫外光などの特定波長の光を放射する。
この種のショートアーク型の放電ランプにおいて、動作時に電子の放出側となる陰極を高融点金属材料であるタングステンに電子放射性物質である二酸化トリウム(ThO2)をドープしたトリエーテッドタングステンにより形成したものが用いられている。
トリエーテッドタングステンは、ドープされた二酸化トリウム(ThO2)がタングステンにより還元されることによりトリウム(Th)を生成する。ここで生成されるトリウムは、エミッタとして作用し、陰極から放出される電子の放出の安定化を図る。陰極からの安定した電子の放出が図られることにより、アーク点孤性が向上し、放電ランプとしての使用寿命の長期化を実現できる。
ところで、タングステンにドープされた二酸化トリウム(ThO2)を、タングステンにより効率良く還元してトリウムを生成するためには、2100℃〜2900℃程度の非常に高い温度が必要である。
そこで、陰極に放電アークからの放射光を受光する受光部を設け、この受光部により放射光を受光することによりにより、陰極を加温するようにした技術が特開2005−142071号公報(特許文献1)において提案されている。
また、陰極と対向配置された陽極の外周面に断面形状をV字型とする溝部を設け、駆動時に陽極に発生する熱を陽極の外方に向かって放射するようにした技術が特開2003−157794号公報(特許文献2)において開示されている。
特開2005−142071号公報 特開2003−157794号公報
ところで、特許文献1において開示された放電ランプに用いられる陰極は、タングステン粉末を成形して形成され、円柱状の胴体部とこの胴体部の一端から先端側に向かって徐々に縮径する略円錐状をなす縮径部を備える。そして、陰極には、二酸化トリウム(ThO2)がドープされ、放電アークからの放射光を受光する受光部が設けられている。この受光部は、縮径部の胴体部に連続する基部側の外周面に階段状の段差部を形成することによって構成されている。陰極に設けた受光部を階段状の段差部として形成すると、階段状の段差部の鋭角とされた先端部分に放電が集中し、この段差部の先端部分を集中的に高温化する。その結果、段差部を構成するタングステンが溶融し放電容器内に蒸発する。放電容器内に蒸発したタングステンは、放電管の内壁に付着し、透過率を低下させるばかりか、陰極の消耗を促進し放電ランプの寿命を低下させてしまう。
また、特許文献2において開示された放電ランプは、放電容器内で陰極に相対向して配置される陽極に、熱放出のための溝部を形成したものである。特許文献2に開示される陽極は、円柱状の胴体部とこの胴体部の一端から先端側に向かって徐々に縮径する略円錐状をなす縮径部を備え、この縮径部の外周面に、縮径部の周回り方向に連続して断面V字型をなす溝部を形成することにより、陽極からの熱放射特性を改善し、陽極の温度を効率良く低下するようにしたものである。
特許文献2に開示された陽極に形成された断面形状をV字型とする溝部は、専ら陽極の熱放射特性の改善を目的に設けられるものであって、この溝部から放射される熱が陽極の先端方向の斜め外方に放射するように、陽極の電極軸に対し傾斜した縮径部の外周面に対し、このV字型の溝部の中心軸が垂直となるように形成されている。
したがって、特許文献2に開示されたV字型の溝部から放射される熱の多くは放電容器の外方に向かって放射され、その一部が陽極に対し相対向して配置された陰極の放電容器への支持部あるいは支持軸に支持された基端部側からその周囲に放射される。そのため、陽極から放射される熱により陰極を十分に昇温することが困難であり、陰極にドープなどされて担持された二酸化トリウム(ThO2)を十分に利用することができない。
そこで、本発明は、動作時に陽極から放射される熱を利用することにより、機構の複雑化を招くことなく陰極の昇温を図り、陰極に担持された電子放射性物質の還元を促進し、電子放出に寄与する電子放射性物質の枯渇を低減し、安定したアーク放電を実現し、使用寿命の長期化を実現可能とした放電ランプを提供することを目的とする。
また、本発明は、陰極の消耗を抑制しながら陰極を昇温し、陰極に担持された電子放射性物質の還元を促進し、電子放出に寄与する電子放射性物質の枯渇を低減し、安定したアーク放電を実現して、使用寿命の長期化を実現可能とした放電ランプを提供することを目的とする。
上述したような技術課題を達成するために提案される本発明は、放電容器と、所定間隔を隔て先端部を相対向させて上記放電容器内に配置された陰極と陽極とを備え、上記陽極に、動作時に当該陽極の熱により上記陰極を昇温させる熱放射手段を設けたことを特徴する。
上記熱放射手段には、陽極の熱を、陰極に向けて放射する指向性が付与されている。
本発明に用いられる陽極は、円柱状をなす胴体部と、先端面が形成されるとともに上記胴体部に連続する基端部側から上記先端面が形成された先端部側に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、陰極は、円柱状をなす胴体部と、上記胴体部に連続する基端部側から先端部側に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、陽極に発生する熱により陰極を昇温させる熱放射手段は、陽極に設けられた縮径部の外周部に設けられている。
熱放射手段には、陽極の熱を、陰極の縮径部及び/又は胴体部に向けて放射する指向性が付与されていることが望ましい。
熱放射手段は、陽極に設けられた縮径部の外周部に形成された溝部により構成することができる。
陽極を構成する縮径部の基端部は、陰極の胴体部の外周径より大きな外周径を有し、陽極を構成する縮径部の先端部に形成された先端面は、陰極の胴体部の外周径より小さい径の円形として形成されることが望ましい。
本発明に用いられる陰極は、高融点金属材料に電子放射性物質を担持した金属材料により形成されている。陰極を構成する金属材料として、タングステンに電子放射性物質である二酸化トリウム(ThO2)をドープしたトリエーテッドタングステンを用いることが望ましい。
本発明は、陽極に設けた熱放射手段により、放電ランプの動作時に陽極の熱を陰極に向けて積極的に放射するようにしているので、陽極に比し昇温され難い陰極にドープなどされて担持された電子放射性物質を効率良く還元し、陰極における電子放射性物質の枯渇を低減し、安定したアーク放電を実現して、放電ランプの使用寿命の長期化が実現可能となる。
そして、本発明は、陽極に設けられる熱放射手段に熱放射の指向性が付与されることにより、陽極に発生する熱を陰極に集中して放射することができ、陰極を昇温するために利用される熱の利用効率を向上できる。そのため、陰極を一層確実に昇温し、陰極に担持された電子放射性物質の利用効率の一層の向上を実現できる。
本発明は、熱放射手段に熱放射の指向性が付与されることにより、放電面となる陰極の先端面を除いて陰極縮径部から胴体部に集中して熱放射することができるので、放電面となる陰極の先端面を過剰に昇温することを規制し、陰極の過剰な消耗を抑えることができる。
さらに、本発明は、熱放射手段を、陽極の外周部に設けた溝部により構成することにより、陽極に発生する熱を陰極に誘導するために独立した機構等を設ける必要もないので、放電ランプを構成する部品点数が増加することなく簡素な構成で陰極に担持された電子放射性物質の利用効率を向上することができる。
本発明により得られる利点は、以下に説明する本発明を実施するための形態より一層明らかにされる。
本発明が適用されるショートアーク型の放電ランプを模式的に示す側面図である。 本発明を構成する陰極と陽極の配置関係を示す側面図である。 熱放射用の溝部が形成された陽極縮径部を模式的に示す陽極の部分斜視図である。 陽極縮径部に形成された熱放射用の溝部を模式的に示す陽極の部分断面図である。 陰極と陽極の配置関係を模式的に示す側断面図である。 陽極縮径部に形成された熱放射用の溝部の他の例を用いた陰極と陽極の配置関係を模式的に示す側断面図である。 陽極縮径部に形成された熱放射用の溝部の他の例を模式的に示す陽極の部分断面図である。 陽極縮径部に設けられる熱放射用の溝部の他の例を示す側面図である。 陽極縮径部に設けられる熱放射用の溝部のさらに他の例を示す側面図である。
以下、本発明をショートアーク型の放電ランプに適用した実施の形態を、図面を参照して説明する。
本実施の形態は、ショートアーク型の放電ランプ1であって、この放電ランプ1は、例えば、半導体装置の回路パターンを形成するために用いられる露光装置の光源として用いられるものであって、図1に示すように、耐熱性に優れ光透過性を有する石英ガラスにより形成された放電容器2と、この放電容器2内に配置された陰極3と陽極4とを備える。
放電容器2の相対向する位置には、石英ガラスよりなる第1及び第2の封止管5,6が放電容器2の外方に向かって突出するように、放電容器2と一体に形成されている。これら第1及び第2の封止管5,6は、図1に示すように、互いに中心軸P0を一致させて、放電容器2の外径より小さい外周径を有する円筒状に形成されている。そして、第1及び第2の封止管5,6の端部には、本実施の形態に係る放電ランプ1を露光装置などの外部装置に電気的に接続するとともに機械的に支持するための口金7,8が取り付けられている。
第1の封止管5には、先端部に陰極3が取り付けられた陰極支持軸9が挿通支持され、第2の封止管6には、先端部に陽極4が取り付けられた陽極支持軸10が挿通支持されている。陰極支持軸9及陽極支持軸10は、それぞれ中心軸を第1及び第2の封止管5,6の中心軸P0に一致させて支持されている。
そして、陰極3は、図2に示すように、この陰極3の中心軸である電極軸P1を陰極支持軸9の中心軸に一致させて取り付けられる。陽極4も同様に、図2に示すように、この陽極4の中心軸である電極軸P2を陽極支持軸10の中心軸に一致させて取り付けられる。したがって、陰極3と陽極4は、図1に示すように、電極軸P1,P2を一致させて同軸とした状態で所定間隔を隔て先端部を相対向させて放電容器2内に位置決め配置される。
陰極3と陽極4をそれぞれ支持した陰極支持軸9と陽極支持軸10は、第1及び第2の封止管5,6内に配設された導電性を有する金属箔11,12を介して、口金7,8に配設されたリード軸13,14に電気的に接続されている。
また、第1及び第2の封止管5,6は、図示しないが、これら封止管5,6内に収納配置された封着用のガラス材に熱溶融されて溶着されることにより封止され、放電容器2内に構成される放電空間DSを封止する。放電容器2内の封止された放電空間DSには、水銀及びキセノン、アルゴン等の希ガスなどが封入される。
ショートアーク型の放電ランプ1は、電源部からリード軸13,14、金属箔11,12、陰極支持軸9、陽極支持軸10を介して、電気的に絶縁状態にある陰極3と陽極4との間に高電圧が印加されると、陰極3と陽極4との間にアーク放電を発生させ、陰極3と陽極4が昇温される。
本実施の形態に係る放電ランプ1に用いられる陰極3は、高融点金属材料に電子放射性物質を担持した金属材料により形成されている。さらに、具体的には、陰極3は、高融点金属材料であるタングステンに、電子放射性物質である二酸化トリウム(ThO2)をドープしたトリエーテッドタングステンを用いて形成されている。ここで、トリウム(Th)は、タングステン粉末に対し質量比で約2%添加される。
トリエーテッドタングステンの焼結体からなる陰極3は、図2に示すように、基端部側に陰極支持軸9への取付部側となる陰極胴体部15が形成され、先端部側に電子の放出部側となる陰極縮径部16が形成されている。
陰極胴体部15は、基端部側から先端部側に亘って外周径を一定とする円柱状に形成されている。陰極胴体部15の基端部側には、支持軸嵌合孔17が形成されている。支持軸嵌合孔17は、中心軸を陰極3の電極軸P1に一致させて陰極胴体部15の基端部側から先端部側の中途部に亘って穿設されている。陰極3は、支持軸嵌合孔17を陰極支持軸9の先端部に嵌合することにより、陰極支持軸9に電気的に接続され機械的に固定支持される。陰極3は、中心軸を電極軸P1に一致させて形成した支持軸嵌合孔17を陰極支持軸9に嵌合して取り付けられるので、図1に示すように、電極軸P1を陰極支持軸9の中心軸及び第1の封止管5の中心軸P0に一致させて放電容器2内に配置される。
陰極縮径部16は、陰極胴体部15への連設部となる基端部側から電子の放出部となる先端部側に向かって徐々に縮径する略円錐形状を構成するように形成されている。陰極縮径部16の先端部側は、集中して安定した電子放出を実現するため、先鋭化するように形成されている。なお、本実施の形態では、陰極縮径部16の先端部は、アーク放電の集中による過剰な昇温による消耗を防止するため、先鋭な先端部の一部を切り欠くようにして一定の面積を有する円形の先端面18が形成されている。この先端面18は、電極軸P1を中心にした同心円状の円形に形成されている。
本実施の形態では、陰極胴体部15と陰極縮径部16とを同一の材料で一体に形成しているが、陰極胴体部15と陰極縮径部16とをそれぞれ異なる材料により形成したものであってもよい。例えば、陰極胴体部15を純タングステンにより形成し、陰極縮径部16をトリエーテッドタングステンにより形成する。この場合、独立して形成した陰極胴体部15と陰極縮径部16とを突き合わせ一体化して陰極3を構成するようにしてもよい。
一方、タングステンの焼結体からなる陽極4は、図2に示すように、基端部側に陽極支持軸10への取付部側となる陽極胴体部21と、先端部側に陰極3の陰極縮径部16と対向する陽極縮径部22とを備える。
陽極胴体部21は、基端部側から先端部側に亘って外周径を一定とする円柱状に形成されている。
陽極縮径部22は、胴体部21に連続する基端部側から先端部側に向かって徐々に縮径した円錐形状を構成するように形成されている。陽極縮径部22の先端部には、円形の先端面23が形成されている。この先端面23は、電極軸P2を中心にした同心円状の円形に形成されている。また、陽極4の先端面23は、陰極3側の放電面となる先端面18と間でアーク放電を発生させる放電面を構成する。
そして、陽極胴体部21の基端部側には、支持軸嵌合孔24が穿設されている。支持軸嵌合孔24は、中心軸を陽極4の電極軸P2に一致させて陽極胴体部21の基端部側から先端部側の中途部に亘って穿設されている。陽極4は、支持軸嵌合孔24を陽極支持軸10の先端部を嵌合することにより、陽極支持軸10に電気的に接続され機械的に固定支持される。このとき、陽極4は、中心軸を電極軸P2に一致させて形成した支持軸嵌合孔24を陽極支持軸10に嵌合して取り付けられるので、図1に示すように、電極軸P2を陽極支持軸10の中心軸及び第2の封止管6の中心軸P0に一致させて放電容器2内に配置される。
上述したように、陰極3と陽極4は、互いの中心軸P0を一致させて放電容器2に形成された第1及び第2の封止管5,6にそれぞれ中心軸を一致させて取り付けた陰極支持軸9と陽極支持軸10の中心軸にそれぞれ電極軸P1,P2を一致させて支持されることにより、互いに電極軸P1,P2が一致されて放電容器2内に配置されている(図1参照)。
そして、陰極3と陽極4は、陰極支持軸9と陽極支持軸10が第1及び第2の封止管5,6に固定支持されたとき、陰極3の先端面18と陽極4の先端面23との間で構成される電極間距離Dが一定距離を維持するように位置決めされる。
ショートアーク型の放電ランプ1に用いられる陽極4は、動作時に加熱され陰極3以上に昇温する。そこで、陽極4は、図2に示すように、熱容量を大きくし、過剰な昇温を抑えるため、陰極3に比し十分に大型に形成されている。陰極3に比し大型化された陽極4は、体積の増大とともに表面積の拡大により、熱容量を大きくしながら、外表面からの放射熱量を大きくすることができ、過剰な加熱を抑制することが可能となる。
ところで、ショートアーク型の放電ランプ1は、安定したアーク放電を実現するため、互いの電極軸P1,P2を一致させた陰極3と陽極4を、1〜15mm程度の非常に短い電極間距離Dで対向配置している。このように電極間距離Dが短い放電ランプ1では、図2に示すように、電子の放出部となる陰極3の先端面18の一点を輝点Hとし、この輝点Hを中心にして光の放射が行われる。そのため、少なくとも電極間距離Dよりも大きな外周径W1を有する円柱状をなす陽極4が陰極3と同軸に陰極3の先端面18に近接して配置されると、輝点Hが大きな面積を有する陽極4の先端面で覆われてしまう。そのため、陰極3の先端の輝点Hから放射される光の多くが陽極4の先端面で遮断され、放電容器2の外部に向かうことなく放電容器2内で散乱し、放電容器2の外部に放射される放射光量が低減してしまう。
そこで、本実施の形態では、図2に示すように、陽極4の一端部側に胴体部21に連続する基端部側から先端部側に向かって徐々に縮径した陽極縮径部22を形成している。このように形成された陽極縮径部22の外周面22aは、陽極4の電極軸P2に対し一定の傾斜角を有する傾斜面として形成される。
ところで、ショートアーク型の放電ランプ1は、点灯中、陰極3と陽極4との間で安定したアーク放電を確保するため、図1に示すように、陽極4と陰極3とを上下の位置関係で対向配置させた垂直点灯方式が広く採用されている。
垂直点灯方式を採用した放電ランプ1は、電子放出側となる陰極3の温度が陽極4ほど高温とならない。そのため、陰極3をトリエーテッドタングステンにより構成したとき、陰極縮径部16から陰極胴体部15に亘る一部が、トリエーテッドタングステンに含まれる二酸化トリウム(ThO2)をタングステンにより還元し、若しくはその還元を促進するために十分な温度まで昇温されないことがある。その結果、陰極3にドープしたトリウム(Th)を十分に利用することが困難となり、陰極3から放出される電子の安定化が十分に達成できなくなる。
そこで、本実施の形態は、放電ランプ1の動作時に、陰極3に比し十分に高温とされる陽極4に蓄積される熱を利用して陰極3を昇温する。さらに詳しくは、先端面18を除く陰極3を昇温するようにしたものであり、陽極4に蓄積される熱を陰極3の方向に放射して陰極3の昇温するための熱放射手段を陽極4に設けたものである。この熱放射手段は、図3、図4に示すように、陽極4の電極軸P2に対し傾斜した陽極縮径部22の外周面22aに形成した複数の熱放射用の溝部31により構成されている。
本実施の形態において、複数の熱放射用の溝部31は、図3、図4に示すように、陽極4の電極軸P2を中心にして、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に一連に連続したリング状に形成されている。陽極4の電極軸P2を中心にして陽極縮径部22の外周面に形成される複数の溝部31は、図3、図4に示すように、電極4の電極軸P2の方向に順次径を異にしながら陽極縮径部22の外周面22aにおいて多段状に形成されている。
そして、熱放射用の溝部31は、陽極4の電極軸P2を中心にした断面形状が、図4に示すように、底部31aを中心にして開口部31b側に向かって相対向する側面31c,31dが開拡する断面三角形状に形成されている。
さらに、陽極縮径部22の外周面22aにおいて、断面三角形状に形成された溝部31は、図5に示すように、開口部31bの開放幅方向の中心O1から底部31aに向かう方向である溝部方向S1が、陽極4の電極軸P2に対し傾斜した陽極縮径部22の外周面22aに垂直な方向の線H1より陽極胴体部21の外周面21a側に向かう方向に傾斜して形成される。
すなわち、溝部31は、上述の溝部方向S1と陽極縮径部22の外周面22aとがなす角である俯角θ1が90°より小さい角度で形成されることにより、図4に示すように、陽極縮径部22の外周面22aに垂直な方向H1より陽極胴体部21の基端部側に傾斜して形成される。このように形成される溝部31は、陽極縮径部22の外周側に位置する一方の側面31cに対し電極軸P2側の内周側に位置する他方の側面31dの深さ方向の高さを大きくして形成されている。したがって、溝部31は、断面形状が不等辺三角形をなすように形成されている。
このように形成された熱放射用の溝部31は、陽極4から溝部31内に放射される熱線L1を、図5に示すように、溝部31内で反射させながら溝部方向S1とは逆方向の陽極4の電極軸P2に向かう熱放射方向S2に放射する。
ところで、ショートアーク型の放電ランプ1は、図2に示すように、陰極3と陽極4が互いの電極軸P1,P2を一致させ、所定の電極間距離Dを隔て相対向して配設されている。そのため、上述した熱放射用の溝部31から陽極4の電極軸P2に向かう熱線放射方向S2に放射された熱線L1は、図5に示すように、陽極4に対し所定の電極間距離Dを隔て配置された陰極3に入射される。
陽極4から放射された熱線L1が入射される陰極3は、陽極4の温度と同等若しくはそれに近い温度まで昇温される。例えば、定格電力を2kW〜8kWとするショートアーク型の放電ランプ1は、点灯時に陽極4が3000°C程度まで加熱される。このような高温とされた陽極4から熱線L1が陰極3に入射することにより、陰極3を、タングステンにドープされた二酸化トリウムをタングステンにより還元し、さらには還元を促進する最適な温度範囲とすることができる。
ところで、陰極縮径部16の先端部は、電子を集中して放出するように先鋭化され、その先端部に形成された先端面18にはアーク放電が集中するため、陰極3の他の部分より昇温されやすい。昇温され高温とされやすい陰極縮径部16の先端面18側に陽極4からの熱線L1が集中して放射されると、陰極縮径部16の先端面18を過剰に昇温させて消耗を促進させてしまう虞がある。
そこで、熱放射手段を構成する熱放射用の溝部31は、陰極3と陽極4とを所定の電極間距離Dを隔て配置したとき、熱線L1が陰極縮径部16の先端面18に集中しないように形成されている。
本実施の形態では、陽極縮径部22の円形をなす先端面23が、図5に示すように、陰極縮径部16の円形をなす先端面18より大きく形成されている。すなわち、陽極4側の先端面23の電極軸P2からの半径R1を、陰極4側の先端面18の電極軸P1からの半径r1より大きく形成する。
そして、陽極縮径部22の傾斜した外周面22aに形成された複数の溝部31は、図5に示すように、最も先端面23側に位置する溝部31の電極軸P2側に位置する開口端31eの半径R2が、陰極胴体部15の電極軸P1からの半径r以下となるように形成されている。すなわち、複数の溝部31のうち陽極縮径部22の最内周側に形成された溝部31は、陰極3と陽極4とが電極軸P1,P2を同軸にして放電容器2内に取り付けられたとき、陽極4の先端面23側に位置する開口端31eの内周端が、陰極胴体部15の外周縁の内周側に位置するように形成される。
なお、陽極4の先端部には、陰極3の先端面18の半径r1より大きな半径R1を有する先端面23が形成されているので、陽極縮径部22の先端面23側に位置する溝部31は、電極軸P2側に位置する開口端31eが陰極3の先端面18の外周縁と陰極胴体部15の外周縁との間に位置する大きさに形成される。
ここで、陰極3と陽極4が互いの電極軸P1,P2を一致させ、所定の電極間距離Dを隔て相対向して配置したとき、陽極縮径部22に形成した複数の溝部31は、電極軸P2側に位置する側面31cに沿って陰極3側に延長される仮想線S3の陰極3との交点Q1が陰極3の先端面18の外周縁若しくは外周縁より外側に位置するように形成される。
このとき、溝部31は、溝部方向S1とは逆向きに陰極3側に向かう方向S4と陰極3との交点Q2が陰極3の先端面18の外周縁より外周側の位置である陰極縮径部16の外周面16aと陰極胴体部15の外周面15aとの間に位置するように俯角θ1が設定された断面三角状に形成されている。
なお、図5は、陽極縮径部22の外周面22aに形成された熱放射用の溝部31の構成を模式的に示すものであって、実際には、陽極縮径部22の外周面22aにリング状に多数形成されるものであり、上述の説明では複数の溝部31の一つを代表して説明するものである。
上述したように熱放射用の溝部31を陽極4に形成することにより、溝部31から放射される熱線L1を陰極縮径部16から陰極胴体部15に亘る領域に集中し放射し、高温とされやすい陰極縮径部16の先端面18への熱線L1の集中を抑制することができる。そのため、陰極縮径部16の先端面18を過剰に昇温させることなく、先端面18側に比し低温となる陰極縮径部16から陰極胴体部15を昇温することができる。
本実施の形態を採用することにより、陰極縮径部16の先端面18を過剰に昇温させ熱蒸発による消耗を促進させてしまうことを抑制しながら陰極3を昇温することができる。このとき、陰極3は、陽極4から放射される熱線L1が入射されることにより、陰極3を構成するトリエーテッドタングステンにドープされた二酸化トリウム(ThO2)のタングステンによる還元が促進されトリウム(Th)の安定した生成が可能となる。陰極3からのトリウム(Th)の安定した生成が行われることにより、陰極3からの電子の放出が安定化し、アーク点孤性を向上し、放電ランプ1としての使用寿命の長期化を実現可能となる。
ここで、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に形成される複数の溝部31は、外周面22aの光軸方向の形成領域を選択することにより、陰極3に対する熱放射の入射領域を選択できる。例えば、陰極3の陰極縮径部16から陰極胴体部15の基端部側に亘る広い範囲に亘って熱放射する場合には、溝部31の電極軸P2方向の形成領域を拡大する。また、陰極縮径部16の基端部側に集中させる場合には、熱放射の範囲が陰極縮径部16の基端部側の一定の範囲となる形成領域に溝部31を形成する。
また、熱放射用の溝部31は、溝部方向S1と陽極縮径部22の外周面22aとがなす角である俯角θ1を変化させることにより熱放射方向S2を可変できる。例えば、電極間距離Dを一定にして陽極4と陰極3とを対向配置したとき、図6に示すように、溝部31の俯角θ1を小さくすると、陰極3の電極軸P1と溝部方向S1とがなす角度θ3が大きくなり、溝部31からの熱放射の方向が陰極縮径部16の先端面18側に移動する。また、俯角θ1を大きくすると、陰極3の電極軸P1と溝部方向S1とがなす角度が小さくなり、溝部31からの熱放射の方向が陰極縮径部16の基端部側に移動する。
したがって、本実施の形態では、熱放射用の溝部31の陽極縮径部22の外周面22aにおける形成位置、形成範囲を選択し、俯角θ1を適宜選択することにより、熱放射用の溝部31から陰極3への熱放射の範囲を選択し、陰極3の所望の領域を昇温することができる。
上述した実施の形態では、熱放射用の複数の溝部31は、図5に示すように、互いに隣接する溝部31の一方の側面31cと他方の側面31dとによって形成される突部38の頂部38aに平坦な面を有することなく電極軸P2の方向に連続して形成されているが、図7に示すように、複数の溝部31を陽極4の電極軸P2の方向に一定の距離を隔て互いに分離するように形成するようにしてもよい。このように複数の溝部31を互いに分離して形成することにより、頂部が平面な面22bを有し、陽極縮径部22の外周面に鋭利な突起部が形成されることがなくなる。このような略台形状の溝部31とすることで、放電ランプ1の製造工程中の組み立て時などに溝部31を損傷、例えば、欠けや折れ、あるいは曲りを生じさせてしまうことを抑制でき、陽極4の取り扱いが容易となる。
また、熱放射用の複数の溝部31は、図8に示すに、それぞれ陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に所定長さに分断して形成された溝部形成要素41を所定の間隙d1を隔て一連に連続するように形成してもよい。このとき、陽極縮径部22の電極軸P2方向の上下に並列して形成される複数の溝部形成要素41は、図8に示すように、電極軸P2方向の形成位置を一致させ、さらに間隙d1を等しくして形成される。
陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に形成される複数の溝部31を、一定の間隙d1を介して連続される複数の溝部形成要素41により構成することにより、陰極3に溝部31からの熱放射を受けない領域が構成され、陰極3の過度な温度上昇を防止することができる。
また、熱放射用の溝部31は、図9に示すように、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に所定長さに分断して形成された溝部形成要素41を、陽極縮径部22の外周面22aに適宜分散形成したものであってもよい。熱放射用の溝部31を、陽極縮径部22の外周面22aに適宜分散形成した溝部形成要素41により構成することにより、図8に示す実施の形態と同様に、陰極3に溝部31からの熱放射を受けない領域が構成され、陰極3の過度な温度上昇を防止することができる。本実施の形態では、溝部形成要素41は、陽極縮径部22の外周面22aに適宜分散形成するのみであるので、高精度な加工位置の制御が不要となり加工が容易となる。
さらに、陽極縮径部22の外周面22aにおいて、電極軸P2方向に多段に形成される熱放射用の溝部31は、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に一連に連続する1本の螺旋溝として形成したものであってもよい。熱放射用の溝部31を一連に連続する螺旋溝により構成することにより、溝部31からの熱放射方向が陰極3の電極軸P1を中心にして一連に連続した旋回した状態となり、陰極3の外周面に一連に連続した状態で熱放射が行われ、陰極3の全周に亘って安定した熱放射を行い、陰極3の全周を均等に昇温することが可能となる。
ところで、ショートアーク型の放電ランプ1は、定格電力を大きくし、入力電流量が増加すると陽極4の消耗が著しくなる。陽極4の消耗を著しくするような高温の熱が熱放射用の溝部31から陰極3に入射されると、陰極3の消耗を促進してしまう。
そこで、本実施の形態では、陽極4の熱放射量の増大を図り、過剰な昇温を防止するため、図1、図2に示すように、陽極胴体部21の外周面21aに放熱用溝部45を形成している。この放熱用溝部45は、陽極胴体部21の外周面21aの表面積を拡大し、陽極胴体部21の外周面21aからの熱放射量を増加するように形成されるような形状であればいずれの形状であってもよく、断面三角形状、あるいは断面U字状、断面Y字状の適宜形状に形成される。そして、熱放射用の溝部31は、陽極胴体部21の周回り方向に一連に連続したリング状、あるいは螺旋状に形成される。
そして、陽極4に設けられる放熱用溝部45は、陽極4に蓄積された熱を陽極4の外周方向に向けて放射するような形状で形成されればよく、陽極4の外周面21に対する向きや大きさは適宜選択される。
本実施の形態は、陽極4の陽極胴体部21に放熱用溝部45を設け、陽極4の過剰な昇温を抑制するようにしているので、熱放射用の溝部31から陰極3に向かって放射される熱が過剰に昇温することが抑制される。陽極4から陰極3に向かって放射される熱の過剰昇温が抑制されることにより、陰極3の過剰な昇温が防止でき、陰極3の過剰な加熱による消耗を抑制することができる。
このように、陽極4に熱放射用の溝部31に加えて陽極胴体部21に放熱用溝部45を設けることにより、陰極3の過剰な昇温を抑制し、陰極3の過剰な消耗を防止し、陰極3の保護を図りながら、陰極3の構成材料にドープなどして担持させた電子放射性物質の還元を促進することにより、安定したアーク放電が実現され、放電ランプ1の使用寿命の長期化が実現される。
上述した実施の形態では、陽極4は、陽極胴体部21と、熱放射用の溝部31を形成した陽極縮径部22とを同一の金属材料で一体に形成しているが、それぞれ独立に形成した円柱状をなす陽極胴体部21と円錐台状の陽極縮径部22を突き合わせ接合して一体化したものであってもよい。このように、陽極胴体部21と陽極縮径部22を独立して形成することにより、それぞれの特性に要求される材料を用いることができる。例えば、陰極3からの電子流が入射され加熱が著しい陽極縮径部22を高融点材料、例えば純タングステンにより形成し、陽極胴体部21を熱伝導性に優れた材料、例えばタングステンにレニウム等を含有したタングステン合金や窒化アルミ、カーボン素材、タングステンに比し軽量なモリブデン又はモリブデンを主成分とする合金により形成する。
陽極胴体部21と陽極縮径部22を独立して形成することにより、陽極胴体部21と陽極縮径部22にそれぞれの特性に応じて形状や大きさを異にして形成される溝部45,31を容易に形成することができる。例えば、陽極胴体部21に形成される放熱効果に優れた形状や大きさの放熱用溝部45と、陽極縮径部22に形成される陰極3に対する熱放射方向を制御した熱放射用の溝部31をそれぞれ独立した工程で作成することも可能となり溝部45,31の加工の容易化が可能となる。なお、互いに独立に形成する部位は、円柱状をなす陽極胴体部21と円錐台状の陽極縮径部22のみに限られず、円錐台状の陽極縮径部22の中途部で突き合わせ接合したものであってもよい。この構成においては、円錐台状をなす陽極縮径部22の中途部に接合面が形成される。
さらに、陰極3も、それぞれ独立して形成した陰極胴体部15と陰極縮径部16を突き合わせ接合して一体化したものであってもよい。このとき、陰極胴体部15を純タングステンやモリブデンにより形成し、陰極縮径部16をトリエーテッドタングステンにより形成することにより、放射性物質であるトリウム(Th)の使用量を削減することができる。なお、互いに独立に形成する部位は、陰極胴体部15と陰極縮径部16のみに限られず、円錐台状の陰極縮径部16の中途部で突き合わせ接合したものであってもよい。この構成においては、円錐台状をなす陰極縮径部16の中途部に接合面が形成される。
本発明において、熱放射用の溝部は、この溝部が設けられる陽極を構成する材料や大きさ等に応じて適切な加工手段が採用されて形成される。例えば、レーザ加工、機械的な切削加工、エッチング等の化学的加工法などにより形成することができる。
上述した実施の形態に示すように、本発明は、ショートアーク型の放電ランプであって、陽極と陰極とを上下の位置関係で対向配置させた垂直点灯方式の放電ランプに適用して有用であるが、その他の放電ランプに適用したものであってもよい。
また、本発明において、熱放射手段を構成する熱放射用の溝部は、上述した実施の形態に示すものに特定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜選択可能である。例えば、断面円形のコイルを陽極縮径部22の外周面22aに密接して巻き付け、互いに隣接するコイル間に熱放射用の溝部を形成してよい。
1 放電ランプ
2 放電容器
3 陰極
4 陽極
15 陰極胴体部
16 陰極縮径部
18 陰極縮径部の先端面
21 陽極胴体部
22 陽極縮径部
23 陽極縮径部の先端面
31 溝部
31a 溝部の底部
31b 溝部の開口部
31c,31d 溝部の側面

Claims (7)

  1. 放電容器と、
    所定間隔を隔て先端部を相対向させて上記放電容器内に配置された陰極と陽極とを備え、
    上記陽極には、動作時に当該陽極の熱により上記陰極を加温する熱放射手段が設けられていることを特徴とする放電ランプ。
  2. 上記熱放射手段は、上記陽極の熱を、上記陰極に向けて放射する指向性が付与されていることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ。
  3. 上記陽極は、円柱状をなす胴体部と、先端面が形成されるとともに上記胴体部に連続する基端部側から上記先端面が形成された先端部側に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、
    上記陰極は、円柱状をなす胴体部と、上記胴体部に連続する基端部側から先端部側に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、
    上記熱放射手段は、上記陽極に設けられた縮径部の外周部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放電ランプ。
  4. 上記熱放射手段は、上記陽極の熱を、上記陰極の縮径部及び/又は胴体部に向けて放射する指向性が付与されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放電ランプ。
  5. 上記熱放射手段は、上記陽極に設けられた上記縮径部の外周部に形成された溝部により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放電ランプ。
  6. 上記陽極を構成する上記縮径部の基端部は、上記陰極の胴体部の外周径より大きな外周径を有し、上記陽極を構成する縮径部の先端部に形成された先端面は、上記陰極の胴体部の外周径より小さい径の円形として形成されていることを特徴とする請求項5記載の放電ランプ。
  7. 上記陰極は、高融点金属材料に電子放射性物質を担持した金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放電ランプ。
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