JP4628777B2 - ショートアーク型高圧放電ランプ - Google Patents
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Description
前記露光工程においては、カラーフィルターの大型化あるいは露光時間の短縮化が求められている。そこで、ショートアーク型高圧放電ランプからの放射光量の増加が強く望まれている。
しかし、ランプへの入力電流を増加すると、陽電極先端部が電子流の増加により加熱されて陽電極の温度が上昇する。そして、陽電極の温度が上昇すると、陽電極部材の熱蒸発が促進される。その結果、熱蒸発した陽電極部材のランプ内壁への付着が促進され、光量が低下して機能を果たさなくなり、ランプ寿命が短くなるという問題が起こる。
そこで、本発明の目的は、放電加工による方法等、長軸方向の加工が行いやすい加工装置を用いて短時間で加工することのできる方法によって簡易に製造することができ、かつ、放熱性に優れた陽電極を備えたショートアーク型高圧放電ランプを提供することにある。
図1は、この発明の一例としてのショートアーク型高圧放電ランプの側面図であり、図2(a)は陽電極付近の拡大図である。
ショートアーク型高圧放電ランプ10は、中空でほぼ球形の発光管部11と、発光管部11の両端から延びた一対の封止管部12と、封止管部12から発光管部11とは反対方向に延びた外部端子14と、発光管部11の内部に配置された陽電極20と陰電極30とからなる一組の電極と、電極の、放電空間S方向とは反対側に固着された電極リード棒13とを有する。
前記一組の電極の軸Aは、同一線上となるように構成されている。
外部端子14は、図示しない外部点灯回路に電気的に接続される。
外部端子14は、従来公知の導電性材料にて構成されている。
発光管部11および封止管部12は、石英ガラスなど従来公知の材料にて構成されている。
なお、本発明のショートアーク型高圧放電ランプ10の陽電極20以外の構成は、従来公知のショートアーク型高圧放電ランプと同様に構成することができる。
ショートアーク型高圧放電ランプの安定状態
時には、陰電極30と陽電極20との間にアーク放電が起こっており、陽電極20付近には、放電方向Yに沿ってフレアFが生じている。これに伴い、陽電極20の胴部22側面付近には、放電方向Yに沿って、気化した発光物質および封入ガスの流れが生じている。
符号Dは胴部22の直径を表す。
直径Dは、通常20mm以上である。
陽電極20の胴部22の側面には、複数の凸状の放熱部40が所定の距離を隔てて形成されている。胴部22は、胴部本体24の表面に放熱部40を形成して構成されている。
符号Hは放熱部40の高さを表す。符号Xは放熱部40の頂部42の幅を表す。符号Wは放熱部40の中間部41の幅を表す。符号Pは放熱部40のピッチを表す。
放熱部40の先端である頂部42には平坦部を有している。
隣り合う凸状の放熱部40の間には、溝部43が形成されている。
放熱部40は、略矩形型に形成されている。このような略矩形型の放熱部40は、隣り合う凸状の放熱部40の間に形成される溝部43が矩形型になるように加工することによって形成することができる。溝部43が矩形型になるように加工するのが、加工の際の設定が容易であるので、簡易に製造できるという点で好ましい。したがって、放熱部40が略矩形型であるのが、簡易に製造できるという点で好ましい。
なお、本発明において、平坦部とは、特に示さない限り、平面でなくてもよく、例えば円柱の側面のような曲面であってもよい。
放熱部40としては、具体的には、下記のような形状であるのが好ましい。
すなわち、放熱部40の高さHとしては、1mm以上3mm以下であるのが好ましい。高さHが1mm未満であると、放熱効率が十分でないという問題がある。高さHが3mmを超えると、加工が困難になる、加工に時間がかかるなどの問題があるばかりか、電極断面積の減少により電極本体の熱伝導が悪くなるため、効率的に電極の温度を下げることができないためである。
放熱部40の中間部41の幅Wとしては、0.4mm以上2.5mm以下であるのが好ましく、0.5mm以上1.5mm以下であるのがより好ましい。中間部41の幅Wが0.4mm未満であると、加工が困難であり、また、放熱性が十分でないという問題がある。また、2.5mm以上であると放熱性が十分でないという問題がある。
中間部41の幅Wと頂部42の幅Xとは、W/X≧1であるのが、隣り合う凸状の放熱部40の間に形成される溝部43を、対流している気化した発光物質および封入ガスが効率的に流れるため、効率的に放熱できるという点で好ましい。
放熱部40は、陽電極20の胴部22側面の一部に設けてもよいが、先端部21と胴部22との境界M1付近から胴部22と後端部23との境界M2付近まで連続して設けるのが、放熱性の点で好ましい。さらに、前記先端部21の任意の途中位置から前記胴部22を通って前記後端部23の任意の途中位置まで連続して設けるのが、放熱性の点で好ましい。
このような台形型の放熱部40は、隣り合う凸状の放熱部40の間に形成される溝部43が台形型になるように加工することによって形成することができる。
放熱部40が、図4(a)に示すように、放熱部40の先端である頂部42の幅が放熱部40の底部より狭い台形型である場合には、放熱部と気化した発光物質および封入ガスとの摩擦が減少し、気化した発光物質および封入ガスの流速が増加するため、冷却効果が増す。また、放熱部40が、図4(b)に示すように、前記頂部42の幅が前記底部より広い台形型である場合には、気化した発光物質および封入ガスの対流による放熱に加えて、熱放射による放熱効率が良くなり、冷却効果が増す。このため、放熱部40は、台形型であるのが、放熱性の点で好ましい。
放熱部40は、放熱性が良く、かつ、点灯中の高温に耐えられる材料で形成すればよく、胴部本体24と同一材料で形成してもよく、これとは異なる材料で形成してもよい。
放熱部40と、胴部本体24とは、溶接など公知の方法で固着すればよい。
安定状態時には、陽電極20付近には、放電方向Yに沿ってフレアFが生じている。これに伴い、陽電極20の胴部22側面付近には、放電方向Yに沿って、気化した発光物質および封入ガスの流れが生じている。
図6から明らかなように、本発明のショートアーク型高圧放電ランプ10を用いると、陽電極の温度上昇を抑制することができ、陽電極部材の熱蒸発が抑制される。その結果、熱蒸発した陽電極部材のランプ内壁への付着が抑制され、照度の低下が抑制されるので、ランプ寿命を長くすることができる。
また、前記一組の電極(陽電極20、陰電極30)の軸が同一線上になるように構成される。
さらに、前記凸状の放熱部40が、陽電極20の軸と平行に形成される。
加えて、前記陽電極20が、先端部21と、該先端部21に続く胴部22と、該胴部22に続く後端部23からなり、放熱部40が、前記先端部21と前記胴部22との境界側の端M1から該胴部22と前記後端部23との境界側の端M2まで連続して形成される。
また、前記凸状の放熱部40が、胴部22の表面積が2倍以上になるように形成される。
さらに、隣り合う凸状の放熱部40の間に形成される中間部41に平坦部を有するように構成される。
加えて、放熱部40が、略矩形型になるように構成される。
また、前記放熱部40の先端である頂部42に平坦部を有するように構成される。
さらに、前記頂部42の平坦部の幅が0.3mm以上となるように構成される。
加えて、前記放熱部40と、胴部本体24とが、同一材料で一体に形成される。
11 発光管部
12 封止管部
13 電極リード棒
14 外部端子
20 陽電極
21 先端部
22 胴部
23 後端部
24 胴部本体
30 陰電極
40 放熱部
41 中間部
42 頂部
43 溝部
A 電極の軸
D 直径
F フレア
H 高さ
M1,M2 境界
P ピッチ
S 放電空間
W,X 幅
Y 放電方向
Claims (10)
- 発光管部に一組の電極を有するショートアーク型高圧放電ランプにおいて、
陽電極を構成する円柱状の胴部側面の表面に直に複数の凸状の放熱部が形成され、
該放熱部は、所定の距離を隔てて放電方向に沿って形成されるとともに前記胴部の表面積が前記放熱部形成前に比べて2倍以上になるように設けられていることを特徴とするショートアーク型高圧放電ランプ。 - 前記一組の電極の軸が同一線上にあることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記凸状の放熱部が、陽電極の軸と平行に形成されていることを特徴とする請求項2記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記陽電極が、先端部と、該先端部に続く胴部と、該胴部に続く後端部とからなり、前記放熱部が、前記先端部の任意の途中位置から前記胴部を通って前記後端部の任意の途中位置まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 隣り合う凸状の放熱部の間に形成される中間部が平坦であることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記放熱部が、略矩形型であることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記放熱部が、台形型であることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記放熱部の頂部が平坦であることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記頂部の幅が0.3mm以上であることを特徴とする請求項8記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
- 前記胴部が、胴部本体と該胴部本体の外周に設けられた前記放熱部とからなり、該放熱部と、前記胴部本体とが、同一材料で一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のショートアーク型高圧放電ランプ。
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