JP6649734B2 - 放電ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、ショートアーク型放電ランプなど、特定波長の光を放射する放電ランプに関する。
従来、アーク放電により光を放射するようにした放電ランプとして、ショートアーク型放電ランプが用いられている。ショートアーク型放電ランプは、希ガスや水銀、金属のハロゲン化合物などを封入した放電容器内に、陽極と陰極とを近接させた状態で保持し、陽極と陰極との間に電圧を印加することによりアーク放電を発生させ、紫外光などの特定波長の光を放射する。
この種のショートアーク型放電ランプは、電極間の距離が短いため、点光源とみなすことができ放射輝度の高い光が得られる。そこで、ショートアーク型放電ランプは、半導体装置やプリント配線基板に形成される配線回路パターンなどの微細な露光パターンを露光する露光装置の光源として広く用いられている。
この種の露光装置の光源として用いられるショートアーク型放電ランプにあっては、アーク放電により発生する光を放電容器の外部に高い効率で取り出し、露光パターンの露光に有効に利用することが望ましい。
アーク放電により発生した光を高い効率で放電容器の外部に取り出すようにした放電ランプとして、特開2009−238664号公報(特許文献1)に記載されるような放電ランプが提案されている。特許文献1に開示される放電ランプは、放電により発生する光を電極の一部で反射させることにより、放電容器の外部に放射される放射光の照度を高めるようにしている。
特開2009−238664号公報
ところで、露光装置において、露光マスクに形成された微細な露光パターンを高精度に露光するためには、光強度にむらがない高精度な光を用いて露光パターンの全面を均一に露光することが要求される。
そこで、本発明の技術課題は、光強度のむらが少なく、均一な光強度を有する高精度な光の放射を可能とする放電ランプを提供することを目的に提案されるものである。
上述したような目的を達成するために提案される本発明は、所定間隔を隔て先端部を相対向させて放電容器内に配置された陰極と陽極とを備える放電ランプであって、放電容器内に配置される陽極に、陰極と陽極との間で発生するアーク放電により生成される光の反射を抑制する反射抑制手段を設けたことを特徴とする。
本発明に用いられる反射抑制手段は、陰極と陽極との間で発生するアーク放電の方向に向けて設けられることが望ましい。
本発明に用いられる陽極は、円柱状をなす胴体部と、先端面が形成されるとともに上記胴体部に連続する基端部側から上記先端面が形成された先端部に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、陰極は、円柱状をなす胴体部と、上記胴体部に連続する基端部側から先端部に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、陰極と陽極との間で発生するアーク放電により生成される光の反射を抑制する反射抑制手段が、陽極の縮径部に設けられている。
本発明を構成する反射抑制手段は、上記陰極と上記陽極との間で発生するアーク放電により生成されて入射した光の反射を繰り返す光反射手段が形成され、当該反射抑制手段の外部への反射を抑制する溝部よりなることを特徴とする。
また、本発明を構成する反射抑制手段は、陰極と陽極との間で発生するアーク放電により生成される光が入射する開口部側から底部側に向かって徐々に幅を小さくする溝部として形成されていることを特徴とする。この反射抑制手段を構成する溝部は、開口部側の開き角が底部側の開き角よりも大きく形成されている。
本発明を構成する反射抑制手段により反射が抑制される光は、アーク放電から直接入力される光のほか、他の部分で反射された光を含む。
なお、本発明を構成する反射抑制手段は、少なくともアーク放電により生成されて入射される光の反射の繰り返しにより、その外部への放射を抑制される構成を備えるものであれば、その構成は本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
本発明に係る放電ランプは、放電容器内に配置される陽極に設けられた反射抑制手段により、陽極と陰極との間での光の反射を抑制することができるので、この反射に起因する迷光成分を抑え、均一な光強度を有する高精度な光を放射することができる。
本発明に係る放電ランプは、均一な光強度を有する高精度な光を放射することにより、露光マスクに形成された微細な露光パターンを高精度に露光することを可能とする。
本発明により得られる利点は、以下に説明する本発明を実施するための形態より一層明らかにされる。
本発明が適用されるショートアーク型の放電ランプを模式的に示す側面図である。 本発明を構成する陰極と陽極の配置関係を示す側面図である。 反射抑制用の溝部が形成された陽極縮径部を模式的に示す陽極の部分斜視図である。 陽極縮径部に形成された反射抑制用の溝部を模式的に示す陽極の部分断面図である。 陰極と陽極の配置関係を模式的に示す側断面図である。 反射抑制用の溝部に入射した光Lの反射状態を模式的に示す部分断面図である。 陽極縮径部に形成された反射抑制用の溝部の他の例を模式的に示す陽極の部分断面図である。 陽極縮径部に設けられる反射抑制用の溝部のさらに他の例を示す側断面図である。
以下、本発明をショートアーク型の放電ランプに適用した実施の形態を、図面を参照して説明する。
本実施の形態は、ショートアーク型の放電ランプ1であって、この放電ランプ1は、例えば、半導体装置の回路パターンを露光形成するために用いられる露光装置の光源として用いられるものであって、図1に示すように、耐熱性に優れ光透過性を有する石英ガラスにより形成された放電容器2と、この放電容器2内に配置された陰極3と陽極4とを備える。
放電容器2の相対向する位置には、石英ガラスよりなる第1及び第2の封止管5,6が放電容器2の外方に向かって突出するように、放電容器2と一体に形成されている。これら第1及び第2の封止管5,6は、図1に示すように、互いに中心軸Pを一致させて、放電容器2の外径より小さい外周径を有する円筒状に形成されている。そして、第1及び第2の封止管5,6の端部には、本実施の形態に係る放電ランプ1を露光装置などの外部装置に電気的に接続するとともに機械的に支持するための口金7,8が取り付けられている。
第1の封止管5には、先端部に陰極3が取り付けられた陰極支持軸9が挿通支持され、第2の封止管6には、先端部に陽極4が取り付けられた陽極支持軸10が挿通支持されている。陰極支持軸9及び陽極支持軸10は、それぞれ中心軸を第1及び第2の封止管5,6の中心軸Pに一致させて支持されている。
そして、陰極3は、図2に示すように、この陰極3の中心軸である電極軸Pを陰極支持軸9の中心軸に一致させて取り付けられる。陽極4も同様に、図2に示すように、この陽極4の中心軸である電極軸Pを陽極支持軸10の中心軸に一致させて取り付けられる。したがって、陰極3と陽極4は、図1に示すように、電極軸P,Pを一致させて同軸とした状態で所定間隔を隔て先端部を相対向させて放電容器2内に位置決め配置される。
陰極3と陽極4をそれぞれ支持した陰極支持軸9と陽極支持軸10は、第1及び第2の封止管5,6内に配設された導電性を有する金属箔11,12を介して、口金7,8に配設されたリード軸13,14に電気的に接続されている。
また、第1及び第2の封止管5,6は、図示しないが、これら封止管5,6内に収納配置された封着用のガラス材に熱溶融されて溶着されることにより封止され、放電容器2内に構成される放電空間DSを封止する。放電容器2内の封止された放電空間DSには、水銀及びキセノン、アルゴン等の希ガスが封入される。
ショートアーク型の放電ランプ1は、リード軸13,14、金属箔11,12、陰極支持軸9、陽極支持軸10を介して、電気的に絶縁状態にある陰極3と陽極4との間に高電圧が印加されると、陰極3と陽極4との間にアーク放電を発生させる。このアーク放電により生ずる電流によるジュール熱とアーク放電による熱とにより、陰極3と陽極4が昇温される。
本実施の形態に係る放電ランプ1に用いられる陰極3は、高融点金属材料であるタングステン又はタングステンを主成分とする合金を用いて形成されている。タングステンの焼結体からなる陰極3は、図2に示すように、基端部側に陰極支持軸9への取付部側となる陰極胴体部15が形成され、先端部側に電子の放出部側となる陰極縮径部16が形成されている。
陰極胴体部15は、基端部側から先端部側に亘って外周径を一定とする円柱状に形成されている。陰極胴体部15の基端部側には、支持軸嵌合孔17が形成されている。支持軸嵌合孔17は、中心軸を陰極3の電極軸Pに一致させて陰極胴体部15の基端部側から先端部側の中途部に亘って穿設されている。陰極3は、支持軸嵌合孔17を陰極支持軸9の先端部に嵌合することにより、陰極支持軸9に電気的に接続され機械的に固定支持される。陰極3は、中心軸を電極軸Pに一致させて形成した支持軸嵌合孔17を陰極支持軸9に嵌合して取り付けられるので、図1に示すように、電極軸Pを陰極支持軸9の中心軸及び第1の封止管5の中心軸Pに一致させて放電容器2内に配置される。
陰極縮径部16は、陰極胴体部15への連設部となる基端部側から電子の放出部となる先端部側に向かって徐々に縮径する略円錐形状を構成するように形成されている。陰極縮径部16の先端部側は、集中して安定した電子放出を実現するため、先鋭化するように形成されている。なお、本実施の形態では、陰極縮径部16の先端部は、アーク放電の集中による過剰な昇温による消耗を防止するため、先鋭な先端部の一部を切り欠くようにして一定の面積を有する円形の先端面18が形成されている。この先端面18は、電極軸Pを中心にした同心円状の円形に形成されている。
一方、陽極4は、高融点金属材料であるタングステン又はタングステンを主成分とする合金より形成される。タングステンの焼結体からなる陽極4は、図2に示すように、基端部側に陽極支持軸10への取付部側となる陽極胴体部21と、先端部側に陰極3の陰極縮径部16と対向する陽極縮径部22とを備える。
陽極胴体部21は、基端部側から先端部側に亘って外周径を一定とする円柱状に形成されている。
陽極縮径部22は、胴体部21に連続する基端部側から先端部側に向かって徐々に縮径した円錐形状を構成するように形成されている。陽極縮径部22の先端部には、円形の先端面23が形成されている。この先端面23は、電極軸Pを中心にした同心円状の円形に形成されている。また、陽極4の先端面23は、陰極3側の放電面となる先端面18と間でアーク放電を発生させる放電面を構成する。
そして、陽極胴体部21の基端部側には、支持軸嵌合孔24が穿設されている。支持軸嵌合孔24は、中心軸を陽極4の電極軸Pに一致させて陽極胴体部21の基端部側から先端部側の中途部に亘って穿設されている。陽極4は、支持軸嵌合孔24を陽極支持軸10の先端部を嵌合することにより、陽極支持軸10に電気的に接続され機械的に固定支持される。このとき、陽極4は、中心軸を電極軸Pに一致させて形成した支持軸嵌合孔24を陽極支持軸10に嵌合して取り付けられるので、図1に示すように、電極軸Pを陽極支持軸10の中心軸及び第2の封止管6の中心軸Pに一致させて放電容器2内に配置される。
上述したように、陰極3と陽極4は、互いの中心軸Pを一致させて放電容器2に形成した第1及び第2の封止管5,6にそれぞれ中心軸を一致させて取り付けた陰極支持軸9と陽極支持軸10の中心軸にそれぞれ電極軸P,Pを一致させて支持されることにより、互いに電極軸P,Pが一致されて放電容器2内に配置されている(図1参照)。
そして、陰極3と陽極4は、陰極支持軸9と陽極支持軸10が第1及び第2の封止管5,6に固定支持されたとき、陰極3の先端面18と陽極4の先端面23との間で構成される電極間距離Dが一定距離を維持するように位置決めされる。
ショートアーク型の放電ランプ1に用いられる陽極4は、動作時に加熱され陰極3以上に昇温する。そこで、陽極4は、図2に示すように、熱容量を大きくし、過剰な昇温を抑えるため、陰極3に比し十分に大型に形成されている。陰極3に比し大型化された陽極4は、体積の増大とともに表面積の拡大により、熱容量を大きくしながら、外表面からの放射熱量を大きくすることができ、過剰な加熱を抑制することが可能となる。
ところで、ショートアーク型の放電ランプ1は、安定したアーク放電を実現するため、互いの電極軸P,Pを一致させた陰極3と陽極4を、1〜15mm程度の非常に短い電極間距離Dで対向配置している。このように電極間距離Dが短い放電ランプ1では、図2に示すように、電子の放出部となる陰極3の先端面18の一点を輝点Hとみなし、この輝点Hを中心にして光が放射するとみなすことができる。
そのため、少なくとも電極間距離Dよりも大きな外周径Wを有する円柱状をなす陽極4が陰極3と同軸に陰極3の先端面18に近接して配置されると、輝点Hが大きな面積を有する陽極4の先端面で覆われてしまう。陰極3の先端の輝点Hを発光中心として放射される光の多くが陽極4の先端面で遮断され、放電容器2の外部に向かうことなく放電容器2内で散乱し、放電容器2の外部に放射される放射光量が低減してしまう。
そこで、本実施の形態では、図2に示すように、陽極4の一端部側に胴体部21に連続する基端部側から先端部側に向かって徐々に縮径した陽極縮径部22を形成している。このように形成された陽極縮径部22の外周面22aは、陽極4の電極軸Pに対し一定の傾斜角を有する傾斜面として形成される。このような陽極縮径部22を形成することにより、陽極4の先端部で大きく遮断されることなく放電容器2の外部に向かって直接放射される光の放射範囲Rが拡大する。
すなわち、陰極3の先端面18の輝点Hを中心にして発光する光の成分のうち放電容器2の外部に向かって直接放射される光の放射範囲Rは、図2に示すように、輝点Hを中心にして、陰極縮径部16の外周面16aに沿う方向と、陽極縮径部22の基端部側の陽極胴体部21との境界部に向かう方向とで囲まれた領域となる。
ところで、本実施の形態に係る放電ランプ1において、アーク放電による光は、陰極3の先端面18の輝点Hを中心にして全方向に放射される。そのため、陽極縮径部22の外周面22aに入射し、この外周面22aにより反射される反射成分が発生する。
陽極縮径部22の外周面22aによって反射されて放射される反射放射範囲Rの反射光は、放電容器2の外部に向かって直接放射される光Lとは放射方向を異にする。このように放電容器2内で放射方向が変更された反射光は、放電ランプ1から放射される光の焦点を絞るレンズや光路を変更するミラー等の光学素子に入射されるとき、これら光学素子の縁などで反射や回折を発生させ、迷光成分を発生させてしまう。露光装置に用いられる光源に迷光成分を含むことは、精度のよい露光を妨げる原因となる。
そこで、本実施の形態は、放電容器2内に配置される陽極4に、陰極3と陽極4との間で発生するアーク放電により生成される光の反射を抑制する反射抑制手段を設けたものである。この反射抑制手段は、アーク放電により生成される光が陽極4の一部で反射することを抑制するようにしたものであって、図3、図4に示すように、陽極4の電極軸Pに対し傾斜した陽極縮径部22の外周面22aに形成した反射抑制用の溝部31により構成されている。
本実施の形態において、反射抑制用の溝部31は、図3に示すように、陽極4の電極軸Pを中心にして、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に一連に連続したリング状に形成されている。陽極4の電極軸Pを中心にして陽極縮径部22の外周面に形成される複数の溝部31は、図3、図4に示すように、電極4の電極軸Pの方向に順次径を異にしながら陽極縮径部22の外周面22aにおいて多段状に形成されている。
反射抑制用の溝部31は、陽極縮径部22の外周面22aによる光の反射を抑制することを目的に形成されるものであるので、図1、図2に示すように、陽極縮径部22の先端部から基端部側のほぼ全外周面22aに形成される。
そして、反射抑制用の溝部31は、図4に示すように、陽極4の電極軸Pを中心にした断面形状が、底部31aを中心にして開口部31b側に向かって相対向する側面31c,31dが開拡する断面三角形状に形成されている。
さらに、陽極縮径部22の外周面22aにおいて、断面三角形状に形成された溝部31は、図4に示すように、開口部31bの開放幅方向の中心Oから底部31aに向かう方向である溝部方向Sが、陽極4の電極軸Pに対し傾斜した陽極縮径部22の外周面22aに垂直な方向Hより陽極胴体部21の外周面21a側に向かう方向に傾斜して形成される。
すなわち、溝部31は、上述の溝部方向Sと陽極縮径部22の外周面22aとがなす角である俯角θが90°より小さい角度で形成されることにより、図4に示すように、陽極縮径部22の外周面22aに垂直な方向Hより陽極胴体部21の基端部側に傾斜して形成される。このように形成される溝部31は、陽極縮径部22の外周側に位置する一方の側面31cに対し電極軸P側の内周側に位置する他方の側面31d側の深さ方向、すなわち、当該溝部31の溝部方向Sの高さを大きくして形成されている。したがって、溝部31は、断面形状が不等辺三角形をなすように形成されている。
このように形成された反射抑制用の溝部31は、図5に示すように、開口部31bを陰極3と陽極4の間のアーク放電を発生する領域方向に向けて形成される。さらに具体的には、溝部31は、図5に示すように、開口部31bがアーク放電の一方の起点となる陰極3の先端面18に向かって開口するように形成されている。
このように溝部31を形成することにより、陰極3の先端面18の輝点Hを中心として発光し陽極縮径部22の外周面22aに向かって放射される光Lが溝部31に入射される。
ここで、陰極3の先端面18の輝点Hを中心にして放射される光Lが、陽極縮径部22の外周面22aに形成した反射抑制用の溝部31に入射し易いようにするため、溝部31は、次に示すような関係で形成することが望ましい。
なお、図5に示す例では、陽極縮径部22の外周面22aに形成された複数の溝部31のうち、ほぼ中央部に形成された溝部31を例に挙げて説明する。
すなわち、溝部31は、図5に示すように、陰極3の先端面18と陽極4の先端面23との間隔である電極間距離をDとし、陽極4の先端面23の直径をRとし、溝部方向Sと陽極4の電極軸Pと同軸とされている陰極3の電極軸Pとがなす角度をθとし、陰極3の先端面18の中心である輝点Hと陽極4の先端面23の外周縁Xを通る仮想線Sと陽極4の電極軸Pとがなす角度をθとし、陽極縮径部22の外周面22aと陽極4の電極軸Pとがなす角度をθとするとき、下記の式1〜式3を満たすように形成する。
tanθ=(R/2)/d ・・・(1)
θ<θ ・・・(2)
0°≦θ<θ ・・・(3)
このよう溝部31を形成することにより、溝部31の開口部31bが陰極3と陽極4との間で発生するアーク放電側に臨み、陰極3の先端面18の中心を輝点Hとして放射される光L1の入射がし易くなる。
ところで、反射抑制用の溝部31は、この溝部31に入射された光Lが、溝部31を構成する相対向する側面31c,31dとの間で反射を繰り返し、その内部で次第に吸収され、溝部31の外部に放射される光を減衰するように形成されている。ここで、溝部31の相対向する側面31c,31dは、上述したように、この溝部31に入射された光Lの反射を繰り返し行う光反射手段を構成している。
このように入射された光Lを減衰する溝部31は、図6に示すように、開口部31b側から入射した光Lが相対向する側面31c,31dで反射を繰り返すことにより底部31a側に進行するように形成されている。すなわち、溝部31は、開口部31b側から底部31aに向かって相対向する側面31c,31dの間隔が徐々に小さくなるように形成される。本実施の形態において、溝部31は、図6に示すように、開口部31bの幅Wに対し深さDを2〜4倍とする細長い三角形状に形成させている。
そして、溝部31に入射した光Lは、図6中矢印で示すように、相対向する側面31c,31dで反射を繰り返しながら溝部31の内部に進入して減衰され、溝部31の外部に反射される戻り光の量が抑制される。
なお、溝部31は、この溝部31に入射した光Lの成分のうち、溝部31の外部に反射されて戻る戻り光量を抑制し、相対向する側面31c,31d間で反射を繰り返しながら溝部31の内部に進行する光量を大きくするため、図4に示すように、相対向する側面31c,31d間の開き角θは小さくすることが望ましい。溝部31は、開き角θを30°以下として形成することが望ましい。
本実施の形態で用いられる反射抑制用の溝部31は、陽極縮径部22の外周面22aに入射される光Lの入射量を大きくしながら反射光量を抑制し得る形状であればいずれの形状であってもよく、例えば、図7に示すように、底部31a側の開き角θが開口部31b側の開き角θより小さくなるように、相対向する側面31c,31dを深さ方向の途中で折り曲げるように形成する。すなわち、溝部31は、深さ方向の途中から底部31aに向かって急峻な角度で幅狭となる断面形状を略Y字状となるように形成する。このように略Y字状に形成された溝部31は、開口部31b側の幅を大きくしているので、陽極縮径部22の外周面22aに向かって放射される光Lの入射量を大きくし、この入射した光Lを確実に底部31aに向かって進入させ減衰することができる。
また、反射抑制用の溝部31は、図8に示すように、相対向する側面31c,31dを底部31aに向かって徐々に膨出するように湾曲して形成し、開口部31b側の開き角θが底部31a側の開き角θよりも大きくなるように形成する。図8に示す溝部31も開口部31b側の幅を大きくしているので、陽極縮径部22の外周面22aに向かって放射される光Lの入射量を大きくし、この入射した光Lを確実に底部31aに向かって進入させ減衰することができる。
本実施の形態において、反射抑制用の溝部31は、陽極縮径部22の外周面22aにおいて、電極軸P方向に多段に形成されているが、陽極縮径部22の外周面22aの周回り方向に一連に連続する1本の螺旋状の溝部として形成したものであってもよい。
上述した反射抑制用の溝部31は、レーザ光を用いたレーザ加工法や、機械的な切削加工手段、あるいはエッチング法などの加工手段を用いて形成することができる。
なお、本実施の形態では、陽極4の熱放射量の増大を図り、過剰な昇温を防止するため、図1、図2に示すように、陽極胴体部21の外周面21aに放熱用溝部45が形成されている。この放熱用溝部45は、陽極胴体部21の外周面21aの表面積を拡大し、陽極胴体部21の外周面21aからの熱放射量を増加するような形状に形成され、例えば、断面三角形状、あるいは断面U字状などの適宜形状で形成されている。
上述した実施の形態では、陽極4は、陽極胴体部21と、反射抑制用の溝部31を形成した陽極縮径部22とを同一の金属材料で一体に形成しているが、それぞれ独立に形成した円柱状をなす陽極胴体部21と円錐台状の陽極縮径部22を突き合わせ接合して一体化したものであってもよい。このように、陽極胴体部21と陽極縮径部22を独立して形成することにより、それぞれの特性に要求される材料を用いることができる。例えば、加熱が著しい陽極縮径部22を高融点材料、例えば純タングステンにより形成し、陽極胴体部21を熱伝導性に優れた材料、例えばタングステンにレニウム等を含有したタングステン合金や窒化アルミ、カーボン素材、タングステンに比べて軽量なモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金により形成する。
陽極胴体部21と陽極縮径部22を独立して形成することにより、陽極胴体部21と陽極縮径部22にそれぞれの特性に応じて形状や大きさを異にして形成される溝部45,31を容易に形成することができる。例えば、陽極胴体部21に形成される放熱効果に優れた形状や大きさの放熱用溝部45と、陽極縮径部22に形成される反射抑制用の溝部31をそれぞれ独立した工程で作成することも可能となり、溝部45,31の加工の容易化が可能となる。
なお、陽極胴体部21側の部分と陽極縮径部22側の部分を独立に形成して組み合わせて陽極4を構成する場合、円錐台状をなす陽極縮径部22の基端部側部分を陽極胴体部21と一体に形成し、陽極縮径部22の先端側部分を独立して形成し、これらを突き合わせ一体化したものであってもよい。すなわち、この陽極4においては、円錐台状をなす陽極縮径部22の中途部に接合面が形成される。
さらに、陰極3も、それぞれ独立して形成した陰極胴体部15と陰極縮径部16を突き合わせ接合して一体化したものであってもよい。このとき、陰極胴体部15を純タングステンやモリブデンにより形成し、陰極縮径部16をトリエーテッドタングステンにより形成することにより、放射性物質であるトリウム(Th)の使用量を削減可能とする。
なお、陰極胴体部15側の部分と陰極縮径部16側の部分を独立に形成して組み合わせて陰極3を構成する場合、円錐台状をなす陰極縮径部16の基端側部分を陰極胴体部15と一体に形成し、陰極縮径部16の先端側部分を独立して形成し、これらを突き合わせ一体化したものであってもよい。すなわち、この陰極3においては、円錐台状をなす陰極縮径部16の中途部に接合面が形成される。
上述した実施の形態に示すように、本発明は、ショートアーク型の放電ランプであって、陽極と陰極とを上下の位置関係で対向配置させた垂直点灯方式の放電ランプに適用して有用であるが、その他の放電ランプ適用したものと同様の利点が得られるものである。
また、本発明において、反射抑制手段を構成する溝部は、上述した実施の形態に示すものに特定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜選択可能である。
1 放電ランプ
2 放電容器
3 陰極
4 陽極
15 陰極胴体部
16 陰極縮径部
18 陰極縮径部の先端面
21 陽極胴体部
22 陽極縮径部
23 陽極縮径部の先端面
31 反射抑制用の溝部
31a 溝部の底部
31b 溝部の開口部
31c,31d 溝部の側面

Claims (1)

  1. 放電容器と、
    所定間隔を隔て先端部を相対向させて上記放電容器内に配置された陰極と陽極とを備え、
    上記陽極は、円柱状をなす胴体部と、先端面が形成されるとともに上記胴体部に連続する基端部側から上記先端面が形成された先端部に向かって外周径を徐々に縮径させた縮径部とを有し、
    上記陽極は、上記胴体部側の部分と上記縮径部側の部分を接合して一体化した陽極であって、
    上記陽極の縮径部には、上記陰極と上記陽極との間で発生するアーク放電により生成される光の反射を抑制する反射抑制手段が設けられており、
    上記反射抑制手段は、上記光が入射する開口部側から底部側に向かって徐々に幅を小さくする溝部として形成されており、
    上記溝部は、上記開口部側の開き角が底部側の開き角よりも大きく、溝部方向が、上記縮径部の外周面に垂直な方向より上記胴体部の外周面側に傾斜していることを特徴とする放電ランプ。

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